説明

放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ

【課題】 加熱工程で使用されても半導体ウエハ表面保護用粘着テープの溶融や熱収縮を低減でき、半導体ウエハの破損や該粘着テープの剥離不良等を生じることが少なく、放射線を照射することにより粘着力を低下させることができる半導体ウエハ表面保護用粘着テープを提供する。
【解決手段】 基材樹脂フィルムと、該基材樹脂フィルム上に粘着剤層が形成された、半導体ウエハ表面保護用粘着テープであって、
該基材樹脂フィルムがポリエチレンナフタレートを主成分とする樹脂組成物で構成され、該粘着剤層が放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)、及びアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)とアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤以外の光重合開始剤(C−2)とを含む2種類以上の光重合開始剤を含有する粘着剤組成物で構成された放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープに関する。さらに詳しくは、半導体ウエハを薄膜研削後の加熱工程へ適用できる放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体パッケージは、高純度シリコン単結晶等をスライスして半導体ウエハとした後、イオン注入、エッチング等により該ウエハ表面に集積回路を形成して製造される。集積回路が形成された半導体ウエハの裏面を研削等の処理を行うことにより、半導体ウエハは所望の厚さにされる(研削工程)。
近年の高密度実装技術の進歩に伴い、ウエハ裏面に対してプラズマエッチング、バックメタライジング、又はメタルスパッタ等の処理を行い、ウエハを薄膜化することが行われている。
ここでバックメタル工程とは、裏面電極形成工程とも呼ばれ、研削後の半導体ウエハの裏面に裏面電極を形成する工程である。裏面電極は、ディスクリート半導体(単機能半導体、個別半導体)を製造する際に必要な場合が多く、銅やアルミニウムなどの金属の薄膜を蒸着等により形成されることが多い。その際に、シリコンと金属との密着性を向上させるために、真空中で180℃程度の高温にまで加熱することが多い。
しかしながら、研削工程と、バックメタル工程との両方工程に一貫して使用できる耐熱性に優れた半導体ウエハ表面保護用粘着テープがないのが現状である。
そこで、上記の研削工程を行った後に、バックメタル工程を行う場合、研削工程時には研削性に優れる粘着テープを用い、この粘着テープを剥した後にバックメタルに対応できる耐熱性に優れるバックメタル加工用粘着テープへ貼り替えることにより、バックメタル工程に供されることが行われている。
しかし、研削工程で使用される表面保護用粘着テープから、バックメタル工程で使用される表面保護用粘着テープに貼り替えるのは煩雑であり、これらの両方の工程で一貫して使用できる表面保護用粘着テープの提供が望まれていた。
【0003】
また半導体ウエハを所望の厚さまで薄膜化した後に、半導体ウエハ表面保護用粘着テープを貼合したまま、ダイシング・ダイボンドテープを貼合し、半導体ウエハを切断してダイボンド層が積層された半導体チップを得ることが行われている。ダイシング・ダイボンドテープの貼合は、半導体ウエハ表面保護用粘着テープ層を真空チャックで吸引した状態で、加熱することにより、ダイボンド層との接着が行われる。
ダイシング・ダイボンドテープが半導体ウエハ裏面に貼合後、半導体ウエハ表面保護用粘着テープは剥離される。しかしダイシング・ダイボンドテープ貼合時の熱により、半導体ウエハ表面保護用粘着テープが溶融し、又は熱収縮することにより、半導体ウエハの破損や該粘着テープの半導体ウエハからの剥離不良等が生じることがある。
【0004】
これらの問題に対し、放射線硬化性の半導体ウエハ表面保護用粘着テープやドライエッチング加工時に使用される放射線硬化性の半導体ウエハ加工用粘着シートが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。これらの粘着テープや粘着シートにおいては、半導体ウエハ表面からの剥離を容易にするために、基材樹脂フィルム側から放射線を照射することにより粘着力を低減する、放射線硬化性の粘着テープが使用されている。該粘着テープでは、半導体ウエハの裏面加工を行う際には十分な粘着性を有する一方で、裏面加工が終了した後に該粘着テープが剥離しやすいように、基材樹脂フィルム上に放射線硬化性の粘着剤が形成されている。
【0005】
放射線硬化性の粘着剤層が基材樹脂フィルム上に形成された半導体ウエハ表面保護用粘着テープについて、本発明者は鋭意検討した。その結果、耐熱性の樹脂である、ポリエチレンナフタレートを基材樹脂フィルムとして使用した場合には、放射線の波長域である250〜380nmで、光の透過性が低く、基材樹脂フィルム側から放射線を照射しても放射線硬化性粘着剤層の粘着力を低下させることが困難であることがわかった。また、感度が高い光重合開始剤を使用して放射線照射により粘着力を低下させることができたとしても、保管時に例えば蛍光灯のような弱い光に暴露された場合に粘着力が低下し、又は放射線反応性を失い、使用することができない場合が多いことがわかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−338936号公報
【特許文献2】特開2004−256595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、加熱工程で使用されても半導体ウエハ表面保護用粘着テープの溶融や熱収縮を低減でき、半導体ウエハの破損や該粘着テープの剥離不良等を生じることが少なく、放射線を照射することにより粘着力を低下させることができる半導体ウエハ表面保護用粘着テープを提供することを課題とする。
また本発明は、放射線を照射することにより粘着力を大きく低下させることができる一方で、保管時に例えば蛍光灯のような弱い光に暴露された場合でも粘着力の低下を抑制することができ、放射線を照射することにより粘着力を低下させることができる放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題について鋭意検討した。その結果、放射線の波長域で光の透過性が低い特定の樹脂を基材樹脂フィルムとして用いた場合であっても、粘着剤層が放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物、及びアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を含む2種類以上の光重合開始剤を含有する粘着剤組成物で構成されることにより、上記課題を解決できることを見出した。本発明はこの知見に基づきなされたものである。
【0009】
すなわち、本発明は、以下の発明を提供するものである。
<1>基材樹脂フィルムと、該基材樹脂フィルム上に粘着剤層が形成された、半導体ウエハ表面保護用粘着テープであって、
該基材樹脂フィルムがポリエチレンナフタレートを主成分とする樹脂組成物で構成され、該粘着剤層が放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)、及びアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)とアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤以外の光重合開始剤(C−2)とを含む2種類以上の光重合開始剤を含有する粘着剤組成物で構成されたことを特徴とする放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
<2>前記光重合開始剤(C−2)が、チオキサントン系光重合開始剤及び/又はアセトフェノン系光重合開始剤であることを特徴とする<1>項記載の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
<3>前記放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物100質量部に対して、前記アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を0.05〜5質量部含有することを特徴とする<1>又は<2>項記載の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
<4>前記放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物100質量部に対して、重合抑制剤を0.001〜5質量部含有することを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項記載の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、加熱工程で使用されても半導体ウエハ表面保護用粘着テープの溶融や熱収縮を低減でき、半導体ウエハの破損や該粘着テープの剥離不良等を生じることなく、放射線を照射することにより粘着力を低下させることができる半導体ウエハ表面保護用粘着テープを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の半導体ウエハ表面保護用粘着テープの一実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明の半導体ウエハ表面保護用粘着テープの他の一実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を参照して本発明の好ましい半導体ウエハ表面保護用粘着テープについて説明する。
図1は本発明の半導体ウエハ表面保護用粘着テープの好ましい一実施形態を示す概略断面図である。図1からわかるように、本発明の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ10には、基材樹脂フィルム1と、基材樹脂フィルム1上に粘着剤層2が形成されている。粘着剤層2上には、必要に応じて、表面が離型処理された剥離フィルム(図示せず)の離型処理面が粘着剤層2側に来るように積層されている。
【0013】
1.基材樹脂フィルム
本発明の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護粘着テープの基材樹脂フィルムとしては、ポリエチレンナフタレートを主成分とする樹脂組成物が使用される。本発明においては、ポリエチレンナフタレートを主成分とするとは、基材樹脂フィルムに使用される樹脂組成物中、70質量%以上のものをいう。基材樹脂フィルム中の樹脂成分はポリエチレンナフタレートのみのものが好ましい。ポリエチレンナフタレートは、耐熱性が高く、放射線硬化性半導体ウエハ表面保護粘着テープが半導体ウエハに貼合された状態で、高温となる工程で使用されても、基材樹脂フィルムの溶融や熱収縮を低減することができ、放射線硬化性半導体ウエハ表面保護粘着テープの損傷を低減することができる。
一方、ポリエチレンナフタレートは放射線の波長域である、放射線の波長域である250〜380nmで、光の透過性は10〜20%と低い。
しかし後述の特定の放射線硬化性の粘着剤組成物を粘着剤層として使用することにより、基材樹脂フィルム側から放射線を照射しても放射線硬化性粘着剤層の粘着力の低下を得ることができる。このため、半導体ウエハの裏面研削などの加工終了後、放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを剥離する場合に、問題なく剥離することができる。
【0014】
本発明の趣旨を損なわない範囲内で、他の樹脂フィルムを積層することができる。基材樹脂フィルムの厚さは、機械特性、放射線透過性、熱収縮などの観点から、適宜選定され、5〜100μが好ましく、さらに好ましくは10〜50μmである。
基材樹脂フィルム1の粘着剤層2が設けられる側の表面には、粘着剤層や中間樹脂層との密着性を向上させるために、コロナ処理やプライマー層を設ける等の処理を適宜施してもよい。なお、基材樹脂フィルム1の粘着剤層2が設けられない側の表面をシボ加工もしくは滑剤コーティングすることが好ましく、これによって、本発明の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ保管時のブロッキング防止等の効果を得ることができる。
【0015】
また基材樹脂フィルムと後述の粘着剤層との間に中間樹脂層を設けてもよい。
図2に示すように、本発明の半導体ウエハ表面保護用粘着テープは、基材樹脂フィルム1と粘着剤層2の間に中間樹脂層3を設けることができる。
図2に示す本発明の半導体ウエハ表面保護用粘着テープは、例えば、剥離フィルム上に中間樹脂層2を構成する組成物を塗布、乾燥して得られる中間樹脂層を、基材フィルム1上へ転写することや、中間樹脂層組成物を基材樹脂フィルム1へ直接塗布することで中間樹脂層3を形成し、その後、中間樹脂層3上へ同様にして粘着剤層2を転写することや、直接塗布することにより製造することができる。
【0016】
本発明の半導体ウエハ表面保護用粘着テープの中間樹脂層により、基材樹脂フィルムに対してクッション性を持たせることができる。中間樹脂層は、好ましくは粘着剤層より高弾性率であるものがよい。中間樹脂層の80℃における貯蔵弾性率は、粘着剤層の80℃における貯蔵弾性率よりも大きいことが好ましい。
常温での剛性をもたせるために中間樹脂層のDSCによるガラス転移点(Tg)の好ましい範囲は、−30℃〜50℃であり、より好ましくは−15℃〜20℃である。中間樹脂層は、例えば、粘着剤成分と硬化剤成分とを含む中間樹脂層組成物を基材フィルム上に塗工した後、硬化させることによって設けることができる。中間樹脂層組成物には、室温で1週間程度放置することによって徐々に硬化し、好ましい範囲の弾性率となるような材料を用いることが好ましい。中間樹脂層を硬くする方法としては、中間樹脂層組成物に使用される粘着成分のガラス転移点(Tg)を高くする、中間樹脂層組成物に添加される硬化成分量を多く配合する、中間樹脂層組成物に無機化合物フィラーを加える等の方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、中間樹脂層組成物に放射線照射によって硬化する材料を使用し、放射線照射によって硬化させて中間樹脂層の硬さを調整してもよい。中間樹脂層の厚さは、裏面研削工程でのクッション性の観点から、好ましくは10〜200μmであり、更に好ましくは20〜100μmであり、より好ましくは30〜80μmである。中間樹脂層が薄すぎると裏面研削工程時のクッション性が小さくなり、中間樹脂層が厚すぎると本発明の半導体ウエハ表面保護用粘着テープを剥離する際に問題が生じる場合があるため、好ましくない。なお、中間樹脂層は複数の層が積層された構成であってもよい。
【0017】
中間樹脂層組成物のベース樹脂は、耐熱性の観点から、アクリル系重合体を用いることが好ましい。アクリル系重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル単量体や(メタ)アクリル酸誘導体から導かれる構成単位とからなる(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。ここで(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。特に、架橋点間距離増大による可とう性向上の観点からメタクリル酸n−ブチル(n−BMA)が好ましい。また、(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば、水酸基を有するヒドロキシエチルアクリレートを挙げることができる。中間樹脂層組成物は、アクリル系重合体を主成分とすることが好ましい。主成分とは、樹脂組成物中50質量%を越えるものをいう。アクリル系重合体は、中間樹脂層組成物中70質量%以上であることが好ましい。残りの成分としては、粘着剤成分と相溶性がよく、粘着性に問題が生じないものであれば、他の樹脂を配合することができる。
【0018】
前記のアクリル系重合体を主成分とするベース樹脂を架橋することにより、前記中間樹脂層に凝集力を付加することができる。そのため、中間樹脂層組成物には、架橋剤を配合することが好ましい。架橋剤としては、ベース樹脂に対応して、例えばイソシアネート系架橋剤、イソシアヌレート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤及びアミン樹脂などが挙げられる。さらに、中間樹脂層組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、各種添加成分を含有させることができる。
【0019】
2.粘着剤層
図1からわかるように、本発明の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ10には、基材樹脂フィルム1上に粘着剤層2が形成されている。粘着剤層2上には、必要に応じて、表面が離型処理された剥離フィルム(図示せず)の離型処理面が粘着剤層2側に来るように積層されている。
本発明における粘着剤組成物は、放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物、及びアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を含む2種類以上の光重合開始剤を含有する。
【0020】
(1)放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)
放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)は、放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有している。本発明の粘着剤組成物においては、放射線照射により後述の光重合開始剤が活性化され、ラジカルやアニオン等を発生する。これらが上記化合物(A)の放射線硬化性炭素−炭素二重結合を攻撃することにより、粘着剤が3次元架橋する。これにより、放射線照射前と比較して粘着力が大きく低下する。
【0021】
上記化合物(A)としては、主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基を有する(メタ)アクリル系単量体部を有する残基を結合した重合体(以下、重合体(a)という。)を主成分とする樹脂を用いることが好ましい。前記重合体(a)はどのようにして製造されたものでもよいが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシル基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物等からなる共重合体(a1)の炭素鎖を主鎖とし、共重合体(a1)が有する官能基に対して付加反応することが可能な官能基及び炭素−炭素二重結合を有する化合物(a2)を付加反応して得られるものなどが挙げられる。
【0022】
上記の(メタ)アクリル酸エステルとしては、炭素数6〜12のヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、デシルアクリレート、又は炭素数5以下の単量体である、ペンチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、又はこれらと同様のメタクリレートなどを列挙することができる。この場合、単量体として、炭素数の大きな単量体を使用するほどガラス転移点は低くなるので、所望のガラス転移点のものを作製することができる。また、ガラス転移点の他、相溶性と各種性能を上げる目的で酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなどの炭素−炭素二重結合をもつ低分子化合物を配合することも5質量%以下の範囲内でできる。
【0023】
また、ヒドロキシル基含有不飽和化合物の例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。カルボキシル基含有不飽和化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
【0024】
前記の付加反応することが可能な官能基と炭素−炭素二重結合を有する化合物(a2)の官能基としては、共重合体(a1)の官能基が、カルボキシル基又は環状酸無水基である場合には、水酸基、エポキシ基、イソシアネート基などを挙げることができ、水酸基である場合には、環状酸無水基、イソシアネート基などを挙げることができ、アミノ基である場合には、イソシアネート基などを挙げることができる。化合物(a2)の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、けい皮酸、イタコン酸、フマル酸、フタル酸、2−ヒドロキシアルキルアクリレート類、2−ヒドロキシアルキルメタクリレート類、グリコールモノアクリレート類、グリコールモノメタクリレート類、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、アリルアルコール、N−アルキルアミノエチルアクリレート類、N−アルキルアミノエチルメタクリレート類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸、無水フタル酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の一部を水酸基又はカルボキシル基及び光重合性炭素−炭素二重結合を有する単量体でウレタン化したものなどを列挙することができる。
【0025】
上記のアクリル系共重合体(a)の合成において、共重合を溶液重合で行う場合の有機溶剤としては、ケトン系、エステル系、アルコール系、芳香族系のものを使用することができるが、中でもトルエン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、ベンゼンメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトンなどの、一般にアクリル系ポリマーの良溶媒で、沸点60〜120℃の溶剤が好ましく、重合開始剤としては、α,α’−アゾビスイソブチルニトリルなどのアゾビス系、ベンゾベルペルオキシドなどの有機過酸化物系などのラジカル発生剤を通常用いる。この際、必要に応じて触媒、重合禁止剤を併用することができ、重合温度及び重合時間を調節し、その後官能基における付加反応を行うことにより、所望の分子量のアクリル系共重合体(a)を得ることができる。また、分子量を調節することに関しては、メルカプタン、四塩化炭素系の溶剤を用いることが好ましい。なお、この共重合は溶液重合に限定されるものではなく、塊状重合、懸濁重合など別の方法でもさしつかえない。
【0026】
以上のようにして、重合体(a)を得ることができるが、本発明において、重合体(a)の重量平均分子量は、30万〜150万程度が好ましい。重合体(a)の重量平均分子量が小さすぎる場合は、低分子量成分によるウエハ表面汚染が生じやすくなる。この汚染を、極力防止するためには、重量平均分子量が、40万以上である方が好ましい。また、重合体(a)の重量平均分子量が大きすぎると、重合体の合成時および塗工時にゲル化する可能性がある。重合体(a)の水酸基価が5〜100とすることにより、放射線照射後の粘着力を減少することによりテープ剥離不良の危険性を更に低減することができるので好ましい。
重合体(a)の放射線硬化性炭素−炭素二重結合の好ましい導入量は、ヨウ素価で0.5〜20、より好ましくは0.8〜10である。ヨウ素価をこの範囲内とすることにより、放射線照射後の粘着力の低減効果を得ることができ、化合物(a)そのものに安定性があり、製造が容易となる。上記化合物(a)は、ガラス転移点(Tg)が−70℃〜0℃であることが好ましい。ガラス転移点(Tg)がこの範囲内であれば、放射線照射に伴う熱に対する耐熱性を満足することができる。
上記のヨウ素価は、Wijs法に基づき算出したものであり、重量平均分子量は、テトラヒドロフランに溶解して得た1%溶液を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ウオータース社製、商品名:150−C ALC/GPC)により測定した値をポリスチレン換算の質量平均分子量として算出したものである。また、水酸基価は、FT−IR法にて算出したものであり、酸価は、JIS K 5407の11.1に準じて算出したものである。
【0027】
放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)には、架橋剤(B)を加えることにより、粘着剤の凝集力を向上させることができる。架橋剤としては、例えば、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、およびエポキシ樹脂から選ばれる化合物を単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
ポリイソシアネート類としては、特に制限がなく、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート等を挙げることができる。
具体的には、市販品として、コロネートL(商品名、日本ポリウレタン(株)製)等を用いることができる。また、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂としては、具体的には、市販品として、ニカラックMX−45(商品名、三和ケミカル社製)、メラン(商品名、日立化成工業株式会社製)等を用いることができる。更に、エポキシ樹脂としては、TETRAD−X(三菱化学株式会社製)等を用いることができる。本発明においては、放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)として、主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基を有する(メタ)アクリル系単量体部を有する残基を結合した重合体(以下、重合体(a)という。)を主成分とする樹脂を用いた場合には、ポリイソシアネート類を用いることが好ましい。架橋剤(B)の配合量としては、前記化合物(A)100質量部に対して0.1〜10質量部とすることが好ましく、0.2〜2質量部とすることがより好ましい。その量が少なすぎる場合は凝集力向上効果が十分でない場合があり、多すぎる場合は粘着剤の配合および塗布作業中に硬化反応が急速に進行し、架橋構造が形成される傾向があるため、作業性が損なわれるおそれがある。
【0028】
上記化合物(A)としては、放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有するウレタンアクリレート系オリゴマーを主剤とした樹脂組成物あるいは、ポリエン・チオール系樹脂等も使用することができる。
ウレタンアクリレート系オリゴマーは、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物と、多価イソシアナート化合物を反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有するアクリレートあるいはメタクリレートなどを反応させて得ることができる。
多価イソシアナート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアナートを挙げることができる。
ヒドロキシル基を有するアクリレートあるいはメタクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリ
コールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレートなどを挙げることができる。
本発明で好ましく用いられるウレタンアクリレート系オリゴマーの分子量は、1000〜50000、さらに好ましくは2000〜30000である。上記のウレタンアクリレート系オリゴマーは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
ウレタンアクリレート系オリゴマーには、放射線重合性炭素−炭素二重結合を有する単量体を加えることができる。例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アダマンタン(メタ)アクリレートなどの脂環式化合物、フェニルヒドロキシプロピルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェノールエチレンオキシド変性アクリレートなどの芳香族化合物、もしくはテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、モルホリンアクリレート、N−ビニルピロリドンまたはN−ビニルカプロラクタムなどの複素環式化合物を加えることができる。
【0029】
(2)光重合開始剤
本発明は、粘着剤組成物中の光重合開始剤として、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)およびアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤以外の光重合開始剤(C−2)を含む少なくとも2種類の光重合開始剤を含む。
本発明の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープは、基材樹脂フィルムとしてポリエチレンナフタレートが使用される。ポリエチレンナフタレートは、波長250〜380nm付近の近紫外線領域の光の透過率が10〜20%と、低い。このため、この波長域では、通常、光重合開始剤の反応が進みにくく、その結果、粘着剤層の硬化反応が進みにくい。
本発明者が鋭意検討したところ、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤が長波長領域の光にも反応性を示し、ポリエチレンナフタレート基材樹脂フィルム側から放射線を照射しても、粘着剤層の粘着力を低減できることを見出した。
【0030】
しかし、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤は、一度開始反応が起こると、その後に光を照射しても吸収しなくなる性質がある。このため、放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを、紫外線が遮断されていない蛍光灯等の弱い光の下で数時間から数日保管すると、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としての反応性が失われることがあることがわかった。これにより、例えば、光重合開始剤として、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤のみが配合された粘着剤層を有する放射線硬化性半導体ウエハ加工用粘着テープを使用すると、放射線照射後に該粘着テープを半導体ウエハから剥離しにくくなる。粘着テープ剥離時に半導体ウエハが破損され、半導体ウエハからの剥離が不可能になる場合がある。
そこでさらに本発明者は鋭意検討した。放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)に対し、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤と、該光重合開始剤以外の光重合開始剤を含む2種類以上の光重合開始剤を含有する粘着剤組成物で構成された放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープが、基材樹脂フィルムとしてポリエチレンナフタレートを用いた場合でも、紫外線が遮断されていない蛍光灯等の弱い光の下で保管後に、半導体ウエハに貼合して、裏面加工終了後、放射線照射しても適度に所望の粘着力を低下させることができることを見出した。本発明はこの知見に基づきなされたものである。
【0031】
アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)は、ポリエチレンナフタレートフィルム基材樹脂フィルム側から、350nm〜400nmの放射線を照射した場合に高い反応性を示す。例えば、100〜200mJ/cmのような低照射量の紫外線を照射した場合に十分に粘着力を低下させることができる。
化合物(C−1)としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリエチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリフェニルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキシド、2,6−ジメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキシド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド等のモノアシルフォスフィンオキサイドやビス(2,4,6,−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−メチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−エチルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイド等が挙げられ、これらアシルフォスフィン系光重合開始剤は、2種以上を組み合わせて用いることができる。具体的な市販品では、モノアシルフォスフィンオキサイドとしてSPEEDCURE TPO(商品名、DKSHジャパン株式会社製)、ビスアシルフォスフィンオキサイドとしてIRGACURE 819(商品名、チバ・ジャパン株式会社製)等を用いることができる。化合物(C−1)の添加量としては、化合物(A)100質量部に対して、0.05〜5質量部とすることが好ましく、0.2〜2質量部とすることがより好ましい。アシルフォスフィン系光重合開始剤が少なすぎると紫外線を照射したときに十分で、安定的な粘着力の低下が得られない可能性があり、多すぎると、光安定性の低下や半導体ウエハ汚染の原因となる。
【0032】
アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)と同時に使用される光重合開始剤(C−2)としては、ポリエチレンナフタレートを有する基材を透過する放射線、特に紫外線により反応するものであれば、特に制限はない。350nm〜400nmの長波長領域の紫外線に対して反応性の高いものが好ましい。
例えば、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、アクリジン系光重合開始剤、カルバゾール−フェノン系光重合開始剤、トリアジン系光重合開始剤及びオキシム系光重合開始剤の群から選ばれた少なくとも1種を挙げることができる。
【0033】
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリエチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4,4−ジエチルアミノベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルサルファイド等が挙げられる。
また、チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−イソプロピルキサントン、4−イソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−1−[(4−メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2,2−ジメチル−2−ヒドロキシアセエトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。
ベンゾイン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルメチルケタール等が挙げられる。
ビスイミダゾール系開始剤としては、例えば、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラ(4−メチルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール等が挙げられる。
アクリジン系光重合開始剤としては、例えば、1,7−ビス(9−アクリジル)ヘプタン等が挙げられる。
カルバゾール−フェノン系光重合開始剤としては、例えば、3,6−ビス(1−ケト−2−メチル−2−モルホリノプロピル)−9−オクチルカルバゾール等が挙げられる。
トリアジン系光重合開始剤としては、例えば、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等が挙げられる。
ベンゾエート系光重合開始剤としては、例えば、エチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエートが挙げられる。
その他、オキシム系光重合開始剤等が挙げられる。
【0034】
この中でも、高波長領域における紫外線の反応性に優れるものとして、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン系光重合開始剤や、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノンなどのアセトフェノン系光重合開始剤を使用することが好ましい。更に、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンもしくは2,4−ジエチルチオキサントンであれば、蛍光灯下に晒された場合における安定性やウエハへの非汚染性の面で特に好ましい。
【0035】
光重合開始剤(C−2)は1種でもよく、2種以上を組み合わせて用いることもできる。具体的な市販品として、アセトフェノン系光重合開始剤のSPEEDCURE BKL(商品名、DKSHジャパン株式会社製)、チオキサントン系光重合開始剤のSPEEDCURE DETX(商品名、DKSHジャパン株式会社製)ベンゾエート系光重合開始剤のSPEEDCURE EDB(商品名、DKSHジャパン株式会社製)等を用いることができる。アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤以外の光重合開始剤(C−2)は、蛍光灯等の弱い光の下で、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)の反応性の低下を抑制する。これとともに、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)の反応性が低下した場合においても、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤以外の光重合開始剤(C−2)自体が光重合開始剤として働くことが可能となり、半導体ウエハからのテープの剥離を可能にする。(C−2)の添加量としては、化合物(A)100質量部に対して1〜20質量部とすることが好ましく、2〜10質量部とすることがより好ましい。光重合開始剤(C−2)の配合量が少なすぎると、蛍光灯等の弱い光の下でアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)の反応性低下を抑制する効果が薄くなるとともに、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)の反応性が低下した場合に、十分で安定的な粘着力の低下が得られなくなる。光重合開始剤(C−2)の配合量が多すぎると、光安定性の低下、半導体ウエハ汚染の原因、紫外線照射前の粘着力が低下することによる半導体ウエハの保持力が低下する。
【0036】
(3)重合抑制剤
本発明の粘着剤組成物には、蛍光灯等の弱い光の下で、粘着力が低下することをさらに抑制するために、重合抑制剤が配合されることが望ましい。アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤は紫外線の幅広い波長で高い反応性を有するという特徴から、蛍光灯のような弱い光が照射された場合、光重合開始剤としての働きが低下することが多く、放射線照射後の粘着力の低下しにくくなる傾向にある。そこで、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤と、該光重合開始剤以外の光重合開始剤を含む2種類以上の光重合開始剤に加えて、重合抑制剤を加えることにより、放射線照射前の弱い光による意図しない粘着力の低下をさらに抑制することができる。
重合抑制剤としてはメトキノンやハイドロキノン等を挙げることができる。重合抑制剤の添加量としては化合物(A)100質量部に対して、0.001〜5質量部とすることが好ましく、0.01〜1質量部とすることがより好ましい。少なすぎると、意図しない粘着力低下の抑制効果が弱く、多すぎると、半導体ウエハへの移行による汚染や、紫外線による粘着剤の硬化性を妨げる場合がある。
【0037】
更に本発明に用いられる粘着剤層5には必要に応じて粘着付与剤、粘着調整剤、界面活性剤等、あるいはその他の改質剤等を配合することができる。また、無機化合物フィラーを適宜加えてもよい。粘着剤層は厚さ5〜400μmであるものが好ましく、10〜100μmであるものがより好ましい。なお、粘着剤層は複数の層が積層された構成であってもよい。
【0038】
3.剥離フィルム
また、本発明の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープには、必要に応じて剥離フィルムが粘着剤層上に設けられる。剥離フィルムは、セパレーターや剥離層、剥離ライナーとも呼ばれ、粘着剤層を保護する目的のため、また粘着剤を平滑にする目的のために、設けられる。剥離フィルムの構成材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルムや紙などが挙げられる。剥離フィルムの表面には粘着剤層からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の剥離処理が施されていても良い。また、必要に応じて、粘着剤層5が環境紫外線等意図しない紫外線の暴露によって反応してしまわないように、紫外線防止処理が施すことも好ましい。剥離フィルムの厚みは、通常10〜100μm、好ましくは25〜50μm程度である。
【実施例】
【0039】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
下記のように粘着剤組成物を調製し、以下の方法で放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを作製し、その性能を評価した。
【0040】
〔粘着剤層組成物の調製〕
[粘着剤層組成物2A]
溶媒のトルエン400g中に、n−ブチルアクリレート128g、2−エチルヘキシルアクリレート307g、メチルメタアクリレート67g、メタクリル酸1.5g、重合開始剤としてベンゾイルペルオキシドの混合液を、適宜、滴下量を調整し、反応温度および反応時間を調整し、官能基をもつ共重合体(a1)の溶液を得た。次にこの共重合体溶液に、放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物(a2)として、別にメタクリル酸とエチレングリコールから合成した2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.5gを加え、反応温度および反応時間を調整して、放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)の溶液を得た。
化合物(A)の重量平均分子量、ガラス転移温度を以下の方法で測定したところ、重量平均分子量は70万、ガラス転移温度は−64℃、二重結合量は0.9であった。
(i)重量平均分子量
重合体(a)について、下記条件のGPC(ゲルーパーミエーション クロマトグラフ)で重量平均分子量を測定した。
GPC装置:HLC−8120GPC(商品名、東ソー社製)
カラム:TSK gel SuperHM−H/H4000/H3000/H2000、(商品名、東ソー社製)
流量:0.6ml/min、
濃度:0.3質量%、
注入量:20μl、
カラム温度:40℃
展開溶媒:テトラヒドロフロン
(ii)ガラス転移温度
示差走査熱量分析計(DSC)(DSC7(商品名)、PERKIN ELMER社製)の示差走査熱量分析計(DSC)を用いて、昇温速度5℃/分で測定した。
(iii)二重結合量
Wijs法により、ヨウ素価を求め、その値から二重結合量を算出した。
続いて、化合物(A)溶液中の化合物(A)100質量部に対してポリイソシアネート(B)としてコロネートL(日本ポリウレタン社製)を、2質量部、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としてSPEEDCURE TPO(DKSHジャパン株式会社製)を0.5質量部、および、アセトフェノン系光重合開始剤としてSPEEDCURE BKL(商品名、DKSHジャパン株式会社製)を5.0質量部、重合抑制剤としてメトキノンを0.1質量部及び溶媒として酢酸エチル150質量部を化合物(A)溶液に加えて混合して、紫外線硬化性の粘着剤層組成物2Aを調製した。
【0041】
[粘着剤層組成物2B]
SPEEDCURE TPOを2.0質量部にした以外は粘着剤層組成物2Aと同様の方法にて調製した。
[粘着剤層組成物2C]
SPEEDCURE TPOを0.2質量部にした以外は粘着剤層組成物2Aと同様の方法にて調製した。
[粘着剤層組成物2D]
SPEEDCURE BKLを10部にした以外は粘着剤層組成物2Aと同様の方法にて調製した。
[粘着剤層組成物2E]
SPEEDCURE TPOの代わりに、アシルフォスフィンオキサイド系開始剤であるIRGACURE819を0.5質量部にした以外は、粘着剤層組成物2Aと同様の方法にて調製した。
[粘着剤層組成物2F]
SPEEDCURE BKLの代わりにSPEEDCURE DETXを2.0質量部にした以外は、粘着剤層組成物2Aと同様の方法にて調製した。
[粘着剤層組成物2G]
SPEEDCURE BKLの代わりにSPEEDCURE DETXを5.0質量部にした以外は、粘着剤層組成物2Aと同様の方法にて調製した。
[粘着剤層組成物2H]
メトキノンを用いなかった以外は、粘着剤層組成物2Aと同様の方法にて調製した。
[粘着剤層組成物2I]
メトキノンを1.0質量部にした以外は、粘着剤層組成物2Aと同様の方法にて調製した。
【0042】
[粘着剤層組成物2J]
SPEEDCURE BKLを用いなかった以外は、粘着剤層組成物2Aと同様の方法にて調製した。
[粘着剤層組成物2K]
メトキノンを用いなかった以外は、粘着剤層組成物2Jと同様の方法にて調製した。
[粘着剤層組成物2L]
SPEEDCURE TPOを2.0質量部にした以外は、粘着剤層組成物2Jと同様の方法にて調製した。
[粘着剤層組成物2M]
SPEEDCURE TPOを4.0質量部にした以外は、粘着剤層組成物2Jと同様の方法にて調製した。
[粘着剤層組成物2N]
SPEEDCURE TPOの代わりに、TPO同様アシルフォスフィンオキサイド系開始剤であるIRGACURE819を0.5質量部にした以外は、粘着剤層組成物2Jと同様の方法にて調製した。
[粘着剤層組成物2O]
SPEEDCURE TPOを用いなかった以外は、粘着剤層組成物2Aと同様の方法にて調製した。
[粘着剤層組成物2P]
SPEEDCURE BKLの代わりに、アセトフェノン系光重合開始剤であるSPEEDCURE 184を5質量部にした以外は、粘着剤層組成物2Oと同様の方法にて調製した。
[中間樹脂組成物3A]
アクリル樹脂(メタクリル酸nブチル)100質量部、硬化剤としてイソシアヌレート型イソシアネート(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:TKA−100)をNCO/OH=1.5になるように混合して中間樹脂組成物3Aを得た。
放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)と同様の方法で、中間樹脂組成物3Aの重量平均分子量、ガラス転移温度を以下の方法で測定したところ、重量平均分子量は20万、ガラス転移温度は20℃であった。
【0043】
[放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープの作製]
[実施例1]
厚さ25μmのポリエチレンナフタレート基材樹脂フィルム(PEN)の片面に中間樹脂層組成物3Aを50μm(dry)の厚さで塗布、乾燥させた。更に、中間樹脂層上に粘着剤層組成物2Aを30μm(dry)の厚さで塗布乾燥させ、厚さ105μmの放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
[実施例2]
粘着剤層組成物として2Bを用いた以外は、実施例1と同様の方法で放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
[実施例3]
粘着剤層組成物として2Cを用いた以外は、実施例1と同様の方法で放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
[実施例4]
粘着剤層組成物として2Dを用いた以外は、実施例1と同様の方法で放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
[実施例5]
粘着剤層組成物として2Eを用いた以外は、実施例1と同様の方法で放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
[実施例6]
粘着剤層組成物として2Fを用いた以外は、実施例1と同様の方法で放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
[実施例7]
粘着剤層組成物として2Gを用いた以外は、実施例1と同様の方法で放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
[実施例8]
粘着剤層組成物として2Hを用いた以外は、実施例1と同様の方法で放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
[実施例9]
粘着剤層組成物として2Iを用いた以外は、実施例1と同様の方法で放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
【0044】
[比較例1]
粘着剤組成物として2Jを用いた以外は、実施例1と同様の方法で放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
[比較例2]
粘着剤組成物として2Kを用いた以外は、実施例1と同様の方法で放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
[比較例3]
粘着剤組成物として2Lを用いた以外は、実施例1と同様の方法で放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
[比較例4]
粘着剤組成物として2Mを用いた以外は、実施例1と同様の方法で放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
[比較例5]
粘着剤組成物として2Nを用いた以外は、実施例1と同様の方法で放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
[比較例6]
粘着剤組成物として2Oを用いた以外は、実施例1と同様の方法で放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
[比較例7]
粘着剤組成物として2Pを用いた以外は、実施例1と同様の方法で放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
【0045】
[特性評価試験]
実施例1〜6、比較例1〜6の放射線硬化性半導体ウエハ加工用粘着テープについて、特性評価試験を下記のように行った。
【0046】
[粘着力]
粘着力 JIS−Z0237に基づいて、放射線硬化性半導体ウエハ加工用粘着テープを280番の耐水研磨紙で研磨したSUS−304の板に貼合し、1時間貼合放置した後、基材樹脂フィルム面からの紫外線照射前後の90°剥離粘着力を測定した。この時、剥離速度は50mm/minで行った。また、紫外線は、80W/cmの高圧水銀灯を用いておよそ300mJ/cm照射した。
紫外線照射前の粘着力が0.8N/mm以上で、かつ紫外線照射後の粘着力が0.2N/mm以下のものを合格とした。
【0047】
[蛍光灯下放置後粘着力測定]
放射線硬化性半導体ウエハ加工用粘着テープの基材樹脂フィルム面を上向きに平置きし、その50cm真上の位置に固定した37W/cmの蛍光灯から光を72時間照射した試験片を、紫外線照射量を500mj/cmにした以外は前述の粘着力測定と同様の方法にて測定した。
紫外線照射前の粘着力が0.8N/mm以上で、かつ紫外線照射後の粘着力が0.2N/mm以下のものを合格とした。
【0048】
[テープ剥離試験]
直径8インチで400μm厚さのミラーウエハに、放射線硬化性半導体ウエハ加工用粘着テープを貼り合わせ、ウエハを100μm厚さまで研削した後、500mJ/cmの紫外線照射を行い、剥離機(HR−8500−II(商品名、日東精機(株)製))を用いて、放射線硬化性半導体ウエハ加工用粘着テープをウエハから剥離させた。1評価サンプルあたり25枚の該操作を行い、剥離時のウエハ割れや剥離ミス等の剥離不良の枚数をカウントした。各サンプルについて、前述の方法における蛍光灯暴露前および蛍光灯暴露後のサンプルをそれぞれ評価した。
試験したウエハ25枚中の、剥離時のウエハ割れや剥離ミス等の剥離不良の枚数が0枚のものを合格とした。
【0049】
それぞれの実施例、比較例における蛍光灯下放置前後の粘着力測定結果、および剥離不良枚数の結果を表1および表2に示す。
【0050】
【表1】

【0051】
【表2】

【0052】
表1に示すように、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤およびアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤以外の開始剤を含んだ実施例1〜9についてはいずれも、蛍光灯下に放置した場合においても紫外線照射前はウエハ加工時に十分な粘着力を有し、紫外線照射後には十分に粘着力が低下し、剥離機によって問題なく剥離することができた。
また、重合抑制剤を加えることで、蛍光灯下に暴露した場合であっても紫外線照射前の粘着力の低下を防ぐことができた(実施例1と実施例8の比較)。
一方、表2に示すように、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤のみを用いた比較例1〜5については、蛍光灯下に放置した後に紫外線照射を行っても十分に粘着力を低下させることができなかった。これにより、放射線硬化性半導体ウエハ加工用粘着テープをウエハから剥離するときに、ウエハの割れや粘着テープの剥離不良が見られた。特にアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の配合量を多くした比較例4では、蛍光灯下放置により粘着力が大きく低下し、貼合することができなかった。
アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を用いない比較例6および比較例7についてはポリエチレンナフタレートを透過する紫外線に対して反応性が低いため、紫外線照射を行ったときに粘着力が十分に低下せず、半導体ウエハの割れや粘着テープの半導体ウエハからの剥離不良を発生した。
これらの実施例及び比較例からわかるように、本発明の放射線硬化性半導体ウエハ加工用粘着テープは、特にアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤及びアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤以外の光重合開始剤を併用することで、蛍光灯等の弱い光の下で放置しても、紫外線により十分に粘着力を低下させることができるという効果を奏する。これにより、放射線硬化性半導体ウエハ加工用粘着テープの保管状態について、詳細な条件設定をすることなく半導体ウエハを破損することなく、剥離できる粘着テープを提供することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 基材樹脂フィルム
2 粘着剤層
3 中間樹脂層
10、20 放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材樹脂フィルムと、該基材樹脂フィルム上に粘着剤層が形成された、半導体ウエハ表面保護用粘着テープであって、
該基材樹脂フィルムがポリエチレンナフタレートを主成分とする樹脂組成物で構成され、該粘着剤層が放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)、及びアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(C−1)とアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤以外の光重合開始剤(C−2)とを含む2種類以上の光重合開始剤を含有する粘着剤組成物で構成されたことを特徴とする放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
【請求項2】
前記光重合開始剤(C−2)が、チオキサントン系光重合開始剤及び/又はアセトフェノン系光重合開始剤であることを特徴とする請求項1記載の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
【請求項3】
前記放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物100質量部に対して、前記アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を0.05〜5質量部含有することを特徴とする請求項1又は2項記載の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
【請求項4】
前記放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物100質量部に対して、重合抑制剤を0.001〜5質量部含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−213919(P2011−213919A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84446(P2010−84446)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】