説明

操作装置及び画像形成装置

【課題】操作間違いを防止することができる操作装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】操作装置150は、画像形成手段の状態を表示する表示部150と、この画像形成手段の動作を再開させる実行押下部152と、画像形成手段の動作を停止させる停止押下部154と、を有し、表示部150と実行押下部152とは一群として設けられ、停止押下部154は、表示部150及び実行押下部154から離れて設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像形成装置のフロント側に配置し、制御情報を入力するための操作パネルであって、操作パネルを使用頻度の高い出力手段に伴うボタン類と、使用頻度の低いボタン類とに分けて2つのパネルに各々分割して設け、2つのパネルの一方を固定位置に設け、他方を固定位置のパネルと重なる位置と横に並べる位置との間を移動可能な移動パネルとして構成し、移動パネルを停止させる位置で、パネルの信号経路を画像形成装置本体に接続可能とした操作パネルが開示されている。
【0003】
特許文献2には、複数の操作釦のグループ化により1つのブロックが形成されてなる複数の操作ブロックと、これら操作ブロックが形成されたパネル本体とを備え、パネル本体の1つの操作ブロックを機能モード選択用として表示部と共に選択/実行釦を配設した操作パネルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4078872号公報
【特許文献2】特開平8−181461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、操作間違いを防止することができる操作装置、及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る本発明は、電子装置を操作する操作装置であって、前記電子装置の状態を表示する表示部と、前記電子装置の動作を再開させる実行部と、前記電子装置の動作を停止させる停止部と、を有し、前記表示部と前記実行部とは一群として設けられ、前記停止部は、前記表示部及び前記実行部から離れて設けられている操作装置である。
【0007】
請求項2に係る本発明は、前記表示部は、複数の状態をそれぞれ表示する複数の点灯部を有し、前記複数の点灯部は、前記実行部の周囲に配置されている請求項1記載の操作装置である。
【0008】
請求項3に係る本発明は、前記表示部は、一群の境界を形成する円形状の第1の表示部と、前記第1の表示部の内側に設けられた第2の表示部と、を有する請求項1又は2記載の操作装置である。
【0009】
請求項4に係る本発明は、前記第1の表示部及び前記第2の表示部はそれぞれ、複数の表示点灯部を備え、動作状況を検知する検知手段と、前記検知手段の検知結果に基づいて、前記第2の表示部の表示点灯部と、当該第2の表示部の表示点灯部に対して予め定められた前記第1の表示部の表示点灯部とを点灯させるように制御する制御手段と、をさらに有する請求項3記載の操作装置である。
【0010】
請求項5に係る本発明は、前記実行部は、実行点灯部を有し、前記制御部は、動作を実行させる場合に、前記実行点灯部を点灯させるように制御する請求項4記載の操作装置である。
【0011】
請求項6に係る本発明は、記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段の状態を表示する表示部と、前記画像形成手段の動作を再開させる実行部と、前記画像形成手段の動作を停止させる停止部と、を有し、前記表示部と前記実行部とは一群として設けられ、前記停止部は、前記表示部及び前記実行部から離れて設けられている画像形成装置である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る本発明によれば、操作間違いを防止することができる。
【0013】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明の効果に加え、本構成を有さない場合と比較して、より一層、操作間違いを防止することができる。
【0014】
請求項3に係る本発明によれば、請求項1又は2に係る本発明の効果に加え、本構成を有さない場合と比較して、表示装置の占める範囲を低減することができる。
【0015】
請求項4に係る本発明によれば、請求項3に係る本発明の効果に加え、動作状況を階層分けして表すことができる。
【0016】
請求項5に係る本発明によれば、請求項4に係る本発明の効果に加え、本構成を有さない場合と比較して、より一層、操作間違いを防止することができる。
【0017】
請求項6に係る本発明によれば、操作間違いを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置を側面から示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る操作装置の概略図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置の機能構成のブロック図である。
【図6】記録媒体切れが生じた際の表示装置の動作を説明する説明図である。
【図7】収容容器に収容されているトナーがなくなる際の表示装置の動作を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態としての画像形成装置10の斜視図を示す。
【0020】
画像形成装置10は筺体12を有し、この筺体12の上部は、画像の形成された記録媒体が排出される排出部14として用いられる。
筺体12の前側には、操作装置16が設けられている。
【0021】
筺体12には、装着用開閉部22と給紙用開閉部24とがそれぞれこの筺体12に対して開閉自在に設けられている。筺体12内には、収容容器30Y、30M、30C、30Kが装着される装着装置32が設けられている。
【0022】
装着用開閉部22は、像形成剤収容容器として用いられる収容容器30Y、30M、30C、30Kを筺体12内に装着する際、あるいは、収容容器30Y、30M、30C、30Kを筺体12内から取り外す際に開かれる。また、装着用開閉部22は、画像形成を行う際に閉じられる。
なお、本実施形態においては、装着用開閉部22の開閉は、筺体12の後方を支点として回転させる構成(装着用開閉部22の短辺側に支点を形成する構成)であるが、これに限らず、筺体12の側方を支点として回転させる構成(装着用開閉部22の長辺側に支点を形成する構成)としてもよい。
【0023】
給紙用開閉部24は、筺体12の前側から記録媒体を供給する際に開かれる。
【0024】
収容容器30Y、30M、30C、30Kにはそれぞれ、像形成剤として用いられるイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナーが収容されている。
収容容器30Y、30M、30Cはそれぞれ、形状及び大きさが同様に構成されており、略同一の容積のトナーを収容するようになっている。
収容容器30Kは、収容容器30Y、30M、30Cよりも縦長に構成され、これら収容容器30Y、30M、30Cよりも体積が大きく、これら収容容器30Y、30M、30Cよりも収容するトナーの容積が大きくなるようになっている。
【0025】
収容容器30Y、30M、30Cと収容容器30Kとは、収容できるトナーの容積が異なるものの、有する部材及び機能は同一に構成されている。
【0026】
図2は、画像形成装置10の側面からの断面図を示す。
筺体12内には、像形成部40と、この像形成部40に記録媒体を供給する記録媒体供給装置42と、記録媒体の搬送に用いられる搬送路44が設けられている。
像形成部40、記録媒体供給装置42、及び搬送路44によって、記録媒体に画像を形成する画像形成手段が構成される。
【0027】
像形成部40は、例えば4個の像形成ユニット52Y、52M、52C、52Kと、潜像形成装置54と、転写装置56とにより構成される。像形成ユニット52Y、52M、52C、52KはそれぞれY、M、C、Kのトナーを用いて現像剤像を形成する。
以下、各色に対応するY、M、C、Kを省略して「像形成ユニット52」のように総称する場合がある。各色に対応する他の構成(収容容器30、感光体ドラム62等)についても同様とする。
【0028】
像形成ユニット52はそれぞれ、像保持体として用いられる感光体ドラム62と、この感光体ドラム62を帯電する帯電装置64と、潜像形成装置54によって感光体ドラム62の表面に形成された静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する現像装置66と、感光体ドラム62の表面をクリーニングするクリーニング装置68を有する。
【0029】
現像装置66にはそれぞれ、収容容器30から対応する色のトナーが供給される。
【0030】
転写装置56は、転写媒体として用いられるベルト状の中間転写体72と、1次転写装置として用いられる1次転写ロール74Y、74M、74C、74Kと、2次転写装置として用いられる2次転写ロール76と、中間転写体72の表面をクリーニングするクリーニング装置78と、を有する。
【0031】
中間転写体72は、感光体ドラム62それぞれに形成されたトナー像が重ねられるようにして転写される。中間転写体72は、支持部材として用いられる例えば4つの支持ロール82a、82b、82c、82dによって回転自在に支持されている。
【0032】
1次転写ロール74Y、74M、74C、74Kはそれぞれ、感光体ドラム62Y、62M、62C、62Kに形成された各色に対応するトナー像を、中間転写体72に転写する。
【0033】
2次転写ロール76は、中間転写体72に転写された各色のトナー像を、記録媒体に転写する。
【0034】
記録媒体供給装置42は、例えば記録媒体を積層した状態で収納する記録媒体収納容器92と、この記録媒体収納容器92に収納された最上位の記録媒体を抽出する抽出ロール94と、この抽出ロール94で抽出された記録媒体を像形成部40に向けて搬送する搬送ロール96と、この搬送ロール96に接触し、搬送ロール96との間で記録媒体を分離する分離ロール98と、を有する。
【0035】
記録媒体収納容器92は、例えば筺体12の前側(図2における左側)に引き出せるようになっており、この筺体12から引き出された状態で記録媒体が補充される。
【0036】
搬送路44は、主搬送路100と、反転搬送路102と、補助搬送路104とにより構成される。
【0037】
主搬送路100は、記録媒体供給装置42から供給された記録媒体を排出部14に向けて搬送する搬送路である。主搬送路100には、記録媒体の搬送方向上流側から順に、レジストロール112と、2次転写ロール76と、定着装置114と、排出ロール116とが配置されている。
【0038】
レジストロール112は、停止した状態から所定のタイミングで回転を開始し、中間転写体72にトナー像が転写されるタイミングに合致するように、記録媒体を中間転写体72と2次転写ロール76との接触部に供給する。
【0039】
定着装置114は、転写装置56によりトナー像が転写された記録媒体にこのトナー像を定着させる。
【0040】
排出ロール116は、定着装置114によってトナー像が定着された記録媒体を排出部14に排出する。また、排出ロール116は、記録媒体の両面に画像を形成する場合、排出部14に記録媒体を排出するときとは反対方向に回転し、一方の面に画像が形成された記録媒体を、後端側から反転搬送路102へ搬送する。
【0041】
反転搬送路102は、一方の面に画像が形成された記録媒体を反転させるとともに、再度、レジストロール112の上流側に向けて搬送する。反転搬送路102には、例えば2つの反転搬送ロール118a、118bが配置されている。
【0042】
補助搬送路104は、給紙用開閉部24が筺体12に対して開かれた状態において、この筺体12の前側から記録媒体を供給する際に用いられる。補助搬送路104には、レジストロール112に向けて記録媒体を搬送する補助搬送ロール120と、この補助搬送ロール120に接触し記録媒体を分離する分離ロール122とが配置されている。
【0043】
筺体12内には、収容容器30の装着の有無及び収容されているトナーの量を検知する像形成剤検知器132と、記録媒体収納容器92に収納されている記録媒体の有無を検知する記録媒体検知器134と、搬送路44における記録媒体の搬送異常(例えばジャム等)を検知する搬送検知器136と、が設けられている。
【0044】
像形成剤検知器132、記録媒体検知器134、及び搬送検知器136は、画像形成手段の動作状況を検知する検知手段を構成する。
【0045】
また、筺体12内には、レジストロール112等の記録媒体を搬送する部材や現像装置66等の像形成部40を構成する部材を駆動する駆動装置138と、画像形成装置10を構成する各部を制御する制御手段として用いられる制御装置140が設けられている。
【0046】
制御部140には、像形成剤検知器132、記録媒体検知器134、及び搬送検知器136から、それぞれが検知した検知結果が通知されるようになっている。
【0047】
本実施形態において、画像形成装置10の装置状態には、異常状態、休止状態、及び通常状態がある。
異常状態は、正常に画像を形成できない状態である。具体的には、収容容器30が装着されていない、もしくは、収容容器30に収容されているトナーがない場合、記録媒体収納容器92に収納されている記録媒体がない場合、又は、記録媒体の搬送途中に詰まりが生じた場合等である。
休止状態は、画像形成装置10が消費電力を節約するために休止している状態(スリープモード)である。
通常状態は、異常状態及び休止状態いずれでもなく、正常に記録媒体に画像を形成することができる状態である。
なお、装置状態はこれに限らず、使用態様に合わせて適宜変更することができる。
【0048】
次に、操作装置16の詳細について説明する。
図3は、操作装置16の概略図を示す。図4は、図3のA−A断面図を示す。
【0049】
操作装置16は、表示部150と、実行部として用いられる実行押下部152と、停止部として用いられる停止押下部154と、により構成される。
【0050】
表示部150は、円形状(リング状)に形成された第1の表示部としての外側表示部160と、この外側表示部160の内側に形成された第2の表示部としての内側表示部170とを有する。
【0051】
外側表示部160には、第1の点灯部162と、第2の点灯部164と、第3の点灯部166と、が設けられている。
【0052】
第1の点灯部162は、画像形成装置10が通常状態の場合に点灯するようになっている。
第2の点灯部164は、画像形成装置10が休止状態の場合に点灯するようになっている。
第3の点灯部166は、画像形成装置10が異常状態の場合に点灯するようになっている。
【0053】
内側表示部170には、外側表示部160に設けられた点灯部(本実施形態においては3つ)よりも多く(本実施形態においては9つ)の点灯部が設けられている
【0054】
内側表示部170の点灯部は、外側表示部160の点灯部により示される装置状態における各部の動作の状況を示すように、文字や図形等の形状に形成されている。
すなわち、内側表示部170の点灯部は、外側表示部160の点灯部が示す装置状態よりも詳細な動作状況を示すようになっている。
【0055】
本実施形態において、画像形成装置10の各部の動作状況とは、正常にトナーが供給されているか(収容容器30が装着されているか、もしくは、収容容器30にトナーが収容されているか)、記録媒体収納容器92に記録媒体が収納されているか、又は、正常に記録媒体が搬送されているか等、これらの状況を示す。
なお、動作状況はこれに限らず、使用態様に合わせて適宜変更することができる。
【0056】
内側表示部170は、第1の点灯部162に対応する第1の領域172と、第2の点灯部164に対応する第2の領域174と、第3の点灯部166に対応する第3の領域176とに区分される。
【0057】
具体的には、第1の領域172に配置された点灯部が点灯する場合には、第1の点灯部162が点灯し、第2の領域174に配置された点灯部が点灯する場合には、第2の点灯部164が点灯し、第3の領域176に配置された点灯部が点灯する場合には、第3の点灯部166が点灯するように設定されている。
このように、内側表示部170の点灯部それぞれについて、対応して点灯する外側表示部160の点灯部(第1の点灯部162、第2の点灯部164、及び第3の点灯部166のいずれか)が設定されている。
【0058】
第1の領域172、第2の領域174、第3の領域176はそれぞれ、対応する第1の点灯部162、第2の点灯部164、第3の点灯部166の近傍や同一直線上等に配置されている。このため、本構成を有さない場合と比較して、内側表示部170の点灯部と外側表示部160の点灯部とを関連付けて利用者に想起させ易くなっている。
【0059】
第1の領域172には、点灯部として、画像形成装置10が通常状態の場合に点灯する通常状態点灯部182が配置されている。
【0060】
第2の領域174には、点灯部として、画像形成装置10が休止状態の場合に点灯する休止状態点灯部184が配置されている。
【0061】
第3の領域176には、点灯部として、画像形成装置10が異常状態の場合に点灯する異常発生点灯部186が配置されている。
また、第3の領域176には、記録媒体収納容器92に収納されている記録媒体がない場合に点灯する記録媒体切れ点灯部188と、記録媒体の搬送に異常が発生した場合(例えばジャム等)に点灯する搬送異常点灯部190と、収容容器30Y、30M、30C、30Kからのトナーの供給に異常が発生した場合に点灯する像形成剤異常点灯部192Y、192M、192C、192Kと、が配置されている。
【0062】
像形成剤異常点灯部192Y、192M、192C、192Kはそれぞれ、対応する収容容器30Y、30M、30C、30Kが装着されていない場合、及び、収容されているトナーがなくなった場合に点灯し、収容されているトナーの残量が少なくなった場合(例えば、残量が最大収容量の20%よりも少なくなった場合)に点滅するようになっている。
なお、利用者の利便性のため、像形成剤異常点灯部192Y、192M、192C、192Kそれぞれの近傍に、対応する色で形成した印を付すようにしてもよい。
【0063】
記録媒体切れ点灯部188、搬送異常点灯部190、及び像形成剤異常点灯部192Y、192M、192C、192Kは、外側表示部160の点灯部よりも異常状態の内容を具体的に表す。
このように、表示部150は、画像形成装置10の動作状況を階層に分けて(本実施形態においては2段階構造)一体に表示するようになっている。
【0064】
図4に示すように、第1の点灯部162は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源162aと、透明な材質からなり光を透過する透過部162bとにより構成されている。透過部162bは、凸状に形成されている。
外側表示部160の第2の点灯部164及び第3の点灯部164は、第1の点灯部162と同様に構成されている。
【0065】
通常状態点灯部182は、例えばLED等の光源182aと、透明な材質からなり光を透過する透過部182bとにより構成されている。
内側表示部170の休止状態点灯部184、異常発生点灯部186、記録媒体切れ点灯部188、搬送異常点灯部190、及び像形成剤異常点灯部192Y、192M、192C、192Kは、通常状態点灯部182と同様に構成されている。
【0066】
外側表示部160の点灯部の透過部(透過部162b等)は、内側表示部170の点灯部の透過部(透過部182b等)よりも高くなる(突出する)ようになっている。このため、本構成を有さない場合と比較して、外側表示部160の表示は、内側表示部170の表示よりも、利用者が視認し易くなっている。
【0067】
例えば、表示部150は、遠くからは外側表示部160の点灯のみを視認でき内側表示部170の点灯を視認できないが、近くからは外側表示部160及び内側表示部170の点灯を視認できるようになっている。
【0068】
なお、外側表示部160と内側表示部170とで光の強さや色等を異ならせ、外側表示部160の表示を内側表示部170の表示よりも視認し易くするようにしてもよい。
【0069】
実行押下部152は、表示部150の内側表示部170の内側に配置され、表示部150と一体に構成されている。表示部150と実行押下部152によって、外側表示部160を境界とする一群が形成される。
【0070】
実行押下部152は、画像形成装置10を構成する各部に動作を実行させるものであり、例えば、異常状態から通常状態にするための準備動作(復旧動作)を実行する際に押下げられる。
準備動作とは、例えば、記録媒体収納容器92に記録媒体を補充した後、記録媒体を所望の位置に搬送(フィード)する動作や、収容容器30を装着した後、トナーを現像装置66に補充する動作等を示す。
【0071】
実行押下部152には、実行点灯部202が配置されており、この実行点灯部202は、準備動作の実行を要求する際に点灯するようになっている。
実行点灯部202は、例えばLED等の光源202aと、透明な材質からなり光を透過する透過部202bとにより構成されている。
【0072】
実行押下部152には、利用者が押下げる押下部材204と、この押下部材204を上方に付勢するばね等の付勢部材206と、押下部材204と一体に設けられた接触部材208と、制御部140に接続された指示部材(スイッチ)210とが設けられている。
利用者が押下部材204を押下げると、付勢部材206の付勢力に抗して、接触部材208が指示部材210を押し込むようになっている。実行押下部152は、指示部材210が接触部材208に押し込まれることで、制御装置140が駆動装置138及び表示部150に所望の動作を実行させる構成となっている。
【0073】
停止押下部154は、表示部150及び実行押下部152とは別体として設けられている。すなわち、停止押下部154は、表示部150及び実行押下部152の一群とは離間した位置に配置されている。
停止押下部154は、画像形成装置10を構成する各部の動作を停止させるものであり、例えば画像形成途中に画像の形成を停止する際に押下げられる。
【0074】
次に、画像形成装置10の機能構成について説明する。
図5は、画像形成装置10の機能構成のブロック図を示す。
【0075】
制御装置140は、実行押下部152又は停止押下部154が押下げられるとそれに基づいて、駆動装置138を動作・停止、あるいは、対応する動作状況を表示するように表示部150を制御する。
また、制御装置140は、像形成剤検知器132、記録媒体検知器134、又は搬送検知器136の検知結果に基づいて、対応する状態を表示するように表示部150を制御する。
【0076】
次に、操作装置16の動作について説明する。
【0077】
まず、一例として記録媒体収納容器92に収容されている記録媒体がなくなる際の動作について説明する。
図6は、記録媒体がなくなる際の表示部150の動作を示す。
【0078】
記録媒体収納容器92に記録媒体が収納されている場合(通常状態)、制御装置140は、表示部150の内側表示部170の通常状態点灯部182と、この通常状態点灯部182に対して設定された通常状態を示す外側表示部160の第1の点灯部162とを点灯させる(図6(a))。
【0079】
記録媒体収納容器92に収納されている記録媒体がなくなった場合、記録媒体検知器134は記録媒体がないことを検知し、その旨を制御装置140に通知する。
制御装置140は、記録媒体検知器134から記録媒体がない旨の検知結果を受けると、内側表示部170の異常発生点灯部186及び記録媒体切れ点灯部188と、この異常発生点灯部186に対して設定された異常状態を示す外側表示部160の第3の点灯部166とを点灯させる(図6(b))。
【0080】
記録媒体収納容器92に記録媒体が補充されると、記録媒体検知器134は記録媒体があることを検知し、その旨を制御装置140に通知する。
制御装置140は、記録媒体検知器134から記録媒体がある旨の検知結果を受けると、内側表示部170の異常発生点灯部186及び記録媒体切れ点灯部188と、外側表示部160の第3の点灯部166との点灯に加え、実行押下部152の実行点灯部202を点灯させる(図6(c))。
この場合において、実行押下部152が押下げられると、制御装置140は準備動作を実行するように駆動装置138を制御する。
【0081】
準備動作が完了すると、画像形成装置10は通常状態となり、制御装置140は、内側表示部170の通常状態点灯部182と、この通常状態点灯部182に対して設定された通常状態を示す外側表示部160の第1の点灯部162とを点灯させる(図6(d))。
【0082】
次いで、一例として収容容器30Mに収容されているトナーがなくなる際の動作について説明する。
図7は、収容容器30Mに収容されているトナーがなくなる際の表示部150の動作を示す。
【0083】
収容容器30Mにトナーが十分に(例えば最大収容量の20%以上)収容されている場合(通常状態)、制御装置140は、表示部150の内側表示部170の通常状態点灯部182と、この通常状態点灯部182に対して設定された通常状態を示す外側表示部160の第1の点灯部162と、を点灯させる(図7(a))。
【0084】
収容容器30Mに収容されているトナーの残量が少なくなった場合(例えば、残量が最大収容量の20%よりも少なくなった場合)、像形成剤検知器132はトナーが少なくなっていることを検知し、その旨を制御装置140に通知する。
制御装置140は、像形成剤検知器132からトナーが少なくなっている旨の検知結果を受けると、内側表示部170の通常状態点灯部182と、外側表示部160の第1の点灯部162との点灯に加え、像形成剤異常点灯部192Mを点滅させる(図7(b))。
【0085】
収容容器30Mに収容されているトナーがなくなった場合、像形成剤検知器132はトナーがないことを検知し、その旨を制御装置140に通知する。
制御装置140は、像形成剤検知器132からトナーがない旨の検知結果を受けると、内側表示部170の異常発生点灯部186及び像形成剤異常点灯部192Mと、この異常発生点灯部186に対して設定された異常状態を示す外側表示部160の第3の点灯部166とを点灯させる(図7(c))。
【0086】
収容容器30Mにトナーが補充(新たな収容容器30Mが装着)されると、像形成剤検知器132はトナーがあることを検知し、その旨を制御装置140に通知する。
制御装置140は、記録媒体検知器134から記録媒体がある旨の検知結果を受けると、内側表示部170の異常発生点灯部186及び像形成剤異常点灯部192Mと、外側表示部160の第3の点灯部166との点灯に加え、実行押下部152の実行点灯部202を点灯させる(図7(d))。
この場合において、実行押下部152が押下げられると、制御装置140は準備動作を実行するように駆動装置138を制御する。
【0087】
準備動作が完了すると、画像形成装置10は通常状態となり、制御装置140は、内側表示部170の通常状態点灯部182と、この通常状態点灯部182に対して設定された通常状態を示す外側表示部160の第1の点灯部162とを点灯させる(図7(a))。
【0088】
上記実施形態においては、表示部150の外側表示部160がリング状である場合について説明したが、これに限らず、四角形等、他の形状であってもよい。また、外側表示部160や内側点灯部170の点灯部の数や形状、内容等は、用途に合わせて適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0089】
10 画像形成装置
16 操作装置
30 収容容器
40 像形成部
42 記録媒体供給装置
44 搬送路
92 記録媒体収納容器
132 像形成剤検知器
134 記録媒体検知器
136 搬送検知器
150 表示装置
152 実行押下部
154 停止押下部
160 外側表示部
170 内側表示部
182 通常状態点灯部
184 休止状態点灯部
186 異常発生点灯部
188 記録媒体切れ点灯部
190 搬送異常点灯部
202 実行点灯部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置を操作する操作装置であって、
前記電子装置の状態を表示する表示部と、
前記電子装置の動作を再開させる実行部と、
前記電子装置の動作を停止させる停止部と、
を有し、
前記表示部と前記実行部とは一群として設けられ、
前記停止部は、前記表示部及び前記実行部から離れて設けられている
操作装置。
【請求項2】
前記表示部は、複数の状態をそれぞれ表示する複数の点灯部を有し、
前記複数の点灯部は、前記実行部の周囲に配置されている請求項1記載の操作装置。
【請求項3】
前記表示部は、
一群の境界を形成する円形状の第1の表示部と、
前記第1の表示部の内側に設けられた第2の表示部と、
を有する請求項1又は2記載の操作装置。
【請求項4】
前記第1の表示部及び前記第2の表示部はそれぞれ、複数の表示点灯部を備え、
動作状況を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知結果に基づいて、前記第2の表示部の表示点灯部と、当該第2の表示部の表示点灯部に対して予め定められた前記第1の表示部の表示点灯部とを点灯させるように制御する制御手段と、
をさらに有する請求項3記載の操作装置。
【請求項5】
前記実行部は、実行点灯部を有し、
前記制御部は、動作を実行させる場合に、前記実行点灯部を点灯させるように制御する請求項4記載の操作装置。
【請求項6】
記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段の状態を表示する表示部と、
前記画像形成手段の動作を再開させる実行部と、
前記画像形成手段の動作を停止させる停止部と、
を有し、
前記表示部と前記実行部とは一群として設けられ、
前記停止部は、前記表示部及び前記実行部から離れて設けられている
画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−88646(P2012−88646A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237319(P2010−237319)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】