説明

改良人工毛髪

【課題】本物の髪のように見え、しかも本物の髪のように感じられる改良人口毛髪を提供する。
【解決手段】主として、架橋結合性脂肪族ポリウレタンを基材とする被覆3を備えた合成材料支持体2から成ることを特徴とする改良人工毛髪である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良人工毛髪に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、一般に人工毛髪は本物の髪のように見えず、また本物の髪のように感じられず、そのため、人工毛髪は自然な印象を与えず、人がそのような人工毛髪製のかつらを着けているということがすぐにわかることが多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、本物の髪のように見え、しかも本物の髪のように感じられる改良人工毛髪を提供することによって、前記およびその他の欠点を排除することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的のために、本発明は、主として、架橋結合性(cross-linkable)脂肪族ポリウレタンを基材とする被覆を備えた合成材料支持体から成ることを特徴とする改良人工毛髪に関する。
【0005】
架橋結合性という言葉は、その脂肪族ポリウレタンが適当な処理の範囲内で橋かけ結合を形成する可能性を与えるということを意味する。
【発明の効果】
【0006】
被覆により、非被覆乾燥人工毛髪とは異なり、外観、反射、および光沢に関する限り、健康な天然毛髪とまったく同じように、色合いをより自然に見せることができる。
【0007】
本物の毛髪と似ているという利点のほかに、この改良人工毛髪には、被覆が毛髪の洗浄または櫛で梳くことによって摩耗することがなく、また被覆が化学物質に対して抵抗性があり、したがってこの人工毛髪が長期間にわたって自然な外観を保持する、というもう一つの利点がある。
【0008】
本発明のもう一つの目的は、前記の改良人工毛髪を製造する方法を提供することであって、合成材料支持体に架橋結合性の脂肪族ポリウレタンを基材とする液体被覆を少なくとも一回施すことを特徴とする方法を提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の特徴をさらに十分に説明するために、本発明による改良人工毛髪の好ましい実施形態について、添付の図面を参照しつつ説明する。この実施形態は単なる例であり、いかなる意味でも本発明を限定するものではない。
【0010】
本発明の改良人工毛髪1は、主として、被覆3を備えた円形横断面を有する合成材料支持体2から成る。
【0011】
前記合成材料支持体2は、たとえば、ポリエステル、たとえば、ポリエチレンまたは好ましくはポリエチレンテレフタレートすなわちいわゆるPETPから成る。
【0012】
本発明による前記被覆3は、架橋結合性の脂肪族ポリウレタンを基材として作られている。
【0013】
本発明によれば、前記被覆3には、塗布時に、シンナー、分散剤、乾燥時間短縮剤(accelerator)、硬さを決定する物質(means)、反射に影響する物質(means)、その他の形の一つ以上の添加剤を加えることもできる。
【0014】
この改良人工毛髪1の太さは、1/10〜4/100 mmの範囲にある。
【0015】
図3は、本発明の改良人工毛髪1の変形を示し、この場合、横断面は楕円形である。
【0016】
図4は、本発明の改良人工毛髪のもう一つの実施形態を示し、この場合、横断面はいわゆる“二円眼鏡形(double round glass shape)”である。
【0017】
明らかに、本発明の改良人工毛髪1の横断面は、これらの図に示す形のみには限定されない。
【0018】
本発明は、また、本発明の改良人工毛髪1を製造する方法にも関する。この方法では、合成材料支持体2に、架橋結合性の脂肪族ポリウレタンを基材とする液体被覆を少なくとも一回好ましくは数回施す。
【0019】
この被覆は、合成材料支持体を、被覆材料の溶液内を通して引っ張ることによって実施される。
【0020】
この被覆は、専用装置によって機械的なやり方で実施され、一本の糸が、いわゆる“単糸被覆”法により、被覆機を通して引っ張られる。
【0021】
被覆のあと、好ましくは10秒〜10分の乾燥時間が与えられ、このとき、本発明の改良人工毛髪1は50〜200℃の温度にさらされる。そのあと、毛髪1はさらに24時間硬化させられる。
【0022】
本発明は、決して、例として説明し、添付の図面に示した実施形態に限定されるものではなく、逆に、本発明の前記改良人工毛髪は、本発明の範囲を逸脱することのない、あらゆる種類の形状と寸法とで作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明による改良人工毛髪の縦断面図である。
【図2】図1の線II−IIに沿う横断面の拡大図である。
【図3】図2の改良人工毛髪の変形を示す。
【図4】図2の改良人工毛髪の変形を示す。
【符号の説明】
【0024】
1 改良人工毛髪
2 合成材料支持体
3 被覆

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主として、架橋結合性脂肪族ポリウレタンを基材とする被覆(3)を備えた合成材料支持体(2)から成ることを特徴とする改良人工毛髪。
【請求項2】
前記合成材料支持体(2)がポリエステルから成ることを特徴とする請求項1に記載の改良人工毛髪。
【請求項3】
前記合成材料支持体(2)がポリエチレンから成ることを特徴とする請求項2に記載の改良人工毛髪。
【請求項4】
前記合成材料支持体(2)がポリエチレンテレフタレートから成ることを特徴とする請求項2に記載の改良人工毛髪。
【請求項5】
被覆材料が下記の添加剤、
−乾燥時間短縮剤
−シンナー
−分散剤
−硬さを決定する物質
−反射に影響する物質
の一つ以上をも含みうることを特徴とする請求項1に記載の改良人工毛髪。
【請求項6】
人工毛髪(1)の太さが1/10〜4/100 mmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の改良人工毛髪。
【請求項7】
前記請求項の一つ以上に記載の改良人工毛髪を製造する方法であって、
合成材料支持体(2)に架橋結合性の脂肪族ポリウレタンを基材とする液体被覆を少なくとも一回施すことを特徴とする方法。
【請求項8】
合成材料支持体(2)が架橋結合性の脂肪族ポリウレタンで数回被覆されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
被覆のあと、10秒〜10分の乾燥時間が与えられることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
乾燥工程中の温度が50〜200℃に達することを特徴とする請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−37331(P2006−37331A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−182855(P2005−182855)
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(505237662)タワーフィールド エンタープライゼズ リミテッド (3)
【Fターム(参考)】