放送受信装置及び放送受信装置の制御方法
【課題】記録した番組に対応するデータ放送に含まれる印刷コンテンツが、番組の任意の区間に対応して存在している場合であっても、印刷コンテンツの存在とその印刷コンテンツに対応する区間映像に関する情報をユーザに提示することが可能な放送受信装置及び放送受信装置の制御方法を提供する。
【解決手段】本発明の放送受信装置は、映像データとデータ放送データを記録部に記録する。データ放送データのモジュールが更新された場合、モジュールに対応する印刷コンテンツが存在するか否かを判定する。存在する場合は印刷コンテンツを特定するための情報と、モジュールを特定するための情報と、映像データの経過時間情報とを関連付けて記憶する。そしてユーザに、印刷コンテンツを特定するための情報と、区間映像に関する情報とを関連付けて表示するとともに、印刷したいコンテンツを指定可能な画面を提示する。
【解決手段】本発明の放送受信装置は、映像データとデータ放送データを記録部に記録する。データ放送データのモジュールが更新された場合、モジュールに対応する印刷コンテンツが存在するか否かを判定する。存在する場合は印刷コンテンツを特定するための情報と、モジュールを特定するための情報と、映像データの経過時間情報とを関連付けて記憶する。そしてユーザに、印刷コンテンツを特定するための情報と、区間映像に関する情報とを関連付けて表示するとともに、印刷したいコンテンツを指定可能な画面を提示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷コンテンツを含むデータ放送番組を受信する放送受信装置及び放送受信装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送における番組連動データ放送番組サービスの一つとしてデータ放送番組による印刷サービスが実施されている。デジタルテレビに接続されたプリンタにデータ放送番組を通じて印刷データを送り、番組に連動して、番組内容に関連する情報や、番組視聴をと同時に参照するコンテンツなどを印刷させることができる。
【0003】
こうした印刷サービスに関するデジタルテレビの放送規格や運用規定は、社団法人電波産業会により策定および提供されている。放送規格は、社団法人電波産業会標準規格「デジタル放送におけるデータ放送符号化方式と伝送方式」(ARIB STD−B24 4.4版)(非特許文献1)に記載されている。また運用規定は、社団法人電波産業会技術資料「地上デジタルテレビジョン放送運用規定」(ARIB TR−B14 2.7版)(非特許文献2)に記載されている。これらの規定に基づいてデジタルテレビが実施できる印刷サービスは、次の3形態に分類される。
【0004】
印刷形態(1):デジタルテレビがデータ放送番組に含まれる印刷データを取得し、プリンタに印刷を要求する。
印刷形態(2):デジタルテレビが表示中のデータ放送番組の画面をキャプチャし、プリンタに印刷を要求する。
印刷形態(3):デジタルテレビがデータ放送番組で示されたインターネット上のコンテンツを指定して、プリンタに印刷を要求する。
【0005】
印刷形態(1)は、非特許文献1、非特許文献2にて規定される拡張関数DOM(Document Object Model)−API(Application Program Interface)で実現される。例えば、printFile()やprintTemplate()等がある。ここでprintFile()は、デジタルテレビが放送波を受信、復調することで得られるトランスポートストリーム(TS)から印刷データ(printFile印刷データ)を取得し、プリンタに転送して印刷要求を行なうものである。
【0006】
前記印刷形態(2)は、非特許文献1、非特許文献2にて規定される拡張関数DOM−APIであるprintStaticScreen()により実現される。
【0007】
前記印刷形態(3)は、非特許文献1、非特許文献2にて規定される拡張関数DOM−APIであるprintUri()により実現される。 printUri()は、その引数によって指定されるURI(Uniform Resource Indicator)が示す印刷データ(printUri印刷データ)をプリンタに取得させ、印刷要求を行なうものである。
【0008】
ユーザがこのような印刷サービスを利用する場合、放送番組の視聴時に印刷サービスを実施して印刷コンテンツを入手して利用する方法と、放送番組が提供する印刷コンテンツを蓄積し、後日印刷して利用する方法とがある。印刷コンテンツを蓄積して後日利用する方法は、例えば特開2005−210408号公報(特許文献1)に記載されている。この特許文献1による方法によれば、ユーザはデータ放送による印刷コンテンツを映像デー
タと関連付けて保存することができ、受信機は保存した映像データをユーザに選択肢として表示する。そこでユーザは映像データを参照しながら印刷コンテンツを選択することにより、選択した画面表示に関連付けられた印刷コンテンツを印刷することができる。これにより、蓄積された印刷コンテンツを選択する際、映像データから番組の内容を思い出したり、番組で表示された印刷条件を参照したりできるなど、優れた特徴を備えるものである。
【0009】
こうした印刷サービスを提供するデジタル放送番組が発展し、番組制作技術の向上が進むに伴い、印刷コンテンツと放送番組の内容の関連性が重要となってゆく。即ち、単に印刷コンテンツをユーザに提供するものではなく、番組の内容と印刷コンテンツの参照を対応付け、一体のサービスとして提供する状況となる。
【特許文献1】特開2005−210408号公報
【非特許文献1】社団法人電波産業会標準規格「デジタル放送におけるデータ放送符号化方式と伝送方式」(ARIB STD−B24 4.4版)
【非特許文献2】社団法人電波産業会技術資料「地上デジタルテレビジョン放送運用規定」(ARIB TR−B14 2.7版)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のように、番組の内容と印刷コンテンツの対応が重要であるにもかかわらず、従来、ユーザが蓄積した番組の印刷サービスを利用する際には、印刷サービスを提供する箇所を探すために、番組を再生して順に視聴する必要があった。そのため、例えば目的の印刷サービスが番組の終了近くで提供される場合、番組のほとんど全部を視聴する必要があった。また、特許文献1の技術は、ユーザが印刷コンテンツを印刷するにあたり、印刷操作を行った際の映像画面のキャプチャ画像を関連付けて保存し、後に保存した印刷の履歴情報を読み出した際に、関連付けたキャプチャ画像を表示するものである。つまり、記録した映像データの任意の映像区間に対応する印刷コンテンツを把握するためには利用できない。以上の説明からもわかるように、映像データの任意の映像区間に印刷コンテンツを含むデータ放送が関連付けられて放送されているような番組を記録した場合に課題が生じていた。すなわち、ユーザが印刷サービスを利用したり、当該印刷サービスと対応する部分の視聴を開始したりするためには、面倒な操作と多くの時間が必要になるという課題である。
【0011】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、以下のような放送受信装置及び放送受信装置の制御方法を提供することである。すなわち、記録した番組に対応するデータ放送に含まれる印刷コンテンツが、番組の任意の区間に対応して存在している場合であっても、印刷コンテンツの存在とその印刷コンテンツに対応する区間映像に関する情報を提示する放送受信装置とその制御方法である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の第一の発明では以下の構成を採用する。すなわち、
放送データに多重されたデータ放送データを映像データとともに受信する放送受信装置であって、
受信した映像データ及びデータ放送データを記録部に記録する記録手段と、
前記記録部に記録するデータ放送データを構成するモジュール毎に付与された固有情報の変化を検出する検出手段と、
前記映像データ及び前記データ放送データを記録中に、前記検出手段で新しいモジュールを検出した場合に、当該モジュールに対応する印刷コンテンツが存在するか否かを当該モジュールに含まれるファイルデータを用いて判定する判定手段と、
前記判定手段により、当該モジュールに対応する印刷コンテンツが存在すると判定された場合、当該印刷コンテンツを特定するための情報と、当該印刷コンテンツを含むモジュールを特定するための情報と、当該モジュールが放送されていた時間帯に放送されていた前記映像データの区間映像を特定するための時間情報とを関連付けた管理情報を記憶部に記憶させる管理手段と、
前記管理手段で管理された管理情報を用いて、印刷コンテンツを特定するための情報と、前記区間映像を示す情報とを夫々表示するとともに、表示された印刷コンテンツを特定するための情報を用いて、印刷を実行する印刷コンテンツを選択可能な表示画面を生成する生成手段と、
を有することを特徴とする放送受信装置である。
【0013】
また、本発明の第二の発明では以下の構成を採用する。すなわち、
放送データに多重されたデータ放送データを映像データとともに受信する放送受信装置であって、
受信した映像データ及びデータ放送データを記録部に記録する記録手段と、
記録中のデータ放送データに対応し、当該データ放送データを用いたデータ放送画面の表示指示を実行するイベントメッセージによって、所定のデータ放送画面の表示指示が実行されたことを検出する検出手段と、
前記検出手段で表示指示を検出した後、表示を指示されたデータ放送画面を生成するためのファイルデータを用いて、当該データ放送データに対応する印刷コンテンツが存在するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、当該データ放送データに対応する印刷コンテンツが存在すると判定された場合、当該印刷コンテンツを特定するための情報と、当該印刷コンテンツを含むデータ放送データを特定するための情報と、前記イベントメッセージの表示指示が実行された時点からの前記映像データの区間映像を特定するための時間情報を関連付けた管理情報を記憶部に記憶させる管理手段と、
前記管理手段で管理された管理情報を用いて、印刷コンテンツを特定するための情報と、前記区間映像を示す情報とを夫々表示するとともに、表示された印刷コンテンツを特定するための情報を用いて、印刷を実行する印刷コンテンツをユーザが選択可能な表示画面を生成する生成手段と、
を有することを特徴とする放送受信装置である。
【0014】
また、本発明の第三の発明では以下の構成を採用する。すなわち、
放送データに多重されたデータ放送データを映像データとともに受信する放送受信装置の制御方法であって、
受信した映像データ及びデータ放送データを記録部に記録する記録ステップと、
前記記録部に記録するデータ放送データを構成するモジュール毎に付与された固有情報の変化を検出する検出ステップと、
前記映像データ及び前記データ放送データを記録中に、前記検出ステップで新しいモジュールを検出した場合に、当該モジュールに対応する印刷コンテンツが存在するか否かを当該モジュールに含まれるファイルデータを用いて判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより、当該モジュールに対応する印刷コンテンツが存在すると判定された場合、当該印刷コンテンツを特定するための情報と、当該印刷コンテンツを含むモジュールを特定するための情報と、当該モジュールが放送されていた時間帯に放送されていた前記映像データの区間映像を特定するための時間情報とを関連付けた管理情報を記憶部に記憶させる管理ステップと、
前記管理ステップで管理された管理情報を用いて、印刷コンテンツを特定するための情報と、前記区間映像を示す情報とを夫々表示するとともに、表示された印刷コンテンツを特定するための情報を用いて、印刷を実行する印刷コンテンツを選択可能な表示画面を生成する生成ステップと、
を有することを特徴とする放送受信装置の制御方法である。
【0015】
また、本発明の第四の発明では以下の構成を採用する。すなわち、
放送データに多重されたデータ放送データを映像データとともに受信する放送受信装置の制御方法であって、
受信した映像データ及びデータ放送データを記録部に記録する記録ステップと、
記録中のデータ放送データに対応し、当該データ放送データを用いたデータ放送画面の表示指示を実行するイベントメッセージによって、所定のデータ放送画面の表示指示が実行されたことを検出する検出ステップと、
前記検出ステップで表示指示を検出した後、表示を指示されたデータ放送画面を生成するためのファイルデータを用いて、当該データ放送データに対応する印刷コンテンツが存在するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより、当該データ放送データに対応する印刷コンテンツが存在すると判定された場合、当該印刷コンテンツを特定するための情報と、当該印刷コンテンツを含むデータ放送データを特定するための情報と、前記イベントメッセージの表示指示が実行された時点からの前記映像データの区間映像を特定するための時間情報を関連付けた管理情報を記憶部に記憶させる管理ステップと、
前記管理ステップで管理された管理情報を用いて、印刷コンテンツを特定するための情報と、前記区間映像を示す情報とを夫々表示するとともに、表示された印刷コンテンツを特定するための情報を用いて、印刷を実行する印刷コンテンツをユーザが選択可能な表示画面を生成する生成ステップと、
を有することを特徴とする放送受信装置の制御方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、記録した番組に対応するデータ放送に含まれる印刷コンテンツが、番組の任意の区間に対応して存在している場合であっても、印刷コンテンツの存在とその印刷コンテンツに対応する区間映像に関する情報をユーザに提示することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
<実施例1>
(データ放送番組印刷のシステム)
図1は、システム全体の構成を示すブロック図である。デジタルテレビ101は、放送局111が送信アンテナ112から送信する番組の放送電波を受信アンテナ107経由で受信し、映像と音声による放送番組と番組連動データ放送番組をユーザに提供する。ユーザはリモコン108を通じてデジタルテレビ101を操作し、番組視聴やデータ放送番組の印刷サービスの利用を行う。録画機102は、IEEE1394インタフェース制御部104を通じてデジタルテレビ101が受信した放送番組を蓄積する記録部として機能する。
【0018】
印刷装置103はネットワークプリンタであり、ネットワーク105を介してデジタルテレビ101及び録画機102とお互いに通信可能に接続されている。また、このネットワークにつながった各機器はブロードバンドルータ106を介してインターネット109へ接続が可能であり、インターネット上にあるWEBサーバ110上のコンテンツデータをブラウジング、またはダウンロードすることが可能である。
【0019】
(デジタルテレビの構成と動作)
図2はデジタルテレビ101の内部構成及び外部接続を示すブロック図である。デジタルテレビ101は、テレビの基本機能としてデジタルテレビ放送の選局処理機能を有している。またデジタルテレビ101は拡張機能として、社団法人電波産業会(ARIB)による標準規格STD−B24「デジタル放送におけるデータ放送符号化方式と伝送方式」
にて規定されるデータ放送番組のブラウズ機能と印刷機能を有している。
【0020】
(デジタルテレビの選局処理機能)
先ず、デジタルテレビ101の選局処理機能について説明する。選局処理機能とは、ユーザがリモコン108でチャンネル選択した時に、デジタルテレビ101がアンテナ107とチューナ部201を経由して放送信号を受信し、映像や番組情報を映像表示部208に表示、音声を音声出力部209から出力する機能である。
【0021】
以下に、デジタルテレビ101が選局処理を行なう際の内部動作について説明する。
【0022】
システム制御部211は、受光部212を介してユーザによるリモコン108の操作情報を受信し、ユーザ所望のチャンネルを判定し、選局制御部213に選局を要求する。選局制御部213は、選局要求に基づきチューナ部201、データ分離部202による選局制御を開始する。
【0023】
まず、チューナ部201は、入力された放送信号に対し復調、誤り訂正等の処理を行ない、トランスポートストリーム(TS)を形成する。さらにデスクランブル部210においてスクランブルの解除を行った後、データ分離部202に出力する。
【0024】
TSには、複数のチャンネルに関わる映像データ、音声データ、番組情報データ、データ放送データ、及び現在時刻情報等が多重記録されている。番組情報は、番組名、番組内容説明、放送チャンネル、放送時間情報(開始時刻と継続時間)、番組ジャンル情報等を含む。時刻情報は、年月日、時分秒情報を含む。データ放送データはISO/IEC13818−6やARIBよる標準規格STD−B24等にて規定、記述されているDSM−CCのデータカルーセル方式により放送局から繰り返し送出される。
【0025】
データ分離部202は、TSからユーザ所望のチャンネルに関わる映像データ、音声データ、番組情報データ、データ放送データ、及び現在時刻情報の分離を行なう。データ分離部202で分離した映像データは、映像デコード部203に出力され、映像復号化処理を施される。また音声データは音声デコード部204へ出力され、復号化処理を施された後、音声制御部207に出力される。番組情報データ、データ放送データは、メモリ部214に蓄積される。現在時刻情報は、システムバス222を介し、タイマー部215に出力される。タイマー部215は、時刻情報のカウントを行なう。
【0026】
映像デコード部203で復号した映像データは、表示合成部205を介し、表示制御部206に出力される。表示制御部206は、映像データを映像表示部208の表示解像度、表示色数、リフレッシュレートに適した表示データ、タイミングに変換して、映像表示を行なう。表示合成部205は、映像デコード部203で復号した映像データとグラフィック生成部218が生成するグラフィックデータを合成する。音声制御部207は、音声データのボリュームレベル等を変更する。
【0027】
選局制御部213は、上述の選局処理動作が正常に完了すると、選局したチャンネル情報をメモリ部214に蓄積する。
【0028】
図3にリモコン108の詳細を示す。リモコンは電源キー301、1から12までの選局キー302、チャンネルup/downキー303、音量のup/downキー304を有する。また番組表キー305、データ放送番組キー306を備え、それぞれ番組表サービス(EPG)、データ放送サービスを起動することができる。これらのサービス実行中、ユーザは方向キー307〜310によって画面に表示されたカーソルの移動を行い、決定キー311でサービス内容を選択することできる。また、カラーキー312〜315
を備え、それぞれのシーンで定義されたサービスを起動することが可能である。ユーザがこれらのリモコンキーを操作すると、操作内容が赤外線信号によってデジタルテレビ101の受光部212を通じてシステム制御部211へ送信される。
【0029】
(デジタルテレビのデータ放送番組ブラウズ機能)
次にデジタルテレビ101のデータ放送のブラウズ機能、印刷機能について説明する。
データ放送ブラウズ機能とは、データカルーセル方式により放送局から繰り返し送出されるデータ放送データを映像表示部208に表示する機能、音声を音声出力部209から出力する機能である。
【0030】
図4A〜図4Cに、本実施例で用いるデータ放送データの一例を示す。なお図4A〜図4Cは合わせて1つの文書であり、表示の便宜上3つに分割しているに過ぎない。データ放送データには、テキスト情報、表示レイアウト情報、スクリプト情報、静止画像情報、及び音声情報等が含まれている。テキスト情報はBML(Broadcast Markup Language)によって記述されたファイルデータとなっている。BMLとはARIBの標準規格STD−B24で規定された、XML(eXtensible Markup Language)ベースのデータ放送向けのページ記述言語である。表示レイアウト情報にはCSS(カスケーディング・スタイルシート)が、スクリプト情報にはEcmaScriptが用いられる。更に、BML情報の論理的構造や情報へのアクセス及び操作を行なう為の手段として、DOM(Document Object Model)が用いられる。
【0031】
このBMLは、図4A,6行目の<head>から、図4B,最終行の</head>タグに囲まれた部分に、文書の名前を示す<title>要素(図4A,7行目)や、スクリプトの定義を示す<script>要素(図4A,11行目)を含む。更に、本文を示す<body>要素(図4C,1行目から最終行)の中に、画像や映像、音声を示す<object>要素、更に画面上の領域を示す<div>要素、文を示す<p>要素などを含んでいる。各要素にはCSSに従ったスタイル属性が記述されており、表示する際の座標、大きさ、色などの設定がなされている。
【0032】
図5は、図4A〜図4Cに示したBMLデータをデジタルテレビ101の映像表示部208に表示した際の表示画面を示すものである。
【0033】
次に、デジタルテレビ101においてこうしたデータ放送ブラウズを行なう内部の動作について説明する。図2において、システム制御部211は、受光部212を介してユーザによるリモコン108の操作情報を受信する。その操作情報に基づいてデータ放送ブラウズ要求であることを判定すると、データ放送制御部216にデータ放送ブラウズ処理開始を要求する。データ放送制御部216は、メモリ部214に蓄積されたデータ放送データを取得する。ブラウズに必要なデータが蓄積されていない場合、データ放送制御部216は、データ分離部202に対してデータ放送データの取得要求を行なう。データ放送制御部216は、取得したデータ放送データをデータ放送ブラウズ制御部217に送り、ブラウズ処理を要求する。
【0034】
データ放送ブラウズ制御部217は、上記BMLデータと関連する画像等を取得すると、<body>タグのOnload属性(図4C,1行目)に記述されたスクリプト関数を初期スクリプトとして実行する。ここではstart()関数が初期スクリプトとなる。
【0035】
図4B,26行目以降に記述されているstart()関数の中では、先ず、デジタルテレビ101が印刷機能を有しているかを問い合わせる関数が呼び出される。データ放送
ブラウズ制御部217は、組込みAPIとして、getBrowserSupport()という拡張DOM−APIを有している。このAPIは、引数として““ARIB”,“APIGroup”,“Print.Basic””という文字列を受け取ると、“1”又は“0”の値を返す。
【0036】
戻り値“1”は、印刷機能を有していることを示し、“0”は印刷機能を有していないことを示す。本実施例のデジタルテレビ101は印刷機能を有する為、このAPIの戻り値は“1”となる。start()関数の中では、次に、getBrowserSupport()の戻り値に応じて、図5の背景領域401にボタンイメージやテキスト情報を描画するかどうかを決定する。
【0037】
本実施例では戻り値が“1”であるため、データ放送ブラウズ制御部217は、グラフィック生成部218、表示合成部205を介してボタンイメージやテキスト情報の描画を行なう。その動作と同時に、表示合成部205は、映像デコード部203からの動画像との合成処理を行なう。
【0038】
図5において、動画表示領域406には、映像デコード部203によってデコードされた動画像が表示される。その右側のテキスト表示領域405にはこのデータ放送の内容を示す文章がテキストで表示される。ここでは、データ放送のサービスとして印刷コンテンツが印刷できることを説明している。画面下側中央には、印刷サービスを起動するための印刷ボタン403が、画面下側左右には、他のデータ放送ページへ表示を遷移するための前ページボタン402、次ページボタン404が表示されている。
【0039】
図5の画面を表示中、ユーザはリモコンの左右ボタン307、309を操作してカーソル407を移動させ、所望の位置(前ページボタン402、印刷ボタン403、次ページボタン404のいずれか)で決定キーを押す。この操作により、各ボタンに定義された動作が起動される。例えば、印刷ボタン403にカーソル407を置いた状態でリモコンの決定キーを押すことにより、印刷処理を起動することができる。
【0040】
(データ放送表示のユーザ要求処理)
データ放送ブラウズ制御部217は、図5に示した画面を表示中、ユーザ操作により何らかの要求があるまで待機する。ユーザ要求があった場合は要求内容の判定処理を行ない、判定結果に応じた処理に遷移する。即ち、カーソル移動要求であった場合、カーソル移動処理を実行する。また、画面遷移要求であった場合、画面遷移処理を実行する。また、印刷要求であった場合には、印刷機能を有しているか、つまり先に述べたgetBrowserSupport()のAPI戻り値により処理が分岐する。印刷機能を有していない場合は、ユーザ要求受信待ち処理に戻る。印刷機能を有している場合は、次に述べる印刷要求処理を実行する。
【0041】
ユーザ要求による印刷がデータ放送データ内の印刷データを指定した印刷であった場合、組込APIであるprintFile()関数によるプッシュ式直接印刷を行う。プッシュ式直接印刷は、データ放送データとして受信した印刷データをネットワーク経由でネットワークプリンタへ渡し、印刷する印刷方式である。
【0042】
図6はプッシュ式直接印刷によるデジタルテレビ101とネットワークプリンタ103の動作フローと通信を示したものである。printFile()関数が起動されると印刷制御部219は通信制御部220を通じて、ネットワークプリンタ103に対して直接印刷JOB要求の制御信号を出力する(S601)。ネットワークプリンタ103はJOB要求があるまで待機状態にあり(S621)、要求を受信した時に印刷受付が可能であれば、印刷可能レスポンスを返す(S622)。印刷制御部219はレスポンスがあるま
で待機状態にある(S602)。レスポンスを受け取ると、printFile()関数で指定された印刷データをメモリ部214から読み出し、通信制御部220を通じて印刷データをネットワークプリンタ103へ送信する(S603)。ネットワークプリンタ103は印刷データを受信すると(S623)、パース処理、レイアウト処理、レンダリング処理を行い(S624)、プリンタエンジン処理によって印刷を実行する(S625)。受け取ったデータをすべて印刷したら処理を終了する(S626)。
【0043】
一方、ユーザ要求による印刷がインターネット上の印刷データを指定した印刷であった場合、組込APIであるprintUri()関数によるプル式間接印刷を行う。プル式間接印刷は、データ放送データとして受信したURIに基づいて、ネットワークプリンタ103がインターネット上のWWWサーバ110から印刷データを受信して印刷を行う方式である。
【0044】
図7はプル式間接印刷によるデジタルテレビ101、ネットワークプリンタ103とWWWサーバ110の動作フローと通信を示したものである。印刷制御部219は、URI情報を指定してprintUri()関数が起動されると、通信制御部220を通じてネットワークプリンタ103に対してJOB要求を発行する(S701)。ネットワークプリンタ103は、JOB要求を待機しており(S721)、要求を受けた時に印刷受付が可能であれば、印刷可能レスポンスを返す(S722)。印刷制御部219側での処理はレスポンスを確認した時点で終了する(S702)。ネットワークプリンタ103は、受け取ったURIに基づいてWWWサーバに110へアクセスして印刷データを要求する(S723)。続いてネットワークプリンタ103は、WWWサーバ110から送られる印刷データを受信し(S724)、データのパース処理、レイアウト処理、レンダリング処理を行い(S725)、プリンタエンジン処理によって印刷を実行する(S726)。すべてのデータを印刷したら処理を終了する(S727)。
【0045】
なお、ユーザがプッシュ式直接印刷かプル式間接印刷かを明示的に指示することは殆ど無く、一般的には、ブラウザに表示された印刷ボタンを押下する操作に応じて、自動的に印刷が行われる。なお、上述したprintFile()関数及びprintUri()関数は、印刷実行関数と称される。
【0046】
(番組連動データ放送番組による番組関連情報印刷サービス)
図8は番組関連情報の印刷サービスを含むデータ放送を伴うデジタル放送テレビ番組の放送番組データ構成を模式的に表したものである。図の番組1は、図4A〜Cおよび図5で説明したデータ放送番組と同様に、映像と音声による放送番組と、データ放送による印刷サービスを提供するものである。
【0047】
図示するように番組1では、映像ストリームと音声ストリームとがPES(Packetized Elementary Stream)として時間に沿って放送される。また、データ放送データのセクションデータがデータカルーセル方式によって、それぞれの期間、繰り返し放送される。ある時間における1セットのデータ放送データを構成する複数のデータはMIME(Multipurpose Internet Mail Extensions)形式でモジュール1、あるいはモジュール2、モジュール3にまとめられている。つまり、モジュールの1単位がデータ放送データに対応しており、この番組1には、番組の進行に伴って3つのデータ放送データが放送により送信されていることになる。もちろん、1番組に1種類のデータ放送しか存在しない場合は、この番組に対応するデータ放送のモジュールは1つとなる。
【0048】
モジュール1には、番組の開始時刻である14:00の時点で提供されるデータ放送番組内容を定義するBML1が含まれる。さらに、他のデータ放送画面への画面遷移のボタ
ン表示を行うための画像データPNG1とPNG2、GUI画面遷移の操作で遷移する2つの画面を定義するBML4、BML5が含まれる。
【0049】
モジュール2には、15:00から16:00の間に提供されるデータ放送番組内容を定義するBML2、BML6、BML7が含まれる。さらに、画面遷移ボタンの画像データPNG1とPNG2、印刷サービスの起動ボタンの表示を行なうための画像データPNG3、印刷コンテンツであるXHTML2が含まれる。このXHTML2を印刷装置で印刷することで印刷ドキュメント21が得られる。
【0050】
なお、ここでBML2においてPNG3により表示される印刷ボタンで起動される印刷サービスは、印刷コンテンツであるXHTML2をプッシュ式直接印刷するものである。またBML6において同様に起動される印刷サービスは、インターネット上の印刷コンテンツを用いるプル式間接印刷であり、BML6で起動する印刷コンテンツへの参照URI2が指定されているものとする。このURI2で参照される印刷コンテンツを取得し、印刷装置で印刷することで印刷ドキュメント22が得られる。
【0051】
モジュール3には16:00から16:30の間に提供されるデータ放送番組内容を定義するBML3、BML8、BML9が含まれる。さらに、画面遷移および印刷サービス起動のボタン表示を行なうための画像データPNG1、PNG2、PNG3と、プッシュ式直接印刷によって提供される印刷コンテンツXHTML3が含まれる。BML3において、PNG3により表示される印刷ボタンにより起動される印刷サービスの印刷コンテンツがXHTML3に指定されている。このXHTML3を印刷装置で印刷することで印刷ドキュメント3が得られる。
【0052】
番組1では図8で説明した通り、番組の進行に従ってデータ放送データのモジュール1、モジュール2、モジュール3が順次放送される。これらのモジュールに含まれるBML2、BML6、BML3から印刷コンテンツに相当するXHTML2、URI2、XHTML3が存在することが検出されるため、3回にわたって印刷コンテンツを録画機へ転送して保存することになる。なお、URIは印刷コンテンツを特定し、取得するための情報に相当し、XHTMLファイルのような、印刷コンテンツの実体そのものとは異なるが、本発明においては印刷コンテンツを特定し、取得するためのURIも印刷コンテンツであるとして説明を行う。なぜなら、印刷コンテンツを特定するURIを記録するのは、印刷コンテンツの実体ファイルを記録することと等価であるためである。
【0053】
データ放送番組におけるモジュールはDSM−CC(Migital Strage Media Command and Contorl)方式によって伝送される。DSM−CC方式においては、データ本体を格納するDDB(Download Data Block)に加え、モジュールの固有情報を含むDII(Download Information Indicator)が伝送される。モジュールの固有情報としては、モジュールの識別情報や、モジュールのバージョン情報といったモジュール毎に付与された情報がある。受信されるデータ放送データのモジュールの変化は、DIIのモジュールの識別情報および/又はモジュールのバージョン情報の変化を、データ分離部202を通してデータ放送制御部216で監視することによって検出することができる。
【0054】
(データ放送印刷サービスを行なうデジタル放送番組の保存)
図9は図8で説明した印刷サービスを行なう番組連動データ放送を伴うデジタル放送番組の録画を行う際に、デジタルテレビ101のシステム制御部211が実行する制御動作を示すフローチャートである。
【0055】
図9において、システム制御部211は番組を録画するためのユーザ操作入力を受け付
け(S901)、ユーザ操作によって指定された番組の映像データと映像データに対応するデータ放送データの蓄積を開始する(S902)。なお、通常の番組録画では映像データとともに音声データも記録するのが一般的であるが、ここでは説明を簡略化するため、映像データとだけ表記する。もちろん、発明として音声データを映像データと共に録画する装置や方法を除外するものではない。映像データとデータ放送データの蓄積においては、まず、図2におけるデータ分離部で分離した当該放送番組の映像データ、データ放送データを蓄積用のTSに変換する。続いて変換したTSをIEEE1394インタフェース制御部104を通じて録画機102へ送信して蓄積する。
【0056】
番組の映像データ及びデータ放送データの記録中に、システム制御部211は蓄積するデータ放送データのモジュールの監視を行なう(S903)。システム制御部211は新しいモジュールに変化したか否かを検出するために、常時モジュールの固有情報をチェックする。そして、新しいモジュールを検出した場合(S904)には、システム制御部211は、タイマー部215から当該番組の放送開始からの経過時間を示す時間情報を取得する(S905)。この経過時間を示す時間情報は、番組のどの時点でモジュールが変化したかを示すものであり、結果として、記録する映像データにおける、各モジュールに対応する区間映像を特定することに用いることができる。
【0057】
そして、システム制御部211は当該番組の映像データを特定するための参照情報と、取得した経過時間を示す時間情報とを関連付けて、管理情報である印刷コンテンツ管理テーブルに記憶させる(S906)。なお、印刷コンテンツ管理テーブルは録画機102の記憶部(不図示)に存在しているものとして説明を行うが、デジタルテレビ101内のメモリ部214に記憶するように構成しても良い。
【0058】
続いて、システム制御部211はステップ904で検出した新しいモジュールの解析を行う(S907)。そして、このモジュールに含まれるBMLデータにデータ放送印刷実行関数が含まれているか否かを判定する(S908)。つまり、ステップS908は検出したモジュールに対応する印刷コンテンツが存在するか否かを判定するものである。ステップS908でデータ放送印刷実行関数が存在していると判定した場合は、印刷コンテンツ管理テーブルに記憶した時間情報に関連付けて印刷コンテンツを特定するための情報を記憶させる(S909)。この印刷コンテンツを特定するための情報は、データ放送データの一部として録画機102に記録されている印刷コンテンツのファイル名やファイルの保存パス(URI)などに代表される一意性のある識別情報が好適である。本実施例ではファイル名を印刷コンテンツを特定するための情報としている。
【0059】
なお、本実施例では、検出したモジュールに印刷コンテンツが含まれていない場合でも、ステップS906で印刷コンテンツ管理テーブルに情報を記録する。しかし、印刷コンテンツが含まれていない場合には、必ずしも印刷コンテンツ管理テーブルに情報を記録しなくて良い。本発明は、印刷コンテンツを含むモジュールを検出した場合、そのモジュールの検出タイミングに相当する経過時間と関連付けて印刷コンテンツを管理することが特徴の一つである。なお、本実施例では新しいモジュールを検出したタイミングを特定するための時間情報として、蓄積番組の放送開始からの経過時間を用いたが、本発明はこれに限らず、検出した際の実際の時刻情報を用いても良い。
【0060】
図10に、印刷コンテンツ管理テーブルの構成を模式的に示す。印刷コンテンツ管理テーブルは、記録された番組のデータ放送データのモジュールごとに上述した各種の情報を管理する。つまり、記録した番組を特定するための参照情報(例えば、番組タイトル)に関連付けて、各番組に関連するデータ放送のモジュールの経過時間情報とそのモジュールに含まれる印刷コンテンツを特定するための情報を記憶する。なお、ここで挙げた情報以外にも必要な情報があれば印刷コンテンツ管理テーブルに記憶することは可能である。
【0061】
(印刷コンテンツリストの表示)
次に録画機102に保存されたデジタル放送番組に付随する印刷コンテンツを一覧表示可能な印刷コンテンツリストの表示について説明する。図11は、システム制御部211が印刷コンテンツリストの表示と、表示した印刷コンテンツリストを用いた印刷指示や映像再生を実行する場合のフローチャートである。
【0062】
図11のフローチャートは、ユーザ操作によって記録された番組に関連するデータ放送に含まれる印刷コンテンツの一覧表示を指示されたときに起動されるものである。システム制御部211は初めに印刷コンテンツ管理テーブルを参照し(S921)、印刷コンテンツリストを表示し(S922)、ユーザ操作を待つ。ユーザがステップS923で印刷コンテンツを選択せず、終了操作を行うと(S924)、処理を終了する。
【0063】
図12は、印刷コンテンツリスト841の画面表示例である。図中には、蓄積済みの印刷コンテンツを示す3つのアイコン842,843,844が表示されている。これらアイコンは、それぞれ、各印刷コンテンツに対応付けられて表示されるものである。つまり、このアイコンは印刷コンテンツ管理テーブルに記憶した印刷コンテンツを特定する情報とリンクしている。また、文字情報として、各印刷コンテンツに対応する番組に関する番組情報が表示される。表示される番組情報は、録画機102に番組を記録した場合に、放送波に含まれるSI(Service Information)から取得し、記憶しておいた情報である。
SIには、番組タイトルなどの情報の他、放送日時や放送チャンネル、番組説明、出演者などの情報が含まれている。図12に示した例では、放送日時情報と放送チャンネル情報、番組タイトル情報を表示している。さらに、該当する印刷コンテンツを含んだモジュールが放送されていた時刻を示すデータ放送時刻情報と、印刷コンテンツの取得元(ソース)を示す情報も併せて表示している。
【0064】
カーソル表示846はリモコンの上下の方向ボタン308、310をユーザが操作することによって上下に移動する。なお、アイコン842の上や、アイコン844の下にも選択可能な印刷コンテンツが存在することをスクロールバー845の表示で示している。それらの見えていないアイコンを選択する場合、リスト全体がスクロールするようにカーソル移動を行えば良い。ユーザは、目的とする印刷コンテンツを示すアイコンにカーソル表示を置いてリモコンの決定ボタン311を押下することにより、印刷コンテンツを選択することができる。
【0065】
ユーザが表示された印刷コンテンツリストに掲載された印刷コンテンツの一つを選択する操作入力を行うと(S923)、システム制御部211は、図13に示す選択画面を表示し(S925)さらに待機する。選択画面の内容は、選択した印刷コンテンツをすぐに印刷するか、印刷コンテンツを含むモジュールに対応する映像シーン(区間映像)を再生するか、をユーザが指定するものである。
【0066】
図13は、選択画面の画面表示例である。選択画面851は印刷コンテンツリスト841に重ねて表示される。また、選択された印刷コンテンツの印刷を指示するボタン852と、選択された印刷コンテンツを含んだモジュールが放送されたタイミングの区間映像の再生を指示するためのボタン853を有する。なお、ユーザの選択候補を表示するカーソル表示854も表示されている。カーソル表示854はリモコンの左右の方向ボタン307、309の操作によって左右に移動する。ユーザは、ボタン852、853のうち、希望する動作を示すボタンにカーソルを合わせてリモコンの決定ボタン311を押下することにより、選択の指示入力を行なうことができる。
【0067】
ユーザが印刷を選択した場合には(S926)、システム制御部211は、アイコンに
リンクされた印刷コンテンツを印刷コンテンツ管理テーブルに管理された、印刷コンテンツを特定するための情報を用いて特定する(S927)。そして、特定された印刷コンテンツの情報から、録画機102に蓄積されたデータ放送データに含まれる印刷コンテンツ(XHTMLファイルまたはURI)を用いて、印刷コンテンツの印刷処理を実行する(S928)。なお、印刷コンテンツの印刷処理は、取得した印刷コンテンツの情報をネットワークプリンタ103に伝送することで実現できる。印刷処理の詳細は非特許文献として提示した文献に記載されているものなので、説明を省略する。
【0068】
一方ユーザが区間映像の再生を選択した場合、システム制御部211は、アイコンにリンクされた印刷コンテンツを、印刷コンテンツ管理テーブルに管理された情報から特定する(S929)。そして、ユーザが選択した印刷コンテンツに関連付けられた番組を特定するための情報と、その印刷コンテンツが提供されるデータ放送のモジュールの経過時間情報とを取得し(S930)、当該経過時間に対応する映像シーンから映像の再生を開始する(S931)。録画された映像の特定のシーンから再生を開始する方法は、録画映像の再生技術分野において公知であるので説明を省略する。
【0069】
録画番組の再生において、システム制御部211は、受信番組の視聴中と同様に動作する。即ち、ユーザによってデータ放送の起動などの操作が行われた場合、システム制御部211は、再生中のデジタル放送番組に対するデータ放送の起動や、データ放送番組に対する操作を実行する。従って、ユーザの指示に従って区間映像の再生を開始した後に、ユーザの操作により、当該区間映像に対応するモジュールに含まれる印刷コンテンツの印刷指示が行われた場合(S932でYes)、該当する印刷コンテンツの印刷処理を実行する(S933)。また、ユーザ操作により番組再生の終了が指示された場合(S934)または録画された放送番組の最後まで再生された場合(S935)、処理を終了する。
【0070】
(番組データの配信方法が異なる構成例)
以上の実施例の説明においては、番組データの配信は放送によって行なわれることを前提として説明したが、これに限定されるものではなく、通信によって配信される番組に適用することも可能である。例えば、デジタル放送のTS信号を通信ネットワークにより配信する場合、チューナ部201に代えて通信ネットワーク向けの受信部を用いることにより、本実施例と同様の動作を行い、同様の効果を得ることができる。
【0071】
また、ケーブルテレビにおけるビデオオンデマンド(VOD)方式の放送サービスや、通信ネットワークにおけるVODサービスにおいて印刷サービスを伴う番組においても、本実地例のような制御を行なうことができる。すなわち、番組データに適応した解析を行なって、印刷コンテンツの取得を行い、印刷サービスを行なう番組内の特定箇所を示す情報と共に印刷コンテンツ管理テーブルとして保持する。これによって、本実施例と同様の動作を行なうことが可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0072】
(放送受信装置の異なる構成例)
以上の実施例の説明においては、図1と図2で示したようにデジタルテレビがチューナ及び表示部を備え、外部の録画機と通信してコンテンツ保存を行うこととしたが、これに限定されるものではない。例えば、チューナと記憶装置を備える放送受信装置が上記の制御を実行することが可能である。また、放送受信が可能であってシステム制御部に相当する機能を備えた録画機であれば、録画機単独で上記の制御を実行することも可能である。
【0073】
<実施例2>
本実施例は、録画機102に保存された印刷サービスを行なう番組連動データ放送を伴うデジタル放送番組の再生において、実施例1とは異なるユーザインタフェースを提供するものである。以下、実施例1と同じ部分については同一の番号を付して説明を省略し、
実施例1と異なる点についてのみ説明する。
【0074】
図14は、データ放送番組の再生を行う際にシステム制御部211が実行する制御動作を示すフローチャートである。以下これを用いて、録画機102に保存された印刷サービスを行なう番組連動データ放送を伴うデジタル放送番組の再生について説明する。
【0075】
前提として、印刷サービスを行なう番組連動データ放送を伴うデジタル放送番組が蓄積され、印刷コンテンツを含むデータ放送データと印刷コンテンツ管理テーブルが格納されているものとする。そして、本フローチャートでは、システム制御部211が録画された録画番組リストを表示する。同時に、当該録画番組リストから任意の録画番組を選択した後、当該録画番組に対応する印刷コンテンツの印刷指示や、区間映像の再生を指示することが可能なユーザインタフェースを表示する。システム制御部211は初めに不図示の録画番組管理テーブルを参照する印刷コンテンツ管理テーブルを参照する。この録画番組管理テーブルは、録画機102に録画された番組の番組タイトルや放送日時、放送チャンネル、番組内容などの番組に付随する情報を管理するテーブルである。この録画番組管理テーブルに管理された録画番組の情報を用いて、録画番組リストを表示する(S941)。録画番組リストは、録画機102に録画された番組を一覧で表示する画面である。本発明においては録画番組リストの形態はどのようなものであっても良いので、図示及び説明は省略する。
【0076】
ユーザは、表示された録画番組リストから、所望の録画番組を指定し、選択行為を行う。録画番組が選択されると、図15に例示した録画番組の詳細画面が表示される(S942)。録画番組の詳細画面は、印刷コンテンツ管理テーブルの情報と録画番組管理テーブルの情報とを用いてシステム制御部211が生成するものである。その際システム制御部211は、ユーザが選択した録画番組の情報を録画番組管理テーブルで特定するとともに、当該録画番組の情報を用いて、印刷コンテンツ管理テーブルを照会して印刷コンテンツ管理テーブルの情報を得る。
【0077】
図15は録画番組詳細画面の表示例であり、映像表示部208に表示されるものである。録画番組詳細画面は、ユーザによって選択された番組の放送された日時、チャンネル、番組タイトルなどを含む番組関連情報表示領域862とこの番組に対応するデータ放送の構成表示領域863を表示する。データ放送の構成とは、データ放送を構成する各モジュールに相当するものである。構成表示領域863には、データ放送データの更新、つまりモジュールの変化によって区切られる区間を時間軸方向に表示しており、1つの区間が1モジュールに対応する。図に例示された番組においては、14:00の番組開始時と、15:00と、16:00にデータ放送データが更新されていることが分かる。言い換えると、この番組に対応するデータ放送は14:00〜15:00(864)、15:00〜16:00(865)、16:00〜16:30(866)の各モジュールから構成されている。そして、14:00から16:30の番組は3つの区間映像に分割されることになる。こうした時間の推移の表示は印刷コンテンツ管理テーブルに記録された経過時間情報に基づいて生成される。なお、ここで時刻が14:00などと表示されているのは番組が放送された当時の時刻を表しているに過ぎない。これに代えて、番組開始時を例えば0:00と表記し、以下経過時間に基づいて時刻表示をするようにしても良い。
【0078】
また、各モジュールに含まれる印刷コンテンツがある場合には、印刷コンテンツの存在をアイコン867で表示している。ここでアイコン867に付いている地球儀のマークは、インターネット上のコンテンツであることを示すものである。
【0079】
図14のフローチャートに戻り説明を行う。録画番組詳細画面に対して、番組の通常再生指示をユーザの操作により入力されると、(S943で通常再生が指示された場合に相
当)、システム制御部211は、録画番組管理テーブルを参照する(S944)。そして録画番組を映像データの先頭から再生する(S945)。通常再生とは、番組の映像データの先頭から再生することを意味する。なお、番組の通常再生指示は、録画番組詳細画面に表示された再生ボタン(不図示)をユーザがリモコンで選択して決定操作を行うことで実行される。
【0080】
なお、S946からS949の各ステップについては、実施例1の図11で示したフローチャートのS932からS935と内容が同一であるため説明を省略する。なお、印刷コンテンツが存在しないモジュールに対応する区間の映像を再生中においては、印刷を指示する操作が行えないことは言うまでもない。
【0081】
録画番組詳細画面に対して区間映像の再生指示がユーザの操作により入力されると(S943で区間映像の再生が指示された場合に相当)、システム制御部211は印刷コンテンツ管理テーブルを参照する(S950)。その後のステップであるS951とS952は実施例1の図11に示したステップS930及びS931と同様の処理を実行するものであるので説明を省略する。
【0082】
図16はステップS943で区間映像の再生を指示する場合の録画番組の詳細画面を示したものである。カーソル869が15:00〜16:00に対応するモジュールを選択している状態を示している。これは、結果として、ユーザが15:00〜16:00の区間映像を選択している状態に等しい。この状態で、ユーザがリモコンの決定ボタン311を押下することで、システム制御部211に対して、当該番組の先頭から1時間経過後からの区間映像を再生するよう、指示が出されることになる。もちろん、ユーザのリモコン操作により、隣接する他の区間映像に相当するモジュールを選択し、再生を指示することが可能である。
【0083】
図14のフローチャートに戻って説明を行う。録画番組詳細画面に対して、印刷コンテンツを指定した印刷指示がユーザ操作により入力されると(S943で印刷が指示された場合に相当)、システム制御部211は印刷コンテンツ管理テーブルを参照する。その後のステップであるS953とS954は実施例1の図11に示したステップS927及びS928と同様の処理を実行するものであるので、説明を省略する。
【0084】
図17はステップS943で印刷コンテンツの印刷を指示する場合の録画番組の詳細画面を示したものである。カーソル870が15:00〜16:00に対応するモジュールに含まれる印刷コンテンツを選択している状態を示している。この状態で、ユーザがリモコンの決定ボタン311を押下することで、システム制御部211に対して、当該印刷コンテンツの印刷を実行するよう、指示が出されることになる。もちろん、ユーザのリモコン操作により、他の印刷コンテンツを選択し、印刷を指示することが可能である。
【0085】
なお、録画番組詳細画面において、図17に示した印刷コンテンツの指定状態と、図16に示した区間映像の選択状態と、図15に示した、印刷コンテンツや区間映像を選択していない状態との切換は、ユーザが操作しやすい方法で実現することができる。例えば、リモコンの上下ボタン308、310を押下することで、これらの画面を自由に遷移可能に構成すれば良い。
【0086】
本実施例によれば、ユーザは番組の内容に加え、番組の区間映像の状態やデータ放送に含まれる印刷コンテンツを容易に確認でき、かつ、簡単な操作でユーザが望む区間映像の再生や、印刷コンテンツの印刷を容易に実行することが可能となる。
【0087】
<実施例3>
本実施例は、デジタル放送番組の録画時に、上記実施例1および2とは異なる方法でデータ放送データを解析するものである。以下、実施例1と同じ部分については同一の番号を付して説明を省略し、実施例1と異なる部分についてのみ説明する。
【0088】
図18は、番組関連情報の印刷サービスを含むデータ放送を伴うデジタル放送テレビ番組のデータ構造を模式的に表したものである。図中の番組1は、図8で説明したものと同様、映像と音声による放送番組と、データ放送による印刷サービスを提供するものである。実施例1とは、番組の冒頭に配信されるデータ放送(モジュール1)の構成が異なっている。また、番組開始後にイベントメッセージ881が送出される点も実施例1と異なる。イベントメッセージとは、放送局が放送データに多重して送信するコマンドであり、放送局の主導でデータ放送の画面の切り替えなどの動作(イベント)を行うために用いられるものである。例えば、デジタル放送の視聴中に、ユーザが何ら操作することなく、自動的にデータ放送画面を表示するような場合に利用される。なお、イベントメッセージは、受信機がイベントメッセージを受信したタイミングで即座に動作を行わせることはもちろん、イベントメッセージの受信後、指定した時刻に動作を行わせることが可能である。本実施例では、イベントメッセージによる表示指示の実行をトリガとして指定されたデータ放送画面の描画を実行する想定で記載する。
【0089】
図19に、モジュール1で使用するBML10を示す。このBML10は、データ放送用のBMLブラウザを用いて画面全体にテレビ番組の映像を表示するように記述されている。また、図20Aと図20Bに示すBML11には、印刷ドキュメント4の提供サービスを行なうデータ放送データが記述されている。
【0090】
ここで、番組1のTSに含まれる番組情報には、番組視聴開始時にはBML10に従ったデータ放送サービスを実行するように指定されている。言い換えると、14:00〜14:10までの間は、BML10の記述に従って画面全体にテレビ番組映像が表示される。
【0091】
そして、時刻14:10にイベントメッセージ881が送出される。システム制御部211は、受信したイベントメッセージによる所定のデータ放送画面の表示指示が実行されたか否かを検出する。イベントメッセージ881が行う表示指示は、データ放送データに含まれた所定のBMLを用いたデータ放送画面を表示するための指示である。このイベントメッセージによる表示指示が実行されると、データ放送ブラウズ制御部217は表示指示されたBMLを描画する。本実施例では、イベントメッセージ881によってBML11を表示するよう指示されたものとする。
【0092】
図21は、図18で説明した印刷サービスを行う番組連動データ放送を伴うデジタル放送番組の録画を行う際に、システム制御部211が実行する制御動作を示すフローチャートである。なお、図9のフローチャートと同じステップ番号が付されたステップでは、実施例1と同様の処理を行うため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0093】
図21において、システム制御部211は、番組を録画するユーザ操作入力を受け付け(S901)、番組の映像データおよびデータ放送データを録画機102に記録する(S902)。さらにこれらのデータの記録中、新しいモジュールに変化したか否かを監視する(S903)。また、本実施例では、システム制御部211は、TSにイベントメッセージが含まれ、さらにそのイベントメッセージによる所定のデータ放送画面の表示指示が実行されたか否かを検出する(S911)。
【0094】
イベントメッセージによる表示指示の実行を検出した場合、システム制御部211は、経過時間を取得する(S905)。続いてシステム制御部211は、映像データの参照情
報と経過時間とを関連付けて印刷コンテンツ管理テーブルに記憶させ(S906)、データ放送データの解析を行う(S907)。この経過時間は、イベントメッセージの表示指示が実行された時点の時間(又は時刻)であり、このイベントメッセージによって表示されるデータ放送画面と同じ時間帯の映像データ、つまり区間映像を特定するために利用される。
【0095】
続いて、システム制御部211は、解析したデータ放送データに含まれるBML11にデータ放送印刷実行関数が含まれているか、すなわち、データ放送データに対応する印刷コンテンツの有無を判定する(S908)。データ放送印刷実行関数が存在していると判定した場合、印刷コンテンツを特定するための情報を印刷コンテンツ管理テーブルに記憶した時間情報に関連付けて記憶させる(S909)。
【0096】
ステップS911でイベントメッセージを検出しなかった場合であっても、データ放送データの新しいモジュールを検出した場合(S904)、ステップS905〜S910の処理を行う。
【0097】
図22に、以上の処理により作成された印刷コンテンツ管理テーブルを示す。図によると、本実施例のモジュール1に対応する番組1の開始から01:00:00までの部分は、イベントメッセージが送出された00:10:00を区切りとする2つの区間映像として管理されていることが示されている。そして、00:10:00から01:00:00の区間映像ではXHTML1による印刷サービスが行なわれることが分かる。
【0098】
図23は、実施例3における録画番組の詳細画面の例を示したものである。録画番組の詳細画面は、図22に示した印刷コンテンツ管理テーブルの情報に基づいて、システム制御部211が生成するものである。ここではカーソル891が、印刷コンテンツが存在する14:10〜15:00の区間映像892を選択している状態を示している。この状態で、ユーザがリモコンの決定ボタン311を押下することで、システム制御部211に対して、当該番組が開始して10分経過後からの区間映像を再生するよう、指示が出されることになる。また、ユーザはリモコンの左右ボタン307,309の操作によって隣接する区間映像を選択することも可能である。
【0099】
本実施例においては、データ放送データのモジュールが新しいものになったタイミングだけでなく、イベントメッセージによるデータ放送のサービス内容の変更も考慮した上で印刷コンテンツ管理テーブルを作成できる。これにより、番組の内容と印刷サービスの提供の関係において、イベントメッセージを利用したより高度な連携が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明のシステム全体のブロック図。
【図2】本発明のデジタルテレビのブロック図。
【図3】本発明で使用するリモコン。
【図4A】実施例1のBML文書。
【図4B】図4AのBML文書の続きに相当するBML文書。
【図4C】図4BのBML文書の続きに相当するBML文書。
【図5】実施例1のデータ放送番組の表示画面。
【図6】実施例1のプッシュ式直接印刷のフローと処理シーケンス。
【図7】実施例1のプル式間接印刷のフローと処理シーケンス。
【図8】実施例1の放送番組データのデータ構成。
【図9】実施例1の録画動作のフローチャート。
【図10】実施例1の印刷コンテンツ管理テーブルの構成。
【図11】実施例1の印刷コンテンツリストの表示と印刷指示、映像再生のフローチャート。
【図12】実施例1の印刷コンテンツリストの画面表示。
【図13】実施例1の選択画面の画面表示。
【図14】実施例2の録画番組再生と印刷指示のフローチャート。
【図15】実施例2の録画番組詳細画面の表示。
【図16】実施例2の区間映像再生時の録画番組の詳細画面の表示。
【図17】実施例2の印刷コンテンツ印刷時の録画番組の詳細画面の表示。
【図18】実施例3の放送番組データのデータ構成。
【図19】実施例3の番組開始当初のBML文書。
【図20A】実施例3のデータ放送データに関するBML文書。
【図20B】図20AのBML文書の続きに相当するBML文書。
【図21】実施例3の録画動作のフローチャート。
【図22】実施例3の印刷コンテンツ管理テーブルの構成。
【図23】実施例3の録画番組の詳細画面の表示。
【符号の説明】
【0101】
101 デジタルテレビ
102 録画機
103 ネットワークプリンタ
201 チューナ部
206 表示制御部
208 映像表示部
219 印刷制御部
220 通信制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷コンテンツを含むデータ放送番組を受信する放送受信装置及び放送受信装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送における番組連動データ放送番組サービスの一つとしてデータ放送番組による印刷サービスが実施されている。デジタルテレビに接続されたプリンタにデータ放送番組を通じて印刷データを送り、番組に連動して、番組内容に関連する情報や、番組視聴をと同時に参照するコンテンツなどを印刷させることができる。
【0003】
こうした印刷サービスに関するデジタルテレビの放送規格や運用規定は、社団法人電波産業会により策定および提供されている。放送規格は、社団法人電波産業会標準規格「デジタル放送におけるデータ放送符号化方式と伝送方式」(ARIB STD−B24 4.4版)(非特許文献1)に記載されている。また運用規定は、社団法人電波産業会技術資料「地上デジタルテレビジョン放送運用規定」(ARIB TR−B14 2.7版)(非特許文献2)に記載されている。これらの規定に基づいてデジタルテレビが実施できる印刷サービスは、次の3形態に分類される。
【0004】
印刷形態(1):デジタルテレビがデータ放送番組に含まれる印刷データを取得し、プリンタに印刷を要求する。
印刷形態(2):デジタルテレビが表示中のデータ放送番組の画面をキャプチャし、プリンタに印刷を要求する。
印刷形態(3):デジタルテレビがデータ放送番組で示されたインターネット上のコンテンツを指定して、プリンタに印刷を要求する。
【0005】
印刷形態(1)は、非特許文献1、非特許文献2にて規定される拡張関数DOM(Document Object Model)−API(Application Program Interface)で実現される。例えば、printFile()やprintTemplate()等がある。ここでprintFile()は、デジタルテレビが放送波を受信、復調することで得られるトランスポートストリーム(TS)から印刷データ(printFile印刷データ)を取得し、プリンタに転送して印刷要求を行なうものである。
【0006】
前記印刷形態(2)は、非特許文献1、非特許文献2にて規定される拡張関数DOM−APIであるprintStaticScreen()により実現される。
【0007】
前記印刷形態(3)は、非特許文献1、非特許文献2にて規定される拡張関数DOM−APIであるprintUri()により実現される。 printUri()は、その引数によって指定されるURI(Uniform Resource Indicator)が示す印刷データ(printUri印刷データ)をプリンタに取得させ、印刷要求を行なうものである。
【0008】
ユーザがこのような印刷サービスを利用する場合、放送番組の視聴時に印刷サービスを実施して印刷コンテンツを入手して利用する方法と、放送番組が提供する印刷コンテンツを蓄積し、後日印刷して利用する方法とがある。印刷コンテンツを蓄積して後日利用する方法は、例えば特開2005−210408号公報(特許文献1)に記載されている。この特許文献1による方法によれば、ユーザはデータ放送による印刷コンテンツを映像デー
タと関連付けて保存することができ、受信機は保存した映像データをユーザに選択肢として表示する。そこでユーザは映像データを参照しながら印刷コンテンツを選択することにより、選択した画面表示に関連付けられた印刷コンテンツを印刷することができる。これにより、蓄積された印刷コンテンツを選択する際、映像データから番組の内容を思い出したり、番組で表示された印刷条件を参照したりできるなど、優れた特徴を備えるものである。
【0009】
こうした印刷サービスを提供するデジタル放送番組が発展し、番組制作技術の向上が進むに伴い、印刷コンテンツと放送番組の内容の関連性が重要となってゆく。即ち、単に印刷コンテンツをユーザに提供するものではなく、番組の内容と印刷コンテンツの参照を対応付け、一体のサービスとして提供する状況となる。
【特許文献1】特開2005−210408号公報
【非特許文献1】社団法人電波産業会標準規格「デジタル放送におけるデータ放送符号化方式と伝送方式」(ARIB STD−B24 4.4版)
【非特許文献2】社団法人電波産業会技術資料「地上デジタルテレビジョン放送運用規定」(ARIB TR−B14 2.7版)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のように、番組の内容と印刷コンテンツの対応が重要であるにもかかわらず、従来、ユーザが蓄積した番組の印刷サービスを利用する際には、印刷サービスを提供する箇所を探すために、番組を再生して順に視聴する必要があった。そのため、例えば目的の印刷サービスが番組の終了近くで提供される場合、番組のほとんど全部を視聴する必要があった。また、特許文献1の技術は、ユーザが印刷コンテンツを印刷するにあたり、印刷操作を行った際の映像画面のキャプチャ画像を関連付けて保存し、後に保存した印刷の履歴情報を読み出した際に、関連付けたキャプチャ画像を表示するものである。つまり、記録した映像データの任意の映像区間に対応する印刷コンテンツを把握するためには利用できない。以上の説明からもわかるように、映像データの任意の映像区間に印刷コンテンツを含むデータ放送が関連付けられて放送されているような番組を記録した場合に課題が生じていた。すなわち、ユーザが印刷サービスを利用したり、当該印刷サービスと対応する部分の視聴を開始したりするためには、面倒な操作と多くの時間が必要になるという課題である。
【0011】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、以下のような放送受信装置及び放送受信装置の制御方法を提供することである。すなわち、記録した番組に対応するデータ放送に含まれる印刷コンテンツが、番組の任意の区間に対応して存在している場合であっても、印刷コンテンツの存在とその印刷コンテンツに対応する区間映像に関する情報を提示する放送受信装置とその制御方法である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の第一の発明では以下の構成を採用する。すなわち、
放送データに多重されたデータ放送データを映像データとともに受信する放送受信装置であって、
受信した映像データ及びデータ放送データを記録部に記録する記録手段と、
前記記録部に記録するデータ放送データを構成するモジュール毎に付与された固有情報の変化を検出する検出手段と、
前記映像データ及び前記データ放送データを記録中に、前記検出手段で新しいモジュールを検出した場合に、当該モジュールに対応する印刷コンテンツが存在するか否かを当該モジュールに含まれるファイルデータを用いて判定する判定手段と、
前記判定手段により、当該モジュールに対応する印刷コンテンツが存在すると判定された場合、当該印刷コンテンツを特定するための情報と、当該印刷コンテンツを含むモジュールを特定するための情報と、当該モジュールが放送されていた時間帯に放送されていた前記映像データの区間映像を特定するための時間情報とを関連付けた管理情報を記憶部に記憶させる管理手段と、
前記管理手段で管理された管理情報を用いて、印刷コンテンツを特定するための情報と、前記区間映像を示す情報とを夫々表示するとともに、表示された印刷コンテンツを特定するための情報を用いて、印刷を実行する印刷コンテンツを選択可能な表示画面を生成する生成手段と、
を有することを特徴とする放送受信装置である。
【0013】
また、本発明の第二の発明では以下の構成を採用する。すなわち、
放送データに多重されたデータ放送データを映像データとともに受信する放送受信装置であって、
受信した映像データ及びデータ放送データを記録部に記録する記録手段と、
記録中のデータ放送データに対応し、当該データ放送データを用いたデータ放送画面の表示指示を実行するイベントメッセージによって、所定のデータ放送画面の表示指示が実行されたことを検出する検出手段と、
前記検出手段で表示指示を検出した後、表示を指示されたデータ放送画面を生成するためのファイルデータを用いて、当該データ放送データに対応する印刷コンテンツが存在するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、当該データ放送データに対応する印刷コンテンツが存在すると判定された場合、当該印刷コンテンツを特定するための情報と、当該印刷コンテンツを含むデータ放送データを特定するための情報と、前記イベントメッセージの表示指示が実行された時点からの前記映像データの区間映像を特定するための時間情報を関連付けた管理情報を記憶部に記憶させる管理手段と、
前記管理手段で管理された管理情報を用いて、印刷コンテンツを特定するための情報と、前記区間映像を示す情報とを夫々表示するとともに、表示された印刷コンテンツを特定するための情報を用いて、印刷を実行する印刷コンテンツをユーザが選択可能な表示画面を生成する生成手段と、
を有することを特徴とする放送受信装置である。
【0014】
また、本発明の第三の発明では以下の構成を採用する。すなわち、
放送データに多重されたデータ放送データを映像データとともに受信する放送受信装置の制御方法であって、
受信した映像データ及びデータ放送データを記録部に記録する記録ステップと、
前記記録部に記録するデータ放送データを構成するモジュール毎に付与された固有情報の変化を検出する検出ステップと、
前記映像データ及び前記データ放送データを記録中に、前記検出ステップで新しいモジュールを検出した場合に、当該モジュールに対応する印刷コンテンツが存在するか否かを当該モジュールに含まれるファイルデータを用いて判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより、当該モジュールに対応する印刷コンテンツが存在すると判定された場合、当該印刷コンテンツを特定するための情報と、当該印刷コンテンツを含むモジュールを特定するための情報と、当該モジュールが放送されていた時間帯に放送されていた前記映像データの区間映像を特定するための時間情報とを関連付けた管理情報を記憶部に記憶させる管理ステップと、
前記管理ステップで管理された管理情報を用いて、印刷コンテンツを特定するための情報と、前記区間映像を示す情報とを夫々表示するとともに、表示された印刷コンテンツを特定するための情報を用いて、印刷を実行する印刷コンテンツを選択可能な表示画面を生成する生成ステップと、
を有することを特徴とする放送受信装置の制御方法である。
【0015】
また、本発明の第四の発明では以下の構成を採用する。すなわち、
放送データに多重されたデータ放送データを映像データとともに受信する放送受信装置の制御方法であって、
受信した映像データ及びデータ放送データを記録部に記録する記録ステップと、
記録中のデータ放送データに対応し、当該データ放送データを用いたデータ放送画面の表示指示を実行するイベントメッセージによって、所定のデータ放送画面の表示指示が実行されたことを検出する検出ステップと、
前記検出ステップで表示指示を検出した後、表示を指示されたデータ放送画面を生成するためのファイルデータを用いて、当該データ放送データに対応する印刷コンテンツが存在するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより、当該データ放送データに対応する印刷コンテンツが存在すると判定された場合、当該印刷コンテンツを特定するための情報と、当該印刷コンテンツを含むデータ放送データを特定するための情報と、前記イベントメッセージの表示指示が実行された時点からの前記映像データの区間映像を特定するための時間情報を関連付けた管理情報を記憶部に記憶させる管理ステップと、
前記管理ステップで管理された管理情報を用いて、印刷コンテンツを特定するための情報と、前記区間映像を示す情報とを夫々表示するとともに、表示された印刷コンテンツを特定するための情報を用いて、印刷を実行する印刷コンテンツをユーザが選択可能な表示画面を生成する生成ステップと、
を有することを特徴とする放送受信装置の制御方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、記録した番組に対応するデータ放送に含まれる印刷コンテンツが、番組の任意の区間に対応して存在している場合であっても、印刷コンテンツの存在とその印刷コンテンツに対応する区間映像に関する情報をユーザに提示することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
<実施例1>
(データ放送番組印刷のシステム)
図1は、システム全体の構成を示すブロック図である。デジタルテレビ101は、放送局111が送信アンテナ112から送信する番組の放送電波を受信アンテナ107経由で受信し、映像と音声による放送番組と番組連動データ放送番組をユーザに提供する。ユーザはリモコン108を通じてデジタルテレビ101を操作し、番組視聴やデータ放送番組の印刷サービスの利用を行う。録画機102は、IEEE1394インタフェース制御部104を通じてデジタルテレビ101が受信した放送番組を蓄積する記録部として機能する。
【0018】
印刷装置103はネットワークプリンタであり、ネットワーク105を介してデジタルテレビ101及び録画機102とお互いに通信可能に接続されている。また、このネットワークにつながった各機器はブロードバンドルータ106を介してインターネット109へ接続が可能であり、インターネット上にあるWEBサーバ110上のコンテンツデータをブラウジング、またはダウンロードすることが可能である。
【0019】
(デジタルテレビの構成と動作)
図2はデジタルテレビ101の内部構成及び外部接続を示すブロック図である。デジタルテレビ101は、テレビの基本機能としてデジタルテレビ放送の選局処理機能を有している。またデジタルテレビ101は拡張機能として、社団法人電波産業会(ARIB)による標準規格STD−B24「デジタル放送におけるデータ放送符号化方式と伝送方式」
にて規定されるデータ放送番組のブラウズ機能と印刷機能を有している。
【0020】
(デジタルテレビの選局処理機能)
先ず、デジタルテレビ101の選局処理機能について説明する。選局処理機能とは、ユーザがリモコン108でチャンネル選択した時に、デジタルテレビ101がアンテナ107とチューナ部201を経由して放送信号を受信し、映像や番組情報を映像表示部208に表示、音声を音声出力部209から出力する機能である。
【0021】
以下に、デジタルテレビ101が選局処理を行なう際の内部動作について説明する。
【0022】
システム制御部211は、受光部212を介してユーザによるリモコン108の操作情報を受信し、ユーザ所望のチャンネルを判定し、選局制御部213に選局を要求する。選局制御部213は、選局要求に基づきチューナ部201、データ分離部202による選局制御を開始する。
【0023】
まず、チューナ部201は、入力された放送信号に対し復調、誤り訂正等の処理を行ない、トランスポートストリーム(TS)を形成する。さらにデスクランブル部210においてスクランブルの解除を行った後、データ分離部202に出力する。
【0024】
TSには、複数のチャンネルに関わる映像データ、音声データ、番組情報データ、データ放送データ、及び現在時刻情報等が多重記録されている。番組情報は、番組名、番組内容説明、放送チャンネル、放送時間情報(開始時刻と継続時間)、番組ジャンル情報等を含む。時刻情報は、年月日、時分秒情報を含む。データ放送データはISO/IEC13818−6やARIBよる標準規格STD−B24等にて規定、記述されているDSM−CCのデータカルーセル方式により放送局から繰り返し送出される。
【0025】
データ分離部202は、TSからユーザ所望のチャンネルに関わる映像データ、音声データ、番組情報データ、データ放送データ、及び現在時刻情報の分離を行なう。データ分離部202で分離した映像データは、映像デコード部203に出力され、映像復号化処理を施される。また音声データは音声デコード部204へ出力され、復号化処理を施された後、音声制御部207に出力される。番組情報データ、データ放送データは、メモリ部214に蓄積される。現在時刻情報は、システムバス222を介し、タイマー部215に出力される。タイマー部215は、時刻情報のカウントを行なう。
【0026】
映像デコード部203で復号した映像データは、表示合成部205を介し、表示制御部206に出力される。表示制御部206は、映像データを映像表示部208の表示解像度、表示色数、リフレッシュレートに適した表示データ、タイミングに変換して、映像表示を行なう。表示合成部205は、映像デコード部203で復号した映像データとグラフィック生成部218が生成するグラフィックデータを合成する。音声制御部207は、音声データのボリュームレベル等を変更する。
【0027】
選局制御部213は、上述の選局処理動作が正常に完了すると、選局したチャンネル情報をメモリ部214に蓄積する。
【0028】
図3にリモコン108の詳細を示す。リモコンは電源キー301、1から12までの選局キー302、チャンネルup/downキー303、音量のup/downキー304を有する。また番組表キー305、データ放送番組キー306を備え、それぞれ番組表サービス(EPG)、データ放送サービスを起動することができる。これらのサービス実行中、ユーザは方向キー307〜310によって画面に表示されたカーソルの移動を行い、決定キー311でサービス内容を選択することできる。また、カラーキー312〜315
を備え、それぞれのシーンで定義されたサービスを起動することが可能である。ユーザがこれらのリモコンキーを操作すると、操作内容が赤外線信号によってデジタルテレビ101の受光部212を通じてシステム制御部211へ送信される。
【0029】
(デジタルテレビのデータ放送番組ブラウズ機能)
次にデジタルテレビ101のデータ放送のブラウズ機能、印刷機能について説明する。
データ放送ブラウズ機能とは、データカルーセル方式により放送局から繰り返し送出されるデータ放送データを映像表示部208に表示する機能、音声を音声出力部209から出力する機能である。
【0030】
図4A〜図4Cに、本実施例で用いるデータ放送データの一例を示す。なお図4A〜図4Cは合わせて1つの文書であり、表示の便宜上3つに分割しているに過ぎない。データ放送データには、テキスト情報、表示レイアウト情報、スクリプト情報、静止画像情報、及び音声情報等が含まれている。テキスト情報はBML(Broadcast Markup Language)によって記述されたファイルデータとなっている。BMLとはARIBの標準規格STD−B24で規定された、XML(eXtensible Markup Language)ベースのデータ放送向けのページ記述言語である。表示レイアウト情報にはCSS(カスケーディング・スタイルシート)が、スクリプト情報にはEcmaScriptが用いられる。更に、BML情報の論理的構造や情報へのアクセス及び操作を行なう為の手段として、DOM(Document Object Model)が用いられる。
【0031】
このBMLは、図4A,6行目の<head>から、図4B,最終行の</head>タグに囲まれた部分に、文書の名前を示す<title>要素(図4A,7行目)や、スクリプトの定義を示す<script>要素(図4A,11行目)を含む。更に、本文を示す<body>要素(図4C,1行目から最終行)の中に、画像や映像、音声を示す<object>要素、更に画面上の領域を示す<div>要素、文を示す<p>要素などを含んでいる。各要素にはCSSに従ったスタイル属性が記述されており、表示する際の座標、大きさ、色などの設定がなされている。
【0032】
図5は、図4A〜図4Cに示したBMLデータをデジタルテレビ101の映像表示部208に表示した際の表示画面を示すものである。
【0033】
次に、デジタルテレビ101においてこうしたデータ放送ブラウズを行なう内部の動作について説明する。図2において、システム制御部211は、受光部212を介してユーザによるリモコン108の操作情報を受信する。その操作情報に基づいてデータ放送ブラウズ要求であることを判定すると、データ放送制御部216にデータ放送ブラウズ処理開始を要求する。データ放送制御部216は、メモリ部214に蓄積されたデータ放送データを取得する。ブラウズに必要なデータが蓄積されていない場合、データ放送制御部216は、データ分離部202に対してデータ放送データの取得要求を行なう。データ放送制御部216は、取得したデータ放送データをデータ放送ブラウズ制御部217に送り、ブラウズ処理を要求する。
【0034】
データ放送ブラウズ制御部217は、上記BMLデータと関連する画像等を取得すると、<body>タグのOnload属性(図4C,1行目)に記述されたスクリプト関数を初期スクリプトとして実行する。ここではstart()関数が初期スクリプトとなる。
【0035】
図4B,26行目以降に記述されているstart()関数の中では、先ず、デジタルテレビ101が印刷機能を有しているかを問い合わせる関数が呼び出される。データ放送
ブラウズ制御部217は、組込みAPIとして、getBrowserSupport()という拡張DOM−APIを有している。このAPIは、引数として““ARIB”,“APIGroup”,“Print.Basic””という文字列を受け取ると、“1”又は“0”の値を返す。
【0036】
戻り値“1”は、印刷機能を有していることを示し、“0”は印刷機能を有していないことを示す。本実施例のデジタルテレビ101は印刷機能を有する為、このAPIの戻り値は“1”となる。start()関数の中では、次に、getBrowserSupport()の戻り値に応じて、図5の背景領域401にボタンイメージやテキスト情報を描画するかどうかを決定する。
【0037】
本実施例では戻り値が“1”であるため、データ放送ブラウズ制御部217は、グラフィック生成部218、表示合成部205を介してボタンイメージやテキスト情報の描画を行なう。その動作と同時に、表示合成部205は、映像デコード部203からの動画像との合成処理を行なう。
【0038】
図5において、動画表示領域406には、映像デコード部203によってデコードされた動画像が表示される。その右側のテキスト表示領域405にはこのデータ放送の内容を示す文章がテキストで表示される。ここでは、データ放送のサービスとして印刷コンテンツが印刷できることを説明している。画面下側中央には、印刷サービスを起動するための印刷ボタン403が、画面下側左右には、他のデータ放送ページへ表示を遷移するための前ページボタン402、次ページボタン404が表示されている。
【0039】
図5の画面を表示中、ユーザはリモコンの左右ボタン307、309を操作してカーソル407を移動させ、所望の位置(前ページボタン402、印刷ボタン403、次ページボタン404のいずれか)で決定キーを押す。この操作により、各ボタンに定義された動作が起動される。例えば、印刷ボタン403にカーソル407を置いた状態でリモコンの決定キーを押すことにより、印刷処理を起動することができる。
【0040】
(データ放送表示のユーザ要求処理)
データ放送ブラウズ制御部217は、図5に示した画面を表示中、ユーザ操作により何らかの要求があるまで待機する。ユーザ要求があった場合は要求内容の判定処理を行ない、判定結果に応じた処理に遷移する。即ち、カーソル移動要求であった場合、カーソル移動処理を実行する。また、画面遷移要求であった場合、画面遷移処理を実行する。また、印刷要求であった場合には、印刷機能を有しているか、つまり先に述べたgetBrowserSupport()のAPI戻り値により処理が分岐する。印刷機能を有していない場合は、ユーザ要求受信待ち処理に戻る。印刷機能を有している場合は、次に述べる印刷要求処理を実行する。
【0041】
ユーザ要求による印刷がデータ放送データ内の印刷データを指定した印刷であった場合、組込APIであるprintFile()関数によるプッシュ式直接印刷を行う。プッシュ式直接印刷は、データ放送データとして受信した印刷データをネットワーク経由でネットワークプリンタへ渡し、印刷する印刷方式である。
【0042】
図6はプッシュ式直接印刷によるデジタルテレビ101とネットワークプリンタ103の動作フローと通信を示したものである。printFile()関数が起動されると印刷制御部219は通信制御部220を通じて、ネットワークプリンタ103に対して直接印刷JOB要求の制御信号を出力する(S601)。ネットワークプリンタ103はJOB要求があるまで待機状態にあり(S621)、要求を受信した時に印刷受付が可能であれば、印刷可能レスポンスを返す(S622)。印刷制御部219はレスポンスがあるま
で待機状態にある(S602)。レスポンスを受け取ると、printFile()関数で指定された印刷データをメモリ部214から読み出し、通信制御部220を通じて印刷データをネットワークプリンタ103へ送信する(S603)。ネットワークプリンタ103は印刷データを受信すると(S623)、パース処理、レイアウト処理、レンダリング処理を行い(S624)、プリンタエンジン処理によって印刷を実行する(S625)。受け取ったデータをすべて印刷したら処理を終了する(S626)。
【0043】
一方、ユーザ要求による印刷がインターネット上の印刷データを指定した印刷であった場合、組込APIであるprintUri()関数によるプル式間接印刷を行う。プル式間接印刷は、データ放送データとして受信したURIに基づいて、ネットワークプリンタ103がインターネット上のWWWサーバ110から印刷データを受信して印刷を行う方式である。
【0044】
図7はプル式間接印刷によるデジタルテレビ101、ネットワークプリンタ103とWWWサーバ110の動作フローと通信を示したものである。印刷制御部219は、URI情報を指定してprintUri()関数が起動されると、通信制御部220を通じてネットワークプリンタ103に対してJOB要求を発行する(S701)。ネットワークプリンタ103は、JOB要求を待機しており(S721)、要求を受けた時に印刷受付が可能であれば、印刷可能レスポンスを返す(S722)。印刷制御部219側での処理はレスポンスを確認した時点で終了する(S702)。ネットワークプリンタ103は、受け取ったURIに基づいてWWWサーバに110へアクセスして印刷データを要求する(S723)。続いてネットワークプリンタ103は、WWWサーバ110から送られる印刷データを受信し(S724)、データのパース処理、レイアウト処理、レンダリング処理を行い(S725)、プリンタエンジン処理によって印刷を実行する(S726)。すべてのデータを印刷したら処理を終了する(S727)。
【0045】
なお、ユーザがプッシュ式直接印刷かプル式間接印刷かを明示的に指示することは殆ど無く、一般的には、ブラウザに表示された印刷ボタンを押下する操作に応じて、自動的に印刷が行われる。なお、上述したprintFile()関数及びprintUri()関数は、印刷実行関数と称される。
【0046】
(番組連動データ放送番組による番組関連情報印刷サービス)
図8は番組関連情報の印刷サービスを含むデータ放送を伴うデジタル放送テレビ番組の放送番組データ構成を模式的に表したものである。図の番組1は、図4A〜Cおよび図5で説明したデータ放送番組と同様に、映像と音声による放送番組と、データ放送による印刷サービスを提供するものである。
【0047】
図示するように番組1では、映像ストリームと音声ストリームとがPES(Packetized Elementary Stream)として時間に沿って放送される。また、データ放送データのセクションデータがデータカルーセル方式によって、それぞれの期間、繰り返し放送される。ある時間における1セットのデータ放送データを構成する複数のデータはMIME(Multipurpose Internet Mail Extensions)形式でモジュール1、あるいはモジュール2、モジュール3にまとめられている。つまり、モジュールの1単位がデータ放送データに対応しており、この番組1には、番組の進行に伴って3つのデータ放送データが放送により送信されていることになる。もちろん、1番組に1種類のデータ放送しか存在しない場合は、この番組に対応するデータ放送のモジュールは1つとなる。
【0048】
モジュール1には、番組の開始時刻である14:00の時点で提供されるデータ放送番組内容を定義するBML1が含まれる。さらに、他のデータ放送画面への画面遷移のボタ
ン表示を行うための画像データPNG1とPNG2、GUI画面遷移の操作で遷移する2つの画面を定義するBML4、BML5が含まれる。
【0049】
モジュール2には、15:00から16:00の間に提供されるデータ放送番組内容を定義するBML2、BML6、BML7が含まれる。さらに、画面遷移ボタンの画像データPNG1とPNG2、印刷サービスの起動ボタンの表示を行なうための画像データPNG3、印刷コンテンツであるXHTML2が含まれる。このXHTML2を印刷装置で印刷することで印刷ドキュメント21が得られる。
【0050】
なお、ここでBML2においてPNG3により表示される印刷ボタンで起動される印刷サービスは、印刷コンテンツであるXHTML2をプッシュ式直接印刷するものである。またBML6において同様に起動される印刷サービスは、インターネット上の印刷コンテンツを用いるプル式間接印刷であり、BML6で起動する印刷コンテンツへの参照URI2が指定されているものとする。このURI2で参照される印刷コンテンツを取得し、印刷装置で印刷することで印刷ドキュメント22が得られる。
【0051】
モジュール3には16:00から16:30の間に提供されるデータ放送番組内容を定義するBML3、BML8、BML9が含まれる。さらに、画面遷移および印刷サービス起動のボタン表示を行なうための画像データPNG1、PNG2、PNG3と、プッシュ式直接印刷によって提供される印刷コンテンツXHTML3が含まれる。BML3において、PNG3により表示される印刷ボタンにより起動される印刷サービスの印刷コンテンツがXHTML3に指定されている。このXHTML3を印刷装置で印刷することで印刷ドキュメント3が得られる。
【0052】
番組1では図8で説明した通り、番組の進行に従ってデータ放送データのモジュール1、モジュール2、モジュール3が順次放送される。これらのモジュールに含まれるBML2、BML6、BML3から印刷コンテンツに相当するXHTML2、URI2、XHTML3が存在することが検出されるため、3回にわたって印刷コンテンツを録画機へ転送して保存することになる。なお、URIは印刷コンテンツを特定し、取得するための情報に相当し、XHTMLファイルのような、印刷コンテンツの実体そのものとは異なるが、本発明においては印刷コンテンツを特定し、取得するためのURIも印刷コンテンツであるとして説明を行う。なぜなら、印刷コンテンツを特定するURIを記録するのは、印刷コンテンツの実体ファイルを記録することと等価であるためである。
【0053】
データ放送番組におけるモジュールはDSM−CC(Migital Strage Media Command and Contorl)方式によって伝送される。DSM−CC方式においては、データ本体を格納するDDB(Download Data Block)に加え、モジュールの固有情報を含むDII(Download Information Indicator)が伝送される。モジュールの固有情報としては、モジュールの識別情報や、モジュールのバージョン情報といったモジュール毎に付与された情報がある。受信されるデータ放送データのモジュールの変化は、DIIのモジュールの識別情報および/又はモジュールのバージョン情報の変化を、データ分離部202を通してデータ放送制御部216で監視することによって検出することができる。
【0054】
(データ放送印刷サービスを行なうデジタル放送番組の保存)
図9は図8で説明した印刷サービスを行なう番組連動データ放送を伴うデジタル放送番組の録画を行う際に、デジタルテレビ101のシステム制御部211が実行する制御動作を示すフローチャートである。
【0055】
図9において、システム制御部211は番組を録画するためのユーザ操作入力を受け付
け(S901)、ユーザ操作によって指定された番組の映像データと映像データに対応するデータ放送データの蓄積を開始する(S902)。なお、通常の番組録画では映像データとともに音声データも記録するのが一般的であるが、ここでは説明を簡略化するため、映像データとだけ表記する。もちろん、発明として音声データを映像データと共に録画する装置や方法を除外するものではない。映像データとデータ放送データの蓄積においては、まず、図2におけるデータ分離部で分離した当該放送番組の映像データ、データ放送データを蓄積用のTSに変換する。続いて変換したTSをIEEE1394インタフェース制御部104を通じて録画機102へ送信して蓄積する。
【0056】
番組の映像データ及びデータ放送データの記録中に、システム制御部211は蓄積するデータ放送データのモジュールの監視を行なう(S903)。システム制御部211は新しいモジュールに変化したか否かを検出するために、常時モジュールの固有情報をチェックする。そして、新しいモジュールを検出した場合(S904)には、システム制御部211は、タイマー部215から当該番組の放送開始からの経過時間を示す時間情報を取得する(S905)。この経過時間を示す時間情報は、番組のどの時点でモジュールが変化したかを示すものであり、結果として、記録する映像データにおける、各モジュールに対応する区間映像を特定することに用いることができる。
【0057】
そして、システム制御部211は当該番組の映像データを特定するための参照情報と、取得した経過時間を示す時間情報とを関連付けて、管理情報である印刷コンテンツ管理テーブルに記憶させる(S906)。なお、印刷コンテンツ管理テーブルは録画機102の記憶部(不図示)に存在しているものとして説明を行うが、デジタルテレビ101内のメモリ部214に記憶するように構成しても良い。
【0058】
続いて、システム制御部211はステップ904で検出した新しいモジュールの解析を行う(S907)。そして、このモジュールに含まれるBMLデータにデータ放送印刷実行関数が含まれているか否かを判定する(S908)。つまり、ステップS908は検出したモジュールに対応する印刷コンテンツが存在するか否かを判定するものである。ステップS908でデータ放送印刷実行関数が存在していると判定した場合は、印刷コンテンツ管理テーブルに記憶した時間情報に関連付けて印刷コンテンツを特定するための情報を記憶させる(S909)。この印刷コンテンツを特定するための情報は、データ放送データの一部として録画機102に記録されている印刷コンテンツのファイル名やファイルの保存パス(URI)などに代表される一意性のある識別情報が好適である。本実施例ではファイル名を印刷コンテンツを特定するための情報としている。
【0059】
なお、本実施例では、検出したモジュールに印刷コンテンツが含まれていない場合でも、ステップS906で印刷コンテンツ管理テーブルに情報を記録する。しかし、印刷コンテンツが含まれていない場合には、必ずしも印刷コンテンツ管理テーブルに情報を記録しなくて良い。本発明は、印刷コンテンツを含むモジュールを検出した場合、そのモジュールの検出タイミングに相当する経過時間と関連付けて印刷コンテンツを管理することが特徴の一つである。なお、本実施例では新しいモジュールを検出したタイミングを特定するための時間情報として、蓄積番組の放送開始からの経過時間を用いたが、本発明はこれに限らず、検出した際の実際の時刻情報を用いても良い。
【0060】
図10に、印刷コンテンツ管理テーブルの構成を模式的に示す。印刷コンテンツ管理テーブルは、記録された番組のデータ放送データのモジュールごとに上述した各種の情報を管理する。つまり、記録した番組を特定するための参照情報(例えば、番組タイトル)に関連付けて、各番組に関連するデータ放送のモジュールの経過時間情報とそのモジュールに含まれる印刷コンテンツを特定するための情報を記憶する。なお、ここで挙げた情報以外にも必要な情報があれば印刷コンテンツ管理テーブルに記憶することは可能である。
【0061】
(印刷コンテンツリストの表示)
次に録画機102に保存されたデジタル放送番組に付随する印刷コンテンツを一覧表示可能な印刷コンテンツリストの表示について説明する。図11は、システム制御部211が印刷コンテンツリストの表示と、表示した印刷コンテンツリストを用いた印刷指示や映像再生を実行する場合のフローチャートである。
【0062】
図11のフローチャートは、ユーザ操作によって記録された番組に関連するデータ放送に含まれる印刷コンテンツの一覧表示を指示されたときに起動されるものである。システム制御部211は初めに印刷コンテンツ管理テーブルを参照し(S921)、印刷コンテンツリストを表示し(S922)、ユーザ操作を待つ。ユーザがステップS923で印刷コンテンツを選択せず、終了操作を行うと(S924)、処理を終了する。
【0063】
図12は、印刷コンテンツリスト841の画面表示例である。図中には、蓄積済みの印刷コンテンツを示す3つのアイコン842,843,844が表示されている。これらアイコンは、それぞれ、各印刷コンテンツに対応付けられて表示されるものである。つまり、このアイコンは印刷コンテンツ管理テーブルに記憶した印刷コンテンツを特定する情報とリンクしている。また、文字情報として、各印刷コンテンツに対応する番組に関する番組情報が表示される。表示される番組情報は、録画機102に番組を記録した場合に、放送波に含まれるSI(Service Information)から取得し、記憶しておいた情報である。
SIには、番組タイトルなどの情報の他、放送日時や放送チャンネル、番組説明、出演者などの情報が含まれている。図12に示した例では、放送日時情報と放送チャンネル情報、番組タイトル情報を表示している。さらに、該当する印刷コンテンツを含んだモジュールが放送されていた時刻を示すデータ放送時刻情報と、印刷コンテンツの取得元(ソース)を示す情報も併せて表示している。
【0064】
カーソル表示846はリモコンの上下の方向ボタン308、310をユーザが操作することによって上下に移動する。なお、アイコン842の上や、アイコン844の下にも選択可能な印刷コンテンツが存在することをスクロールバー845の表示で示している。それらの見えていないアイコンを選択する場合、リスト全体がスクロールするようにカーソル移動を行えば良い。ユーザは、目的とする印刷コンテンツを示すアイコンにカーソル表示を置いてリモコンの決定ボタン311を押下することにより、印刷コンテンツを選択することができる。
【0065】
ユーザが表示された印刷コンテンツリストに掲載された印刷コンテンツの一つを選択する操作入力を行うと(S923)、システム制御部211は、図13に示す選択画面を表示し(S925)さらに待機する。選択画面の内容は、選択した印刷コンテンツをすぐに印刷するか、印刷コンテンツを含むモジュールに対応する映像シーン(区間映像)を再生するか、をユーザが指定するものである。
【0066】
図13は、選択画面の画面表示例である。選択画面851は印刷コンテンツリスト841に重ねて表示される。また、選択された印刷コンテンツの印刷を指示するボタン852と、選択された印刷コンテンツを含んだモジュールが放送されたタイミングの区間映像の再生を指示するためのボタン853を有する。なお、ユーザの選択候補を表示するカーソル表示854も表示されている。カーソル表示854はリモコンの左右の方向ボタン307、309の操作によって左右に移動する。ユーザは、ボタン852、853のうち、希望する動作を示すボタンにカーソルを合わせてリモコンの決定ボタン311を押下することにより、選択の指示入力を行なうことができる。
【0067】
ユーザが印刷を選択した場合には(S926)、システム制御部211は、アイコンに
リンクされた印刷コンテンツを印刷コンテンツ管理テーブルに管理された、印刷コンテンツを特定するための情報を用いて特定する(S927)。そして、特定された印刷コンテンツの情報から、録画機102に蓄積されたデータ放送データに含まれる印刷コンテンツ(XHTMLファイルまたはURI)を用いて、印刷コンテンツの印刷処理を実行する(S928)。なお、印刷コンテンツの印刷処理は、取得した印刷コンテンツの情報をネットワークプリンタ103に伝送することで実現できる。印刷処理の詳細は非特許文献として提示した文献に記載されているものなので、説明を省略する。
【0068】
一方ユーザが区間映像の再生を選択した場合、システム制御部211は、アイコンにリンクされた印刷コンテンツを、印刷コンテンツ管理テーブルに管理された情報から特定する(S929)。そして、ユーザが選択した印刷コンテンツに関連付けられた番組を特定するための情報と、その印刷コンテンツが提供されるデータ放送のモジュールの経過時間情報とを取得し(S930)、当該経過時間に対応する映像シーンから映像の再生を開始する(S931)。録画された映像の特定のシーンから再生を開始する方法は、録画映像の再生技術分野において公知であるので説明を省略する。
【0069】
録画番組の再生において、システム制御部211は、受信番組の視聴中と同様に動作する。即ち、ユーザによってデータ放送の起動などの操作が行われた場合、システム制御部211は、再生中のデジタル放送番組に対するデータ放送の起動や、データ放送番組に対する操作を実行する。従って、ユーザの指示に従って区間映像の再生を開始した後に、ユーザの操作により、当該区間映像に対応するモジュールに含まれる印刷コンテンツの印刷指示が行われた場合(S932でYes)、該当する印刷コンテンツの印刷処理を実行する(S933)。また、ユーザ操作により番組再生の終了が指示された場合(S934)または録画された放送番組の最後まで再生された場合(S935)、処理を終了する。
【0070】
(番組データの配信方法が異なる構成例)
以上の実施例の説明においては、番組データの配信は放送によって行なわれることを前提として説明したが、これに限定されるものではなく、通信によって配信される番組に適用することも可能である。例えば、デジタル放送のTS信号を通信ネットワークにより配信する場合、チューナ部201に代えて通信ネットワーク向けの受信部を用いることにより、本実施例と同様の動作を行い、同様の効果を得ることができる。
【0071】
また、ケーブルテレビにおけるビデオオンデマンド(VOD)方式の放送サービスや、通信ネットワークにおけるVODサービスにおいて印刷サービスを伴う番組においても、本実地例のような制御を行なうことができる。すなわち、番組データに適応した解析を行なって、印刷コンテンツの取得を行い、印刷サービスを行なう番組内の特定箇所を示す情報と共に印刷コンテンツ管理テーブルとして保持する。これによって、本実施例と同様の動作を行なうことが可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0072】
(放送受信装置の異なる構成例)
以上の実施例の説明においては、図1と図2で示したようにデジタルテレビがチューナ及び表示部を備え、外部の録画機と通信してコンテンツ保存を行うこととしたが、これに限定されるものではない。例えば、チューナと記憶装置を備える放送受信装置が上記の制御を実行することが可能である。また、放送受信が可能であってシステム制御部に相当する機能を備えた録画機であれば、録画機単独で上記の制御を実行することも可能である。
【0073】
<実施例2>
本実施例は、録画機102に保存された印刷サービスを行なう番組連動データ放送を伴うデジタル放送番組の再生において、実施例1とは異なるユーザインタフェースを提供するものである。以下、実施例1と同じ部分については同一の番号を付して説明を省略し、
実施例1と異なる点についてのみ説明する。
【0074】
図14は、データ放送番組の再生を行う際にシステム制御部211が実行する制御動作を示すフローチャートである。以下これを用いて、録画機102に保存された印刷サービスを行なう番組連動データ放送を伴うデジタル放送番組の再生について説明する。
【0075】
前提として、印刷サービスを行なう番組連動データ放送を伴うデジタル放送番組が蓄積され、印刷コンテンツを含むデータ放送データと印刷コンテンツ管理テーブルが格納されているものとする。そして、本フローチャートでは、システム制御部211が録画された録画番組リストを表示する。同時に、当該録画番組リストから任意の録画番組を選択した後、当該録画番組に対応する印刷コンテンツの印刷指示や、区間映像の再生を指示することが可能なユーザインタフェースを表示する。システム制御部211は初めに不図示の録画番組管理テーブルを参照する印刷コンテンツ管理テーブルを参照する。この録画番組管理テーブルは、録画機102に録画された番組の番組タイトルや放送日時、放送チャンネル、番組内容などの番組に付随する情報を管理するテーブルである。この録画番組管理テーブルに管理された録画番組の情報を用いて、録画番組リストを表示する(S941)。録画番組リストは、録画機102に録画された番組を一覧で表示する画面である。本発明においては録画番組リストの形態はどのようなものであっても良いので、図示及び説明は省略する。
【0076】
ユーザは、表示された録画番組リストから、所望の録画番組を指定し、選択行為を行う。録画番組が選択されると、図15に例示した録画番組の詳細画面が表示される(S942)。録画番組の詳細画面は、印刷コンテンツ管理テーブルの情報と録画番組管理テーブルの情報とを用いてシステム制御部211が生成するものである。その際システム制御部211は、ユーザが選択した録画番組の情報を録画番組管理テーブルで特定するとともに、当該録画番組の情報を用いて、印刷コンテンツ管理テーブルを照会して印刷コンテンツ管理テーブルの情報を得る。
【0077】
図15は録画番組詳細画面の表示例であり、映像表示部208に表示されるものである。録画番組詳細画面は、ユーザによって選択された番組の放送された日時、チャンネル、番組タイトルなどを含む番組関連情報表示領域862とこの番組に対応するデータ放送の構成表示領域863を表示する。データ放送の構成とは、データ放送を構成する各モジュールに相当するものである。構成表示領域863には、データ放送データの更新、つまりモジュールの変化によって区切られる区間を時間軸方向に表示しており、1つの区間が1モジュールに対応する。図に例示された番組においては、14:00の番組開始時と、15:00と、16:00にデータ放送データが更新されていることが分かる。言い換えると、この番組に対応するデータ放送は14:00〜15:00(864)、15:00〜16:00(865)、16:00〜16:30(866)の各モジュールから構成されている。そして、14:00から16:30の番組は3つの区間映像に分割されることになる。こうした時間の推移の表示は印刷コンテンツ管理テーブルに記録された経過時間情報に基づいて生成される。なお、ここで時刻が14:00などと表示されているのは番組が放送された当時の時刻を表しているに過ぎない。これに代えて、番組開始時を例えば0:00と表記し、以下経過時間に基づいて時刻表示をするようにしても良い。
【0078】
また、各モジュールに含まれる印刷コンテンツがある場合には、印刷コンテンツの存在をアイコン867で表示している。ここでアイコン867に付いている地球儀のマークは、インターネット上のコンテンツであることを示すものである。
【0079】
図14のフローチャートに戻り説明を行う。録画番組詳細画面に対して、番組の通常再生指示をユーザの操作により入力されると、(S943で通常再生が指示された場合に相
当)、システム制御部211は、録画番組管理テーブルを参照する(S944)。そして録画番組を映像データの先頭から再生する(S945)。通常再生とは、番組の映像データの先頭から再生することを意味する。なお、番組の通常再生指示は、録画番組詳細画面に表示された再生ボタン(不図示)をユーザがリモコンで選択して決定操作を行うことで実行される。
【0080】
なお、S946からS949の各ステップについては、実施例1の図11で示したフローチャートのS932からS935と内容が同一であるため説明を省略する。なお、印刷コンテンツが存在しないモジュールに対応する区間の映像を再生中においては、印刷を指示する操作が行えないことは言うまでもない。
【0081】
録画番組詳細画面に対して区間映像の再生指示がユーザの操作により入力されると(S943で区間映像の再生が指示された場合に相当)、システム制御部211は印刷コンテンツ管理テーブルを参照する(S950)。その後のステップであるS951とS952は実施例1の図11に示したステップS930及びS931と同様の処理を実行するものであるので説明を省略する。
【0082】
図16はステップS943で区間映像の再生を指示する場合の録画番組の詳細画面を示したものである。カーソル869が15:00〜16:00に対応するモジュールを選択している状態を示している。これは、結果として、ユーザが15:00〜16:00の区間映像を選択している状態に等しい。この状態で、ユーザがリモコンの決定ボタン311を押下することで、システム制御部211に対して、当該番組の先頭から1時間経過後からの区間映像を再生するよう、指示が出されることになる。もちろん、ユーザのリモコン操作により、隣接する他の区間映像に相当するモジュールを選択し、再生を指示することが可能である。
【0083】
図14のフローチャートに戻って説明を行う。録画番組詳細画面に対して、印刷コンテンツを指定した印刷指示がユーザ操作により入力されると(S943で印刷が指示された場合に相当)、システム制御部211は印刷コンテンツ管理テーブルを参照する。その後のステップであるS953とS954は実施例1の図11に示したステップS927及びS928と同様の処理を実行するものであるので、説明を省略する。
【0084】
図17はステップS943で印刷コンテンツの印刷を指示する場合の録画番組の詳細画面を示したものである。カーソル870が15:00〜16:00に対応するモジュールに含まれる印刷コンテンツを選択している状態を示している。この状態で、ユーザがリモコンの決定ボタン311を押下することで、システム制御部211に対して、当該印刷コンテンツの印刷を実行するよう、指示が出されることになる。もちろん、ユーザのリモコン操作により、他の印刷コンテンツを選択し、印刷を指示することが可能である。
【0085】
なお、録画番組詳細画面において、図17に示した印刷コンテンツの指定状態と、図16に示した区間映像の選択状態と、図15に示した、印刷コンテンツや区間映像を選択していない状態との切換は、ユーザが操作しやすい方法で実現することができる。例えば、リモコンの上下ボタン308、310を押下することで、これらの画面を自由に遷移可能に構成すれば良い。
【0086】
本実施例によれば、ユーザは番組の内容に加え、番組の区間映像の状態やデータ放送に含まれる印刷コンテンツを容易に確認でき、かつ、簡単な操作でユーザが望む区間映像の再生や、印刷コンテンツの印刷を容易に実行することが可能となる。
【0087】
<実施例3>
本実施例は、デジタル放送番組の録画時に、上記実施例1および2とは異なる方法でデータ放送データを解析するものである。以下、実施例1と同じ部分については同一の番号を付して説明を省略し、実施例1と異なる部分についてのみ説明する。
【0088】
図18は、番組関連情報の印刷サービスを含むデータ放送を伴うデジタル放送テレビ番組のデータ構造を模式的に表したものである。図中の番組1は、図8で説明したものと同様、映像と音声による放送番組と、データ放送による印刷サービスを提供するものである。実施例1とは、番組の冒頭に配信されるデータ放送(モジュール1)の構成が異なっている。また、番組開始後にイベントメッセージ881が送出される点も実施例1と異なる。イベントメッセージとは、放送局が放送データに多重して送信するコマンドであり、放送局の主導でデータ放送の画面の切り替えなどの動作(イベント)を行うために用いられるものである。例えば、デジタル放送の視聴中に、ユーザが何ら操作することなく、自動的にデータ放送画面を表示するような場合に利用される。なお、イベントメッセージは、受信機がイベントメッセージを受信したタイミングで即座に動作を行わせることはもちろん、イベントメッセージの受信後、指定した時刻に動作を行わせることが可能である。本実施例では、イベントメッセージによる表示指示の実行をトリガとして指定されたデータ放送画面の描画を実行する想定で記載する。
【0089】
図19に、モジュール1で使用するBML10を示す。このBML10は、データ放送用のBMLブラウザを用いて画面全体にテレビ番組の映像を表示するように記述されている。また、図20Aと図20Bに示すBML11には、印刷ドキュメント4の提供サービスを行なうデータ放送データが記述されている。
【0090】
ここで、番組1のTSに含まれる番組情報には、番組視聴開始時にはBML10に従ったデータ放送サービスを実行するように指定されている。言い換えると、14:00〜14:10までの間は、BML10の記述に従って画面全体にテレビ番組映像が表示される。
【0091】
そして、時刻14:10にイベントメッセージ881が送出される。システム制御部211は、受信したイベントメッセージによる所定のデータ放送画面の表示指示が実行されたか否かを検出する。イベントメッセージ881が行う表示指示は、データ放送データに含まれた所定のBMLを用いたデータ放送画面を表示するための指示である。このイベントメッセージによる表示指示が実行されると、データ放送ブラウズ制御部217は表示指示されたBMLを描画する。本実施例では、イベントメッセージ881によってBML11を表示するよう指示されたものとする。
【0092】
図21は、図18で説明した印刷サービスを行う番組連動データ放送を伴うデジタル放送番組の録画を行う際に、システム制御部211が実行する制御動作を示すフローチャートである。なお、図9のフローチャートと同じステップ番号が付されたステップでは、実施例1と同様の処理を行うため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0093】
図21において、システム制御部211は、番組を録画するユーザ操作入力を受け付け(S901)、番組の映像データおよびデータ放送データを録画機102に記録する(S902)。さらにこれらのデータの記録中、新しいモジュールに変化したか否かを監視する(S903)。また、本実施例では、システム制御部211は、TSにイベントメッセージが含まれ、さらにそのイベントメッセージによる所定のデータ放送画面の表示指示が実行されたか否かを検出する(S911)。
【0094】
イベントメッセージによる表示指示の実行を検出した場合、システム制御部211は、経過時間を取得する(S905)。続いてシステム制御部211は、映像データの参照情
報と経過時間とを関連付けて印刷コンテンツ管理テーブルに記憶させ(S906)、データ放送データの解析を行う(S907)。この経過時間は、イベントメッセージの表示指示が実行された時点の時間(又は時刻)であり、このイベントメッセージによって表示されるデータ放送画面と同じ時間帯の映像データ、つまり区間映像を特定するために利用される。
【0095】
続いて、システム制御部211は、解析したデータ放送データに含まれるBML11にデータ放送印刷実行関数が含まれているか、すなわち、データ放送データに対応する印刷コンテンツの有無を判定する(S908)。データ放送印刷実行関数が存在していると判定した場合、印刷コンテンツを特定するための情報を印刷コンテンツ管理テーブルに記憶した時間情報に関連付けて記憶させる(S909)。
【0096】
ステップS911でイベントメッセージを検出しなかった場合であっても、データ放送データの新しいモジュールを検出した場合(S904)、ステップS905〜S910の処理を行う。
【0097】
図22に、以上の処理により作成された印刷コンテンツ管理テーブルを示す。図によると、本実施例のモジュール1に対応する番組1の開始から01:00:00までの部分は、イベントメッセージが送出された00:10:00を区切りとする2つの区間映像として管理されていることが示されている。そして、00:10:00から01:00:00の区間映像ではXHTML1による印刷サービスが行なわれることが分かる。
【0098】
図23は、実施例3における録画番組の詳細画面の例を示したものである。録画番組の詳細画面は、図22に示した印刷コンテンツ管理テーブルの情報に基づいて、システム制御部211が生成するものである。ここではカーソル891が、印刷コンテンツが存在する14:10〜15:00の区間映像892を選択している状態を示している。この状態で、ユーザがリモコンの決定ボタン311を押下することで、システム制御部211に対して、当該番組が開始して10分経過後からの区間映像を再生するよう、指示が出されることになる。また、ユーザはリモコンの左右ボタン307,309の操作によって隣接する区間映像を選択することも可能である。
【0099】
本実施例においては、データ放送データのモジュールが新しいものになったタイミングだけでなく、イベントメッセージによるデータ放送のサービス内容の変更も考慮した上で印刷コンテンツ管理テーブルを作成できる。これにより、番組の内容と印刷サービスの提供の関係において、イベントメッセージを利用したより高度な連携が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明のシステム全体のブロック図。
【図2】本発明のデジタルテレビのブロック図。
【図3】本発明で使用するリモコン。
【図4A】実施例1のBML文書。
【図4B】図4AのBML文書の続きに相当するBML文書。
【図4C】図4BのBML文書の続きに相当するBML文書。
【図5】実施例1のデータ放送番組の表示画面。
【図6】実施例1のプッシュ式直接印刷のフローと処理シーケンス。
【図7】実施例1のプル式間接印刷のフローと処理シーケンス。
【図8】実施例1の放送番組データのデータ構成。
【図9】実施例1の録画動作のフローチャート。
【図10】実施例1の印刷コンテンツ管理テーブルの構成。
【図11】実施例1の印刷コンテンツリストの表示と印刷指示、映像再生のフローチャート。
【図12】実施例1の印刷コンテンツリストの画面表示。
【図13】実施例1の選択画面の画面表示。
【図14】実施例2の録画番組再生と印刷指示のフローチャート。
【図15】実施例2の録画番組詳細画面の表示。
【図16】実施例2の区間映像再生時の録画番組の詳細画面の表示。
【図17】実施例2の印刷コンテンツ印刷時の録画番組の詳細画面の表示。
【図18】実施例3の放送番組データのデータ構成。
【図19】実施例3の番組開始当初のBML文書。
【図20A】実施例3のデータ放送データに関するBML文書。
【図20B】図20AのBML文書の続きに相当するBML文書。
【図21】実施例3の録画動作のフローチャート。
【図22】実施例3の印刷コンテンツ管理テーブルの構成。
【図23】実施例3の録画番組の詳細画面の表示。
【符号の説明】
【0101】
101 デジタルテレビ
102 録画機
103 ネットワークプリンタ
201 チューナ部
206 表示制御部
208 映像表示部
219 印刷制御部
220 通信制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送データに多重されたデータ放送データを映像データとともに受信する放送受信装置であって、
受信した映像データ及びデータ放送データを記録部に記録する記録手段と、
前記記録部に記録するデータ放送データを構成するモジュール毎に付与された固有情報の変化を検出する検出手段と、
前記映像データ及び前記データ放送データを記録中に、前記検出手段で新しいモジュールを検出した場合に、当該モジュールに対応する印刷コンテンツが存在するか否かを当該モジュールに含まれるファイルデータを用いて判定する判定手段と、
前記判定手段により、当該モジュールに対応する印刷コンテンツが存在すると判定された場合、当該印刷コンテンツを特定するための情報と、当該印刷コンテンツを含むモジュールを特定するための情報と、当該モジュールが放送されていた時間帯に放送されていた前記映像データの区間映像を特定するための時間情報とを関連付けた管理情報を記憶部に記憶させる管理手段と、
前記管理手段で管理された管理情報を用いて、印刷コンテンツを特定するための情報と、前記区間映像を示す情報とを夫々表示するとともに、表示された印刷コンテンツを特定するための情報を用いて、印刷を実行する印刷コンテンツを選択可能な表示画面を生成する生成手段と、
を有することを特徴とする放送受信装置。
【請求項2】
放送データに多重されたデータ放送データを映像データとともに受信する放送受信装置であって、
受信した映像データ及びデータ放送データを記録部に記録する記録手段と、
記録中のデータ放送データに対応し、当該データ放送データを用いたデータ放送画面の表示指示を実行するイベントメッセージによって、所定のデータ放送画面の表示指示が実行されたことを検出する検出手段と、
前記検出手段で表示指示を検出した後、表示を指示されたデータ放送画面を生成するためのファイルデータを用いて、当該データ放送データに対応する印刷コンテンツが存在するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、当該データ放送データに対応する印刷コンテンツが存在すると判定された場合、当該印刷コンテンツを特定するための情報と、当該印刷コンテンツを含むデータ放送データを特定するための情報と、前記イベントメッセージの表示指示が実行された時点からの前記映像データの区間映像を特定するための時間情報を関連付けた管理情報を記憶部に記憶させる管理手段と、
前記管理手段で管理された管理情報を用いて、印刷コンテンツを特定するための情報と、前記区間映像を示す情報とを夫々表示するとともに、表示された印刷コンテンツを特定するための情報を用いて、印刷を実行する印刷コンテンツをユーザが選択可能な表示画面を生成する生成手段と、
を有することを特徴とする放送受信装置。
【請求項3】
前記生成手段は、前記表示画面において印刷コンテンツをユーザが選択したことに応じて、当該印刷コンテンツの印刷を実行するか、または、当該印刷コンテンツに関連付けられた区間映像の再生を実行するかを選択する選択画面を生成することを特徴とする請求項1または2に記載の放送受信装置。
【請求項4】
前記生成手段が生成する表示画面は、前記区間映像を示す情報をユーザが指定することにより、当該区間映像の再生の指示入力を受け付けることが可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の放送受信装置。
【請求項5】
放送データに多重されたデータ放送データを映像データとともに受信する放送受信装置の制御方法であって、
受信した映像データ及びデータ放送データを記録部に記録する記録ステップと、
前記記録部に記録するデータ放送データを構成するモジュール毎に付与された固有情報の変化を検出する検出ステップと、
前記映像データ及び前記データ放送データを記録中に、前記検出ステップで新しいモジュールを検出した場合に、当該モジュールに対応する印刷コンテンツが存在するか否かを当該モジュールに含まれるファイルデータを用いて判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより、当該モジュールに対応する印刷コンテンツが存在すると判定された場合、当該印刷コンテンツを特定するための情報と、当該印刷コンテンツを含むモジュールを特定するための情報と、当該モジュールが放送されていた時間帯に放送されていた前記映像データの区間映像を特定するための時間情報とを関連付けた管理情報を記憶部に記憶させる管理ステップと、
前記管理ステップで管理された管理情報を用いて、印刷コンテンツを特定するための情報と、前記区間映像を示す情報とを夫々表示するとともに、表示された印刷コンテンツを特定するための情報を用いて、印刷を実行する印刷コンテンツを選択可能な表示画面を生成する生成ステップと、
を有することを特徴とする放送受信装置の制御方法。
【請求項6】
放送データに多重されたデータ放送データを映像データとともに受信する放送受信装置の制御方法であって、
受信した映像データ及びデータ放送データを記録部に記録する記録ステップと、
記録中のデータ放送データに対応し、当該データ放送データを用いたデータ放送画面の表示指示を実行するイベントメッセージによって、所定のデータ放送画面の表示指示が実行されたことを検出する検出ステップと、
前記検出ステップで表示指示を検出した後、表示を指示されたデータ放送画面を生成するためのファイルデータを用いて、当該データ放送データに対応する印刷コンテンツが存在するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより、当該データ放送データに対応する印刷コンテンツが存在すると判定された場合、当該印刷コンテンツを特定するための情報と、当該印刷コンテンツを含むデータ放送データを特定するための情報と、前記イベントメッセージの表示指示が実行された時点からの前記映像データの区間映像を特定するための時間情報を関連付けた管理情報を記憶部に記憶させる管理ステップと、
前記管理ステップで管理された管理情報を用いて、印刷コンテンツを特定するための情報と、前記区間映像を示す情報とを夫々表示するとともに、表示された印刷コンテンツを特定するための情報を用いて、印刷を実行する印刷コンテンツをユーザが選択可能な表示画面を生成する生成ステップと、
を有することを特徴とする放送受信装置の制御方法。
【請求項7】
前記生成ステップでは、前記表示画面において印刷コンテンツをユーザが選択したことに応じて、当該印刷コンテンツの印刷を実行するか、または、当該印刷コンテンツに関連付けられた区間映像の再生を実行するかを選択する選択画面を生成することを特徴とする請求項5または6に記載の放送受信装置の制御方法。
【請求項8】
前記生成ステップで生成する表示画面は、前記区間映像を示す情報をユーザが指定することにより、当該区間映像の再生の指示入力を受け付けることが可能であることを特徴とする請求項5または6に記載の放送受信装置の制御方法。
【請求項1】
放送データに多重されたデータ放送データを映像データとともに受信する放送受信装置であって、
受信した映像データ及びデータ放送データを記録部に記録する記録手段と、
前記記録部に記録するデータ放送データを構成するモジュール毎に付与された固有情報の変化を検出する検出手段と、
前記映像データ及び前記データ放送データを記録中に、前記検出手段で新しいモジュールを検出した場合に、当該モジュールに対応する印刷コンテンツが存在するか否かを当該モジュールに含まれるファイルデータを用いて判定する判定手段と、
前記判定手段により、当該モジュールに対応する印刷コンテンツが存在すると判定された場合、当該印刷コンテンツを特定するための情報と、当該印刷コンテンツを含むモジュールを特定するための情報と、当該モジュールが放送されていた時間帯に放送されていた前記映像データの区間映像を特定するための時間情報とを関連付けた管理情報を記憶部に記憶させる管理手段と、
前記管理手段で管理された管理情報を用いて、印刷コンテンツを特定するための情報と、前記区間映像を示す情報とを夫々表示するとともに、表示された印刷コンテンツを特定するための情報を用いて、印刷を実行する印刷コンテンツを選択可能な表示画面を生成する生成手段と、
を有することを特徴とする放送受信装置。
【請求項2】
放送データに多重されたデータ放送データを映像データとともに受信する放送受信装置であって、
受信した映像データ及びデータ放送データを記録部に記録する記録手段と、
記録中のデータ放送データに対応し、当該データ放送データを用いたデータ放送画面の表示指示を実行するイベントメッセージによって、所定のデータ放送画面の表示指示が実行されたことを検出する検出手段と、
前記検出手段で表示指示を検出した後、表示を指示されたデータ放送画面を生成するためのファイルデータを用いて、当該データ放送データに対応する印刷コンテンツが存在するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、当該データ放送データに対応する印刷コンテンツが存在すると判定された場合、当該印刷コンテンツを特定するための情報と、当該印刷コンテンツを含むデータ放送データを特定するための情報と、前記イベントメッセージの表示指示が実行された時点からの前記映像データの区間映像を特定するための時間情報を関連付けた管理情報を記憶部に記憶させる管理手段と、
前記管理手段で管理された管理情報を用いて、印刷コンテンツを特定するための情報と、前記区間映像を示す情報とを夫々表示するとともに、表示された印刷コンテンツを特定するための情報を用いて、印刷を実行する印刷コンテンツをユーザが選択可能な表示画面を生成する生成手段と、
を有することを特徴とする放送受信装置。
【請求項3】
前記生成手段は、前記表示画面において印刷コンテンツをユーザが選択したことに応じて、当該印刷コンテンツの印刷を実行するか、または、当該印刷コンテンツに関連付けられた区間映像の再生を実行するかを選択する選択画面を生成することを特徴とする請求項1または2に記載の放送受信装置。
【請求項4】
前記生成手段が生成する表示画面は、前記区間映像を示す情報をユーザが指定することにより、当該区間映像の再生の指示入力を受け付けることが可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の放送受信装置。
【請求項5】
放送データに多重されたデータ放送データを映像データとともに受信する放送受信装置の制御方法であって、
受信した映像データ及びデータ放送データを記録部に記録する記録ステップと、
前記記録部に記録するデータ放送データを構成するモジュール毎に付与された固有情報の変化を検出する検出ステップと、
前記映像データ及び前記データ放送データを記録中に、前記検出ステップで新しいモジュールを検出した場合に、当該モジュールに対応する印刷コンテンツが存在するか否かを当該モジュールに含まれるファイルデータを用いて判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより、当該モジュールに対応する印刷コンテンツが存在すると判定された場合、当該印刷コンテンツを特定するための情報と、当該印刷コンテンツを含むモジュールを特定するための情報と、当該モジュールが放送されていた時間帯に放送されていた前記映像データの区間映像を特定するための時間情報とを関連付けた管理情報を記憶部に記憶させる管理ステップと、
前記管理ステップで管理された管理情報を用いて、印刷コンテンツを特定するための情報と、前記区間映像を示す情報とを夫々表示するとともに、表示された印刷コンテンツを特定するための情報を用いて、印刷を実行する印刷コンテンツを選択可能な表示画面を生成する生成ステップと、
を有することを特徴とする放送受信装置の制御方法。
【請求項6】
放送データに多重されたデータ放送データを映像データとともに受信する放送受信装置の制御方法であって、
受信した映像データ及びデータ放送データを記録部に記録する記録ステップと、
記録中のデータ放送データに対応し、当該データ放送データを用いたデータ放送画面の表示指示を実行するイベントメッセージによって、所定のデータ放送画面の表示指示が実行されたことを検出する検出ステップと、
前記検出ステップで表示指示を検出した後、表示を指示されたデータ放送画面を生成するためのファイルデータを用いて、当該データ放送データに対応する印刷コンテンツが存在するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより、当該データ放送データに対応する印刷コンテンツが存在すると判定された場合、当該印刷コンテンツを特定するための情報と、当該印刷コンテンツを含むデータ放送データを特定するための情報と、前記イベントメッセージの表示指示が実行された時点からの前記映像データの区間映像を特定するための時間情報を関連付けた管理情報を記憶部に記憶させる管理ステップと、
前記管理ステップで管理された管理情報を用いて、印刷コンテンツを特定するための情報と、前記区間映像を示す情報とを夫々表示するとともに、表示された印刷コンテンツを特定するための情報を用いて、印刷を実行する印刷コンテンツをユーザが選択可能な表示画面を生成する生成ステップと、
を有することを特徴とする放送受信装置の制御方法。
【請求項7】
前記生成ステップでは、前記表示画面において印刷コンテンツをユーザが選択したことに応じて、当該印刷コンテンツの印刷を実行するか、または、当該印刷コンテンツに関連付けられた区間映像の再生を実行するかを選択する選択画面を生成することを特徴とする請求項5または6に記載の放送受信装置の制御方法。
【請求項8】
前記生成ステップで生成する表示画面は、前記区間映像を示す情報をユーザが指定することにより、当該区間映像の再生の指示入力を受け付けることが可能であることを特徴とする請求項5または6に記載の放送受信装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2010−118915(P2010−118915A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−290909(P2008−290909)
【出願日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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