説明

操作履歴蓄積システムおよび方法、プログラム

【課題】 操作履歴として実行された操作イベントと当該操作イベントのレベル情報を関連付けて蓄積し、情報入力操作を実行する度に異なる操作イベントが入力される箇所があっても、その実行毎に生じる差異を吸収した操作履歴を表示する。
【解決手段】 操作履歴蓄積システムに係る端末装置100を、ネットワークを介して接続する遠隔の端末装置との間で操作イベントを送受信する遠隔制御管理部110と、前記遠隔制御管理部110から受信する操作イベントを、所定のアプリケーション部に対して送信するアプリケーション制御部120と、前記アプリケーション制御部120に入力された操作イベントの履歴を、遠隔制御セッションを識別するための遠隔制御識別情報に関連付けて蓄積する操作履歴蓄積部130と、前記アプリケーション制御部120から操作イベントを受信し、当該操作イベントに従った動作を行う前記アプリケーション部140で構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作履歴を蓄積可能な操作履歴蓄積システムおよび方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
遠隔操作可能な端末装置およびこれらの端末装置で構成される遠隔操作システムにおいては、遠隔の端末装置のユーザに対して操作の代行を依頼したり、操作を教えてもらったりという利用形態がある。これらの利用形態においては、遠隔のユーザに代行してもらった操作や教えてもらった操作と同様の操作を、遠隔操作終了後に、ユーザ自身の操作として繰り返し行う場合が多い。
【0003】
これまでの遠隔操作システムでは、その操作履歴を閲覧することができなかったり、閲覧できてもその操作履歴の理解することが難しかったり、閲覧に至るまでの手順自体が複雑だったりと、ユーザが、以前の遠隔制御時に実行された操作と、同様の操作を新たに行いたい場合でも、以前の操作履歴をわかりやすく参照させる機能はこれまで提供されてこなかった。
【0004】
一方で、遠隔制御ではないが、端末の操作履歴から操作マニュアルを生成するシステムが存在する(特許文献1参照)。このシステムでは、操作対象装置の操作部のエミュレータに対して入力されたイベントを、当該イベント実行時に状態が変化するユーザインタフェースの識別子およびその状態変化を示す情報と関連付けて蓄積しておき、この情報と、同一端末内に管理されているユーザインタフェースの属性情報およびイベントの説明データに基づき、マニュアルを自動生成するものである。
【特許文献1】特開平7−219897号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
端末装置に入力される操作イベントは、連続して入力される場合が多く、所定の処理に関する操作マニュアルを生成するには、この操作イベント群の中から当該処理に関するものだけを抽出する必要がある。
【0006】
ところが従来では、マニュアルの生成に用いる操作履歴は、エミュレータに対する操作の履歴であるため、連続する操作イベント群の中から特定のものだけを抽出する機能を有していない。
【0007】
また、例えば、アドレス帳への情報入力操作の場合、この操作を実行する度に入力されるアドレスデータは異なる。このように、同じ操作にも関わらず、一連の操作イベント群の中に、実行する度に異なる操作イベントが入力される箇所がある場合は、当該箇所を特定の語句に入れ替えるなど、実行毎に生じる差異を吸収する機能が必要となる。
【0008】
また、生成したマニュアルを、ネットワークを介してサーバ装置に蓄積をしておき、第三者に対して当該マニュアルを閲覧可能にする場合、個人情報に関する操作イベントについては、他の語句に置き換えるか、削除するなどの処理を行い、個人情報の漏洩を防ぐ必要があった。
【0009】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、操作履歴として実行された操作イベントと当該操作イベントのレベル情報を関連付けて蓄積し、情報入力操作を実行する度に異なる操作イベントが入力される箇所があっても、その実行毎に生じる差異を吸収した操作履歴を表示することにある。
【0010】
また、本発明の別の目的は、秘匿性の高い操作イベントが操作履歴に含まれる場合に、操作イベントと関連付けられて蓄積されているレベル情報に基づいて閲覧するユーザの属性によって表示内容を切り替え、秘匿性の高い情報が漏洩することを防ぐことにある。
【0011】
また、本発明の別の目的は、操作履歴を遠隔制御識別情報と関連づけて蓄積し、同一の遠隔制御セッションで実行された関連性の高い操作イベントをグループ化して管理し、特定の操作に関わる操作履歴を容易に抽出することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の本発明は、ネットワークを介して接続する遠隔の端末装置との間で操作イベントを送受信する遠隔制御管理部と、前記遠隔制御管理部から受信する操作イベントを所定のアプリケーション部に対して送信するアプリケーション制御部と、前記アプリケーション制御部に入力された操作イベントの履歴を遠隔制御セッションを識別するための遠隔制御識別情報に関連付けて蓄積する操作履歴蓄積部と、前記アプリケーション制御部から操作イベントを受信し、当該操作イベントに従った動作を行う前記アプリケーション部と、を備え、前記アプリケーション部は、前記アプリケーション制御部から受信した操作イベントを、アプリケーション動作部とレベル情報検索部に送信する入力管理部と、前記入力管理部から受信した操作イベントに基づき所定の動作を行い、現在の動作状態を示す動作状態情報を示す動作状態情報を出力する前記アプリケーション動作部と、前記アプリケーション動作部から新たに動作状態情報を受信すると、直前に記憶した動作状態情報を前記レベル情報検索部に送信し、新たに受信した動作状態情報を一時記憶する動作状態情報一時記憶部と、操作イベントと動作状態情報に関連付けられる操作イベントのレベル情報を蓄積するレベル情報データベースと、前記入力管理部から受信する操作イベントと前記動作状態情報一時記憶部から受信する動作状態情報を用いて、前記レベル情報データベースから当該操作イベントのレベル情報を検索し、検索結果として取得したレベル情報を前記アプリケーション制御部に対して送信するレベル情報検索部と、から構成され、前記アプリケーション制御部は、前記アプリケーション部の前記レベル情報検索部から前記アプリケーション部に対して送信した操作イベントのレベル情報を受信すると、当該操作イベントと当該レベル情報を前記操作履歴蓄積部に送信し、前記操作履歴蓄積部は、受信した操作イベントとレベル情報、および当該遠隔制御の遠隔制御識別情報を関連付けて蓄積する。
【0013】
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1において、前記操作履歴蓄積部に蓄積されている操作履歴情報に含まれる操作イベント群を、前記レベル情報に基づき編集するための操作履歴解析・編集部を備える。
【0014】
また、請求項3に記載の本発明は、請求項1または2において、操作履歴を蓄積するサーバ装置が接続され、前記操作履歴解析・編集部は、前記操作履歴蓄積部に蓄積されている操作履歴情報に含まれる操作イベント群を前記レベル情報に基づき編集し、その編集結果を前記サーバ装置の操作履歴蓄積部に送信する。
【0015】
また、請求項4に記載の本発明は、請求項3において、前記操作履歴蓄積システムで送受信される操作イベントは、機器依存性を示すことなく汎用的に使用可能なメッセージフォーマットである。
【0016】
また、請求項5に記載の本発明は、請求項3において、前記サーバ装置は操作履歴汎用化部を備え、前記操作履歴解析・編集部は、編集後の操作イベント群とともに自身の種別を示す端末属性情報を前記サーバ装置に対して送信し、前記操作履歴汎用化部は、操作イベント群と端末属性情報とを受信すると、当該端末属性情報に対応する変換ルールに従い、当該操作イベント群を汎用的なメッセージに変換する。
【0017】
また、請求項6に記載の本発明は、遠隔制御管理部において、ネットワークを介して接続する遠隔の端末装置との間で操作イベントを送受信するステップと、アプリケーション制御部において、前記遠隔制御管理部から受信する操作イベントを所定のアプリケーション部に対して送信するステップと、操作履歴蓄積部において、前記アプリケーション制御部に入力された操作イベントの履歴を遠隔制御セッションを識別するための遠隔制御識別情報に関連付けて蓄積するステップと、前記アプリケーション部において、前記アプリケーション制御部から操作イベントを受信し、当該操作イベントに従った動作を行うステップと、を有し、前記アプリケーション部は、入力管理部において、前記アプリケーション制御部から受信した操作イベントを、アプリケーション動作部とレベル情報検索部に送信するステップと、前記アプリケーション動作部において、前記入力管理部から受信した操作イベントに基づき所定の動作を行い、現在の動作状態を示す動作状態情報を示す動作状態情報を出力するステップと、動作状態情報一時記憶部において、前記アプリケーション動作部から新たに動作状態情報を受信すると、直前に記憶した動作状態情報を前記レベル情報検索部に送信し、新たに受信した動作状態情報を一時記憶するステップと、レベル情報データベースにおいて、操作イベントと動作状態情報に関連付けられる操作イベントのレベル情報を蓄積するステップと、レベル情報検索部において、前記入力管理部から受信する操作イベントと前記動作状態情報一時記憶部から受信する動作状態情報を用いて、前記レベル情報データベースから当該操作イベントのレベル情報を検索し、検索結果として取得したレベル情報を前記アプリケーション制御部に対して送信するステップと、を有し、前記アプリケーション制御部において、前記アプリケーション部の前記レベル情報検索部から前記アプリケーション部に対して送信した操作イベントのレベル情報を受信すると、当該操作イベントと当該レベル情報を前記操作履歴蓄積部に送信するステップと、前記操作履歴蓄積部において、受信した操作イベントとレベル情報、および当該遠隔制御の遠隔制御識別情報を関連付けて蓄積するステップと、を有する。
【0018】
また、請求項7に記載の本発明は、請求項6において、操作履歴解析・編集部において、前記操作履歴蓄積部に蓄積されている操作履歴情報に含まれる操作イベント群を、前記レベル情報に基づき編集するステップを有する。
【0019】
また、請求項8に記載の本発明は、請求項6または7において、操作履歴を蓄積するサーバ装置が接続され、前記操作履歴解析・編集部は、前記操作履歴蓄積部に蓄積されている操作履歴情報に含まれる操作イベント群を前記レベル情報に基づき編集し、その編集結果を前記サーバ装置の操作履歴蓄積部に送信するステップを有する。
【0020】
また、請求項9に記載の本発明は、請求項8において、前記操作履歴蓄積システムで送受信される操作イベントは、機器依存性を示すことなく汎用的に使用可能なメッセージフォーマットである。
【0021】
また、請求項10に記載の本発明は、請求項8において、前記サーバ装置は操作履歴汎用化部を備え、前記操作履歴解析・編集部は、編集後の操作イベント群とともに自身の種別を示す端末属性情報を前記サーバ装置に対して送信するステップと、前記操作履歴汎用化部は、操作イベント群と端末属性情報とを受信すると、当該端末属性情報に対応する変換ルールに従い、当該操作イベント群を汎用的なメッセージに変換するステップと、を有する。
【0022】
また、請求項11に記載の本発明は、遠隔制御管理部において、ネットワークを介して接続する遠隔の端末装置との間で操作イベントを送受信するステップと、アプリケーション制御部において、前記遠隔制御管理部から受信する操作イベントを所定のアプリケーション部に対して送信するステップと、操作履歴蓄積部において、前記アプリケーション制御部に入力された操作イベントの履歴を遠隔制御セッションを識別するための遠隔制御識別情報に関連付けて蓄積するステップと、前記アプリケーション部において、前記アプリケーション制御部から操作イベントを受信し、当該操作イベントに従った動作を行うステップと、を有し、前記アプリケーション部は、入力管理部において、前記アプリケーション制御部から受信した操作イベントを、アプリケーション動作部とレベル情報検索部に送信するステップと、前記アプリケーション動作部において、前記入力管理部から受信した操作イベントに基づき所定の動作を行い、現在の動作状態を示す動作状態情報を示す動作状態情報を出力するステップと、動作状態情報一時記憶部において、前記アプリケーション動作部から新たに動作状態情報を受信すると、直前に記憶した動作状態情報を前記レベル情報検索部に送信し、新たに受信した動作状態情報を一時記憶するステップと、レベル情報データベースにおいて、操作イベントと動作状態情報に関連付けられる操作イベントのレベル情報を蓄積するステップと、レベル情報検索部において、前記入力管理部から受信する操作イベントと前記動作状態情報一時記憶部から受信する動作状態情報を用いて、前記レベル情報データベースから当該操作イベントのレベル情報を検索し、検索結果として取得したレベル情報を前記アプリケーション制御部に対して送信するステップと、を有し、前記アプリケーション制御部において、前記アプリケーション部の前記レベル情報検索部から前記アプリケーション部に対して送信した操作イベントのレベル情報を受信すると、当該操作イベントと当該レベル情報を前記操作履歴蓄積部に送信するステップと、前記操作履歴蓄積部において、受信した操作イベントとレベル情報、および当該遠隔制御の遠隔制御識別情報を関連付けて蓄積するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、操作履歴として実行された操作イベントと当該操作イベントのレベル情報を関連付けて蓄積し、情報入力操作を実行する度に異なる操作イベントが入力される箇所があっても、その実行毎に生じる差異を吸収した操作履歴を表示することができる。
【0024】
また、本発明の別の効果は、秘匿性の高い操作イベントが操作履歴に含まれる場合に、操作イベントと関連付けられて蓄積されているレベル情報に基づいて閲覧するユーザの属性によって表示内容を切り替え、秘匿性の高い情報が漏洩することを防ぐことができる。
【0025】
また、本発明の別の効果は、操作履歴を遠隔制御識別情報と関連づけて蓄積し、同一の遠隔制御セッションで実行された関連性の高い操作イベントをグループ化して管理し、特定の操作に関わる操作履歴を容易に抽出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。
【0027】
図1は、第1の実施の形態の操作履歴蓄積システムの端末装置の動作の概要を示すフローチャートである。
【0028】
ネットワークを介して接続する遠隔の端末装置との間で遠隔制御開始処理を行う(S101)。次に遠隔の端末装置から受信する操作イベントによって、アプリケーションが制御される(S102)。次に、受信した操作イベントを蓄積する(S103)。終了処理(S104)により当該遠隔制御セッションが終了されない限り、S102およびS103の処理が繰り返し実行される。
【0029】
図2は、第1の実施の形態の端末装置のブロック図である。
【0030】
操作履歴蓄積システムの実施の形態に係る端末装置100は、ネットワークを介して接続する遠隔の端末装置との間で操作イベントを送受信する遠隔制御管理部110と、前記遠隔制御管理部110から受信する操作イベントを、所定のアプリケーション部に対して送信するアプリケーション制御部120と、前記アプリケーション制御部120に入力された操作イベントの履歴を、遠隔制御セッションを識別するための遠隔制御識別情報に関連付けて蓄積する操作履歴蓄積部130と、前記アプリケーション制御部120から操作イベントを受信し、当該操作イベントに従った動作を行う前記アプリケーション部140とから構成される。
【0031】
前記アプリケーション部140は、前記アプリケーション制御部120から受信した操作イベントを、アプリケーション動作部142とレベル情報検索部145に送信する入力管理部141と、前記入力管理部141から受信した操作イベントに基づき所定の動作を行い、レベル情報検索部145に対して動作状態情報を出力する前記アプリケーション動作部142と、前記アプリケーション動作部142から新たに動作状態情報を受信すると、直前に記憶した動作状態情報を前記レベル情報検索部145に送信し、新たに受信した動作状態情報を一時記憶する動作状態情報一時記憶部143と、操作イベントと動作状態情報に関連付けられる操作イベントのレベル情報を蓄積するレベル情報データベース144と、前記入力管理部141から受信する操作イベントと前記動作状態情報一時記憶部143から受信する動作状態情報を用いて、前記レベル情報データベース144から当該操作イベントのレベル情報を検索し、検索結果として取得したレベル情報を前記アプリケーション制御部120に対して送信するレベル情報検索部145とから構成される。
【0032】
アプリケーション部140は、例えば、端末装置100に実装されるWebブラウザや映像プレイヤなどの一般的なアプリケーションの動作をするものであり、一般的なアプリケーションの動作は、アプリケーション動作部142が行う。端末装置100がWebブラウザと映像プレイヤの両方の機能が必要な場合は、それぞれの機能を有するアプリケーション部が実装される。このように、アプリケーション部140は、端末装置100に複数具備される場合もある。
【0033】
まず、端末装置100の、遠隔制御開始処理(S101)における詳細な動作を説明する。図3は、端末装置100の、遠隔制御開始処理(S101)における詳細な動作を示すフローチャートである。
【0034】
まず、遠隔制御管理部110が、これから開始する遠隔制御セッションの遠隔制御識別情報を生成するか、ネットワークを介して接続する遠隔の端末装置から受信する(S201)。図4は、遠隔制御識別情報の例である。この場合、端末装置100は、端末装置100に実装されているアプリケーション部のうちの、映像プレイヤとブラウザの遠隔制御を、端末装置Aに対して要求していることを示している。
【0035】
ここで、遠隔制御識別番号は、遠隔制御セッション毎に決定される固有の番号である。また「端末装置A」と記述されている箇所は、接続する端末装置を識別する情報が記載され、例えば端末装置のIPアドレスやホスト名などが考えられる。当該遠隔制御における操作側通信装置がいずれの通信装置であるかを示すとともに、操作側通信装置に操作を委譲するアプリケーション、当該アプリケーションの出力データの取得方法、当該アプリケーションを操作するための入力イベントの種別が指定される。
【0036】
コンポーネント(1)、(2)は、操作対象アプリケーションとアプリケーションの出力データ取得方法、イベント種別の組み合わせを示す。図4の場合、上下方向キーイベントは映像プレイヤの操作に、左右方向キーイベントはブラウザの操作に、それぞれ割り当てられていることを示す。
【0037】
この遠隔制御識別情報は、ネットワークを介して接続する遠隔の端末装置との間で遠隔制御が開始されるときに、遠隔の端末装置により生成されるか、端末装置100の遠隔制御管理部110により生成される。遠隔制御識別情報が遠隔の端末装置により生成された場合は、端末装置100がこれを受信する。
【0038】
次に、当該遠隔制御識別情報が、遠隔制御管理部110からアプリケーション制御部120に送信され、アプリケーション制御部120に設定される(S202)。
【0039】
次に、アプリケーション制御部120は、遠隔制御識別情報に指定されている、操作イベントの振り分けルールを設定する(S203)。図4に示す遠隔制御識別情報の場合、上下方向キーイベントは映像プレイヤの操作に、左右方向キーイベントはブラウザの操作に、それぞれ振り分けるように設定される。
【0040】
次に、アプリケーション制御部120は、遠隔制御識別情報に指定されているアプリケーション部を軌道する(S204)。図4に示す遠隔制御識別情報の場合、映像プレイヤとブラウザが起動される。
【0041】
次に、アプリケーション制御部は、遠隔制御識別情報を操作履歴蓄積部に送信し、当該遠隔制御識別情報を蓄積する(S205)。
【0042】
次に、遠隔の端末装置からの操作イベントを受信するための設定を行う(S206)。例えば、特定のTCPまたはUDPのポートを、操作イベントの転送のために使用するように設定したり、端末装置のファイアウォール機能が有効となっている場合は、当該遠隔制御中のみ当該通信ポートに対するファイアウォール機能を停止したりなどの処理が、S206で行われる。
【0043】
次に、端末装置100の、遠隔の端末装置から受信する操作イベントによるアプリケーション部の制御処理(S102)における詳細な動作を説明する。図5は、端末装置100の、アプリケーション制御処理(S102)における詳細な動作を示すフローチャートである。
【0044】
遠隔制御管理部110が、遠隔の端末装置から操作イベントを受信する(301)と、当該操作イベントをアプリケーション制御部120に対して送信する(302)。
【0045】
操作イベントを受信したアプリケーション制御部120は、アプリケーション部140の入力管理部141に対して当該操作イベントを送信する(S303)。ここで、アプリケーション制御部120は、遠隔制御開始処理(S101)で設定された操作イベントの振り分けルールに従い、当該操作イベントを適切なアプリケーション部に送信する。
【0046】
図4に示す遠隔制御識別情報に基づく振り分けルールが設定されている場合は、上下方向キーイベントを受信した場合は、これを映像プレイヤに対して送信し、左右方向キーイベントを受信した場合は、ブラウザに対して送信する。
【0047】
操作イベントを受信したアプリケーション部140の入力管理部141は、レベル情報検索部145に当該操作イベントを送信し、一時記憶させるとともに(S304)、アプリケーション動作部に送信する(305)。
【0048】
次に、アプリケーション動作部142は、受信した操作イベントに基づき所定の動作を行い、現在の動作状態を示す動作状態情報を動作状態情報一時記憶部143に送信する(S306)。アプリケーション部140がブラウザである場合、アプリケーション動作部142は、操作イベントに従い、所定のWebページを取得・表示などを行う。またレベル情報検索部145に対して送信される動作状態情報は、当該操作イベントを実行後のアプリケーション動作部142の状態を示し、ブラウザの場合は、表示されたページや、カーソルの状態などが記述される。
【0049】
次に、端末装置100の、遠隔の端末装置から受信する操作イベントの蓄積処理(S103)における詳細な動作を説明する。図6は、端末装置100の、操作イベントの蓄積処理(S103)における詳細な動作を示すフローチャートである。
【0050】
動作状態情報一時記憶部143がアプリケーション部142から動作状態情報を受信すると(S401)、直前に記憶していた動作状態情報をレベル情報検索部145に送信し(S402)、S401で受信した動作状態情報を新たに一時記憶する(S403)。S401〜S403に示すとおり、動作状態情報一時記憶部143は、アプリケーション部142からレベル情報検索部145に送信される動作状態情報を1サイクル遅延される機能を果たす。
【0051】
アプリケーション制御部142から出力される動作状態情報は、同一サイクルでアプリケーション制御部に入力された操作イベントによって遷移した動作状態を示しており、すなわち操作イベントが入力されたときの動作状態は、直前に入力された操作イベントによって遷移した動作状態と等しくなる。したがって、動作状態情報一時記憶部143の効果により、レベル状態検索部において、操作イベントと、当該操作イベントが入力されたときの動作状態情報とを関連付けることが可能となる。
【0052】
S402により動作状態情報を受信したレベル情報検索部145は、当該動作状態情報とS304で一時記憶された操作イベントとをレベル情報データベース144に送信し、対応するレベル情報を取得する(S404)。
【0053】
図7は、レベル情報データベース144に蓄積されている、レベル情報の例である。操作イベントと動作状態情報の組み合わせに対応するレベル情報が図7に示すようなテーブルで管理されている。図7では、レベル情報の例として、イベントレベルとセキュリティレベルを記述している。イベントレベルは、同じ操作を行った場合に、異なる操作イベントが入力されるかどうかを示す。
【0054】
また、セキュリティレベルは、当該入力イベントの第三者のユーザへの秘匿性の度合いを示す。例えば、図7において、イベントレベルが「変動」となっている場合は、その操作イベントは、同じ操作を実行する際に変動する可能性があることを示し、「固定」になっている場合は、同じ操作を実行する際に変動しないことを示す。
【0055】
またセキュリティレベルの「高」,「中」,「低」は、操作イベントの秘匿性の高さを示す。レベル状態情報検索部は、レベル情報データベースに蓄積されている、図7に示すようなデータテーブルの中から、一時記憶中の操作イベントと動作状態情報に対応するレベル情報を検索する。図7の場合は、該当するイベントレベルとセキュリティレベルを取得する。
【0056】
なお、図7の例では、複数の種類のレベル情報を同一のデータテーブルで管理しているが、これがレベル情報毎に独立したデータテーブルで管理されていてもよく、また別のデータベースで管理されていてもよい。このような場合は、レベル情報検索部は、複数のデータテーブルまたはデータベースのそれぞれに対してS404に示す処理を行う必要がある。
【0057】
次に、レベル情報検索部145は、操作イベントとレベル情報をアプリケーション制御部120に送信する(S405)。
【0058】
次に、アプリケーション制御部120は、受信した操作イベントとレベル情報を操作履歴蓄積部130に送信する(S406)。操作履歴蓄積部130は、当該操作イベントと当該レベル情報を、図3のS205で蓄積された、遠隔制御識別情報に関連付けて蓄積する(S407)。図8は、操作履歴蓄積部に蓄積される操作履歴情報の例である。図8に示すとおり、操作イベントの履歴が、レベル情報と関連付けて蓄積されるとともに、当該遠隔制御セッションの遠隔制御識別情報に記載されている遠隔制御識別番号と合わせて蓄積されている。このように、操作イベントとレベル情報を遠隔制御識別情報と関連づけて蓄積することで、操作イベント群を、遠隔制御セッション毎に管理することが可能となる。
【0059】
次に、第2の実施の形態について説明する。
【0060】
図9は、第2の実施の形態の端末装置の動作の概要を示すフローチャートである。S501〜S504は、第1の実施の形態の端末装置のS101〜S104と同様である。遠隔制御終了後、ユーザからの要求等により、特定の遠隔制御セッションの操作履歴の表示を要求されると、当該遠隔制御セッションの操作履歴情報の解析・編集処理を行い(S505)、解析・編集結果の表示を行う(S506)。
【0061】
図10は、第2の実施の形態の端末装置のブロック図である。
【0062】
本実施の形態の端末装置は、第1の実施の形態の端末装置が備える構成部に加え、前記操作履歴蓄積部130に蓄積されている操作履歴情報に記載の操作イベント群を、前記レベル情報に基づき編集する操作履歴解析・編集部150を備える。操作履歴情報の解析・編集処理(S505)は、この操作履歴解析・編集部150によって実行される。
【0063】
図11は、操作履歴情報の解析・編集処理(S505)の詳細な動作を示すフローチャートである。
【0064】
まず、操作履歴解析・編集部150は操作履歴蓄積部130に蓄積されている操作履歴情報の中から、特定の操作履歴情報を取得する(S601)。この処理は、遠隔制御セッションが終了後、当該遠隔制御セッションの操作履歴情報に対して自動的に実行する場合や、ユーザによって、操作履歴情報表示要求を受信した場合などが想定される。なお後者の場合、複数の操作履歴情報の中から、特定の操作履歴情報ほ指定する方法としては、ユーザに対して操作履歴情報の一覧を表示させ、その中から所望の操作履歴情報を選択させる方法が考えられる。
【0065】
次に、操作履歴解析・編集部150は、当該操作履歴情報に対応する操作イベント編集データを生成し、当該操作イベント編集データに、当該操作履歴情報に記載の遠隔制御識別番号を書き込む(S602)。
【0066】
次に、操作イベントの解析と編集を行うが、この処理は、操作履歴情報に記載の操作イベントをその実行順に1つずつ読み出し、読み出された操作イベントに対して解析・編集処理を行う。
【0067】
まず、読み出す操作イベントの実行順番を示すnの値を初期値の1に指定する(S603)。
【0068】
次に、操作履歴解析・編集部150は、取得した操作履歴情報から、実行順番がn番目の操作イベントとそれに関連するレベル情報を読出す(S604)。
【0069】
次に、操作履歴解析・編集部150は、S604で読み出された操作イベントおよびそのレベル情報の組み合わせから、対応する操作イベント編集ルールを決定する(S605)。図12は、操作履歴解析・編集部150の操作イベントの編集に用いられる操作イベント編集ルールの例である。図12に示すような操作イベント編集ルールを、操作履歴解析・編集部150は所持しており、操作イベントおよびそのレベル情報が入力されると、操作イベント編集ルールの中から、該当する編集ルールを検索する。
【0070】
この例では、端末装置を利用しているユーザの属性により、操作イベントの表示を変更するための操作イベント編集ルールが規定されている。例えば、イベントレベルが「固定」かつセキュリティレベルが「高」の左方向キーイベントは、当該操作履歴を実行した当事者のユーザにのみ「左方向ボタン押下」が表示されることを意味している。イベントレベルが「変動」の場合は、当該操作イベントを入力するための操作デバイス名を表示名に指定するのではなく、当該操作デバイスが属するデバイスグループ名を指定する。
【0071】
例えば、左方向キーの場合は左方向キーが属するデバイスグループである「左右方向キー」が指定される。テキストイベント、例えば「a」の場合は、「a」を入力するためのボタンが属するデバイスグループである「文字ボタン」が指定される。このように、操作イベントを表示するにあたり、当該操作イベントを入力するための操作デバイス名の代わりに、当該操作デバイスが属するデバイスグループ名を用いることにより、同じ操作であっても、実行毎に生じる操作イベントの差異を吸収することが可能となる。また、デバイスグループ名を用いることにより、具体的な入力内容を隠蔽することが可能となり、秘匿性の高い情報については、第三者に対する漏洩を防ぐことが可能となる。
【0072】
また、図12では、編集方法として「左右方向ボタンのいずれかを押下または左方向ボタン押下」のように指定される場合は、当該操作イベントを入力するための操作デバイス名か、その操作デバイスが属するデバイスグループ名の、どちらかを表示するかを選択できることを意味する。これは、イベントレベルにより、実行毎に生じる操作イベントの差異を吸収するために、デバイスグループ名を用いて操作イベントを置き換えて表示する場合でも、過去の実際の操作例を参照したい場合に、表示方法を切り替える際に用いられる。
【0073】
当該操作イベントと当該レベル情報に対応する操作イベント編集ルールを取得すると、当該ルールに従ったデータを、前記操作イベント編集データに書き込む(S606)。
【0074】
この処理は、操作履歴情報に記載の操作イベントに対して、その実行順番に従い繰り返し実行される(S607,S608)。
【0075】
図13は、図11の示す処理によって生成される、操作イベント編集データの例である。このように、図11に示した操作履歴解析・編集処理によって、各操作イベントの履歴が操作イベント編集ルールに従った表現に変更され記憶される。
【0076】
S505の処理により、編集された操作履歴は、操作履歴表示処理(S506)により表示される。図14は、操作履歴表示処理(S506)の詳細の動作の例を示すフローチャートである。図15は、この処理により表示される表示データの例である。この例は、図13の操作イベント編集データをもとに生成され、ユーザに対して操作マニュアルとして表示している。
【0077】
操作履歴解析・編集部150は、まず、表示データ記録用のデータファイルを生成し、S505で生成した操作イベント編集データおよび、当該操作イベント編集データに記載の遠隔制御識別番号に対する遠隔制御識別情報から、表示するページのタイトルを書き込む(S701)。
【0078】
この処理では、マニュアルの遠隔制御識別情報の中から、例えばブラウザの初期表示画面に指定されるWebページのタイトルなどから自動的に抽出する。例えば、当該遠隔制御セッションにおけるブラウザの初期画面が「○○サービス・情報入力画面」であった場合は、これを抽出し、図15に示すように表示画面のタイトルとする。
【0079】
次に、表示データの生成を行うが、この処理は、操作イベント編集データに記載の操作イベントをその実行順に1つずつ読み出し、実行される。
【0080】
まず、読み出す操作イベントの実行順番を示すnの値を初期値の1に指定する(S702)。
【0081】
次に、同じ操作イベントが連続している場合、その連続する個数をカウントするmの値を初期値の1に指定する(S703)。
【0082】
次に、n番目の操作イベントとn+1番目の操作イベントを比較する(S704)。この結果が等しい場合は、nとmの値を1つ加算する(S705)。S704〜S705により、同じ操作イベントが複数続く場合、それを複数個並べて表示するのではなく、「当該操作イベントをm回」という形式での表示が可能となる。
【0083】
S704において、n番目とn+1番目の操作イベントが等しくない場合は、n番目の操作イベントの種別を解析する(S706)。
【0084】
S706において、n番目の操作イベントが操作デバイスそのものの実行を示している場合は、当該操作イベントをm回実行する旨を、当該表示データに書き込む(S707)。これにより、図15に示す、「右方向キーの押下」を実行回数とともに表示することが可能となる。
【0085】
また、S706において、n番目の操作イベントが操作デバイスのデバイスグループの実行を示している場合は、当該操作イベントを実行する旨を、当該表示データに書き込む(S708)。ここで、S707では、操作イベントを連続する回数も書き込んでいるのに対し、S708では、この書き込みを行っていない。これは、S708の場合、操作を実行する度に、当該操作イベントの入力回数が異なることが予測されるためである。図15は、「文字ボタンで文字を入力」と表示されている箇所が、S708の処理で生成された部分である。
【0086】
また、S706において、n番目の操作イベントが複数個指定されている場合は、そのうちの1つの操作イベントの表示、および他の操作イベントを表示するための切替ボタンを表示する旨を表示データに書き込む(S709)。この処理により、図15の「前回の履歴を表示」というボタンを表示することが可能となる。この表示切替ボタンにより、操作を実行する度に変化する操作イベントであっても、ユーザに対して何れを表示させるかの選択ツールを提供できる。
【0087】
この処理は、操作イベント編集データに記載の操作イベントに対して、その実行順番に従い繰り返し実行される(S710,711)。
【0088】
図16は、図15の表示データと同様の操作履歴情報をもとに生成された、操作履歴の実行当事者ではないが、端末装置には登録されているユーザ向けの表示データの例である。図16の表示データは、図15とは異なり、表示内容の切替ボタンは表示されていない。これは、図12に示す操作イベント編集ルールにより、操作履歴の実行当事者以外のユーザに対しては、前回の文字入力履歴を表示することが禁止されているからである。
【0089】
さらに、端末装置に未登録のユーザの場合は、操作履歴情報の中の操作イベントに、表示できない操作イベントが含まれているため、表示データを閲覧することすらできない。このように、操作イベントのレベル情報により、ユーザ属性で表示内容を変更することが可能となる。
【0090】
次に、第3の実施の形態について説明する。
【0091】
図17は、第3の実施の形態の操作履歴蓄積システムの動作の概要を示すシーケンス図である。S801〜S805は、第2の実施の形態の端末装置の動作S501〜S505と同様である。これらの処理に続き、本実施の形態の操作履歴蓄積システムの端末装置100は、S805で生成される操作イベント編集データと、遠隔制御識別情報をサーバ装置200に対して送信する(S806)。サーバ装置200は、受信する操作イベント編集データと遠隔制御識別情報を蓄積する(S807)。
【0092】
図18は、第3の実施の形態の操作履歴蓄積システムのブロック図である。
【0093】
本実施の形態の操作履歴蓄積システムは、第1の実施の形態の端末装置100とサーバ装置200とから構成される。このうち端末装置100には、第1の実施の形態の端末装置100が具備する処理部に加え、生成した操作イベント編集データを遠隔制御識別情報とともにサーバ装置200に送信する操作履歴解析・編集部150’を備えている。またサーバ装置200は、端末装置100から受信した操作イベント編集データと遠隔制御識別情報を蓄積する操作履歴蓄積部210と、前記操作履歴蓄積部に蓄積されている操作イベント編集データから第三者の端末装置に対する操作履歴の表示データを生成し、表示する操作履歴表示部220を備えている。
【0094】
本実施の形態のシステムは、端末装置100で生成される操作履歴をサーバ装置200経由で第三者に公開することで、他のユーザの操作例が参照可能となり、これによるユーザビリティの向上を目的としている。操作履歴をサーバ装置200に送信する際に、S801〜S805の処理を事前に行っておくことにより、個人情報やパスワードの入力などの秘匿性の高い操作履歴を、サーバ装置200へ送信することを防止することが可能となる。
【0095】
また、単純に操作履歴の送信を中止するのではなく、秘匿性の高い操作履歴を編集し別のデータに置換して送信し、サーバ装置200に蓄積することにより、第三者に対する操作履歴の公開を可能としている。なお、サーバ装置200の操作履歴表示部220は、第三者の端末装置から所定の操作履歴の表示要求を受信すると、該当する操作イベント編集データと遠隔制御識別情報を読み出し、図9の操作履歴表示処理(S506)と同様の処理を行い、第三者に対して操作履歴を表示する。
【0096】
次に、第4の実施の形態について説明する。
【0097】
第4の実施の形態の操作履歴蓄積システムは、第3の実施の形態と同じシステムであるが、システム内で送受信される操作イベントは、機器に依存せず、いずれの機器でも汎用的に使用できるメッセージフォーマットであることを特徴とする。これにより、端末装置100とは異なる機種の装置に対しても、端末装置100が生成した操作履歴を利用可能となる。
【0098】
次に、第5の実施の形態について説明する。
【0099】
図19は、第5の実施の形態の操作履歴蓄積システムの動作の概要を示すシーケンス図である。S901〜S905は、第3の実施の形態の操作履歴蓄積システムの動作S801〜S805と同様である。これらの処理に続き、端末装置100は、操作イベント編集データと遠隔制御識別情報に加えて、端末の属性を示す端末属性情報を送信する(S906)。サーバ装置200は、受信した操作イベント編集データと遠隔制御識別情報に記載の操作イベントの汎用化を行い(S907)、蓄積する(S908)。
【0100】
図20は、第5の実施の形態の操作履歴蓄積システムのブロック図である。
【0101】
このうち端末装置100には、第1の実施の形態の端末装置100が具備する処理部に加え、生成した操作イベント編集データと遠隔制御識別情報、および端末属性情報を、サーバ装置200に送信する操作履歴解析・編集部150”を備えている。またサーバ装置200は、第3の実施の形態のサーバ装置200と同様の処理部に加え、端末装置100から受信した操作イベント編集データと遠隔制御識別情報に記載されている操作イベントの汎用化を行う操作履歴汎用化部230を備えている。
【0102】
次にS907の操作イベント汎用化処理について説明する。
【0103】
図21は、操作履歴汎用化処理(S907)の詳細な動作を示すフローチャートである。
【0104】
まず、サーバ装置200の操作履歴汎用化部230は、端末装置100から、操作イベント編集データおよび遠隔制御識別情報、端末属性情報を受信する(S1001)。
【0105】
次に操作履歴汎用化部230は、端末属性情報ごとに記憶している操作イベント汎用化ルールの中から、当該端末属性情報に適合する操作イベント汎用化ルールを読み出す(S1002)。
【0106】
次に、実行順番が1番から順番に、操作イベントの汎用化を行う。
【0107】
まず、汎用化対象となる操作イベントの実行順番を示すnの値を初期値の1に指定する(S1003)。
【0108】
次に、n番目の操作イベントを操作イベント汎用化ルールに従い書き換える(S1004)。
【0109】
この処理は、操作イベント編集データに記載の操作イベントに対して、その実行順番に従い繰り返し実行される(S1005,S1006)。
【0110】
操作イベント編集データに記載の操作イベントの書き換え処理が完了すると、当該操作イベント編集データおよび遠隔制御識別情報を、操作履歴蓄積部210に蓄積する(S1007)。
【0111】
この操作履歴汎用化処理により、操作履歴蓄積部210に蓄積される操作履歴は、端末装置の機種等の属性に依存しないデータとなる。
【0112】
第三者の端末装置がサーバ装置200に特定の操作履歴の表示を要求する場合は、まず、第三者の端末装置が、当該要求とともに自身の端末属性情報をサーバ装置200に対して送信する。サーバ装置200の操作履歴表示部220は、第3の実施の形態の場合と同様の動作に加えて、生成した表示データを、端末属性情報ごとに記憶している操作イベント逆汎用化ルールに従って、第三者の端末装置に固有の表示に変換した上で、第三者の端末装置に対して送信する。
【0113】
以上に示す処理によってサーバ装置200でその操作イベントの差異を吸収することで、属性の異なる端末装置の操作履歴の利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】第1の実施の形態の端末装置の動作の概要を示すフローチャートを示す。
【図2】第1の実施の形態の端末装置のブロック図を示す。
【図3】端末装置100の、遠隔制御開始処理(S101)における詳細な動作を説明するためのフローチャートを示す。
【図4】遠隔制御識別情報の例を示す。
【図5】端末装置100の、アプリケーション制御処理(S102)における詳細な動作を説明するためのフローチャートを示す。
【図6】端末装置100の、操作イベントの蓄積処理(S103)における詳細な動作を説明するためのフローチャートを示す。
【図7】レベル情報データベース144に蓄積されている、レベル情報の例を示す。
【図8】操作履歴蓄積部に蓄積される操作履歴情報の例を示す。
【図9】第2の実施の形態の端末装置の動作の概要を説明するためのフローチャートを示す。
【図10】第2の実施の形態の端末装置のブロック図を示す。
【図11】操作履歴情報の解析・編集処理(S505)の詳細な動作を説明するためのフローチャートを示す。
【図12】操作履歴解析・編集部150の操作イベントの編集に用いられる操作イベント編集ルールの例を示す。
【図13】図11の示す処理によって生成される、操作イベント編集データの例を示す。
【図14】操作履歴表示処理(S506)の詳細の動作の例を説明するためのフローチャートを示す。
【図15】この処理により表示される表示データの例を示す。
【図16】図15の表示データと同様の操作履歴情報をもとに生成された、操作履歴の実行当事者ではないが、端末装置には登録されているユーザ向けの表示データの例を示す。
【図17】第3の実施の形態の操作履歴蓄積システムの動作の概要を示すシーケンス図を示す。
【図18】第3の実施の形態の操作履歴蓄積システムのブロック図を示す。
【図19】第5の実施の形態の操作履歴蓄積システムの動作の概要を示すシーケンス図を示す。
【図20】第5の実施の形態の操作履歴蓄積システムのブロック図を示す。
【図21】操作履歴汎用化処理(S907)の詳細な動作を示すフローチャートを示す。
【符号の説明】
【0115】
100 端末装置
110 遠隔制御管理部
120 アプリケーション制御部
130 操作履歴蓄積部
140 アプリケーション部
141 入力管理部
142 アプリケーション動作部
143 動作状態一時記憶部
144 レベル情報データベース
145 レベル情報検索部
150,150’,150” 操作履歴解析・蓄積部
200 サーバ装置
210 操作履歴蓄積部
220 操作履歴表示部
230 操作履歴汎用化部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続する遠隔の端末装置との間で操作イベントを送受信する遠隔制御管理部と、
前記遠隔制御管理部から受信する操作イベントを所定のアプリケーション部に対して送信するアプリケーション制御部と、
前記アプリケーション制御部に入力された操作イベントの履歴を遠隔制御セッションを識別するための遠隔制御識別情報に関連付けて蓄積する操作履歴蓄積部と、
前記アプリケーション制御部から操作イベントを受信し、当該操作イベントに従った動作を行う前記アプリケーション部と、
を備え、
前記アプリケーション部は、
前記アプリケーション制御部から受信した操作イベントを、アプリケーション動作部とレベル情報検索部に送信する入力管理部と、
前記入力管理部から受信した操作イベントに基づき所定の動作を行い、現在の動作状態を示す動作状態情報を示す動作状態情報を出力する前記アプリケーション動作部と、
前記アプリケーション動作部から新たに動作状態情報を受信すると、直前に記憶した動作状態情報を前記レベル情報検索部に送信し、新たに受信した動作状態情報を一時記憶する動作状態情報一時記憶部と、
操作イベントと動作状態情報に関連付けられる操作イベントのレベル情報を蓄積するレベル情報データベースと、
前記入力管理部から受信する操作イベントと前記動作状態情報一時記憶部から受信する動作状態情報を用いて、前記レベル情報データベースから当該操作イベントのレベル情報を検索し、検索結果として取得したレベル情報を前記アプリケーション制御部に対して送信するレベル情報検索部と、
から構成され、
前記アプリケーション制御部は、前記アプリケーション部の前記レベル情報検索部から前記アプリケーション部に対して送信した操作イベントのレベル情報を受信すると、当該操作イベントと当該レベル情報を前記操作履歴蓄積部に送信し、
前記操作履歴蓄積部は、受信した操作イベントとレベル情報、および当該遠隔制御の遠隔制御識別情報を関連付けて蓄積する
ことを特徴とする操作履歴蓄積システム。
【請求項2】
前記操作履歴蓄積部に蓄積されている操作履歴情報に含まれる操作イベント群を、前記レベル情報に基づき編集するための操作履歴解析・編集部
を備えることを特徴とする請求項1に記載の操作履歴蓄積システム。
【請求項3】
操作履歴を蓄積するサーバ装置が接続され、
前記操作履歴解析・編集部は、前記操作履歴蓄積部に蓄積されている操作履歴情報に含まれる操作イベント群を前記レベル情報に基づき編集し、その編集結果を前記サーバ装置の操作履歴蓄積部に送信する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の操作履歴蓄積システム。
【請求項4】
前記操作履歴蓄積システムで送受信される操作イベントは、機器依存性を示すことなく汎用的に使用可能なメッセージフォーマットである
ことを特徴とする請求項3に記載の操作履歴蓄積システム。
【請求項5】
前記サーバ装置は操作履歴汎用化部を備え、
前記操作履歴解析・編集部は、編集後の操作イベント群とともに自身の種別を示す端末属性情報を前記サーバ装置に対して送信し、
前記操作履歴汎用化部は、操作イベント群と端末属性情報とを受信すると、当該端末属性情報に対応する変換ルールに従い、当該操作イベント群を汎用的なメッセージに変換する
ことを特徴とする請求項3に記載の操作履歴蓄積システム。
【請求項6】
遠隔制御管理部において、ネットワークを介して接続する遠隔の端末装置との間で操作イベントを送受信するステップと、
アプリケーション制御部において、前記遠隔制御管理部から受信する操作イベントを所定のアプリケーション部に対して送信するステップと、
操作履歴蓄積部において、前記アプリケーション制御部に入力された操作イベントの履歴を遠隔制御セッションを識別するための遠隔制御識別情報に関連付けて蓄積するステップと、
前記アプリケーション部において、前記アプリケーション制御部から操作イベントを受信し、当該操作イベントに従った動作を行うステップと、
を有し、
前記アプリケーション部は、
入力管理部において、前記アプリケーション制御部から受信した操作イベントを、アプリケーション動作部とレベル情報検索部に送信するステップと、
前記アプリケーション動作部において、前記入力管理部から受信した操作イベントに基づき所定の動作を行い、現在の動作状態を示す動作状態情報を示す動作状態情報を出力するステップと、
動作状態情報一時記憶部において、前記アプリケーション動作部から新たに動作状態情報を受信すると、直前に記憶した動作状態情報を前記レベル情報検索部に送信し、新たに受信した動作状態情報を一時記憶するステップと、
レベル情報データベースにおいて、操作イベントと動作状態情報に関連付けられる操作イベントのレベル情報を蓄積するステップと、
レベル情報検索部において、前記入力管理部から受信する操作イベントと前記動作状態情報一時記憶部から受信する動作状態情報を用いて、前記レベル情報データベースから当該操作イベントのレベル情報を検索し、検索結果として取得したレベル情報を前記アプリケーション制御部に対して送信するステップと、
を有し、
前記アプリケーション制御部において、前記アプリケーション部の前記レベル情報検索部から前記アプリケーション部に対して送信した操作イベントのレベル情報を受信すると、当該操作イベントと当該レベル情報を前記操作履歴蓄積部に送信するステップと、
前記操作履歴蓄積部において、受信した操作イベントとレベル情報、および当該遠隔制御の遠隔制御識別情報を関連付けて蓄積するステップと、
を有することを特徴とする操作履歴蓄積方法。
【請求項7】
操作履歴解析・編集部において、前記操作履歴蓄積部に蓄積されている操作履歴情報に含まれる操作イベント群を、前記レベル情報に基づき編集するステップを有することを特徴とする請求項6に記載の操作履歴蓄積方法。
【請求項8】
操作履歴を蓄積するサーバ装置が接続され、
前記操作履歴解析・編集部は、前記操作履歴蓄積部に蓄積されている操作履歴情報に含まれる操作イベント群を前記レベル情報に基づき編集し、その編集結果を前記サーバ装置の操作履歴蓄積部に送信するステップ
を有することを特徴とする請求項6または7に記載の操作履歴蓄積方法。
【請求項9】
前記操作履歴蓄積システムで送受信される操作イベントは、機器依存性を示すことなく汎用的に使用可能なメッセージフォーマットである
ことを特徴とする請求項8に記載の操作履歴蓄積方法。
【請求項10】
前記サーバ装置は操作履歴汎用化部を備え、
前記操作履歴解析・編集部は、編集後の操作イベント群とともに自身の種別を示す端末属性情報を前記サーバ装置に対して送信するステップと、
前記操作履歴汎用化部は、操作イベント群と端末属性情報とを受信すると、当該端末属性情報に対応する変換ルールに従い、当該操作イベント群を汎用的なメッセージに変換するステップと、
を有することを特徴とする請求項8に記載の操作履歴蓄積方法。
【請求項11】
遠隔制御管理部において、ネットワークを介して接続する遠隔の端末装置との間で操作イベントを送受信するステップと、
アプリケーション制御部において、前記遠隔制御管理部から受信する操作イベントを所定のアプリケーション部に対して送信するステップと、
操作履歴蓄積部において、前記アプリケーション制御部に入力された操作イベントの履歴を遠隔制御セッションを識別するための遠隔制御識別情報に関連付けて蓄積するステップと、
前記アプリケーション部において、前記アプリケーション制御部から操作イベントを受信し、当該操作イベントに従った動作を行うステップと、
を有し、
前記アプリケーション部は、
入力管理部において、前記アプリケーション制御部から受信した操作イベントを、アプリケーション動作部とレベル情報検索部に送信するステップと、
前記アプリケーション動作部において、前記入力管理部から受信した操作イベントに基づき所定の動作を行い、現在の動作状態を示す動作状態情報を示す動作状態情報を出力するステップと、
動作状態情報一時記憶部において、前記アプリケーション動作部から新たに動作状態情報を受信すると、直前に記憶した動作状態情報を前記レベル情報検索部に送信し、新たに受信した動作状態情報を一時記憶するステップと、
レベル情報データベースにおいて、操作イベントと動作状態情報に関連付けられる操作イベントのレベル情報を蓄積するステップと、
レベル情報検索部において、前記入力管理部から受信する操作イベントと前記動作状態情報一時記憶部から受信する動作状態情報を用いて、前記レベル情報データベースから当該操作イベントのレベル情報を検索し、検索結果として取得したレベル情報を前記アプリケーション制御部に対して送信するステップと、
を有し、
前記アプリケーション制御部において、前記アプリケーション部の前記レベル情報検索部から前記アプリケーション部に対して送信した操作イベントのレベル情報を受信すると、当該操作イベントと当該レベル情報を前記操作履歴蓄積部に送信するステップと、
前記操作履歴蓄積部において、受信した操作イベントとレベル情報、および当該遠隔制御の遠隔制御識別情報を関連付けて蓄積するステップと、
を有することを特徴とする操作履歴蓄積プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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