説明

放送システム

【課題】障害が生じる以前の接点情報を保持する。
【解決手段】放送システムは、送信装置20、中継装置30及び受信装置40を具備する。送信装置20は、接点信号を所定周期で反転させて符号化する多重器21を有する。中継装置30で接点信号の異常を検出されると、変調器34が所定のレベルに固定された信号を生成する。受信装置40は、接点信号を復号して前記所定の周期で反転させる分離器44を有し、分離器44は、接点信号が入出力する保護回路を備える。保護回路は、入力する接点信号の信号レベルの変化が、該所定周期よりも長い期間連続しない場合は、出力する接点信号の信号レベルを変化させない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信所と中継局の間で回線や機器の障害が生じても、障害が生じる以前の接点情報を保持できる放送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スタジオから送信所へ放送信号を送信して放送が行われる放送システムにおいては、この送信所の送信装置の動作状況をスタジオから監視又は制御するために監視・制御回線が設けられている。
【0003】
この監視・制御回線は、演奏所(スタジオ)と送信所の間で信号を伝送する回線であり、主にマイクロ波を使ったベースバンド伝送方式が用いられている。送信所は一般にスタジオから遠方に設けられており、スタジオ側から遠隔監視制御されている。送信所には複数の監視制御対象点(接点)があり、それぞれオープンとクローズの2つの状態を取り得る。この接点の情報は演奏所へ送信され、演奏所ではこの接点情報を参照して送信所の状態を監視している。
【0004】
スタジオと送信所の間に回線に断絶が生じたり、送信所の機器に異常が生じたりすると、各接点の状態に変化が無くとも、スタジオで受信する信号の状態が変化し、誤った接点情報が検出されるおそれがある。
【0005】
特許文献1には、伝送路障害発生中に接点が回復した場合でも、接点回復の警報表示を行う警報情報管理システムが開示されている。特許文献1に記載の警報情報管理システムでは、第1、第2の現在状態メモリと変化記録メモリが接点得警報情報管理装置に設けられ、第1および第2の現在状態管理メモリの状態変化が発生した場合、状態変化メモリにその旨を記録し、警報表示ユニットに状態変化を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−120465号公報(段落0024、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の警報情報管理システムでは、第1と第2の現在状態メモリ及び、現在状態管理メモリ等複数のメモリを設ける必要がある。このため装置構成を複雑化する。また、この警報情報管理システムでは、状態変化後の接点状態が接点警報情報管理装置に伝達されるが、回線や機器に障害が生じている間に、障害が生じる以前の接点情報を伝達することはできない。
【0008】
本発明は、前記のような問題に鑑みなされたもので、障害が生じる以前の接点情報を保持できる放送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係る放送システムは、送信所に設置された機器からその機器の状態監視の接点信号を取得して送信する送信装置と、前記送信装置から送信される接点信号の伝送を中継する中継装置と、前記中継装置によって中継される接点信号を受信する受信装置を具備する放送システムであって、前記送信装置は、前記接点信号を所定周期で反転させて符号化する符号化手段と、前記符号化された接点信号を前記中継装置に送信する第1の送信手段を具備し、前記中継装置は、前記第1の送信手段から送信された接点信号を受信する第1の受信手段と、前記第1の受信手段で受信された接点信号の異常を検出する検出手段と、前記検出手段が異常を検出しない場合は、前記接点信号を前記受信装置に送信し、前記検出手段が異常を検出した場合は、所定のレベルに固定された信号を接点信号として前記受信装置に送信する第2の送信手段を具備し、前記受信装置は、前記第2の送信手段から送信された接点信号を受信する第2の受信手段と、前記第2の受信手段で受信された接点信号を復号して前記所定の周期で反転させる復号手段と、前記復号手段から入力する前記接点信号を出力する保護手段であって、前記接点信号の信号レベルの変化が前記所定の周期よりも長い期間連続する場合には当該信号レベルの変化を出力し、前記接点信号の信号レベルの変化が前記所定の周期よりも長い時間連続しない場合は出力信号レベルを保持して当該信号レベルの変化を出力しない保護手段を具備する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態に係る放送システムによれば、接点信号に異常が生じて、接点信号の信号レベルが所定のレベルに固定されても、復号手段が信号を所定周期で反転する。保護回路は、入力信号レベルの変化が反転の周期よりも長い期間連続しない場合には、出力信号レベルを変化させない。このため、回線や機器の障害によって接点信号に異常が生じても、障害が生じる以前の接点情報を保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る放送システムの概略構成を示す図。
【図2】送信装置の多重器及び受信装置の分離器の構成の詳細を示す図。
【図3】保護回路に入出力する信号の一例を示す図。
【図4】送信装置と受信装置の間で伝送される接点情報の一例を示す図。
【図5】送信装置で符号化され受信装置で復号される接点情報の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明による放送システムの実施の形態を説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る放送システムの概略構成を示す図である。
【0014】
この放送システムには、送信所に送信装置20が備えられており、演奏所(スタジオ)に受信装置40が備えられている。送信所とスタジオの間には中継局が設けられ、当該中継局には、中継装置30が備えられている。送信装置20と中継装置30、及び中継装置30と受信装置40の間では、マイクロ波を使ったベースバンド伝送方式によって信号の伝送が行われる。
【0015】
送信所には、監視対象となる機器の接点が複数備えられており、それぞれの接点の情報はスイッチS1〜Sn(nは任意の自然数)の開閉状態によって表される。接点情報は送信装置20に送られる。
【0016】
送信装置20は、多重器21、変調器22、送信変換器23及びアンテナ24を備えている。
【0017】
多重器21は、図4に示すように、接点情報を1セットおきに反転させて符号化する。また多重器21は、音声データを圧縮するエンコーダと符号化された接点情報とを多重化して1つのフレーム信号とする。多重化されたフレーム信号は、変調器22に出力される。
【0018】
変調器22は、多重化されたフレーム信号のQAM変調(直交振幅変調)を行う。変調された信号は送信変換器23に送られる。
【0019】
送信変換器23は、QAM変調された信号をマイクロ波信号に変換する。マイクロ波信号はアンテナ24から中継装置30に送信される。
【0020】
中継装置30は、アンテナ31、受信変換器32、復調器33、変調器34、送信変換器35及びアンテナ36を備えている。
【0021】
アンテナ24から出力されたマイクロ波信号は、中継装置30のアンテナ31で受信され、受信変換器32に送られる。
【0022】
受信変換器32は、マイクロ波信号をQAM変調された信号に変換する。変換された信号は、復調器33に出力される。また受信変換器32は受信信号のレベルを監視しており、信号レベルが低下するとRXアラーム信号を生成し、異常の発生を報知する。
【0023】
復調器33は、QAM変調された信号を復調して、多重化されたフレーム信号の形式に戻す。多重化されたフレーム信号は変調器34に送られる。また復調器33は、復調された信号のビット誤り率(bit error rate:BER)を検出し、所定の閾値より大きいBERの値を検出したらBERアラーム信号を生成し、異常の発生を報知する。
【0024】
変調器34は、復調器33から受け取ったフレーム信号を再びQAM変調する。変調された信号は送信変換器35に送られる。変調器34は、受信変換器32及び/又は復調器33からRXアラーム及び/又はBERアラームを受け取ったら、送信装置20と中継装置30との間で回線の異常又は機器の異常が生じたことを示すオールゼロ信号を生成して、送信変換器35に送る。オールゼロ信号では、全ての信号値が0をとる。
【0025】
送信変換器35は、QAM変調された信号をマイクロ波信号に変換する。マイクロ波信号はアンテナ36から受信装置40に送信される。
【0026】
受信装置40は、アンテナ41、受信変換器42、復調器43及び分離器44を備えている。
【0027】
アンテナ36から出力されたマイクロ波信号は、送信装置40のアンテナ41で受信され、受信変換器42に送られる。
【0028】
受信変換器42は、マイクロ波信号をQAM変調された信号に変換する。変換された信号は、復調器43に出力される。
【0029】
復調器43は、QAM変調された信号を復調して、多重化されたフレーム信号の形式に戻す。多重化されたフレーム信号は分離器44に送られる。復調器43は、オールゼロ信号を検出したら、受信装置40に備えられた受信監視制御板(図示せず)に通知する。
【0030】
分離器44は、多重化されたフレーム信号から、音声データ及び接点情報等を分離する。また分離器44は、図4に示すように、多重器21による接点情報の反転と同じ周期で(すなわち1セットおきに)、復号された接点情報を反転させる。復号された接点情報は、後段装置(図1の例ではリモートコントローラ50)に出力される。
【0031】
図1では、受信装置40の後段に備えられる装置の一例として、リモートコントローラ50が示されている。リモートコントローラ50では、受信装置40から送られる接点情報に基づいて、送信所の各接点の状態を監視することができる。接点情報に異常が生じた場合、リモートコントローラ50の出力部に接点異常情報が出力され、スタジオにおいて接点情報の異常を確認することができる。
【0032】
送信装置20と中継装置30の間の回線では、マイクロ波による信号の伝送が行われている。この回線に断裂が生じると、受信装置40が正しい接点情報を受信できず、リモートコントローラ50にも正しい接点情報が伝達されない。また、送信装置20や中継装置30に機器の異常が生じても、受信装置40が正しい接点情報を受信できず、リモートコントローラ50にも正しい接点情報が伝達されない。すなわち、各接点に異常が生じていないにもかかわらず、回線や機器の障害によって生じる変化を、接点状態の異常としてリモートコントローラ50が検出してしまうことがある。
【0033】
本実施形態による中継装置30は、受信変換器32が検出する受信信号レベルの低下、復調器33が検出するビット誤り率(BER)の劣化によって障害の発生を検出することができる。障害の発生が検出されると、変調器34からはオールゼロ信号が生成されて受信装置40に伝達される。
【0034】
このオールゼロ信号を受信しても、障害発生前の接点情報を受信装置40で保持できるよう、本実施形態による多重器21と分離器44は、以下のような構成を有する。
【0035】
図2は、送信装置20の多重器21及び受信装置40の分離器44の構成の詳細を示す図である。
【0036】
多重器21は、符号化基板(USER−T基板)211及び多重化部214を有する。
【0037】
符号化基板211は、パラレル−シリアル変換部212と符号化回路213を含んでいる。パラレル−シリアル変換部212は、パラレル信号として多重器21に入力する接点情報をシリアル信号に変換する。符号化回路213は、シリアル信号に変換された接点情報を符号化する。図4に示すように、符号化回路213では、接点情報を1セットおきに反転させて符号化する。
【0038】
多重化部214は、接点情報と、エンコーダやサーバから出力された複数のフレーム信号とを多重化して1つのフレーム信号とする。
【0039】
多重器21において多重化されたフレーム信号は、送信装置20から中継装置30を介して受信装置40に送信される。受信装置40では、分離器44によって多重化されたフレーム信号から接点情報が分離される。
【0040】
分離器44は、復号化基板(USER−R基板)441及び分離部445を有する。
【0041】
分離部445は、受信した多重化フレーム信号を分離して、接点情報を復号化基板441に送る。
【0042】
復号化基板441は、復号化回路442、シリアル−パラレル変換部443及び保護回路444を含んでいる。復号化回路442は、符号化回路213によって符号化された接点情報を復号する。符号化回路213は、1セットおきに接点情報を反転させて符号化しているため、復号化回路442は、復号化された接点情報を1セットおきに反転させて復元する。
【0043】
保護回路444は、分離器44の出力を保護するための回路であって、入力する接点情報に変化があっても、所定のビット数(例えば16ビット)分連続しない変化は出力しない。すなわち保護回路444は、所定のパルス幅より短い入力パルスは出力させない。
【0044】
図3は、保護回路444に入出力する信号の一例を示す図である。
【0045】
図3に示すように、保護回路444に入力する信号がH→Lに変化すると、このH→Lが所定のビット数(例えば16ビット:1msecに相当)連続した後に、出力側がH→Lになる。同様に、保護回路444に入力する信号がL→Hに変化すると、このL→Hが所定のビット数(例えば16ビット:1m秒に相当)連続した後に、出力側がL→Hになる。すなわち、保護回路444では、入力信号のレベルの変化が所定のビット数以上連続したら、当該変化を出力する。
【0046】
また、パルス幅が所定ビット数以下の入力信号は出力側には伝送されない。すなわち、パルス幅が所定ビット数以下である信号が入力しても、保護回路444ではそれ以前の出力信号が維持される。
【0047】
このように保護回路444は、所定のビット数だけ同じ信号状態が連続しないと、入力信号に生じた変化を出力しない。また、保護回路444の入出力には、所定数のビット分の遅延時間が生じている。
【0048】
保護回路444に設定される所定のビット数は、接点情報が伝送される伝送速度(単位:bps)や回路規模に基づいて定められる。汎用接点(32接点)の伝送容量は64kbpsであり、1接点当り2kbps(0.5m秒)に相当する。
【0049】
図4は、送信装置20と受信装置40の間で伝送される接点情報の一例を示す図である。図4では、1セットの接点情報に32接点の状態(オープン又はクローズ)を表す信号が含まれる例が示されている。1セットの接点情報のパルス幅は、上述の保護回路444について定められた所定のビット数以下であるとする。
【0050】
接点情報は、送信装置20の送信監視制御板(図示せず)が提供するFRM信号に同期して送信される。図4に示す例では、250μ秒周期で無信号状態と有信号状態が繰り返されている。有信号状態では接点1から接点32の各接点の状態を表す信号が順次配列されている。リモートコントローラ40では、この接点情報を検出して各接点の状態を監視している。
【0051】
図4に示すように、接点1から接点32の各接点の状態を表す信号が、1セットとして有信号状態に現れ、所定の周期で有信号状態と無信号状態が繰り返されている。符号化基板211の符号化回路213は、この有信号状態の接点情報を1セットおきに反転させて符号化する。
【0052】
図5は、送信装置20で符号化され受信装置40で復号される接点情報の一例を示す図である。
【0053】
図5に示すように、接点情報が正常に伝送されている場合には、符号化回路213で1セットおきに反転して符号化された接点情報が、復号化回路442で復号されて1セットおきに反転して復元される。このため、後段のリモートコントローラ50に接点情報を正しく伝達することができる。
【0054】
回線が断絶したり、送信装置20に異常が生じたりすると、符号化基板211でどのようなデータ状態であっても、中継装置30においてアラーム信号が発生し、変調器34はオールゼロ信号を出力する。このオールゼロ信号を復号化回路442において復号すると、図5に示すように、オールゼロ信号は1セットおきに反転される。
【0055】
このため保護回路444には、上述の所定数ビット以下のパルス幅を有する信号が周期的に入力することになる。保護回路444では、パルス幅が所定数のビット以下の信号が入力しても、それ以前の出力信号が維持されるため、分離器44からは回線断や装置の異常が生じる以前の接点情報が出力され続ける。従って、回線異常や装置異常等のためにアラーム信号が生成されても、分離器44では異常が生じる以前の接点情報が出力される。
【0056】
例えば復号化回路442が出力の反転を行わないとすると、オールゼロ信号が入力した場合に、当該オールゼロ信号が所定ビット数以上連続する。このため、保護回路444は連続するオールゼロ信号を接点情報として検出してしまい、リモートコントローラ50に出力する。この結果、リモートコントローラ50では、接点情報に変化が生じていないにも関わらず、オールゼロ信号を接点情報として認識してしまう。
【0057】
このような事態を避けるため、本実施形態では、オールゼロ信号が入力されたとしても、復号化回路442によって所定の周期で信号を反転させている。所定のビット数以下のパルス幅を有する信号が入力されても保護回路444は、それ以前の出力を保持し続ける。このため、所定周期で反転したオールゼロ信号が保護回路444に入力しても、保護回路444はオールゼロ信号を認識せずに、障害発生以前の接点情報を出力し続ける。このため、回線や機器の異常が生じてオールゼロ信号が生成されても、後段のリモートコントローラ50には異常が発生する前の接点情報が伝達される。
【0058】
復号化回路442は、常に所定の周期で信号を反転させる。これに合わせて、符号化回路213では、復号時に元のデータに戻るように、接点情報の符号化の際にも所定の周期でデータを反転させる。
【0059】
このようにして、正常時には正常な接点情報を伝送し、障害発生時にも発生以前の接点情報を伝達する放送システムが構築される。
【0060】
なお上述の実施形態では、変調器34はアラームに応じてオールゼロ信号を生成するとした。しかしながら、アラームに応じて変調器34の出力がハイレベル又はローレベルの一方に固定されるように構成されてもよい。
【0061】
図1には、送信装置20と受信装置40の間に1つの中継装置30が設けられているが、送信装置20と受信装置40の間での放送波の伝送は、直列又は並列に設置された複数段の中継装置によって中継されてもよい。
【0062】
上述の実施形態では、放送システムにおける接点情報の伝送の例について説明したが、本発明はこれに限定されない。遠隔地に設けられた電源装置やその他の監視対象の接点情報の監視のために、上記と同様のシステムが用いられてもよい。
【0063】
本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、1つの実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの実施形態に示される構成要件が組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【符号の説明】
【0064】
20…送信装置、21…多重器、22…変調器、23…送信変換器、24…アンテナ、30…中継装置、31…アンテナ、32…受信変換器、33…復調器、34…変調器、35…送信変換器、36…アンテナ、40…受信装置、41…アンテナ、42…受信変換器、43…復調器、44…分離器、50…リモートコントローラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送波の送信所に設置された接点から接点信号を取得して送信する送信装置と、
前記送信装置から送信される接点信号の伝送を中継する中継装置と、
前記中継装置によって中継される接点信号を受信する受信装置を具備する放送システムであって、
前記送信装置は、
前記接点信号を所定周期で反転させて符号化する符号化手段と、
前記符号化された接点信号を前記中継装置に送信する第1の送信手段を具備し、
前記中継装置は、
前記第1の送信手段から送信された接点信号を受信する第1の受信手段と、
前記第1の受信手段で受信された接点信号の異常を検出する検出手段と、
前記検出手段が異常を検出しない場合は、前記接点信号を前記受信装置に送信し、前記検出手段が異常を検出した場合は、所定のレベルに固定された信号を接点信号として前記受信装置に送信する第2の送信手段を具備し、
前記受信装置は、
前記第2の送信手段から送信された接点信号を受信する第2の受信手段と、
前記第2の受信手段で受信された接点信号を復号して前記所定の周期で反転させる復号手段と、
前記復号手段から入力する前記接点信号を出力する保護手段であって、前記接点信号の信号レベルの変化が前記所定の周期よりも長い期間連続する場合には当該信号レベルの変化を出力し、前記接点信号の信号レベルの変化が前記所定の周期よりも長い時間連続しない場合は出力信号レベルを保持して当該信号レベルの変化を出力しない保護手段を具備する放送システム。
【請求項2】
前記放送システムは、前記中継装置を複数具備する、請求項1に記載の放送システム。
【請求項3】
前記検出手段は、前記接点信号のビット誤り率に基づいて、前記送信装置と前記中継装置の間の放送波回線の異常を検出する、請求項1に記載の放送システム。
【請求項4】
前記検出手段は、前記接点信号の信号レベルに基づいて、前記送信装置と前記中継装置の間の伝送回線の異常を検出する請求項1に記載の放送システム。
【請求項5】
前記送信装置は、前記符号化手段によって符号化された接点信号を複数のトランスポートストリームと多重化して1つのトランスポートストリームとする多重化手段を更に具備し、前記第1の送信手段は前記1つのトランスポートストリームを前記中継装置に送信する請求項1に記載の放送システム。
【請求項6】
前記検出手段が異常を検出した場合は、信号レベルがゼロに固定されたオールゼロ信号が接点信号として前記受信装置に送信される請求項1に記載の放送システム。
【請求項7】
前記保護手段からの出力は、前記放送波の放送局において監視される請求項1に記載の放送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−29776(P2011−29776A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171369(P2009−171369)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】