説明

改良された荷重分担コードを有する無端ベルト

動力伝達ベルト(10)はそこに内蔵される荷重分担コード(22)を有し、前記コードは、複数のヤーン(2)を備え、第1の捻り乗数及び第1の捻り方向に対応する第1の捻りを有し、前記第1の捻り方向と反対方向の第2の捻り乗数に対応する第2の捻りを有し、前記第2の捻り乗数に対する前記第1の捻り乗数の比は約1.5よりも大きいことを特徴とする。ベルトは、ベルトボディ部と、シーブ接触部と、前記ベルトボディ部に内蔵される荷重分担コードとを備えるマルチVリブドベルトであり、前記荷重分担コードは複数の捻りヤーンを備え、第1の捻り乗数に応じた第1の(ヤーン)捻りと、第2の捻り乗数に応じ、かつ前記第1の捻りと反対方向の第2の(コード)捻りとを有し、前記第1の捻り乗数は少なくとも1.5:1の比により示されるように前記第2の捻り乗数よりも大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷重分担コードを備える無端ベルト、特に、コードが、プライドヤーン(諸撚り糸)の第1の捻り(下撚り)の方向と反対方向にコードを形成するため撚り合わされる、複数のプライドヤーンを備えるようなベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のヤーンを備える荷重分担コードを用いる無端ベルト、フレキシブルカップリング、タイヤ、及び他のゴム複合品の製作において、複数のプライドヤーンを形成するために第1のステップにおいてヤーンの1以上の端部を最初に捻り、そしてその後、撚られ(プライされ)、又はケーブル撚りされたコードを形成するため第2のステップにおいてプライドヤーンを一緒に捻ることが知られている。そのような構造において、第1の捻り段階において特定の方向に個々のヤーンを捻り、中撚り(第2の捻り)段階において反対方向にヤーンを撚る(プライする)ことが知られている。従来そのような目的のためのそのような構造において、それは平衡撚りを得るため捻り及び撚り作業を行うことが望ましいことがわかる。すなわち、その配置は、コードが開ループに保持されるとき、それ自体が撚られることの原因とならない。これは、例えば、プライド(撚り)コードにおける繊維方向が、コード自体の長手方向軸と同じとなり、かつ第1及び第2の撚りにおいて等しいが反対の捻り乗数を用いることにより説明されるように、第1及び第2の撚り作業を行うことによって達成される。
【0003】
特にしかし排他的でなくジェネレータ−スタータ装置のような現代の多機能自動車アプリケーションにおいて用いられるためのマルチVリブドベルトの分野において、ベルトの屈曲疲労抵抗及び荷重分担能力の双方に対する性能要求が劇的に増加している。ポリエチレンナフタレン(PEN)、ポリ(p−フェニレン−2、6ベンゾビスオキサゾール)(PBO)、アラミド、又は液晶ポリマー(LCP)を有する高弾性コードは、高荷重分担性能を呈することで知られているが、相対的に貧弱な屈曲疲労抵抗を呈することで知られている。試みは、例えば、プライドコードの代わりにブレイデッド(編み)コードを用いるようなコードから形成されるベルトの屈曲疲労抵抗を改善するためになされてきたが、そのような方法は一般的により高価であって、全体的なコード強度を低下する傾向があり、それにより素材の価値を滅却している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
荷重分担性能と屈曲疲労抵抗との良好なバランスを呈する無端ベルト、又は同様のゴム複合体に含まれる高弾性荷重分担コードに対する要求が残る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、無端ベルト、フレキシブルシャフトカップリング、エアスプリング、又はタイヤのようなゴム合成品に内蔵するための、複数の捻られたヤーンから形成されるプライドコードを備える荷重分担コードを提供し、捻られたヤーンは第1の捻り乗数に対応した形態を有し、プライドコードは第2の捻り乗数に対応した形態を有し、第2の捻りは第1の捻りとは反対方向であり、第2の捻り乗数に対する第1の捻り乗数の比は少なくとも1.5である。
【0006】
追加の実施形態において、本発明は、前記荷重分担コードを内蔵する、マルチVリブドベルト、Vベルト、フラットベルト、及び歯付きベルトから選択される無端動力伝達ベルトを提供する。
【0007】
他の実施形態において、マルチVリブドベルトは繊維から形成されるもののようなコードを内蔵して提供され、前記ファイバの少なくとも半分は、PEN、PBO、アラミド、LCP、及び複数のこれらの任意の組合せから選択される有機繊維を備える。
【0008】
また提供されるものは、1以上のベースヤーンの接着処理を選択的に行い、ストランドを形成するために、第1の捻り乗数を用いて1以上の前記ベースヤーンを一緒に第1の捻り方向に捻り、前記コードを形成するために、第2の捻り乗数を用いて1以上の前記ストランドを一緒に前記第1の方向と反対方向の第2の捻り方向に捻るステップを備え、少なくとも1.5:1の比により示されるように前記第1の捻り乗数は前記第2の捻り乗数よりも大きい荷重分担コードを有するベルトの形成方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
この明細書に含まれ、そして一部を形成する付随する図面は、この明細書と共に本発明の好ましい実施形態を表し、本発明の原理を説明するために役立つ。図において、同じ参照番号は同じ部品を示す。
【0010】
図において示された本発明の荷重分担コードを備えるものの実施形態はベルト、及びベルト駆動であるが、本発明による荷重分担コードは、タイヤ、空気スプリング、フレキシブルカップリング、及び動的負荷にさらされる他のゴム複合品において有用であることが予測される。空気スプリングにおける荷重分担コードの使用は、例えば米国特許第4954194号明細書において説明され、同じものについての公開の内容は参照によりここに援用される。フレキシブルカップリングにおける張力部材としての荷重分担コードの使用は、例えば米国特許第6283868号明細書において説明され、同じものについての公開の内容は参照によりここに援用される。タイヤにおけるカーカス及び/又はトレッド強化材のための荷重分担コードの使用は、例えば米国特許第3616832号明細書において説明され、同じものについての公開の内容は参照によりここに援用される。
【0011】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に対応するマルチVリブドベルト10が概略的に示される。マルチVリブドベルト10はエラストマメインベルトボディ部12、つまりアンダーコード、及びエラストマメインベルトボディ部12の内側周辺に沿って位置するシーブ接触部14を有する。本明細書において用いられる単語「シーブ」は、動力伝達ベルトと共に用いられる従来のプーリ及びスプロケット、及びローラそして類似の機構を含む。図1のベルトの特定のシーブ接触部14は、その間に向かい合うように対向する面を定める複数の溝領域38と互い違いである、隆起領域すなわち頂部36を備える複数のリブの形態である。図1、2各々の場合において、シーブ接触部14はメインベルトボディ部12と一体であり、後述する同じエラストマ材料から形成される。しかしながら、図3において、シーブ接触部14は、同期ベルトを形成する構成において従来用いられるような、以下より詳細に説明される、補強繊維24を備えるように理解され、本発明の実施形態において、メインベルトボディ部12の材料以外の材料により形成される。
【0012】
張力又は荷重分担コード部20は、ベルト10に支持及び強度を提供するためにアンダーコード12の上に置かれる。図示された形態において、張力部は、ベルトの長さに沿って整列され、以下詳細に説明される1以上の長手方向に延びる張力コード22を備え、そして、本発明の様々な実施形態に応じて、以下詳細に説明される接着ゴム部材18と少なくとも部分的に接触し、あるいは埋め込まれる。熟練した技術者は、図1から3の各々において、接着ゴム部材18が、ベルトの他のエラストマ部から視覚的に区別するために誇張された形態で図示されることをすぐに理解するであろう。実際上、硬化複合材料は、例えば接着ゴム部材18及びアンダーコードの一方及び全部が繊維含有である場合を除き、周囲のエラストマベルトボディ部からしばしば視覚的に区別不可能である。接着ゴム部材18は、実際はエラストマメインベルトボディ12と同じ材料から成る。
【0013】
強化繊維(図1に図示されない)は、任意に用いられ、Vベルト及びマルチVリブドベルトにおいてベルトに対するフェースカバー又はオーバーコードを形成するためにシーブ接触部14に向かい合うベルトの面に沿って親密に適合する。繊維は、任意の望ましい角度をなす縦糸及び横糸から成り、又はタイヤコード繊維により例示されるような離間ピックコードにより互いに支持される縦糸から成る従来の織り方のような任意の望ましい形態、又は編み、又は織り構造、又は不織構造すなわち紙又はプラスチックフィルム、及び類似のものをも採りうる。繊維は、エラストマメインベルトボディ12のそれと同じ又は異なるエラストマ成分で、摩擦コート又はスキムコートされる。繊維の複数の層が用いられる。好ましくは、繊維は切断され、さもなければ、ストランドがベルトの進行方向と一定の角度を形成するようバイアスに配置されるように形成される。そのような補強繊維の一実施形態が図2に図示され、ゴムスキムコートタイヤコード繊維29が誇張された形態で図示される。不織、すなわち紙材料の使用が、例えばパターソン(Patterson)らに付与された米国特許第6793599号明細書において説明され、同じものに関するその特許の内容は参照によりここに援用される。プラスチックフィルムの使用は、例えば米国特許出願公開第20020187869号明細書において説明され、同じものに関する公知文献の内容は参照によりここに援用される。
【0014】
図2を参照すると、スタンダード切欠Vベルト26が図示される。Vベルト26は図1に図示されるものと類似のメインエラストマベルトボディ部12を有し、そして、任意の接着ゴム部材18に埋め込まれる1以上の張力コードの形態を採る、図1に図示されるものと類似の張力又は荷重分担部20を有する。Vベルト26のメインエラストマベルトボディ部12、接着ゴム部材18、及び荷重分担部20は、図1について前述された物と同じ材料から構成されうる。
【0015】
Vベルト26は、図1のマルチVリブドベルト10におけるような、シーブ接触部14をまた有する。エラストマメインベルトボディ部12の、つまり図示されたVベルトの場合には圧縮部の側面は、ベルト26の駆動面として提供される。図示された実施形態において、シーブ接触部14は、交互V字状凹面すなわち谷28及び歯状突起30の形態を採る。これらの交互凹面28及び突起30は、好ましくは、シーブ接触部14が動作する間にプーリの周囲を通過するとき、曲げ応力を分散し、最小化する働きをする図示されたような、略正弦曲線軌道をたどる。
【0016】
図示された実施形態において、Vベルト26はローエッジベルトの形態であるが、前述の強化繊維29は、図示されるようなベルトのためのフェースカバー又はオーバーコードとして、又はバンデッドVベルトを形成するためにベルトを完全に包み込むように、さらに用いられる。
【0017】
図3を参照すると、歯付きベルト32が図示される。歯付きベルト32は、図1及び2のベルトの場合、メインエラストマベルトボディ部12及びシーブ接触部14を有し、そして図1及び2のベルトについて前述したように荷重分担部20をまた有する。しかしながら、同期ベルト(シンクロナスベルト)32に対し、シーブ接触部14は交互歯16及び陸部19の形態である。図1及び2のベルトについてさらに前述されたように、強化繊維24が用いられ、この場合において、その結果フェースカバーを形成するようにベルト32の交互歯16及び陸部19に沿って密接に取り付けられる。
【0018】
前述の図1から3のそれぞれの場合において、メインベルトボディ部12は任意の従来の材料及び/又は適切な硬化エラストマ成分から成り、そして任意の接着ゴム部材18に関して後述されるものと同じ又は異なるものから成る。この目的のために用いられる適切なエラストマは、例えばポリウレタンエラストマ(ポリウレタン/ウレアエラストマをも含む)(PU)、ポリクロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、水素化NBR(HNBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アルキルクロロスルホン化ポリエチレン(ACSM)、ポリブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR)、及びエチレンプロピレン共重合体(EPM)、エチレンプロピレンジエン三元重合体(EPDM)、エチレンオクテン共重合体(EOM)、エチレンブテン共重合体(EBM)、エチレンオクテン三元重合体(EODM)といったエチレンアルファオレフィンエラストマ、及びエチレンブテン三元重合体(EBDM)、エチレンビニルアセテートエラストマ(EVM)、エチレンメチルアクリレート(EAM)、及びシリコンゴム、又はこれらの複数の化合物を含む。
【0019】
本発明の実施形態に応じてエラストマベルトボディ部12を形成するために、エラストマは、賦形剤、可塑剤、安定剤、硫化促進剤/薬剤、及び硬化促進剤を含む従来のゴム配合剤と、従来用いられた量で混合される。例えば、エチレン−アルファ−オレフィンエラストマ及びHNBRのようなジエンエラストマと用いるため、1以上のアルファ−ベータ有機酸の金属塩が、結果物の動的性能を改良するため従来用いられる量で用いられる。このように、亜鉛ジメタクリレート及び/又は亜鉛ジアクリレートは約1から50phrまで、又は約5から30phrまで、あるいは約10から約25phrでそのような組成物に用いられる。これらの材料は、組成物の密着性にさらに寄与し、この技術分野においてよく知られているような、イオン架橋を介する過酸化物又は同種の薬剤による硬化時にポリマの全体の架橋密度を増加する。
【0020】
当業者は、ベルトのエラストマ部の中に、あるいはエラストマ部として用いるための、任意の数の適切な組成物をすぐに理解する。多くの適切なエラストマ組成物が、例えばR.T.バンダービルト・ラバー・ハンドブック(R.T.Vanderbilt Rubber Handbook)(13版、1996年)で説明され、EPM又はEPDM組成物及び高引張係数特性を有するような組成物は米国特許第5610217号明細書、及び米国特許第6616558号明細書それぞれにおいて説明され、それらの内容は、動力伝達ベルトボディ部の形成過程で用いられるに適した様々なエラストマ組成物に関し、参照によりここに援用される。さらに、本願の各種の実施形態の実施において用いられるいくつかの鋳造PU組成物に関し、そのような組成物は例えばウー(Wu)らによる国際公開第09692584号で説明され、同じものに関する国際特許出願の内容は参照によりここに援用される。
【0021】
自動車の補機駆動アプリケーションに関連する本発明の実施形態において、エラストマベルトボディ部12は、接着ゴム部材組成物として用いられるようなものと同じ又は異なる組成物である、EPM、EPDM、EBM、又はEOM組成物といった、適切なエチレンアルファオレフィン組成物により形成される。
【0022】
エラストマメインベルトボディ部12はさらに、一般に用いられる量で、短繊維又はきざまれた繊維、毛の房又はパルプといった形態の綿、ポリエステル、ファイバグラス、アラミド、及びナイロンを含むがこれらに限定されない材料を用いる、公知であるような不連続繊維が充填され得る。(例えば切断又は研磨により)輪郭が作られたマルチVリブドベルトに関する好ましい実施形態において、そのような繊維充填は、ファイバのかなりの部分がベルトの進行方向を略斜行する方向に横たわるように形成され、配置されるように、好ましくは形成され、配置される。モールドされたマルチVリブドベルト及び/又は同期ベルトは流入法により作られるが、ファイバ充填は一般的に同じ角度の配向性を欠く。
【0023】
本発明の一実施形態に従い、図1から3に関する前述のいくつかの実施形態において説明されたような複合ベルト構造の中の荷重分担コードと少なくとも部分的に接触して使用されるための硬化組成物は、前述の米国特許第6616558号明細書において詳細に説明された、その特徴及び利益を選択的に有し、その内容は参照によりここに援用される。
【0024】
動作中に、例えば図1から3において図示されたようなベルトは、図示されたようなアイドラプーリ46と任意に組み合わされ、ベルトドライブ40を形成するため、図4に概略的に例として図示されるような少なくとも1つの駆動プーリ42及び1つの従動プーリ44に掛け回される。
【0025】
次に、本発明に従って荷重分担コードの説明をすると、一般に、荷重分担部20のコード22は、綿、レーヨン、アラミド、ナイロン(ナイロン4−6及びナイロン6−6を含む)、ポリエステル、ファイバグラス、カーボンファイバ、ポリイミド、鋼、超高分子ポリエチレン等を含む、任意の適切な及び/又は公知の物質から成るが、ある実施形態においては、それは、PEN、PBO、アラミド、又はLCPのような相対的に高弾性の有機繊維により形成される。本発明の一実施形態に従い、荷重分担コードは、以下更に説明されるようなコードへと適切に整えられ、形作られるヤーンへと適切な及び/又は従来の技術により整えられ、形作られる、PEN、PBO、アラミド、又はLCPの1以上のベースヤーンから成り、そしてコードは螺旋状に包まれ、ベルトのエラストマ部、例えば、接着部材が省略され、又はメインベルトボディと同じ材料である場合には接着ゴム部材18又はメインベルトボディ部12の少なくとも一部と接触するように、あるいは内蔵されるようにおおよそ配置され、そして、縦方向に、すなわち無端ベルト又は類似のゴム合成品の進行方向に延びる。
【0026】
他の実施形態において、本発明の荷重分担コードは重量で少なくとも50%のPEN、PBO、アラミド、又はLCPの繊維又はヤーン、及び重量で50%までの任意の適切な又は従来の材料による繊維又はヤーンを備える。ヤーン又は繊維の各々は、ヤーン又はコード製造工程の任意のステージで混在され、共撚りされ、共に捻られうる。
【0027】
アラミドによって、パラ位、又はメタ位のいずれかで2つのベンゼン環に直接取り付けられるアミド連鎖を有する長連鎖合成ポリアミドが意味される。本発明において、使用は、例えば、PPD−T、ポリ(p−ベンズアミド)、コポリ(p−フェニレン、3,4−オキシジフェニレンテレフタルアミド)又は類似のものによりなされる。PPD−Tにより、p−フェニレンジアミン及びテレフタノール塩化物の1対1のモル比(モル−フォア−モル)による重合に由来するホモポリマー、並びにp−フェニレンジアミンと少量の他のジアミンの混和及びテレフタノール塩化物と少量の二塩基酸塩化物の混和に由来するコポリマが意味される。この発明の実施に適した市販のアラミド繊維は、帝人株式会社(Teijin Limited)による商標テイジンコネックス(TEIJINCONEX)、テクノーラ(TECHNORA)、及びトゥワロン(TWARON)の下で、そしてE.I.デュポン・ド・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I.DuPont de Nemours and Company)による商標ノーメックス(NOMEX)、ケブラ(KEVLAR)の下で販売されるものを含む。
【0028】
適切な市販のLCP繊維は、セラネーゼ・アセテート・LLC(Celanese Acetate LLC)及び株式会社クラレ(Kuraray Co.,Ltd.)により商標ベクトラン(VECTRAN)の下で販売される液晶ポリエステル−ポリアリーレート繊維である。PBOは東洋紡(Toyobo Co.,Ltd.)により商標ZYLONの下で販売される。PENはハネウェル(Honeywell International Inc.)により商標PENTEXの下で販売される。PENは帝人(Teijin Limited)、インビスタ(INVISTA)、ヒョースン(Hyosung Corporation)によっても販売される。
【0029】
様々な術語はヤーン及びコードの捻りを説明するために技術的に用いられる。この文脈において、「ベースヤーン」は、捻られたヤーン又は捻りのない糸を含む、ベースヤーン製造業者から入手されたときの形態において、糸状体又は繊維の束を引用する。「ストランド」又は「ヤーン」又は「プライ」は、コードの形成における中間のステップとして曲げられ、又はねじられ、又は撚られ、又は綱編みされている単数又は複数のベースヤーンを引用する。「コード」は、コードの形成における最終ステップにおいて、一緒にねじられ、又は撚られ、又は綱編みされている、1以上のストランド、プライ、ヤーンを引用する。術語「捻り乗数」又は「TM」は、本発明の実施に用いられるときに捻り特性を説明するために用いられ、ヤーンの番手の平方根に対する1インチ当たりのねじれ数(TPI)の比として定義される。ヤーンの番手は、9000メータ当たりのグラムにおける最終デニールに対する5315の比として定義される。このように、以下の式が捻り乗数を定義する。
(式1)

【0030】
先行技術は、撚り合わせ/撚りを最適化し、かつ公知の手段に従って編むことにより例えばPEN、PBO、アラミド、又はLCPを備える高弾性コードの屈曲疲労抵抗を改善しようとし、経験則はコード強度及び/又は弾性の減少をもたらすことがわかる。例えば、編みは一般にコード強度を減少するが弾性を減少せず、その一方で、従来の高次撚りの適用は強度及び弾性双方を減少する。他方、十分な強度及び弾性を得るための公知の手段によりコードを最適化することは、屈曲疲労抵抗を減少することになる。特に、従来の平衡撚りアプローチにおいて、第1のTMはストランドを形成するため単数又は複数のベースヤーンに適用される。そしてストランドは、コードを形成するための第1の捻り乗数と同等の大きさかつ反対方向に第2の捻り乗数を用いて撚り合わされる。そのような従来の捻りコードの疲労抵抗は、PEN、PBO、アラミド、又はLCPといった高弾性材料に要求されるほど高くない。
【0031】
本発明は、第1の捻りが第2の捻りよりも大きい不平衡捻りでコードを製作することにより、これらの問題を克服するものである。本発明の一実施形態は、第2のTMに対する第1のTMの比、及びそれぞれの捻りステージに対する反対の捻り方向を特定する。より適切には、少なくとも1以上のベースヤーンが、約2から約9、又は約3から約6、又は約4.5から約5.5の範囲にある第1のTMに応じ、第1のステージにおいて始めに一緒に捻られ、そしてその後、少なくとも1以上のこのように捻られたストランドが、約0.5から約6、又は約1から約5、又は約1.5から約3.5の範囲にある第2のTMに応じ、第2のステージにおいて一緒に捻られるが、第2のTMに対する第1のTMの比は、約1.5よりも大きいか、あるいは約1.5から約4まで、又は約2から約3までの範囲である。
【0032】
第2の実施形態に応じて、本発明は、第1のTMと第2のTMとの差、及びそれぞれの捻りステージに対する反対の捻り方向を特定する。より適切には、1以上の未加工のヤーンが、約2から約9、又は約3から約6、又は約4.5から約5.5の範囲にある第1のTMに応じ、第1のステージにおいて始めに一緒に捻られ、そしてその後、少なくとも1以上のこのように捻られたストランドが、約0.5から約6、又は約1から約2.5、又は約1.5から約2.25の範囲にある第2のTMに応じ、第2のステージにおいて一緒に捻られるが、第1のTMと第2のTMとの差は、約0.5よりも大きいか、あるいは約0.5から約4まで、又は約1から約3までの範囲である。
【0033】
コードの製作における第1及び第2のTMを説明するため、”2×6”=2の第1のTM及び6の第2のTM、という仕様がここに理解される。コードの製作において用いられるベースヤーン及びストランドの数を説明するため、”y−n/m”=コードのmストランドの各々の端部形状に対するyデニールのベースヤーンの整数n、という仕様がここに理解される。このように、第1の捻りステップ後のトータルストランドサイズ(デニール)は、yにnを乗じた解である。このように、第2の捻りステップ後のトータルコードサイズ(デニール)は、yにnを乗じてmを乗じた解である。
【0034】
ベースヤーンサイズは本発明の実施に限定されないが、製造者からのベースヤーンの入手可能性によってのみ限定される。最終コードサイズは、本発明の実施において特に限定されないが、公知であるように、n及びmの適切な選択による特定のアプリケーションに対する要求として制御されうる。しかしながら、非常に多くの最終製品のための装備及び搬送コストが増加するため、n及びmの選択における実用的な上限がしばしば存在する。このように、nは1から約10までの範囲にあり、mは1から約12の範囲にある。本発明の一実施形態において、約400デニールから約3000デニールまでのベースヤーンが用いられ得る。このように、第1の捻りステップ後のストランドサイズは約400から約30000デニールまでの範囲にあり、第2の捻りステップ後のコードサイズは約400から約360000デニールの範囲にある。
【0035】
図7を参照すると、本発明の一実施形態によるゴム合成品を強化するための荷重分担コード22の一部の概略側面図が図示される。図示の目的に対し、複数のフィラメント1を備える2つのベースヤーン2は、フィラメント方向F及びストランド3をもたらす第1の方向に捻られる。任意の好適な数のベースヤーンが用いられる。図示の目的のために、3本のストランド3が第1の方向と反対の第2の方向に一緒に捻られ、ストランド又はプライ方向Pをもたらす。任意の好適な数のプライが用いられうる。第1の捻りが第2の捻りよりも大きい、不平衡捻りが用いられるため、プライ方向P及びフィラメント方向Fはコード方向Cと平行でなく、それらは反対方向にコード方向Cから分岐する。
【0036】
ストランド及びコードを捻り及び撚り合わせるために用いられる方法及び機械は特に限定されない。好適なテキスタイル撚糸機は、例えば、リング撚糸機、ダブルツイスター、ダイレクトケーブラー、及び公知の任意の他の撚糸機を含む。
【0037】
本発明の一実施形態に従って、荷重分担コードは、公知であるような品物の周囲のエラストマ成分に対する接着力を構築し又は改良するために、任意の好適な及び/又は従来の材料及び応用処理を用いて1以上の接着組成物と共に取り扱われる。例えばコードは、フィラメントを互いに接着するため、及びベルトのエラストマ部に対してコードの接着を促進するために1又は複数の接着剤と共に用いられる。一実施形態に応じて、コードは、ポリイソシアネート及びエポキシ化合物のような水性基剤又は溶媒基剤のプライマと共に始めに取り扱われる。取り扱われたコードは、その後、レゾルシノールホルムアルデヒドラテックス(RFL)といった他の従来の及び/又は他の好適な接着剤と共に取り扱われる。それぞれの取り扱いの後、コードは一般に、接着剤を乾燥及び硬化させるため、1000℃から2900℃の温度で1つのオーブン又は一連のオーブンを通過する。任意にコードは、更なる接着力改善を目的として、付加的な上塗り接着剤、例えば、ロードコーポレーション(Lord Corporation)による商標CHEMLOKの下で入手可能なもの、又は他の好適なラバーセメントといった、水性媒質中のエマルジョン、顔料、硬化剤の混合物、又は溶媒溶液中に溶かされたポリマと顔料及び硬化剤の混合物と共に取り扱われる。
【0038】
代わりに、例えば、周囲のエラストマ成分がキャスタブルPUエラストマから成るとき、そのような処理はプライマの塗布に限定され、さらに完全に修正されあるいは除去される。任意の好適なコード処理が用いられ得るが、例えば米国特許第5807194号明細書はキャストPU基剤の無端ベルトにおいて用いられるためのコードの処理に関する方法を開示し、これによって明らかとなった内容は参照によりここに援用される。
【0039】
任意の好適な及び/又は従来の手段は、本発明の様々な実施形態に従ってベルトを形成するために用いられ得る。例えば、非キャスタブルベルトエラストマ、すなわち、ファイバ充填あり、なしいずれかのミラブルゴムが用いられる場合には、ベルト形成ステップは、歯またはリブまたは刻みを形成するための溝部を有する適切に構成されたモールドキャビティの中、又は好適に構成されたベルト形成ドラム又はマンドレル上に前述のように任意的な繊維カバーを置くステップと、例えば繊維に対し1以上の張力コードを螺旋状に巻き取ることにより、繊維カバー要素の第2の面に対して荷重分担コードを配置するステップと、張力部材に対してエラストマ材料を配置するステップと、既知の構造の要求に応じ、張力部材、及び/又はこの張力部材に対してエラストマ材料の追加の代替配列を配置するステップと、エラストマ材料を硬化又は硫化するために十分な温度及び圧力を加えるステップと、モールドキャビティ又はマンドレルからアセンブリを取り除くステップとを有する。
【0040】
例えば、例えば歯付きPUベルト製造においてキャスタブルベルトボディ部が用いられる場合には、形成ステップは、繊維カバー要素の第1の面が溝モールド部に隣接するような手段で溝モールド部の表面に対して防水布を任意的に覆うステップと、例えば布に対して1以上の張力コードを螺旋状に巻き付けることにより、防水布に対して荷重分担コードを適用するステップと、モールドキャビティ内に略液状エラストマ材料を導入するステップと、このように形成される生成物を重合するステップとをさらに有する。そのようなベルトの歯部は、曲線、台形、その他を含む、任意の好適な形状を有しうる。
【0041】
マルチVリブド無端ベルトの形成において用いられるとき、ここに説明されるような、本発明の様々な実施形態に応じて構成される荷重分担コードは、従来の荷重分担コードを組み込む類似のベルトよりも屈曲疲労抵抗属性がかなり改善されるそのようなベルトをもたらす一方で、荷重分担能力レベルを略維持することがわかる。
【実施例】
【0042】
本発明の様々な利益を説明するために、それらの荷重分担コードの形成において用いられる第1及び第2のステージ捻りに応じた捻り乗数の特有の組合せを除き、互いに略同一である多くの無端マルチVリブドベルトが形成される。それぞれの場合において、ベルトは3つのリブを含み、アンダーコードはどの場合でも、前述の米国特許第5610217号明細書において概略的に説明されたような従来のEPDM基剤の組成物であり、荷重分担コードが埋め込まれる接着性ゴムは同様に、前述の米国特許第6616558号明細書において概略的に説明されたような従来のEPDM基剤の組成物である。表2における例示及び比較のベルトは、表1のベルトよりも高い弾性の接着ゴム及びアンダーコード製法を備える。
【0043】
さらにそれぞれのベルトは従来の繊維裏当てを有する。本発明の一実施形態に応じて構成されるベルト及び先行技術の従来のベルトに対し、荷重分担コードはどの場合にも1000−1/4として識別される4000デニールのパラアラミドであり、1000デニールベースヤーンは、第1のTMでZ方向に一つ一つ始めに捻られ、4つのこの捻られたストランドはその後第2のTMで反対方向に重ねられ捻られる。ベースヤーンは、デュポン(DuPont)による商標のもとで販売されるケブラ(KEVLAR)(K−119)(比較例A−C及び例1)、又は帝人(Teijin)による商標のもとで販売されるトゥワロン(Twaron)(比較例D及び例2)のどちらかである。ベルト例及び比較例における第2のTMに対する第1のTMの関係は、以下表1及び2において、その都度、提供される。
【0044】
それにより形成される表1におけるヤーン及びコードは、イソシアネート基剤プライマのヤーンに対する第1のアプリケーションを備える前述のような従来の3ディップ接着剤システムを用い、周囲のベルト材料と相性の良い従来のRFLのヤーンに対するアプリケーションにより、そしてその後、商標ケムロック(CHEMLOK)の下でロードコーポレーション(Lord Corporation)から入手可能である接着組成物の捻りコードに対するアプリケーションにより理解される。表2におけるベルトでは、エポキシ基剤のプライマはイソシアネート基剤のプライマに置換される。
【0045】
ベルトは、形成、加硫、切削、形状加工、反転という従来の手段に従い、滑らかなマンドレル上で反転されて構築される。
【0046】
それぞれのベルトに対し、以下表1及び2において図示される「張力強度」は、重量ポンドで新しいベルトの全体ベルト破壊強度を報告する、ASTM D885に従って決定され、「耐久性」は図5に表される試験形態を用いて決定及び以下更に説明され、ベルト「屈曲疲労抵抗」は図6に表される試験形態を用いて決定及び以下更に説明される。
【0047】
耐久力の分析のために、1200mm長のベルトは、図5において概略的に図示される、2つのマルチグルーブ主プーリ50、52、マルチグルーブインナーテンショニングアイドラ54、及びバックサイドアイドラ56の周囲に掛け回される。2つの主プーリは直径が120.7mmであり、バックサイドアイドラは直径が76.2mmであり、テンショニングアイドラは直径が44.5mmである。ベルトは、張力コード破断又はゴム塊化により証明される障害発生時点までの77.1kgの一定の水平張力での24.7Nmのトルクで、力12.7kW、100℃で4900rpmで駆動されるプーリ50と共に動かされる。ベルトのそれぞれの形式の2つの試験の時間における平均ベルト寿命は、「耐久力」として報告される。
【0048】
屈曲疲労抵抗分析に対し、1200mm長ベルトは、図6に概略的に図示されるように、2つのマルチグルーブプーリ60、63及び4つのフラットアイドラ61、62、64、65の周囲に掛け回される。マルチグルーブプーリは直径が38mmであり、フラットアイドラ62、64は直径が50.8mmであり、フラットアイドラ61、65は直径が17.5mmである。ベルトは、ベルトが張力強度検査のために動かされる22時間の間、63に加えられる45.4kgの一定の垂直張力で、大気温度で8200rpmで駆動されるプーリ60と共に動かされる。ベルトのそれぞれの形式の5又は6の試験に対する張力強度の平均パーセント保持率は、「屈曲疲労抵抗」として報告される。
【0049】
【表1】

【0050】
表1における結果は、5x2TMコード構造を有する実施形態1のコードは、2x5コードを有する比較例Bより全体として良好であり、次に4x4コードを有する比較例Cよりも良好であることを示す。これは、当業者が比較例C4x4構造により実証されるような平衡撚りを一般的に得ようとするため、予期されないものである。5x2構造の耐久力、282時間は、4x4の157時間よりも大きいが、2x5の295時間と略同じである。本発明による5x2構造の比較例4x4及び2x5の両者に対する優位性は、5x2構造が比較例のいずれよりもかなり大きい91%の強度保持率を有する、屈曲疲労抵抗結果において特に明らかである。
【0051】
比較検査の第2ラウンドにおいて、5x2コード及び2x5コードを備える表1から2つの最良の構造が組み直され、再検査され、そして結果が表2に報告される。前述の接着剤処理及びベルト構成材料における相違は、再度述べるが、比較される2つの構造がコード捻りを除き同一であるように適用される。再度述べると、実施例2に包含される発明の実施形態は、比較例Dに対して全体的に性能が改善される。耐久力は、実施例2及び比較例Dの双方が同程度だが、屈曲疲労抵抗は実施例2の独創的な5x2構造がかなり大きい。このように、本発明は、耐久力及び屈曲疲労抵抗のバランスが大きく改善された5x2の不平衡撚り構造を有する高弾性コードを提供する。
【0052】
【表2】

【0053】
提供された図は、EPDMベルトボディ部を有するマルチVリブドベルトを特に説明するが、当業者は、本発明がそのように限定されないことをすぐに理解するであろう。本発明の利益は、高耐久性(すなわち荷重分担能力の保持率)及び耐屈曲性の双方を必要とする任意のアプリケーション、例えば多機能自動車アプリケーション、例えばジェネレータスタータアセンブリ、及び補機駆動アプリケーションに用いられるベルトのようなアプリケーション、HNBR又はPUにより形成される自動車及び工業用タイミングベルト、タイヤ、フレキシブルカップリング、エアスプリング等において導き出される。このように、第1の捻り乗数が第2の捻り乗数よりも大きい不平衡撚りを用いて動力伝達ベルトの荷重分担コードを構成することにより、一実施形態における本発明は、先行技術に従って構成されるベルトと比較して、動力伝達ベルトの屈曲疲労抵抗及び耐久力の双方を増加する手段を提供する。
【0054】
本発明は説明の目的のために詳細に説明されたが、そのような詳細は単に説明の目的のためであり、特許請求の範囲の記載により限定されるものを除き、本発明の範囲と精神とから逸脱することなく、当業者によって変形が施されうることが、理解されるべきである。ここに開示された本発明は、ここに明確に開示されない任意の要素を欠いても、適切に実施されうるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に応じて構成されたマルチVリブドベルトの一部の断面部分の斜視図である。
【図2】本発明の他の実施形態に応じて構成されたVベルトの一部の断面部分の斜視図である。
【図3】本発明の他の実施形態に応じて構成されたシンクロナスベルトの一部の断面部分の斜視図である。
【図4】本発明の他の実施形態による駆動アセンブリにおける2つのプーリに掛け回される図1のベルトの概略図である。
【図5】本発明の一実施形態の説明において用いられる耐久力検査構成の概略図である。
【図6】本発明の一実施形態の説明において用いられる屈曲疲労抵抗検査構成の概略図である。
【図7】本発明の一実施形態に応じて構成された荷重分担コードの一部のほぐされた断面部分の概略側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラストマベルトボディと、前記ボディに内蔵された荷重分担コードとを備え、
前記コードは、複数のヤーンを備え、第1の捻り乗数及び第1の捻り方向に対応する第1の捻りを有し、前記第1の捻り方向と反対方向の第2の捻り乗数に対応する第2の捻りを有し、
前記第2の捻り乗数に対する前記第1の捻り乗数の比は約1.5よりも大きいことを特徴とする無端ベルト。
【請求項2】
前記ベルトボディは鋳造ウレタンを備え、前記ベルトはマルチVリブドベルト、Vベルト、歯付きシンクロナスベルト、及びフラットベルトから選択される請求項1に記載のベルト。
【請求項3】
マルチVリブドベルトの形態である請求項1に記載のベルト。
【請求項4】
前記第2の捻り乗数は1.8よりも大きく、3.5よりも小さい請求項1に記載のベルト。
【請求項5】
前記第1の捻り乗数は約4から約6の範囲にあり、そして前記第2の捻り乗数は約1.8よりも大きく、約3.5よりも小さい請求項1に記載のベルト。
【請求項6】
前記比は約4以下である請求項1に記載のベルト。
【請求項7】
前記ヤーンは複数の繊維を備え、前記繊維の少なくとも半分はポリエチレンナフタレート、ポリ(p−フェニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール)、液晶ポリエステル−ポリアリーレート、及びこれらの化合物からなる群より選択される一の有機繊維を備える請求項1に記載のベルト。
【請求項8】
前記第1の捻り乗数は約2から約9の範囲にあり、そして前記第2の捻り乗数は約0.5から約6の範囲にある請求項2又は3に記載のベルト。
【請求項9】
前記ヤーンは複数の繊維を備え、前記繊維の少なくとも半分はアラミド、パラアラミド、メタアラミド、ポリエチレンナフタレート、ポリ(p−フェニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール)、液晶ポリエステル−ポリアリーレート、及びこれらの化合物からなる群より選択される一の有機繊維を備える請求項2又は3に記載のベルト。
【請求項10】
少なくとも1つの駆動プーリ及び少なくとも1つの従動プーリに掛け回される請求項1のベルトを備えるベルトドライブ。
【請求項11】
改善された屈曲疲労抵抗を有し、ベルトボディ部と、高弾性有機繊維のベースヤーンを備える荷重分担コードとを備え、前記コードは前記ベルトボディに内蔵され、
ストランドを形成するために、1以上の前記ベースヤーンを共に第1の捻り乗数を用いて第1の捻り方向に捻るステップと、
前記コードを形成するために、1以上の前記ストランドを共に第2の捻り乗数を用いて前記第1の方向と反対方向の第2の捻り方向に捻るステップと、
少なくとも前記第2の捻り乗数の約1.5倍となるように前記第1の捻り乗数を選択するステップと
を備える無端動力伝送ベルトを形成する方法。
【請求項12】
前記第2の捻り乗数の約4倍以下となるように前記第1の捻り乗数を選択するステップをさらに備える請求項11に記載の方法。
【請求項13】
高弾性有機繊維のために、アラミド、パラアラミド、メタアラミド、ポリエチレンナフタレート、ポリ(p−フェニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール)、及び液晶ポリエステルからなる群より少なくとも1つの材料を選択するステップをさらに備える請求項12に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−536061(P2008−536061A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503261(P2008−503261)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/010976
【国際公開番号】WO2006/102641
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(504005091)ザ ゲイツ コーポレイション (103)
【Fターム(参考)】