説明

擬似燃焼加振装置

【課題】小さな加振部を有し、ピストン上面のみならず、シリンダヘッドの下面も合わせて加振でき、且つ加振力をエンジンとの接触分で検出することのできる応答特性が良好な擬似燃焼加振装置を提供する。
【解決手段】ピストン(4)の燃焼室(4a)内に、ピエゾ素子(11)及び力センサー(13)で構成された加振部(5)を設け、燃焼室(4a)の底部及びシリンダヘッドの下面部をピストンの上下方向に加振するための筒内圧力波形の加振信号をパソコン(31)からドライブアンプ(32)を介してピエゾ素子(11)へ与え、この加振時に力センサー(13)からの出力信号を燃焼加振力とする。そして、エンジンの周囲に取り付けた複数の振動センサー及び力センサー(13)の加振時の各出力信号を入力して燃焼加振力/音響パワーをSA応答特性としてスペクトルアナライザ(33)が算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、擬似燃焼加振装置に関し、特にエンジン騒音を擬似的に作り出すための加振装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジン騒音は、エンジン部品中の様々な加振源によって生じた振動がエンジン表面から媒質である空気に伝搬され、音波となって放射される現象である。
【0003】
この場合の加振源はシリンダ内の燃焼によって作用する燃焼加振力と機械系の加振力とに大別できる。ここで、燃焼加振力によって生じる騒音を燃焼騒音と称し、機械系の加振力によって生じる騒音を機械騒音と称する。
【0004】
燃焼騒音の低減を図る場合、燃焼加振力そのものを低減する方法と、燃焼加振力に対するエンジン構造の振動応答を改良する方法の二通りがある。後者の方法である振動応答の改良を実験的に検討する場合、燃焼騒音の放射特性に対して主要なエンジン部品はシリンダブロックであるので、従来より、このシリンダブロック単品に対する打撃試験(ハンマリング)を行うことにより、ブロック表面振動の積算値による評価やモード解析による振動可視化結果を得る方法が採られている。
【0005】
このハンマリング試験は、先端に力センサーを備えたハンマーで対象物(エンジン)を叩き、対象物に取り付けた振動計で発生した振動を測定する方法である。力センサーの出力信号と振動計の出力信号は解析装置に取り込まれ、与えた力と実際に生じた振動(一般的には振動加速度)との伝達関数が測定される。これは、単位入力で正規化された振動応答(例えば1(m/s2)/N)と考えることができ、対象物の表面全体で測定した伝達関数を積算することで対象物の騒音放射特性と考えることができる。これを騒音の放射し易さの良し悪しを示す指標としている。
【0006】
しかしながら、このようなハンマリング試験の場合には、実働運転時にはピストンやクランクシャフトというエンジン内部の運動部品や、シリンダヘッド及びオイルパンというような周辺部品とが組み合わされてエンジンアセンブリを形成しているが、シリンダブロックの振動特性は単品状態とアセンブリ状態では異なり、単品状態で検討した改良効果がアセンブリ状態で行われる実働運転では十分発揮されない場合があった。
【0007】
また、エンジンアセンブリ状態で燃焼騒音を対象にした振動試験を行う場合、実働時に燃焼圧力が作用するピストン上面、及びシリンダヘッド下面を加振するのが適当であるが、エンジンアセンブリでピストン上面及びシリンダヘッド下面をハンマーで加振することは事実上できなかった。
【0008】
そこで、パワートレインの実稼動状態に近い精度の高い伝達測定を求め、パワートレインの軽量化と放射音低減を高次元で両立させることを目的としたパワートレインの伝達特性計測手法及び装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
この特許文献1においては、パワートレインは、少なくともシリンダブロックとシリンダヘッドとから構成されており、シリンダブロックには、ピストン、コネクティングロッド、クランクシャフト及びロアブロックが備えられるとともに、シリンダヘッドには、シリンダヘッドの上部から底部まで貫通するインジェクタ挿入孔が備えられたものであって、シリンダブロック上方に上記シリンダヘッドが取付けられた状態においてピストンを略上死点近傍の位置にセットすると共に、加振装置をインジェクタ挿入孔に装着してピストン頭部を加振し、ピストン頭部加振時に加速度センサーによって測定される振動加速度に基いてパワートレインの任意の部位の伝達特性を求めるようにしている。
【0010】
一方、燃焼加振入力に対するエンジン基本構造の振動騒音特性を制度よく効率的に且つ安全に再現できるようにするため、液体が充填されたエンジンの燃焼室を予め記憶した制御信号により油圧加振型アクチュエータ及び圧電加振型アクチュエータの両方によって加振し、擬似的に実機筒内圧を再現する擬似燃焼加振装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2004-53485号公報
【特許文献2】特開平11-94690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記の特許文献1においては、ピストン上面のみを加振している。すなわち、ピストン−コンロッド−クランクシャフト−シリンダブロックと伝わるのが主要な振動伝達経路であるが、エンジンによってはシリンダヘッドがエンジンアセンブリの振動特性に影響を与えることが分かっており、特許文献1はこのような現象を考慮していない。
【0012】
また、この特許文献1の場合には、上記の主要な振動伝達経路の部品に対して比較的大きな加振機をエンジン外部から支持し、これを一定の荷重でピストンに押し付けた状態で加振しているため、振動特性に対する加振装置を付加したことの影響が比較的大きく、実働特性の再現に対して誤差が大きくなってしまうという問題があった。
【0013】
更に上記の特許文献1の場合には、加振力を加振装置内部で検出しているため、加振装置とエンジンとの間にある加振棒の振動特性を考慮していないため、実際にエンジンに与えた加振力を正確に検出することができず、以て与えた加振力と振動との伝達関数を正確に測定できないという問題があった。
【0014】
更には、特許文献1は、フライホイールによって回転を固定しているため、フライホイールやクランクプーリーを含むアセンブリの振動に与える影響が比較的大きいという問題もあった。
【0015】
また、上記の特許文献2は、油圧加振機とピエゾ素子の両方を用いて燃焼室に充填した軽油を作動流体とした圧力加振を行っており、物理的に大きな油圧加振機を使用しなければならないという問題があった。
【0016】
更に上記の特許文献2は、シリンダヘッド上にアクチュエータを配置しており、油圧加振機及び固定ブロックは比較的大きく、また加振ピストンの配置などによる変更規模が比較的大きくなってしまうという問題があった。
【0017】
従って本発明は、小さな加振部を有し、ピストン上面のみならず、シリンダヘッドの下面も合わせて加振でき、且つ加振力をエンジンとの接触分で検出することのできる応答特性の良好な擬似燃焼加振装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
[1]上記の目的を達成するため、本発明に係る擬似燃焼加振装置は、ピストンの燃焼室内に設けられ、ピエゾ素子及び力センサーで構成された加振部と、該燃焼室の底部及び該燃焼室を覆うシリンダヘッドの下面部を該ピストンの上下方向に加振するための筒内圧力波形の加振信号を該ピエゾ素子へ与える加振信号発生装置とを備え、該加振時に該力センサーからの出力信号が燃焼加振力を示すことを特徴とする。
【0019】
すなわち、本発明は、燃焼加振力に対するエンジンアセンブリの応答特性を評価・解析可能ならしめる装置であり、加振部に小型で応答性がよく、さらに加振発生力が大きく安定しているピエゾ素子を用いることを特徴としている。このピエゾ素子を設置するためのエンジン部品の変更点は、ピストンの燃焼部分だけに留め、燃焼加振力の伝達経路であるコンロッド−クランクシャフト−シリンダブロック−シリンダヘッド−オイルパンなどの主要構造部品には変更を加えないようにすることができる。
【0020】
そして、加振部をピエゾ素子と共に構成する力センサーからは、ピエゾ素子に筒内圧力波形の加振信号が与えられるとき(加振時)に力センサーからの出力信号が燃焼加振力を示すものである。
【0021】
[2]上記の場合、トランスミッション後端でクランクシャフトの回転を拘束することによって該ピストンをその上死点近傍の位置に固定するストッパーをさらに設けることができる。
【0022】
このように、遠方のトランスミッション後端でクランクシャフトの回転を拘束しているので、クランク系振動への影響が少なくなり、実働時により近い応答特性が得られる。
【0023】
[3]上記のピエゾ素子は、該燃焼室の底部に載置され、アダプターを介して該力センサーに結合され、該ピエゾ素子と力センサーが該燃焼室の底部と該シリンダヘッドに挟まれて固定することにより、加振部をピストン上面及びシリンダヘッド下面に接着する必要がなくなる。
【0024】
[4]さらに、該燃焼室の底部と該加振部との間には、該加振部の該ピストンの上面からの飛び出し量を調整し、以て該固定時に該ピエゾ素子に加わるプリロードを調整するための部材を設けることもできる。
【0025】
[5]さらに、上記の場合、エンジンの周囲に取り付けた複数の振動センサーと、該力センサー及び振動センサーの加振時の各出力信号を入力して加振応答特性である燃焼加振力/音響パワーを求める演算装置とを備えることができる。
【0026】
これにより、加振力をエンジンとの接触部分で検出しており、且つ力センサーやピエゾ素子は十分な剛性を持っている(硬い)ため、シリンダヘッド側及びピストン側に作用する力は等しく、設置した力センサーで実際にエンジンに与えた加振力を正確に検出することが可能となる。従って、与えた加振力と振動とによるエンジンアセンブリの伝達関数(応答特性)を正確に測定して評価・解析することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明により、実働時の燃焼加振力のエンジン内部での伝達特性やエンジン外表面の振動による騒音放射特性を再現することが可能となる。
【0028】
従って、エンジンアセンブリ状態でのエンジン部品の振動特性を調査したり、エンジン部品の振動特性の変更による振動低減効果の確認に利用することができる。特に、エンジン内部の運動部品が制止しているため、実働試験では計測が難しいこれらのエンジン部品でのデータ計測が比較的容易に実施できる。
【0029】
さらに、エンジンアセンブリに燃焼加振力を与えた結果として発生する騒音は、聴感上実際のエンジン騒音に近く、燃焼騒音に対する音質の解析にも利用することができる。特に、与えられる燃焼加振力は、実測した筒内圧力波形だけでなく、数値シミュレーションから得られる筒内圧力波形を加振信号として与えることができるので、燃焼騒音の聴感上の検討が実働運転無しに実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
図1は、本発明に係る擬似燃焼加振装置の一実施例を示したものである。同図(1)はエンジン1の概略的な断面図を示しており、シリンダブロック2にはシリンダヘッド3がヘッドボルト3aで結合されている。また、シリンダブロック2内ではピストン4が上下運動し、このピストン4の上部に設けられた燃焼室4a内には加振部5が設置される。また、ピストン4はコンロッド6を介してクランクシャフト7に結合されている。隣接するコンロッド6同士の間にはクランクアーム8が設けられている。なお、シリンダブロック2の下部にはエンジンオイルのためのオイルパン9が設けられている。
【0031】
図1(2)は、同図(1)に示したピストン4の燃焼室4aに設けた加振部5を拡大して示したものである。すなわち、この加振部5は伸縮タイプのピエゾ素子11をアダプター12に接着し、このアダプター12に更に力センサー13及びプリローディングディスク14をボルト15で固定した後、図示のようにピエゾ素子11の側を燃焼室4aの底部に載置したものである。この燃焼室4aの底部には、図示のようにピエゾ素子11がずれないようにするための窪み4bを設けており、また加振部5を燃焼室4aに載置したとき、プリローディングディスク14の上面はシリンダヘッドガスケット16の上面から若干飛び出るようになっているので、プリローディングディスク14の上から図1(1)に示すようにシリンダヘッド3を被せると、加振部5は上下方向に締め付けられるので、ピエゾ素子11はピストン4には接着されていなくても、事実上固定された状態になる。
【0032】
なお、ピストン4と加振部5との間には加振部5のシリンダヘッドガスケット16の上面からの飛び出し量をシム(図示せず)の挿入によって調節し、シリンダヘッド3を取り付けたときにピエゾ素子11に加わる荷重(プリロード)を調整できるようにしている。
【0033】
すなわち、加振部5の飛び出し量調整によるピエゾ素子11へのプリロードは、シリンダヘッド3のヘッドボルト3aを正規の組付けトルクで締結した際に、加振部5に取り付けた力センサー13によって実際に作用した荷重をモニターすることにより、ピエゾ素子11の最大圧縮荷重を超えない範囲で任意に設定できる。
【0034】
このような、擬似燃焼加振装置では、クランクシャフト7が回転するのを防止する必要があるが、クランクシャフト7の振動特性に与える影響を最小限に抑えるため、図2に示すように、クランクシャフト7から遠方のトランスミッション後面21に設けてあるフランジ22に拘束用レバー23を取り付け、この拘束用レバー23の正回転を、ストッパー固定治具24に設けたストッパー25で拘束するようにしている。なお、固定する際のクランクアングルは試験エンジンの代表的な着火タイミングでよいが、現実的な着火タイミングの範囲で任意に変更することができる。
【0035】
図3は、図1に示した擬似燃焼加振装置を実際に駆動して擬似燃焼加振力に対する応答特性を求めるシステムを示したものである。
【0036】
このため、図1(2)に示した加振部5のピエゾ素子11に対して、パソコン31及びドライブアンプ32を接続すると共に力センサー13にスペクトルアナライザ(FFT)33を接続したものである。なお、配線は、シリンダヘッド3のバルブガイド(図示せず)からエンジン1の外へ導出している。
【0037】
すなわち、パソコン31において、ピストン4の筒内圧力波形に相当する信号を記憶しておき、これをアナログ信号SIG1としてドライブアンプ32に与える。これを受けたドライブアンプ32は、アナログ信号SIG1を増幅し、加振信号SIG2としてピエド素子11へ供給する。この加振信号S1G2には、実際のエンジンで測定した、或いは数値シミュレーションから得た筒内圧力波形をドライブアンプ32に入力可能な電圧値に変換した信号を用いる。このように供給電圧に比例して伸縮するピエゾ素子11によってピストン4の燃焼室4aの底部及びシリンダヘッド3の下面がピストン上下方向に加振されることとなる。
【0038】
このとき、力センサー13から出力される燃焼加振力信号SIG3がスペクトルアナライザ33に与えられるが、このスペクトルアナライザ33に、エンジン1の周囲に設けられた振動センサー(例えば127個)からの振動加速度信号を入力することにより、スペクトルアナライザ33は実働時相当のエンジンアセンブリ状態での燃焼加振力に対する応答特性SA(Structure Attenuation:燃焼加振力/音響パワー)を出力することができる。
【0039】
上記の振動センサーの取付図が図4(1)に示されており、この例では、同図(a)に示すエンジン右面では、シリンダブロック2に対して9×5=45個の振動センサー10が設けられ、シリンダヘッド3には9個の振動センサー10が設けられると共に、オイルパン9においても2個の振動センサー10が設けられている。このようなエンジン右面は、同図(d)に示すエンジン左面についても同様である。
【0040】
また、同図(b)に示すようにエンジン前面にはシリンダブロック2に10個の振動センサー10が設けられ、オイルパン9には1個の振動センサー10が設けられている。さらに、同図(c)に示すように、エンジン下面においては、浅部のオイルパン9_1において2個の振動センサー10が設けられ、深部のオイルパン9_2において図示のような方向に2個の振動センサー10が設けられ、合計で127個の振動センサー10がエンジン1に設けられていることになる。
【0041】
従って、このように、力センサー13からの燃焼加振力信号SIG3と、振動センサー10からの127個の実測表面振動加速度を受けたスペクトルアナライザ33は、下記の式、
音響パワー=σ*ρc*V2*S・・・・・・式(1)
σ:放射効率
ρc:空気の特性インピータンス[Pa・s/m]
V:実測表面振動速度[m/s](センサーで検出された加速度を積分した値)
S:エンジン表面積[m2]
により音響パワーを求めることができる。従って、応答特性SAは、力センサー13の燃焼加振力信号SIG3と127個の振動センサー10からの実測表面振動加速度とを用いて、燃焼加振力/音響パワーとして求めることができる。
【0042】
なお、従来の実働試験での応答特性SAを求める場合は、図4(2)に示すように、エンジン1に対して2a×2b×2hの測定直方体40の側面に設けた5本のマイク#1〜#5によって、音響パワー=5方向の平均音圧*測定直方体の表面積を求めると共に、燃焼加振力=実測筒内圧*ボア断面積を求めることにより、燃焼加振力/音響パワーを算出している。
【0043】
この結果、図5のグラフに示すように、図4(1)に示す振動センサーを用いた本発明のSA応答特性に対し、同図(2)に示した従来の実働運転によるSA応答特性は、実質的に近似しており、本発明による燃焼擬似騒音は、周波数特性を含めて良好に再現できることが確認できた。
【0044】
なお、本発明は、上記実施例によって限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づき、当業者によって種々の変更が可能なことは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る擬似燃焼加振装置で用いるエンジン部分の概略断面図である。
【図2】図1に示した本発明のエンジンアセンブリに対して遠方のトランスミッション後端部においてストッパーを設けた状態を示した正面図である。
【図3】図1に示した本発明に係る擬似燃焼加振装置に対して実際に加振信号を与えてその応答特性を求めるシステム系統を示した図である。
【図4】本発明に係る擬似燃焼加振装置での応答特性を求める際に用いる振動センサーの設置例と従来の実働試験例を示した図である。
【図5】本発明と従来の実働運転によるSA応答特性を比較したグラフ図である。
【符号の説明】
【0046】
1 エンジン
2 シリンダブロック
3 シリンダヘッド
4 ピストン
4a 燃焼室
5 加振部
6 コンロッド
7 クランクシャフト
8 クランクアーム
9 オイルパン
10 振動センサー
11 ピエゾ素子
12 アダプター
13 力センサー
14 プリローディングディスク
15 ボルト
16 シリンダヘッドガスケット
21 トランスミッション後面
22 トランスミッション後端フランジ
23 拘束用レバー
24 ストッパー固定冶具
25 ストッパー
31 パソコン
32 ドライブアンプ
33 スペクトルアナライザ
図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピストンの燃焼室内に設けられ、ピエゾ素子及び力センサーで構成された加振部と、
該燃焼室の底部及び該燃焼室を覆うシリンダヘッドの下面部を該ピストンの上下方向に加振するための筒内圧力波形の加振信号を該ピエゾ素子へ与える加振信号発生装置と、
を備え、該加振時に該力センサーからの出力信号が燃焼加振力を示すことを特徴とした擬似燃焼加振装置。
【請求項2】
請求項1において、
トランスミッション後端でクランクシャフトの回転を拘束することによって該ピストンをその上死点近傍の位置に固定するストッパーをさらに備えたことを特徴とする擬似燃焼加振装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
該ピエゾ素子が該燃焼室の底部に載置され、アダプターを介して該力センサーに結合され、該ピエソ素子と力センサーが該燃焼室の底部と該シリンダヘッドに挟まれて固定されることを特徴とする擬似燃焼加振装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つにおいて、
該燃焼室の底部と該加振部との間には、該加振部の該ピストンの上面からの飛び出し量を調整し、以て該固定時に該ピエゾ素子に加わるプリロードを調整するための部材をさらに設けたことを特徴とする擬似燃焼加振装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つにおいて、
エンジンの周囲に取り付けた複数の振動センサーと、該力センサー及び振動センサーの加振時の各出力信号を入力して加振応答特性である燃焼加振力/音響パワーを求める演算装置とをさらに備えたことを特徴とする擬似燃焼加振装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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