説明

放射線検査装置、放射線検査方法および放射線検査プログラム

【課題】簡易な構成によって3次元CTとラミノグラフィとの双方を実施可能にすることができなかった。
【解決手段】放射線発生器によって放射線を検査対象に照射し、前記放射線の照射範囲内の所定平面上で前記検査対象を移動させ、前記検査対象を透過した透過放射線を放射線検出器によって取得し、前記検査対象に対する設定に応じて、前記放射線発生器の焦点を通る直線を回転軸とした回転軌道上で前記放射線検出器を回転させる軌道回転と、前記所定平面に平行な直線に沿って前記放射線検出器を移動させる直線移動とのいずれかを実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線検査装置、放射線検査方法および放射線検査プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、X線等の放射線によってバンプ等の検査対象を検査する技術として、3次元CTによる解析やラミノグラフィによる解析が知られている。(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−121633号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来の放射線検査装置においては、簡易な構成によって3次元CTとラミノグラフィとの双方を実施可能にすることができなかった。
すなわち、従来の放射線検査装置においては、検査対象と検出器との双方をX−Y平面上で移動させるX−Yステージを構成しており、X−Yステージによる直線的な移動を繰り返して検出器を回転させる構成を採用している。X−Yステージは、一般的に回転以外の運動をも想定した機構であり、また、少なくとも2個の駆動源が必要であって、構成が複雑となる。従って、検査対象と検出器との双方をX−Yステージによって駆動する装置は、その構成が極めて複雑になる。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたもので、簡易な構成によって3次元CTとラミノグラフィとの双方を実施可能な放射線検査装置、放射線検査方法および放射線検査プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を達成するため、本発明では、所定平面上で検査対象を移動できるように構成し、当該検査対象を透過した透過放射線を放射線検出器によって取得するにあたり、放射線発生器の焦点を通る直線を回転軸とした回転軌道上で前記放射線検出器を回転させる軌道回転手段と、前記所定平面に平行な直線に沿って放射線検出器を移動させる直線移動手段とを設けた。
【0005】
すなわち、本発明においては、前記回転軸を中心とした回転軌道上で放射線検出器を回転させることが可能であるので、放射線検出器の回転と検査対象の移動とを同期させ、異なる回転角における透過放射線画像を取得することにより、3次元CTによる検査対象の解析を実施することができる。また、放射線検出器を直線的に移動させることが可能であるので、放射線検出器の直線移動と検査対象の移動とを同期させ、異なる角度における透過放射線画像を取得することにより、ラミノグラフィによる検査対象の解析を実施することができる。
【0006】
ここで、3次元CTによる解析を行うために必要な透過放射線画像の撮影やデータ処理の負荷は、ラミノグラフィによる解析を行うために必要な透過放射線画像の撮影やデータ処理の負荷より大きく、3次元CTの方が解析に時間がかかる。ただし、3次元CTによれば検査対象の3次元構造を示す情報を取得することが可能であるので、ラミノグラフィよりも詳細な解析を実施することができる。
【0007】
本発明によれば、一つの装置にて3次元CTによる解析とラミノグラフィによる解析との双方を実施することが可能である。従って、詳細な解析が必要な検査対象であれば3次元CTを実施し、詳細な解析を実施しなくても検査をすることができる検査対象であればラミノグラフィを実施することで、必要以上に時間をかけることなく必要充分な検査を行うことが可能である。
【0008】
すなわち、3次元CTのみを備える検査装置であれば、検査対象を詳細に解析することが可能であるものの、簡易な検査によって十分に良否検査を実施可能な検査対象について検査する際に必要以上の時間がかかってしまう。一方、ラミノグラフィのみを備える検査装置であれば、検査対象を詳細に解析することができない。しかし、本発明によれば、検査対象に必要とされる解析の程度に応じて3次元CTとラミノグラフィとを適宜選択することができるので、無駄な検査時間の発生を抑え、高速に検査を実施することができる。
【0009】
なお、以上の構成は、工場内の検査ラインなど、連続的に検査を行う放射線検査装置に適用することが好ましい。すなわち、検査ラインにおいてライン上を搬送される製品において検査対象が複数個存在する場合、全ての検査対象において詳細な解析が必要とされることはまれである。また、複数種類の製品がライン上を搬送される場合、各製品における検査対象にて必要とされる解析の程度は異なることが多い。従って、このような製品において、必要な検査精度に応じて3次元CTとラミノグラフィとを切り替えて検査を行うことで、1種類の検査のみが実施できる検査装置と比較して必要な検査を高速に実施することが可能になる。
【0010】
本発明における装置を以上のように運用するためには、検査対象ごとに予め3次元CTとラミノグラフィとのいずれにて解析するのかを設定することができればよく、例えば、検査対象ごとに予め設定を行っておき、この設定に従って3次元CTとラミノグラフィとのいずれかを選択する構成や、3次元CTとラミノグラフィとのいずれかを設定する入力ボタン等のインタフェースを設け、オペレータによって選択させる構成等を採用してもよく、種々の構成を採用可能である。
【0011】
ここで、放射線照射手段は、放射線発生器によって放射線を出力することができればよく、放射線発生器としては開放管や密閉管など種々の放射線源を採用可能である。さらに、検査対象移動手段は、放射線の照射範囲内の所定平面上で検査対象を移動させることができればよく、例えば、直交する2軸に沿って移動を行うX−Yステージ等を採用可能であるが、むろん、検査対象を回転させる機構が付加されていても良い。また、多数の検査対象を連続的に検査するために、検査対象の搬送機構と連動するように構成することが好ましい。
【0012】
透過放射線取得手段においては、検査対象を透過した透過放射線を放射線検出器にて検出し、透過放射線の強度を検出することができれば良く、種々の構成を採用することが可能である。例えば、CCD,CMOS等のセンサを2次元的に配置したセンサであってもよいし、1次元的に配置したセンサによってスキャンを行っても良い。
【0013】
軌道回転手段は、放射線検出器を回転軌道上で回転させることができればよい。すなわち、前記回転軸から一定の距離にある円周(回転軌道)上で公転のごとく放射線検出器を回転させることができればよく、回転軌道上の複数の位置で検査対象を撮影することによって3次元CT解析を行うための透過放射線画像を取得することができればよい。従って、放射線検出器が回転軸に対して常に同じ方向を向く状態で当該放射線検出器を回転させることができればよく、ボールベアリング等による回転機構によって放射線検出器を回転させるなど、種々の構成を採用可能である。
【0014】
なお、回転軸は放射線発生器の焦点を通る直線であればよく、例えば、前記検査対象移動手段によって検査対象を移動させる際の所定平面に対して垂直の回転軸を設定すればよい。この構成によれば、3次元CTやラミノグラフィによる解析を容易に行うことが可能である。
【0015】
直線移動手段は、放射線検出器を直線的に移動させることができればよい。すなわち、検査対象の透過放射線が放射線検出器の一点に到達するように、放射線検出器を直線的に移動させることができればよい。なお、放射線検出器の移動方向は、前記検査対象を移動させる所定平面に対して平行な直線に沿った方向であればよく、ボールねじなど、種々の機構によって放射線検出器を移動させる構成を採用可能である。
【0016】
なお、半導体のリードなど検査対象の形状の対称性が低い場合には、放射線検出器を直線移動させる方向として好ましい方向を検査対象ごとに設定することができる。そこで、直線移動を行うための機構を軌道回転手段によって回転させるように構成すれば、軌道回転手段によってこの機構を回転させることで、直線移動手段による移動方向を所望の方向に設定することができる。また、検査対象を所定の角度範囲から観察するために放射線検出器を前記回転軌道上で回転させるための時間と直線移動を行うための時間とでは一般に後者の方が短く、回転を行う検査と比較して高速に検査を実施することができる。さらに、本発明においては、直線移動手段によって放射線検出器を移動させることにより、前記回転軌道の半径を増減することが可能であり、必要な検査の精度、時間に応じて適宜半径を調整することが可能である。
【0017】
さらに、前記目的を達成するため、本発明では、所定平面上で検査対象を移動できるように構成し、当該検査対象を透過した透過放射線を放射線検出器によって取得するにあたり、放射線発生器の焦点を通る直線を回転軸とした回転軌道上で前記放射線検出器を回転させる軌道回転手段と、放射線検出器を通る直線を回転軸として当該放射線検出器を回転させる自転回転手段とを設けた。
【0018】
すなわち、本発明においては、前記回転軌道上で放射線検出器を回転させることにより3次元CTによる検査対象の解析を実施することができる。また、放射線検出器を自転させることが可能であるので、放射線検出器を軌道回転させるとともに自転させ、検査対象の移動と同期させることによって異なる角度における透過放射線画像を取得すれば、ラミノグラフィによる検査対象の解析を実施することができる。
【0019】
ここでも、3次元CTによる解析を行うために必要な透過放射線画像の撮影やデータ処理の負荷は、ラミノグラフィによる解析を行うために必要な透過放射線画像の撮影やデータ処理の負荷より大きく、3次元CTの方が解析に時間がかかるが詳細な解析を実施することができる。従って、本発明によれば、一つの装置にて3次元CTによる解析とラミノグラフィによる解析との双方を実施することが可能であり、必要以上に時間をかけることなく必要充分な検査を行うことが可能である。
【0020】
また、以上の構成も、工場内の検査ラインなど、連続的に検査を行う放射線検査装置に適用することが好ましい。さらに、ここでも、検査対象ごとに予め3次元CTとラミノグラフィとのいずれにて解析するのかを設定し、この設定に従って3次元CTとラミノグラフィとのいずれかを選択すればよい。
【0021】
さらに、放射線照射手段、検査対象移動手段、透過放射線取得手段、軌道回転手段の構成についても上述の構成と同様である。自転回転手段は、放射線検出器を通る直線を回転軸として当該放射線検出器を回転させることができればよい。すなわち、放射線検出器を自転させることができればよい。なお、放射線検出器を通る回転軸と当該放射線検出器の検出面との交点が検査対象を透過した透過放射線の到達位置となるように回転軸を設定することが好ましい。
【0022】
さらに、前記目的を達成するため、前記軌道回転手段と前記直線移動手段と前記自転回転手段とをともに設けてもよい。すなわち、本発明においては、前記回転軌道上で放射線検出器を回転させることにより3次元CTによる検査対象の解析を実施することができる。また、放射線検出器を直線的に移動させることによるラミノグラフィと放射線検出器を自転させることによるラミノグラフィとの双方を実施可能である。
【0023】
ここでも、3次元CTによる解析を行うために必要な透過放射線画像の撮影やデータ処理の負荷は、ラミノグラフィによる解析を行うために必要な透過放射線画像の撮影やデータ処理の負荷より大きく、3次元CTの方が解析に時間がかかるが詳細な解析を実施することができる。従って、本発明によれば、一つの装置にて3次元CTによる解析とラミノグラフィによる解析との双方を実施することが可能であり、必要以上に時間をかけることなく必要充分な検査を行うことが可能である。
【0024】
なお、上述のように放射線検出器を直線的に移動させるラミノグラフィと放射線検出器を回転させるラミノグラフィとを区別する際には、必要に応じて前者を直線ラミノグラフィ、後者を回転ラミノグラフィと呼ぶ。一般に、回転ラミノグラフィの方が直線ラミノグラフィより詳細な検査を実施可能であるため、検査対象に必要とされる検査の精度や検査対象の形状等に応じて予め3次元CT、直線ラミノグラフィあるいは回転ラミノグラフィのいずれかを実施するための設定を行えばよい。
【0025】
また、以上の構成も、工場内の検査ラインなど、連続的に検査を行う放射線検査装置に適用することが好ましい。さらに、放射線照射手段、検査対象移動手段、透過放射線取得手段、軌道回転手段、直線移動手段、自転回転手段の構成についても上述の構成と同様である。
【0026】
さらに、検査対象移動手段による検査対象の位置制御と直線移動手段による放射線検出器の位置制御との具体例として、検査対象を透過した透過放射線による像が前記放射線検出器の検出面上で一定の位置、向き、大きさとなるように、前記検査対象と放射線検出器との位置制御を実施する構成を採用しても良い。すなわち、検査対象を透過した透過放射線による像が検出面上で一定の位置、向き、大きさとなるように検査対象および放射線検出器の位置を制御すれば、この位置にて常に検査対象の像の焦点が合っており、検出面の他の部位では放射線検出器の移動に伴って焦点が合わなくなる。従って、前記位置制御を行いながら放射線検出器にて長時間露光を行った画像あるいは複数回の短時間露光を行った結果を重ね合わせた画像を取得することによって直線ラミノグラフィによる解析対象となる画像を取得することができる。
【0027】
また、回転ラミノグラフィを実施する際にも、同様に特定の位置に検査対象の像の焦点を合わせることが必要である。このための構成例として、放射線検出器における回転軌道上での回転に同期するように検査対象を移動させるとともに、検査対象を透過した透過放射線による像が放射線検出器の検出面上で一定の位置、向き、大きさとなるように、放射線検出器を自転させる構成を採用可能である。この構成によれば、以上のような位置制御を行いながら放射線検出器にて長時間露光を行った画像あるいは複数回の短時間露光を行った結果を重ね合わせた画像を取得することによって回転ラミノグラフィによる解析対象となる画像を取得することができる。
【0028】
以上は、本発明が装置として実現される場合について説明したが、かかる装置を実現する方法やプログラム、当該プログラムを記録した媒体としても発明は実現可能である。また、以上のような放射線検査装置は単独で実現される場合もあるし、ある方法に適用され、あるいは同方法が他の機器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものである。従って、ソフトウェアであったりハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。また、ソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても同様である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)第1実施形態の構成:
(2)X線検査処理:
(3)他の実施形態:
【0030】
(1)本発明の構成:
図1は本発明の第1実施形態であるX線検査装置10の概略ブロック図である。同図1に示すように、X線検査装置10は、X線発生器11とX−Yステージ12とX線取得機構13と搬送装置14とを備えており、各部をCPU25によって制御する。すなわち、X線検査装置10はCPU25を含む制御系としてX線制御機構21とステージ制御機構22と画像取得機構23と搬送機構24とCPU25と入力部26と出力部27とメモリ28とを備えている。この構成において、CPU25は、メモリ28に記録された図示しないプログラムを実行し、各部を制御し、また所定の演算処理を実施することができる。
【0031】
メモリ28はデータを蓄積可能な記憶媒体であり、予め検査対象データ28aと撮像条件データ28bとが記録されている。検査対象データ28aは、検査対象の位置およびその検査対象を検査する際に実施すべき解析(本実施形態においては3次元CTあるいは直線ラミノグラフィ)を示すデータである。本実施形態においては、基板上に配設されたバンプやリード等を示すデータであり、同一基板上の異なる部品が検査対象となる場合には、検査対象ごとに基板上の位置と実施すべき解析とが対応付けられている。
【0032】
撮像条件データ28bは、X線発生器11にてX線を発生させる際の条件を示すデータであり、X線管に対する印加電圧,撮像時間等を含む。また、メモリ28には、CPU25の処理過程で生成される各種データを記憶することが可能である。例えば、透過X線の強度に対応したX線画像データ28cを記憶することができる。尚、メモリ28はデータを蓄積可能であればよく、RAMやHDD等種々の記憶媒体を採用可能である。
【0033】
X線制御機構21は、上記撮像条件データ28bを参照し、X線発生器11を制御して所定のX線を発生させることができる。X線発生器11は、いわゆる透過型開放管であり、X線の出力位置である焦点Fから出力側のほぼ全方位、すなわち、立体角2πの範囲にX線を出力する。ステージ制御機構22はX−Yステージ12と接続されており、上記検査対象データ28aに基づいて同X−Yステージ12を制御する。本実施形態においては検査対象を後述するX線検出器の視野中心に位置するようにX−Yステージ12を制御する。
【0034】
また、搬送機構24は、搬送装置14を制御して基板をX−Yステージ12に搬入する(図1に示す12a)。すなわち、搬送装置14によって一方向に基板を搬送し、X−Yステージ12において基板12a上の検査対象を検査し、搬送装置14にて検査後の基板を搬出する処理を連続的に実施できるように構成されている。
【0035】
画像取得機構23はX線取得機構13に接続されており、X線取得機構13に取り付けられたX線検出器13a(後述)が出力する検出値によって検査対象の透過X線画像を取得する。取得した透過X線画像は、X線画像データ28cとしてメモリ28に記憶される。本実施形態におけるX線検出器13aは、2次元的に分布したセンサを備えており、検出した透過X線からX線の2次元分布を示すX線画像データを生成することができる。
【0036】
本実施形態において、X線取得機構13は、所定の回転軸から半径rの範囲を回転させることでX線検出器13aを当該回転軸周りの回転軌道上で回転させる軌道回転機構13bと、X−Yステージ12に対して平行な方向に直線移動させる直線移動機構13cとを備えており、画像取得機構23が軌道回転機構13bおよび直線移動機構13cに対して制御信号を出力することにより、X線検出器13aの位置を制御することができる。
【0037】
図2は、当該X線取得機構13の構造をY軸方向に沿った方向から眺めた状態を示す模式図であり、X線発生器11およびX−Yステージ12の上方に位置する軌道回転機構13bと直線移動機構13cとを模式的に示している。軌道回転機構13bは円柱状の部位を備えており、この円柱の軸AはX−Yステージ12による検査対象の移動平面であるX−Y平面に対して垂直である。また、軸AはX線発生器11の焦点を通る直線である。軌道回転機構13bは、図示しない動力源等によって、前記軸Aを回転軸とし、当該軸Aから半径rの範囲を回転させる機構である。
【0038】
一方、直線移動機構13cは、X−Y平面に対して平行に配置された直線上の部材を備えており、X線検出器13aは当該直線状の部材に取り付けられている。また、X線検出器13aは図示しない動力源等によって当該直線状の部材に保持された状態で移動することができる。従って、軌道回転機構13bが軸Aを回転軸として回転すると、X線検出器13aは軸Aを中心とした半径Rの円周(回転軌道)上を回転する。
【0039】
出力部27は上記X線画像等を表示するディスプレイであり、入力部26は利用者の入力を受け付ける操作入力機器である。すなわち、利用者は入力部26を介して種々の入力を実行可能であるし、CPU25の処理によって得られる種々の演算結果やX線画像データ、検査対象の良否判定結果等を出力部27に表示することができる。
【0040】
CPU25は、メモリ28に蓄積された各種制御プログラムに従って所定の演算処理を実行可能であり、検査対象の検査を行うために、図1に示す搬送制御部25aとX線制御部25bとステージ制御部25cと画像取得部25dと軌道回転制御部25eと直線移動制御部25fと良否判定部25gとによる演算を実行する。搬送制御部25aは、搬送機構24を制御して、適切なタイミングで基板をX−Yステージ12に供給し、また、適切なタイミングで搬送装置14を駆動して検査済みの基板をX−Yステージ12から取り除く。
【0041】
X線制御部25bは、上記撮像条件データ28bを取得し、上記X線制御機構21を制御して所定のX線をX線発生器11から出力させる。ステージ制御部25cは、上記検査対象データ28aを取得し、検査対象をX線発生器11の焦点とX線検出器13aの視野中心とを結ぶ直線上に配置するための制御信号をステージ制御機構22に供給する。この結果、ステージ制御機構22は、検査対象がX線検出器13aの視野中心に含まれるようにX−Yステージ12を移動させる。
【0042】
画像取得部25dは、画像取得機構23に指示を行い、X線検出器13aが出力するX線画像データ28cを取得する。軌道回転制御部25eは検査対象データ28aを参照し、検査対象に対する解析が3次元CTによる解析が設定されているときに軌道回転機構13bを制御してX線検出器13aを回転させる。直線移動制御部25fは検査対象データ28aを参照し、検査対象に対する解析としてラミノグラフィによる解析が設定されているときに直線移動機構13cを制御してX線検出器13aを直線移動させる。
【0043】
良否判定部25gは、3次元CTあるいはラミノグラフィによる解析を行って検査対象の良否を判定する。すなわち、3次元CTによる解析を実施する際には、X線画像データ28cに基づいて再構成演算を行い、当該再構成演算結果に基づいて検査対象が良品であるか否かを判定する。また、ラミノグラフィによる解析を実施する際には、X線画像データ28cに基づいて検査対象が良品であるか否かを判定する。なお、各解析において良否を判定するための条件は予め設定されている。
【0044】
(2)X線検査処理:
本実施形態においては、上述の構成において図3に示すフローチャートに従って検査対象の良否判定を行う。本実施形態においては、多数の基板を搬送装置14によって搬送し、逐次X−Yステージ12上で基板上の検査対象を検査する。このため、検査に際しては、まずステップS100にて搬送制御部25aが搬送機構24に指示を出し、搬送装置14によって検査対象の基板をX−Yステージ12上に搬送する。
【0045】
次に、ステージ制御部25cは検査対象データ28aを参照し、現在の検査対象に対して実施すべき解析が3次元CTによる解析とラミノグラフィによる解析とのいずれであるのかを判別する(ステップS105)。現在の検査対象に対して実施すべき解析が3次元CTであると判別されたときには、回転軌道上の異なる回転角度で透過X線画像を取得するため、変数nを”0”に初期化する(ステップS110)。続いて、軌道回転制御部25eは画像取得機構23に指示を行い、軌道回転機構13bを駆動して予め決められた位置にX線検出器13aを回転移動させる(ステップS115)。
【0046】
本実施形態においては、回転角θをθ=(n/N)×360°と定義しており、θ=0°の角度は予め決めてある。また、上記変数nは最大値をNとする整数である。従って、X線検出器13aは360°/Nずつ回転することになる。N+1は、X線画像を撮影する回転位置の数であり、要求される検査速度と検査精度、アーチファクトの程度および検査対象の外形(軸対称性)から決定すればよい。例えば、N=11等(撮影回数12)を採用可能であるが、より少ない撮影回数(例えば、N=3,撮影回数4)でX線画像を取得し、補間演算によって擬似的にX線画像の枚数を増加する構成を採用してもよい。
【0047】
図4は、N=3の場合におけるX線検出器13aの位置を示す模式図である。同図4においては、Z軸に垂直な方向に沿って軌道回転機構13bを上から眺めた状態を示しており、各回転角におけるX線検出器13aの位置を破線によって示している。なお、同図4においては、回転軸AからY軸と平行かつ逆向きに延ばした直線に対する反時計回り方向の角度をX線検出器13aの回転角θとして定義している。また、X線検出器13aにおける一つの長辺の脇には検出器の向きを示す三角形の目印を記してあり、図4に示すようにX線検出器13aが矢印に示す回転軌道上を回転すると、検出器の長辺を指す前記三角形の頂点が常に回転軸Aを向きながらX線検出器13aが回転する。
【0048】
X線検出器13aの回転動作を行うと、当該回転後のX線検出器の視野内に検査対象が含まれるようにX−Yステージ12を移動させる(ステップS120)。すなわち、ステージ制御部25cは検査対象データ28aを参照して基板上での検査対象の位置を特定し、当該検査対象が回転後のX線検出器13aの視野中心とX線発生器11の焦点とを結ぶ直線上に位置するようにステージ制御機構22に指示を行う。この結果、ステージ制御機構22はX−Yステージ12を移動させ、検査対象をX線検出器13aの視野中心に配置する。
【0049】
ステップS120にて検査対象をX線検出器13aの視野中心に配置したら、X線制御部25bおよび画像取得部25dの制御により、X線検出器13aにて回転角θのX線画像Pθnを撮影する(ステップS125)。すなわち、X線制御部25bは、上記撮像条件データ28bを取得し、当該撮像条件データ28bに示される条件でX線を出力するようにX線制御機構21に対して指示を行う。この結果、X線発生器11が立体角2πの範囲でX線を出力するので、画像取得部25dはX線検出器13aが検出したX線画像を取得する。
【0050】
ステップS125にて回転角θのX線画像Pθnを撮影すると、変数nが最大値Nに達しているか否かを判別し(ステップS130)、最大値Nに達していると判別されなければ変数nをインクリメントして(ステップS135)、ステップS115以降の処理を繰り返す。ステップS130にて変数nが最大値Nに達していると判別されたときには、必要な回数の撮影が終了しているので、以降の処理にて良否判定を行う。このため、本実施形態においては、良否判定部25gがX線画像Pθ0〜PθNを用いて3次元画像の再構成演算を行う(ステップS140)。
【0051】
すなわち、以上の処理においては図4に示すようにX線検出器13aが予め決められた位置を回転移動するので、X線検出器13aの検出面の各位置とX線発生器11の焦点との位置関係は予め判明している。そこで、両者の関係を把握した上でフィルタ補正逆投影法等により再構成演算を行う。再構成演算が終了すると、良否判定部25gは、予め決められた基準に基づいて再構成演算結果から検査対象の良否を特定する(ステップS145)。
【0052】
一方、ステップS105にて、現在の検査対象に対して実施すべき解析がラミノグラフィであると判別されたときには、X線検出器13aを直線移動させながら透過X線画像を取得するため、X線検出器13aによる露光を開始する(ステップS150)。すなわち、直線移動機構13cが画像取得機構23に指示を行ってX線検出器13aを初期位置に配置し、ステージ制御部25cがステージ制御機構22に指示を行って検査対象を前記初期位置のX線検出器13aにおける視野中心に配置した上で、画像取得部25dが画像取得機構23に指示を行って、透過X線画像の連続的な取得を開始する。
【0053】
次に、X線検出器13aと検査対象とを同期させて直線移動させる(ステップS155)。すなわち、直線移動制御部25fは、画像取得機構23に指示を行い、直線移動機構13cを駆動して予め決められた速度でX線検出器13aを直線移動させる。このとき、ステージ制御部25cは検査対象データ28aを参照して基板上での検査対象の位置を特定し、当該検査対象が回転後のX線検出器13aの視野中心となるようにステージ制御機構22に指示を行う。この結果、ステージ制御機構22はX−Yステージ12を移動させ、検査対象がX線検出器13aの視野中心に位置するように同期を行う。
【0054】
以上の直線移動を所定の間実行すると、露光を停止する(ステップS160)。すなわち、直線移動機構13cが画像取得機構23に指示を行ってX線検出器13aを停止させ、ステージ制御部25cがステージ制御機構22に指示を行って検査対象を停止させ、画像取得部25dが画像取得機構23に指示を行って透過X線画像の取得を停止する。以上の処理において画像取得部25dは、画像取得機構23から逐次転送される透過X線画像を蓄積し続け、露光が終了した時点での画像を透過X線画像として取得する(ステップS165)。
【0055】
図5は、X線検出器13aの移動方向がX軸と平行である場合のX線検出器13aの移動方向を示す模式図である。同図5においても、Z軸に垂直な方向に沿って軌道回転機構13bを上から眺めた状態を示しており、X線検出器13aによる露光開始位置と露光終了位置とを破線によって示している。また、X線検出器13aにおける一つの長辺の脇に前記三角形の目印を記してあり、図5に示すようにX線検出器13aの直線移動に伴って、検出器の長辺を指す前記三角形の頂点が常に一方向を向いた状態でX線検出器13aが移動する。このとき、透過X線画像による像の拡大率は一定であるため、検査対象の像の大きさは一定である。以上のようにしてX線検出器13aを直線移動させて透過X線画像を取得したら、良否判定部25gは、予め決められた基準に基づいて透過X線画像に含まれる検査対象の良否を特定する(ステップS170)。
【0056】
ステップS145あるいはステップS170において良否判定を実施すると、さらに次の検査対象について良否判定を行うため、ステップS100に戻ってX線検査処理を繰り返す。なお、ステップS100においては、同じ基板上に未検査の検査対象が存在する場合には、当該未検査の検査対象を検査するためにステージ制御機構22によって位置決定の制御を行い、同じ基板上に未検査の検査対象が存在しない場合には搬送機構24にて次の基板を搬送し未検査の検査対象に対する位置決めを行う。
【0057】
以上の処理によれば、検査対象に応じて3次元CTによる解析とラミノグラフィによる解析とのいずれかから適切な解析を選択して検査を実施することができる。すなわち、検査対象によって必要とされる検査の精度に応じて時間がかかるが詳細な解析を実施することができる3次元CTによる解析と比較的短時間で実施可能なラミノグラフィによる解析とのいずれかを選択することが可能である。従って、詳細な検査が不要な検査対象について過大に時間を費やして検査することはなく、高速に検査を行うことができる。
【0058】
(3)他の実施形態:
本発明においては、3次元CTによる解析とラミノグラフィによる解析とを簡易な構成によって実施できる限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、軌道回転機構13bによってX線検出器13aを回転軌道上で回転させる構成と、X線検出器13aを自転させる構成とを採用しても良い。
【0059】
図6は、X線検出器13aを回転軌道上で回転させ、さらに自転させることが可能な構成をY軸方向から眺めた状態で示す模式図であり、上述の図1,図2と同様の構成をこれらの図と同じ符号にて示している。本実施形態では、上述の第1実施形態と同様にX線発生器11、X−Yステージ12、軌道回転機構13bを備えている。ただし、X線検出器13aは自転回転機構130cを介して軌道回転機構13bに取り付けられており、当該X線検出器13aは軸Bを回転軸として回転可能である。
【0060】
このように、本実施形態においては、前記直線移動機構13cが不要となるため図1において直線移動制御部25fが不要であって代わりにX線検出器13aの自転を制御するモジュールを備えるとともに、他の構成は図1に示す構成と同様の構成で実現可能である。処理フローにおいては、図3に示すフローと比較してラミノグラフィによる解析にかかるフローが異なり、3次元CTによる解析にかかるフローはほぼ同様である。ただし、3次元CTによる解析を実施する際に、前記自転回転機構130cによる自転は行わない。この結果、3次元CTによる解析を実施する際の回転は前記図4に示す回転と同様の回転となる。
【0061】
一方、ラミノグラフィによる解析を実施する場合のフローは前記図3に示すステップS150〜S170と異なる処理を行う。図7は、上述の図4と同様に、Z軸に垂直な方向に沿って軌道回転機構13bを上から眺めた状態を示しており、異なる回転角におけるX線検出器13aの位置を破線によって示している。ラミノグラフィによる解析を実施する際には、X線検出器13aを回転軌道上で回転させながら図7に示す矢印C方向に自転回転も実施し、X線検出器13aが常にY軸に対して一定の方向を向くように回転を制御する。なお、図7において一点鎖線で示す矩形は、矢印C方向への自転を行わない場合のX線検出器13aの向きである。
【0062】
また、このとき、検査対象の透過X線がX線検出器13aの検出面の特定の位置に到達するようにX−Yステージ12を制御する。すなわち、本実施形態におけるX−Yステージ12では、検査対象をX−Y平面内で平行移動させるのみであるので、検査対象の位置が変動してもY軸に対する向きは一定である。そこで、上述のようにX線検出器13aを回転軌道上で回転させるとともに自転回転を実施し、X線検出器13aが常にY軸に対して一定の方向を向くようにする。この結果検査対象の像はX線検出器13aの検出面上で一定の方向を向き、一定の大きさとなるので、X線検出器13aの回転とともに露光を続けることでラミノグラフィによる解析を実施可能な透過X線画像を取得することができる。
【0063】
以上のように、X線検出器13aを回転軌道上で回転させ、自転回転させる構成においても、3次元CTによる解析とラミノグラフィによる解析とを適宜選択することができる。従って、詳細な検査が不要な検査対象について過大に時間を費やして検査することはなく、高速に検査を行うことができる。
【0064】
さらに、3次元CTによる解析とラミノグラフィによる解析との双方を実施可能に構成するにあたり、X線検出器13aを回転軌道上で回転させ、また、自転させ、さらに直線移動を実施できるように構成してもよい。図8は、X線検出器13aを回転軌道上で回転させ、さらに自転および直線移動を実施することが可能な構成をY軸方向から眺めた状態で示す模式図である。同図8においては、上述の図1,図2,図6と同様の構成を同じ符号にて示しており、上述の実施形態と同様にX線発生器11、X−Yステージ12、軌道回転機構13b、直線移動機構13c、自転回転機構130cを備えている。
【0065】
この構成によれば、ラミノグラフィによる解析を実施するため、X線検出器13aを回転軌道上で回転させるとともに自転回転させる処理と、X線検出器13aを直線移動させる処理とのいずれかを選択可能である。従って、検査に必要な精度等に応じてX線検出器13aの駆動法を選択可能であり、必要最低限の時間のみで検査を実施することが可能である。
【0066】
さらに、上述のいずれの実施形態においても、簡易な検査で充分な検査対象に対しては、特定の位置(例えば、X線発生器11の直上)に配置したX線検出器13aにて検査対象を撮影した透過X線画像に基づいて検査を行っても良い。さらに、以上の実施形態においては、放射線としてX線を利用する場合を例示したが、利用できる放射線はX線に限らずγ線であってもよく、検査対象を透過するその他の放射線であってもよい。さらに、軌道回転機構13bは、円形以外にも種々の形状を採用可能であり、矩形の部材を回転させる構成であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明にかかる放射線検査装置の概略ブロック図である。
【図2】X線取得機構の構造を示す模式図である。
【図3】検査のフローチャートである。
【図4】X線検出器の位置を示す模式図である。
【図5】X線検出器の位置を示す模式図である。
【図6】X線取得機構の構造を示す模式図である。
【図7】X線検出器の位置および向きを示す模式図である。
【図8】X線取得機構の構造を示す模式図である。
【符号の説明】
【0068】
10…X線検査装置
11…X線発生器
12…X−Yステージ
13…X線取得機構
13a…X線検出器
13b…軌道回転機構
13c…直線移動機構
14…搬送装置
21…X線制御機構
22…ステージ制御機構
23…画像取得機構
24…搬送機構
25a…CPU
25a…搬送制御部
25b…X線制御部
25c…ステージ制御部
25d…画像取得部
25e…軌道回転制御部
25f…直線移動制御部
25g…良否判定部
26…入力部
27…出力部
28…メモリ
28a…検査対象データ
28b…撮像条件データ
28c…X線画像データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線発生器によって放射線を検査対象に照射する放射線照射手段と、
前記放射線の照射範囲内の所定平面上で前記検査対象を移動させる検査対象移動手段と、
前記検査対象を透過した透過放射線を放射線検出器によって取得する透過放射線取得手段と、
前記放射線発生器の焦点を通る直線を回転軸とした回転軌道上で前記放射線検出器を回転させる軌道回転手段と、
前記所定平面に平行な直線に沿って前記放射線検出器を移動させる直線移動手段とを備えることを特徴とする放射線検査装置。
【請求項2】
放射線発生器によって放射線を検査対象に照射する放射線照射手段と、
前記放射線の照射範囲内の所定平面上で前記検査対象を移動させる検査対象移動手段と、
前記検査対象を透過した透過放射線を放射線検出器によって取得する透過放射線取得手段と、
前記放射線発生器の焦点を通る直線を回転軸とした回転軌道上で前記放射線検出器を回転させる軌道回転手段と、
前記所定平面に垂直な直線であって前記放射線検出器を通る直線を回転軸として前記放射線検出器を回転させる自転回転手段とを備えることを特徴とする放射線検査装置。
【請求項3】
放射線発生器によって放射線を検査対象に照射する放射線照射手段と、
前記放射線の照射範囲内の所定平面上で前記検査対象を移動させる検査対象移動手段と、
前記検査対象を透過した透過放射線を放射線検出器によって取得する透過放射線取得手段と、
前記放射線発生器の焦点を通る直線を回転軸とした回転軌道上で前記放射線検出器を回転させる軌道回転手段と、
前記所定平面に平行な直線に沿って前記放射線検出器を移動させる直線移動手段と、
前記所定平面に垂直な直線であって前記放射線検出器を通る直線を回転軸として前記放射線検出器を回転させる自転回転手段とを備えることを特徴とする放射線検査装置。
【請求項4】
前記検査対象移動手段による前記検査対象の位置の制御と前記直線移動手段による前記放射線検出器の位置の制御とは、前記検査対象を透過した透過放射線による像が前記放射線検出器の検出面上で一定の位置、向き、大きさとなるように、実施されることを特徴とする請求項1または請求項3のいずれかに記載の放射線検査装置。
【請求項5】
前記検査対象移動手段は、前記軌道回転手段による前記放射線検出器の回転軌道上での回転に同期するように前記検査対象を移動させ、
前記自転回転手段は、前記検査対象を透過した透過放射線による像が前記放射線検出器の検出面上で一定の位置、向き、大きさとなるように、前記放射線検出器を回転させることを特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載の放射線検査装置。
【請求項6】
放射線発生器によって放射線を検査対象に照射する放射線照射工程と、
前記放射線の照射範囲内の所定平面上で前記検査対象を移動させる検査対象移動工程と、
前記検査対象を透過した透過放射線を放射線検出器によって取得する透過放射線取得工程と、
前記検査対象に対する設定に応じて、前記放射線発生器の焦点を通る直線を回転軸とした回転軌道上で前記放射線検出器を回転させる軌道回転と、前記所定平面に平行な直線に沿って前記放射線検出器を移動させる直線移動とのいずれかを実施する検出器移動工程とを含むことを特徴とする放射線検査方法。
【請求項7】
放射線発生器によって放射線を検査対象に照射する放射線照射工程と、
前記放射線の照射範囲内の所定平面上で前記検査対象を移動させる検査対象移動工程と、
前記検査対象を透過した透過放射線を放射線検出器によって取得する透過放射線取得工程と、
前記検査対象に対する設定に応じて、前記放射線発生器の焦点を通る直線を回転軸とした回転軌道上で前記放射線検出器を回転させる軌道回転と、前記所定平面に垂直な直線であって前記放射線検出器を通る直線を回転軸として前記放射線検出器を回転させる自転回転とのいずれかまたは組み合わせを実施する検出器移動工程とを含むことを特徴とする放射線検査方法。
【請求項8】
放射線発生器によって放射線を検査対象に照射する放射線照射工程と、
前記放射線の照射範囲内の所定平面上で前記検査対象を移動させる検査対象移動工程と、
前記検査対象を透過した透過放射線を放射線検出器によって取得する透過放射線取得工程と、
前記検査対象に対する設定に応じて、前記放射線発生器の焦点を通る直線を回転軸とした回転軌道上で前記放射線検出器を回転させる軌道回転と、前記所定平面に平行な直線に沿って前記放射線検出器を移動させる直線移動と、前記所定平面に垂直な直線であって前記放射線検出器を通る直線を回転軸として前記放射線検出器を回転させる自転回転とのいずれかまたは組み合わせを実施する検出器移動工程とを含むことを特徴とする放射線検査方法。
【請求項9】
放射線発生器によって放射線を検査対象に照射する放射線照射機能と、
前記放射線の照射範囲内の所定平面上で前記検査対象を移動させる検査対象移動機能と、
前記検査対象を透過した透過放射線を放射線検出器によって取得する透過放射線取得機能と、
前記放射線発生器の焦点を通る直線を回転軸とした回転軌道上で前記放射線検出器を回転させる軌道回転機能と、
前記所定平面に平行な直線に沿って前記放射線検出器を移動させる直線移動機能とをコンピュータに実現させることを特徴とする放射線検査プログラム。
【請求項10】
放射線発生器によって放射線を検査対象に照射する放射線照射機能と、
前記放射線の照射範囲内の所定平面上で前記検査対象を移動させる検査対象移動機能と、
前記検査対象を透過した透過放射線を放射線検出器によって取得する透過放射線取得機能と、
前記放射線発生器の焦点を通る直線を回転軸とした回転軌道上で前記放射線検出器を回転させる軌道回転機能と、
前記所定平面に垂直な直線であって前記放射線検出器を通る直線を回転軸として前記放射線検出器を回転させる自転回転機能とをコンピュータに実現させることを特徴とする放射線検査プログラム。
【請求項11】
放射線発生器によって放射線を検査対象に照射する放射線照射機能と、
前記放射線の照射範囲内の所定平面上で前記検査対象を移動させる検査対象移動機能と、
前記検査対象を透過した透過放射線を放射線検出器によって取得する透過放射線取得機能と、
前記放射線発生器の焦点を通る直線を回転軸とした回転軌道上で前記放射線検出器を回転させる軌道回転機能と、
前記所定平面に平行な直線に沿って前記放射線検出器を移動させる直線移動機能と、
前記所定平面に垂直な直線であって前記放射線検出器を通る直線を回転軸として前記放射線検出器を回転させる自転回転機能とをコンピュータに実現させることを特徴とする放射線検査プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−107124(P2008−107124A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−288280(P2006−288280)
【出願日】平成18年10月24日(2006.10.24)
【出願人】(000243881)名古屋電機工業株式会社 (107)
【Fターム(参考)】