説明

改良された光ファイバージャイロスコープデッドバンド回避装置および方法

【課題】ジャイロコントロールループの飽和で生じる残留ディザー信号によるノイズの増加を抑止する。
【解決手段】光ファイバージャイロスコープ信号処理ディザーシステムは、残留ディザー信号のためにサンプル化した出力においてノイズを増やすことなく、多数のサンプリング期間に対して低振幅のディザー信号を適用することを可能とする。ディザーループとアキュムレータが閉鎖ループの光ファイバージャイロスコープ回転感知システムに付加される。ディザーループはファイバージャイロループのゲインと遅延と釣り合うように調整した遅延とゲインを持つ。デッドバンドを解体するに充分な振幅のゼロミーンディザーがジャイロとディザーループに注入される。ディザーループはジャイロループと同様にしてディザー信号をフィルターし、微分回路に入力してジャイロ出力からディザー信号を除去する信号を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は一般に光ファイバージャイロスコープ回転感知システムに関する。特に、この発明は回転比を測定するための光ファイバージャイロスコープが出力する信号の処理に関する。更に詳しくは、この発明は光ファイバージャイロスコープ信号処理システムにおいて低振幅ディザー信号を用いる改良されたディザーシステムと方法に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第5,020,912号、本発明の発明者の一人であるジョージ・エイ・パヴラスに1991年6月4日交付、は決定論的な位相変調を用いるクローズドループファイバージャイロのデッドバンド回避技術を記載する。定期的なゼロミーンディザー信号が、ジャイロ復調比率信号をも入力とする積分器に入力される。鍵となる要件はジャイロループ帯域幅が、サンプリング周波数(sampling frequency)よりも大きいディザー周波数(dither frequency)より更に大きいことである。理想的にはディザー周波数は少なくともサンプリング周波数の10倍で、ジャイロループ帯域幅は少なくともディザー周波数の10倍である。これらの条件が合わなければ、回転センサとしての光ファイバージャイロの運転に問題が生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の問題には、限定されたループ帯域幅と有限のアナログデジタル変換器入力範囲によって起こる、大きいディザー振幅によるジャイロコントロールループの前端の飽和が含まれ、もしサンプリング期間中に正確に整数個のディザーサイクルがなければ、出力中のディザー残留が大きくなる。コントロールループの飽和はディザー信号や他の望ましからざる非線形を抹消し損なうことによってランダムウォークの増加に至る。飽和を避けるためにディザー信号の振幅を減らすことは高いサンプリング比におけるデッドバンドの解体のために充分なディザーがないという結果になりえる。サンプリング時間より長い時間小振幅のディザー信号を印加すると、各サンプルが大量の残留ディザーを含んでしまうことになる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、残留ディザー信号によってサンプル化した出力のノイズが増加することなく、多数のサンプリング期間に低振幅のディザー信号を印加できるディザーシステムと方法を提供する。先行技術を超える発明の利点は光ファイバージャイロスコープ回転感知システムの信号処理システムにディザーループとアキュムレータを加えることによって達成される。ディザーループは調整してファイバーループのゲインと遅延に整合させた遅延とゲインを有する。デッドバンドの解体に充分な振幅のゼロミ−ンディザーがジャイロとディザーループに注入される。ディザーループはジャイロループと同じ方法でディザー信号をフィルターし、微分回路に入力されてジャイロ出力からディザー信号を除去する信号を提供する。
【0005】
光ファイバージャイロスコープが出力する信号のデッドバンドを回避する方法は次の工程よりなる。光ファイバージャイロスコープの入力と出力の間に接続した信号処理装置を含む光ファイバージャイロスコープループを用意する工程と、信号処理装置にディザー信号を注入して光ファイバージャイロスコープから出力される信号にディザー信号を加入する工程。本方法が更に含むのは、ディザー信号と光ファイバージャイロスコープから出力された信号との和を積分器で積分してジャイロ出力プラスディザー信号を生成する工程。ディザー信号を、光ファイバージャイロスコープループがディザー信号入力をフィルターすると同様にフィルターされたフィルターディザー信号を出力するディザーループに注入する。光ファイバージャイロスコープから出力されたジャイロ出力プラスディザー信号とディザーループから出力されたフィルターディザー信号とを微分装置に入力してディザー信号を含まないジャイロ信号出力を得る。
【0006】
前記方法は、好ましくは、光ファイバージャイロスコープループのゲインと等しくなるようにディザーループのゲインを調整して、ディザーループから出力された信号が光ファイバージャイロスコープループから出力された信号のディザー信号成分の振幅と同じ振幅となるようにする工程を含む。
【0007】
前記方法は、好ましくは、また更に、積分器からのジャイロ出力プラスディザー信号をジャイロアキュムレータで蓄積する工程と、ディザーループから出力されたフィルターディザー信号をディザーアキュムレータで蓄積する工程を含む。ジャイロアキュムレータとディザーアキュムレータを同時にサンプリングし、サンプリングしたジャイロアキュムレータ出力とサンプリングしたディザーアキュムレータ出力とを微分装置に入力してジャイロ信号出力を生成する。
【0008】
前記方法は更に、ディザー信号を受けるようにしたディザー加算回路を含むようにディザーループを形成する工程と、ディザー加算回路の出力をディザー積分器に接続する工程と、ディザー遅延回路をディザー積分器に接続してその出力信号を受けるとともに遅延ディザー信号を生成するようにする工程を含む。遅延ディザー信号は増幅され、ディザー乗算器に入力されて増幅ディザー信号は微ゲイン調整信号で乗算される。ディザー乗算器はディザー加算回路に接続されてディザー乗算器から出力される信号がディザー信号に加算される。
【0009】
本発明による前記方法は好ましくは更に、ディザーループに入力されてディザーループがディザープラスパイロット信号出力を生じるパイロット信号を用意し、光ファイバージャイロスコープループがジャイロプラスディザープラスパイロット信号出力を生じる工程を含む。
【0010】
本発明による前記方法はまた、好ましくは更に微分回路内で光ファイバージャイロスコープループからのジャイロプラスディザープラスパイロット信号出力をディザープラスパイロット信号と組み合わせてジャイロプラス残留ディザープラス残留パイロット信号出力を生じる工程と、ゲイン調整のためディザーループとパイロットループの双方に入力される微ゲイン調整信号を出力するようにしたゲイン調整ループによりパイロット信号ならびにジャイロプラス残留ディザープラス残留パイロット信号を処理して、残留ディザー信号と残留パイロット信号がゼロ振幅となり、微分回路出力がディザーまたはパイロット信号成分のないジャイロ出力であるようにする工程を含む。
【0011】
前記方法は更に、パイロット信号を入力として受けるようにしたパイロット加算回路を含めてパイロットループを形成する工程と、パイロット加算回路の出力をパイロット積分器に接続する工程と、パイロット遅延回路をパイロット積分器に接続してその出力信号を受け、遅延パイロット信号を生じる工程とを含み得る。遅延パイロット信号が増幅され、次いでパイロット乗算器に印加され、増幅パイロット信号はゲイン調整ループからの微ゲイン調整信号で乗算される。パイロット乗算器がパイロット加算回路に接続されてパイロット乗算器が出力する信号をパイロット信号に加算する。
【0012】
前記方法はまた更に、乗算回路によりフィルタージャイロプラス残留ディザープラス残留パイロット信号をパイロット積分器から出力されたフィルター信号で乗算する工程と、可変ゲイン増幅器により乗算器から出力された信号を増幅する工程とを含み得る。ゲイン調整積分器により可変ゲイン増幅器から出力された信号を積分し、静的ゲイン増幅器により増幅された出力を生じる。静的ゲイン増幅器が出力する信号はサンプリング回路でサンプリングされ、総体から微分されてゲインエラー信号を生じ、微ゲイン調整信号を得る。
【発明の効果】
【0013】
本発明は低振幅で低周波数のディザー信号を光ファイバージャイロスコープに導入してデッドバンドを解体する手段を提供する。ディザー信号の振幅はジャイロループの飽和を避けるに充分な低さである。本発明はディザー+パイロットループ58を用いること煮によって高周波ジャイロ出力から低周波のディザー信号を除去する手段を提供する。本発明はまた、パイロットループ78を用いてディザー+パイロットループ58のゲインとパイロットループ78のゲインがジャイロループ11のゲインを追跡できるようにし、ジャイロスコープの温度あるいは経年の変化と共に生じるディザー+パイロット信号をジャイロ出力から適切に除去することを補償する方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に沿って説明する。
【実施例1】
【0015】
図1において、光ファイバー回転感知システム10は、光信号を光検出器14に送るように配した光ファイバージャイロスコープ12を含むファイバージャイロループ11を包含する。光検出器14はそれが受ける光信号に対応する電気信号を形成する。増幅器16が光検出器14から出力される電気信号を増幅し、増幅電気信号をアナログ/デジタル変換器18に入力し、光ファイバージャイロスコープ12のアナログ出力を対応するデジタル信号に変換する。
【0016】
デジタル信号は加算器20に入力される。ディザー回路22は加算器20にディザー信号を与える。加算器20はデジタル化ジャイロ出力とディザー信号を加算し、合計信号をジャイロ積分器24に入力する。ジャイロ積分器24の出力はランプ発生器26とジャイロアキュムレータ28の双方に入力される。ランプ発生器26の出力は光ファイバージャイロスコープ12に接続したデジタル/アナログ変換器29に入力され、光ファイバージャイロスコープ12がディザー化ランプ入力を受ける。
【0017】
ディザー回路22からのディザー信号はディザーループ32に含まれる加算器30にも入力される。加算器30から出力される信号はディザー積分器34に入力される。ディザー積分器34は、ディザーループ32内の遅延回路36に接続した出力を有する。遅延回路36は増幅器38に接続され、増幅器38は増幅信号を、微ゲイン回路42から微ゲイン調整信号も受けている乗算器40に送る。
【0018】
ディザー積分器34の出力はまたディザーアキュムレータ44にも入力される。ジャイロアキュムレータ28とディザーアキュムレータ44が出力する信号は微分回路46に入力される。
【0019】
ディザーループ32の遅延とゲインはファイバージャイロループ11の遅延とゲインに整合するように調整される。ディザー回路22はデッドバンドを解体するに充分な振幅のゼロミーンディザー信号を出す。ゼロミーンディザー信号は、ディザー積分器34に接続した加算器30においてディザーループ32に入力される。ディザーループ32の機能はファイバージャイロループ11がディザー信号をフィルターしてジャイロ出力からディザー信号を除去できるようにするのと本質的に同じ方法でディザー信号をフィルターすることである。
【0020】
ジャイロ積分器24の出力はジャイロアキュムレータ28に送られ、ジャイロ出力周波数でサンプル化されクリヤされる。図1に示されるように、ジャイロアキュムレータ28の信号出力は、ジャイロループ11を横断することでフィルターされたディザー信号と合算された望ましいジャイロ出力信号を包含する。ディザー積分器34の出力はディザーアキュムレータ44に送られ、ジャイロアキュムレータ28と同時にサンプル化されリセットされる。ディザーアキュムレータ34の出力はフィルターされたディザー信号のみを含む。ジャイロアキュムレータ28の出力とディザーアキュムレータ34の出力を、図1に示すように微分回路46で微分すると、ディザーがジャイロ出力から完全に除かれることになる。ジャイロ信号のみが微分回路46から出力される。
【0021】
代表的に図1のディザー回路はデジタル領域で機械化されている。デジタル領域ではディザーループ32の遅延は設計の時点でジャイロループ11の遅延と整合しかつ変化しないように設定可能である。ディザーを充分に抹消することはディザーループ32のゲインをジャイロループ11のゲインと整合させることを必要とする。図1において、微ゲイン調整回路は乗算器40を介してディザーループ32のゲインを整調可能とする。この微ゲイン調整はジャイロループ11のゲインをジャイロランダムウォークの増加を無視できるものとするに充分な正確度に合わせるよう整調可能とする。
【実施例2】
【0022】
図2は本発明に従う光ファイバー回転感知システム50を示し、このシステムはジャイロ周波数応答にノッチを生じることなく微ディザーゲインの継続的調整を可能とする強調ディザーループを含む。光ファイバー回転感知システム50の機能的特徴は下記の構成上の記載のあとで記述する。
【0023】
図2は図1のジャイロループ11と同一にし得るジャイロループ11を含む。ディザー回路52が加算器54に入力されるゼロミーンディザー信号を生じる。加算器54はまたパイロット信号回路55からパイロット信号を受け、加算器54がディザー信号とパイロット信号の和である信号を出力する。加算器54の出力は、ジャイロループ11の加算器20とディザー+パイロットループ58に含まれる加算器56に入力される。加算器56の出力はディザー+パイロット積分器60に入力される。積分されたディザー信号はディザー遅延回路62に入力され、遅延された信号が増幅器64に出力される。増幅器64の出力は、ループ58を完全にするため加算器56への入力を提供するようにした乗算器66に入力される。
【0024】
ディザー+パイロット積分器60はまた微分回路68にも接続され、またジャイロ積分器24が出すファイバージャイロループ11の出力を受ける。微分回路68の出力はゲイン調整ループ74のアキュムレータ70とフィルター72に入力される。
【0025】
パイロット信号発生回路55の出力はまたパイロットループ78に含まれる加算器76にも入力される。加算器76の出力は、積分したパイロット信号をパイロット遅延回路82に送るようにしたパイロット積分器80に入力される。パイロット遅延回路82の出力は乗算器86の入力に接続した出力を持つ増幅器84に入力される。
【0026】
パイロット積分器80の出力はゲイン調整ループ74に含まれるフィルター87にも入力される。フィルター87の出力は、フィルター72が出力した信号を受けるようにした乗算器88に入力される。乗算器88の出力は増幅された信号をゲイン調整積分器92に送る可変ゲイン増幅器90に入力される。ゲイン調整積分器92が出力する積分された信号は、静的ゲインを持つ増幅器94に入力される。増幅器94の出力はゲインエラー信号出力を生じるサンプラー96に接続される。微分回路98が、ゲインエラー信号ならびに信号発生器100からの望ましくは1である数的信号入力の双方を受ける。微分回路は1とゲインエラー信号との間の差を計算し、ディザー+パイロットループ58内の乗算器66およびパイロットループ78内の乗算器86に入力される微ゲイン調整信号を生じる。乗算器66は微分回路からの微ゲイン調整信号と増幅器64からの信号出力の積を加算器56に入力する。加算器56はディザー信号と、パイロット信号と乗算器66からの出力とを加算して、ディザー+パイロット積分器60に入力され、また加算器20においてジャイロループ11へも入力される信号を生じる。
【0027】
パイロット信号はゼロミーン信号でもある。パイロット信号の周波数は必要なジャイロ帯域幅より高く選定される。パイロット信号周波数にとって便宜な選択はジャイロのサンプリング周波数かその整数倍である。パイロット信号周波数のこの選択は発明のデジタルな実行を簡略化するが、必要ではない。ディザー周波数とパイロット周波数とジャイロ帯域幅の関係は次の式で表される。

【0028】
図2に示す本発明の実施例の構成を説明したので、その機能上の特徴を説明する。ディザー信号とパイロット信号が加算され、その和がジャイロループ11とディザー+パイロットループ58の双方に注入される。パイロット信号のみがパイロットループ78に注入される。ジャイロ積分器24の出力とディザー+パイロットループ積分器60の出力が微分回路68によって微分される。微分された信号はアキュムレータ70に入力され、蓄積されてジャイロ出力を出す。微分回路68からの微分された信号は第1のフィルター72にも供給される。ディザー+パイロットループ58のゲインがジャイロループ11のゲインと整合すれば、ディザーあるいはパイロット信号が微分された出力内に存在することはない。ゲインが整合しなければ、ディザーとパイロット信号の残留が微分された信号内に存在することになる。
【0029】
第1フィルター72は当業で知られる各種の方法で機械化できるハイパスフィルターである。第1フィルター72の目的は、残留パイロット信号を最小限の減衰で通過させる間に、DC期間とディザー信号とジャイロ信号とを減衰させることである。このフィルター以後に残留するパイロット信号はジャイロループ11とディザー+パイロットループ58との間のゲインエラーを示す。
【0030】
パイロットループの出力は、望ましくは第1フィルター72と同じ第2フィルター86に供給される。第2フィルター86の目的は、正確に同じ遅延をパイロット信号に与えてパイロット信号が第1フィルター72からの残留ディザー+パイロット信号と時間的に充分に整列するようにすることである。
【0031】
フィルターされたジャイロ+ディザー+パイロット信号はフィルターされたパイロット信号で乗算される。第1フィルター72からの残留パイロット信号があればフィルターされたパイロット信号で整流し、DC期間と高調波を生じる。最初のDC期間は可変ゲイン増幅器90で増幅される。可変ゲイン増幅器90は適正な微ゲインの出現時(高ゲイン)に迅速に捕獲できるように設けられ、ゲインはゲインの追跡が可能となるように低められる。信号は次に積分され、DC期間を増調し、高調波を減少させる。信号は次に、ゲイン調整ループ74の安定動作を確保するために選定したゲインを有する静的ゲイン増幅器94と会う。信号は次にリセットアキュムレータに送られ、サンプラー96によりパイロット信号期間の整数倍でサンプルされる。各サンプル間のパイロット期間の数は、ゲイン調整ループがジャイロループ11におけるゲインの変動を追跡できるように選定される。
【0032】
サンプラー96からのサンプル化されたDC期間はゲインエラー信号を構成する。このゲインエラー信号は1から微分され、ディザー+パイロットループ58内の乗算器66とパイロットループ78内の乗算器86の双方に帰される。両乗算器66および86へのゲインエラー信号の供給はディザー+パイロットループ58のゲインとパイロットループ78のゲインを調整して両ゲインがジャイロループのゲインをリアルタイムで追跡することを確実にする。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は低いジャイロループ帯域幅と高いサンプリング周波数の、決定論的に変調した閉鎖ループの光ファイバージャイロスコープにおいて使用し得る。図1および図2のブロック図に示す全要素は当業において公知であることに注目されたい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1実施例のブロック図。
【図2】本発明の増調した第2実施例のブロック図。
【符号の説明】
【0035】
10 光ファイバー回転感知システム
11 ファイバージャイロループ
12 光ファイバージャイロすぉープ
14 光検出器
16 増幅器
18 アナログ/デジタル変換器
20 加算器
22 ディザー回路
24 ジャイロ積分器
26 ランプ発生器
28 アキュムレータ
29 デジタル/アナログ変換器
30 加算器
32 ディザーループ
34 ディザー積分器
36 遅延回路
38 増幅器
40 乗算器
42 微ゲイン回路
44 ディザーアキュムレータ
46 微分回路
50 光ファイバー回転感知システム
52 ディザー回路
54 加算器
55 パイロット信号回路
56 加算器
58 ディザー+パイロットループ
60 ディザー+パイロット積分器
62 ディザー遅延回路
64 増幅器
66 乗算器
68 微分回路
70 アキュムレータ
72 フィルター
74 ゲイン調整ループ
76 加算器
78 パイロットループ
80 パイロット積分器
82 パイロット遅延回路
84 増幅器
86 乗算器
87 フィルター
88 乗算器
90 可変ゲイン増幅器
92 ゲイン調整積分器
94 増幅器
96 サンプラー
98 微分回路
100 信号発生器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバージャイロスコープの入力と出力の間に接続した信号処理装置を含む光ファイバージャイロスコープループを用意する工程と、
信号処理装置にディザー信号を注入して光ファイバージャイロスコープから出力される信号にディザー信号を加入する工程と、
ディザー信号と光ファイバージャイロスコープから出力された信号との和を積分器で積分してジャイロ出力プラスディザー信号を生成する工程と、
ジャイロ出力プラスディザー信号を割算して光ファイバージャイロスコープに入力される第1の部分と第2の部分とにする工程と、光ファイバージャイロスコープループがディザー信号入力をフィルターすると同様にフィルターされたフィルターディザー信号を出力するディザーループにディザー信号を注入する工程と、
光ファイバージャイロスコープから出力されたジャイロ出力プラスディザー信号とディザーループから出力されたフィルターディザー信号とを微分装置に入力してディザー信号を含まないジャイロ信号出力を得る工程と
とよりなる、光ファイバージャイロスコープが出力する信号のデッドバンドを回避する方法。
【請求項2】
光ファイバージャイロスコープループのゲインと等しくなるようにディザーループのゲインを調整して、ディザーループから出力された信号が光ファイバージャイロスコープループから出力された信号のディザー信号成分の振幅と同じ振幅となるようにする工程を含む、請求項1の方法。
【請求項3】
積分器からのジャイロ出力プラスディザー信号をジャイロアキュムレータで蓄積する工程と、
ディザーループから出力されたフィルターディザー信号をディザーアキュムレータで蓄積する工程と、
ジャイロアキュムレータとディザーアキュムレータを同時にサンプリングする工程と、
サンプリングしたジャイロアキュムレータ出力とサンプリングしたディザーアキュムレータ出力とを微分装置に入力してジャイロ信号出力を生成する工程と
を更に含む請求項2の方法。
【請求項4】
ディザー信号を入力として受けるように配置したディザー加算回路を含むようにディザーループを形成する工程と,
ディザー加算回路の出力をディザー積分器に接続する工程と、
ディザー遅延回路をディザー積分器に接続してその信号出力を受けると共に遅延ディザー信号を生成するようにする工程と、
遅延ディザー信号を増幅する工程と、
増幅ディザー信号をディザー乗算器に印加する工程と、
増幅ディザー信号を微ゲイン調整信号で乗算する工程と、
ディザー乗算器をディザー加算回路に接続してディザー乗算器から出力される信号がディザー信号に加算されるようにする工程と
を更に含む請求項2の方法。
【請求項5】
パイロット信号をディザーループ内に注入するパイロット信号生成機を用意してディザーループがディザープラスパイロット信号出力を生成すると共に光ファイバージャイロスコープループがジャイロプラスディザープラスパイロット信号出力を生成するようにする工程を更に含む請求項1の方法。
【請求項6】
微分回路内において光ファイバージャイロスコープループからのジャイロプラスディザープラスパイロット信号出力をディザープラスパイロット信号と組合せてジャイロプラス残留ディザープラス残留パイロット信号出力を生成する工程と、
ゲイン調整のためにディザーループとパイロットループの双方に入力される微ゲイン調整信号を出力するように配置したゲイン調整ループによりパイロット信号ならびにジャイロプラス残留ディザープラス残留パイロット信号を処理して、残留ディザー信号と残留パイロット信号がゼロ振幅となり、微分回路出力がディザー或いはパイロット信号成分の無いジャイロ出力であるようにする工程と
を更に含む請求項5の方法。
【請求項7】
パイロット信号を入力として受けるように配置したパイロット加算回路を含んでパイロットループを形成する工程と、
パイロット加算回路の出力をパイロット積分器に接続する工程と、
パイロット遅延回路をパイロット積分器に接続してそれが出力する信号を受け、遅延パイロット信号を生成するようにする工程と、
遅延パイロット信号を増幅する工程と、
増幅パイロット信号をパイロット乗算器に印加する工程と、
増幅パイロット信号をゲイン調整ループから出力された微ゲイン調整信号で乗算する工程と、
パイロット乗算器をパイロット加算回路に接続してパイロット乗算器が出力する信号をパイロット信号に加算するようにする工程と
を更に含む請求項6の方法。
【請求項8】
乗算回路によりフィルタージャイロプラス残留ディザープラス残留パイロット信号をパイロット積分器から出力されたフィルター信号で乗算する工程と、
可変ゲイン増幅器により乗算器から出力された信号を増幅する工程と、
ゲイン調整積分器により可変ゲイン増幅器から出力された信号を積分する工程と、
静的ゲイン増幅器によりゲイン調整積分器から出力された信号を乗算する工程と、
サンプリング回路により静的ゲイン増幅器から出力された信号をサンプリングしてゲインエラー信号を生成する工程と、
1からゲインエラー信号を微分して微ゲイン調整信号を得る工程と
を更に含む請求項6の方法。
【請求項9】
光ファイバージャイロスコープの入力と出力の間に接続した信号処理装置を含む光ファイバージャイロスコープループと、
ディザー信号を信号処理装置に注入してディザー信号を光ファイバージャイロスコープが出力する信号に加入するように配置したディザー信号発生器と、
ディザー信号と光ファイバージャイロスコープが出力した信号との和を積分器により積分してジャイロ出力プラスディザー信号を生成する、光ファイバージャイロスコープループ内の積分器と、
光ファイバージャイロスコープが出力するジャイロ出力プラスディザー信号とディザーループが出力するフィルターディザー信号を受けて、ディザー信号を含まないジャイロ信号出力を出すように配置した微分回路と
よりなる、光ファイバージャイロスコープが出力する信号のデッドバンドを回避する装置。
【請求項10】
ディザーループはディザーループのゲインが光ファイバージャイロスコープループのゲインに等しくなるようにして、ディザーループが出力する信号が光ファイバージャイロスコープループの出力する信号のディザー信号成分の振幅と同じ振幅となるように配置された請求項9の装置。
【請求項11】
積分器からのジャイロ出力プラスディザー信号を蓄積するようにしたジャイロアキュムレータと、
ディザーループが出力するフィルターディザー信号を蓄積するようにしたディザーアキュムレータとを更に備え、ジャイロアキュムレータとディザーアキュムレータとは同時にサンプリングされるとともに微分回路に入力されてジャイロ信号出力を生じるようにした、請求項10の装置。
【請求項12】
ディザーループ内にディザー信号を入力として受けるように配置したディザー加算回路と、
ディザー加算回路の出力に接続したディザー積分器と、
ディザー積分器に接続してその出力する信号を受け、遅延ディザー信号を生じるディザー遅延回路と、
遅延ディザー信号を増幅するように配置したディザー増幅器と、
ディザー増幅器の出力に接続して増幅ディザー信号を受けるディザー乗算器と、
増幅ディザー信号を微ゲイン信号によって乗算するように配置した乗算器に接続された微ゲイン調整信号発生器とを更に備え、乗算器はディザー加算回路に接続されてディザー乗算器から出力される信号がディザー信号に加入されるようにした、請求項10の装置。
【請求項13】
ディザーループに入力されるパイロット信号を注入するように配置されてディザーループがディザープラスパイロット信号出力を生じるように、かつ光ファイバージャイロスコープループがジャイロ複数ディザープラスパイロット信号出力を生じるようにしたパイロット信号ループを更に備える、請求項9の装置。
【請求項14】
光ファイバージャイロスコープループが出力するジャイロプラスディザープラスパイロット信号をディザープラスパイロット信号と組み合わせて、ジャイロプラス残留ディザープラス残留パイロット信号出力を生じる微分回路と、
パイロット信号とジャイロプラス残留ディザープラス残留パイロット信号を処理してディザーループとパイロットループの双方に、それらのゲインを調整するために、入力される微ゲイン調整信号を提供して、微分回路出力がディザーまたはパイロット信号成分のないジャイロ出力となるように、残留ディザー信号と残留パイロット信号がゼロ振幅となるようにするゲイン調整ループと
を更に備える、請求項13の装置。
【請求項15】
パイロットループ内においてパイロット信号を入力として受けるように配置したパイロット加算回路と、
パイロット加算回路の出力に接続したパイロット積分器と、
パイロット積分器に接続しその出力する信号を受けて遅延パイロット信号を生じるパイロット遅延回路と、
遅延パイロット信号を増幅するように配置したパイロット増幅器と、
パイロット増幅器に接続し、増幅されたパイロット信号をゲイン調整ループから出力される微ゲイン調整信号により乗算するようにしたパイロット乗算器であって、パイロット加算回路に接続されてパイロット乗算器が出力する信号がパイロット信号に加算されるようにしたものと
を更に備える、請求項6の装置。
【請求項16】
フィルターされたジャイロプラス残留ディザープラス残留パイロット信号をパイロット積分器が出力するフィルターされた信号により乗算するようにした乗算器と、
乗算器が出力する信号を増幅するようにした可変ゲイン増幅器と、
可変ゲイン増幅器が出力する信号を積分するようにしたゲイン調整積分器と、
ゲイン調整積分器が出力する信号を乗算するようにした静的ゲイン増幅器と、
静的ゲイン増幅器が出力する信号をサンプリングしてゲインエラー信号を生じるようにしたサンプリング回路と、
総体からゲインエラー信号を微分して微ゲイン調整信号を得るようにした微分回路と
を更に備える、請求項14の装置。



【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−203242(P2008−203242A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−322512(P2007−322512)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(507408316)ノースロップ グラマン ガイダンス アンド エレクトロニクス カンパニー,インコーポレーテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】NORTHROP GRUMMAN GUIDANCE AND ELECTRONICS COMPANY, INC.
【住所又は居所原語表記】1840 Century Park East, Los Angeles, CA 90067−2101, U.S.A.
【Fターム(参考)】