説明

操作装置

【課題】操作軸の取り付け部から器具ケース内に水が入ることを確実に防ぐ。
【解決手段】器具ケース1のケース天板2に形成された操作軸挿通孔27に操作軸70(71)を挿通し、その上端側をケース天板2の上側のケースカバー板3の開口部29から突出させて器具栓つまみ48や温度調節つまみ22を設ける。これらつまみ48,22の摘みカバー面72の周端部よりも内側から下側にスカート部17を伸設し、ケースカバー板3の開口部29の内側に挿入し、操作軸70(71)の外周側全周を間隔を介して囲繞する。スカート部17の下端側を操作軸挿通孔27の形成部よりも外側の位置に配設し、開口部29からケースカバー板3内に水が入った場合に、該水がスカート部17に添って操作軸挿通孔27の形成部よりも外側のケース天板2上に落ち、その高低差に応じて流れて器具ケース1の外側に排出されるようにして操作軸挿通孔27に入ることを防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作軸の回転に応じて、例えば、バーナ装置の点火、着火、温度調節等の対応する操作を行う操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図4には、燃焼装置の一例が模式的なシステム図により示されている(例えば特許文献1、参照)。この燃焼装置は、例えば浴室に配置されるバランス型風呂釜であり、給湯メインバーナ10と、該給湯メインバーナ10により加熱される給湯熱交換器7とを有しており、給湯熱交換器7は、給湯メインバーナ10の上側に、該給湯メインバーナ10と間隔を介して配設されている。給湯熱交換器7は水を通す管路を有し、給湯熱交換器7には、この管路に水を導入する給水導入通路19と、給湯熱交換器7の管路を通って加熱された水を給湯先に導く給湯通路11とが接続されている。
【0003】
給湯通路11の先端側には、給湯栓9が設けられており、この例では、給湯栓9がレバー9aの回動に応じて開閉する切り替えレバー方式の栓で形成されている。この種の給湯栓9は、レバー9aの切り替えによって、給湯通路11を通った湯を、カラン側の出湯管30側とシャワー側通路31のいずれかから選択的に出湯させるものであり、同図では、出湯管30側から出湯されるように選択した状態が示されている。
【0004】
前記給水導入通路19には、水量調節機構21が接続されており、水量調節機構21には、水ガバナー15、ダイヤフラムケース13、水量調節室20が設けられている。ダイヤフラムケース13には、ダイヤフラム14が設けられており、このダイヤフラム14によって、ダイヤフラムケース13内が、一次室13aと二次室13bとに区分けされている。水量調節室20には温度調節子23が設けられており、温度調節子23は、操作軸(シャフト)71を介し、操作つまみである温度調節つまみ22に接続されている。温度調節つまみ22は、操作軸71の軸心を中心として該操作軸71と共に回動(回転)可能と成しており、操作軸71は、給湯熱交換器7に供給される水量を調整することにより、該給湯熱交換器7から出湯される湯の出湯温度(給湯メインバーナ10により加熱される湯の温度)を調節する操作軸と成している。
【0005】
また、水量調節機構21には、水量調節機構21に水を供給する給水通路8と、水量調節機構21から水を導出するバイパス通路16と、前記給水導入通路19と、排水通路24とが接続されている。給水通路8にはフィルタ25が介設されており、排水通路24には水抜き栓26が設けられている。
【0006】
前記給湯メインバーナ10には、ガス通路32が接続されており、該ガス通路32は、水圧自動ガス弁33と、器具栓34とを介し、燃料ガスを燃焼装置に外部から導入するガス導入通路35に接続されている。水圧自動ガス弁33は、前記ダイヤフラム14に連結して設けられており、通水時のみ開弁となる。また、ガス導入通路35には、器具栓34を介してガス通路36,37も接続されてお1り、器具栓34は、器具栓つまみ(操作つまみ)48と操作軸(シャフト)70と、手動開閉通路である閉子53を有して形成されている。
【0007】
器具栓つまみ48は、操作軸70と共に上下方向に予め定められている設定移動量だけ移動可能と成し、また、操作軸70の軸心を中心に操作軸70と共に回動(回転)可能と成しており、操作軸70は、バーナ装置(パイロットバーナ38、給湯メインバーナ10、風呂メインバーナ39)の点火と着火を選択的に操作する操作軸として機能する。
【0008】
つまり、例えば図6に示すように、器具栓つまみ(操作つまみ)48が回転すると、操作軸70に設けられているマイクロスイッチの器具栓スイッチ52(図4、参照)が、器具栓つまみ(操作つまみ)48の「止」、「口火」、「給湯・シャワー」、「追いだき」の各位置を検出し、器具栓つまみ48が「口火」の位置(器具栓つまみ48と操作軸70が、前記設定移動量だけ下側に下がった位置において「口火」の位置まで回転した状態)においては、ガス導入通路35から器具栓34まで導入された燃料ガスが、ガス通路36を通して口火用のパイロッバーナ38に導入される。そして、この燃料ガスにイグナイタ電極43(図4、参照)を用いて点火が行われ、パイロットバーナ38への点火が行われる。
【0009】
また、器具栓つまみ48の回動位置が「給湯・シャワー」の位置において、給湯栓9が開いて水量調整機構21に通水が行われると、ガス導入通路35から導入される燃料ガスが、器具栓34と、前記水圧自動ガス弁33とを介し、ガス通路32を通って給湯メインバーナ10に供給され、パイロットバーナ38の火炎から給湯メインバーナ10への着火が行われて給湯メインバーナ10の燃焼が行われる。この給湯メインバーナ10の燃焼によって、前記給湯熱交換器7を通る水の加熱が行われる。
【0010】
また、器具栓つまみ48が「追いだき」の位置においては、ガス導入通路35から器具栓34まで導入された燃料ガスが、ガス通路37を通して風呂メインバーナ(風呂の追い焚き用の追い焚きメインバーナ)39に供給され、パイロットバーナ38の火炎から風呂メインバーナ39への着火が行われて風呂メインバーナ39の燃焼が行われる。風呂メインバーナ39の上部側には、風呂熱交換器(追い焚き熱交換器)40が風呂メインバーナ39と間隔を介して設けられており、風呂メインバーナ39によって加熱される。
【0011】
なお、図4の図中、符号46は空焚き安全装置、符号47は給湯過熱防止装置、符号45は過熱防止装置、符号58は排気口、符号4は炎検出用のフレームロッド電極、符号51は水自弁スイッチ、符号54はガスの電磁弁、符号49は能力切り替えつまみをそれぞれ示している。
【0012】
図5には、前記燃焼装置であるバランス型風呂釜の外観構成例が斜視図によって示されている。同図に示すように、この燃焼装置は、風呂釜の器具ケース1を有しており、この器具ケース1内に、図4に示したようなシステム構成を形成するための、給湯バーナ10、追い焚きバーナ39、給湯熱交換器7、追い焚き熱交換器40、水量調節機構21、器具栓34等の構成要素が収容されている。器具ケース1の上側には、給湯栓9のレバー9a、出湯管30、シャワー側通路31、器具栓つまみ48、温度調節つまみ22が設けられており、通常、シャワー側通路31に、シャワーホースとシャワーヘッドが取り付けられて用いられる。
【0013】
図7(a)には、器具栓つまみ48と温度調節つまみ22の取り付け構成が、これらのつまみ48,22及びその周辺領域の断面図により示されている。同図に示すように、操作軸70(71)は、軸心方向を上下方向とし、軸心を中心に回転可能に形成されており、器具ケース1のケース天板2に形成された貫通の操作軸挿通孔27に挿通されて、操作軸70(71)の上端側はケース天板2よりも上側に突出している。
【0014】
操作軸挿通孔27は、例えば図9(a)〜(e)に、順に示すような工程によって、つまり、図9(a)の状態から、図9(b)に示すような貫通な小さな孔が形成され(ピアス形成)、その孔の縁部が、図9(c)、(d)、(e)に示すように、順に折り曲げられて(バーリングして)ヘミング加工されており、図7(a)に示すように、操作軸挿通孔27の縁部と操作軸70(71)との間には、弾性部材であるゴムにより形成されたパッキン28が介設されている。
【0015】
図7(a)および図5に示すように、ケース天板2の上側には、該ケース天板2と間隔を介してケースカバー板3が設けられてケース天板2を覆っており、該ケースカバー板3にはケース天板2の操作軸挿通孔27に対応する位置(操作軸挿通孔27の上部側)に開口部29が形成されている。操作軸70(71)の上端は、開口部29から上側に突出しており、開口部29から突出している操作軸70(71)の外周側を、該操作軸70(71)と間隔を介して囲む態様に形成された筒壁部12が、ケースカバー板3の開口部29の縁部から上側に立設形成されている。
【0016】
操作軸70の上端側には器具栓つまみ48が設けられ、操作軸71の上端側には温度調節つまみ22が設けられている。これらの器具栓つまみ48と温度調節つまみ22は、摘みカバー面72と周壁部73と操作軸係止部75を有しており、操作軸係止部75が操作軸70(71)の上端側に係止することにより、器具栓つまみ48および温度調節つまみ22は、対応する操作軸70(71)に固定されている。摘みカバー面72は、ケースカバー板3の開口部29とその周辺部をケースカバー板3と間隔を介して覆う態様と成し、周壁部73は摘みカバー面72の周端部からケースカバー板3側に向けて下側に伸設されている。周壁部73の下端は、前記筒壁部12の上端よりも上側に設けられており、周壁部73と筒壁部12の上端との間には、隙間が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特許第4181674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
ところで、前記のような燃焼装置においては、器具栓つまみ48と温度調節つまみ22の取り付け部において、前記の如く、周壁部73と筒壁部12の上端との間に間隙が形成されているために、例えばシャワーヘッドから出湯される湯が図7(b)の矢印Aに示すように、操作軸70(71)に交わる方向から器具栓つまみ48や温度調節つまみ22の下端部にかかると、その水が、器具栓つまみ48や温度調節つまみ22の周壁部73と筒壁部12との間を通って筒壁部12の内側に入り、ケース天板2上に、直接的に、または、矢印A’に示すように、操作軸70(71)を伝って落ちることになる。
【0019】
操作軸挿通孔27の縁部と操作軸70(71)との間には、ゴムのパッキン28が介設されてシールされているために、操作軸70(71)を伝って水が落ちても、パッキン28と操作軸70(71)との間から水がケース天板2の下側に落ちることはないが、近年、器具ケース量産化に伴うケース天板2のヘミング加工速度向上化の要求に伴い、その加工精度が悪くなることがあり、ヘミング加工の加工精度が悪いと、図8に示すように、パッキン28とケース天板2との間に隙間が生じ、水がその隙間を通って、矢印に示すようにケース天板2の下側に落ちることがあるといった問題が生じた。ケース天板2の下側の器具ケース1内には、前記の如く、図4に示したようなシステム構成を形成するための構成要素が収容されているため、水が入るとバーナ燃焼などの装置性能に不具合が生じる可能性があり、問題である。
【0020】
また、燃焼装置においては、器具栓つまみ48と温度調節つまみ22の取り付け部において、周壁部73と筒壁部12の上端との間に隙間が形成されていることによって操作軸70(71)が横(水平方向)から見えてしまうために、見栄えも良好でないといった問題もあった。
【0021】
なお、図7に示す態様よりも、周壁部73を下側に伸設して筒壁部12を上側に伸設することも考えられるが、器具栓つまみ48の操作によるパイロットバーナ38の点火時には、器具栓つまみ48と操作軸70を下側に押しながら回転させることから、周壁部73を下側に伸設したり筒壁部12を上側に伸設したりする際に、その伸設する長さを長くすると、器具栓つまみ48と操作軸70を下側に押す操作に支障が生じることになるため、好ましくない。
【0022】
また、温度調節つまみ22に関しては、押し回しの操作は行われないが、器具栓つまみ48と温度調節つまみ22の構成を同じ構成とした方が、コストも安くすむし、見栄えもよくなるため、器具栓つまみ48と温度調節つまみ22の構成を同じ構成とすることが好ましい。
【0023】
さらに、たとえ筒壁部12や周壁部73の長さを長くしたとしても、シャワーの湯が勢いよくケースカバー板3にかかった場合などには、その水が筒壁部12を乗り越えて、筒壁部12と器具栓つまみ48や温度調節つまみ22の周壁部73との間から筒壁部12の内側に入ってしまうこともある。
【0024】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、例えばバランス風呂釜等の燃焼装置等、器具ケースの貫通孔に設けられている回転可能な操作軸と該操作軸の上端側に取り付けられた操作つまみを備えて、前記操作軸の回転に応じた操作が行われる操作装置において、操作軸の取り付け部から器具ケース内に水が入ることを防ぐことができる操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明は上記目的を達成するために、次の構成をもって課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明は、軸心方向を上下方向として軸心を中心に回転可能な操作軸が器具ケースのケース天板に形成された貫通の操作軸挿通孔に挿通され、前記操作軸の上端側は前記ケース天板よりも上側に突出しており、該ケース天板には前記操作軸挿通孔の形成部がその周辺部よりも高い位置となるように高低差が形成され、前記ケース天板の上側には該ケース天板と間隔を介して該ケース天板を覆うケースカバー板が設けられ、該ケースカバー板には前記ケース天板の前記操作軸挿通孔に対応する位置に開口部が形成されて該開口部から前記操作軸の上端が上側に突出しており、前記操作軸の上端側には該操作軸の軸心を中心として該操作軸と共に回動可能な操作つまみが設けられ、該操作つまみは、前記ケースカバー板の前記開口部とその周辺部を該ケースカバー板と間隔を介して覆う摘みカバー面と、該摘みカバー面の周端部から前記ケースカバー板側に向けて下側に伸設された周壁部とを有して、該周壁部の下端は前記ケースカバー板の板面と間隔を介して配設されており、前記操作つまみには前記周壁部よりも内側の位置において前記摘みカバー面側から前記ケースカバー板側に向けて前記周壁部の下端よりも下側の位置まで伸設されて前記操作軸の外周側全周を間隔を介して囲繞するスカート部が形成され、該スカート部の下端側は前記ケースカバー板の前記開口部の内側に該開口部の縁部と間隔を介して挿入されて、前記ケース天板と間隔を介して該ケース天板の前記操作軸挿通孔の形成部よりも外側の位置に配設されており、前記周壁部の下端は前記スカート部の下端と前記ケースカバー板の前記開口部の縁部とを結ぶ線の該縁部側への延長線よりも下側の位置まで伸設されており、外部から前記開口部を通って前記ケースカバー板の内側に水が入った場合に該水が前記スカート部に添って前記操作軸挿通孔の形成部よりも外側の前記ケース天板上に落ち、該ケース天板上をその高低差に応じて流れることにより前記操作軸挿通孔に入ることなく前記器具ケースの外側に排出されるようにした構成をもって課題を解決する手段としている。
【0026】
また、第2の発明は、軸心方向を上下方向として軸心を中心に回転可能な操作軸が器具ケースのケース天板に形成された貫通の操作軸挿通孔に挿通され、前記操作軸の上端側は前記ケース天板よりも上側に突出しており、該ケース天板には前記操作軸挿通孔の形成部がその周辺部よりも高い位置となるように高低差が形成され、前記ケース天板の上側には該ケース天板と間隔を介して該ケース天板を覆うケースカバー板が設けられ、該ケースカバー板には前記ケース天板の前記操作軸挿通孔に対応する位置に開口部が形成されて該開口部から前記操作軸の上端が上側に突出しており、前記ケースカバー板には前記開口部から突出している操作軸の外周側を該操作軸と間隔を介して囲む態様の筒壁部が前記開口部の縁部から上側に立設形成されており、前記操作軸の上端側には該操作軸の軸心を中心として該操作軸と共に回動可能な操作つまみが設けられ、該操作つまみは、前記ケースカバー板の前記開口部とその周辺部を該ケースカバー板と間隔を介して覆う摘みカバー面と、該摘みカバー面の周端部から前記ケースカバー板側に向けて下側に伸設された周壁部とを有して、該周壁部の下端は前記筒壁部の外周側の位置において前記ケースカバー板の板面と間隔を介して配設されており、前記操作つまみには前記周壁部よりも内側の位置において前記摘みカバー面側から前記ケースカバー板側に向けて前記周壁部の下端よりも下側の位置まで伸設されて前記操作軸の外周側全周を間隔を介して囲繞するスカート部が形成され、該スカート部の下端側は前記ケースカバー板に形成された前記筒壁部の内側に該筒壁部と間隔を介して挿入されて、前記ケース天板と間隔を介して該ケース天板の前記操作軸挿通孔の形成部よりも外側の位置に配設されており、前記周壁部の下端は前記スカート部の下端と前記筒壁部の上端部とを結ぶ線の該筒壁部上端部側への延長線よりも下側の位置まで伸設されており、外部から前記周壁部と前記筒壁部との間を通って該筒壁部の内側に水が入った場合に該水が前記スカート部に添って前記操作軸挿通孔の形成部よりも外側の前記ケース天板上に落ち、該ケース天板上をその高低差に応じて流れることにより前記操作軸挿通孔に入ることなく前記器具ケースの外側に排出されるようにした構成をもって課題を解決する手段としている。
【0027】
また、第3の発明は、前記第1または第2の発明の構成に加え、前記ケース天板の操作軸挿通孔の形成部の高低差を形成する段差形成面は外側に向かうにつれて下側に傾く斜面により形成されており、スカート部に添って前記ケース天板上に落ちる水が前記斜面の途中部または前記斜面の外周部に落ちるようにしたことを特徴とする。
【0028】
さらに、第4の発明は、前記第1または第2または第3の発明の構成に加え、前記ケース天板の操作軸挿通孔の縁部と操作軸との間に、弾性部材により形成されたパッキンが介設されていることを特徴とする。
【0029】
さらに、第5の発明は、前記第1乃至第4のいずれか一つの発明の構成に加え、前記器具ケースは風呂釜の器具ケースと成しており、操作つまみは、前記器具ケース内に設けられているバーナ装置の点火と着火を選択的に操作する操作軸と、前記バーナ装置により加熱されて出湯される出湯温度を調整する操作軸との両方または一方に取り付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明において、器具ケースのケース天板に形成された貫通の操作軸挿通孔に挿通された操作軸の上端側に、該操作軸の軸心を中心として該操作軸と共に回動可能に設けられた操作つまみは、ケース天板の上側に間隔を介して配設されたケースカバー板の前記操作軸挿通孔に対応する位置にある開口部とその周辺部を前記ケースカバー板と間隔を介して覆う摘みカバー面と、該摘みカバー面の周端部から前記ケースカバー板側に向けて下側に伸設された周壁部とを有することに加え、以下の特徴的な構成を有している。
【0031】
つまり、操作つまみには、周壁部よりも内側の位置において前記摘みカバー面側から前記ケースカバー板側に向けて前記周壁部の下端よりも下側の位置まで伸設されて、前記操作軸の外周側全周を間隔を介して囲繞するスカート部が形成されており、該スカート部の下端側は、前記ケースカバー板に形成された開口部の内側に該開口部の縁部と間隔を介して挿入され(ケースカバー板に筒壁部が立設形成されている構成においては、筒壁部の内側に間隔を介して挿入され)、前記ケース天板と間隔を介して該ケース天板の前記操作軸挿通孔の形成部よりも外側の位置に配設されている。また、前記周壁部の下端は前記スカート部の下端と前記開口部の縁部とを結ぶ線の縁部側への延長線(筒壁部が立設形成されている構成においてはその上端部と前記スカート部の下端とを結ぶ線の筒壁部上端部側への延長線)よりも下側の位置まで伸設されている。
【0032】
そして、外部から開口部を通って(ケースカバー板に筒壁部が立設形成されている構成においては、筒壁部と操作つまみの周壁部との間を通って)ケースカバー板の内側に水が入った場合に、該水が前記スカート部に添って前記操作軸挿通孔の形成部よりも外側の前記ケース天板上に落ち、該ケース天板上をその高低差に応じて流れることにより前記操作軸挿通孔に入ることなく前記器具ケースの外側に排出されるようにしているので、たとえシャワー使用時等に、水が前記筒壁部の内側に入っても、その水がケース天板の下側に入ってしまうことを防ぐことができる。
【0033】
したがって、本発明によれば、器具ケース内に水が入ることによって装置に不具合が生じるといったことを防ぐことができるし、たとえ操作つまみの周壁部の下端とケースカバー板の筒壁部の上端との間に隙間があったとしても、その隙間から操作軸が見えることはなく、スカート部が見えることになるので、操作軸が見えて見栄えを損ねるといったことも防ぐことができる。
【0034】
また、ケース天板の操作軸挿通孔の形成部の高低差を形成する段差形成面を、外側に向かうにつれて下側に傾く斜面により形成し、スカート部に添って前記ケース天板上に落ちる水が前記斜面の途中部または斜面の外周部に落ちるようにすることによって、スカート部に添ってケース天板上に落ちる水を斜面に落とした場合には、斜面に添ってその斜面の外側に流して斜面の外側から器具ケースの外側に排出されるようにできるし、前記水を斜面の外側に落とした場合には、その外側から器具ケースの外側に排出されるようにすることができる。
【0035】
さらに、ケース天板の操作軸挿通孔の縁部と操作軸との間に、弾性部材により形成されたパッキンを介設することにより、スカート部に添って前記ケース天板上に落ちる水が前記操作軸挿通孔からケース天板の下側に流れることを、より一層確実に防ぐことができる。
【0036】
さらに、器具ケースを風呂釜の器具ケースとして、操作つまみを、前記器具ケース内に設けられているバーナ装置の点火と着火を選択的に操作する操作軸と、前記バーナ装置により加熱されて出湯される出湯温度を調整する操作軸との両方または一方に取り付けることによって、操作軸に操作つまみを設けて形成される操作装置によって、前記優れた効果を奏して適宜操作が行われる風呂釜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る操作装置の一実施例の要部構成(a)と、筒壁部内に水が入った場合の水の流れ(b)を示す断面説明図である。
【図2】本発明に係る操作装置の他の実施例におけるケース天板の操作軸挿通孔形成領域を示す断面説明図である。
【図3】本発明に係る操作装置のさらに他の実施例におけるケース天板の操作軸挿通孔形成領域を示す断面説明図である。
【図4】バランス型風呂釜のシステム構成例を示す図である。
【図5】バランス型風呂釜の一例を示す斜視図である。
【図6】バランス型風呂釜の器具栓つまみの構成例を示す平面説明図である。
【図7】従来のバランス型風呂釜における、器具栓つまみと温度調節つまみの周辺構成を示す断面説明図である。
【図8】従来のバランス型風呂釜において、器具栓つまみと温度調節つまみの取り付け部からケースカバー板の内側に水が入ったときに生じる問題点を説明するための模式的な断面説明図である。
【図9】器具ケースのケース天板に形成する操作軸挿通孔の形成工程例を示す断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、本実施例の説明において、これまでの説明と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略または簡略化する。
【実施例】
【0039】
本実施例の操作装置は、従来例とほぼ同様に構成されたバランス型風呂釜であり、本実施例が従来例と異なる特徴的なことは、器具栓つまみ48と温度調節つまみ22の構成を図1に示すような特徴的な構成としたことである。つまり、本実施例では、器具栓つまみ48と温度調節つまみ22は、摘みカバー面72と周壁部73と操作軸係止部75を有していることに加え、該周壁部73よりも内側の位置において、摘みカバー面72側からケースカバー板3側に向けて周壁部73の下端よりも下側の位置まで伸設されたスカート部17を有しており、スカート部17は操作軸70(71)の外周側全周を間隔を介して囲繞する態様を成している。また、周壁部73の下端は、スカート部17の下端(点B)とケースカバー板3の筒壁部12の上端(点A)とを結ぶ線の筒壁部12側への延長線(鎖線D)よりも下側の位置まで伸設されており(周壁部73には、C部が形成されており)、ケースカバー板3の内側に、スカート部17に当たらない斜め上方側の角度から斜めに水が入ってくることがない構成になっている。
【0040】
なお、ケース天板2には、操作軸挿通孔27の形成部がその周辺部よりも高い位置となるように高低差が形成されており、この高低差を形成する段差形成面は、外側に向かうにつれて下側に傾く斜面6により形成されている。前記スカート部17の下端側は、前記ケースカバー板3に形成された筒壁部12の内側に、該筒壁部12と間隔を介して挿入され、ケース天板2と間隔を介し、該ケース天板2の操作軸挿通孔27の形成部よりも外側の位置、つまり、斜面6の途中部の上側に配設されている。このようにすることで、本実施例では、外部から周壁部73と筒壁部12との間を通って該筒壁部12の内側に水が入った場合に、図1(b)の矢印A’に示すように、この水がスカート部17に添って操作軸挿通孔27の形成部よりも外側のケース天板2上(斜面6の途中部)に落ち、該ケース天板2上を、その高低差に応じて流れることにより、操作軸挿通孔27に入ることなく器具ケース1の外側に排出されるようにしている。
【0041】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。例えば、前記実施例では、器具栓つまみ48と温度調節つまみ22のスカート部17の下端側は、ケース天板2と間隔を介し、斜面6の途中部の上側に配設されていたが、図2(a)に示すように、スカート部17の下端側が斜面6の外周部の上側に配設されて、スカート部17に添って、図の矢印A’に示すように、ケース天板2上に落ちる水が、斜面6の外周部に落ちるようにしてもよい。また、図2(b)に示すように、ケース天板2に、斜面を形成せずに、操作軸挿通孔27の形成部がその周辺部よりも高い位置となるように高低差を形成し、スカート部17に添って落ちる水が、図の矢印A’に示すようにして、操作軸挿通孔27の形成部よりも外側の位置に落ちることにより、水が操作軸挿通孔27に入らずに外部に排出されるようにしてもよい。
【0042】
また、前記実施例では、スカート部17は、上下方向に真っ直ぐ伸びる筒状のスカート部としたが、スカート部17は、例えば図2(a)の破線Bに示すように、上端側の径が下端側の径よりも大きく上下方向に曲面が形成された形状の筒状形状に形成してもよいし、その逆に、上端側の径が下端側の径よりも小さく上下方向に曲面が形成された形状の筒状形状に形成してもよい。これらの場合でも、スカート部17の周壁部73の下端よりも下側の位置まで伸設された部位が操作軸70(71)の外周側全周を間隔を介して囲繞しており、かつ、スカート部17の下端が操作軸挿通孔27の形成部よりも外側の位置に配設されていることにより、前記実施例と同様の効果を奏することができる。
【0043】
さらに、前記実施例では、ケースカバー板3の開口部29の縁部から上側に筒壁部12を立設形成したが、図3(a)に示すように、筒壁部12をケースカバー板3の開口部29の縁部から下側に形成してもよいし、図3(b)に示すように、筒壁部を省略した形状としてもよい。これらの場合も、点Bで示すスカート部17の下端と点Aで示すケースカバー板3の開口部29の縁部(図3(a)に示すような態様の場合は、点Aのように、開口部29の入口の縁部)とを結ぶ線の縁部(点A)側への延長線(鎖線D)よりも、周壁部73の下端を下側の位置まで伸設して周壁部73にC部を形成することにより、スカート部17に当たらない斜め上方側の角度から斜めに水が入ってくることを防げ、外部から開口部29を通ってケースカバー板3の内側に水が入った場合に、該水がスカート部17に添って操作軸挿通孔27の形成部よりも外側のケース天板2上に落ち、該ケース天板2上をその高低差に応じて流れることにより、操作軸挿通孔27に入ることなく器具ケース1の外側に排出されるようにできる。
【0044】
ただし、前記実施例のように、筒壁部12をケースカバー板3の開口部29の縁部から上側に立設形成すると、図1(b)の矢印E方向から、ケースカバー板3に水がかかった場合に、図3(a)、(b)に示す例に比べて、多量の水がケースカバー板3の内側に入りにくくできるメリットがある。
【0045】
さらに、前記実施例では、器具栓つまみ48と温度調節つまみ22の構成を同様にしたが、これらのうち、一方に、前記実施例の構成や、図2、図3に示したような構成を適用してもよい。
【0046】
さらに、前記実施例は、バランス型風呂釜としたが、本発明の操作装置は、バランス型風呂釜以外の燃焼装置としてもよいし、燃焼装置以外の装置としてもよく、操作軸の回転に応じ、その操作軸の回転に対応する操作が行われる様々な装置に適用できるものである。そして、本発明を適用することによって、器具ケース内に水が入ることを防ぐことができ、信頼性の高い操作装置を形成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の操作装置は、操作軸の回転に応じ、その操作軸の回転に対応する操作が行われる構成において、操作軸が設けられている器具ケース内に水が入ることを防ぐことができるので、例えば家庭用のバランス風呂釜等の燃焼装置等に利用できる。
【符号の説明】
【0048】
1 器具ケース
2 ケース天板
3 ケースカバー板
6 斜面
7 給湯熱交換器
9 給湯栓
10 給湯メインバーナ
12 筒壁部
17 スカート部
22 温度調節つまみ
27 操作軸挿通孔
28 パッキン
34 器具栓
38 パイロットバーナ
39 追い焚きメインバーナ
40 追い焚き熱交換器
48 器具栓つまみ
70,71 操作軸
72 摘みカバー面
73 周壁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸心方向を上下方向として軸心を中心に回転可能な操作軸が器具ケースのケース天板に形成された貫通の操作軸挿通孔に挿通され、前記操作軸の上端側は前記ケース天板よりも上側に突出しており、該ケース天板には前記操作軸挿通孔の形成部がその周辺部よりも高い位置となるように高低差が形成され、前記ケース天板の上側には該ケース天板と間隔を介して該ケース天板を覆うケースカバー板が設けられ、該ケースカバー板には前記ケース天板の前記操作軸挿通孔に対応する位置に開口部が形成されて該開口部から前記操作軸の上端が上側に突出しており、前記操作軸の上端側には該操作軸の軸心を中心として該操作軸と共に回動可能な操作つまみが設けられ、該操作つまみは、前記ケースカバー板の前記開口部とその周辺部を該ケースカバー板と間隔を介して覆う摘みカバー面と、該摘みカバー面の周端部から前記ケースカバー板側に向けて下側に伸設された周壁部とを有して、該周壁部の下端は前記ケースカバー板の板面と間隔を介して配設されており、前記操作つまみには前記周壁部よりも内側の位置において前記摘みカバー面側から前記ケースカバー板側に向けて前記周壁部の下端よりも下側の位置まで伸設されて前記操作軸の外周側全周を間隔を介して囲繞するスカート部が形成され、該スカート部の下端側は前記ケースカバー板の前記開口部の内側に該開口部の縁部と間隔を介して挿入されて、前記ケース天板と間隔を介して該ケース天板の前記操作軸挿通孔の形成部よりも外側の位置に配設されており、前記周壁部の下端は前記スカート部の下端と前記ケースカバー板の前記開口部の縁部とを結ぶ線の該縁部側への延長線よりも下側の位置まで伸設されており、外部から前記開口部を通って前記ケースカバー板の内側に水が入った場合に該水が前記スカート部に添って前記操作軸挿通孔の形成部よりも外側の前記ケース天板上に落ち、該ケース天板上をその高低差に応じて流れることにより前記操作軸挿通孔に入ることなく前記器具ケースの外側に排出されるようにしたことを特徴とする操作装置。
【請求項2】
軸心方向を上下方向として軸心を中心に回転可能な操作軸が器具ケースのケース天板に形成された貫通の操作軸挿通孔に挿通され、前記操作軸の上端側は前記ケース天板よりも上側に突出しており、該ケース天板には前記操作軸挿通孔の形成部がその周辺部よりも高い位置となるように高低差が形成され、前記ケース天板の上側には該ケース天板と間隔を介して該ケース天板を覆うケースカバー板が設けられ、該ケースカバー板には前記ケース天板の前記操作軸挿通孔に対応する位置に開口部が形成されて該開口部から前記操作軸の上端が上側に突出しており、前記ケースカバー板には前記開口部から突出している操作軸の外周側を該操作軸と間隔を介して囲む態様の筒壁部が前記開口部の縁部から上側に立設形成されており、前記操作軸の上端側には該操作軸の軸心を中心として該操作軸と共に回動可能な操作つまみが設けられ、該操作つまみは、前記ケースカバー板の前記開口部とその周辺部を該ケースカバー板と間隔を介して覆う摘みカバー面と、該摘みカバー面の周端部から前記ケースカバー板側に向けて下側に伸設された周壁部とを有して、該周壁部の下端は前記筒壁部の外周側の位置において前記ケースカバー板の板面と間隔を介して配設されており、前記操作つまみには前記周壁部よりも内側の位置において前記摘みカバー面側から前記ケースカバー板側に向けて前記周壁部の下端よりも下側の位置まで伸設されて前記操作軸の外周側全周を間隔を介して囲繞するスカート部が形成され、該スカート部の下端側は前記ケースカバー板に形成された前記筒壁部の内側に該筒壁部と間隔を介して挿入されて、前記周壁部の下端は前記スカート部の下端と前記筒壁部の上端部とを結ぶ線の該筒壁部上端部側への延長線よりも下側の位置まで伸設されており、前記ケース天板と間隔を介して該ケース天板の前記操作軸挿通孔の形成部よりも外側の位置に配設されており、外部から前記周壁部と前記筒壁部との間を通って該筒壁部の内側に水が入った場合に該水が前記スカート部に添って前記操作軸挿通孔の形成部よりも外側の前記ケース天板上に落ち、該ケース天板上をその高低差に応じて流れることにより前記操作軸挿通孔に入ることなく前記器具ケースの外側に排出されるようにしたことを特徴とする操作装置。
【請求項3】
ケース天板の操作軸挿通孔の形成部の高低差を形成する段差形成面は外側に向かうにつれて下側に傾く斜面により形成されており、スカート部に添って前記ケース天板上に落ちる水が前記斜面の途中部または前記斜面の外周部に落ちるようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の操作装置。
【請求項4】
ケース天板の操作軸挿通孔の縁部と操作軸との間に、弾性部材により形成されたパッキンが介設されていることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載の操作装置。
【請求項5】
器具ケースは風呂釜の器具ケースと成しており、操作つまみは、前記器具ケース内に設けられているバーナ装置の点火と着火を選択的に操作する操作軸と、前記バーナ装置により加熱される湯の温度を調整する操作軸との両方または一方に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−155856(P2012−155856A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11209(P2011−11209)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(000129231)株式会社ガスター (277)
【Fターム(参考)】