説明

放射線画像撮影システム

【課題】被写体の衣服の脱衣時間と着衣時間の合計である脱着時間を考慮し、被写体が入るべき撮影室を自動的に特定することができ、スムーズに被写体を撮影室に導くことができる放射線画像撮影システムを提供する。
【解決手段】放射線画像撮影システムは、放射線源を制御し、被写体の放射線画像情報を取得する撮影装置がそれぞれ設置された複数の撮影室と、各撮影室におけるそれぞれの撮影装置を、対応する撮影条件に基づいて制御し、各撮影装置にて取得した放射線画像情報を処理するコンソール24とを有する放射線画像撮影システムであって、コンソール24は、被写体が撮影室に入室する時点から撮影室から退室する時点までの撮影時間を、少なくとも被写体に対応する撮影条件に基づいて予測する撮影時間予測部226と、予測された被写体の撮影時間に基づいて、被写体が入るべき撮影室を特定する被写体割付部228とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置を用いて被写体(放射線撮影を受ける人であって、患者や健常者を含む。以下同じ。)の放射線画像情報を取得する放射線画像撮影システムに関し、例えば被写体に撮影の順番を知らせることができる放射線画像撮影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
被写体に撮影の順番を知らせることができる放射線画像撮影システムとして、特許文献1に記載のシステムが提案されている。
【0003】
特許文献1に記載のシステムは、複数のX線撮影装置の進行状況から次のオーダーの患者情報を決定し、表示あるいは発生手段で再生し、患者に順番を知らせるというものである。また、撮影室の使用効率を向上させるため、次の検査オーダーを決定するタイミングを早め、現在の検査が終了した患者の着衣と、次の患者の脱衣とをオーバーラップして行うことが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−199194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のシステムは、被写体に撮影の順番を知らせるだけであり、どれだけ時間がかかるかという情報については考慮されていない。また、1つの撮影室を対象としたものであって、それぞれ撮影装置が設置された複数の撮影室に対応したシステムへの適用については何ら考慮されていない。
【0006】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、被写体に撮影の順番に加えて撮影終了予定時刻や待ち時間を知らせることができ、どれだけ待てばよいかという精神的負担を軽減することができる放射線画像撮影システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明に係る放射線画像撮影システムは、放射線源を制御し、被写体の放射線画像情報を取得する撮影装置がそれぞれ設置された複数の撮影室と、
各前記撮影室におけるそれぞれの前記撮影装置を、対応する撮影条件に基づいて制御し、各前記撮影装置にて取得した放射線画像情報を処理する処理装置とを有する放射線画像撮影システムであって、
前記処理装置は、
前記被写体が前記撮影室に入室する時点から前記撮影室から退室する時点までの撮影時間を、少なくとも前記被写体に対応する前記撮影条件に基づいて予測する撮影時間予測部と、
予測された前記被写体の撮影時間に基づいて、少なくとも前記被写体の撮影終了予定時刻を設定する設定部と、
設定された前記撮影終了予定時刻を表示する表示部とを有することを特徴とする。
【0008】
第2の本発明に係る放射線画像撮影システムは、放射線源を制御し、被写体の放射線画像情報を取得する撮影装置がそれぞれ設置された複数の撮影室と、
各前記撮影室におけるそれぞれの前記撮影装置を、対応する撮影条件に基づいて制御し、各前記撮影装置にて取得した放射線画像情報を処理する処理装置とを有する放射線画像撮影システムであって、
前記処理装置は、
前記被写体が前記撮影室に入室する時点から前記撮影室から退室する時点までの撮影時間を、少なくとも前記被写体に対応する前記撮影条件に基づいて予測する撮影時間予測部と、
予測された前記被写体の撮影時間に基づいて、少なくとも前記被写体の待ち時間を設定する設定部と、
設定された前記待ち時間を表示する表示部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本発明に係る放射線画像撮影システムによれば、被写体に撮影の順番に加えて撮影終了予定時刻や待ち時間を知らせることができ、どれだけ待てばよいかという精神的負担を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係る放射線画像撮影システムの実施の形態例を図1〜図12を参照しながら説明する。
【0011】
本実施の形態の放射線画像撮影システム10は、図1に示すように、病院内の医療事務処理を管理する医事情報システム12(HIS:Hospital Information System)と、HIS12の管理下において、放射線科での放射線画像の撮影処理を管理する放射線科情報システム14(RIS:Radiology Information System)(供給装置)と、医師による診断読影を行うためのビューア16と、放射線科の例えば4つの撮影室(第1撮影室18a〜第4撮影室18d:図6参照)にそれぞれ設置された仕様形態の異なる第1撮影装置20a〜第4撮影装置20dと、放射線科の第1撮影室18a〜第4撮影室18dに隣接する処理室22(図6参照)に設置され、第1撮影装置20a〜第4撮影装置20dを集中管理制御するコンソール24(処理装置)と、第1撮影装置20a〜第4撮影装置20dの各放射線源を駆動するための第1操作ユニット26a〜第4操作ユニット26dと、蓄積性蛍光体パネルPに記録された放射線画像情報を読み取る読取装置28と、データベース30とを備え、これらが院内ネットワーク32によって相互に接続されている。院内ネットワーク32には、必要に応じてさらに他のコンソール、撮影装置等を接続することができる。
【0012】
第1撮影装置20aは、例えば図2に示すように、立位の状態にある被写体34の放射線画像情報を取得するための撮影台36と、第1放射線源38aと、第1操作ユニット26aからの曝射信号に従って第1放射線源38aを駆動制御する第1線源制御ユニット40aとを備える。撮影台36には、放射線を直接電気信号に変換する固体放射線検出素子からなる放射線変換パネルDが内蔵される。
【0013】
放射線変換パネルDは、図3に示すように、放射線を感知して電荷を発生させるアモルファスセレン(a−Se)等の物質からなる光電変換層42を行列状の薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)44のアレイの上に配置した構造を有し、発生した電荷を蓄積容量46に蓄積した後、各行毎にTFT44を順次オンにして、電荷を画像信号として読み出す。図3では、光電変換層42及び蓄積容量46からなる1つの画素48と1つのTFT44との接続関係のみを示し、その他の画素48の構成については省略している。なお、アモルファスセレンは、高温になると構造が変化して機能が低下してしまうため、所定の温度範囲内で使用する必要がある。従って、撮影台36内に放射線変換パネルDを冷却する手段を配設することが好ましい。
【0014】
各画素48に接続されるTFT44には、行方向と平行に延びるゲート線50と、列方向と平行に延びる信号線52とが接続される。各ゲート線50は、ライン走査駆動部54に接続され、各信号線52は、読取回路を構成するマルチプレクサ56に接続される。
【0015】
ゲート線50には、行方向に配列されたTFT44をオンオフ制御する制御信号Von、Voffがライン走査駆動部54から供給される。この場合、ライン走査駆動部54は、ゲート線50を切り替える複数のスイッチSW1と、スイッチSW1の1つを選択する選択信号を出力するアドレスデコーダ58とを備える。アドレスデコーダ58には、制御部60からアドレス信号が供給される。
【0016】
また、信号線52には、列方向に配列されたTFT44を介して各画素48の蓄積容量46に保持されている電荷が流出する。この電荷は、増幅器62によって増幅される。増幅器62には、サンプルホールド回路64を介してマルチプレクサ56が接続される。マルチプレクサ56は、信号線52を切り替える複数のスイッチSW2と、スイッチSW2の1つを選択する選択信号を出力するアドレスデコーダ66を備える。アドレスデコーダ66には、制御部60からアドレス信号が供給される。マルチプレクサ56には、A/D変換器68が接続され、A/D変換器68によってデジタル信号に変換された放射線画像情報が制御部60に供給される。制御部60は、取得した放射線画像情報を院内ネットワーク32を介してコンソール24及び第1操作ユニット26aに供給する。
【0017】
次に、第2撮影装置20bは、臥位の状態にある被写体34の放射線画像情報を取得するための撮影台70と、第2放射線源38bと、第2操作ユニット26bからの曝射信号に従って第2放射線源38bを駆動制御する第2線源制御ユニット40bとを備える。撮影台70は、蓄積性蛍光体パネルPを収納したカセッテ74が装填されるスロット76を有する。
【0018】
蓄積性蛍光体パネルPは、照射された放射線のエネルギを蓄積する蓄積性蛍光体層を支持体上に形成したもので、励起光を照射することにより蓄積されたエネルギに応じた輝尽発光光を出力する一方、所定光量の消去光を照射することにより残存するエネルギを除去して再使用できるものである。
【0019】
カセッテ74は、蓄積性蛍光体パネルPを蓋部材78を介して収脱可能に収納するもので、その外面部には、内部に収納されている蓄積性蛍光体パネルPを個別に識別するための固有番号、サイズ、感度等の識別情報が記録されたバーコード80が装着される。バーコード80は、コンソール24に接続されたバーコードリーダ82によって読み取ることができる。
【0020】
第3撮影装置20cや第4撮影装置20dも、上述した第1撮影装置20aあるいは第2撮影装置20bと同様の構成を採用することができる。
【0021】
読取装置28は、蓄積性蛍光体パネルPに記録された放射線画像情報を読み取る装置であり、図4に示すように構成される。
【0022】
読取装置28は、ケーシング84の上部に、カセッテ装填部86が配設される。カセッテ装填部86には、放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体パネルPを収納したカセッテ74が装填される。カセッテ装填部86には、カセッテ74に配設されたバーコード80の識別情報を読み取るバーコードリーダ88と、カセッテ74の蓋部材78のロックを解除するロック解除機構90と、蓋部材78が開蓋されたカセッテ74から蓄積性蛍光体パネルPを吸着して取り出す吸着盤92と、吸着盤92によって取り出された蓄積性蛍光体パネルPを挟持搬送するニップローラ94とが配設される。
【0023】
ニップローラ94に連設して、複数の搬送ローラ94a〜94g及び複数のガイド板96a〜96fが配設され、これらにより湾曲搬送路98が構成される。湾曲搬送路98は、カセッテ装填部86から下方向に延在した後、最下部において略水平状態となり、次いで、略鉛直上方向に延在する。これにより、読取装置28の小型化が達成される。
【0024】
ニップローラ94と搬送ローラ94aとの間には、読取処理が終了した蓄積性蛍光体パネルPに残存する放射線画像情報を消去するための消去部100が配設される。消去部100は、消去光を出力する冷陰極管等の消去光源102を有する。
【0025】
湾曲搬送路98の最下部に配設される搬送ローラ94d、94e間には、プラテンローラ104が配設される。そして、プラテンローラ104の上部には、蓄積性蛍光体パネルPに蓄積記録された放射線画像情報を読み取る走査ユニット106が配設される。
【0026】
走査ユニット106は、励起光であるレーザビームLBを導出して蓄積性蛍光体パネルPを走査する励起部108と、レーザビームLBによって励起されて出力される放射線画像情報に係る輝尽発光光を読み取る読取部110とを備える。
【0027】
読取部110は、一端部がプラテンローラ104上の蓄積性蛍光体パネルPに近接して配置される集光ガイド112と、集光ガイド112の他端部に連結され、蓄積性蛍光体パネルPから得られた輝尽発光光を電気信号に変換するフォトマルチプライヤ114とを備える。フォトマルチプライヤ114によって読み取られた放射線画像情報は、院内ネットワーク32を介してコンソール24及び第2操作ユニット26bに供給される。
【0028】
図5は、図示を簡単にするために、コンソール24、第1撮影装置20a〜第4撮影装置20d、第1操作ユニット26a〜第4操作ユニット26dを中心とする制御ブロック図を示す。
【0029】
コンソール24は、HIS12を用いて設定した被写体の氏名、性別、年齢等の患者情報、RIS14を用いて医師が設定した当該被写体に対する放射線画像情報の撮影方法、撮影部位、使用する撮影装置、使用する撮影装置を構成する放射線源に設定する管電圧、管電流、放射線の曝射時間等の曝射条件を含む撮影条件を院内ネットワーク32を介して取得するとともに、撮影条件の変更、設定を行う撮影条件設定部116と、第1撮影装置20a〜第4撮影装置20dを制御する制御部118と、第1撮影装置20a〜第4撮影装置20dにより取得した放射線画像情報に対する画像処理を行う画像処理部120と、撮影条件設定部116で設定された撮影条件を含む撮影メニューを表示すると共に、画像処理された放射線画像情報を表示する表示部122とを備える。
【0030】
第1操作ユニット26a〜第4操作ユニット26dは、制御部124と、第1撮影装置20a〜第4撮影装置20dの第1線源制御ユニット40a及び第2線源制御ユニット40bに設定される撮影条件の変更、設定を行う設定部126と、第1放射線源38a及び第2放射線源38bに対して曝射信号を出力する曝射スイッチ128と、設定された撮影条件を含む撮影メニューを表示するとともに、第1撮影装置20a〜第4撮影装置20dにより取得した放射線画像情報のプレビュー画像を表示する表示部130とを備える。
【0031】
図6は、本実施の形態に係る放射線画像撮影システム10を例えば病院内に設置するレイアウトの一例を示したものである。
【0032】
病院内に1つの区画200が設置され、該1つの区画200は、撮影区画202とコ字状の待合区画204に分けられ、放射線画像撮影システム10は撮影区画202に設置される。
【0033】
撮影区画202のうち、待合区画204と接する面には、待ち時間等を表示するための電光掲示板206が設置される。
【0034】
放射線画像撮影システム10は、コンソール24及び読取装置28が設置される処理室22と、第1撮影装置20a〜第4撮影装置20dが設置される第1撮影室18a〜第4撮影室18dとを有する。
【0035】
処理室22と第1撮影室18a〜第4撮影室18dは、放射線を遮断することのできる隔壁140によって分離されており、処理室22と第1撮影室18a〜第4撮影室18dとの間には、技師が出入りする第1技師用ドア142a〜第4技師用ドア142dが設けられる。技師は1人でもよいが、例えば大病院で、多数の被写体34が待合区画で待つような場合は、コンソール24を操作する技師と、第1撮影室18a〜第4撮影室18dに対応して4人の技師の合計5人の技師で操作するようにしてもよいし、2人〜4人の技師で操作するようにしてもよい。
【0036】
また、第1撮影室18a〜第4撮影室18dと待合区画204との間には、被写体34が出入りする第1被写体用ドア144a〜第4被写体用ドア144dが設けられる。さらに、第1撮影室18a〜第4撮影室18d内には、被写体34が衣服を脱衣・着衣(脱着)するための第1更衣室146a〜第4更衣室146dが設けられる。一方、処理室22側には、第1撮影室18a〜第4撮影室18dにそれぞれ設置された第1撮影装置20a〜第4撮影装置20dを操作するための第1操作ユニット26a〜第4操作ユニット26dが配設される。
【0037】
また、この放射線画像撮影システム10は、第1被写体用ドア144a〜第4被写体用ドア144dの各近傍に設けられ、少なくとも被写体34の第1撮影室18a〜第4撮影室18dへの入退室を検知する第1センサ208a〜第4センサ208dと、第1更衣室146a〜第4更衣室146dの各近傍に設けられ、少なくとも第1更衣室146a〜第4更衣室146dにて脱衣(更衣)した被写体34の入退室を検知する第5センサ210a〜第8センサ210dと、少なくとも空白時間(被写体34を呼び出してから被写体34が撮影室に入るまでの時間)を計時する第1タイマ212a〜第4タイマ212dと、少なくとも被写体34の実際の脱衣時間、実際の正味撮影時間、実際の着衣時間を計時する第5タイマ214a〜第8タイマ214dが設けられている。撮影区画202のうち、待合区画204と接する部分の所定箇所(例えば3箇所)にスピーカ216が設置される。
【0038】
なお、レイアウトによっては、例えば第1更衣室146aのドア(呼び出しを受けた被写体34が第1更衣室146aに入るためのドア)と第1撮影室18aの第1被写体用ドア144a(撮影を終えた被写体34が第1撮影室18aから出るためのドア)とが併設される場合がある。このような場合、第1更衣室146aには、第1撮影室18a内にもドア(脱衣した被写体34が出入りするドア)が設置される。そのため、第1センサ208aとしては、呼び出しを受けた被写体34と、撮影を終えた被写体34とを区別して検知するセンサであることが好ましい。あるいは、第1センサ208aとは別に、第1更衣室146aのドアの近傍に呼び出しを受けた被写体34を検知するためのセンサを設置してもよい。
【0039】
コンソール24には、被写体34を撮影室に呼び出す(導く)ために使用されるマイク218と、電光掲示板206を表示制御するための表示コントローラ220とが設置されている。表示コントローラ220には、第1撮影室18a〜第4撮影室18dに対応して、第1スイッチ222a〜第4スイッチ222d(図8参照)が設置されている。
【0040】
なお、図6の図示内容が複雑になるのを避けるため、電光掲示板、第1センサ208a〜第4センサ208d、第5センサ210a〜第8センサ210d等への配線は省略して示す。
【0041】
電光掲示板206には、図7に示すように、第1撮影室18a〜第4撮影室18dに対応して4つの表示区画224a〜224dを有し、各表示区画224a〜224dには、撮影予定の被写体34の番号(被写体34が受付で受け取った番号札に印刷された番号)と撮影開始予定時刻と撮影終了予定時刻が時系列で表示されるようになっている。
【0042】
そして、例えば第1撮影室18aでの撮影が終了して、被写体34が第1撮影室18aから退室した後に、技師が表示コントローラ220の第1スイッチ222aをオン操作することで、次に第1撮影室18aで撮影が行われる予定の被写体34の番号が例えば点滅表示されることになる。もちろん、第1スイッチ222aのオン操作と共に、マイク218で該被写体34に対する呼び出しが行われることになる。呼び出しを受けた被写体34は、電光掲示板206を確認することで、自分の番であることと、第1撮影室18aに入ればよいことを迅速に認識できることとなる。
【0043】
また、コンソール24は、図8に示すように、撮影時間予測部226と、被写体割付部228と、各種パラメータが格納されたデータメモリ230とを有する。
【0044】
撮影時間予測部226は、被写体34が撮影室に入室する時点から撮影室から退室する時点までの撮影時間T(図9参照)を、少なくとも被写体34に対応する撮影条件に基づいて予測するという処理を行い、被写体割付部228は、予測された被写体34の撮影時間Tに基づいて、被写体34が入るべき撮影室を特定するという処理を行う。
【0045】
撮影時間予測部226は、第1予測部232と第2予測部234とを有する。
【0046】
第1予測部232は、撮影時間Tを、データベース30の撮影時間履歴テーブル236との照合によって予測する。具体的には、コンソール24に供給された撮影指示情報(撮影条件等が含まれた情報)から被写体34のID番号と撮影部位を抽出して、データベース30に登録されている撮影時間履歴テーブル236と照合する。撮影時間履歴テーブル236は、被写体のID番号毎に設定された情報ファイル238を有し、各情報ファイル238は、先頭番地に被写体34のID番号が登録され、その後ろに撮影部位毎の撮影時間Tが登録されている。従って、第1予測部232は、被写体34のID番号に基づいて該当する情報ファイル238を検索する。該当する情報ファイル238が存在し、当該情報ファイル238に今回撮影する撮影部位と一致する撮影部位についての撮影時間Tが登録されていれば、それを撮影時間Tとする。被写体34のID番号に対応する情報ファイル238がなく、あるいは対応する情報ファイル238があったとしても、今回の撮影部位と一致する撮影部位の情報が存在していなければ、第2予測部234によって撮影時間Tを予測する。
【0047】
第2予測部234は、被写体34の少なくとも撮影部位に基づいて正味撮影時間Ta(図9参照)を予測する正味撮影時間予測部240と、少なくとも被写体34の年齢、性別、身体状態のうち、1つ以上の情報と、撮影枚数とに基づいて正味撮影時間Taを補正して補正正味撮影時間hTaとする正味撮影時間補正部242と、少なくとも被写体34の年齢、性別、身体状態のうち、1つ以上の情報に基づいて、被写体34の衣服の脱衣時間Tb(図9参照)と着衣時間Tc(図9参照)の合計である脱着時間Tdを予測する脱着時間予測部244と、少なくとも被写体34の年齢、性別、身体状態のうち、1つ以上の情報に基づいて脱着時間を補正して補正脱着時間hTdとする脱着時間補正部246とを有する。
【0048】
撮影時間Tは、図9に示すように、補正正味撮影時間hTaと、補正脱着時間hTdとの合計となるが、必要があれば、被写体34が呼び出しを受けて撮影室に入室するまでの時間(いわゆる空白時間Te)も加算される。なお、正味撮影時間Taとは、被写体34が、技師の誘導に従って撮影装置に対してポジショニングを行い、実際に撮影を行った時間を指すもので、上述した脱着時間Tdや空白時間Te等は含まない。
【0049】
また、図8に示すように、データメモリ230には、第1情報テーブル248a、第2情報テーブル248b、第1補正係数テーブル250a及び第2補正係数テーブル250bが記憶されている。
【0050】
第1情報テーブル248aには、様々な撮影部位に対応した一般的な正味撮影時間Ta(例えば成年男性を対象とした正味撮影時間)が登録されている。
【0051】
第2情報テーブル248bには、様々な撮影部位に対応した一般的な脱着時間Td(例えば成年男性を対象とした脱着時間)が登録されている。例えば腕の撮影の場合は、袖をめくるだけでよいため、脱着時間Tdは短い。それに対して、脚部や胸部の撮影の場合は、身体からの衣服の脱衣・着衣が必要になることから、脱着時間Tdは長くなる。このように、撮影部位に対応した脱着時間Tdの違いが第2情報テーブル248bに反映されて登録されている。
【0052】
第1補正係数テーブル250aには、撮影部位に応じた補正係数と、年齢に応じた補正係数と、身体状態に応じた補正係数が登録されている。通常、胸部撮影の場合は、学校や職場での身体検査等で撮り慣れており、ポジショニングも迅速に行うことができるが、普段撮影しない腰部等では技師の誘導があってもポジショニングが難しく時間がかかる場合がある。そこで、腰部等の通常撮り慣れていない撮影部位であれば、例えば1.15〜1.75という補正係数が割り当てられる。同様に、成年と比して高齢者や若年者は、すばやくポジショニングすることができないことから、この場合も、例えば1.15〜1.75という補正係数が割り当てられる。また、松葉杖や車椅子等を使っている場合も、すばやくポジショニングすることができないことから、この場合も、例えば1.15〜2.75という補正係数が割り当てられる。
【0053】
従って、正味撮影時間予測部240は、第1情報テーブル248aから、撮影指示情報に含まれる撮影部位に対応した正味撮影時間Taを読み出すことになるが、正味撮影時間補正部242は、撮影指示情報に含まれる撮影部位と年齢の情報に基づいて第1補正係数テーブル250aから撮影部位に応じた補正係数と年齢に応じた補正係数を読み出し、また、コンソール24の撮影条件設定部116(図5参照)によって被写体34の身体状態が設定されていれば、その身体状態に関する情報に基づいて、第1補正係数テーブル250aから身体状態に応じた補正係数を読み出す。そして、これら読み出した補正係数と撮影枚数を正味撮影時間Taに乗算して補正正味撮影時間hTaとする。
【0054】
一方、第2補正係数テーブル250bには、年齢に応じた補正係数と、性別に応じた補正係数と、身体状態に応じた補正係数が登録されている。通常、成年と比して高齢者や若年者は、すばやく衣服を脱衣・着衣することができないことから、例えば1.15〜1.75という補正係数が割り当てられる。また、松葉杖や車椅子等を使っている場合も、すばやく衣服を脱衣・着衣することができないことから、この場合も、例えば1.15〜2.75という補正係数が割り当てられる。また、女性は、衣服の脱衣・着衣を丁寧に行い、アクセサリーを付けている場合も多く、脱着時間が男性よりも長くなることから、例えば1.15〜1.75という補正係数が割り当てられる。
【0055】
従って、脱着時間予測部244は、第2情報テーブル248bから、撮影指示情報に含まれる撮影部位に対応した脱着時間Tdを読み出すことになるが、脱着時間補正部246は、撮影指示情報に含まれる年齢の情報と性別の情報に基づいて第2補正係数テーブル250bから年齢に応じた補正係数と性別に応じた補正係数を読み出し、また、コンソール24の撮影条件設定部116によって被写体の身体状態が設定されていれば、その身体状態に関する情報に基づいて、第2補正係数テーブル250bから身体状態に応じた補正係数を読み出す。そして、これら読み出した補正係数を脱着時間Tdに乗じて補正脱着時間hTdとする。
【0056】
そして、第2予測部234は、正味撮影時間補正部242にて求められた補正正味撮影時間hTaと脱着時間補正部246にて求められた補正脱着時間hTdを合計して撮影時間Tとする。
【0057】
また、第2予測部234は、データベース30にアクセスして、当該被写体34が新規の被写体34であれば、撮影時間履歴テーブル236に新たに情報ファイル238を設定し、上述のようにして求められた当該被写体34の撮影部位に対応する撮影時間Tを、新規情報として、新たな情報ファイル238に登録する。すでに登録されている被写体34であれば、新規の撮影部位に対応した撮影時間Tとして、該被写体34に対応する情報ファイル238に登録する。これにより、今後、同一の被写体34で同一の撮影部位であれば、第2予測部234での演算を経ることなく、第1予測部232を介してデータベース30から該撮影部位に対応した撮影時間Tが読み出されることになることから、演算処理の高速化を図ることができる。
【0058】
また、撮影時間予測部226は、上述した一連の動作を、各被写体34に対して行う。すなわち、院内ネットワーク32から順次供給される撮影指示情報に基づいて、それぞれ撮影指示情報に対応する被写体34の撮影時間Tを予測する。
【0059】
一方、被写体割付部228は、撮影時間予測部226にて演算された各被写体34毎の撮影時間Tに基づいて、各被写体34が入るべき撮影室を特定する。特定の仕方としては、RIS14に登録した順番に第1撮影室18a、第2撮影室18b、第3撮影室18c、第4撮影室18dと割り当てていく方法が考えられるが、図10Aに示すように、例えば1つの撮影室(例えば第1撮影室18a)に撮影時間Tの長い複数の被写体34が連続して特定されてしまい、他の撮影室での撮影が終了したにも拘わらず、第1撮影室18aでの撮影が終了せずに長時間にわたって被写体34を待たせてしまうという不都合が生じる。また、技師を無駄に長時間拘束するという問題も生じる。
【0060】
そこで、この特定に当たっては、予測された被写体34毎の撮影時間Tを、複数の撮影室に対応して割り付けた際に、全体の撮影終了時刻が最も早くなる組み合わせに基づいて各被写体34が入るべき撮影室を特定する。例えば図10Bに示すように、撮影時間Tが長い被写体34と撮影時間Tが短い被写体34が組みになるようにして特定していく。このように割り当てることで、全体の終了時刻が1つの撮影室で大幅に律速される(遅くなる)ということがなくなり、効率よく撮影を行わせることができる。
【0061】
また、被写体割付部228は、各被写体34毎の撮影時間Tに基づいて、各被写体34が入るべき撮影室を特定する際に、第1撮影室18a〜第4撮影室18dに対応した第1順番情報テーブル252a〜第4順番情報テーブル252dを作成する。これら第1順番情報テーブル252a〜第4順番情報テーブル252dには、撮影順に並べられた被写体34のID番号及び番号札の番号と、各被写体34の撮影時間Tに基づいて演算された撮影開始予定時刻と撮影終了予定時刻の情報がそれぞれ被写体34に対応して登録されるようになっている。
【0062】
作成された第1順番情報テーブル252a〜第4順番情報テーブル252dは、表示コントローラ220に供給される。
【0063】
表示コントローラ220は、供給された第1順番情報テーブル252a〜第4順番情報テーブル252dに基づいて、電光掲示板206に表示すべき内容を編集し、図7に示すように、撮影予定の被写体34の番号(番号札の番号)と撮影開始予定時刻と撮影終了予定時刻が時系列で表示する。
【0064】
さらに、本実施の形態においては、脱着時間補正部246に2つの補正機能を持たせるようにしている。
【0065】
すなわち、脱着時間補正部246は、補正脱着時間hTdを、被写体34を呼び出した時点から該被写体34が対応する撮影室に入室する時点までの時間(いわゆる空白時間Te)に基づいて補正して新たな補正脱着時間hTdとする第1補正部254aと、補正脱着時間hTdを、該被写体34の実際の脱衣時間rTb(図9参照)に基づいて補正して新たな補正脱着時間hTdとする第2補正部254bとを有する。
【0066】
空白時間Teとしては、通常、30秒程度を想定しているが、被写体34の年齢や身体状態によっては、1分、2分と時間がかかる場合が少なくない。そこで、第1補正部254aは、実際にかかった空白時間rTeと一般的な空白時間Teとの差を補正脱着時間hTdに加算して補正脱着時間hTdとする。実際にかかった空白時間rTeが一般的な空白時間Teよりも短い場合は、補正脱着時間hTdもその分短くなる。
【0067】
実際の空白時間rTeの検出は以下のように行われる。表示コントローラ220の第1スイッチ222a〜第4スイッチ222dからの各オン信号は電光掲示板206に供給されると共に、対応する第1タイマ212a〜第4タイマ212dにも供給されるようになっている。
【0068】
従って、例えば第1撮影室18aに被写体34を導く場合、技師が表示コントローラ220の第1スイッチ222aをオン操作すると共に、マイク218で該被写体34に対する呼び出しが行われることになるが、第1スイッチ222aのオン信号が第1タイマ212aに供給された段階で、第1タイマ212aでの計時が開始され、第1撮影室18aに被写体34が入室したことを第1センサ208aにて検知した段階で、第1タイマ212aでの計時が終了する。つまり、第1タイマ212aにおいて、被写体34を呼び出した時点から該被写体34が対応する撮影室(この例では、第1撮影室18a)に入室する時点までの時間(実際の空白時間rTe)が計時されることになる。そして、第1タイマ212aは、計時が終了した時点でその計時情報を第1補正部254aに供給する。この時点で第1タイマ212aでの計時情報はリセットされる。第1補正部254aは、供給された計時情報が示す時間(実施の空白時間rTe)と一般的な空白時間Teとの差を演算して、その値(正負の符号を含めた値)を例えば図示しないレジスタに格納する。
【0069】
また、脱衣時間が長ければ、一般に、実際の着衣時間も長くなる。そこで、第2補正部254bは、実際にかかった脱衣時間rTbの2倍の時間(脱着予測時間aTd)が、補正脱着時間hTdよりも長ければ、脱着予測時間aTdを補正脱着時間hTdとする。
【0070】
実際の脱衣時間rTbの検出は以下のように行われる。例えば第1撮影室18aに被写体34が入室したことを第1センサ208aにて検知した段階で、第5タイマ214aでの計時が開始され、被写体34が第1更衣室146aから退室したことを第5センサ210aにて検知した段階で、第5タイマ214aでの計時が終了する。つまり、第5タイマ214aにおいて、被写体34の実際の脱衣時間rTbが計時されることになる。そして、第5タイマ214aは、計時が終了した時点でその計時情報を第2補正部254bに供給する。この時点で第5タイマ214aでの計時情報はリセットされる。第2補正部254bは、供給された計時情報が示す時間(実際の脱衣時間rTb)の2倍の時間(脱着予測時間aTd)と補正脱着時間hTdとを比較して、脱着予測時間aTdが補正脱着時間hTdよりも長ければ、脱着予測時間aTdを補正脱着時間hTdとする。
【0071】
第2補正部254bからの補正脱着時間hTdは、第1補正部254aに供給される。第1補正部254aは、レジスタに格納されている値を補正脱着時間hTdに加算して、実際にかかった空白時間rTeを反映させる。
【0072】
そして、第2予測部234は、正味撮影時間補正部242にて求められた補正正味撮影時間hTaと脱着時間補正部246の第1補正部254a及び第2補正部254bにて求められた新たな補正脱着時間hTdを合計して新たな撮影時間Tとする。もちろん、この新たな撮影時間Tはデータベース30の撮影時間履歴テーブル236に反映される。
【0073】
上述の例では、新規の被写体34並びに新規の撮影部位について、第2予測部234にて予測された撮影時間Tを撮影時間履歴テーブル236に登録するようにしたが、その他、図12に示すように、実績値登録部260によって、予測ではない撮影時間Tの実績値、脱着時間Tdの実績値、正味撮影時間Taの実績値を撮影時間履歴テーブル236に登録するようにしてもよい。
【0074】
すなわち、被写体34が第1撮影室18a(又は第1更衣室146a)に入室した時点から、被写体34が第1更衣室146aで脱衣し、第1更衣室146aから退室した時点までの時間(脱衣時間Tbの実績値)が第5タイマ214aにて計時されてその計時情報が実績値登録部260に供給される。また、脱衣した被写体34が第1更衣室146aから退室した時点から、実際に撮影を行って再び第1更衣室146aに入室した時点までの時間(正味撮影時間Taの実績値)が第5タイマ214aにて計時されてその計時情報が実績値登録部260に供給される。さらに、被写体34が第1更衣室146aに入室した時点から、被写体34が第1更衣室146aで着衣し、第1更衣室146a(又は第1撮影室18a)から退室した時点までの時間(着衣時間Tcの実績値)が第5タイマ214aにて計時されてその計時情報が実績値登録部260に供給される。
【0075】
実績値登録部260は、例えば脱衣時間Tbの実績値と着衣時間Tcの実績値を合計して脱着時間Tdの実績値を求め、さらに、脱着時間Tdの実績値と正味撮影時間Taの実績値を合計して撮影時間Tの実績値を求める。さらに、実績値登録部260は、データベース30にアクセスして、当該被写体34が新規の被写体34であれば、撮影時間履歴テーブル236に新たに情報ファイル238を設定し、上述のようにして求められた当該被写体34の撮影部位に対応する撮影時間Tの実績値と脱着時間Tdの実績値(さらには正味撮影時間Taの実績値)を、新規情報として、新たな情報ファイル238に登録する。
【0076】
上述の例では、第1撮影室18aに関して述べたが、第2撮影室18b〜第4撮影室18dにおいても同様である。
【0077】
これら撮影時間T、正味撮影時間Ta及び脱着時間Tdの各実績値を、対応する放射線画像情報に関連付けて登録するようにしてもよい。この場合、ビューア16に放射線画像情報を表示する際に、撮影時間Tや正味撮影時間Taの各実績値を表示するようにしてもよい。
【0078】
このような各種実績値を撮影時間履歴テーブル236に登録した場合、第1予測部232において、以下に示すような撮影時間T(今回の撮影時間T)の予測方法を好ましく採用することができる。
【0079】
すなわち、今回の撮影時間Tに含まれる脱着時間Tdを、今回の撮影時の季節を考慮して予測する。撮影時間履歴テーブル236に登録した際の季節が夏であって、今回の撮影時の季節が冬であれば、脱着時間Tdの実績値に一定の時間を加算して今回の脱着時間Tdとし、これに正味撮影時間Taの実績値を加算して今回の撮影時間Tとする。同様に、撮影時間履歴テーブル236に登録した際の季節が冬であって、今回の撮影時の季節が夏であれば、脱着時間Tdの実績値に一定の時間を減算して今回の脱着時間Tdとし、これに正味撮影時間Taの実績値を加算して今回の撮影時間Tとする。
【0080】
また、被写体34が骨折等の経過撮影であれば、例えば1週間に1回の割合で同一部位を撮影することから、回数を経るごとに、撮影準備やポジショニングにかかる時間等は短くなる。従って、撮影時間履歴テーブル236には、同一被写体34に関する同一撮影部位について、1回目の撮影時間T(及び正味撮影時間Ta)の実績値、2回目の撮影時間Tの実績値、3回目の撮影時間Tの実績値・・・というように、経過実績を順次記録することも好ましく採用される。
【0081】
この場合、例えば今回が2回目の撮影であれば、その正味撮影時間Taとして、1回目の正味撮影時間Ta(撮影時間履歴テーブル236に登録されている正味撮影時間Taの実績値)から該1回目の正味撮影時間Ta(実績値)の20%程度短くした時間とし、それを登録されている撮影時間Tの実績値を参照して今回の撮影時間T(2回目の撮影時間T)として予測する。同様に、3回目の撮影であれば、2回目の正味撮影時間Ta(実績値)から該2回目の正味撮影時間Ta(実績値)の20%程度短くした時間とし、それを登録されている2回目の撮影時間Tの実績値を参照して今回の撮影時間T(3回目の撮影時間T)として予測する。もちろん、1回目の正味撮影時間Ta(又は撮影時間T)と2回目の正味撮影時間Ta(又は撮影時間T)との時間差から3回目の正味撮影時間Ta(又は撮影時間T)を予測するようにしてもよいし、同様に、2回目の正味撮影時間Ta(又は撮影時間T)と3回目の正味撮影時間Ta(又は撮影時間T)との時間差から4回目の正味撮影時間Ta(又は撮影時間T)を予測するようにしてもよい。
【0082】
一方、被写体割付部228は、新たな撮影時間Tに基づいて第1順番情報テーブル252a〜第4順番情報テーブル252dを作成し直し、作成し直された第1順番情報テーブル252a〜第4順番情報テーブル252dは、表示コントローラ220に供給される。
【0083】
表示コントローラ220は、供給された第1順番情報テーブル252a〜第4順番情報テーブル252dに基づいて、電光掲示板206に表示すべき内容を編集し、撮影予定の被写体の番号(番号札の番号)と撮影開始予定時刻と撮影終了予定時刻が時系列で表示する。
【0084】
本実施の形態に係る放射線画像撮影システム10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作について説明する。
【0085】
先ず、HIS12を用いて、患者の氏名、性別、年齢等の患者情報が設定され、次いで、医師は、当該患者情報に関連させて、放射線画像の撮影方法、撮影部位、撮影に使用する撮影装置、撮影装置を構成する放射線源に対する管電圧、管電流、放射線の曝射時間等の曝射条件を含む撮影条件を、RIS14を用いて設定する。HIS12及びRIS14で設定されたこれらの撮影指示情報は、院内ネットワーク32を介して、放射線科の処理室132に設置されたコンソール24に送信される。コンソール24は、送信された撮影指示情報を表示部122に表示する。
【0086】
一方、処理室132に待機している技師は、コンソール24の表示部122に表示された撮影指示情報を確認し、必要に応じて、撮影条件設定部116を用いて撮影条件の変更、設定を行う。例えば、技師は、医師が選択した撮影装置が使用中であったり、メンテナンス中であったりした場合、撮影条件設定部116を用いて使用可能な撮影装置に変更する。また、被写体34の撮影部位に応じた管電圧、管電流、放射線の照射時間等の撮影条件の変更、設定を行う。
【0087】
次に、コンソール24での撮影時間予測部226、被写体割付部228及び表示コントローラ220での処理によって、図7に示すように、電光掲示板206に、撮影予定の被写体34の番号(番号札の番号)と撮影開始予定時刻と撮影終了予定時刻が時系列で表示される。技師は、順番に被写体34をマイク218等で呼び出して、例えば第1撮影室18aに被写体34を誘導する。
【0088】
誘導された被写体34は、第1被写体用ドア144aから第1撮影室18aに入り、第1更衣室146aで着替えを行う。また、技師(呼び出しを行った技師とは異なってもよい)は、処理室132から第1技師用ドア142aを介して第1撮影室18aに入り、第1撮影装置20aの撮影台36の位置調整、被写体34の撮影姿勢の調整等を行った後、処理室132に退出する。
【0089】
一方、コンソール24の制御部118は、選択された被写体34に係る撮影条件を、第1撮影装置20aの第1線源制御ユニット40a及び第1操作ユニット26aに送信する。第1線源制御ユニット40aには、撮影条件に基づき、第1放射線源38aに対する管電圧、管電流、放射線の曝射時間等の曝射条件が設定される。また、第1操作ユニット26aの表示部130には、図11に示すように、撮影条件に基づき、患者名、撮影者、撮影日時等が表示されるとともに、撮影メニューである撮影部位の情報、管電圧、管電流、放射線の曝射時間等の曝射条件が表示される。
【0090】
ここで、第1操作ユニット26aは、設定部126を有しており、技師は、この設定部126を用いて、撮影条件の変更、再設定を行うことができる。変更、再設定された撮影条件は、第1操作ユニット26aから第1撮影装置20aの第1線源制御ユニット40aに送信されて調整が行われる。また、第1操作ユニット26aで変更、再設定された撮影条件は、院内ネットワーク32を介してコンソール24に送信された後、第1操作ユニット26aで設定された撮影条件の変更処理が行われる。
【0091】
なお、第1操作ユニット26aの表示部130において、RIS14等で設定された標準的な撮影条件と、技師によって変更された撮影条件、例えば、被写体34の体厚、子供であるか否か、妊婦であるか否か等の撮影条件との差異を表示させることにより、技師による撮影条件の変更の適否を客観的に判断することが可能となる。また、被写体34が妊婦である場合、撮影条件に関して、アラーム表示やアラーム音による注意喚起をするようにしてもよい。
【0092】
技師は、第1操作ユニット26aの表示部130に表示された撮影条件を確認した後、放射線画像情報の撮影を開始する。技師が第1操作ユニット26aの曝射スイッチ128を押下すると、曝射信号が第1線源制御ユニット40aを介して第1放射線源38aに供給される。曝射信号が供給された第1放射線源38aは、第1線源制御ユニット40aに設定されている曝射条件に従って制御された放射線を出力し、被写体34に照射する。
【0093】
被写体34を透過した放射線は、撮影台36に収納されている放射線変換パネルDに照射され、放射線画像情報が記録される。
【0094】
放射線変換パネルD(図3)を構成する各画素48の光電変換層42は、入射した放射線を電気信号に変換し、その電気信号が蓄積容量46に電荷として保持される。次いで、各蓄積容量46に保持された被写体34の放射線画像情報である電荷情報は、制御部60からライン走査駆動部54及びマルチプレクサ56に供給されるアドレス信号に従って読み出される。
【0095】
すなわち、ライン走査駆動部54のアドレスデコーダ58は、制御部60から供給されるアドレス信号に従って選択信号を出力してスイッチSW1の1つを選択し、対応するゲート線50に接続されたTFT44のゲートに制御信号Vonを供給する。一方、マルチプレクサ56のアドレスデコーダ66は、制御部60から供給されるアドレス信号に従って選択信号を出力してスイッチSW2を順次切り替え、ライン走査駆動部54によって選択されたゲート線50に接続された各画素48の蓄積容量46に保持された電荷情報である放射線画像情報を信号線52を介して順次読み出す。
【0096】
放射線変換パネルDの選択されたゲート線50に接続された各画素48の蓄積容量46から読み出された放射線画像情報は、各増幅器62によって増幅された後、各サンプルホールド回路64によってサンプリングされ、マルチプレクサ56を介してA/D変換器68に供給され、デジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された放射線画像情報は、制御部60により院内ネットワーク32を介してコンソール24及び第1操作ユニット26aに送信される。
【0097】
同様にして、ライン走査駆動部54のアドレスデコーダ58は、制御部60から供給されるアドレス信号に従ってスイッチSW1を順次切り替え、各ゲート線50に接続されている各画素48の蓄積容量46に保持された電荷情報である放射線画像情報を信号線52を介して読み出し、マルチプレクサ56、A/D変換器68及び制御部60を介してコンソール24及び第1操作ユニット26aに送信される。
【0098】
第1操作ユニット26aは、受信した放射線画像情報を表示部130に表示させる。この場合、技師は、第1操作ユニット26aの曝射スイッチ128を操作して放射線画像情報の撮影を行っており、コンソール24まで移動することなく、第1操作ユニット26aの表示部130において、撮影された被写体34の放射線画像情報のプレビュー画像を確認することができる。なお、プレビュー画像は、撮影条件を確認できる程度の解像度であればよい。
【0099】
プレビュー画像を確認し、取得した放射線画像情報が不適切であると判断したとき、技師は、第1操作ユニット26aの設定部126を用いて、その場で撮影条件を変更する。この場合、撮影姿勢や撮影部位の変更が不要であれば、被写体34を煩わせることなく、曝射スイッチ128を操作して直ちに再撮影を行うことができる。再撮影によって取得した放射線画像情報は、同様にして、第1操作ユニット26aの表示部130に表示させて再度確認することができる。
【0100】
なお、再撮影された放射線画像情報を表示部130に表示する際、前回の撮影で取得した放射線画像情報及び撮影条件を同時に表示させるようにすれば、撮影条件を変更して取得した放射線画像情報が適切であるか否かをより正確に判断することが可能となる。
【0101】
取得した放射線画像情報が適切である場合、当該放射線画像情報は、第1撮影装置20a又は第1操作ユニット26aからコンソール24に送信され、画像処理部120で所望の画像処理が施された後、院内ネットワーク32を介してビューア16に送信される。医師は、ビューア16に送信された放射線画像情報に基づき、必要な読影診断を行う。
【0102】
次に、被写体34が第2撮影室18bに導かれた場合について説明する。
【0103】
第2撮影室18bの第2撮影装置20bに接続された第2操作ユニット26bの表示部130には、第1操作ユニット26aの場合と同様に、選択された被写体34に係る撮影条件が表示される。技師(第1撮影室18aの技師や呼び出しを行った技師とは異なってもよい)は、第2操作ユニット26bにおいて、撮影条件の変更、再設定を行うことができる。また、撮影条件は、第2操作ユニット26bから第2撮影装置20bの第2線源制御ユニット40bに送信されて設定される。
【0104】
技師は、コンソール24に接続されたバーコードリーダ82を用いて、カセッテ74に装着されたバーコード80を読み取ることにより、カセッテ74に収納されている蓄積性蛍光体パネルPを識別するための固有番号、サイズ、感度等の識別情報を取得する。
【0105】
次いで、カセッテ74を第2撮影装置20bのスロット76に装填した後、第2操作ユニット26bの曝射スイッチ128を押下することにより、第2放射線源38bから放射線が出力され、被写体34に照射される。
【0106】
被写体34を透過した放射線は、カセッテ74に収納されている蓄積性蛍光体パネルPに照射され、被写体34の放射線画像情報が蓄積記録される。
【0107】
放射線画像情報が記録された蓄積性蛍光体パネルPを収納するカセッテ74は、第2撮影装置20bから抜き取られた後、読取装置28のカセッテ装填部86に装填される。カセッテ74が装填されると、カセッテ装填部86に配設されているバーコードリーダ88がカセッテ74に装着されたバーコード80を読み取り、蓄積性蛍光体パネルPの固有番号、サイズ、感度等の識別情報を取得する。取得した識別情報は、コンソール24に接続されたバーコードリーダ82によって取得した識別情報と照合されることで、被写体34と放射線画像情報との対応関係が確認される。
【0108】
識別情報が読み取られると、ロック解除機構90が駆動され、蓋部材78のロック状態が解除されて開蓋される。次いで、吸着盤92が蓄積性蛍光体パネルPを吸着し、カセッテ74から蓄積性蛍光体パネルPを取り出してニップローラ94間に供給する。ニップローラ94により挟持された蓄積性蛍光体パネルPは、搬送ローラ94a〜94g及びガイド板96a〜96fからなる湾曲搬送路98を介して、走査ユニット106の下部に搬送される。
【0109】
蓄積性蛍光体パネルPは、搬送ローラ94d及び94eにより略水平方向に副走査搬送される。一方、励起部108から出力されたレーザビームLBは、プラテンローラ104により支持された放射線変換パネルPに導かれ、蓄積性蛍光体パネルPを主走査する。
【0110】
蓄積性蛍光体パネルPは、レーザビームLBが照射されることで励起され、蓄積記録されている放射線画像情報に応じた輝尽発光光を出力する。この輝尽発光光は、蓄積性蛍光体パネルPの主走査方向に沿って近接配置された集光ガイド112の下端部から入射し、内部で反射を繰り返し、上端部のフォトマルチプライヤ114に導かれる。フォトマルチプライヤ114は、入射した輝尽発光光を電気信号に変換し、これによって、蓄積性蛍光体パネルPに蓄積記録されている放射線画像情報が読み取られる。
【0111】
走査ユニット106によって読み取られた放射線画像情報は、院内ネットワーク32を介してコンソール24及び第2操作ユニット26bに送信される。第2操作ユニット26bは、第2操作ユニット26bの場合と同様に、受信した放射線画像情報をプレビュー画像として表示部130に表示させる。技師は、表示されたプレビュー画像を確認し、必要に応じて、撮影条件を変更して直ちに再撮影を行うことができる。
【0112】
本実施の形態では、第1撮影装置20a〜第4撮影装置20dに対し、コンソール24を共有させて処理室132の省スペース化を推進することができると共に、第1撮影室18a〜第4撮影室18d毎に取得した放射線画像情報を第1操作ユニット26a〜第4操作ユニット26dに表示させ、個別に放射線画像情報を確認することができる。
【0113】
一方、取得した放射線画像情報が適切である場合、例えば第1撮影装置20aにて取得された放射線画像情報は、第1撮影装置20a又は第1操作ユニット26aからコンソール24に送信され、画像処理部120で所望の画像処理が施された後、院内ネットワーク32を介してビューア16に送信される。医師は、ビューア16に送信された放射線画像情報に基づき、必要な読影診断を行う。
【0114】
そして、電光掲示板206には、第1撮影室18a〜第4撮影室18dに対応して、それぞれ撮影予定の被写体34の番号と撮影開始予定時刻と撮影終了予定時刻が時系列で表示されることから、待合区画204で待っている被写体34は、自分の撮影がいつ開始されるかを把握でき、どれだけ待てばよいかという精神的負担を軽減することができる。また、待ち時間を利用して、買い物や別の用事を済ませることができる等、利用する側から見ても便利である。
【0115】
また、被写体34の第1撮影室18a〜第4撮影室18dへの割付(特定)を自動的に行うことから、技師は、被写体34の割付に煩わされることなく、撮影処理に専念でき、操作ミスの低減を図ることができると共に、被写体34に対するサービスの向上に努めることもできる。また、撮影終了時刻(全体の撮影終了時刻)が早くなるように、第1撮影室18a〜第4撮影室18dへの割付(特定)を行うことから、技師を無駄に長時間拘束することがなくなり、極度の疲労を与えることをなくすことが可能となる。
【0116】
上述の例では、電光掲示板206に、第1撮影室18a〜第4撮影室18dに対応して、それぞれ撮影予定の被写体34の番号と撮影開始予定時刻と撮影終了予定時刻が時系列で表示するようにしたが、その他、それぞれ撮影予定の被写体34の番号と撮影終了予定時刻だけを表示するようにしてもよいし、撮影開始予定時刻と撮影終了予定時刻の代わりに待ち時間を表示するようにしてもよい。待ち時間は、撮影室毎に、各被写体34の撮影時間Tを加算することによって求めることができる。
【0117】
また、被写体34を呼び出す場合に、技師がマイク218を使って音声で呼び出す例を示したが、その他、作成された第1順番情報テーブル252a〜第4順番情報テーブル252dの内容(主に被写体の番号)に基づいて、コンピュータ(コンソール24のコンピュータでもよいし、専用のコンピュータでもよい)によって呼び出し用の音声出力データ(呼び出しメッセージ)を作成し、各撮影室での撮影の開始時点や撮影の終了時点にて順番に、被写体の番号を含めた前記呼び出しメッセージを音声出力するようにしてもよい。この場合、コンピュータは、第1スイッチ222a〜第4スイッチ222dに代えて、上述した音声出力のタイミングでそれぞれ撮影室に対応させたオン信号を表示コントローラ220に入力させるようにしてもよい。これにより、全自動で、被写体34の呼び出しや、第1補正部254a及び第2補正部254bでの補正処理、並びに電光掲示板206への撮影終了予定時刻等を含めた順番情報の表示を行うことができる。
【0118】
なお、本発明に係る放射線画像撮影システムは、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本実施の形態に係る放射線画像撮影システムを示す構成図である。
【図2】本実施の形態に係る放射線画像撮影システムの模式的説明図である。
【図3】放射線変換パネルを示す回路構成図である。
【図4】読取装置を示す構成図である。
【図5】本実施の形態に係る放射線画像撮影システムを構成するコンソール、撮影装置及び操作ユニットを中心とする制御ブロック図である。
【図6】本実施の形態に係る放射線画像撮影システムを病院内に設置する場合のレイアウトの一例を示す説明図である。
【図7】電光掲示板に表示される内容の一例を示す説明図である。
【図8】本実施の形態に係る放射線画像撮影システムのコンソールでの処理(撮影時間の予測処理)を示すブロック図である。
【図9】撮影時間の内訳を示すタイミングチャートである。
【図10】図10AはRISに登録された順番に被写体を割り付けた1つの例を示す説明図であり、図10Bは全体の撮影終了時刻が最短となるように被写体を割り付けた1つの例を示す説明図である。
【図11】操作ユニットの操作面を示す説明図である。
【図12】本実施の形態に係る放射線画像撮影システムのコンソールでの処理(撮影時間の予測処理)の他の例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0120】
10…放射線画像撮影システム
12…HIS
14…RIS
18a〜18d…第1撮影室〜第4撮影室
20a〜20d…第1撮影装置〜第4撮影装置
22…処理室
24…コンソール
26a〜26d…第1操作ユニット〜第4操作ユニット
28…読取装置
32…院内ネットワーク
34…被写体
206…電光掲示板
220…表示コントローラ
226…撮影時間予測部
228…被写体割付部
232…第1予測部
234…第2予測部
240…正味撮影時間予測部
242…正味撮影時間補正部
244…脱着時間予測部
246…脱着時間補正部
254a…第1補正部
254b…第2補正部
260…実績値登録部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線源を制御し、被写体の放射線画像情報を取得する撮影装置がそれぞれ設置された複数の撮影室と、
各前記撮影室におけるそれぞれの前記撮影装置を、対応する撮影条件に基づいて制御し、各前記撮影装置にて取得した放射線画像情報を処理する処理装置とを有する放射線画像撮影システムであって、
前記処理装置は、
前記被写体が前記撮影室に入室する時点から前記撮影室から退室する時点までの撮影時間を、少なくとも前記被写体に対応する前記撮影条件に基づいて予測する撮影時間予測部と、
予測された前記被写体の撮影時間に基づいて、少なくとも前記被写体の撮影終了予定時刻を設定する設定部と、
設定された前記撮影終了予定時刻を表示する表示部とを有することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項2】
放射線源を制御し、被写体の放射線画像情報を取得する撮影装置がそれぞれ設置された複数の撮影室と、
各前記撮影室におけるそれぞれの前記撮影装置を、対応する撮影条件に基づいて制御し、各前記撮影装置にて取得した放射線画像情報を処理する処理装置とを有する放射線画像撮影システムであって、
前記処理装置は、
前記被写体が前記撮影室に入室する時点から前記撮影室から退室する時点までの撮影時間を、少なくとも前記被写体に対応する前記撮影条件に基づいて予測する撮影時間予測部と、
予測された前記被写体の撮影時間に基づいて、少なくとも前記被写体の待ち時間を設定する設定部と、
設定された前記待ち時間を表示する表示部とを有することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記撮影時間予測部は、
前記被写体について、過去の同一撮影部位の撮影時間に基づいて今回の撮影時間を予測することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項4】
請求項1又は2記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記被写体の撮影時間の実測値を計測する計測部と、
計測された前記撮影時間の実測値を、少なくとも撮影部位に対応させて記憶部に登録する実測値登録部とを有することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項5】
請求項4記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記撮影時間予測部は、
前記被写体について、前記記憶部に登録された過去の同一撮影部位の撮影時間の実績値に基づいて今回の撮影時間を予測することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項6】
請求項1又は2記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記撮影時間予測部は、
被写体毎に、且つ、少なくとも撮影部位に対応させて撮影時間が登録された情報テーブルを用いて、撮影対象の前記被写体の撮影時間を検索する第1予測部と、
撮影対象の前記被写体の撮影時間を演算によって求める第2予測部とを有し、
前記第1予測部にて撮影対象の前記被写体の撮影時間が検索できなかった場合に、前記第2予測部にて撮影対象の前記被写体の撮影時間を求めることを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項7】
請求項6記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記第2予測部は、演算によって求めた前記被写体の撮影時間を前記情報テーブルに登録することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項8】
請求項6記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記被写体の撮影時間の実測値を計測する計測部と、
計測された前記撮影時間の実測値を、前記情報テーブルに登録する実測値登録部とを有し、
前記第1予測部は、
前記被写体について、前記情報テーブルに登録された過去の同一撮影部位の撮影時間の実績値に基づいて今回の撮影時間を予測することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか1項に記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記第2予測部は、
前記被写体の少なくとも撮影部位に基づいて正味撮影時間を予測する正味撮影時間予測部と、
少なくとも前記被写体の年齢、性別、身体状態のうち、1つ以上の情報と、撮影枚数とに基づいて前記正味撮影時間を補正して補正正味撮影時間とする補正部と、
少なくとも前記被写体の年齢、性別、身体状態のうち、1つ以上の情報に基づいて、前記被写体の衣服の脱衣時間と着衣時間の合計である脱着時間を予測する脱着時間予測部とを有し、
前記補正正味撮影時間と前記脱着時間との合計を前記撮影時間とすることを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項10】
請求項9記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記脱着時間予測部は、
予測した前記被写体の脱着時間を、該被写体の実際の脱衣時間に基づいて補正することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項11】
請求項9又は10記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記脱着時間予測部は、
予測した前記被写体の脱着時間を、該被写体を呼び出した時点から該被写体が対応する撮影室に入室する時点までの時間に基づいて補正することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項12】
請求項1記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記設定部は、
予測された前記被写体の撮影時間に基づいて、前記被写体が入るべき撮影室を特定しながら、前記撮影室毎の各前記被写体の少なくとも撮影終了時刻を設定することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項13】
請求項2記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記設定部は、
予測された前記被写体の撮影時間に基づいて、前記被写体が入るべき撮影室を特定しながら、前記撮影室毎の各前記被写体の待ち時間を設定することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記設定部は、
予測された前記被写体毎の撮影時間を、前記複数の撮影室に対応して割り付けた際に、終了時刻が最も早くなる組み合わせに基づいて各前記被写体が入るべき撮影室を特定することを特徴とする放射線画像撮影システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−247568(P2009−247568A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−98625(P2008−98625)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】