放射線画像処理装置、放射線画像読影システム、放射線画撮影システム、放射線画像処理方法、及び放射線画像処理プログラム
【課題】記憶手段に記憶されるデータ量を削減することができる。
【解決手段】動画像122の表示中に動画像122(放射線画像122A)に対して読影者が関心領域を指示する。関心領域受付部104で関心領域を受け付けると、受け付けた関心領域の関心領域画像140及び、当該関心領域画像140が含まれる放射線画像を動画像122として連続表示されていた複数の放射線画像のうちから抽出する。さらに、関心領域画像140の画像のみ、または関心領域画像140が含まれる放射線画像のみを関心領域画像ファイルとして記憶部17に記憶させるよう制御する。この後、関心領域画像140を表示させるよう制御する場合は、関心領域画像ファイルに基づいて関心領域画像140をディスプレイ50またはディスプレイ23に表示させるよう制御する。
【解決手段】動画像122の表示中に動画像122(放射線画像122A)に対して読影者が関心領域を指示する。関心領域受付部104で関心領域を受け付けると、受け付けた関心領域の関心領域画像140及び、当該関心領域画像140が含まれる放射線画像を動画像122として連続表示されていた複数の放射線画像のうちから抽出する。さらに、関心領域画像140の画像のみ、または関心領域画像140が含まれる放射線画像のみを関心領域画像ファイルとして記憶部17に記憶させるよう制御する。この後、関心領域画像140を表示させるよう制御する場合は、関心領域画像ファイルに基づいて関心領域画像140をディスプレイ50またはディスプレイ23に表示させるよう制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放放射線画像処理装置、放射線画像読影システム、放射線画撮影システム、放射線画像処理方法、及び放射線画像処理プログラムに係り、特に、動画像とした放射線画像に対して画像処理を行う放射線画像処理装置、放射線画像読影システム、放射線画撮影システム、放射線画像処理方法、及び放射線画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
放射線画像の撮影を行うための放射線画像撮影装置として、放射線照射装置から照射され、被写体を透過した放射線を放射線検出器により検出する放射線画像撮影装置が知られている。また、当該放射線画像装置により、静止画像である放射線画像の撮影に加えて、例えば、複数の放射線画像(静止画像)を連続して撮影する動画像の撮影が行われている。
【0003】
一般に、病院等の医療施設においては、このようにして撮影された静止画像や動画像に基づいて、静止画像や動画像を読影した医師等により、診断が行われている。このように医師等が静止画像や動画像を読影することにより診断を行うにあたり、診断の対象となる腫瘤や石灰化等の病変や、ステント等の関心領域を抽出したり、記憶させたりする技術が知られている。
【0004】
例えば、特許文献1には、関心領域を示す処理画像をイメージメモリに蓄積しておき、所望の関心領域の選択に応じて、選択された関心領域の画像を表示する技術が記載されている。また、特許文献2には、放射線画像撮影システムにおいて、生成された間引き画像データに基づいて関心領域を特定し、特定した関心領域の位置情報を可搬型放射線画像検出器に通知すると共に、可搬型放射線画像検出器では、画像データから関心領域の画像デーを抽出する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平04−38571号公報
【特許文献2】特開2010−259688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、動画像は、静止画像である複数枚の放射線画像を含んでおり、当該複数枚の放射線画像を連続して表示させることにより動画像として表示される。そのため、動画像の画像データは、静止画像の画像データに比べて大きく、保存容量が多くなる。上記従来の技術のように抽出された関心領域が含まれる画像が動画像である場合、画像データが大きくなり、保存容量が多くなるという問題がある。
【0007】
本発明は上記問題点を解決するために成されたものであり、記憶手段に記憶されるデータ量を削減することができる、放射線画像処理装置、放射線画像読影システム、放射線画撮影システム、放射線画像処理方法、及び放射線画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明の放射線画像処理装置は 動画撮影によって得られた複数枚の放射線画像を連続して表示させることにより動画像として前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、前記表示手段に前記動画像を表示している際に、前記複数枚の放射線画像のうち前記表示手段に表示されている放射線画像中の関心領域を示す関心領域情報を受け付ける関心領域受付手段と、前記複数枚の放射線画像のうち、前記関心領域受付手段によって受け付けられた前記関心領域情報により示される関心領域画像が含まれる放射線画像を抽出し、抽出した放射線画像のみを記憶手段に記憶するよう制御する記憶制御手段と、を備える。
【0009】
請求項1に記載の放射線動画像処理装置によれば、表示制御手段の制御により、動画撮影によって得られた複数枚の放射線画像を連続して表示させることにより動画像として前記表示手段に表示させる。関心領域受付手段は、表示手段に動画像を表示している際に、複数枚の放射線画像のうち表示手段に表示されている放射線画像中の関心領域を示す関心領域情報を受け付ける。記憶制御手段は、複数枚の放射線画像のうち、関心領域受付手段によって受け付けられた関心領域情報により示される関心領域画像が含まれる放射線画像を抽出し、抽出した放射線画像のみを記憶手段に記憶するよう制御する。
【0010】
このように本発明では、記憶制御手段が。関心領域受付手段によって受け付けられた関心領域情報により示される関心領域画像が含まれる放射線画像を抽出し、抽出した放射線画像のみを記憶させるため、関心領域画像が含まれる放射線画像以外の画像を記憶手段に記憶させないようにすることができる。これにより、複数枚の放射線画像により成る動画像を記憶手段に記憶させる場合であっても、記憶手段に記憶されるデータ量を削減することができる。
【0011】
また、本発明は請求項2に記載の発明のように、前記表示制御手段は、静止画撮影によって得られた1枚の放射線画像を静止画像として表示手段に表示するよう制御し、前記表示制御手段が静止画像を表示するよう制御した場合は、前記記憶制御手段は、当該静止画像の全領域を前記記憶手段に記憶するよう制御することが好ましい。
【0012】
また、本発明は、請求項3に記載の発明のように、前記表示手段が動画像を表示するよう制御した場合に前記記憶手段に記憶させた関心領域画像が含まれる放射線画像の領域よりも大きな領域を所定の領域とし、前記記憶制御手段は、前記表示制御手段が静止画像を表示するよう制御した場合は、静止画像の所定の領域を前記記憶手段に記憶するよう制御することが好ましい。
【0013】
また、本発明は請求項4に記載の発明のように、前記記憶制御手段は、抽出した放射線画像からさらに、関心領域画像を抽出し、関心領域画像のみを前記記憶手段に記憶するよう制御することが好ましい。
【0014】
また、本発明は請求項5に記載の発明のように、前記表示制御手段は、前記記憶手段に記憶されている放射線画像から関心領域画像を抽出し、抽出した関心領域画像を表示手段に表示するよう制御することが好ましい。
【0015】
また、本発明は請求項6に記載の発明のように、前記記憶制御手段は、前記複数枚の放射線画像のうち、前記関心領域画像が含まれない放射線画像を当該放射線画像の画像データ量を予め定められた処理により小さくした後、前記記憶手段に記憶するよう制御することが好ましい。
【0016】
また、本発明は請求項7に記載の発明のように、読影者が入力した前記関心領域に関係する情報を受け付ける情報受付手段を備え、前記記憶制御手段は、前記情報受付手段で受け付けた情報を前記関心領域画像に対応付けて前記記憶手段に記憶するよう制御することが好ましい。
【0017】
また、本発明は請求項8に記載の発明のように、前記記憶制御手段は、前記関心領域画像関係情報を前記関心領域受付手段に受け付させた読影者に関する情報を前記関心領域画像に対応付けて前記記憶手段に記憶するよう制御することが好ましい。
【0018】
また、請求項9に記載の放射線画像読影システムは、放射線画像を表示する表示手段と、記憶手段と、動画撮影によって得られた複数枚の放射線画像を連続して表示させることにより動画像を前記表示手段に表示するよう制御し、かつ前記記憶手段への放射線画像の記憶を制御する、前記請求項1から前記請求項8のいずれか1項に記載の放射線画像処理装置と、を備える。
【0019】
また、請求項10に記載の放射線画像撮影システムは、照射された放射線の線量に応じた放射線を検出し、検出した放射線に基づいて放射線画像を出力する放射線検出器と、前記放射線検出器を用いた動画撮影によって得られた動画像を読影する前記請求項9に記載の放射線動画像読影システムと、を備える。
【0020】
また、請求項11に記載の放射線画像処理方法は、動画撮影によって得られた複数枚の放射線画像を連続して表示させることにより動画像として前記表示手段に表示するように制御する表示制御工程と、前記表示手段に前記動画像を表示している際に、前記複数枚の放射線画像のうち前記表示手段に表示されている放射線画像中の関心領域を示す関心領域情報を受け付ける関心領域受付工程と、前記複数枚の放射線画像のうち、前記関心領域受付手段によって受け付けられた前記関心領域情報により示される関心領域画像が含まれる放射線画像を抽出し、抽出した放射線画像のみを記憶手段に記憶するよう制御する記憶制御工程と、を備える。
【0021】
また、請求項12に記載の放射線画像処理プログラムは、動画撮影によって得られた複数枚の放射線画像を連続して表示させることにより動画像として前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、前記表示手段に前記動画像を表示している際に、前記複数枚の放射線画像のうち前記表示手段に表示されている放射線画像中の関心領域を示す関心領域情報を受け付ける関心領域受付手段と、前記複数枚の放射線画像のうち、前記関心領域受付手段によって受け付けられた前記関心領域情報により示される関心領域画像が含まれる放射線画像を抽出し、抽出した放射線画像のみを記憶手段に記憶するよう制御する記憶制御手段と、を備えた放射線画像処理装置の前記表示制御手段、及び前記記憶制御手段としてコンピュータを機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0022】
このように、本発明によれば、記憶手段に記憶されるデータ量を削減することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施の形態に係る放射線画像撮影システムの一例の全体構成の概略の概略構成図である。
【図2】本実施の形態に係る放射線検出器の構成の一例を概略的に示す断面模式図である。
【図3】本実施の形態に係る放射線画像処理機能を説明するための機能ブロック図である。
【図4】本実施の形態に係る放射線画像処理の一例のフローチャートである。
【図5】本実施の形態に係る展開された動画像ファイルの一例を示す説明図である。
【図6】本実施の形態に係る動画像の表示の一例を示す説明図である。
【図7】本実施の形態に係る進度表チャート作成・表示処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】本実施の形態に係る展開された動画像ファイルの一例を示す説明図である。
【図9】本実施の形態に係る放射線画像処理の一例のフローチャートである。
【図10】本実施の形態に係る関心領域画像の表示の一例を示す説明図である。
【図11】本実施の形態に係る関心領域画像の表示の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、各図面を参照して本実施の形態の一例について説明する。
【0025】
まず、本実施の形態の放射線画像処理装置を備えた放射線画像撮影システムの概略構成について説明する。図1には、本実施の形態の放射線画像撮影システムの一例の全体構成の概略の概略構成図を示す。本実施の形態の放射線画像撮影システム10は、静止画像としての放射線画像に加え、動画像を撮影することが可能である。なお、本実施の形態において動画像とは、静止画像を高速に次々と表示して、動画像として認知させることをいい、静止画像を撮影し、電気信号に変換し、伝送して当該電気信号から静止画像を再生する、というプロセスを高速に繰り返すものである。従って、前記「高速」の度合いによって、予め定められた時間内に同一領域(一部又は全部)を複数回撮影し、かつ連続的に再生する、いわゆる「コマ送り」も動画像に包含されるものとする。
【0026】
本実施の形態の放射線画像撮影システム10は、コンソール16を介して外部のシステム(例えば、RIS:Radiology Information System:放射線情報システム)からコンソール16を介して入力された指示(撮影メニュー)に基づいて、医師や放射線技師等の操作により放射線画像の撮影を行う機能を有するものである。
【0027】
また、本実施の形態の放射線画像撮影システム10は、撮影された放射線画像の静止画像及び動画像をコンソール16のディスプレイ80や放射線画像読影装置18に表示させることにより、医師や放射線技師等に放射線画像を読影させる機能を有するものである。
【0028】
本実施の形態の放射線画像撮影システム10は、放射線発生装置12、放射線画像処理装置14、コンソール16、記憶部17、放射線画像読影装置18、及び電子カセッテ20を備えている。
【0029】
放射線発生装置12は、放射線照射制御ユニット22を備えている。放射線照射制御ユニット22は、放射線画像処理装置14の放射線制御部62の制御に基づいて放射線照射源22Aから放射線Xを撮影台32上の被験者30の撮影対象部位に照射させる機能を有している。
【0030】
被験者30を透過した放射線Xは、撮影台32内部の保持部34に保持された電子カセッテ20に照射される。電子カセッテ20は、被験者30を透過した放射線Xの線量に応じた電荷を発生し、発生した電荷量に基づいて放射線画像を示す画像データを生成して出力する機能を有するものである。本実施の形態の電子カセッテ20は、放射線検出器26を備えて構成されている。本実施の形態の放射線検出器26の構成の一例を概略的に示す断面模式図を図2に示す。
【0031】
図2に示すように、放射線検出器26は、絶縁性の基板70上に、信号出力部72、センサ部74(TFT基板94)、及びシンチレータ76が順次積層しており、信号出力部72、センサ部74によりTFT基板94の画素群が構成されている。すなわち、複数の画素は、基板70上にマトリクス状に配列されており、各画素における信号出力部72とセンサ部74とが重なりを有するように構成されている。なお、信号出力部72とセンサ部74との間には、絶縁膜73が介在されている。
【0032】
シンチレータ76は、センサ部74上に透明絶縁膜78を介して形成されており、上方(基板70の反対側)または下方から入射してくる放射線を光に変換して発光する蛍光体を成膜したものである。このようなシンチレータ76を設けることで、被写体を透過した放射線を吸収して発光することになる。
【0033】
シンチレータ76が発する光の波長域は、可視光域(波長360nm〜830nm)であることが好ましく、この放射線検出器26によってモノクロ撮像を可能とするためには、緑色の波長域を含んでいることがより好ましい。
【0034】
シンチレータ76に用いる蛍光体としては、具体的には、放射線としてX線を用いて撮像する場合、ヨウ化セシウム(CsI)を含むものが好ましく、X線照射時の発光スペクトルが420nm〜700nmにあるCsI(Tl)(タリウムが添加されたヨウ化セシウム)を用いることが特に好ましい。なお、CsI(Tl)の可視光域における発光ピーク波長は565nmである。
【0035】
センサ部74は、上部電極80、下部電極82、及び当該上下の電極間に配置された光電変換膜84を有し、光電変換膜84は、シンチレータ76が発する光を吸収して電荷が発生する有機光電変換材料により構成されている。
【0036】
上部電極80は、シンチレータ76により生じた光を光電変換膜84に入射させる必要があるため、少なくともシンチレータ76の発光波長に対して透明な導電性材料で構成することが好ましく、具体的には、可視光に対する透過率が高く、抵抗値が小さい透明導電性酸化物(TCO:Transparent Conducting Oxide)を用いることが好ましい。なお、上部電極80としてAuなどの金属薄膜を用いることもできるが、透過率を90%以上得ようとすると抵抗値が増大し易いため、TCOの方が好ましい。例えば、ITO、IZO、AZO、FTO、SnO2、TiO2、ZnO2等を好ましく用いることができ、プロセス簡易性、低抵抗性、透明性の観点からはITOが最も好ましい。なお、上部電極80は、全画素で共通の一枚構成としてもよく、画素毎に分割してもよい。
【0037】
光電変換膜84は、有機光電変換材料を含み、シンチレータ76から発せられた光を吸収し、吸収した光に応じた電荷を発生する。このように有機光電変換材料を含む光電変換膜84であれば、可視域にシャープな吸収スペクトルを持ち、シンチレータ76による発光以外の電磁波が光電変換膜84に吸収されることがほとんどなく、X線等の放射線が光電変換膜84で吸収されることによって発生するノイズを効果的に抑制することができる。
【0038】
光電変換膜84を構成する有機光電変換材料は、シンチレータ76で発光した光を最も効率よく吸収するために、その吸収ピーク波長が、シンチレータ76の発光ピーク波長と近いほど好ましい。有機光電変換材料の吸収ピーク波長とシンチレータ76の発光ピーク波長とが一致することが理想的であるが、双方の差が小さければシンチレータ76から発された光を十分に吸収することが可能である。具体的には、有機光電変換材料の吸収ピーク波長と、シンチレータ76の放射線に対する発光ピーク波長との差が、10nm以内であることが好ましく、5nm以内であることがより好ましい。
【0039】
このような条件を満たすことが可能な有機光電変換材料としては、例えばキナクリドン系有機化合物及びフタロシアニン系有機化合物が挙げられる。例えばキナクリドンの可視域における吸収ピーク波長は560nmであるため、有機光電変換材料としてキナクリドンを用い、シンチレータ56の材料としてCsI(Tl)を用いれば、上記ピーク波長の差を5nm以内にすることが可能となり、光電変換膜84で発生する電荷量をほぼ最大にすることができる。
【0040】
各画素を構成するセンサ部74は、少なくとも下部電極82、光電変換膜84、及び上部電極80を含んでいればよいが、暗電流の増加を抑制するため、電子ブロッキング膜86及び正孔ブロッキング膜88の少なくともいずれかを設けることが好ましく、両方を設けることがより好ましい。
【0041】
電子ブロッキング膜86は、下部電極82と光電変換膜84との間に設けることができ、下部電極82と上部電極80間にバイアス電圧を印加したときに、下部電極82から光電変換膜84に電子が注入されて暗電流が増加してしまうのを抑制することができる。電子ブロッキング膜86には、電子供与性有機材料を用いることができる。
【0042】
正孔ブロッキング膜88は、光電変換膜84と上部電極80との間に設けることができ、下部電極82と上部電極80間にバイアス電圧を印加したときに、上部電極80から光電変換膜84に正孔が注入されて暗電流が増加してしまうのを抑制することができる。正孔ブロッキング膜88には、電子受容性有機材料を用いることができる。
【0043】
信号出力部72は、下部電極82に対応して、下部電極82に移動した電荷を蓄積するコンデンサ90と、コンデンサ90に蓄積された電荷を電気信号に変換して出力する電界効果型薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、単にTFTという場合がある。)92が形成されている。コンデンサ90及びTFT92の形成された領域は、平面視において下部電極82と重なる部分を有しており、このような構成とすることで、各画素における信号出力部72とセンサ部74とが厚さ方向で重なりを有することとなる。なお、放射線検出器26(画素)の平面積を最小にするために、コンデンサ90及びTFT92の形成された領域が下部電極82によって完全に覆われていることが望ましい。
【0044】
なお、放射線検出器26は上述のものに限らず、例えば、フレキシブル基板を用いたものでもよい。フレキシブル基板としては、近年開発されたフロート法による超薄板ガラスを基材として用いたものを適用することが、放射線の透過率を向上させるうえで好ましい。なお、この際に適用できる超薄板ガラスについては、例えば、「旭硝子株式会社、"フロート法による世界最薄0.1ミリ厚の超薄板ガラスの開発に成功"、[online]、[平成23年8月20日検索]、インターネット<URL:http://www.agc.com/news/2011/0516.pdf>」に開示されている。
【0045】
本実施の形態では、電子カセッテ20により出力された放射線画像を示す画像情報は、コンソール16に入力される。本実施の形態のコンソール16は、無線通信(LAN:Local Area Network)等を介して外部システム(RIS)等から取得した撮影メニューや各種情報等を用いて、放射線発生装置12及び電子カセッテ20の制御を行う機能を有している。また、本実施の形態のコンソール16は、放射線画像処理装置14との間で放射線画像の画像データを含む各種情報の送受信を行う機能と共に、電子カセッテ20との間で、放射線画像の画像データ等の各種情報の送受信を行う機能を有している。
【0046】
本実施の形態のコンソール16は、サーバー・コンピュータとして構成されており、CPU40、ROM42、RAM44、HDD46、ディスプレイドライバ48、ディスプレイ50、操作入力検出部52、操作パネル54、I/O部56、及びI/F部58を備えて構成されている。
【0047】
CPU40は、コンソール16全体の動作を制御する機能を有しており、ROM42には、CPU40で使用される制御プログラムを含む各種プログラム等が予め記憶されている。RAM44は、各種データを一時的に記憶する機能を有しており、HDD(ハードディスク・ドライブ)46は、各種データを記憶して保持する機能を有している。
【0048】
ディスプレイドライバ48は、ディスプレイ50への各種情報の表示を制御する機能を有している。本実施の形態のディスプレイ50は、撮影メニューや撮影された放射線画像等を表示する機能を有していると共に、タッチパネル(操作パネル54)として構成されている。操作入力検出部52は、操作パネル54に対する操作状態を検出する機能を有している。操作パネル54は、各種の情報や操作指示を、放射線画像を撮影する撮影者である医師や放射線技師等、及び撮影された放射線画像を読影する読影者である医師や放射線技師等が入力するためのものであり、本実施の形態では、少なくとも、タッチパネルを含んで構成されている。なお、本実施の形態の操作パネル54は、その他、タッチペン、複数のキー、マウス等を含んで構成されている。
【0049】
また、I/O部56及びI/F部58は、無線通信により、放射線画像処理装置14及び放射線発生装置24との間で各種情報の送受信を行うと共に、電子カセッテ20との間で画像データ等の各種情報の送受信を行う機能を有している。
【0050】
CPU40、ROM42、RAM44、HDD46、ディスプレイドライバ48、操作入力検出部52、I/O部58、I/O部56は、システムバスやコントロールバス等のバス59を介して相互に情報等の授受が可能に接続されている。従って、CPU40は、ROM42、RAM44、HDD46へのアクセスを行うことができると共に、ディスプレイドライバ48を介したディスプレイ50への各種情報の表示の制御、及びI/F部58を介した放射線発生装置12及び電子カセッテ20との各種情報の送受信の制御を各々行うことができる。また、CPU40は、操作入力検出部52を介して操作パネル54に対する読影者の操作状態を把握することができる。
【0051】
本実施の形態の放射線画像処理装置14は、コンソール16からの指示に基づいて、放射線発生装置12及び電子カセッテ20を制御する機能を有すると共に、撮影された放射線画像の画像データの記憶部17への記憶、及びコンソール16のディスプレイ50や放射線画像読影装置18への表示を制御する機能(詳細後述)を有するものである。
【0052】
本実施の形態の放射線画像処理装置14は、システム制御部60、放射線制御部62、パネル制御部64、画像処理制御部66、及びI/F部68を備えている。
【0053】
システム制御部60は、放射線画像処理装置14全体を制御する機能を有すると共に、放射線画像撮影システム10を制御する機能を有している。放射線制御部62は、コンソール16の指示に基づいて、放射線発生装置12の放射線照射制御ユニット22を制御する機能を有している。パネル制御部64は、電子カセッテ20からの情報を、無線または有線により受け付ける機能を有しており、画像処理制御部66は、放射線画像に対して各種画像処理を施す機能を有している。
【0054】
システム制御部60、放射線制御部62、パネル制御部64、及び画像処理制御部66は、システムバスやコントロールバス等のバス69を介して相互に情報等の授受が可能に接続されている。
【0055】
本実施の形態の記憶部17は、撮影された放射線画像や関心領域画像(詳細後述)等及を記憶する機能を有するものであり、例えば、HDD等により構成されている。なお本実施の形態において関心領域とは、診断の対象となる腫瘤や石灰化等の病変や、ステント等、医師等の診断を行う読影者の関心対象となる物体が表示されている領域のことをいう。
【0056】
また、本実施の形態の放射線画像読影装置18は、撮影された放射線画像を医師等の読影者が読影するための機能を有する装置であり、特に限定されないが、いわゆる、読影ビューワやコンソール等が挙げられる。本実施の形態の放射線画像読影装置18は、パーソナル・コンピュータとして構成されており、コンソール16と同様に、CPU、ROM、RAM、HDD、ディスプレイドライバ、ディスプレイ23、操作入力検出部、操作パネル24、I/O部、及びI/F部を備えて構成されている。なお、図1では、記載が煩雑になるのを避けるため、これらの構成のうち、ディスプレイ23及び操作パネル24のみを示し、その他の記載を省略している。
【0057】
次に、本実施の形態の放射線画像撮影システム10(放射線画像処理装置14)における、放射線画像処理機能について説明する。本実施の形態では、放射線画像処理として、動画像の表示中に関心領域が指示された場合は、当該関心領域の関心領域画像を抽出し、記憶部17に記憶させる制御を行う。なお、当該ブロック図は、放射線画像処理機能を機能別に分類したものであり、ハード構成を限定するものではない。
【0058】
本実施の形態の放射線画像撮影システム10(放射線画像処理装置14)は、図3に示すように、表示制御部100、進度表チャート生成部102、関心領域受付部104、関心領域情報受付部106、関心領域画像ファイル生成部108、及び記憶制御部110を備えている。なお、図3では、具体的一例として、ディスプレイ50(操作パネル54)に動画像122を表示させ、当該動画像122において読影者が指示した関心領域(関心領域画像140)を記憶手段17に記憶させ、記憶された関心領域画像140(関心領域画像を含む放射線画像122A)をディスプレイ23に表示させる場合を示している。
【0059】
表示制御部100は、ディスプレイ23及びディスプレイ50への画像データ等の表示を制御する機能を有している。本実施の形態では、関心領域画像が未抽出の動画像を表示させる場合は、ディスプレイ50の表示領域には進度表チャート120、動画像122、及びその他情報126が表示される。
【0060】
動画像122を表示させるように指示を受けると表示制御部100は、記憶部17から動画像データファイルを読み出す。この際、動画像122が関心領域画像が未抽出の画像である場合は、動画像122全体(動画像122を構成する複数枚の放射線画像全部)をディスプレイ50の動画像表示領域に表示させる。また、表示させる動画像122に関係する情報(例えば、撮影メニューに関する情報等)を動画像データファイルのヘッダから読み出してディスプレイ50の所定の領域に表示させる。さらに動画像データファイルのヘッダから読み出した情報に基づいて、進度表チャート生成部102により進度表チャート120を生成して所定の領域に表示させる。
【0061】
一方、動画像122が関心領域画像の画像、または、関心領域が含まれる放射線画像のみである場合は、これら関心領域画像のみ、または関心領域が含まれる放射線画像のみをディスプレイ23の動画像表示領域に表示させる。また、関心領域画像に対応付けられた関心領域情報124が記憶されている場合は、当該関心領域情報124もディスプレイ23の所定の領域に表示させる。
【0062】
進度表チャート生成部102は、進度表チャート120を生成する機能を有している。進度表チャート120は、動画像122の表示時間(放映時間)を表す進度表と、動画像表示領域に現在表示されている動画像122の表示時間全体における現在の位置(以下「進行位置」という)を表す進行位置表示とを含んでいる。なお、本実施の形態では、複数の静止画像とみなせる放射線画像を連続して表示させることにより動画像として表示させているため、本実施の形態で「進行位置」とは、現在表示されている放射線画像が、複数の放射線画像のうちのいずれであるかを示すものである。図3では、具体的一例として穂動画像122のうち放射線画像122Aが表示領域に表示されており、放射線画像122Aの進行位置を示す進行位置表示が進度表チャート120に表示されている。
【0063】
一方、記憶制御部110は、ディスプレイ50に表示させた動画像122において読影者が指示した関心領域の画像(関心領域画像140)を記憶部17に記憶するよう制御する機能を有している(詳細後述)。関心領域受付部104は、操作パネル54により読影者が指示した関心領域(関心領域画像140)を受け付ける機能を有しており、関心領域情報受付部106は、指示した関心領域に関する情報(関心領域情報124)を読影者から受け付ける機能を有している。関心領域画像ファイル生成部108は、関心領域受付部104で受け付けた関心領域の関心領域画像、または関心領域画像が含まれる放射線画像を動画像122から抽出し、関心領域情報124と対応付けて格納させた関心領域画像ファイルを生成する機能を有している。
【0064】
次に、本実施の形態の放射線画像撮影システム10(放射線画像処理装置14)における、放射線画像処理について詳細に説明する。本実施の形態の放射線画像処理の一例のフローチャートを図4に示す。なお、以下では、具体的一例として、放射線画像が撮影されているリアルタイムで電子カセッテ20から出力された動画像を読影する場合や、始めて動画像122を読影する場合等、関心領域画像が未抽出の動画像122が記憶部17に記憶されている場合について説明する。なお、当該放射線画像処理は、ディスプレイ放射線画像処理装置14のシステム制御部60または、コンソール16のCPU40により放射線画像処理のプログラムが実行されることにより行われる。本実施の形態では、当該プログラムは、システム制御部60内の記憶部(図示省略)やROM42等に予め記憶させておくが、外部システム(RIS)やCD−ROM、及びUSB等からダウンロードするように構成してもよい。
【0065】
図4に示した放射線画像処理は、読影者から放射線画像の読影(表示)が指示された場合に、実行される。
【0066】
ステップS100では、動画像の表示を指示されたのか否か判断する。静止画像の表示を指示された場合は、否定されてステップS102へ進む。ステップS102では、指示された静止画像の静止画像データフィルを取得し、次のステップS104では、当該静止画像データファイルを展開する。次のステップS106では、展開した画像データファイルに基づいて、静止画像をディスプレイ(ディスプレイ50)に表示させる。当該処理により、読影者は表示された静止画像の読影を行うことができ、当該静止画像に基づいて、診断等を行うことができる。図示を省略した指示部等により、当該静止画像の表示の終了が読影者から指示されると、次のステップS108では、表示させていた静止画像の全領域、すなわち、静止画像全体を記憶部17に記憶させるように制御した後、本処理を終了する。本実施の形態では静止画像を表示させた場合、静止画像の全領域を記憶部17に記憶させているが、全領域ではなく、全領域よりも小さな所定の領域(関心領域を含む領域)であってもよい。静止画像の読影を行う場合、一般に、関心領域だけではなく、関心領域の周囲の領域や、全体を読影したい場合がある。また一般に、静止画像の読影の際には、動画像の読影よりも読影者の視野角が広くなる。そのため、静止画像については、動画像よりも大きな領域を記憶させておくことが好ましい。関心領域を含む所定の領域としては、撮影条件等に応じた領域としてもよいが、本実施の形態のように全領域とすることが好ましい。例えば、被験者30が映り込んでいる領域や、予め読影者等により読影・診断等に必要として指定された領域としてもよい。
【0067】
なお、放射線画像の撮影に応じてリアルタイムで放射線画像(静止画像)の読影を行う場合等ではなく、既に記憶部17に記憶されている静止画像データを読影する場合は、記憶部17に記憶されている静止画像データ上に上書きしてもよいし、ステップS108の処理を省略してもよい。
【0068】
一方、動画像の表示を指示された場合は、肯定されてステップS110へ進む。ステップS110では、読影(表示)を指示された動画像の動画像データファイルを取得し、次のステップS112では、当該動画像データファイルを展開する。展開された動画像データファイルの一例を図5に示す。本実施の形態の動画像データファイルは、当該動画像データファイルに関する基本的情報が格納されたファイル情報部(図5、File Info参照)と、動画像放映(表示)時間等、動画像データに関する情報が格納されたヘッダ(図5、Header Info参照)と、動画像データそのものが格納された動画像データ部(図5、Image Data参照)と、を含んでいる。
【0069】
次のステップS114では、展開した動画像データファイルのヘッダに格納された動画像データに関する情報に基づいて、その他情報126をディスプレイ(ディスプレイ50)に表示させる(図6参照)。本実施の形態では、その他情報126とは、当該動画像を撮影した際の撮影メニューに関する情報(図6、MENU Info参照)や、当該動画像を撮影した際の放射線の照射に関する情報(図6、X−Ray Info参照)や、読影者等に関する情報(例えば、読影者のID等、図6、User Information参照)等を含むが特に限定されず、その他の当該動画像の撮影・表示等に関する情報であってもよい。
【0070】
次のステップS116では、進度表チャート作成・表示処理を行う。本実施の形態の進度表チャート120の作成、及びディスプレイ(ディスプレイ50)への表示処理の一例のフローチャートを図7に示す。図7に示したステップS200では、展開した動画像データファイルからヘッダを取得する。次のステップS202では、取得したヘッダから動画像の放映時間(表示時間)を読み出す。次のステップS204では、読み出した動画像放映時間に基づいて、進度表チャート120を作成し、進度表130を図6に示すように、ディスプレイ(ディスプレイ50)の所定の領域(進度表130を表示させるために予め定められた所定の領域)に表示させる。次のステップS210では、進度表チャート120の進度表130に対して、動画像領域に表示させている動画像の進行位置を示すための進行位置表示132を図6に示すように表示させた後、進度表チャート作成・表示処理を終了する。なお、本実施の形態では、表示させている動画像の表示に応じて、進度表130に対して、進行位置表示132を移動させるように制御している。
【0071】
このようにして進度表チャート作成・表示処理が終了した次のステップS118では、動画像データに基づいて動画像122をディスプレイ(ディスプレイ50)の動画像表示領域に表示させるよう制御する。当該処理により、ディスプレイ(ディスプレイ50)の動画像表示領域には、複数枚の放射線画像が連続して表示されることにより、動画像122が表示される。このようにして動画像122が表示されると、読影者は、表示されている動画像122から、より具体的には、動画像122を構成する複数枚の放射線画像から関心領域の指示を行う。
【0072】
図6は、関心領域(関心領域画像)が読影者により指示された状態を示している。本実施の形態では、読影者が関心領域を指示する場合、読影者は、表示されている動画像122の進行を一旦停止させて、静止された放射線画像122Aに対して指示を行うことができると共に、表示が進行する動画像122に対して指示を行うこともできる。なお、いずれを行うかは図示を省略した指示部等により、読影者が指示するようにすればよい。また、本実施の形態では、読影者が操作パネル54であるディスプレイ50上に直接タッチペン等を用いて関心領域を指示する。なお、読影者による関心領域の指示の仕方は、読影者がタッチペン等を用いて放射線画像122A上に書き込んだ領域内(図6では、関心領域画像140で示した枠線内)としてもよい。また、読影者が関心領域画像140内の一部を指定すると、画像解析等により放射線画像122Aから関心領域画像140を抽出するようにしてもよい。このように本実施の形態では、関心領域の指示方法は特に限定されず、一般的な方法を用いてよい。
【0073】
次のステップS120では、上述のようにして読影者から関心領域の指示を受け付ける。なお、関心領域の指示と共に、読影者から関心領域情報124が入力された場合は、当該関心領域情報124を受け付ける。本実施の形態で関心領域情報124とは、関心領域の所見や診断等、動画像122を読影した読影者のメモ等が含まれる。関心領域情報124の入力は、タッチパネルである操作パネル54上に直接読影者が入力してもよいし、キーボード等の操作パネル54を用いて入力するようにしてもよい。
【0074】
次のステップS122では、受け付けた関心領域の関心領域画像140を動画像122A内から抽出する。
【0075】
次のステップS124では、抽出した関心領域画像140が含まれる放射線画像を抽出する。本実施の形態では、動画像122は、複数枚の放射線画像より成るため、関心領域画像140は、読影者が関心領域の指示を行った放射線画像122Aの他の放射線画像(例えば、放射線画像122Aの前後に表示される放射線画像)にも関心領域画像140が含まれている場合がある。そのため、本実施の形態では、動画像122を成す複数枚の放射線画像のうちから、画像解析等により、抽出した関心領域画像140が含まれる放射線画像を抽出する。このような画像解析としては、各画素の画素値の差に基づく手法や正規化相互相関係数に基づく手法等、画像の類似性の解析を行うことができる画像解析方法であればよく、例えば公知のパターンマッチング、スペクトル解析、空間周波数、及びテクスチャ解析等であってもよく、特に限定されるものではない。
【0076】
次のステップS126では、関心領域画像140のみを記憶させるか否か判断する。なお、本実施の形態では、関心領域画像140等をどのように記憶させるか否かは、図示を省略した指示部等により、読影者が指示するようしている。関心領域画像140のみを記憶させる場合は、肯定されてステップS128へ進み、関心領域画像140以外の画像を含まない関心領域画像ファイルを記憶部17に記憶させた後、本処理を終了する。この場合、動画像122を成す複数枚の放射線画像のうち、関心領域画像140を含まない放射線画像は記憶部17に記憶させない、すなわち廃棄するように制御している。また、関心領域画像140を含む放射線画像のうち、非関心画像領域(関心領域画像140以外の領域)は記憶部17に記憶させない、すなわち廃棄するように制御している。なお、上記ステップS120で関心領域情報124を受け付けた場合は、関心領域画像に対応付けて関心領域情報124も記憶部17に記憶させるように制御している。
【0077】
一方、関心領域画像140以外も記憶させる場合は、否定されてステップS130へ進み、抽出した放射線画像(関心領域画像140が含まれる放射線画像)のみを記憶させるか否か判断する。抽出した放射線画像以外の画像を含まない関心領域画像ファイルを記憶させる場合は、肯定されてステップS136へ進み、抽出した放射線画像のみを記憶部17に記憶させた後、本処理を終了する。この場合本実施の形態では、抽出した放射線画像(1枚の場合は静止画像、複数枚の場合は動画像として扱う)の画像データのヘッダに関心領域(関心領域画像140)に関する情報を追加している(図8参照)。
【0078】
この場合、動画像122を成す複数枚の放射線画像のうち、抽出された放射線画像以外の画像、即ち関心領域画像140を含まない放射線画像は記憶部17に記憶させない、すなわち廃棄するように制御している。なお、この場合においても、上記ステップS120で関心領域情報124を受け付けた場合は、関心領域画像に対応付けて関心領域情報124も記憶部17に記憶させるように制御する。
【0079】
一方、動画像122を成す複数枚の放射線画像全てを記憶させる場合等は、ステップS130で否定されてステップS132へ進む。ステップS132では、動画像122を成す複数枚の放射線画像のうち、抽出した放射線画像以外の放射線画像に対して、画像データ量が少なくなるように圧縮処理を施す。なお、本実施の形態では、圧縮処理を施しているが、画像データ量が小さくなるような処理であれば特に限定されず、例えば、解像度を低下させる処理を施すようにしてもよい。また、圧縮処理を行う場合は、可逆的な圧縮処理及び不可逆的な圧縮処理のいずれを行ってもよい。なお、抽出した放射線画像のうち、非関心画像領域(関心領域画像140以外の領域)に対しても圧縮処理を施すようにしてもよい。このように抽出した関心領域画像140(放射線画像)以外の画像も記憶させておくことにより、画像データの保存容量を小さくすることができる。
【0080】
次のステップS134では、圧縮した放射線画像を記憶部17に記憶するように制御した後、ステップS136へ進み、上述したように抽出した放射線画像以外の画像を含まない関心領域画像ファイルを記憶部17に記憶させるよう制御した後、本処理を終了する。
【0081】
次に、具体的一例として、上述のようにして、関心領域画像140が抽出されて、記憶部17に記憶されている場合について説明する。この場合の放射線画像処理の一例のフローチャートを図9に示す。
【0082】
図9に示した放射線画像処理は、読影者から放射線画像の読影(表示)が指示された場合に、実行される。なお、上述の放射線画像処理(図4参照)と略同様の処理についてはその旨を記し、ここでは詳細な説明を省略する。
【0083】
ステップS300は、動画像の表示を指示されたのか否か判断する。静止画像の表示を指示された場合は、否定されてステップS302へ進む。静止画像の表示を指示された場合のステップS302〜ステップS308の各処理は、上述の放射線画像処理において静止画像の表示を指示された場合のステップS102〜ステップS108の各処理にそれぞれ対応しているため説明を省略する。
【0084】
一方、動画像の表示を指示された場合は、肯定されてステップS310へ進む。ステップS310では、指示された動画像に対応する関心領域画像ファイルを記憶部17から取得する。次のステップS312では、関心領域画像ファイルをファイル展開し、次のステップS314では、上述の放射線画像処理のステップS114と略同様に、関心領域画像ファイルのヘッダに格納された情報に基づいて、その他情報126をディスプレイ(ディスプレイ23)に表示させる。
【0085】
次のステップ318では、関心領域画像ファイルの画像データに基づいて関心領域画像140をディスプレイ(ディスプレイ23)の動画像表示領域に表示させるよう制御した後、本処理を終了する。
【0086】
当該処理により、ディスプレイ(ディスプレイ23)には、関心領域画像140が動画像として表示される。本実施の形態における関心領域画像140の表示の具体例を図10及び図11に示す。図10には、関心領域画像140を含む放射線画像122Aが記憶部17に記憶されており、当該放射線画像122Aを表示させる場合を示している。また、図11には、関心領域画像140のみが記憶部17に記憶されており、当該関心領域画像140のみを表示させる場合を示している。なお、図11にように、関心領域画像140のみを表示させる場合は、関心領域画像140を拡大(例えば、動画像表示領域全体に表示されるように拡大)して、表示させるように制御してもよい。
【0087】
また、関心領域情報124が関心領域画像140に対応付けて記憶されている場合は、図10に示すように、関心領域情報124も表示させるようにすることが好ましい。
【0088】
また、関心領域画像ファイルに基づいて関心領域画像140を表示させる場合も、図11に示すように、関心領域画像ファイルのヘッダに格納されている情報に基づいて、進度表チャート120を生成し表示させるようにしてもよい。
【0089】
以上、説明したように本実施の形態の放射線画像処理装置14を備えた放射線画像撮影動画像の撮影により電子カセッテ20から得られた複数枚の放射線画像を連続してコンソール16のディスプレイ50または放射線画像読影装置18のディスプレイ23に表示させるよう表示制御部100が制御することにより動画像122の表示を行う。動画像122の表示中に動画像122(放射線画像122A)に対して読影者が関心領域を指示する。関心領域受付部104で関心領域を受け付けると、受け付けた関心領域の関心領域画像140及び、当該関心領域画像140が含まれる放射線画像を動画像122として連続表示されていた複数の放射線画像のうちから抽出する。さらに、関心領域画像140の画像のみ、または関心領域画像140が含まれる放射線画像のみを関心領域画像ファイルとして記憶部17に記憶させるよう制御する。この後、関心領域画像140を表示させるよう制御する場合は、関心領域画像ファイルに基づいて関心領域画像140をディスプレイ50またはディスプレイ23に表示させるよう制御する。
【0090】
このように本実施の形態では、読影者が動画像122を読影した際に、読影者により、関心領域が指示された場合は、関心領域画像140の画像のみ、または関心領域画像140が含まれる放射線画像のみが関心領域画像ファイルとして記憶部17に記憶される。
【0091】
従って、動画像122全部を記憶部17に記憶させる場合に比べて、記憶部17に記憶されるデータ量を削減することができる。
【0092】
一般に、一度読影者により動画像122を読影した後、再度当該動画像122を読影する場合は、関心領域(関心領域画像140)のみを読影したい場合が多く、その他の放射線画像の読影が不要な場合がある。特に、動画像の読影の場合、静止画像の読影に比べて読影者の視野角が狭く、大きな画像(放射線画像全領域)を要しない場合が多い。そのため、一度読影者により動画像122を読影した後は、本実施の形態のように、関心領域画像140の画像のみ、または関心領域画像140が含まれる放射線画像のみを記憶部17に記憶させても問題が生じる可能性が低く、かつ、記憶部17に記憶されるデータ量を削減することができるという効果が得られる。
【0093】
また、本実施の形態では、関心領域画像140のみを記憶させる場合、関心領域画像140そのものを記憶部17に記憶させるように制御しているが、関心領域画像140を含む所定の領域(放射線画像122Aの全領域よりも小さい領域)を記憶させるように制御してもよい。
【0094】
また、本実施の形態では関心領域画像140、及び関心領域画像140が含まれる放射線画像122Aの抽出を、読影者が関心領域を指示した後、動画像122の読影中に行っているがこれに限らず、読影の終了により、診断が確定したものとみなして、関心領域画像140、及び関心領域画像140が含まれる放射線画像122Aの抽出を行うようにしてもよい。
【0095】
その他、上記本実施の形態で説明した放射線画像撮影システム10、放射線画像処理装置14、コンソール16、及び放射線検出器26等の構成、放射線画像処理等は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることは言うまでもない。
【0096】
また、上記本実施の形態で説明した放射線は、特に限定されるものではなく、X線やγ線等を適用することができる。
【符号の説明】
【0097】
10 放射線画像撮影システム
14 放射線画像処理装置
16 コンソール
17 記憶部
18 放射線画像読影装置
20 電子カセッテ
23、50 ディスプレイ
24、54 操作パネル
100 表示制御部
104 関心領域受付部
106 関心領域情報受付部
110 記憶制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、放放射線画像処理装置、放射線画像読影システム、放射線画撮影システム、放射線画像処理方法、及び放射線画像処理プログラムに係り、特に、動画像とした放射線画像に対して画像処理を行う放射線画像処理装置、放射線画像読影システム、放射線画撮影システム、放射線画像処理方法、及び放射線画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
放射線画像の撮影を行うための放射線画像撮影装置として、放射線照射装置から照射され、被写体を透過した放射線を放射線検出器により検出する放射線画像撮影装置が知られている。また、当該放射線画像装置により、静止画像である放射線画像の撮影に加えて、例えば、複数の放射線画像(静止画像)を連続して撮影する動画像の撮影が行われている。
【0003】
一般に、病院等の医療施設においては、このようにして撮影された静止画像や動画像に基づいて、静止画像や動画像を読影した医師等により、診断が行われている。このように医師等が静止画像や動画像を読影することにより診断を行うにあたり、診断の対象となる腫瘤や石灰化等の病変や、ステント等の関心領域を抽出したり、記憶させたりする技術が知られている。
【0004】
例えば、特許文献1には、関心領域を示す処理画像をイメージメモリに蓄積しておき、所望の関心領域の選択に応じて、選択された関心領域の画像を表示する技術が記載されている。また、特許文献2には、放射線画像撮影システムにおいて、生成された間引き画像データに基づいて関心領域を特定し、特定した関心領域の位置情報を可搬型放射線画像検出器に通知すると共に、可搬型放射線画像検出器では、画像データから関心領域の画像デーを抽出する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平04−38571号公報
【特許文献2】特開2010−259688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、動画像は、静止画像である複数枚の放射線画像を含んでおり、当該複数枚の放射線画像を連続して表示させることにより動画像として表示される。そのため、動画像の画像データは、静止画像の画像データに比べて大きく、保存容量が多くなる。上記従来の技術のように抽出された関心領域が含まれる画像が動画像である場合、画像データが大きくなり、保存容量が多くなるという問題がある。
【0007】
本発明は上記問題点を解決するために成されたものであり、記憶手段に記憶されるデータ量を削減することができる、放射線画像処理装置、放射線画像読影システム、放射線画撮影システム、放射線画像処理方法、及び放射線画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明の放射線画像処理装置は 動画撮影によって得られた複数枚の放射線画像を連続して表示させることにより動画像として前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、前記表示手段に前記動画像を表示している際に、前記複数枚の放射線画像のうち前記表示手段に表示されている放射線画像中の関心領域を示す関心領域情報を受け付ける関心領域受付手段と、前記複数枚の放射線画像のうち、前記関心領域受付手段によって受け付けられた前記関心領域情報により示される関心領域画像が含まれる放射線画像を抽出し、抽出した放射線画像のみを記憶手段に記憶するよう制御する記憶制御手段と、を備える。
【0009】
請求項1に記載の放射線動画像処理装置によれば、表示制御手段の制御により、動画撮影によって得られた複数枚の放射線画像を連続して表示させることにより動画像として前記表示手段に表示させる。関心領域受付手段は、表示手段に動画像を表示している際に、複数枚の放射線画像のうち表示手段に表示されている放射線画像中の関心領域を示す関心領域情報を受け付ける。記憶制御手段は、複数枚の放射線画像のうち、関心領域受付手段によって受け付けられた関心領域情報により示される関心領域画像が含まれる放射線画像を抽出し、抽出した放射線画像のみを記憶手段に記憶するよう制御する。
【0010】
このように本発明では、記憶制御手段が。関心領域受付手段によって受け付けられた関心領域情報により示される関心領域画像が含まれる放射線画像を抽出し、抽出した放射線画像のみを記憶させるため、関心領域画像が含まれる放射線画像以外の画像を記憶手段に記憶させないようにすることができる。これにより、複数枚の放射線画像により成る動画像を記憶手段に記憶させる場合であっても、記憶手段に記憶されるデータ量を削減することができる。
【0011】
また、本発明は請求項2に記載の発明のように、前記表示制御手段は、静止画撮影によって得られた1枚の放射線画像を静止画像として表示手段に表示するよう制御し、前記表示制御手段が静止画像を表示するよう制御した場合は、前記記憶制御手段は、当該静止画像の全領域を前記記憶手段に記憶するよう制御することが好ましい。
【0012】
また、本発明は、請求項3に記載の発明のように、前記表示手段が動画像を表示するよう制御した場合に前記記憶手段に記憶させた関心領域画像が含まれる放射線画像の領域よりも大きな領域を所定の領域とし、前記記憶制御手段は、前記表示制御手段が静止画像を表示するよう制御した場合は、静止画像の所定の領域を前記記憶手段に記憶するよう制御することが好ましい。
【0013】
また、本発明は請求項4に記載の発明のように、前記記憶制御手段は、抽出した放射線画像からさらに、関心領域画像を抽出し、関心領域画像のみを前記記憶手段に記憶するよう制御することが好ましい。
【0014】
また、本発明は請求項5に記載の発明のように、前記表示制御手段は、前記記憶手段に記憶されている放射線画像から関心領域画像を抽出し、抽出した関心領域画像を表示手段に表示するよう制御することが好ましい。
【0015】
また、本発明は請求項6に記載の発明のように、前記記憶制御手段は、前記複数枚の放射線画像のうち、前記関心領域画像が含まれない放射線画像を当該放射線画像の画像データ量を予め定められた処理により小さくした後、前記記憶手段に記憶するよう制御することが好ましい。
【0016】
また、本発明は請求項7に記載の発明のように、読影者が入力した前記関心領域に関係する情報を受け付ける情報受付手段を備え、前記記憶制御手段は、前記情報受付手段で受け付けた情報を前記関心領域画像に対応付けて前記記憶手段に記憶するよう制御することが好ましい。
【0017】
また、本発明は請求項8に記載の発明のように、前記記憶制御手段は、前記関心領域画像関係情報を前記関心領域受付手段に受け付させた読影者に関する情報を前記関心領域画像に対応付けて前記記憶手段に記憶するよう制御することが好ましい。
【0018】
また、請求項9に記載の放射線画像読影システムは、放射線画像を表示する表示手段と、記憶手段と、動画撮影によって得られた複数枚の放射線画像を連続して表示させることにより動画像を前記表示手段に表示するよう制御し、かつ前記記憶手段への放射線画像の記憶を制御する、前記請求項1から前記請求項8のいずれか1項に記載の放射線画像処理装置と、を備える。
【0019】
また、請求項10に記載の放射線画像撮影システムは、照射された放射線の線量に応じた放射線を検出し、検出した放射線に基づいて放射線画像を出力する放射線検出器と、前記放射線検出器を用いた動画撮影によって得られた動画像を読影する前記請求項9に記載の放射線動画像読影システムと、を備える。
【0020】
また、請求項11に記載の放射線画像処理方法は、動画撮影によって得られた複数枚の放射線画像を連続して表示させることにより動画像として前記表示手段に表示するように制御する表示制御工程と、前記表示手段に前記動画像を表示している際に、前記複数枚の放射線画像のうち前記表示手段に表示されている放射線画像中の関心領域を示す関心領域情報を受け付ける関心領域受付工程と、前記複数枚の放射線画像のうち、前記関心領域受付手段によって受け付けられた前記関心領域情報により示される関心領域画像が含まれる放射線画像を抽出し、抽出した放射線画像のみを記憶手段に記憶するよう制御する記憶制御工程と、を備える。
【0021】
また、請求項12に記載の放射線画像処理プログラムは、動画撮影によって得られた複数枚の放射線画像を連続して表示させることにより動画像として前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、前記表示手段に前記動画像を表示している際に、前記複数枚の放射線画像のうち前記表示手段に表示されている放射線画像中の関心領域を示す関心領域情報を受け付ける関心領域受付手段と、前記複数枚の放射線画像のうち、前記関心領域受付手段によって受け付けられた前記関心領域情報により示される関心領域画像が含まれる放射線画像を抽出し、抽出した放射線画像のみを記憶手段に記憶するよう制御する記憶制御手段と、を備えた放射線画像処理装置の前記表示制御手段、及び前記記憶制御手段としてコンピュータを機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0022】
このように、本発明によれば、記憶手段に記憶されるデータ量を削減することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施の形態に係る放射線画像撮影システムの一例の全体構成の概略の概略構成図である。
【図2】本実施の形態に係る放射線検出器の構成の一例を概略的に示す断面模式図である。
【図3】本実施の形態に係る放射線画像処理機能を説明するための機能ブロック図である。
【図4】本実施の形態に係る放射線画像処理の一例のフローチャートである。
【図5】本実施の形態に係る展開された動画像ファイルの一例を示す説明図である。
【図6】本実施の形態に係る動画像の表示の一例を示す説明図である。
【図7】本実施の形態に係る進度表チャート作成・表示処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】本実施の形態に係る展開された動画像ファイルの一例を示す説明図である。
【図9】本実施の形態に係る放射線画像処理の一例のフローチャートである。
【図10】本実施の形態に係る関心領域画像の表示の一例を示す説明図である。
【図11】本実施の形態に係る関心領域画像の表示の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、各図面を参照して本実施の形態の一例について説明する。
【0025】
まず、本実施の形態の放射線画像処理装置を備えた放射線画像撮影システムの概略構成について説明する。図1には、本実施の形態の放射線画像撮影システムの一例の全体構成の概略の概略構成図を示す。本実施の形態の放射線画像撮影システム10は、静止画像としての放射線画像に加え、動画像を撮影することが可能である。なお、本実施の形態において動画像とは、静止画像を高速に次々と表示して、動画像として認知させることをいい、静止画像を撮影し、電気信号に変換し、伝送して当該電気信号から静止画像を再生する、というプロセスを高速に繰り返すものである。従って、前記「高速」の度合いによって、予め定められた時間内に同一領域(一部又は全部)を複数回撮影し、かつ連続的に再生する、いわゆる「コマ送り」も動画像に包含されるものとする。
【0026】
本実施の形態の放射線画像撮影システム10は、コンソール16を介して外部のシステム(例えば、RIS:Radiology Information System:放射線情報システム)からコンソール16を介して入力された指示(撮影メニュー)に基づいて、医師や放射線技師等の操作により放射線画像の撮影を行う機能を有するものである。
【0027】
また、本実施の形態の放射線画像撮影システム10は、撮影された放射線画像の静止画像及び動画像をコンソール16のディスプレイ80や放射線画像読影装置18に表示させることにより、医師や放射線技師等に放射線画像を読影させる機能を有するものである。
【0028】
本実施の形態の放射線画像撮影システム10は、放射線発生装置12、放射線画像処理装置14、コンソール16、記憶部17、放射線画像読影装置18、及び電子カセッテ20を備えている。
【0029】
放射線発生装置12は、放射線照射制御ユニット22を備えている。放射線照射制御ユニット22は、放射線画像処理装置14の放射線制御部62の制御に基づいて放射線照射源22Aから放射線Xを撮影台32上の被験者30の撮影対象部位に照射させる機能を有している。
【0030】
被験者30を透過した放射線Xは、撮影台32内部の保持部34に保持された電子カセッテ20に照射される。電子カセッテ20は、被験者30を透過した放射線Xの線量に応じた電荷を発生し、発生した電荷量に基づいて放射線画像を示す画像データを生成して出力する機能を有するものである。本実施の形態の電子カセッテ20は、放射線検出器26を備えて構成されている。本実施の形態の放射線検出器26の構成の一例を概略的に示す断面模式図を図2に示す。
【0031】
図2に示すように、放射線検出器26は、絶縁性の基板70上に、信号出力部72、センサ部74(TFT基板94)、及びシンチレータ76が順次積層しており、信号出力部72、センサ部74によりTFT基板94の画素群が構成されている。すなわち、複数の画素は、基板70上にマトリクス状に配列されており、各画素における信号出力部72とセンサ部74とが重なりを有するように構成されている。なお、信号出力部72とセンサ部74との間には、絶縁膜73が介在されている。
【0032】
シンチレータ76は、センサ部74上に透明絶縁膜78を介して形成されており、上方(基板70の反対側)または下方から入射してくる放射線を光に変換して発光する蛍光体を成膜したものである。このようなシンチレータ76を設けることで、被写体を透過した放射線を吸収して発光することになる。
【0033】
シンチレータ76が発する光の波長域は、可視光域(波長360nm〜830nm)であることが好ましく、この放射線検出器26によってモノクロ撮像を可能とするためには、緑色の波長域を含んでいることがより好ましい。
【0034】
シンチレータ76に用いる蛍光体としては、具体的には、放射線としてX線を用いて撮像する場合、ヨウ化セシウム(CsI)を含むものが好ましく、X線照射時の発光スペクトルが420nm〜700nmにあるCsI(Tl)(タリウムが添加されたヨウ化セシウム)を用いることが特に好ましい。なお、CsI(Tl)の可視光域における発光ピーク波長は565nmである。
【0035】
センサ部74は、上部電極80、下部電極82、及び当該上下の電極間に配置された光電変換膜84を有し、光電変換膜84は、シンチレータ76が発する光を吸収して電荷が発生する有機光電変換材料により構成されている。
【0036】
上部電極80は、シンチレータ76により生じた光を光電変換膜84に入射させる必要があるため、少なくともシンチレータ76の発光波長に対して透明な導電性材料で構成することが好ましく、具体的には、可視光に対する透過率が高く、抵抗値が小さい透明導電性酸化物(TCO:Transparent Conducting Oxide)を用いることが好ましい。なお、上部電極80としてAuなどの金属薄膜を用いることもできるが、透過率を90%以上得ようとすると抵抗値が増大し易いため、TCOの方が好ましい。例えば、ITO、IZO、AZO、FTO、SnO2、TiO2、ZnO2等を好ましく用いることができ、プロセス簡易性、低抵抗性、透明性の観点からはITOが最も好ましい。なお、上部電極80は、全画素で共通の一枚構成としてもよく、画素毎に分割してもよい。
【0037】
光電変換膜84は、有機光電変換材料を含み、シンチレータ76から発せられた光を吸収し、吸収した光に応じた電荷を発生する。このように有機光電変換材料を含む光電変換膜84であれば、可視域にシャープな吸収スペクトルを持ち、シンチレータ76による発光以外の電磁波が光電変換膜84に吸収されることがほとんどなく、X線等の放射線が光電変換膜84で吸収されることによって発生するノイズを効果的に抑制することができる。
【0038】
光電変換膜84を構成する有機光電変換材料は、シンチレータ76で発光した光を最も効率よく吸収するために、その吸収ピーク波長が、シンチレータ76の発光ピーク波長と近いほど好ましい。有機光電変換材料の吸収ピーク波長とシンチレータ76の発光ピーク波長とが一致することが理想的であるが、双方の差が小さければシンチレータ76から発された光を十分に吸収することが可能である。具体的には、有機光電変換材料の吸収ピーク波長と、シンチレータ76の放射線に対する発光ピーク波長との差が、10nm以内であることが好ましく、5nm以内であることがより好ましい。
【0039】
このような条件を満たすことが可能な有機光電変換材料としては、例えばキナクリドン系有機化合物及びフタロシアニン系有機化合物が挙げられる。例えばキナクリドンの可視域における吸収ピーク波長は560nmであるため、有機光電変換材料としてキナクリドンを用い、シンチレータ56の材料としてCsI(Tl)を用いれば、上記ピーク波長の差を5nm以内にすることが可能となり、光電変換膜84で発生する電荷量をほぼ最大にすることができる。
【0040】
各画素を構成するセンサ部74は、少なくとも下部電極82、光電変換膜84、及び上部電極80を含んでいればよいが、暗電流の増加を抑制するため、電子ブロッキング膜86及び正孔ブロッキング膜88の少なくともいずれかを設けることが好ましく、両方を設けることがより好ましい。
【0041】
電子ブロッキング膜86は、下部電極82と光電変換膜84との間に設けることができ、下部電極82と上部電極80間にバイアス電圧を印加したときに、下部電極82から光電変換膜84に電子が注入されて暗電流が増加してしまうのを抑制することができる。電子ブロッキング膜86には、電子供与性有機材料を用いることができる。
【0042】
正孔ブロッキング膜88は、光電変換膜84と上部電極80との間に設けることができ、下部電極82と上部電極80間にバイアス電圧を印加したときに、上部電極80から光電変換膜84に正孔が注入されて暗電流が増加してしまうのを抑制することができる。正孔ブロッキング膜88には、電子受容性有機材料を用いることができる。
【0043】
信号出力部72は、下部電極82に対応して、下部電極82に移動した電荷を蓄積するコンデンサ90と、コンデンサ90に蓄積された電荷を電気信号に変換して出力する電界効果型薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、単にTFTという場合がある。)92が形成されている。コンデンサ90及びTFT92の形成された領域は、平面視において下部電極82と重なる部分を有しており、このような構成とすることで、各画素における信号出力部72とセンサ部74とが厚さ方向で重なりを有することとなる。なお、放射線検出器26(画素)の平面積を最小にするために、コンデンサ90及びTFT92の形成された領域が下部電極82によって完全に覆われていることが望ましい。
【0044】
なお、放射線検出器26は上述のものに限らず、例えば、フレキシブル基板を用いたものでもよい。フレキシブル基板としては、近年開発されたフロート法による超薄板ガラスを基材として用いたものを適用することが、放射線の透過率を向上させるうえで好ましい。なお、この際に適用できる超薄板ガラスについては、例えば、「旭硝子株式会社、"フロート法による世界最薄0.1ミリ厚の超薄板ガラスの開発に成功"、[online]、[平成23年8月20日検索]、インターネット<URL:http://www.agc.com/news/2011/0516.pdf>」に開示されている。
【0045】
本実施の形態では、電子カセッテ20により出力された放射線画像を示す画像情報は、コンソール16に入力される。本実施の形態のコンソール16は、無線通信(LAN:Local Area Network)等を介して外部システム(RIS)等から取得した撮影メニューや各種情報等を用いて、放射線発生装置12及び電子カセッテ20の制御を行う機能を有している。また、本実施の形態のコンソール16は、放射線画像処理装置14との間で放射線画像の画像データを含む各種情報の送受信を行う機能と共に、電子カセッテ20との間で、放射線画像の画像データ等の各種情報の送受信を行う機能を有している。
【0046】
本実施の形態のコンソール16は、サーバー・コンピュータとして構成されており、CPU40、ROM42、RAM44、HDD46、ディスプレイドライバ48、ディスプレイ50、操作入力検出部52、操作パネル54、I/O部56、及びI/F部58を備えて構成されている。
【0047】
CPU40は、コンソール16全体の動作を制御する機能を有しており、ROM42には、CPU40で使用される制御プログラムを含む各種プログラム等が予め記憶されている。RAM44は、各種データを一時的に記憶する機能を有しており、HDD(ハードディスク・ドライブ)46は、各種データを記憶して保持する機能を有している。
【0048】
ディスプレイドライバ48は、ディスプレイ50への各種情報の表示を制御する機能を有している。本実施の形態のディスプレイ50は、撮影メニューや撮影された放射線画像等を表示する機能を有していると共に、タッチパネル(操作パネル54)として構成されている。操作入力検出部52は、操作パネル54に対する操作状態を検出する機能を有している。操作パネル54は、各種の情報や操作指示を、放射線画像を撮影する撮影者である医師や放射線技師等、及び撮影された放射線画像を読影する読影者である医師や放射線技師等が入力するためのものであり、本実施の形態では、少なくとも、タッチパネルを含んで構成されている。なお、本実施の形態の操作パネル54は、その他、タッチペン、複数のキー、マウス等を含んで構成されている。
【0049】
また、I/O部56及びI/F部58は、無線通信により、放射線画像処理装置14及び放射線発生装置24との間で各種情報の送受信を行うと共に、電子カセッテ20との間で画像データ等の各種情報の送受信を行う機能を有している。
【0050】
CPU40、ROM42、RAM44、HDD46、ディスプレイドライバ48、操作入力検出部52、I/O部58、I/O部56は、システムバスやコントロールバス等のバス59を介して相互に情報等の授受が可能に接続されている。従って、CPU40は、ROM42、RAM44、HDD46へのアクセスを行うことができると共に、ディスプレイドライバ48を介したディスプレイ50への各種情報の表示の制御、及びI/F部58を介した放射線発生装置12及び電子カセッテ20との各種情報の送受信の制御を各々行うことができる。また、CPU40は、操作入力検出部52を介して操作パネル54に対する読影者の操作状態を把握することができる。
【0051】
本実施の形態の放射線画像処理装置14は、コンソール16からの指示に基づいて、放射線発生装置12及び電子カセッテ20を制御する機能を有すると共に、撮影された放射線画像の画像データの記憶部17への記憶、及びコンソール16のディスプレイ50や放射線画像読影装置18への表示を制御する機能(詳細後述)を有するものである。
【0052】
本実施の形態の放射線画像処理装置14は、システム制御部60、放射線制御部62、パネル制御部64、画像処理制御部66、及びI/F部68を備えている。
【0053】
システム制御部60は、放射線画像処理装置14全体を制御する機能を有すると共に、放射線画像撮影システム10を制御する機能を有している。放射線制御部62は、コンソール16の指示に基づいて、放射線発生装置12の放射線照射制御ユニット22を制御する機能を有している。パネル制御部64は、電子カセッテ20からの情報を、無線または有線により受け付ける機能を有しており、画像処理制御部66は、放射線画像に対して各種画像処理を施す機能を有している。
【0054】
システム制御部60、放射線制御部62、パネル制御部64、及び画像処理制御部66は、システムバスやコントロールバス等のバス69を介して相互に情報等の授受が可能に接続されている。
【0055】
本実施の形態の記憶部17は、撮影された放射線画像や関心領域画像(詳細後述)等及を記憶する機能を有するものであり、例えば、HDD等により構成されている。なお本実施の形態において関心領域とは、診断の対象となる腫瘤や石灰化等の病変や、ステント等、医師等の診断を行う読影者の関心対象となる物体が表示されている領域のことをいう。
【0056】
また、本実施の形態の放射線画像読影装置18は、撮影された放射線画像を医師等の読影者が読影するための機能を有する装置であり、特に限定されないが、いわゆる、読影ビューワやコンソール等が挙げられる。本実施の形態の放射線画像読影装置18は、パーソナル・コンピュータとして構成されており、コンソール16と同様に、CPU、ROM、RAM、HDD、ディスプレイドライバ、ディスプレイ23、操作入力検出部、操作パネル24、I/O部、及びI/F部を備えて構成されている。なお、図1では、記載が煩雑になるのを避けるため、これらの構成のうち、ディスプレイ23及び操作パネル24のみを示し、その他の記載を省略している。
【0057】
次に、本実施の形態の放射線画像撮影システム10(放射線画像処理装置14)における、放射線画像処理機能について説明する。本実施の形態では、放射線画像処理として、動画像の表示中に関心領域が指示された場合は、当該関心領域の関心領域画像を抽出し、記憶部17に記憶させる制御を行う。なお、当該ブロック図は、放射線画像処理機能を機能別に分類したものであり、ハード構成を限定するものではない。
【0058】
本実施の形態の放射線画像撮影システム10(放射線画像処理装置14)は、図3に示すように、表示制御部100、進度表チャート生成部102、関心領域受付部104、関心領域情報受付部106、関心領域画像ファイル生成部108、及び記憶制御部110を備えている。なお、図3では、具体的一例として、ディスプレイ50(操作パネル54)に動画像122を表示させ、当該動画像122において読影者が指示した関心領域(関心領域画像140)を記憶手段17に記憶させ、記憶された関心領域画像140(関心領域画像を含む放射線画像122A)をディスプレイ23に表示させる場合を示している。
【0059】
表示制御部100は、ディスプレイ23及びディスプレイ50への画像データ等の表示を制御する機能を有している。本実施の形態では、関心領域画像が未抽出の動画像を表示させる場合は、ディスプレイ50の表示領域には進度表チャート120、動画像122、及びその他情報126が表示される。
【0060】
動画像122を表示させるように指示を受けると表示制御部100は、記憶部17から動画像データファイルを読み出す。この際、動画像122が関心領域画像が未抽出の画像である場合は、動画像122全体(動画像122を構成する複数枚の放射線画像全部)をディスプレイ50の動画像表示領域に表示させる。また、表示させる動画像122に関係する情報(例えば、撮影メニューに関する情報等)を動画像データファイルのヘッダから読み出してディスプレイ50の所定の領域に表示させる。さらに動画像データファイルのヘッダから読み出した情報に基づいて、進度表チャート生成部102により進度表チャート120を生成して所定の領域に表示させる。
【0061】
一方、動画像122が関心領域画像の画像、または、関心領域が含まれる放射線画像のみである場合は、これら関心領域画像のみ、または関心領域が含まれる放射線画像のみをディスプレイ23の動画像表示領域に表示させる。また、関心領域画像に対応付けられた関心領域情報124が記憶されている場合は、当該関心領域情報124もディスプレイ23の所定の領域に表示させる。
【0062】
進度表チャート生成部102は、進度表チャート120を生成する機能を有している。進度表チャート120は、動画像122の表示時間(放映時間)を表す進度表と、動画像表示領域に現在表示されている動画像122の表示時間全体における現在の位置(以下「進行位置」という)を表す進行位置表示とを含んでいる。なお、本実施の形態では、複数の静止画像とみなせる放射線画像を連続して表示させることにより動画像として表示させているため、本実施の形態で「進行位置」とは、現在表示されている放射線画像が、複数の放射線画像のうちのいずれであるかを示すものである。図3では、具体的一例として穂動画像122のうち放射線画像122Aが表示領域に表示されており、放射線画像122Aの進行位置を示す進行位置表示が進度表チャート120に表示されている。
【0063】
一方、記憶制御部110は、ディスプレイ50に表示させた動画像122において読影者が指示した関心領域の画像(関心領域画像140)を記憶部17に記憶するよう制御する機能を有している(詳細後述)。関心領域受付部104は、操作パネル54により読影者が指示した関心領域(関心領域画像140)を受け付ける機能を有しており、関心領域情報受付部106は、指示した関心領域に関する情報(関心領域情報124)を読影者から受け付ける機能を有している。関心領域画像ファイル生成部108は、関心領域受付部104で受け付けた関心領域の関心領域画像、または関心領域画像が含まれる放射線画像を動画像122から抽出し、関心領域情報124と対応付けて格納させた関心領域画像ファイルを生成する機能を有している。
【0064】
次に、本実施の形態の放射線画像撮影システム10(放射線画像処理装置14)における、放射線画像処理について詳細に説明する。本実施の形態の放射線画像処理の一例のフローチャートを図4に示す。なお、以下では、具体的一例として、放射線画像が撮影されているリアルタイムで電子カセッテ20から出力された動画像を読影する場合や、始めて動画像122を読影する場合等、関心領域画像が未抽出の動画像122が記憶部17に記憶されている場合について説明する。なお、当該放射線画像処理は、ディスプレイ放射線画像処理装置14のシステム制御部60または、コンソール16のCPU40により放射線画像処理のプログラムが実行されることにより行われる。本実施の形態では、当該プログラムは、システム制御部60内の記憶部(図示省略)やROM42等に予め記憶させておくが、外部システム(RIS)やCD−ROM、及びUSB等からダウンロードするように構成してもよい。
【0065】
図4に示した放射線画像処理は、読影者から放射線画像の読影(表示)が指示された場合に、実行される。
【0066】
ステップS100では、動画像の表示を指示されたのか否か判断する。静止画像の表示を指示された場合は、否定されてステップS102へ進む。ステップS102では、指示された静止画像の静止画像データフィルを取得し、次のステップS104では、当該静止画像データファイルを展開する。次のステップS106では、展開した画像データファイルに基づいて、静止画像をディスプレイ(ディスプレイ50)に表示させる。当該処理により、読影者は表示された静止画像の読影を行うことができ、当該静止画像に基づいて、診断等を行うことができる。図示を省略した指示部等により、当該静止画像の表示の終了が読影者から指示されると、次のステップS108では、表示させていた静止画像の全領域、すなわち、静止画像全体を記憶部17に記憶させるように制御した後、本処理を終了する。本実施の形態では静止画像を表示させた場合、静止画像の全領域を記憶部17に記憶させているが、全領域ではなく、全領域よりも小さな所定の領域(関心領域を含む領域)であってもよい。静止画像の読影を行う場合、一般に、関心領域だけではなく、関心領域の周囲の領域や、全体を読影したい場合がある。また一般に、静止画像の読影の際には、動画像の読影よりも読影者の視野角が広くなる。そのため、静止画像については、動画像よりも大きな領域を記憶させておくことが好ましい。関心領域を含む所定の領域としては、撮影条件等に応じた領域としてもよいが、本実施の形態のように全領域とすることが好ましい。例えば、被験者30が映り込んでいる領域や、予め読影者等により読影・診断等に必要として指定された領域としてもよい。
【0067】
なお、放射線画像の撮影に応じてリアルタイムで放射線画像(静止画像)の読影を行う場合等ではなく、既に記憶部17に記憶されている静止画像データを読影する場合は、記憶部17に記憶されている静止画像データ上に上書きしてもよいし、ステップS108の処理を省略してもよい。
【0068】
一方、動画像の表示を指示された場合は、肯定されてステップS110へ進む。ステップS110では、読影(表示)を指示された動画像の動画像データファイルを取得し、次のステップS112では、当該動画像データファイルを展開する。展開された動画像データファイルの一例を図5に示す。本実施の形態の動画像データファイルは、当該動画像データファイルに関する基本的情報が格納されたファイル情報部(図5、File Info参照)と、動画像放映(表示)時間等、動画像データに関する情報が格納されたヘッダ(図5、Header Info参照)と、動画像データそのものが格納された動画像データ部(図5、Image Data参照)と、を含んでいる。
【0069】
次のステップS114では、展開した動画像データファイルのヘッダに格納された動画像データに関する情報に基づいて、その他情報126をディスプレイ(ディスプレイ50)に表示させる(図6参照)。本実施の形態では、その他情報126とは、当該動画像を撮影した際の撮影メニューに関する情報(図6、MENU Info参照)や、当該動画像を撮影した際の放射線の照射に関する情報(図6、X−Ray Info参照)や、読影者等に関する情報(例えば、読影者のID等、図6、User Information参照)等を含むが特に限定されず、その他の当該動画像の撮影・表示等に関する情報であってもよい。
【0070】
次のステップS116では、進度表チャート作成・表示処理を行う。本実施の形態の進度表チャート120の作成、及びディスプレイ(ディスプレイ50)への表示処理の一例のフローチャートを図7に示す。図7に示したステップS200では、展開した動画像データファイルからヘッダを取得する。次のステップS202では、取得したヘッダから動画像の放映時間(表示時間)を読み出す。次のステップS204では、読み出した動画像放映時間に基づいて、進度表チャート120を作成し、進度表130を図6に示すように、ディスプレイ(ディスプレイ50)の所定の領域(進度表130を表示させるために予め定められた所定の領域)に表示させる。次のステップS210では、進度表チャート120の進度表130に対して、動画像領域に表示させている動画像の進行位置を示すための進行位置表示132を図6に示すように表示させた後、進度表チャート作成・表示処理を終了する。なお、本実施の形態では、表示させている動画像の表示に応じて、進度表130に対して、進行位置表示132を移動させるように制御している。
【0071】
このようにして進度表チャート作成・表示処理が終了した次のステップS118では、動画像データに基づいて動画像122をディスプレイ(ディスプレイ50)の動画像表示領域に表示させるよう制御する。当該処理により、ディスプレイ(ディスプレイ50)の動画像表示領域には、複数枚の放射線画像が連続して表示されることにより、動画像122が表示される。このようにして動画像122が表示されると、読影者は、表示されている動画像122から、より具体的には、動画像122を構成する複数枚の放射線画像から関心領域の指示を行う。
【0072】
図6は、関心領域(関心領域画像)が読影者により指示された状態を示している。本実施の形態では、読影者が関心領域を指示する場合、読影者は、表示されている動画像122の進行を一旦停止させて、静止された放射線画像122Aに対して指示を行うことができると共に、表示が進行する動画像122に対して指示を行うこともできる。なお、いずれを行うかは図示を省略した指示部等により、読影者が指示するようにすればよい。また、本実施の形態では、読影者が操作パネル54であるディスプレイ50上に直接タッチペン等を用いて関心領域を指示する。なお、読影者による関心領域の指示の仕方は、読影者がタッチペン等を用いて放射線画像122A上に書き込んだ領域内(図6では、関心領域画像140で示した枠線内)としてもよい。また、読影者が関心領域画像140内の一部を指定すると、画像解析等により放射線画像122Aから関心領域画像140を抽出するようにしてもよい。このように本実施の形態では、関心領域の指示方法は特に限定されず、一般的な方法を用いてよい。
【0073】
次のステップS120では、上述のようにして読影者から関心領域の指示を受け付ける。なお、関心領域の指示と共に、読影者から関心領域情報124が入力された場合は、当該関心領域情報124を受け付ける。本実施の形態で関心領域情報124とは、関心領域の所見や診断等、動画像122を読影した読影者のメモ等が含まれる。関心領域情報124の入力は、タッチパネルである操作パネル54上に直接読影者が入力してもよいし、キーボード等の操作パネル54を用いて入力するようにしてもよい。
【0074】
次のステップS122では、受け付けた関心領域の関心領域画像140を動画像122A内から抽出する。
【0075】
次のステップS124では、抽出した関心領域画像140が含まれる放射線画像を抽出する。本実施の形態では、動画像122は、複数枚の放射線画像より成るため、関心領域画像140は、読影者が関心領域の指示を行った放射線画像122Aの他の放射線画像(例えば、放射線画像122Aの前後に表示される放射線画像)にも関心領域画像140が含まれている場合がある。そのため、本実施の形態では、動画像122を成す複数枚の放射線画像のうちから、画像解析等により、抽出した関心領域画像140が含まれる放射線画像を抽出する。このような画像解析としては、各画素の画素値の差に基づく手法や正規化相互相関係数に基づく手法等、画像の類似性の解析を行うことができる画像解析方法であればよく、例えば公知のパターンマッチング、スペクトル解析、空間周波数、及びテクスチャ解析等であってもよく、特に限定されるものではない。
【0076】
次のステップS126では、関心領域画像140のみを記憶させるか否か判断する。なお、本実施の形態では、関心領域画像140等をどのように記憶させるか否かは、図示を省略した指示部等により、読影者が指示するようしている。関心領域画像140のみを記憶させる場合は、肯定されてステップS128へ進み、関心領域画像140以外の画像を含まない関心領域画像ファイルを記憶部17に記憶させた後、本処理を終了する。この場合、動画像122を成す複数枚の放射線画像のうち、関心領域画像140を含まない放射線画像は記憶部17に記憶させない、すなわち廃棄するように制御している。また、関心領域画像140を含む放射線画像のうち、非関心画像領域(関心領域画像140以外の領域)は記憶部17に記憶させない、すなわち廃棄するように制御している。なお、上記ステップS120で関心領域情報124を受け付けた場合は、関心領域画像に対応付けて関心領域情報124も記憶部17に記憶させるように制御している。
【0077】
一方、関心領域画像140以外も記憶させる場合は、否定されてステップS130へ進み、抽出した放射線画像(関心領域画像140が含まれる放射線画像)のみを記憶させるか否か判断する。抽出した放射線画像以外の画像を含まない関心領域画像ファイルを記憶させる場合は、肯定されてステップS136へ進み、抽出した放射線画像のみを記憶部17に記憶させた後、本処理を終了する。この場合本実施の形態では、抽出した放射線画像(1枚の場合は静止画像、複数枚の場合は動画像として扱う)の画像データのヘッダに関心領域(関心領域画像140)に関する情報を追加している(図8参照)。
【0078】
この場合、動画像122を成す複数枚の放射線画像のうち、抽出された放射線画像以外の画像、即ち関心領域画像140を含まない放射線画像は記憶部17に記憶させない、すなわち廃棄するように制御している。なお、この場合においても、上記ステップS120で関心領域情報124を受け付けた場合は、関心領域画像に対応付けて関心領域情報124も記憶部17に記憶させるように制御する。
【0079】
一方、動画像122を成す複数枚の放射線画像全てを記憶させる場合等は、ステップS130で否定されてステップS132へ進む。ステップS132では、動画像122を成す複数枚の放射線画像のうち、抽出した放射線画像以外の放射線画像に対して、画像データ量が少なくなるように圧縮処理を施す。なお、本実施の形態では、圧縮処理を施しているが、画像データ量が小さくなるような処理であれば特に限定されず、例えば、解像度を低下させる処理を施すようにしてもよい。また、圧縮処理を行う場合は、可逆的な圧縮処理及び不可逆的な圧縮処理のいずれを行ってもよい。なお、抽出した放射線画像のうち、非関心画像領域(関心領域画像140以外の領域)に対しても圧縮処理を施すようにしてもよい。このように抽出した関心領域画像140(放射線画像)以外の画像も記憶させておくことにより、画像データの保存容量を小さくすることができる。
【0080】
次のステップS134では、圧縮した放射線画像を記憶部17に記憶するように制御した後、ステップS136へ進み、上述したように抽出した放射線画像以外の画像を含まない関心領域画像ファイルを記憶部17に記憶させるよう制御した後、本処理を終了する。
【0081】
次に、具体的一例として、上述のようにして、関心領域画像140が抽出されて、記憶部17に記憶されている場合について説明する。この場合の放射線画像処理の一例のフローチャートを図9に示す。
【0082】
図9に示した放射線画像処理は、読影者から放射線画像の読影(表示)が指示された場合に、実行される。なお、上述の放射線画像処理(図4参照)と略同様の処理についてはその旨を記し、ここでは詳細な説明を省略する。
【0083】
ステップS300は、動画像の表示を指示されたのか否か判断する。静止画像の表示を指示された場合は、否定されてステップS302へ進む。静止画像の表示を指示された場合のステップS302〜ステップS308の各処理は、上述の放射線画像処理において静止画像の表示を指示された場合のステップS102〜ステップS108の各処理にそれぞれ対応しているため説明を省略する。
【0084】
一方、動画像の表示を指示された場合は、肯定されてステップS310へ進む。ステップS310では、指示された動画像に対応する関心領域画像ファイルを記憶部17から取得する。次のステップS312では、関心領域画像ファイルをファイル展開し、次のステップS314では、上述の放射線画像処理のステップS114と略同様に、関心領域画像ファイルのヘッダに格納された情報に基づいて、その他情報126をディスプレイ(ディスプレイ23)に表示させる。
【0085】
次のステップ318では、関心領域画像ファイルの画像データに基づいて関心領域画像140をディスプレイ(ディスプレイ23)の動画像表示領域に表示させるよう制御した後、本処理を終了する。
【0086】
当該処理により、ディスプレイ(ディスプレイ23)には、関心領域画像140が動画像として表示される。本実施の形態における関心領域画像140の表示の具体例を図10及び図11に示す。図10には、関心領域画像140を含む放射線画像122Aが記憶部17に記憶されており、当該放射線画像122Aを表示させる場合を示している。また、図11には、関心領域画像140のみが記憶部17に記憶されており、当該関心領域画像140のみを表示させる場合を示している。なお、図11にように、関心領域画像140のみを表示させる場合は、関心領域画像140を拡大(例えば、動画像表示領域全体に表示されるように拡大)して、表示させるように制御してもよい。
【0087】
また、関心領域情報124が関心領域画像140に対応付けて記憶されている場合は、図10に示すように、関心領域情報124も表示させるようにすることが好ましい。
【0088】
また、関心領域画像ファイルに基づいて関心領域画像140を表示させる場合も、図11に示すように、関心領域画像ファイルのヘッダに格納されている情報に基づいて、進度表チャート120を生成し表示させるようにしてもよい。
【0089】
以上、説明したように本実施の形態の放射線画像処理装置14を備えた放射線画像撮影動画像の撮影により電子カセッテ20から得られた複数枚の放射線画像を連続してコンソール16のディスプレイ50または放射線画像読影装置18のディスプレイ23に表示させるよう表示制御部100が制御することにより動画像122の表示を行う。動画像122の表示中に動画像122(放射線画像122A)に対して読影者が関心領域を指示する。関心領域受付部104で関心領域を受け付けると、受け付けた関心領域の関心領域画像140及び、当該関心領域画像140が含まれる放射線画像を動画像122として連続表示されていた複数の放射線画像のうちから抽出する。さらに、関心領域画像140の画像のみ、または関心領域画像140が含まれる放射線画像のみを関心領域画像ファイルとして記憶部17に記憶させるよう制御する。この後、関心領域画像140を表示させるよう制御する場合は、関心領域画像ファイルに基づいて関心領域画像140をディスプレイ50またはディスプレイ23に表示させるよう制御する。
【0090】
このように本実施の形態では、読影者が動画像122を読影した際に、読影者により、関心領域が指示された場合は、関心領域画像140の画像のみ、または関心領域画像140が含まれる放射線画像のみが関心領域画像ファイルとして記憶部17に記憶される。
【0091】
従って、動画像122全部を記憶部17に記憶させる場合に比べて、記憶部17に記憶されるデータ量を削減することができる。
【0092】
一般に、一度読影者により動画像122を読影した後、再度当該動画像122を読影する場合は、関心領域(関心領域画像140)のみを読影したい場合が多く、その他の放射線画像の読影が不要な場合がある。特に、動画像の読影の場合、静止画像の読影に比べて読影者の視野角が狭く、大きな画像(放射線画像全領域)を要しない場合が多い。そのため、一度読影者により動画像122を読影した後は、本実施の形態のように、関心領域画像140の画像のみ、または関心領域画像140が含まれる放射線画像のみを記憶部17に記憶させても問題が生じる可能性が低く、かつ、記憶部17に記憶されるデータ量を削減することができるという効果が得られる。
【0093】
また、本実施の形態では、関心領域画像140のみを記憶させる場合、関心領域画像140そのものを記憶部17に記憶させるように制御しているが、関心領域画像140を含む所定の領域(放射線画像122Aの全領域よりも小さい領域)を記憶させるように制御してもよい。
【0094】
また、本実施の形態では関心領域画像140、及び関心領域画像140が含まれる放射線画像122Aの抽出を、読影者が関心領域を指示した後、動画像122の読影中に行っているがこれに限らず、読影の終了により、診断が確定したものとみなして、関心領域画像140、及び関心領域画像140が含まれる放射線画像122Aの抽出を行うようにしてもよい。
【0095】
その他、上記本実施の形態で説明した放射線画像撮影システム10、放射線画像処理装置14、コンソール16、及び放射線検出器26等の構成、放射線画像処理等は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることは言うまでもない。
【0096】
また、上記本実施の形態で説明した放射線は、特に限定されるものではなく、X線やγ線等を適用することができる。
【符号の説明】
【0097】
10 放射線画像撮影システム
14 放射線画像処理装置
16 コンソール
17 記憶部
18 放射線画像読影装置
20 電子カセッテ
23、50 ディスプレイ
24、54 操作パネル
100 表示制御部
104 関心領域受付部
106 関心領域情報受付部
110 記憶制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画撮影によって得られた複数枚の放射線画像を連続して表示させることにより動画像として前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、
前記表示手段に前記動画像を表示している際に、前記複数枚の放射線画像のうち前記表示手段に表示されている放射線画像中の関心領域を示す関心領域情報を受け付ける関心領域受付手段と、
前記複数枚の放射線画像のうち、前記関心領域受付手段によって受け付けられた前記関心領域情報により示される関心領域画像が含まれる放射線画像を抽出し、抽出した放射線画像のみを記憶手段に記憶するよう制御する記憶制御手段と、
を備えた放射線画像処理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、静止画撮影によって得られた1枚の放射線画像を静止画像として表示手段に表示するよう制御し、前記表示制御手段が静止画像を表示するよう制御した場合は、前記記憶制御手段は、当該静止画像の全領域を前記記憶手段に記憶するよう制御する、請求項1に記載の放射線画像処理装置。
【請求項3】
前記表示手段が動画像を表示するよう制御した場合に前記記憶手段に記憶させた関心領域画像が含まれる放射線画像の領域よりも大きな領域を所定の領域とし、前記記憶制御手段は、前記表示制御手段が静止画像を表示するよう制御した場合は、静止画像の所定の領域を前記記憶手段に記憶するよう制御する、請求項1または請求項2に記載の放射線画像処理装置。
【請求項4】
前記記憶制御手段は、抽出した放射線画像からさらに、関心領域画像を抽出し、関心領域画像のみを前記記憶手段に記憶するよう制御する、請求項1から請求項3に記載の放射線画像処理装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記記憶手段に記憶されている放射線画像から関心領域画像を抽出し、抽出した関心領域画像を表示手段に表示するよう制御する、請求項1から請求項3に記載の放射線画像処理装置。
【請求項6】
前記記憶制御手段は、前記複数枚の放射線画像のうち、前記関心領域画像が含まれない放射線画像を当該放射線画像の画像データ量を予め定められた処理により小さくした後、前記記憶手段に記憶するよう制御する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の放射線画像処理装置。
【請求項7】
読影者が入力した前記関心領域に関係する情報を受け付ける情報受付手段を備え、
前記記憶制御手段は、前記情報受付手段で受け付けた情報を前記関心領域画像に対応付けて前記記憶手段に記憶するよう制御する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の放射線画像処理装置。
【請求項8】
前記記憶制御手段は、前記関心領域画像関係情報を前記関心領域受付手段に受け付させた読影者に関する情報を前記関心領域画像に対応付けて前記記憶手段に記憶するよう制御する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の放射線画像処理装置。
【請求項9】
放射線画像を表示する表示手段と、
記憶手段と、
動画撮影によって得られた複数枚の放射線画像を連続して表示させることにより動画像を前記表示手段に表示するよう制御し、かつ前記記憶手段への放射線画像の記憶を制御する、前記請求項1から前記請求項8のいずれか1項に記載の放射線画像処理装置と、
を備えた放射線画像読影システム。
【請求項10】
照射された放射線の線量に応じた放射線を検出し、検出した放射線に基づいて放射線画像を出力する放射線検出器と、
前記放射線検出器を用いた動画撮影によって得られた動画像を読影する前記請求項9に記載の放射線動画像読影システムと、
を備えた放射線画像撮影システム。
【請求項11】
動画撮影によって得られた複数枚の放射線画像を連続して表示させることにより動画像として前記表示手段に表示するように制御する表示制御工程と、
前記表示手段に前記動画像を表示している際に、前記複数枚の放射線画像のうち前記表示手段に表示されている放射線画像中の関心領域を示す関心領域情報を受け付ける関心領域受付工程と、
前記複数枚の放射線画像のうち、前記関心領域受付手段によって受け付けられた前記関心領域情報により示される関心領域画像が含まれる放射線画像を抽出し、抽出した放射線画像のみを記憶手段に記憶するよう制御する記憶制御工程と、
を備えた放射線画像処理方法。
【請求項12】
動画撮影によって得られた複数枚の放射線画像を連続して表示させることにより動画像として前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、前記表示手段に前記動画像を表示している際に、前記複数枚の放射線画像のうち前記表示手段に表示されている放射線画像中の関心領域を示す関心領域情報を受け付ける関心領域受付手段と、前記複数枚の放射線画像のうち、前記関心領域受付手段によって受け付けられた前記関心領域情報により示される関心領域画像が含まれる放射線画像を抽出し、抽出した放射線画像のみを記憶手段に記憶するよう制御する記憶制御手段と、を備えた放射線画像処理装置の前記表示制御手段、及び前記記憶制御手段としてコンピュータを機能させるための放射線画像処理プログラム。
【請求項1】
動画撮影によって得られた複数枚の放射線画像を連続して表示させることにより動画像として前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、
前記表示手段に前記動画像を表示している際に、前記複数枚の放射線画像のうち前記表示手段に表示されている放射線画像中の関心領域を示す関心領域情報を受け付ける関心領域受付手段と、
前記複数枚の放射線画像のうち、前記関心領域受付手段によって受け付けられた前記関心領域情報により示される関心領域画像が含まれる放射線画像を抽出し、抽出した放射線画像のみを記憶手段に記憶するよう制御する記憶制御手段と、
を備えた放射線画像処理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、静止画撮影によって得られた1枚の放射線画像を静止画像として表示手段に表示するよう制御し、前記表示制御手段が静止画像を表示するよう制御した場合は、前記記憶制御手段は、当該静止画像の全領域を前記記憶手段に記憶するよう制御する、請求項1に記載の放射線画像処理装置。
【請求項3】
前記表示手段が動画像を表示するよう制御した場合に前記記憶手段に記憶させた関心領域画像が含まれる放射線画像の領域よりも大きな領域を所定の領域とし、前記記憶制御手段は、前記表示制御手段が静止画像を表示するよう制御した場合は、静止画像の所定の領域を前記記憶手段に記憶するよう制御する、請求項1または請求項2に記載の放射線画像処理装置。
【請求項4】
前記記憶制御手段は、抽出した放射線画像からさらに、関心領域画像を抽出し、関心領域画像のみを前記記憶手段に記憶するよう制御する、請求項1から請求項3に記載の放射線画像処理装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記記憶手段に記憶されている放射線画像から関心領域画像を抽出し、抽出した関心領域画像を表示手段に表示するよう制御する、請求項1から請求項3に記載の放射線画像処理装置。
【請求項6】
前記記憶制御手段は、前記複数枚の放射線画像のうち、前記関心領域画像が含まれない放射線画像を当該放射線画像の画像データ量を予め定められた処理により小さくした後、前記記憶手段に記憶するよう制御する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の放射線画像処理装置。
【請求項7】
読影者が入力した前記関心領域に関係する情報を受け付ける情報受付手段を備え、
前記記憶制御手段は、前記情報受付手段で受け付けた情報を前記関心領域画像に対応付けて前記記憶手段に記憶するよう制御する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の放射線画像処理装置。
【請求項8】
前記記憶制御手段は、前記関心領域画像関係情報を前記関心領域受付手段に受け付させた読影者に関する情報を前記関心領域画像に対応付けて前記記憶手段に記憶するよう制御する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の放射線画像処理装置。
【請求項9】
放射線画像を表示する表示手段と、
記憶手段と、
動画撮影によって得られた複数枚の放射線画像を連続して表示させることにより動画像を前記表示手段に表示するよう制御し、かつ前記記憶手段への放射線画像の記憶を制御する、前記請求項1から前記請求項8のいずれか1項に記載の放射線画像処理装置と、
を備えた放射線画像読影システム。
【請求項10】
照射された放射線の線量に応じた放射線を検出し、検出した放射線に基づいて放射線画像を出力する放射線検出器と、
前記放射線検出器を用いた動画撮影によって得られた動画像を読影する前記請求項9に記載の放射線動画像読影システムと、
を備えた放射線画像撮影システム。
【請求項11】
動画撮影によって得られた複数枚の放射線画像を連続して表示させることにより動画像として前記表示手段に表示するように制御する表示制御工程と、
前記表示手段に前記動画像を表示している際に、前記複数枚の放射線画像のうち前記表示手段に表示されている放射線画像中の関心領域を示す関心領域情報を受け付ける関心領域受付工程と、
前記複数枚の放射線画像のうち、前記関心領域受付手段によって受け付けられた前記関心領域情報により示される関心領域画像が含まれる放射線画像を抽出し、抽出した放射線画像のみを記憶手段に記憶するよう制御する記憶制御工程と、
を備えた放射線画像処理方法。
【請求項12】
動画撮影によって得られた複数枚の放射線画像を連続して表示させることにより動画像として前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、前記表示手段に前記動画像を表示している際に、前記複数枚の放射線画像のうち前記表示手段に表示されている放射線画像中の関心領域を示す関心領域情報を受け付ける関心領域受付手段と、前記複数枚の放射線画像のうち、前記関心領域受付手段によって受け付けられた前記関心領域情報により示される関心領域画像が含まれる放射線画像を抽出し、抽出した放射線画像のみを記憶手段に記憶するよう制御する記憶制御手段と、を備えた放射線画像処理装置の前記表示制御手段、及び前記記憶制御手段としてコンピュータを機能させるための放射線画像処理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−75065(P2013−75065A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217309(P2011−217309)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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