説明

支持ブラケット

本発明は、複数のブラケット(10)を用いて連結される複数のクラッディング手段(26)を含んで成るクラッディングシステムに関する。各ブラケット(10)は、支持手段(12)と、ブラケットをクラッディング手段に連結させる連結手段(22、24)から成る。支持手段(12)はビルディングのフレームあるいは外面へ固定されるようになっている。支持手段(12)はさらに、1又は2以上のクラッディング手段(26)を支えるようにもなっている。連結手段(22、24)は、支持手段(26)の一体部分へ連結され、あるいは該一体部分を形成する。クラッディング手段(26)は、ブラケット(10)と連結されている時、基板の使用を必要とせずにクラッディングを施すことが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下記に限定されないが、特には家屋又はビルディングのフレームあるいは外面の少なくとも一部に対して行うクラッディングに適するブラケット、及び、かかるブラケットを有して成るクラッディングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
クラッディングは、一般的にビルディングの外面を被覆して構造物を風、雨、火災などの外部要因から保護するために行われる。審美的目的とは別に、クラッディングを騒音、シロアリ、及び天候を遮断することを目的として利用することも可能である。
【0003】
家屋やビルディングのフレームあるいは外面上に施された金属、繊維材、煉瓦、あるいはセメント板等の基板上へクラッディングを施すことは一般的に行われることである。しかしながら、クラッディングの実施には基板の設置と、施されるクラッディングと基板を配列させることが必要とされるため、建築コストが不可避的に高額化してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記欠点を解消し、あるいは改善し得る、もしくは少なくとも有用な代用方法として提供可能な、ブラケット及びクラッディングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第一の観点によれば、
ビルディングのフレームあるいは外面へ固定されるようになっていて、1又は2以上のクラッディング手段を支持する支持手段と、
前記支持手段へ連結され、あるいは前記支持手段の一体部分を形成し、かつブラケット自身(with each)、あるいはブラケットとクラッディング手段を連結する手段を含んで構成されるブラケットが提供される。上記において、前記クラッディング手段は、ブラケットと連結される場合、基板を用いることを必要とせずにクラッディングを施すことが可能である。
【0006】
本発明によれば、本発明の第二の観点によれば、本発明に従った複数のブラケットと連結される複数のクラッディング手段から成るクラッディングシステムが提供される。
【0007】
好ましくは、クラッディングシステムには1又は2以上のX形状部片が含まれ、これら部片のそれぞれには互いに直交する2本の互いに交差するブレードが備えられている。さらに好ましくは、各ブレードは使用時にクラッディング手段の少なくとも一部と連結されるようになっている。
【0008】
本発明のクラッディングシステムにおいては、一連のクラッディング手段が複数の列となるように配置される。好ましくは、これらの各列は互い違いに配列され、各クラッディング手段は中間のブラケットに対して直列状に連結される。好ましくは、クラッディング手段の周囲面には、隣接クラッディング手段との結合を容易にするために接着剤が処理される。
【0009】
本発明の第三の観点によれば、
本発明に係る第一ブラケットをビルディングのフレームあるいは外面へ固定する工程、
クラッディング手段の周囲面の一つと、ブラケットと一体なすか、あるいはブラケットへ連結される連結手段をかみ合わせる工程、
本発明に係る第二ブラケットをクラッディング手段の反対側の周囲面とかみ合わせる工程、及び
ビルディングのフレームあるいは外面へ第二ブラケットを貼り付ける工程、から構成されるビルディングのフレームあるいは外面のクラッディング方法が提供される。
【0010】
本発明方法に、使用時にクラッディング手段の側面と連結されるようになっているX形状部片を取り付ける工程をさらに加えることも可能である。また、本発明方法に、隣接クラッディング手段の側面をX形状部片とかみ合わせる工程をさらに含めることも可能である。
【0011】
さらに、本発明方法に、1又は2以上の側面上へ接着剤を処理してクラッディング手段を互いに接着、あるいは結合させることによりクラッディングを雨不透過性にする工程を加えることも可能である。
【0012】
本実施態様においては、ブラケットにはアルミニウム突出部が設けられる。しかしながら、ブラケットを、他のエンジニアリング材料を用いて、及び別の成型方法によって作製することも可能である。
【0013】
好ましくは、前記支持手段は、全体としてT形状を呈し、かつ垂直部材及び水平部材を有する本体部から成る。より好ましくは、前記水平部材によってクラッディング手段を支えるようになっている基部が形成される。さらに好ましくは、前記垂直部材は、使用時に螺子等の締め具を介してビルディングのフレームあるいは外面へ固定されるようになっている。
【0014】
前記クラッディング手段には、高密度断熱フォームへ貼り合わされた薄板が含まれていてもよい。かかる薄板はファイバーボード、石板、あるいは人工薄板から成るものでもよい。前記クラッディング手段は、いずれか適当な形状とすることができる。クラッディング手段は好ましくは列状に配置される。前記列の中央に配置されるクラッディング手段は好ましくは矩形ブロック形状を呈するものであり、他方ビルディングのコーナーに配置されるクラッディング手段はL形状を呈するものである。前記クラッディング手段に、それぞれに溝が設けられた4個の周囲面を備えることも可能である。これらの溝は、好ましくはそれらが集まって連続した切り込み(rebate)を形成するように一直線状に並べられる。
【0015】
前記連結手段は、好ましくは前記T形状本体部の水平部材から延びて成る細長い舌状体から成る。最も好ましい実施態様では、2個の連結手段が前記T形状本体部の水平部材から反対方向へ延びるように設けられる。前記細長い舌状体は好ましくは切り込みの溝の一つとかみ合うようになっている。
【0016】
簡便な方法として、クラッディング手段の周囲面は、例えば膠等の接着剤を用いて互いに接着される。
【0017】
典型例として、ビルディングのフレームあるいは外面には、材木あるいは金属製の間柱が用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施態様に従ったブラケットの一部を示す透視図である。
【図2】多数の図1に示したブラケットによって形成されたクラッディングシステムの一部を示した透視図である。
【図3】コーナーに適合したクラッディング手段を図示するための、図2に示したクラッディングシステムの透視図である。
【発明を実施するための手段】
【0019】
本発明についてさらに理解を得るため、以下に記載した非限定的な好ましい実施態様を用いて本発明について説明する。
【0020】
広義において、本発明は家屋あるいはビルディングのフレーム又は外面のクラッディングに関する。
【0021】
図1に示すように、ブラケット10は水平部材14と垂直部材16を有するT形状本体部12として形状化された支持手段を含む。水平部材14によってクラッディング手段26(図2参照)を支える基部が形成される。図2に示すように、垂直部材16は螺子20を介して家屋のフレームの間柱18に固定される。
【0022】
ブラケット10には、細長い舌状体22、24に形状化された連結手段も含まれている。これら細長い舌状体22及び24はT形状本体部12の水平部材14から生じており、反対方向へ延びている。本実施態様では、これら細長い舌状体22、24はT形状本体部12と一体となっている。
【0023】
各クラッディング手段26には、高密度断熱フォーム30へ貼り付けられた薄板28が含まれている。本実施態様において、前記薄板28はファイバーボード、石板、及び人工薄板のいずれかから作製される。
【0024】
前記クラッディング手段26には、それぞれが溝32を有する4つの周囲面が設けられている。これらの溝32は、それらが連携して連続した切り込みを形成するように並べられている(図3参照)。クラッディング手段26がT形状本体部12上へ置かれと、前記細長い舌状体22は切り込みの溝32にかみ合う。このようにして、隣接するクラッディング手段26は互いに同一平面上にある薄板28と整然と一列に並べられる。前記周囲面は接着剤を用いて互いに接着される。
【0025】
図2に示すように、クラッディング手段26は横列にも縦列にも設置及び配列することが可能である。列の中央に位置するクラッディング手段26は図2に示すように矩形ブロック形状を呈し、他方家屋(ビルディング)のコーナーに位置するクラッディング手段は図3に示すようにL字形である。
【0026】
本発明に係るブラケットを複数用いて、システム内においてブラケット10がクラッディング手段26に連結されるクラッディングシステムを作製することが可能である。このようにクラッディング手段26及びブラケット10を配置することにより、基板を必要とせずに家屋のフレーム外側にクラッディングが施すことができ、及びかかる方式により建築コストが大幅に減じられる。
【0027】
次に図2に示すように、本発明に係るクラッディングシステムには複数のX形状部片34が含まれる。各部片34は、互いに直交する2つの互いに交差するブレード36、38から成る。使用に際しては、ブレード36がクラッディング手段26の面31上の側方(垂直)溝32にかみ合う。一連のクラッディング手段26の設置過程において、部片34は、隣接クラッディング手段26の各対の間にブレード38が周囲面31とに当接するように取り付けられる。隣接するクラッディング手段26同士の結合を容易にしてクラッディングシステムの完全性を増強するため、クラッディング手段26の周囲面31のそれぞれに接着剤が処理される。同様な方法により、本発明に係る複数のブラケット10がクラッディング手段の隣接列間に設けられ、千鳥配列されてクラッディングシステムが作製される。
【0028】
一般に、部片34は側方(垂直)溝32上に用いられ、他方舌状体22、24は水平溝32中へ差し込まれる。
【0029】
次に、フレーム(又はビルディングの外面)のクラッディングへの本発明に係るブラケットの施工について説明する。第一段階として、ブラケット10がフレームの間柱18へ取り付けられる。次いでクラッディング手段26がブラケット10のT形状本体部12上へ置かれる。前記クラッディング手段26は、細長い舌状体22がクラッディング手段26の底面(図2及び図3には図示せず)上において対応する溝32とかみ合うように、T形状本体部12上に位置決めされる。前記面31を隣接クラッディング手段の他の面と結合させるため、クラッディング手段26の側方周囲面上へ接着剤が処理される。このようにしてクラッディング手段26によって形成されたクラッディングは雨に対して不透水性である。前記X形状部片34を横部に施工することにより、ブレード36が側方(垂直)面31中の対応溝32にかみ合わされる。
【0030】
上述したものと同様の工程が、クラッディング手段26が一列に設置されるまで繰り返される。次いで、本発明に係る別のブラケット10が、下側の細長い舌状体24が既に設置されたクラッディング手段26の上側周囲面中に形成された切り込みとかみ合うように、前記クラッディング手段26の列上へ置かれる。新たなブラケットが同じ間柱18上へ螺子20を用いて取り付けられる。
【0031】
本実施態様におけるブラケット10はアルミニウムを用いた押出しにより作製されることに注意すべきである。また、フレームの間柱18も木材あるいは金属を材料として作製される。
【0032】
本願発明が本願において具体的に述べた発明以外に変形及び変更可能なことは当業者の理解するところである。これらの変形及び変更は本発明の範囲及び精神に含まれるものと考慮されるべきであり、それら変形等の本質は上述した記載から決定されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、基板の使用を必要とせずにクラッディングを施すことができる点において産業上の利用可能性がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビルディングのフレームあるいは外面へ固定されて1又は2以上のクラッディング手段を支えるようになっている支持手段、及び
ブラケット自身、あるいはブラケットとクラッディング手段を連結し、かつ前記支持手段へ連結され、あるいは前記支持手段の一体部分を形成する連結手段から成るブラケットであって、
前記クラッディング手段は、ブラケットと連結された時、基板の使用を必要とせずにクラッディングできることを特徴とするブラケット。
【請求項2】
請求項1記載の複数のブラケットと連結された複数のクラッディング手段を含んで構成されるクラッディングシステム。
【請求項3】
1又は2以上のX形状部片を含み、それら部片のそれぞれには互いに直交する2本の互いに交差するブレードが備えられることを特徴とする請求項2記載のクラッディングシステム。
【請求項4】
各ブレードが、使用時に、クラッディング手段の少なくとも一部に連結されるようになっていることを特徴とする請求項3記載のクラッディングシステム。
【請求項5】
前記クラッディング手段が列状に配置されることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のクラッディングシステム。
【請求項6】
前記クラッディング手段の列状が千鳥配列され、それらクラッディング手段の間に連続して並べられたブラケットと連結されることを特徴する請求項5記載のクラッディングシステム。
【請求項7】
隣接するクラッディング手段へのクラッディング手段周囲面の結合を容易にするために、各クラッディング手段の各周囲面上へ接着剤が処理されることを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載のクラッディングシステム。
【請求項8】
本発明に係る第一ブラケットをビルディングのフレームあるいは外面に取り付ける工程、
クラッディング手段の周囲面の一つを、ブラケットと一体となった、あるいはブラケットに連結される連結手段とかみ合わせる工程、
本発明に係る第二ブラケットをクラッディング手段の対向周囲面とかみ合わせる工程、及び
前記第二ブラケットをビルディングのフレームあるいは外面へ取り付ける工程から構成されるビルディングのフレーム又は外面のクラッディング方法。
【請求項9】
使用時にクラッディング手段の側面に連結されるようになっているX形状部片を取り付ける工程がさらに含まれることを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項10】
隣接クラッディング手段の側面をX形状部片とかみ合わせる工程がさらに含まれることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
クラッディング手段を互いに接着し、あるいは結合させることができるように、1又は2以上の側面上へ接着剤を処理する工程が猶さらに含まれることを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
各ブラケットにアルミニウム突出部が含まれることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
各ブラケットに、垂直部材及び水平部材を有するT形状体を呈する支持手段が含まれることを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記水平部材によってクラッディング手段を支えるようになっている基部が形成されることを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記垂直部材が、使用時にビルディングのフレームあるいは外面に固定されるようになっていることを特徴とする請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
クラッディング手段に、高密度断熱フォームへ薄層状に貼り付けられた薄板が含まれることを特徴とする請求項8〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記薄板がファイバーボード、石板、あるいは人工薄板から成ることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項18】
クラッディング手段を列状に配置する工程が含まれることを特徴とする請求項8〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記列の中央に位置するクラッディング手段が矩形ブロック形状を呈し、他方ビルディングのコーナーに位置するクラッディング手段がL字形を呈することを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項20】
クラッディング手段、あるいは各クラッディング手段が、それぞれに溝が設けられた4つの周囲面を含んで成ることを特徴とする請求項8〜19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記溝が連携して連続した切り込みが形成されるように並べられることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記連結手段にT形状本体部の水平部材から生ずる細長い舌状体が含まれることを特徴とする請求項8〜21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
T形状本体部の水平部材から反対方向に延びる2つの連結手段を用意する工程が含まれることを特徴とする請求項13〜22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記細長い舌状体を前記切り込みの溝の一つとかみ合わせる工程が含まれることを特徴とする請求項22または23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
クラッディング手段周囲面が接着剤を用いて互いに接着されることを特徴とする請求項20〜24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
ビルディングのフレームあるいは外面上へ木材あるいは金属製の間柱を取り付ける工程が含まれることを特徴とする請求項8〜25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
本願添付図面のいずれかを参照して本願において実質的に説明されたブラケット。
【請求項28】
本願添付図面のいずれかを参照して本願において実質的に説明されたクラッディングシステム。
【請求項29】
本願添付図面のいずれかを参照して本願において実質的に説明された、ビルディングのフレームあるいは外面へのクラッディング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−510007(P2012−510007A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−536706(P2011−536706)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【国際出願番号】PCT/AU2009/001526
【国際公開番号】WO2010/057273
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(511126062)エコビルド ソリューションズ リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】Ecobuild Solutions Limited
【Fターム(参考)】