説明

改良された泡形成ユニット

本発明が提供する泡形成ユニットは、ポンプ6、8の出口と連絡している液体と空気を混合するための混合チャンバ12と、分注する泡のための泡の出口26を備えて混合チャンバ12と連通された流出路が設けられたディスペンシング部22と、流出路内を流れる泡が少なくとも2回通過するように流出路内に配置された第1の泡形成要素28とを含んでいる。ディスペンシング部は、流出路の終端部に配置されつつ泡出口を備えたスパウト要素を有する。流出路は、流れ方向に関して、第1の泡形成要素を通過する第1の流路の下流側であってスパウト要素の上流側の位置にキャビティ32を有する。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、液体と空気を混合するための混合チャンバと、泡を分注するための泡の出口を備えて混合チャンバと連通された流出路が設けられたディスペンシング部と、流出路内を流れる泡が少なくとも2回通過するように流出路内に配置された第1の泡形成要素とを有し、ディスペンシング部が流出路の終端部に配置されつつ泡出口を備えたスパウト要素を有する泡形成ユニットに関する。
【0002】
泡形成ユニットとして、欧州特許第1 199 105号のものが知られている。泡形成要素は、泡がスパウト要素の泡出口に向かう途中に2度通過するスパウト内の位置に配置されている。泡形成要素の大きさは、スパウト要素の内部の大きさが小さいために制限される。
【0003】
本発明は、改良された泡形成ユニットを提供することを目的としている。また、本発明のさらなる目的は、可能な限り良質な泡が形成できる、すなわち泡内の気泡が可能な限り細かくまた均一になるような泡形成ユニットを提供することである。
【0004】
この目的のために、本発明は、イントロダクションで述べられたタイプの泡形成ユニットであって、流出路が、流れ方向に関して第1の泡形成要素を通過する第1の流路の下流側にあってスパウト要素の上流側に位置するキャビティを有するものを提供する。
【0005】
キャビティ内の空間は、第1の泡形成要素を一回通過した泡が流入するもので、大きさに関して簡単に調節できる。ディスペンシング部のキャップの下に位置するキャビティは、生産技術の観点からすれば、簡単に要求される状況に対応できる。キャビティ、それによる逆圧は、泡を予め決められた速度で泡形成要素を通過させるための抵抗を生じさせるためには重要である。逆圧を変えることができることは、ポンピングされる種々の液体に適用させるためには重要である。それゆえ、泡の質は、キャビティの大きさの選択の適当性によって簡単に影響される。
【0006】
流出路内を流れる泡は2回泡形成要素を通過することにより、より細かくまたより均一な泡にされる。加えて、1つの泡形成要素を2つの流路に配置するため、生産工程は比較的単純化され、コストを抑えることができる。
【0007】
好適な実施形態において、スクリーン状の泡形成要素が、流出路内の第1の泡形成要素の上流側に班値される。これにより、分注される泡の質がさらに向上する。
【0008】
好適な実施形態において、泡形成要素はスクリーンを含んでいる。スクリーンにより、所望の泡形成効果が提供される。
【0009】
更に好適な実施形態において、泡形成要素は、スクリーンに加えてまたはスクリーンに代わって混合要素を含んでいる。スクリーンは粒子の大きさを小さくするものであるが、混合要素は、泡を混合するまたはかき回すものである。
【0010】
好適な実施形態において、第2のスクリーンの開口の大きさは、0.1mmから0.4mmの間、好ましくは0.2mmである。これらの大きさは、所望の効果を得るためのもので、テストによって示されてものである。
【0011】
好適な実施形態において、第1のスクリーンは、10μmから150μmの間、好ましくは50μmの大きさの開口を有する。これらの大きさは、所望の効果を得るためのもので、テストによって示されてものである。
【0012】
泡形成ユニットはまた、液体用ポンプと空気用ポンプを有し、これらはそれぞれ、入口と出口を備えている。
【0013】
好適な実施形態において、泡形成ユニットは吐出する空気と液体をそれぞれ吸い込むための各ポンプの入口と出口にバルブを有する。1つまたはそれ以上のバルブは、1つの構成要素とするために、空気用ポンプまたは液体用ポンプと一体に形成されている。バルブを一体形成することにより、部品数と生産工程数が減少し、コストが抑えられる。
【0014】
好適な実施形態において、流出路は、第1のスクリーンを通過する第1の流路の下流側に、側壁と第1のスクリーンから予め決められた高さに位置する天井壁を有するキャビティを有する。上述するように、キャビティの大きさは、良質な泡を形成するためには重要とされる。
【0015】
さらに好適な実施形態において、予め決められた高さは1mmから4mmの間、好ましくは2mmである。このような大きさにより、泡形成ユニットは、より細かくまたより均一な泡を形成する。
【0016】
さらに好適な実施形態において、キャップはキャビティの壁を形成する。キャップは、変更し易く、色や材料の選択に関する変更を含んで多様に生産することができる。
【0017】
さらに好適な実施形態において、空気用ポンプの入口は、泡形成ユニットの外壁に空気を吸い込むための開口を少なくとも1つ有する。この位置に配置された空気用の開口により、泡形成ユニットは、シャワーなどの湿潤な環境内で、操作中に水で妨害されることなく、使用することができる。
【0018】
さらに好適な実施形態において、上述の開口は、予め決められた長さ以上突出している管体が存在する空間に連通されており、該管体は空気用ポンプの空気リザーバに連通している。このような空気口により、泡形成ユニットは、シャワーなどの湿潤環境で機能し続けることができる。この開口は、比較的小さくされ、それゆえ、目立つことはない。
【0019】
別の態様によれば、本発明は、液体収容部と泡形成ユニットからなるディスペンシングアセンブリを提供し、該泡形成ユニットは上述に記載の泡形成ユニットで形成される。
【0020】
本発明に係る泡ディスペンシングアセンブリ1は、泡用の液体3を内部に有しつつ泡形成ユニット4が取り付けられた円筒型の液体収容部2を有する(図1)。泡形成ユニット4は空気用のポンプ6と液体用のポンプ8を有し、これらはそれぞれ入口と出口を備える。空気用ポンプ6の入口9は周囲と連通しており(図2)、一方、液体用ポンプ8の入口は、ホース10を介して液体収容部2の収容物3と連通されている。泡形成ユニット4はまた、空気用ポンプ6の出口14と連通するとともに、バルブ16を有する液体用ポンプ8の出口と連通している混合チャンバ12を有する。バルブ18は、空気用ポンプの出口近傍に配置されている。
【0021】
アセンブリの上部は、泡の出口26を備えた流出路24を有する(図2)。流出路24は、混合チャンバ12から泡出口26まで通じている。この流出路24内には泡形成要素が配置されており、これは、図2に示すような実施形態においては、比較的細かいメッシュのスクリーン34,28で形成されている。
【0022】
第1のスクリーン28は、泡が該スクリーン28を2度通過するように超音波接合によって配置されている。このために、キャップ30にはスクリーン28上に配置されるキャビティ32が形成されている。流れ方向に関して、キャビティ32は、スパウト要素51より上流側に配置されている。キャップ30の天井壁は、簡単に且つ人間工学的に操作できるように湾曲している。最小高さ、すなわちキャップ30とスクリーン28の間の距離は、約2mmにされており、これは細かく均一な泡を得ることができるようなテストによって求めた高さである。スクリーン28は、10μmから150μmの間、好ましくは50μmの大きさの開口を有する。キャップ30は、泡形成ユニットから分離可能な部品であって、色や材料に関して変更することが可能である。
【0023】
好適な実施形態において、第2のスクリーン34は、流出路内の第1のスクリーンの上流側に配置されており、また、0.1mmから0.4mmの間、好ましくは0.2mmの大きさの開口を有する。第2のスクリーン34は、射出成形によって配置され、構造部材61の部分に形成されたリング35と一体に形成されている。このように、泡形成ユニットの2つの部材は一体化されており、それにより、コストと組み立て時間が減少する。
【0024】
液体と空気の混合物が第2のスクリーン34を介して混合チャンバ12から出ると、そこで比較的きめが粗い泡が形成される。粗い泡が第1のスクリーン28を通過してキャビティ32に入り、そこで泡のきめがより細かくなるとともに均一化される、すなわち泡内の気泡がより小さくなるとともにより均一な大きさになる。また、泡がスクリーン28を再び通過して流出口26に近づくと、泡は更に細かくまた更に均一化されている。
【0025】
泡の質は、2つのスクリーンを有する従来の泡形成ユニットより向上する。加えて、生産コストは従来の泡形成ユニットと略同じであるが、第1のスクリーンを配置する生産工程は1つですむ。また、更に泡の質を向上させるために、第3のスクリーン(図示せず)を端部36に配置してもよい。
【0026】
さらに好適な実施形態において、空気用ポンプの空気の入口は、キャップ30と壁38の間のギャップ37によって形成される(図3)。空間40に吸い込まれたまたは空間40内の空気は、排気口として機能するとともに空気用ポンプの空気チャンバ44に空気が通過することを可能にする管体42に流れる。管体42の上端46は、角を形成しているのが好ましく、その角度は管体の長軸に対して約30度にされている。管体42は、空間40に向かって予め決められた長さ、約4m以上突出している。この構造体は、周囲が囲まれた排気口として機能する。この空気の入口は、湿潤な環境においても水が流入することがほとんどなく、そのため、泡形成ユニットはシャワーの下でも機能し続ける。
【0027】
図4は、本発明に係る第2の実施形態の泡形成ユニットを示している。この実施形態は、大体においては図2に示す第1の実施形態と同じであるが、混合要素50の形式の泡形成要素が流出路24内に配置されている点で異なる。混合要素50は、第1の泡形成要素28と第2の泡形成要素34aの間に配置されている。混合要素50は、構造部材60と共通の金型で作製された略プレート状要素からなり、約1.5mmの断面を備えた4つの円形穴が設けられている。混合要素50の開口の形や大きさは、ポンプによる生成物によって変更される。付加的な第2の泡形成要素34bを更に設けることができる(この要素の位置は、図4に示されている。)。
【0028】
第2の泡形成要素34aは、構造部材61と共通の金型で形成されるのが好ましい。付加的な第2の泡形成要素34bは構成部材61の上側に接合にされるのが好ましい。第1の泡形成要素28は、構造部材60の上端36に接合されるのが好ましい。泡形成ユニットは、実質的に、3つの構成部材60、61、32から構成される。
【0029】
上述の泡形成ユニット4とアセンブリ1の操作方法は、出願人の国際特許出願第0 242 005号に記載されている。この明細書の内容は、本明細書に組み込まれている。
【0030】
このシステムは様々な変更が可能であり、特定の液体に泡形成ユニットを対応させるために様々な選択が可能である。非常に多種の液体(粘性、チクソトロピック挙動、化学成分、粒子の存在など)が存在するため、システム構成は、ポンピングされる液体に応じて比較的簡単に変更できるようにされている。変更されるものとして、例えば、1つの泡形成要素における開口の数、形、大きさ、泡形成要素の数(スクリーンや混合要素)、キャビティ32の大きさなどがある。
【0031】
本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、添付の請求の範囲で種々の変更が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る泡ディスペンシングアセンブリを部分的に断面で示した斜視図である。
【図2】本発明に係る泡形成ユニットの詳細を示す断面状態の斜視図である。
【図3】図2の泡形成ユニットを部分的に断面で詳細に示す図である。
【図4】第2の実施形態に係る泡形成ユニットの詳細を示す断面状態の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプの出口と連絡された液体と気体を混合するための混合チャンバと、
泡を分注するための泡の出口を備えて混合チャンバと連通された流出路が設けられたディスペンシング部と、
流出路内を流れる泡が少なくとも2回通過するように流出路内に配置された第1の泡形成要素とを含み、
ディスペンシング部が流出路の終端部に配置されつつ泡出口を備えたスパウト要素を有し、
流出路が、流れ方向に関して、第1の泡形成要素を通過する第1の流路の下流側であってスパウト要素の上流側の位置にキャビティを有することを特徴とする泡形成ユニット。
【請求項2】
第2の泡形成要素が流出路内に配置されている請求項1の泡形成ユニット。
【請求項3】
泡形成要素がスクリーンを含む上記請求項のいずれかの泡形成ユニット。
【請求項4】
泡形成要素が混合要素を含む上記請求項のいずれかの泡形成ユニット。
【請求項5】
液体用のポンプと空気用のポンプを有し、それぞれが入口と出口を備えている上記
請求項のいずれかの泡形成ユニット。
【請求項6】
吐出する空気と液体をそれぞれ吸い込むための各ポンプの入口と出口にバルブを有し、
1つまたはそれ以上のバルブが、一つの構成要素とするために空気用ポンプまたは液体用ポンプと一体に形成されている請求項5の泡形成ユニット。
【請求項7】
第1の泡形成要素のスクリーンは、10μmから150μmの間、好ましくは50μmの大きさの開口を有する請求項3の泡形成ユニット。
【請求項8】
第2の泡形成ユニットのスクリーンの開口は、0.1mmから0.4mmの間、好ましくは0.2mmの大きさを備える請求項3または7の泡形成ユニット。
【請求項9】
流出路は、第1の泡形成要素を通過する第1の流路の下流側に、側壁と第1の泡形成要素から予め決められた高さに位置する天井壁を備えたキャビティを有する上記請求項のいずれかの泡形成ユニット。
【請求項10】
予め決められた高さが、1mmから4mmの間、好ましくは2mmである請求項9の泡形成ユニット。
【請求項11】
キャップがキャビティの壁を形成し、
天井壁が湾曲している請求項9または10の泡形成ユニット。
【請求項12】
キャップが、キャビティを形成するために、泡形成ユニットの内壁に配置されている請求項11の泡形成ユニット。
【請求項13】
空気用ポンプの入口は、泡形成ユニットの外壁に空気を吸い込むための開口を少なくとも1つ有する請求項5または6の泡形成ユニット。
【請求項14】
空気を吸い込むための開口は予め決められた長さ以上突出している管体が存在する空間に連通されており、
管体は空気用ポンプの空気リザーバに連通している請求項13の泡形成ユニット。
【請求項15】
液体収容部と泡形成ユニットを有し、
泡形成ユニットが請求項1〜14のいずれかの泡形成ユニットで形成されている泡ディスペンシングアセンブリ。
【請求項16】
請求項1〜14のいずれかの泡形成ユニットおよび/または請求項15の泡ディスペンシングアセンブリの製造方法。
【請求項17】
求項1〜14のいずれかの泡形成ユニットおよび/または請求項15の泡ディスペンシングアセンブリの使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−528780(P2007−528780A)
【公表日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502742(P2006−502742)
【出願日】平成16年2月10日(2004.2.10)
【国際出願番号】PCT/NL2004/000096
【国際公開番号】WO2004/069418
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(503186995)エル・ウント・デー・インジェクター・アクチェンゲゼルシャフト (1)
【氏名又は名称原語表記】R + D Injector AG
【Fターム(参考)】