説明

操作支援方法及び操作支援システム

【課題】例えば、ディスプレイ上に表示された複数の内容から必要な情報を選択させるか、複雑な操作をさせるなど、運転者の集中を阻害させる要因を排除することができる操作支援方法又は当該方法を実行する操作支援システムを提供する。
【解決手段】情報処理装置3で車両の乗員が行うべき操作を推定し、ディスプレイ装置2で推定した操作の内容を操作支援情報として出力するようにしてある。また、データベース35で過去に乗員が行った操作の内容を順次記憶し、情報処理装置3で記憶してある操作の内容の何れかを乗員が行うべき操作として推定するようにしてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置で検知した操作に対して乗員が行うべき操作を推定し、推定した操作の内容を示す情報を出力することができる操作支援方法及び該方法を実行する操作支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、普通乗用車又はワゴン車などの車両の操作は、ステアリング操作、ウィンカ指示、ブレーキ操作又はアクセル操作など、運転するための操作に限られていた。しかし、近年、車両は、エアコン、ラジオ、テレビジョン、CDプレーヤ、DVDプレーヤ、ナビゲーションシステムなどの装置を数多く搭載するようになった。そのため、運転者は、車両の運転以外に数多くの操作を強いられるようになり、例えば、運転中に操作パネルを視認して操作するなど、車両の運転に集中することができなく安全運転を阻害されるようになった。
【0003】
そこで、従来、運転者が車両の運転に集中できるように創意工夫がされてきた。例えば、操作の内容をヘッドアップディスプレイに表示することにより、運転者の視線を前方に保持できるようにするにした操作支援の方法が提案された(例えば、特許文献1)。また、全ての操作の指示を一つの受付装置で行うようにした操作支援の方法が提案された(例えば、特許文献2)。
【特許文献1】特開2004−262237号公報
【特許文献2】特開2002−149324号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、ヘッドアップディスプレイに操作の内容を複数表示する場合、運手者が表示された内容から必要な情報を選択することに気を取られて運転に集中することができなくなるという問題を有していた。また、特許文献2に記載された方法では、複数の操作を一つの操作装置に集約したため、運転者が例えば操作装置を階層的に操作するなど、操作の複雑さに気を取られて運転に集中することができなくなるという問題を有していた。
【0005】
また、上述した方法以外に運転者の音声により操作の指示を受け付ける方法が提案された。しかし、当該方法は、運転者に各操作に対応する音声コマンドを予め暗記させるという負担を与え、また、ラジオ、ナビゲーションシステムなどの音声を発する装置を使用することができないという問題を有していた。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車載装置で車両の乗員が行う操作を検知し、検知した操作に対して乗員が行うべき操作を推定し、推定した操作の内容を出力するようにしてあることにより、例えば、ディスプレイ上に表示された複数の内容から必要な情報を選択させるか、複雑な操作をさせるなど、運転者の集中を阻害させる要因を排除することができる操作支援方法又は当該方法を実行する操作支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を解決するために本発明に係る操作支援方法は、車載装置で車両の乗員が行う操作を検知し、検知した操作の内容を示す情報を出力する操作支援方法において、車載装置で検知した操作に対して乗員が行うべき操作を推定し、推定した操作の内容を示す操作支援情報を出力することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る操作支援システムは、車両の乗員が行う操作を検知する検知手段と、該検知手段にて検知した操作の内容を示す情報を出力する情報出力手段とを備える操作支援システムにおいて、前記検知手段にて検知した操作に対して乗員が行うべき操作を推定する推定手段を備え、前記情報出力手段は、該推定手段にて推定した操作の内容を示す操作支援情報を出力するようにしてあることを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、車両の乗員が行うべき操作を推定し、推定した操作の内容を操作支援情報として出力するようにしてあることにより、必要な情報を迅速に取得させる。その結果、運転者は運転に集中することができる。
【0010】
また、本発明に係る操作支援システムは、前記検知手段にて順次検知した操作の内容を複数記憶する記憶手段を更に備え、前記推定手段は、前記記憶手段にて記憶してある操作の内容の何れかを乗員が行うべき操作とするようにしてあることを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、過去に乗員が行った操作の内容を順次記憶し、記憶してある操作の内容の何れかを乗員が行うべき操作として推定するようにしてあることにより、乗員が所望する可能性の高い操作の内容を当該乗員に取得させる。
【0012】
また、本発明に係る操作支援システムは、時刻及び/又は曜日を特定する特定手段を更に備え、前記記憶手段は、操作時に前記特定手段にて特定した時刻及び/又は曜日を該操作の内容の属性として記憶し、前記推定手段は、前記属性に基づいて前記記憶手段にて記憶してある操作の内容の何れかを同一の時刻及び/又は曜日において乗員が行うべき操作とするようにしてあることを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、時刻及び/又は曜日に応じて乗員が行うべき操作を推定するようにしてあることにより、同一の時刻及び/又は曜日において乗員が所望する可能性の高い操作の内容を当該乗員に取得させる。
【0014】
また、本発明に係る操作支援システムは、車両の走行位置を検出する位置検出手段を更に備え、前記記憶手段は、操作時に前記位置検出手段にて検出した走行位置を該操作の内容の属性として記憶し、前記推定手段は、前記属性に基づいて前記記憶手段にて記憶してある操作の内容の何れかを同一の走行位置において乗員が行うべき操作とするようにしてあることを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、車両の走行位置に応じて乗員が行うべき操作を推定するようにしてあることにより、同一の走行位置において乗員が所望する可能性の高い操作の内容を当該乗員に取得させる。
【0016】
また、本発明に係る操作支援システムは、乗員の状態を検出する状態検出手段を更に備え、前記記憶手段は、操作時に前記状態検出手段にて検出した乗員の状態を該操作の内容の属性として記憶し、前記推定手段は、前記属性に基づいて前記記憶手段にて記憶してある操作の内容の何れかを同一の状態において乗員が行うべき操作とするようにしてあることを特徴とする。
【0017】
本発明にあっては、乗員の状態に応じて乗員が行うべき操作を推定するようにしてあることにより、同一の状態において乗員が所望する可能性の高い操作の内容を当該乗員に取得させる。
【0018】
また、本発明に係る操作支援システムは、乗員を識別する乗員識別手段を更に備え、前記記憶手段は、前記乗員識別手段にて識別した乗員に対応付けて前記検知手段にて検知した操作の内容を記憶し、前記推定手段は、前記記憶手段にて記憶してある操作の内容の何れかを前記乗員識別情報にて識別した乗員が行うべき操作とするようにしてあることを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、識別した乗員毎に当該乗員が行うべき操作を推定するようにしてあることにより、例えば、父親、母親及び息子など、同じ車両を異なる乗員が運転する場合、乗員毎に異なる情報を迅速に取得させる。
【0020】
また、本発明に係る操作支援システムは、前記推定手段は、前記記憶手段にて同一の属性に係る操作の内容を複数記憶してある場合、該操作の内容の中で最多なものを優先するようにしてあることを特徴とする。
【0021】
本発明にあっては、同一の属性に係る操作の内容を複数記憶してある場合、該操作の内容の中で最多なものを優先して推定するようにしてあることにより、過去に最も多く行った操作を乗員が所望する可能性の高い操作として当該乗員に取得させる。
【0022】
また、本発明に係る操作支援システムは、車両が暖機状態であるか否かを判断する暖機判断手段を更に備え、前記推定手段は、前記暖機判断手段にて車両が暖機状態であると判断した場合に前記記憶手段にて記憶してある操作の内容の中で最多なものを優先するようにしてあることを特徴とする。
【0023】
本発明にあっては、車両が暖機状態にある場合、記憶してある操作の内容の中で最多なものを優先して推定するようにしてあることにより、アイドリング状態において乗員が所望する可能性の高い操作の内容を当該乗員に取得させる。
【0024】
また、本発明に係る操作支援システムは、車両を運転する運転者の運転状況、車両の動作状況又は車両の外部状況を検出する状況検出手段と、該状況検出手段にて検出した運転者の運転状況、車両の動作状況又は車両の外部状況に基づいて操作支援情報を出力するか否かを判断する出力判断手段とを更に備えることを特徴とする。
【0025】
本発明にあっては、運転者の運転状況、車両の動作状況又は車両の外部状況に応じて操作支援情報を出力しないようにしてあることにより、例えば、車両が急カーブを曲がっているとき、運転者が車両を右折又は左折させようとしているとき、車両の近前を他の車両が走行しているときなど、運転者の運転負荷が大きいときに操作支援情報を出力しない。その結果、運転者の集中は阻害されない。
【0026】
また、本発明に係る操作支援システムは、前記状況検出手段は、少なくとも運転者が操作するステアリングの操舵量を検出し、前記出力判断手段は、該状況検出手段にて検出した操舵量と予め設定された閾値との差が所定値を超える場合、操作支援情報を出力しないと判断するようにしてあることを特徴とする。
【0027】
本発明にあっては、少なくとも運転者が操作するステアリングの操作量に応じて操作支援情報を出力しないようにしてあることにより、例えば、車両が急カーブを曲がるときには運転負荷が大きくなるとして操作支援情報を出力しない。
【0028】
また、本発明に係る操作支援システムは、前記状況検出手段は、少なくとも運転者が操作するウィンカ信号を検出し、前記出力判断手段は、該状況検出手段にてウィンカ信号の出力を検出した場合、操作支援情報を出力しないと判断するようにしてあることを特徴とする。
【0029】
本発明にあっては、少なくともウィンカ信号の出力に応じて操作支援情報を出力しないようにしてあることにより、例えば、運転者が車両を右折又は左折させようとするときには運転負荷が大きくなるとして操作支援情報を出力しない。
【0030】
また、本発明に係る操作支援システムは、前記状況検出手段は、少なくとも車両の周辺にある障害物の存在を検出し、前記出力判断手段は、該状況検出手段にて障害物の存在を検出した場合、操作支援情報を出力しないと判断するようにしてあることを特徴とする。
【0031】
本発明にあっては、少なくとも車両の周辺にある障害物の存在に応じて操作支援情報を出力しないようにしてあることにより、例えば、車両の近前を他の車両が走行しているときには運転負荷が大きくなるとして操作支援情報を出力しない。
【0032】
また、本発明に係る操作支援システムは、車両が走行状態にあるか否かを判断する走行判断手段を更に備え、前記出力判断手段は、前記走行判断手段にて車両が走行状態にあると判断した場合に操作支援情報を出力するか否かを判断するようにしてあることを特徴とする。
【0033】
本発明にあっては、車両が走行状態にある場合、運転者の運転状況、車両の動作状況又は車両の外部状況に応じて操作支援情報を出力しないようにしてあることにより、特に車両を走行させている運転者の運転負荷が大きいときに操作支援情報を出力しない。その結果、運転者の集中は阻害されない。
【0034】
また、本発明に係る操作支援システムは、前記情報出力手段にて出力された操作支援情報が示す操作の指示を受け付ける受付手段と、該受付手段にて受け付けた指示の信号を出力する手段とを備えることを特徴とする。
【0035】
また、本発明に係る操作支援システムは、前記受付手段は、ステアリングに設置されていることを特徴とする。
【0036】
本発明にあっては、操作支援情報が示す操作の指示を受け付けるようにしてあることにより、複雑な操作を行わせることなく1回の単純操作で乗員が行うべき操作の指示を行わせる。その結果、運転者の集中は阻害されない。
【0037】
また、本発明に係る操作支援システムは、前記情報出力手段は、ヘッドアップディスプレイ、又は、センタコンソールに設置されたディスプレイが備えることを特徴とする。
【0038】
本発明にあっては、前方を見ている運転者に視線を極力移動させることなく操作支援情報を迅速に取得させる。
【発明の効果】
【0039】
本発明に依れば、車両を運転する運転者又は乗員の集中を極力阻害しないようにして運転者又は乗員に車両の安全運転を行わせることができる。また、運転者及び乗員に運転負荷を極力掛けないようにして運転者又は乗員に車両の安全運転を行わせることができる。また、複雑な操作を行う必要が無く1回の単純操作で乗員が行うべき操作の指示を行わせることができる。また、特殊な音声コマンドを暗記させるなどの負荷を掛けることなく運転手及び乗員に車両の安全運転を行わせることができる。また、完全に自動化することなく運転者又は乗員に現在の車両の操作状態を把握させて運転者及び乗員に車両の安全運転を行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明に係る操作支援方法及び該方法を実行する操作支援システムについて、実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る操作支援システムの全体構成を示すブロック図、図2は操作支援システムの車載例を示す模式図、図3はディスプレイ装置による操作支援情報の表示例を示す模式図、図4はデータベースに記憶してある操作内容情報を説明するための概念図である。
【0041】
図1で示すとおり、本発明に係る操作支援システムは、操作検知手段を備える操作検知センサ1と、情報出力手段を備えるディスプレイ装置2と、推定手段などを備える情報処理装置3と、状況検出手段を備える舵角検出センサ40、シフト位置検出センサ41、アクセス操作量検出センサ42及びウィンカ信号検出センサ43と、位置検出手段を備えるナビゲーション装置51と、特定手段を備えるタイマ52と、乗員識別手段を備える乗員識別装置53と、状態検出手段を備える着座検出センサ54及び乗員状態検出装置55と、車両の外部状況を検出する障害物検出装置56と、指示受付手段を備える指示ボタン6とで構成されている。各ハードウェアは、相互に信号線30を介して接続されている。
【0042】
操作検知センサ1は、エアコン1a、ラジオ1b、テレビ受像機1c、CDプレーヤ1d及びDVDプレーヤ1eなどの車載装置に夫々設置されており、設置された車載装置の操作を検知し、検知した操作信号を情報処理装置3へ送信する。例えば、エアコン1aに設置された操作検知センサ1は、エアコン1aの起動、停止又は温度設定の操作を検知する。また、CDプレーヤ1dに設置された操作検知センサ1は、CDプレーヤ1dの音楽再生、停止、一時停止、早送り、巻き戻し、頭出し又は音量調整の操作を検知する。車載装置の操作ボタンは、センタコンソール7に配置されている。センタコンソール7は、車載装置のうち、運転席と助手席とを二分する中央に位置するものである。センタコンソール7の配置された各操作ボタンは、乗員により押下、回転、移動などがなされることにより、車載装置の操作の入力を受け付ける。
【0043】
ディスプレイ装置2は、情報処理装置3で推定された操作の内容を示す操作支援情報を出力するための装置である。ディスプレイ装置2は、例えば、液晶式又はCRT式のディスプレイである。ディスプレイ装置2は、センタコンソール7の上段に設置されている(図2参照)。センタコンソール7の上段は、前方を見ている運転者が視線を殆ど移動させることなく視認することができる場所である。また、ディスプレイ装置2は、ヘッドアップディスプレイであってもよい。ヘッドアップディスプレイは、反射型液晶パネルをフロントガラス(図示せず)に設置し、当該フロントガラス上に対して、操作支援情報を無限遠の点に結像するように表示するようにしたものである。このように、ヘッドアップディスプレイを用いた場合、前方を見ている運転者は、視線を全く移動させることなく操作支援情報を視認することができる。
ディスプレイ装置2は、例えば、操作支援情報として次操作で乗員が行うべき操作の内容と乗員が行った一つ前の操作の内容と乗員が行っている現在の操作の内容を時系列的に画像出力する(図3参照)。
【0044】
情報処理装置3は、本システムを制御するための装置であり、検知した操作の内容を記憶する記憶手段、乗員が行うべき操作を推定する推定手段、暖機判断手段、出力判断手段、走行判断手段、受付手段などを備えている。情報処理装置3は、例えば、センタコンソール7に対して助手席寄りのダッシュボード内に内蔵されている(図2参照)。
【0045】
情報処理装置3は、第1LANインタフェース31、第2LANインタフェース32、RAM33、ROM34、データベース35、入力インタフェース36、出力インタフェース37及びCPU38で構成されている。各ハードウェアは、相互に信号線30を介して接続されている。
【0046】
第1LANインタフェース31は、操作検知センサ1、舵角検出センサ40、シフト位置検出センサ41、アクセル操作量検出センサ42及びウィンカ信号検出センサ43との通信を行うための窓口である。第1LANインタフェース31とこれらの車載装置とは、相互に信号線30を介して接続されている。
【0047】
第2LANインタフェース32は、ナビゲーション装置51、タイマ52、乗員識別装置53、着座検出センサ54、乗員状態検出装置55及び障害物検出装置56との通信を行うための窓口である。第2LANインタフェース32とこれらの車載装置とは、相互に信号線30を介して接続されている。
【0048】
RAM33は、複数の情報を記録し、記録順、記録位置などに関係なく読み出せる主記憶装置であり、SRAM又はDRAMに分類される。RAM33は、例えば、ROM34から読み出したプログラム、該プログラムを実行することにより発生する各種データ、外部から受信した各種信号などを記憶し、CPU38によりこれらが適宜読み出される。
【0049】
ROM34は、複数の情報を記録し、記録順、記録位置などに関係なく読み出せる主記憶装置であり、電源を落としても記憶してある内容が消去されない。ROM34は、例えば、半導体素子で構成されており、マスクROM、PROM又はフラッシュメモリに分類される。ROM34は、例えば、情報処理装置3に所定の処理を実行させるための各種プログラム及びデータを記憶し、CPU38によりこれらが適宜読み出される。
【0050】
データベース35は、例えば、磁気記憶方式のハードディスクなどが該当する。データベース35は、操作内容情報Dを複数記憶し、CPU38の指示によりこれらが適宜読み出される。
データベース35に記憶してある操作内容情報Dは、操作の内容と備考とを対応付けるように構成されている。操作の内容は、例えば、エアコン1aの起動、停止又は温度設定、CDプレーヤ1dによる音楽再生、停止、一時停止、早送り、巻き戻し、頭出し又は音量調整などであり、操作検知センサ1から送信された操作信号に基づいて解析される。属性とは、例えば、暖機又は走行の状態、操作時の時刻、操作時の曜日、車両の走行位置、乗員の状態、運転者の運転状況、車両の動作状況、車両の外部状況、乗員識別ID及び優先度Pである。
【0051】
入力インタフェース36は、指示ボタン6に接続してあり、指示ボタン6から送信された指示信号を受信する窓口となる。入力インタフェース36は、受信した指示信号をCPU38へ送信する。
【0052】
出力インタフェース37は、ディスプレイ装置2に接続してあり、情報処理装置3で推定された操作支援情報をディスプレイ装置2へ送信する窓口となる。
【0053】
CPU38は、情報処理装置3の各ハードウェアを制御する。また、CPU38は、乗員が行うべき操作を推定し、推定した操作の内容を示す操作支援情報をディスプレイ装置2に出力させる制御を行う。
【0054】
舵角検出センサ40は、ステアリング40aの操舵機構内に設置されている。舵角検出センサ40は、乗員により操作されたステアリング40aの中立位置(ニュートラル位置)及び転舵角を検出し、検出した舵角信号を第1LANインタフェース31へ送信する。舵角検出センサ40aは、例えば、光を発するLEDと受けた光を電気信号(舵角信号)に変換するフォトトランジスタと、これらに挟まれたスリット円盤とで構成されている。スリット円盤は、転舵したステアリング40aに随転する。スリット円盤は、随転することによりLEDからの光を透過又は遮光する。フォトトランジスタは、スリット円盤を透過した光を受光したときに舵角信号を出力する。
【0055】
シフト位置検出センサ41は、シフトレバ41aの操作機構内に設置されている。シフト位置検出センサ41は、乗員により操作されたシフトレバ41aの位置を検出し、検出したシフト位置信号を第1LANインタフェース31へ送信する。シフト位置検出センサ41は、例えば、光を発するLEDと受けた光を電気信号(シフト位置信号)に変換するフォトトランジスタと、これらに挟まれたスリット板とで構成されている。スリット板は、シフトレバ41aのシフト位置が前後動したときに追随する。スリット板は、前後動することによりLEDからの光を透過又は遮光する。フォトトランジスタは、スリット板が透過した光を受光したときにシフト位置信号を出力する。
【0056】
アクセル操作量検出センサ42は、アクセル42aの操作機構内に設置されている。アクセル操作量検出センサ42は、乗員により操作されたアクセル42aの操作量を検出し、検出した操作量信号を第1LANインタフェース31へ送信する。アクセル操作量検出センサ42は、アクセル42aの移動量を電気信号(検出量信号)に変換し、変換した検出量信号を出力する。
【0057】
ウィンカ信号検出センサ43は、ウィンカスイッチ43aの機構内に設置されている。ウィンカ信号検出センサ43は、乗員により操作されたウィンカスイッチ43aのウィンカ信号を検出し、検出したウィンカ信号を第1LANインタフェース31へ送信する。ウィンカスイッチ43aは、例えば、ステアリング40aの右側に設置されている(図2参照)。
【0058】
ナビゲーション装置51は、例えば、“四日市市西末広町付近”など、GPS衛星又は車速センサが測定した自車の走行位置を受信し、受信した走行位置を地図上に重畳させる。そして、当該地図画像を第2LANインタフェース32へ送信する。ナビゲーション装置51は、例えば、センタコンソール7内に内蔵されている。
【0059】
タイマ52は、時計機能及びカレンダ機能を備えている。タイマ52は、例えば、“14時30分50秒”など、時計機能により所定の時刻を計時し、計時した時刻信号を第2LANインタフェース32に送信する。また、タイマ52は、例えば、“月曜日”など、カレンダ機能により所定の曜日を特定し、特定した曜日信号を第2LANインタフェース32に送信する。
【0060】
乗員識別装置53は、例えば、各座席の座面内に設置された重量センサ、電流センサなどが該当する。乗員識別装置53は、着座している乗員の重量、体脂肪などを検出し、検出した重量、体脂肪に基づく乗員識別信号を第2LANインタフェース32へ送信する。また、乗員識別装置53は、例えば、車載カメラを用いてもよい。乗員識別装置53は、着座している乗員を車載カメラで撮像し、撮像した画像の特徴点を抽出する。そして、抽出した特徴点に基づいて着座している乗員の顔、体格などを検出し、検出した顔、体格に基づく乗員識別信号を第2LANインタフェース32へ送信するようにしてもよい。
情報処理装置3は、当該乗員識別信号と操作内容情報の乗員識別IDとを比較することにより、霜害乗員が行うべき操作の内容をデータベース35から抽出する。
【0061】
着座検出センサ54は、例えば、各座席の座面内に設置された重量センサ、電流センサなどが該当する。着座検出センサ54は、座面に加わる体重、静電気などを座席毎に検出し、検出した体重、静電気に基づく着座信号を座席IDと共に第2LANインタフェース32へ送信する。そして、情報処理装置3は、当該着座信号に基づいて乗員が各座席へ着座しているか否かを判断する。
【0062】
乗員状態検出装置55は、例えば、車載カメラを用いる。乗員状態検出装置55は、車載カメラで着座している乗員を撮像し、撮像している乗員の2時刻間の動きの差分を検出する。そして、動きの差分に基づく乗員状態信号を第2LANインタフェース32へ送信する。情報処理装置3は、当該乗員状態信号に基づいて着座している乗員が“居眠り状態、疲労状態、汗かき状態、震え状態”などの何れであるかを特定する。また、乗員状態検出装置55は、例えば、温度センサによる車内温度、赤外線照射による乗員の体温などの装置を用い、総合的に乗員の状態を検出するようにしてもよい。
【0063】
障害物検出装置56は、車両の外部状況を検出するための装置であり、例えば、車内のバックミラーの裏側、車外のバンパに設置されている。障害物検出装置56は、赤外線又はレーザ光を照射し、車両周辺の障害物に反射した赤外線などを検出する。障害物検出装置56は、検出した障害物信号を第2LANインタフェース32へ送信する。情報処理装置3は、当該障害物信号に基づいて車両の前方に障害物が存在するか否かを判断する。
【0064】
指示ボタン6は、押下時にディスプレイ装置2に出力されている操作支援情報が示す操作を指示するための指示信号を生成し、入力インタフェース36を介してCPU38へ送信する。CPU38は、受信した指示信号に従い車載装置を制御する。指示ボタン6は、ステアリング40a上に設置されている(図2参照)。このように、指示ボタン6は、複雑な操作を必要とせず、乗員が行うべき操作の指示を一回の操作(ダイレクト)に入力できることにより、乗員の運転を極力阻害しないようにできる。
【0065】
次に情報処理装置3が実行する操作内容記憶処理の手順を説明する。図5は情報処理装置3が実行する操作内容記憶処理の手順を示すフローチャートである。乗員がエアコン1a、ラジオ1b、テレビ受像機1c、CDプレーヤ1d又はDVDプレーヤ1eなどの車載装置を操作したとき、各操作検知センサ1は、夫々操作を検知し、検知した操作信号を第1LANインタフェース31へ送信する。
【0066】
情報処理装置3のCPU38は、操作検知センサ1から送信された操作信号を第1LANインタフェース31を介して受信したか否かを判断する(S101)。その結果、CPU38は、操作信号を受信していないと判断した場合(S101でNO)、検知すべき操作がないとして操作内容記憶処理を完了する。
【0067】
一方、CPU38は、操作信号を受信したと判断した場合(S101でYES)、受信した操作信号から操作の内容を解析する(S102)。このとき、CPU38は、シフト位置検出センサ41から送信されたシフト位置信号を第1LANインタフェース31を介して受信する。
【0068】
CPU38は、受信したシフト位置信号に基づいて操作時のシフト位置がP(パーキング)又はN(ニュートラル)であるか否かを判断する(S103)。その結果、CPU38は、シフト位置がP又はNであると判断した場合(S103でYES)、暖機状態を属性に加える(S104)。一方、CPU38は、シフト位置がP又はNではないと判断した場合(S103でNO)、走行状態を属性に加える(S105)。
【0069】
CPU38は、属性生成処理を実行する(S106)。尚、属性生成処理の手順については後述する。CPU38は、ステップ102で解析した操作の内容についての情報を前記属性に対応付けてデータベース35に記憶し(S107)、ステップS101に戻り、操作内容記憶処理を繰り返す。
このように、情報処理装置3は、乗員が行った操作の内容をデータベース35に記憶していく。そして、後述するように情報処理装置3は、データベース35に記憶してある内容を参照することにより、乗員が行うべき操作を推定する。
【0070】
次に情報処理装置3がステップS106で実行する属性生成処理の手順について説明する。図6は属性生成処理の手順を示すフローチャートである。
【0071】
タイマ52は、時計機能により操作時の時刻を計時し、計時した時刻信号を第2LANインタフェース32に送信する。CPU38は、タイマ52から送信された時刻信号を第2LANインタフェース32を介して受信する。CPU38は、受信した時刻信号に基づいて操作時の時刻を特定し(S201)、特定した時刻を属性に加える(S202)。
【0072】
タイマ52は、カレンダ機能により操作時の曜日を特定し、特定した曜日信号を第2LANインタフェース32へ送信する。CPU38は、タイマ52から送信された曜日信号を第2LANインタフェース32を介して受信する。CPU38は、受信した曜日信号に基づいて操作時の曜日を特定し(S203)、特定した曜日を属性に加える(S204)。
【0073】
ナビゲーション装置51は、操作時に車両が走行している走行位置を検出し、検出した走行位置信号を第2LANインタフェース32へ送信する。CPU38は、ナビゲーション装置51から送信された走行位置信号を第2LANインタフェース32を介して受信する。CPU38は、受信した走行位置信号に基づいて操作時の車両の走行位置を特定し(S205)、特定した走行位置を属性に加える(S206)。
【0074】
乗員状態検出装置55は、操作時の乗員の状態を検出し、検出した乗員状態信号を第2LANインタフェース32へ送信する。CPU38は、乗員状態検出装置55から送信された乗員状態信号を第2LANインタフェース32を介して受信する。CPU38は、受信した乗員状態信号に基づいて操作時の乗員状態を特定し(S207)、特定した乗員状態を属性に加える(S208)。CPU38は、属性生成処理を終了し、再開するまで待機する。
【0075】
次に情報処理装置3が実行する操作推定処理の手順について説明する。図7は情報処理装置3が実行する操作推定処理の手順を示すフローチャートである。情報処理装置3は、データベース35内に記憶してある操作内容情報Dを参照することにより操作推定処理を実行する。また、情報処理装置3は、操作推定処理により選定した操作の内容をディスプレイ装置2へ送信する。
【0076】
車両のエンジンが起動したとき、エンジンの制御装置(図示せず、以下同じ。)は、支援要求信号を情報処理装置3へ出力する。一方、車両のエンジンが停止したとき、エンジンの制御装置は、支援要求信号の出力を中止する。
【0077】
情報処理装置3のCPU38は、外部から支援要求信号を受信したか否かを判断する(S301)。その結果、CPU38は、支援要求信号を受信していないと判断した場合(S301でNO)、支援の必要がないとして操作推定処理を完了する。
【0078】
一方、CPU38は、支援要求信号を受信したと判断した場合(S301でYES)、属性生成処理を実行する(S302)。このとき、CPU38は、シフト位置検出センサ41から送信されたシフト位置信号を第1LANインタフェース31を介して受信する。尚、属性生成処理の手順は、前述したステップS106で実行する属性生成処理の手順と同様であるから、手順の説明を省略する。
【0079】
CPU38は、受信したシフト位置信号に基づいて操作時のシフト位置がP又はNであるか否かを判断する(S303)。その結果、CPU38は、シフト位置がP又はNであると判断した場合(S303でYES)、暖機状態を属性に加える(S304)。CPU38は、属性に基づいて操作の内容をデータベース35から抽出し(S305)、操作の内容をデータベース35から複数抽出したか否かを判断する(S306)。その結果、CPU38は、複数抽出したと判断した場合(S306でYES)、優先順整列処理を実行し(S307)、優先度Pが最大となる操作の内容を出力する(S308)。CPU38は、ステップ301へ戻り、操作推定処理を繰り返す。尚、CPU38は、出力した操作の内容をディスプレイ装置2へ送信する。ディスプレイ装置2は、受信した操作の内容を操作支援情報として画像出力する。また、優先順整列処理の手順については後述する。
【0080】
一方、CPU38は、ステップS306で複数抽出していないと判断した場合(S306でNO)、優先順整列処理を実行することなく、ステップ305で抽出した操作の内容を出力し(S308)、ステップS301に戻り、操作推定処理を繰り返す。尚、CPU38は、出力した操作の内容をディスプレイ装置2へ送信する。ディスプレイ装置2は、受信した操作の内容を操作支援情報として画像出力する。
【0081】
一方、CPU38は、ステップS303でシフト位置がP又はNではないと判断した場合(S303でNO)、属性に走行状態を加える(S309)。更に、CPU38は、出力判断処理を実行し(S310)、当該判断にて判断信号を出力したか否かを判断する(S311)。その結果、CPU38は、判断信号を出力していないと判断した場合(S311でNO)、ステップS302に戻り、操作推定処理を繰り返す。尚、出力判断処理の手順については後述する。
【0082】
一方、CPU38は、判断信号を出力したと判断した場合(S311でYES)、内容選定処理を実行し(S312)、当該処理で選定した操作の内容を出力する(S308)。尚、内容選定処理の手順については後述する。また、CPU38は、出力した操作の内容をディスプレイ装置2へ送信する。ディスプレイ装置2は、受信した操作の内容を操作支援情報として画像出力する。
【0083】
次に情報処理装置3がステップS307で実行する優先順整列処理の手順について説明する。図8は優先順整列処理の手順を示すフローチャートである。
【0084】
情報処理装置3のCPU38は、複数抽出した操作の内容において、同一時刻の属性を有する操作の内容があるか否かを判断する(S401)。その結果、CPU38は、同一時刻の属性を有する操作の内容があると判断した場合(S401でYES)、当該操作の内容の優先度Pに1を加算し(S402)、同一曜日の属性を有する操作の内容があるか否かを判断する(S403)。
【0085】
その結果、CPU38は、同一曜日の属性を有する操作の内容があると判断した場合(S403でYES)、当該操作の内容の優先度Pに1を加算し(S404)、同一走行位置の属性を有する操作の内容があるか否かを判断する(S405)。
【0086】
その結果、CPU38は、同一走行位置の属性を有する操作の内容があると判断した場合(S405でYES)、当該操作の内容の優先度Pに1を加算し(S406)、複数抽出した操作の内容において、未処理の内容があるか否かを判断する(S407)。その結果、CPU38は、未処理の内容があると判断した場合(S407でYES)、ステップS401に戻り、優先順整列処理を繰り返す。
【0087】
一方、CPU38は、未処理の内容がないと判断した場合(S407でNO)、複数抽出した操作の内容を優先度Pが大きい順に整列させる(S408)。CPU38は、優先順整列処理を終了し、再開するまで待機する。
【0088】
一方、CPU38は、ステップS401において同一時刻の属性を有する操作の内容が存在していないと判断した場合(S401でNO)、優先度Pを加算することなく、同一曜日の属性を有する操作の内容があるか否かを判断する(S403)。
【0089】
また、CPU38は、ステップS403において同一曜日の属性を有する操作の内容が存在していないと判断した場合(S403でNO)、優先度Pを加算することなく、同一走行位置の属性を有する操作の内容があるか否かを判断する(S405)。
【0090】
また、CPU38は、ステップS405において同一走行位置の属性を有する操作の内容が存在していないと判断した場合(S405でNO)、優先度Pを加算することなく、未処理の内容があるか否かを判断する(S407)。
【0091】
このように、CPU38は、同一の属性に係る操作の内容を複数記憶している場合、同一の属性に係る操作の内容を計数し、最多になるものを優先的に出力する。
尚、本実施の形態では、操作の内容を優先度Pが大きい順に整列される一例を説明したが、本発明は、これに限定されるものでなく、操作の内容を優先度Pが小さい順に整列するようにしてもよい。また、本実施の形態では、時刻、曜日及び走行位置の全てについて同一性を判断したが、本発明は、これに限定されるものでなく、時刻、曜日又は走行位置の何れか一つについて同一性を判断するようにしてもよい。
【0092】
次に情報処理装置3がステップS310で実行する出力判断処理の手順について説明する。図9は出力判断処理の手順を示すフローチャートである。
【0093】
ウィンカスイッチ43aは、車両を右折又は左折させるべく、オンにされたときにウィンカ信号を出力する。ウィンカ信号検出センサ43は、ウィンカスイッチ43aから出力されたウィンカ信号を検出した場合、検出したウィンカ信号を第1LANインタフェース31へ送信する。CPU38は、ウィンカ信号検出センサ43から送信されたウィンカ信号を受信したとき、ウィンカ信号が出力されたと判断する。
【0094】
また、障害物検出装置56は、車両の前方に存在する障害物を検出した場合、検出した障害物信号を第2LANインタフェース32へ送信する。CPU38は、障害物検出装置56から送信された障害物信号を受信したとき、車両の前方に障害物が存在すると判断する。
【0095】
また、ステアリング40aは、乗員により操作され、操作された舵角に応じて車両を右折又は左折させる役割を担う。舵角検出センサ40は、乗員により操作されたステアリング40aの舵角を検出した場合、検出した舵角信号を第1LANインタフェース31へ送信する。CPU38は、舵角検出センサ40から送信された舵角信号を受信したとき、受信した舵角信号が示すステアリング40aの舵角を導出する。
【0096】
CPU38は、ウィンカ信号が出力されたか否かを判断し(S501)、ウィンカ信号が出力されたと判断した場合(S501でYES)、判断信号を出力することなく、出力判断処理を終了し、再開するまで待機する。
【0097】
一方、CPU38は、ウィンカ信号が出力されていないと判断した場合(S501でNO)、車両の前方に障害物が存在しているか否かを判断する(S502)。その結果、CPU38は、車両の前方に障害物が存在していると判断した場合(S502でYES)、判断信号を出力することなく、出力判断処理を終了し、再開するまで待機する。
【0098】
一方、CPU38は、車両の前方に障害物が存在していないと判断した場合(S502でNO)、ステアリング40aの舵角が予め設定してある閾値を超えるか否かを判断する(S503)。その結果、CPU38は、ステアリング40aの舵角が閾値を超えていると判断した場合(S503でYES)、判断信号を出力することなく、出力判断処理を終了し、再開するまで待機する。
【0099】
一方、CPU38は、ステアリング40aの舵角が閾値以下であると判断した場合(S503でNO)、判断信号を出力し(S504)、出力判断処理を終了し、再開するまで待機する。このように、CPU38は、出力判断処理において、判断信号を出力した場合、運転負荷が少ない状態であると判断し、乗員に対して操作支援情報を出力すべきと判断する。一方、CPU38は、判断信号を出力しなかった場合、運転負荷が大きい状態であると判断し、乗員に対して操作支援情報を出力すべきでないと判断する。
【0100】
このように、CPU38は、検出した運転者の運転状況、車両の動作状況又は車両の外部状況に基づいて、運転負荷が小さいときに操作支援情報を出力するようにする。その結果、運転者は、運転に集中することができる。
【0101】
実施例1.
次に情報処理装置3がステップS312で実行する内容選定処理の手順について説明する。図10は実施例1に係る内容選定処理の手順を示すフローチャートである。
実施例1では、例えば、CDプレーヤ1dで音楽再生をしている場合、車両の動作状況に応じた操作の内容を選定する一例を説明する。
【0102】
情報処理装置3のCPU38は、属性に基づいて操作の内容をデータベース35から抽出する(S601)。CPU38は、動作中のCDプレーヤ1dが音楽再生を終了するか否かを判断し(S602)、音楽再生を終了しないと判断した場合(S602でNO)、内容選定処理を終了し、再開するまで待機する。そして、CPU38は、ステップS601で抽出した操作の内容を出力する(S308参照)。
【0103】
一方、CPU38は、音楽再生を終了すると判断した場合(S602でYES)、ステップS601で抽出した操作の内容において、音楽再生についての操作を含んでいるか否かを判断する(S603)。その結果、CPU38は、音楽再生についての操作を含んでいないと判断した場合(S603でNO)、内容選定処理を終了し、再開するまで待機する。そして、CPU38は、ステップS601で抽出した操作の内容を出力する(S308参照)。
【0104】
一方、CPU38は、音楽再生についての操作を含んでいると判断した場合(S603でYES)、当該音楽再生についての操作を優先的に選定し(S604)、内容選定処理を終了し、再開まで待機する。そして、CPU38は、抽出した音楽再生についての操作の内容を出力する(S308参照)。
【0105】
実施例2.
上述した実施例1では、CDプレーヤ1dで音楽再生をしている場合など、車両の動作状況に応じた操作の内容を選定する一例を説明した。しかし、本発明は、これに限定されるものでなく、その他の車両の動作状況に応じた操作の内容を選定するようにしてもよい。そこで、実施例2では、例えば、座席への乗員の着座状況に応じたエアコン操作の内容を選定する一例を説明する。図11は実施例2に係る内容選定処理の手順を示すフローチャートである。
【0106】
情報処理装置3のCPU38は、属性に基づいて操作の内容をデータベース35から抽出する(S701)。CPU38は、エアコン1aが作動しているか否かを判断し(S702)、エアコン1aが作動していないと判断した場合(S702でNO)、更に後部座席用のエアコン1aが作動しているか否かを判断する(S703)。その結果、CPU38は、後部座席用のエアコン1aが停止していると判断した場合(S703でNO)、更に後部座席に乗員が着座しているか否かを判断する(S704)。その結果、CPU38は、後部座席に乗員が着座していないと判断した場合(S704でNO)、内容選定処理を終了し、再開まで待機する。そして、CPU38は、ステップS701で抽出した操作の内容を出力する(S308参照)。
【0107】
一方、CPU38は、後部座席に乗員が着座していると判断した場合(S704でYES)、後部座席用エアコン1aの起動操作を優先的に選定し(S705)、内容選定処理を終了して再開まで待機する。そして、CPU38は、選定した起動操作の内容を出力する(S308参照)。このように、CPU38は、停止している後部座席用のエアコン1aを起動させるように乗員に促す。
【0108】
一方、CPU38は、ステップS703において後部座席用のエアコン1aが作動していると判断した場合(S703でYES)、更に後部座席に乗員が着座しているか否かを判断する(S706)。その結果、CPU38は、後部座席に乗員が着座していると判断した場合(S706でYES)、内容選定処理を終了し、再開まで待機する。そして、CPU38は、ステップS701で抽出した操作の内容を出力する(S308参照)。
【0109】
一方、CPU38は、後部座席に乗員が着座していないと判断した場合(S706でNO)、後部座席用のエアコン1aの停止操作を優先的に選定し(S707)、内容選定処理を終了して再開まで待機する。そして、CPU38は、選定した停止操作の内容を出力する(S308参照)。このように、CPU38は、作動している後部座席用のエアコン1aを停止させるように乗員に促す。
【0110】
一方、CPU38は、ステップS702においてエアコン1aが作動していると判断した場合(S702でYES)、更に車内温度が予め設定してある閾値を超え、且つ、エアコン1aの設定が内気循環になっているか否かを判断する(S708)。その結果、CPU38は、車内温度が閾値以下であるか、又は、エアコン1aの設定が内気循環でないと判断した場合(S708でNO)、内容選定処理を終了し、再開まで待機する。そして、CPU38は、ステップS701で抽出した操作の内容を出力する(S308参照)。
【0111】
一方、CPU38は、車内温度が閾値を超え、且つ、エアコン1aの設定が内気循環であると判断した場合(S708でYES)、外気取込への切替操作を優先的に選定し(S709)、内容選定処理を終了し再開まで待機する。そして、CPU38は、選定した外気取込への切替操作の内容を出力する(S308参照)。
【0112】
実施例3.
上述した実施例1及び2では、車両の動作状況に応じた操作の内容を選定する一例を説明した。しかし、本発明は、これに限定されるものでなく、乗員の状態に応じた操作の内容を選定するようにしてもよい。そこで、実施例3では、例えば、乗員の居眠りを検出したときに操作の内容を選定する一例を説明する。図12は実施例3に係る内容選定処理の手順を示すフローチャートである。
【0113】
乗員状態検出装置55は、例えば、車載カメラで撮像した乗員の2時刻間の動きの差分を検出した場合、検出した差分による乗員状態信号を第2LANインタフェース32へ送信する。情報処理装置3のCPU38は、乗員状態検出装置55から送信された乗員状態信号を第2LANインタフェース32を介して受信したとき、受信した乗員状態信号に基づいて乗員状態を特定する(S801)。CPU38は、特定した乗員状態が居眠り状態であるか否かを判断し(S802)、特定した乗員状態が居眠り状態でないと判断した場合(S802でNO)、内容選定処理を終了し、再開まで待機する。
【0114】
一方、CPU38は、特定した乗員状態が居眠り状態であると判断した場合(S802でYES)、居眠り状態という属性に係る操作の内容を抽出し(S803)、内容選定処理を終了し、再開まで待機する。そして、CPU38は、居眠り状態という属性に基づいて抽出した操作の内容を出力する(S308参照)。
【0115】
上述した実施の形態では、エンジン起動時のとき、支援要求信号を情報処理装置3へ出力する一例を説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものでなく、例えば、乗員の任意の入力を受け付けたとき、支援要求信号を情報処理装置3へ出力するようにしてもよい。
【0116】
また、上述した実施の形態では、同一属性に係る操作内容情報Dをデータベース35に夫々累積していく一例を説明したが、本発明はこれに限定されるものでない。例えば、同一属性に係る操作内容情報Dをデータベース35に上書きしていくようにしてもよい。
【0117】
また、上述した実施の形態において、CPU38は、選定されない操作内容情報Dを所定期間毎に消去又は更新するようにしてもよい。更に、CPU38は、称呼又は更新する都度優先順整列処理を実行し、操作内容情報Dを優先順を入れ替えるようにしてもよい。また、CPU38は、操作内容情報Dを任意の順番に整列させ、当該乗員が所望する運転及び操作の順で操作支援情報が出力されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明に係る操作支援システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】操作支援システムの車載例を示す模式図である。
【図3】ディスプレイ装置による操作支援情報の表示例を示す模式図である。
【図4】データベースに記憶してある操作内容情報を説明するための概念図である。
【図5】情報処理装置が実行する操作内容記憶処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】属性生成処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】情報処理装置が実行する操作推定処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】優先順整列処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】出力判断処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】実施例1に係る内容選定処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】実施例2に係る内容選定処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】実施例3に係る内容選定処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0119】
1 操作検知センサ
1a エアコン
1b ラジオ
1c テレビ受像機
1d CDプレーヤ
1e DVDプレーヤ
2 ディスプレイ装置
3 情報処理装置
31 第1LANインタフェース
32 第2LANインタフェース
33 RAM
34 ROM
35 データベース
36 入力インタフェース
37 出力インタフェース
38 CPU
40 舵角検出センサ
40a ステアリング
41 シフト位置検出センサ
41a シフトレバ
42 アクセル操作量検出センサ
42a アクセル
43 ウィンカ信号検出センサ
43a ウィンカスイッチ
51 ナビゲーション装置
52 タイマ
53 乗員識別装置
54 着座検出センサ
55 乗員状態検出装置
56 障害物検出装置
6 指示ボタン
7 センタコンソール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載装置で車両の乗員が行う操作を検知し、検知した操作の内容を示す情報を出力する操作支援方法において、
車載装置で検知した操作に対して乗員が行うべき操作を推定し、推定した操作の内容を示す操作支援情報を出力することを特徴とする操作支援方法。
【請求項2】
車両の乗員が行う操作を検知する検知手段と、該検知手段にて検知した操作の内容を示す情報を出力する情報出力手段とを備える操作支援システムにおいて、
前記検知手段にて検知した操作に対して乗員が行うべき操作を推定する推定手段を備え、
前記情報出力手段は、該推定手段にて推定した操作の内容を示す操作支援情報を出力するようにしてあることを特徴とする操作支援システム。
【請求項3】
前記検知手段にて順次検知した操作の内容を複数記憶する記憶手段を更に備え、
前記推定手段は、前記記憶手段にて記憶してある操作の内容の何れかを乗員が行うべき操作とするようにしてあることを特徴とする請求項2に記載の操作支援システム。
【請求項4】
時刻及び/又は曜日を特定する特定手段を更に備え、
前記記憶手段は、操作時に前記特定手段にて特定した時刻及び/又は曜日を該操作の内容の属性として記憶し、
前記推定手段は、前記属性に基づいて前記記憶手段にて記憶してある操作の内容の何れかを同一の時刻及び/又は曜日において乗員が行うべき操作とするようにしてあることを特徴とする請求項3に記載の操作支援システム。
【請求項5】
車両の走行位置を検出する位置検出手段を更に備え、
前記記憶手段は、操作時に前記位置検出手段にて検出した走行位置を該操作の内容の属性として記憶し、
前記推定手段は、前記属性に基づいて前記記憶手段にて記憶してある操作の内容の何れかを同一の走行位置において乗員が行うべき操作とするようにしてあることを特徴とする請求項3に記載の操作支援システム。
【請求項6】
乗員の状態を検出する状態検出手段を更に備え、
前記記憶手段は、操作時に前記状態検出手段にて検出した乗員の状態を該操作の内容の属性として記憶し、
前記推定手段は、前記属性に基づいて前記記憶手段にて記憶してある操作の内容の何れかを同一の状態において乗員が行うべき操作とするようにしてあることを特徴とする請求項3に記載の操作支援システム。
【請求項7】
乗員を識別する乗員識別手段を更に備え、
前記記憶手段は、前記乗員識別手段にて識別した乗員に対応付けて前記検知手段にて検知した操作の内容を記憶し、
前記推定手段は、前記記憶手段にて記憶してある操作の内容の何れかを前記乗員識別情報にて識別した乗員が行うべき操作とするようにしてあることを特徴とする請求項3乃至6の何れか一つに記載の操作支援システム。
【請求項8】
前記推定手段は、前記記憶手段にて同一の属性に係る操作の内容を複数記憶してある場合、該操作の内容の中で最多なものを優先するようにしてあることを特徴とする請求項4乃至7の何れか一つに記載の操作支援システム。
【請求項9】
車両が暖機状態であるか否かを判断する暖機判断手段を更に備え、
前記推定手段は、前記暖機判断手段にて車両が暖機状態であると判断した場合に前記記憶手段にて記憶してある操作の内容の中で最多なものを優先するようにしてあることを特徴とする請求項8に記載の操作支援システム。
【請求項10】
車両を運転する運転者の運転状況、車両の動作状況又は車両の外部状況を検出する状況検出手段と、
該状況検出手段にて検出した運転者の運転状況、車両の動作状況又は車両の外部状況に基づいて操作支援情報を出力するか否かを判断する出力判断手段と
を更に備えることを特徴とする請求項2乃至9の何れか一つに記載の操作支援システム。
【請求項11】
前記状況検出手段は、少なくとも運転者が操作するステアリングの操舵量を検出し、
前記出力判断手段は、該状況検出手段にて検出した操舵量と予め設定された閾値との差が所定値を超える場合、操作支援情報を出力しないと判断するようにしてあることを特徴とする請求項10に記載の操作支援システム。
【請求項12】
前記状況検出手段は、少なくとも運転者が操作するウィンカ信号を検出し、
前記出力判断手段は、該状況検出手段にてウィンカ信号の出力を検出した場合、操作支援情報を出力しないと判断するようにしてあることを特徴とする請求項10に記載の操作支援システム。
【請求項13】
前記状況検出手段は、少なくとも車両の周辺にある障害物の存在を検出し、
前記出力判断手段は、該状況検出手段にて障害物の存在を検出した場合、操作支援情報を出力しないと判断するようにしてあることを特徴とする請求項10に記載の操作支援システム。
【請求項14】
車両が走行状態にあるか否かを判断する走行判断手段を更に備え、
前記出力判断手段は、前記走行判断手段にて車両が走行状態にあると判断した場合に操作支援情報を出力するか否かを判断するようにしてあることを特徴とする請求項10乃至13の何れか一つに記載の操作支援システム。
【請求項15】
前記情報出力手段にて出力された操作支援情報が示す操作の指示を受け付ける受付手段と、
該受付手段にて受け付けた指示の信号を出力する手段と
を備えることを特徴とする請求項2乃至14の何れか一つに記載の操作支援システム。
【請求項16】
前記受付手段は、ステアリングに設置されていることを特徴とする請求項15に記載の操作支援システム。
【請求項17】
前記情報出力手段は、ヘッドアップディスプレイ、又は、センタコンソールに設置されたディスプレイが備えることを特徴とする請求項2乃至16の何れか一つに記載の操作支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−59229(P2009−59229A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−226817(P2007−226817)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】