説明

放射線画像撮影装置及び放射線画像撮影方法

【課題】隣り合う複数の画素を組み合わせた画素群毎に、各画素群内の各画素の画素値を加算して用いる場合に、水向、垂直、及び斜め方向の各方向について加算後の画素位置(画素群の重心位置)の偏りを抑制し、各方向について解像度を確保する。
【解決手段】六角形状の複数の画素をハニカム状に配列した放射線検出器の隣り合う複数の画素を組み合わせた画素群毎に、各画素群内の各画素の画素値を加算し、画素群の各画素の画素値の合計値を画素値とする画像データを、複数の画素が正方格子状に配列された画像を表わす画像データとなるように補間処理を行う。画素群の輪郭によって囲まれた各領域の重心を用いて、1つの重心を内部に含みかつ該1つの重心の周囲に存在する6個の重心を線で結んで形成される六角形状の領域を隣接させて複数個形成したときに、該形成した複数個の六角形状の領域がハニカム状に配列されるように、画素群の各画素の組み合わせを定める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線画像を撮影する放射線画像撮影装置及び放射線画像撮影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、TFT(Thin film transistor)アクティブマトリックス基板上にX線感応層を配置し、X線情報を直接デジタルデータに変換できるFPD(flat panel detector)等の放射線検出器を用いた放射線画像撮影装置が実用化されている。このFPDは、従来のフィルムスクリーンなどに比べて、即時に画像を確認でき、動画も確認できるといったメリットがあり、急速に普及が進んでいる。この放射線検出器は、種々のタイプのものが提案されており、例えば、放射線を直接、半導体層で電荷に変換して蓄積する直接変換方式や、放射線を一度CsI:Tl、GOS(Gd2O2S:Tb)などのシンチレータで光に変換し、変換した光を半導体層で電荷に変換して蓄積する間接変換方式がある。
【0003】
放射線検出器は、例えば、複数の走査配線と複数の信号配線とが互いに交差して配設され、当該走査配線及び信号配線の各交差部に対応して画素がマトリクス状に設けられている。この複数の走査配線及び複数の信号配線は、放射線検出器の周辺部において外部回路(例えば、アンプIC(Integrated Circuit)やゲートIC)に接続される。
【0004】
FPDの分解能を向上させるには、放射線検出器の画素のサイズを小さくすることが有効である。特にSe等を使用した直接変換方式の放射線検出器では、画素サイズがほぼダイレクトに分解能の向上に寄与するため、高精細化によって画質向上させる放射線検出器が種々提案されている。例えば、解像度を重視するマンモグラフィー用のFPDでは、画素サイズの小さい製品が提案されている。
【0005】
しかしながら、単にサイズを小さくするだけでは感度が低下することから、分解能及び感度向上の両立を実現するため、六角形状の画素を放射線検出装置に用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。四角形状の画素では、水平方向、及び垂直方向に比べて、斜め方向の解像度が低くなるが、六角形状の画素を用いることにより、水平、垂直、斜めの各方向で高い解像度を確保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−255049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ただし、六角形状の画素を用いても、放射線量が少ない場合には、十分な感度が得られないこともあり、また、動画などの高フレームレートにおいては、感度の問題だけでなく、検出された放射線画像の画像処理を早く行って遅滞なく出力したい要求もあることから、複数画素から検出された画素値を加算して用いる手法(ビニング)が求められている。
【0008】
しかし、複数の画素の画素値を加算する際の加算方法によっては、加算後の画素位置(複数の画素を1かたまりの画素としたときの重心位置)に偏りが生じ、形の対称性が悪くなり、水平・垂直・斜め方向の各々の方向で均等な解像度を確保することができなくなるおそれがある。画素値を加算する場合であっても、上記重心位置が、各方向で偏りなく配置されるように工夫する必要がある。
【0009】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、ハニカム状に配列された六角形状の画素を備えた放射線画像の隣り合う複数の画素を組み合わせた画素群毎に、各画素群内の各画素の画素値を加算して用いる場合に、水平方向、垂直方向、及び斜め方向の各方向について加算後の画素位置(画素群の重心位置)の偏りを抑制し、それぞれの方向について解像度を確保することができる放射線画像撮影装置、及び放射線画像撮影方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明の放射線画像撮影装置は、放射線を検出する同じ大きさの六角形状の複数の画素をハニカム状に配列した放射線検出器と、前記放射線検出器の隣り合う複数の画素を組み合わせた画素群毎に、各画素群内の各画素の画素値を加算する加算手段と、前記画素群の各画素の画素値の合計値を画素値とする第1の画像データを、複数の画素が正方格子状に配列された画像を表わす第2の画像データとなるように補間処理を行う画素密度変換手段と、を備え、前記加算手段は、前記画素群の輪郭によって囲まれた各領域の重心を用いて、1つの重心を内部に含みかつ該1つの重心の周囲に存在する6個の重心を線で結んで形成される六角形状の領域を隣接させて複数個形成したときに、該形成した複数個の六角形状の領域がハニカム状に配列されるように、前記画素群の各画素の組み合わせを定めたことを特徴とするものである。
【0011】
このように、画素群毎に画素群内の各画素の画素値を加算する加算手段と、画素群の各画素の画素値の合計値を画素値とする第1の画像データを、複数の画素が正方格子状に配列された画像を表わす第2の画像データとなるように補間処理を行う画素密度変換とを備え、画素群の各画素の組み合わせを、画素群の輪郭によって囲まれた各領域の重心を用いて、1つの重心を内部に含みかつ該1つの重心の周囲に存在する6個の重心を線で結んで形成される六角形状の領域を隣接させて複数個形成したときに、該形成した複数個の六角形状の領域がハニカム状に配列されるように定めたため、水平方向、垂直方向、及び斜め方向の各方向について加算後の画素位置(画素群の重心位置)の偏りを抑制し、加算前の六角形状の画素で検出された画像と同様に、それぞれの方向について解像度を確保することができる。
【0012】
なお、請求項2に記載の発明のように、前記画素密度変換手段は、前記第1の画像データにおいて水平方向及び垂直方向のうち前記重心の配列ピッチが短い方向の補間処理を先に行い、他方の方向の補間処理を後に行うようにしてもよい。
【0013】
距離が短い方から補間処理を行った方が、逆方向から行うより精度が高くなるし、変換スピードも上がる。これにより、六角形状の画素で検出された画素値を十分に活かすことができる。
【0014】
更に、請求項3に記載の発明のように、前記六角形状の画素を、正六角形状となるように形成してもよい。
【0015】
このような形状により、正六角形の画素20の重心の位置、及び加算手段が加算するときの画素群の重心位置の各々が、ともに水平方向、垂直方向、及び斜め方向で等間隔となり、それぞれの方向について偏りなく解像度を確保できる。
【0016】
また、請求項4に記載の発明のように、前記六角形状の画素を、扁平した六角形状となるように形成してもよい。
【0017】
また、請求項5に記載の発明のように、前記放射線画像撮影装置を、被検者の乳房を撮影するマンモグラフィー装置として用いる場合において、前記六角形状の画素を、胸壁側から乳房先までの奥行き方向の長さが、該方向と交差する方向の幅より短くなるように扁平させて形成してもよい。
【0018】
また、請求項6に記載の発明のように、前記六角形状の画素を、該画素の中心を通る3本の対角線のうち、1本の対角線を他の2本の対角線より短くし、該他の2本の対角線が等しい長さとなるように扁平させて形成してもよい。
【0019】
また、請求項7に記載の発明のように、前記放射線検出器の各画素の画素値からなる第3の画像データを、複数の画素が正方格子状に配列された画像を表わす第4の画像データとなるように補間処理を行う第2の画素密度変換手段と、静止画若しくは動画を撮影するための撮影モード、又は放射線量に応じて、前記加算手段での画素値の加算が行われ前記画素密度変換手段により補間処理が行われるように制御する第1の制御、及び前記加算手段での画素値の加算は行われずに前記第2の画素密度変換手段により補間処理が行われるように制御する第2の制御のいずれか一方の制御を行う制御手段と、を更に備えていてもよい。
【0020】
これにより、場合に応じた適切な補間処理行うことができる。
【0021】
請求項8に記載の発明のように、静止画若しくは動画を撮影するための撮影モード、又は放射線量に応じて、前記各画素群を構成する複数の画素の組み合わせを設定する設定手段を更に備えていてもよい。
【0022】
これにより、場合に応じた適切な画素群を設定して加算することができる。
【0023】
請求項9に記載の発明のように、前記加算手段は、前記画素群内に欠陥画素が含まれている場合には、該画素群内の欠陥画素を除く正常な画素の画素値の平均値を、該欠陥画素の画素値として用いて加算するようにしてもよい。
【0024】
これにより、欠陥画素が画素群内に含まれていても、画質的に異常と認識される領域が少ない画像を得ることができる。
【0025】
請求項10に記載の発明のように、前記各画素群を構成する複数の画素の組み合わせは、各々の画素の隣接する2辺が他の2つの画素の各々の1辺と隣り合うように配置された3つの画素の組み合わせ、前記3つの画素と、隣接する2辺の各々が前記3つの画素のうちの2つの画素の各々の1辺と隣り合うように配置された1つの画素とからなる4つの画素の組み合わせ、及び1つの中心の画素と該1つの中心の画素の周辺に位置する6つの画素からなる7つの画素の組み合わせであって、前記周辺の画素の各々の1辺が前記中心の画素のいずれかの1辺と隣り合うように配置された7つの画素の組み合わせのいずれかとしてもよい。
【0026】
請求項11に記載の発明のように、更に、放射線を照射する放射線源と、前記第2の画像データに基づいて画像を出力する画像出力装置と、を備えて構成してもよい。
【0027】
請求項12の発明の放射線画像撮影方法は、放射線を検出する同じ大きさの六角形状の複数の画素をハニカム状に配列した放射線検出器の隣り合う複数の画素を組み合わせた画素群毎に、各画素群内の各画素の画素値を加算する加算工程と、前記画素群の各画素の画素値の合計値を画素値とする第1の画像データを、複数の画素が正方格子状に配列された画像を表わす第2の画像データとなるように補間処理を行う画素密度変換工程と、を備え、前記加算工程では、前記画素群の輪郭によって囲まれた各領域の重心を用いて、1つの重心を内部に含みかつ該1つの重心の周囲に存在する6個の重心を線で結んで形成される六角形状の領域を隣接させて複数個形成したときに、該形成した複数個の六角形状の領域がハニカム状に配列されるように、前記画素群の各画素の組み合わせを定めたことを特徴とするものである。
【0028】
請求項12に記載の発明も、請求項1に記載の発明と同様に作用するため、水平方向、垂直方向、及び斜め方向の各方向について加算後の画素位置(画素群の重心位置)の偏りを抑制し、加算前の六角形状の画素で検出された画像と同様に、それぞれの方向について解像度を確保することができる。
【0029】
なお、請求項13に記載の発明のように、前記画素密度変換工程では、前記第1の画像データにおいて水平方向及び垂直方向のうち前記各領域の重心の配列ピッチが短い方向の補間処理を先に行い、他方の方向の補間処理を後に行うようにしてもよい。
【発明の効果】
【0030】
このように、本発明によれば、ハニカム状に配列された六角形状の画素を備えた放射線画像の隣り合う複数の画素を組み合わせた画素群毎に、各画素群内の各画素の画素値を加算して用いる場合に、水平方向、垂直方向、及び斜め方向の各方向について加算後の画素位置(画素群の重心位置)の偏りを抑制し、それぞれの方向について解像度を確保することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】実施の形態に係る放射線撮影システムの構成を示す構成図である。
【図2】実施の形態に係る放射線検出器の構成を示す構成図である。
【図3】実施の形態に係る放射線検出器の画素の配列状態を示す平面図である。
【図4】実施の形態に係る放射線検出器の構造を示す断面図である。
【図5】本実施の形態に係るビニングを行わない場合の画素密度変換処理の内容を模式的に示した模式図である。
【図6】ビニングしてから画素密度変換を行う場合のフローチャートである。
【図7】ビニングする画素群の配置例を示す図である。
【図8】図7に対応する画素群の重心位置を示す図である。
【図9】ビニング後に行われる画素密度変換処理の内容を模式的に示した図である。
【図10】ビニングする画素群の他の配置例を示す図である。
【図11】図10に対応する画素群の重心位置を示す図である。
【図12】ビニングする画素群の他の配置例を示す図である。
【図13】図12に対応する画素群の重心位置を示す図である。
【図14】放射線量に応じて画素群を設定する設定処理のフローチャートである。
【図15】他の形態に係る放射線検出器の構成を示す構成図である。
【図16】他の形態に係る放射線検出器の構成を示す構成図である。
【図17】ビニングする画素群の他の配置例を示す図である。
【図18】図17に対応する画素群の重心位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下では、放射線を直接電荷に変換する直接変換方式の放射線検出器に本発明を適用した場合について説明する。
【0033】
図1は、本実施の形態に係る放射線画像撮影システム100の構成を示すブロック図である。この放射線画像撮影システム100は、放射線画像を撮影する撮影装置41と、撮影した放射線画像を表わす画像データに対して画像処理を施す画像処理装置50と、画像処理された画像データが表す被写体画像の表示を行う表示装置80と、を備えている。
【0034】
撮影装置41は、放射線照射部24と、放射線画像を検出する放射線検出器42(図2も参照)と、管電圧、管電流、照射時間等の情報等の曝射条件、撮影条件、各種の操作情報や各種の操作指示が入力される操作パネル44と、装置全体の動作を制御する撮影装置制御部46と、操作メニューや各種情報等を表示するディスプレイ47と、LAN等のネットワーク56に接続され、当該ネットワーク56に接続された他の機器との間で各種情報を送受信する通信I/F部48と、を備えている。本実施の形態に係る撮影装置41は、連続的に放射線画像の撮影(動画撮影)を行う動画撮影モードと静止画撮影を行う静止画撮影モードとが切替え可能に構成され、撮影モードは撮影条件の1つとして操作パネル44から入力することが可能である。撮影装置41では、操作パネル44から入力された撮影モードに応じて動画撮影又は静止画撮影が行われる。
【0035】
撮影装置制御部46は、CPU46A、ROM46B、RAM46C、HDDやフラッシュメモリ等から成る不揮発性の記憶部46Dを備えており、放射線照射部24、放射線検出器42、操作パネル44、ディスプレイ47、及び通信I/F部48と接続されている。記憶部46Dには、CPU46Aが実行するプログラム等が記憶されている。記憶部46Dには、放射線画像を表わす画像データ(デジタルデータ)等が記憶される。例えば、本実施の形態に係る撮影装置41が、マンモグラフィーに用いられる場合には、被験者の乳房を撮影して得られた放射線画像データが記憶部46Dに記憶される。
【0036】
放射線検出器42は、曝射条件に応じて放射線照射部24の放射線源30から放射線が照射されると、放射線を検出して、放射線画像を示す画像データを撮影装置制御部46へ出力する。放射線検出器42の詳細な構成は、後述する。
【0037】
撮影装置制御部46は、通信I/F部48及びネットワーク56を介して画像処理装置50と通信が可能とされており、画像処理装置50との間で各種情報の送受信を行う。
【0038】
このネットワーク56には、管理サーバ57が更に接続されている。管理サーバ57は、記憶部57Aを含んで構成されている。撮像装置制御部46は、通信I/F部48及びネットワーク56を介して管理サーバ57と通信が可能とされている。
【0039】
一方、画像処理装置50は、サーバ・コンピュータとして構成されており、操作メニューや各種情報等を表示するディスプレイ52と、複数のキーを含んで構成され、各種情報や操作指示が入力される操作入力部54と、を備えている。
【0040】
また、画像処理装置50は、装置全体の動作を司るCPU60と、制御プログラムを含む各種プログラム等が予め記憶されたROM62と、各種データを一時的に記憶するRAM64と、各種データを記憶して保持するHDD66と、ディスプレイ52への各種情報の表示を制御するディスプレイドライバ68と、操作入力部54に対する操作状態を検出する操作入力検出部70と、ネットワーク56を介して撮影装置41に接続され、撮影装置41との間で各種情報の送受信を行う通信I/F部72と、ディスプレイケーブル58を介して表示装置80に対して画像データを出力する画像信号出力部74と、を備えている。画像処理装置50は、通信IF部72を介して、記憶部46Dに記憶された放射線画像を表わす画像データ(デジタルデータ)を撮影装置41から取得する。
【0041】
CPU60、ROM62、RAM64、HDD66、ディスプレイドライバ68、操作入力検出部70、通信I/F部72、及び画像信号出力部74は、システムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU60は、ROM62、RAM64、HDD66へのアクセスを行うことができる。また、CPU60は、ディスプレイドライバ68を介したディスプレイ52への各種情報の表示の制御、通信I/F部72を介した撮影装置41との各種情報の送受信の制御、及び画像信号出力部74を介した表示装置80の表示部80Aに表示される画像の制御、を行うことができる。更に、CPU60は、操作入力検出部70を介して操作入力部54に対するユーザの操作状態を把握することができる。
【0042】
なお、画像処理装置50では、放射線検出器42で検出された放射線画像を表わす画像データに対して、後述するビニング及び画素密度変換が行われる。ビニング及び画素密度変換を行うためのプログラムは、ROM62やHDD66に記憶されている。表示装置80に対して出力する画像データは、画素密度変換後の画像データとなる。
【0043】
図2には、本実施の形態に係る放射線検出器42の電気的な構成が示されている。
【0044】
放射線検出器42には、矩形状の検出領域40が設けられており、当該検出領域40に照射された放射線の検出を行う。この検出領域40内には、同じ大きさの六角形状の画素20が複数配置されている。この六角形状の画素は、正六角形状であってもよいし、扁平した六角形状であってもよい。なお、この六角形状の画素には、六角形の角部の各々を面取りした略六角形状の画素も含まれる。
【0045】
なお、本実施の形態では、図2に示すように、各画素20を、ハニカム状に配置している。これにより、本実施の形態に係る放射線検出器42では、同じ大きさの六角形状の画素20を所定方向に複数配列した第1の画素列と、該第1の画素列の画素20と同じ大きさの六角形状の画素20を上記所定方向に複数配列した第2の画素列とを上記所定方向と交差する方向に交互に配列すると共に、前記第2の画素列の画素20が、前記第1の画素列の隣り合う画素間に対応して配置されるので、前記第1の画素列の各画素20の配列ピッチの1/2だけずれるように配置される。
【0046】
また、ハニカム状の配置は、行方向で見た場合、次のようにも説明できる。同じ大きさの六角形状の画素20を所定方向に複数配列した第1の画素行と、該第1の画素行の画素20と同じ大きさの六角形状の画素20を上記所定方向に複数配列した第2の画素行とを上記所定方向と交差する方向に交互に配列すると共に、前記第2の画素行の画素20が、前記第1の画素行の隣接する画素間に対応して配置されるので、前記第1の画素行の各画素20の配列ピッチの1/2だけずれるように配置される。
【0047】
なお、被検者の乳房を撮影する場合において、六角形状の画素を扁平させて形成し、画素の幅の短い方が、胸壁側から乳房先へ向かう方向に沿うように乳房を配置して撮影するようにしてもよい。
【0048】
ここで、具体例を挙げて説明する。扁平した六角形状の画素とする場合には、図2において紙面上下方向(図3、及び図5(A)においても同じ)に画素を潰して扁平させる。これにより、図2の紙面上部に胸壁を対応させて撮影するマンモグラフィー装置に好適な形態となる。これは、マンモグラフィー装置の場合、胸壁側から乳房先までの奥行き方向を高精細に取りたいニーズがあるためである。従って、この方向に画素を潰して(すなわち、六角形状の画素において、胸壁側から乳房先までの奥行き方向の長さが、該方向と交差する方向の幅より短くなるように)扁平させ、胸壁側には、ゲートIC及びアンプIC等の外部回路を配置しない構成とすれば、胸壁側から乳房先までの奥行き方向を、解像度を余すことなく撮影できるのである。
【0049】
また、六角形状の画素を扁平させる場合には、画素の中心を通る3本の対角線のうち、1本の対角線を他の2本の対角線より長くし、該他の2本の対角線が等しい長さとなるように扁平(第1の扁平方法と呼称する)させるより、1本の対角線を他の2本の対角線より短くし、該他の2本の対角線が等しい長さとなるように扁平(第2の扁平方法と呼称する)させることが好ましい。具体的には、例えば、図3において、紙面の上下方向の対角長d(y)が他の2本の対角長d(x)より短くなるように(すなわち、紙面の上下方向に潰して)扁平させることが好ましい。
【0050】
まず、何も扁平させない正六角形の状態において、図5(A)では、水平方向の画素の配列ピッチPP1(x)は、垂直方向の画素の配列ピッチPP1(y)より短い。従って、水平方向に高い解像度が確保される。この解像度を確保したまま、第2の扁平方法で、垂直方向の対角長d(y)が短くなるように扁平させることにより、水平方向の解像度だけでなく、垂直方向の解像度も確保することができるのである。
【0051】
各画素20は、図2に示すように、照射された放射線を受けて電荷を発生するセンサ部103と、センサ部103で発生した電荷を蓄積する電荷蓄積容量108と、電荷蓄積容量108に蓄積された電荷を読み出すためのTFTスイッチ109と、を含んで構成されている。
【0052】
また、画素20の水平方向(以下、走査配線方向ともいう)に対する各画素列に1本ずつそれぞれ走査配線101が配設されている。走査配線101は、それぞれ走査配線方向の画素列の各画素20に備えられたTFTスイッチ109に接続され、各TFTスイッチ109をスイッチングする制御信号が流れる。
【0053】
また、画素20の垂直方向(以下、信号配線方向ともいう。)に対する各画素列に1本ずつ各画素20を迂回するように蛇行して信号配線107が配設されている。信号配線107は、それぞれ各画素20のTFTスイッチ109に接続され、TFTスイッチ109のスイッチング状態に応じて電荷蓄積容量108に蓄積された電荷が流れる。
【0054】
本実施の形態に係る放射線検出器42は、信号配線方向の一端側に各信号配線3に流れ出した電気信号を検出する複数のアンプIC105が設けられている。各信号配線3は、予め定められた第1本数(例えば256本)毎にアンプIC105に接続されている。
【0055】
また、本実施の形態に係る放射線検出器42は、検出領域40を挟んで信号配線方向の両側に各走査配線101にTFTスイッチ109をON/OFFするための制御信号を出力する複数のゲートIC104A、104Bが設けられている。各走査配線101は、一方及び他方の端部が1本ずつ交互にゲートIC104A、104Bに接続されており、また、予め定められた第2本数(例えば256本)毎に別のゲートIC104A、104Bに接続されている。なお、図2では、アンプIC105、ゲートIC104A、104Bをそれぞれ1つずつに省略して図示している。
【0056】
アンプIC105は、各信号配線107毎に、入力される電気信号を増幅する増幅回路を内蔵している。アンプIC105では、各信号配線107より入力される電気信号を増幅回路により増幅して検出することにより、画像を構成する各画素の情報として、各電荷蓄積容量108に蓄積された電荷量を検出する。
【0057】
このアンプIC105及びゲートIC104A、104Bには、信号処理装置106が接続されている。信号処理装置106は、アンプIC105において検出された電気信号をデジタルデータに変換して記憶部46Dに記憶すると共に、アンプIC105に対して信号検出のタイミングを示す制御信号を出力し、ゲートIC104に対してスキャン信号の出力のタイミングを示す制御信号を出力する。
【0058】
図4は、放射線検出器42の構造を示す断面図である。
【0059】
図4に示すように、放射線検出器42は、絶縁性の基板1上に、走査配線101、蓄積容量下部電極14、及びゲート電極2が形成されている。走査配線101は、画素20の走査配線方向に対する各画素列に1本ずつ、画素列の間を画素20を迂回するように蛇行して配設されており、上側の画素列の各画素20に形成されたゲート電極2に接続されると共に、下側の画素列の各画素20に形成された蓄積容量下部電極14に接続されている。この走査配線101、蓄積容量下部電極14、及びゲート電極2が形成された配線層(以下、この配線層を「第1信号配線層」ともいう。)は、Al若しくはCu、又はAl若しくはCuを主体とした積層膜を用いて形成されているが、これらに限定されるものではない。
【0060】
この第1信号配線層上には、一面に絶縁膜15Aが形成されており、ゲート電極2上に位置する部位がTFTスイッチ109におけるゲート絶縁膜として作用する。この絶縁膜15Aは、例えば、SiN等からなっており、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)成膜により形成される。
【0061】
絶縁膜15A上のゲート電極2上には、半導体活性層8が島状に形成されている。この半導体活性層8は、TFTスイッチ109のチャネル部であり、例えば、アモルファスシリコン膜からなる。
【0062】
これらの上層には、ソース電極9、及びドレイン電極13が形成されている。このソース電極9及びドレイン電極13が形成された配線層には、ソース電極9、ドレイン電極13とともに、信号配線107が形成され、また、絶縁膜15A上の蓄積容量下部電極14に対応する位置に蓄積容量上部電極16が形成されている。ドレイン電極13は蓄積容量上部電極16に接続されている。信号配線107は、各画素20に形成されたソース電極9に接続されている。ソース電極9、ドレイン電極13、信号配線107、及び蓄積容量上部電極16が形成された配線層(以下、この配線層を「第2信号配線層」ともいう。)は、Al若しくはCu、又はAl若しくはCuを主体とした積層膜が用いて形成されるが、これらに限定されるものではない。このソース電極9及びドレイン電極13と半導体活性層8との間には不純物添加アモルファスシリコン等による不純物添加半導体層(不図示)が形成されている。これらによりスイッチング用のTFTスイッチ109が構成される。なお、TFTスイッチ109は後述する下部電極11により収集、蓄積される電荷の極性によってソース電極9とドレイン電極13が逆となる。
【0063】
これら第2信号配線層を覆い、基板1上の画素が設けられた領域のほぼ全面(ほぼ全領域)には、TFT保護膜層15Bが形成されている。このTFT保護膜層15Bは、例えば、SiN等からなっており、例えば、CVD成膜により形成される。
【0064】
このTFT保護膜層15B上には、塗布型の層間絶縁膜12が形成されている。この層間絶縁膜12は、低誘電率(比誘電率ε=2〜4)の感光性の有機材料(例えば、ポジ型感光性アクリル系樹脂:メタクリル酸とグリシジルメタクリレートとの共重合体からなるベースポリマーに、ナフトキノンジアジド系ポジ型感光剤を混合した材料など)により1〜4μmの膜厚で形成されている。
【0065】
本実施の形態に係る放射線検出器42では、この層間絶縁膜12によって層間絶縁膜12上層と下層に配置される金属間の容量を低く抑えている。また、一般的にこのような材料は平坦化膜としての機能も有しており、下層の段差が平坦化される効果も有する。本実施の形態に係る放射線検出器42では、この層間絶縁膜12及びTFT保護膜層15Bの蓄積容量上部電極16と対向する位置にコンタクトホール17が形成されている。
【0066】
層間絶縁膜12上には、各画素20毎に、各々コンタクトホール17を埋めつつ、画素領域を覆うようにセンサ部103の下部電極11が形成されおり、この下部電極11は、非晶質透明導電酸化膜(ITO)からなり、コンタクトホール17を介して蓄積容量上部電極16と接続されている。よって、下部電極11とTFTスイッチ109とは蓄積容量上部電極16を介して電気的に接続されている。
【0067】
下部電極11上の基板1上の画素20が設けられた画素領域のほぼ全面には、半導体層6が一様に形成されている。この半導体層6は、X線などの放射線が照射されることにより、内部に電荷(電子−正孔)を発生するものである。つまり、半導体層6は導電性を有し、X線による画像情報を電荷情報に変換するためのものである。また、半導体層6は、例えば、セレンを主成分とする非晶質のa−Se(アモルファスセレン)からなる。ここで、主成分とは、50%以上の含有率を有するということである。
【0068】
この半導体層6上には、上部電極7が形成されている。この上部電極7は、図示しないバイアス電源に接続されており、バイアス電源からバイアス電圧が供給されている。
【0069】
次に、本実施の形態に係る放射線検出器42の動作原理について説明する。
【0070】
上部電極7と蓄積容量下部電極14との間にバイアス電圧を印加した状態で、半導体層6にX線が照射されると、半導体層6内に電荷(電子−正孔対)が発生する。
【0071】
半導体層6と電荷蓄積容量108とは電気的に直列に接続された構造となっている。このため、半導体層6内に発生した電子は+(プラス)電極側に、正孔は−(マイナス)電極側に移動する。画像検出時には、ゲートIC104A、104Bから全ての走査配線101に対してOFF信号(0V)が出力されて、TFTスイッチ109のゲート電極2に負バイアスが印加される。これにより、各TFTスイッチ109がOFF状態に保持されている。この結果、半導体層6内に発生した電子は下部電極11により収集されて電荷蓄積容量108に蓄積される。
【0072】
画像読出時には、ゲートIC104、104Bから各走査配線101に対して1本ずつ順にON信号が出力されて、TFTスイッチ109のゲート電極に走査配線101を介して順次ON信号(+10〜20V)が印加される。これにより、走査配線方向の各画素列の各画素20のTFTスイッチ109が1列ずつ順次ONされ、1列ずつ各画素20の電荷蓄積容量108に蓄積された電荷量に応じた電気信号が信号配線107に流れ出す。
【0073】
アンプIC105は、各信号配線107に流れた電気信号に基づいて各センサ部103の電荷蓄積容量108に蓄積された電荷量を、画像を構成する画素の情報(以下、画素情報)として検出する。これにより、放射線検出器42に照射されたX線により示される画像を示す画像データを得ることができる。
【0074】
本実施の形態に係る放射線検出器42によりにより得られる画像データは、各画素がハニカム状に配列された画像を表わす画像データとなる。一方、多くのプリンタやモニタ等の出力機器(本実施の形態では、表示装置80)は、各画素が正方格子状に配列された画像を取り扱うことを前提として構成されているため、画像処理装置50で、該検出された放射線画像を表わす画像データに対する補間処理を行って画素密度変換される。
【0075】
ただし、放射線量が少ない場合には、十分な感度が得られないこともあり、また、動画などの高フレームレートにおいては、感度の問題だけでなく、検出された放射線画像の画像処理を早く行って出力を早くしたい要求もあることから、本実施の形態に係る画像処理装置50は、隣り合う複数の画素20を組み合わせた画素群毎に、各画素群内の各画素20から検出され記憶部46Dに記憶された各デジタルデータ(画素値)を加算し(ビニングともいう)、画素群内の各画素20の画素値の加算値(すなわち各画素値の合計値)を画素値とする画像データに対して補間処理を行って画素密度変換することができるように構成されている。
【0076】
ここで、まず、ビニングを行わずに、画素密度変換を行う場合の処理内容を説明する。図5(A)、(B)は、ビニングを行わない場合の画素密度変換処理の内容を模式的に示した図である。
【0077】
図2,図3を用いて説明したように、六角形状の各画素は、ハニカム状に配置されているため、放射線検出器42により検出された放射線画像は、図5(A)に示すように、各画素がハニカム状に配列された画像となる。なお、画素内に描かれた黒点は、画素重心である。
【0078】
この放射線画像を表わす画像データを、図5(B)に示すように、複数の画素が正方格子状に配置された画像を表わす画像データに変換する。なお、このとき、変換後の画像の正方格子の面積S2が、変換前の六角形状の領域の面積S1以下となるように変換される。画素密度変換で行われる補間処理は、最近傍法、線形補間法、バイキュービック補間法など周知の補間処理を採用することができる。また、例えば、特開2000−244733号公報に記載の画素密度変換方法を行うようにしてもよい。
【0079】
なお、画素密度変換する際の補間処理を、画素密度変換前の画像データにおいて、水平方向及び垂直方向のうち画素の配列ピッチが短い方向の補間処理を先に行い、他方の方向の補間処理を後に行うようにしてもよい。距離が短い方から補間処理を行った方が、逆方向から行うより精度が高くなるし、変換スピードも上がる。
【0080】
例えば、図5(A)に示すように、水平方向の画素の配列ピッチPP1(x)が、垂直方向の画素の配列ピッチPP1(y)より短い場合には、水平方向の補間処理から先に行い、垂直方向の補間処理は水平方向の補間処理の後に行う。また、逆に、垂直方向の画素の配列ピッチPP1(y)が、水平方向の画素の配列ピッチPP1(x)より短い場合には、垂直方向の補間処理から先に行い、水平方向の補間処理は水平方向の補間処理の後に行う。
【0081】
これにより、本実施の形態の放射線検出器42により検出された情報を十分に生かすことができる。
【0082】
次に、ビニングを行ってから画素密度変換を行う場合の処理内容について説明する。ここでは、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、本フローチャートに示す処理は、画像処理装置50のCPU60が、ROM62或いはHDD66に記憶されているプログラムを実行することにより行われる。
【0083】
ステップ200では、撮影装置41の放射線検出器42により撮影され記憶部46Dに記憶された放射線画像の画像データを取得する。この取得は、撮影装置41で撮影された放射線画像の画像データが記憶部46Dに記憶されたときに、自動的に画像処理装置50に転送されるように構成されていてもよいし、画像処理装置50から所定のタイミングで撮影装置41に画像データの要求を出して、該要求に応じて撮影装置41から送信された画像データを受信することにより取得するようにしてもよい。
【0084】
ステップ202では、取得した画像データに基づいて、予め定められた画素群毎にビニングを行う。ここでは、一例として、4つの画素を組み合わせた画素群毎にビニングを行う。図7に、各画素群の配置例を示す。なお、図7では、画素群の各々が区別しやすいように、隣り合う画素群の各画素に対する塗りつぶしパターンを異ならせた(図8〜図14についても同様)。
【0085】
図7に示す例では、各画素群は、各々の画素の隣接する2辺が他の2つの画素の各々の1辺と隣り合うように配置された3つの画素と、隣接する2辺の各々が該3つの画素のうちの2つの画素の各々の1辺と隣り合うように配置された1つの画素とからなる4つの画素の組み合わせとして定められている。また、この4つの画素の組み合わせは、隣り合う一対の画素の組が2組並んで配置され、且つ一方の組の1つの画素の隣接する2辺が、他方の組の2つの画素の各々の1辺に隣り合うように配置された4つの画素の組み合わせであるとも言える。
【0086】
ビニングでは、この4つの画素の画素値を加算して合計値を求め、各合計値を1画素の画素値とする第1の画像データを作成する。後述する画素密度変換において、第1の画像データの画素値は、該画素値に対応する画素群の輪郭(図7の破線で示した形状)で囲まれた領域を1つの画素(以下、実際の画素20と区別するためにビニング画素と呼称する)として捉えたときの各ビニング画素の画素値として扱われる。
【0087】
図8に、画素群の重心位置を黒点で示す。図示されるように、各重心は、1つの重心を内部に含みかつ該1つの重心の周囲に存在する6個の重心を線で結んで形成される六角形状の領域(図8の領域Aも参照。)を複数個形成したときに、該六角形状の領域が隣接してハニカム状に配列されるように、配置されている。
【0088】
言い換えれば、画素群の重心を所定方向に複数配列した第1の列と、第1の列と同じ配列ピッチで画素群の重心を上記所定方向に複数配列した第2の列とを上記所定方向と交差する方向に交互に配列されると共に、第2の列の重心が、第1の列の隣り合う重心間に対応して配置された状態となっている。これにより、ここでは第1の列と第2の列とが配列ピッチの1/2ずれた状態となっている。
【0089】
また、行方向で見た場合、次のようにも説明できる。画素群の重心を所定方向に複数配列した第1の行と、第1の行と同じ配列ピッチで画素群の重心を上記所定方向に複数配列した第2の行とを上記所定方向と交差する方向に交互に配列されると共に、第2の行の画素群の重心が、第1の行の隣り合う重心間に対応して配置された状態となっている。これにより、ここでは第1の行と第2の行とが配列ピッチの1/2ずれた状態となっている。
【0090】
このように、本実施の形態では、画素群の輪郭によって囲まれた各領域の重心を用いて、1つの重心を内部に含みかつ該1つの重心の周囲に存在する6個の重心を線で結んで形成される六角形状の領域を隣接させて複数個形成したときに、該形成した複数個の六角形状の領域がハニカム状に配列されるように、各画素群の各画素の組み合わせを定めている。なお、本例では、この配置により、六角形状の領域Aにおいて、中心に位置する重心から、周囲に配置された6個の重心までの距離の各々が等しくなっている。
【0091】
ステップ204では、上記第1の画像データを、複数の画素が正方格子状に配置された画像を表わす第2の画像データに変換する画素密度変換を行う。ビニングした後に行われる画素密度変換では、第1の画像データにおいて水平方向及び垂直方向のうち、各画素群の重心の配列ピッチ(ビニング画素の配列ピッチといっても良い)が短い方向の補間処理を先に行い、他方の方向の補間処理を後に行うようにしてもよい。
【0092】
例えば、図8に示すように、水平方向の重心の配列ピッチPP1(x)が、垂直方向の重心の配列ピッチPP1(y)より短い場合には、水平方向の補間処理から先に行い(図9(A)も参照。)、垂直方向の補間処理は水平方向の補間処理の後に行う(図9(B)も参照。)。また、逆に、垂直方向の重心の配列ピッチPP1(y)が、水平方向の重心の配列ピッチPP1(x)より短い場合には、垂直方向の補間処理から先に行い、水平方向の補間処理は水平方向の補間処理の後に行う。
【0093】
前述したように、距離が短い方から補間処理を行った方が、逆方向から行うより精度が高くなるし、変換スピードも上がる。これにより、本実施の形態の放射線検出器42により検出された情報を十分に生かすことができる。
【0094】
なお、ビニング後の補間処理の方法は、ビニングしない場合の補間処理と同様に、最近傍法、線形補間法、バイキュービック補間法など周知の方法を用いるようにしてもよい。
【0095】
画像処理装置50は、表示装置80で放射線画像を表示する場合には、このようにして求めた画素密度変換後の画像データを該表示装置80に対して出力する。表示装置80は、該画素密度変換後の画像データに基づいて放射線画像を表示する。
【0096】
以上説明したように、六角形状の画素がハニカム配列された放射線検出器42により得られた画像データを、画素群毎にビニングして画素密度変換し、このとき、画素群の輪郭によって囲まれた各領域の重心を用いて、1つの重心を内部に含みかつ該1つの重心の周囲に存在する6個の重心を線で結んで形成される六角形状の領域を隣接させて複数個形成したときに、該形成した複数個の六角形状の領域がハニカム状に配列されるように、各画素群の各画素の組み合わせを定めるようにしたため、水平方向、垂直方向、及び斜め方向の各方向についてビニング後の画素位置(画素群の重心位置)の偏りを抑制し、ビニング前の画像と同様に、それぞれの方向について解像度を確保することができる。
【0097】
また、ビニング前の重心の配列(図5(A)も参照)と、ビニング後の重心の配列(図8も参照)とが共に、重心により形成される六角形状の領域がハニカム状に配列された状態となっていることから、ビニング後に画素密度変換を行う場合であっても、ビニングなしで画素密度変換を行うときと同様のアルゴリズムで処理することができ、ビニング処理後の画素密度変換処理のアルゴリズムを別途製造しなくても、画素密度変換処理のアルゴリズムを共有することができる。
【0098】
なお、上記実施の形態では4つの画素を含む画素群毎にビニングを行う例について説明したが、これに限定されない。例えば、図10に示すように、各々の画素の隣接する2辺が他の2つの画素の各々の1辺と隣り合うように配置された3つの画素の組み合わせを、ビニングするときの画素群として定め、ビニングしてもよい。
【0099】
ビニングでは、この3つの画素の画素値を加算して合計値を求め、各合計値を1画素の画素値とする第1の画像データを作成する。画素密度変換では、第1の画像データの画素値は、該画素値に対応する画素群の輪郭(図10の破線で示した形状)で囲まれた領域を1つの画素(ビニング画素)として捉えたときの各ビニング画素の画素値として扱われる。
【0100】
図11に、図10に対応する画素群の重心位置を黒点で示す。図示されるように、本例においても、各重心は、1つの重心を内部に含みかつ該1つの重心の周囲に存在する6個の重心を線で結んで形成される六角形状の領域を複数個形成したときに、該六角形状の領域が隣接してハニカム状に配列されるように、配置されている。
【0101】
画素密度変換処理においては、図11に示すように、ここでは、垂直方向の重心の配列ピッチPP1(y)が、水平方向の重心の配列ピッチPP1(x)より短いため、垂直方向の補間処理から先に行い、水平方向の補間処理は垂直方向の補間処理の後に行うようにしてもよい。
【0102】
また、例えば、図12に示すように、1つの中心の画素と該1つの中心の画素の周辺に位置する6つの画素からなる7つの画素の組み合わせであって、前記周辺の画素の各々の1辺が前記中心の画素のいずれかの1辺と隣り合うように配置された7つの画素の組み合わせを、ビニングするときの画素群として定め、ビニングしてもよい。
【0103】
ビニングでは、この7つの画素の画素値を加算して合計値を求め、各合計値を1画素の画素値とする第1の画像データを作成する。画素密度変換では、第1の画像データの画素値は、該画素値に対応する画素群の輪郭(図12の破線で示した形状)で囲まれた領域を1つの画素(ビニング画素)として捉えたときの各ビニング画素の画素値として扱われる。
【0104】
図13に、図12に対応する画素群の重心位置を黒点で示す。図示されるように、本例においても、各重心は、1つの重心を内部に含みかつ該1つの重心の周囲に存在する6個の重心を線で結んで形成される六角形状の領域を複数個形成したときに、該六角形状の領域が隣接してハニカム状に配列されるように、配置されている。なお、本例では、重心により形成される六角形状の領域の角度が、上記3つの画素群や4つの画素群の例に比べて若干傾斜しているが、ハニカム状の配列であることに変わりない。
【0105】
画素密度変換処理においては、図13に示すように、ここでは、水平方向の重心の配列ピッチPP1(x)が、垂直方向の重心の配列ピッチPP1(y)より短いため、水平方向の補間処理から先に行い、垂直方向の補間処理は水平方向の補間処理の後に行うようにしてもよい。
【0106】
このように、3つの画素の組み合わせからなる画素群、7つの画素の組み合わせからなる画素群を用いても、上記4つの画素の組み合わせからなる画素群を用いた場合と同様の効果が得られる。
【0107】
なお、上記実施の形態では、放射線検出器42に配置される画素20が正六角形である場合について説明したが、このように正六角形とすることで、ビニング前後で、水平方向、垂直方向、斜め方向の各方向において、重心の各々の位置を等間隔とすることができるため、特に効果が高い。すなわち、正六角形の画素20の重心の位置、及びビニングしたときの画素群の重心位置の各々が、ともに水平方向、垂直方向、及び斜め方向で等間隔となり、それぞれの方向について偏りなく解像度を確保できる。
【0108】
また、放射線検出器42に配置される画素20を正六角形ではなく、前述したように、各画素20を、扁平させた六角形状となるように形成してもよい。各画素20を扁平して形成した場合であっても、上記と同様にビニングを行って画素密度変換を行うようにすればよい。扁平させた場合であっても、画素群の重心は六角形状を保ち前述したようにハニカム状に配置されるため、各方向で重心の各々の位置が完全な等間隔とはならないまでも極端な偏りは抑制される。
【0109】
なお、扁平率は(ビニングしても)各方向について所望の解像度が得られる範囲内の値とすることができる。また、例えば、画素密度変換した後の画像データの画素の配列ピッチと、各画素群の重心の配列ピッチとの比が、一桁程度の簡単な整数の比(例えば、2:3、3:5等)となるように扁平してもよい。これにより、補間処理が容易になる。例えば、図3においてd(y)がd(x)より短くなるように扁平させる場合、画素密度変換した後の画像データの画素の配列ピッチと、各画素群の重心の垂直方向の配列ピッチとが簡単な整数の比となるようにすることで、垂直方向の補間処理を容易にすることができる。
【0110】
また、画素群内を構成する複数の画素に欠陥画素が含まれている場合には、該画素群内の欠陥画素を除く正常な画素の画素値の平均値を該欠陥画素の画素値として用いて、該画素群内の各画素の画素値を加算し、画素群の画素値の合計値を求めるようにしてもよい。
【0111】
この場合には、例えば、放射線画像を撮影する前に、全画素が一定の電荷となるよう、一定の期間電荷蓄積を行い、全画素の画素値を、ビニングを行わずに読み出し、出力異常値を示した画素を特定する。特定した画素を欠陥画素として、その画素位置を示す情報を予め記憶部46Dに記憶しておくか、画像処理装置50のHDD66等に記憶しておく。画像処理装置50でビニングする際には、該欠陥画素の画素位置を示す情報を読み出して、画素群内の欠陥画素を除く正常な画素の画素値を用いて上記の如くビニングする。
【0112】
更に又、画素群内の画素が全て欠陥画素であった場合には、周辺画素を用いて補間処理する等により欠陥画素の画素値の各々を求めてから、ビニングするようにしてもよい。
【0113】
更に又、放射線量に応じて、ビニングするときの各画素群を構成する複数の画素の組み合わせを設定する(以下、単に画素群を設定する、という)ようにしてもよい。
【0114】
放射線量に応じて画素群を設定する場合には、放射線検出器42に、放射線量を検出するための機能を設ける。例えば、放射線検出器42の、画素20の一部を、放射線の照射状態を検出するために用いる画素として用い、残りの画素20によって放射線画像の撮影を行うように構成してもよい。放射線検出用の画素は、検出領域40に分散して設けても良い。また、放射線検出用の画素を、画素20とは別層として放射線検出器42に積層する形態としてもよい。
【0115】
ここでは、放射線検出用の画素により検出されたデジタル変換される前の電荷を取得して合成し、合成後の電気信号をデジタル変換し、該デジタル変換した値を、放射線量を示す放射線量情報として、記憶部46Dに記憶しておくものとする。なお、放射線検出用の画素により検出されデジタル変換された後の画素値を合計した合計値を放射線量情報としてもよい。
【0116】
図14は、画像処理装置50で行われる、放射線量に応じて画素群を設定する設定処理のフローチャートである。本設定処理は、放射線画像の撮影後、ビニングを行う前に実行される。
【0117】
ステップ300では、撮影装置41から放射線量情報を取得する。
ステップ302では、放射線量情報が示す放射線量が予め定められた閾値を超えるか否かを判定する。ここで肯定判断した場合には、ステップ304に進み、ビニングするときの画素群として、画素数が少ない画素群を設定する。一方、否定判断した場合には、ステップ306に進み、ビニングするときの画素群として、ステップ304で設定される画素群よりも画素数が多い画素群に設定する。例えば、ステップ304では、上記3つの画素を含む画素群を設定し、ステップ306では、上記4つの画素を含む画素群、或いは上記7つの画素を含む画素群を設定する。また、例えば、ステップ304では、上記3つの画素を含む画素群或いは上記4つの画素を含む画素群を設定し、ステップ306では、上記7つの画素を含む画素群を設定する。
【0118】
放射線量が閾値より大きければ、十分な感度が得られるため、ビニングする画素数を多くする必要はない。一方、放射線量が閾値以下であれば、感度が十分でないと考えられるため、ビニングする画素数を多くする。このように放射線量に応じて画素群を設定することで、良好に撮影された放射線画像が得られる。また、閾値を第1の閾値と第2の閾値の2つ設け、その大小関係を、第1の閾値<第2の閾値とし、放射線量が第1の閾値以下であれば、7つの画素を含む画素群を設定し、放射線量が第1の閾値より大きく第2の閾値以下であれば、4つの画素を含む画素群を設定し、放射線量が第2の閾値より大きければ、3つの画素を含む画素群を設定するようにしてもよい。すなわち、放射線量が少ないほど、ビニングする画素数を多くする。
【0119】
更に又、放射線量に応じて、ビニングして画素密度変換を行う第1の制御と、ビニングせずに画素密度変換を行う第2の制御のいずれかを行うように画像処理装置50を構成してもよい。具体的には、上記のように検出された放射線量が予め定められた閾値以下であれば、上記実施の形態で説明したように、複数の画素の組み合わせ(例えば4つの画素の組み合わせ)からなる画素群毎にビニングを行い、画素密度変換するように制御する(第1の制御)。また、上記のように検出された放射線量が予め定められた閾値より大きければ、図5を用いて説明したように、放射線検出器42の各画素20から得られた画素値を加算せずに(すなわち、ビニングを行わずに)、該画素値が表わす第3の画像データを、複数の画素が正方格子状に配列された画像を表わす第4の画像データとなるように、補間処理して画素密度変換するように制御する(第2の制御)。これによっても、良好に撮影された放射線画像が得られる。
【0120】
また、上述したように、第1の閾値及び第1の閾値より大きな第2の閾値を設けると共に、該第2の閾値より大きな第3の閾値を設け、上述したように、第1の閾値と第2の閾値とを用いてビニングする画素数を設定すると共に、放射線量が第3の閾値より大きい場合には、ビニングしないように設定し、ビニングせずに画素密度変換を行う(第2の制御を行う)ようにしてもよい。
【0121】
また、静止画又は動画を撮影するための撮影モードに応じて、ビニングするときの画素群を設定するようにしてもよい。例えば、静止画を撮影する静止画撮影モードに切替えられている場合には、ビニングするときの画素群として、画素数が少ない画素群を設定する。また、動画を撮影する動画撮影モードに切替えられている場合には、ビニングするときの画素群として、静止画撮影モードよりも画素数が多い画素群を設定する。これにより、動画撮影では、感度を確保しつつ高フレームレートで撮影でき、画素密度変換を行う際に用いられる画素値の数が静止画よりも少なくなり、画素密度変換を含む様々な画像処理を迅速に行って遅滞なく動画画像を出力することができる。
【0122】
更に又、静止画又は動画を撮影するための撮影モードに応じて、ビニングして画素密度変換を行う第1の制御と、ビニングせずに画素密度変換を行う第2の制御のいずれかを行うように画像処理装置50を構成してもよい。具体的には、動画撮影モードに切替えられている場合には、上記実施の形態で説明したように、複数の画素の組み合わせ(例えば4つの画素の組み合わせ)からなる画素群毎にビニングを行い、画素密度変換するように制御する(第1の制御)。また、静止画撮影モードに切替えられている場合には、図5を用いて説明したように、放射線検出器42の各画素20から得られた画素値を加算せずに(すなわち、ビニングを行わずに)、該画素値が表わす第3の画像データを、複数の画素が正方格子状に配列された画像を表わす第4の画像データとなるように、補間処理して画素密度変換するように制御する(第2の制御)。
【0123】
なお、上記実施の形態のゲートIC104A、104B、アンプIC105の配置状態、信号配線107の接続状態、及び走査配線101の接続状態は一例であって、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0124】
例えば、上記実施の形態では、検出領域40を挟んで左右両側にゲートIC104A、104Bを配置した放射線検出器42について説明したが、この構成に限定されるものではない。例えば、図15に示すように、検出領域40を挟んで上下両側にゲートIC104A、104Bを配置した構成としてもよい。アンプIC105は、検出領域40の左右いずれか一方の側に配置する。また、図16に示すように、検出領域40の左右いずれか一方にゲートIC104を設け、アンプIC105は、図2と同様の配置とする構成としてもよい。
【0125】
また、上記実施の形態において、図7〜図9を参照して、4つの画素を組み合わせた画素群毎にビニングを行う例について説明したが、4つの画素からなる画素群の組み合わせ例は、これに限定されるものではない。例えば、図17に示すように組み合わせてもよい。本例においても、各画素群は、各々の画素の隣接する2辺が他の2つの画素の各々の1辺と隣り合うように配置された3つの画素と、隣接する2辺の各々が該3つの画素のうちの2つの画素の各々の1辺と隣り合うように配置された1つの画素とからなる4つの画素の組み合わせとして定められている。また、図17に示す4つの画素の組み合わせは、隣り合う一対の画素の組が2組並んで配置され、且つ一方の組の1つの画素の隣接する2辺が、他方の組の2つの画素の各々の1辺に隣り合うように配置された4つの画素の組み合わせであるとも言える。
【0126】
ビニングでは、この4つの画素の画素値を加算して合計値を求め、各合計値を1画素の画素値とする第1の画像データを作成する。画素密度変換では、第1の画像データの画素値は、該画素値に対応する画素群の輪郭(図17の破線で示した形状)で囲まれた領域を1つの画素(ビニング画素)として捉えたときの各ビニング画素の画素値として扱われる。
【0127】
図18に、図17に対応する画素群の重心位置を黒点で示す。図示されるように、本例においても、各重心は、1つの重心を内部に含みかつ該1つの重心の周囲に存在する6個の重心を線で結んで形成される六角形状の領域を複数個形成したときに、該六角形状の領域が隣接してハニカム状に配列されるように、配置されている。
【0128】
画素密度変換処理においては、図18に示すように、水平方向の重心の配列ピッチPP1(x)が、垂直方向の重心の配列ピッチPP1(y)より短いため、水平方向の補間処理から先に行い、垂直方向の補間処理は水平方向の補間処理の後に行うようにしてもよい。
【0129】
また、上記実施の形態では、直接変換方式の放射線検出器42に適用した場合について説明したが、間接変換方式の放射線検出器42について適用してもよい。
【0130】
また、上記実施の形態では、ビニング(画素値の加算)を行う加算手段及び画素密度変換を行う画素密度変換手段の機能を画像処理装置50に設け、画像処理装置50を、放射線検出器42を含む撮影装置41とは独立した装置として構成した例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、加算手段及び画像密度変換手段、又は画像処理装置50のうちビニング及び画素密度変換を行う画像処理の機能を有する部分を放射線検出器42の中に設けた構成であっても良い。また、別の例としては、撮影装置41と、ビニング及び画素密度変換を行う画像処理装置50とがネットワークを介して接続されたシステムであっても良い。
【0131】
また、上記実施の形態では、検出対象とする放射線としてX線を検出することにより画像を検出する放射線検出器42に本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、検出対象とする放射線は可視光や紫外線、赤外線等いずれであってもよい。
【0132】
また、上記実施の形態では、放射線検出器42は各画素20に電荷蓄積容量108を備えた場合について説明したが、例えば、下部電極11が電荷を十分に蓄積できる容量を有する場合、各画素20に電荷蓄積容量108が形成されない場合もある。
【0133】
その他、上記実施の形態で説明した放射線画像撮影システム100の構成、放射線検出器42の構成等は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0134】
41 撮影装置
42 放射線検出器
20 画素
50 画像処理装置
80 表示装置
100 放射線画像撮影システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を検出する同じ大きさの六角形状の複数の画素をハニカム状に配列した放射線検出器と、
前記放射線検出器の隣り合う複数の画素を組み合わせた画素群毎に、各画素群内の各画素の画素値を加算する加算手段と、
前記画素群の各画素の画素値の合計値を画素値とする第1の画像データを、複数の画素が正方格子状に配列された画像を表わす第2の画像データとなるように補間処理を行う画素密度変換手段と、
を備え、
前記加算手段は、前記画素群の輪郭によって囲まれた各領域の重心を用いて、1つの重心を内部に含みかつ該1つの重心の周囲に存在する6個の重心を線で結んで形成される六角形状の領域を隣接させて複数個形成したときに、該形成した複数個の六角形状の領域がハニカム状に配列されるように、前記画素群の各画素の組み合わせを定めたことを特徴とする
放射線画像撮影装置。
【請求項2】
前記画素密度変換手段は、前記第1の画像データにおいて水平方向及び垂直方向のうち前記重心の配列ピッチが短い方向の補間処理を先に行い、他方の方向の補間処理を後に行う
請求項1記載の放射線画像撮影装置。
【請求項3】
前記六角形状の画素を、正六角形状となるように形成した
請求項1又は請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項4】
前記六角形状の画素を、扁平した六角形状となるように形成した
請求項1又は請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項5】
前記放射線画像撮影装置を、被検者の乳房を撮影するマンモグラフィー装置として用いる場合において、前記六角形状の画素を、胸壁側から乳房先までの奥行き方向の長さが、該方向と交差する方向の幅より短くなるように扁平させて形成した
請求項4に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項6】
前記六角形状の画素を、該画素の中心を通る3本の対角線のうち、1本の対角線を他の2本の対角線より短くし、該他の2本の対角線が等しい長さとなるように扁平させて形成した
請求項4又は請求項5に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項7】
前記放射線検出器の各画素の画素値からなる第3の画像データを、複数の画素が正方格子状に配列された画像を表わす第4の画像データとなるように補間処理を行う第2の画素密度変換手段と、
静止画若しくは動画を撮影するための撮影モード、又は放射線量に応じて、前記加算手段での画素値の加算が行われ前記画素密度変換手段により補間処理が行われるように制御する第1の制御、及び前記加算手段での画素値の加算は行われずに前記第2の画素密度変換手段により補間処理が行われるように制御する第2の制御のいずれか一方の制御を行う制御手段と、
を更に備えた請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の放射線画像撮影装置。
【請求項8】
静止画若しくは動画を撮影するための撮影モード、又は放射線量に応じて、前記各画素群を構成する複数の画素の組み合わせを設定する設定手段
を更に備えた請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の放射線画像撮影装置。
【請求項9】
前記加算手段は、前記画素群内に欠陥画素が含まれている場合には、該画素群内の欠陥画素を除く正常な画素の画素値の平均値を、該欠陥画素の画素値として用いて加算する
請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の放射線撮影装置。
【請求項10】
前記各画素群を構成する複数の画素の組み合わせは、
各々の画素の隣接する2辺が他の2つの画素の各々の1辺と隣り合うように配置された3つの画素の組み合わせ、
前記3つの画素と、隣接する2辺の各々が前記3つの画素のうちの2つの画素の各々の1辺と隣り合うように配置された1つの画素とからなる4つの画素の組み合わせ、及び
1つの中心の画素と該1つの中心の画素の周辺に位置する6つの画素からなる7つの画素の組み合わせであって、前記周辺の画素の各々の1辺が前記中心の画素のいずれかの1辺と隣り合うように配置された7つの画素の組み合わせ
のいずれかである
請求項1〜請求項9のいずれか1項記載の放射線画像撮影装置。
【請求項11】
更に、放射線を照射する放射線源と、
前記第2の画像データに基づいて画像を出力する画像出力装置と、
を備えた請求項1〜請求項10のいずれか1項記載の放射線画像撮影装置。
【請求項12】
放射線を検出する同じ大きさの六角形状の複数の画素をハニカム状に配列した放射線検出器の隣り合う複数の画素を組み合わせた画素群毎に、各画素群内の各画素の画素値を加算する加算工程と、
前記画素群の各画素の画素値の合計値を画素値とする第1の画像データを、複数の画素が正方格子状に配列された画像を表わす第2の画像データとなるように補間処理を行う画素密度変換工程と、
を備え、
前記加算工程では、前記画素群の輪郭によって囲まれた各領域の重心を用いて、1つの重心を内部に含みかつ該1つの重心の周囲に存在する6個の重心を線で結んで形成される六角形状の領域を隣接させて複数個形成したときに、該形成した複数個の六角形状の領域がハニカム状に配列されるように、前記画素群の各画素の組み合わせを定めたことを特徴とする
放射線画像撮影方法。
【請求項13】
前記画素密度変換工程では、前記第1の画像データにおいて水平方向及び垂直方向のうち前記各領域の重心の配列ピッチが短い方向の補間処理を先に行い、他方の方向の補間処理を後に行う
請求項12に記載の放射線画像撮影方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−79927(P2013−79927A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221382(P2011−221382)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】