説明

放送通信連携受信装置、放送通信連携システム及び事業者識別マーク制御プログラム

【課題】だれでも容易にアプリケーションを提供する事業者との関係が理解できるように表示することができる放送通信連携受信装置、放送通信連携システム及び事業者識別マーク制御プログラムを提供すること。
【解決手段】放送通信連携受信装置1は、アプリケーションのドメイン及び当該ドメインの事業者を対応付けて記憶する事業者ドメイン解決サーバ500と、映像表示装置Moに表示する映像音声と共に使用されるアプリケーションを提供するアプリケーションサーバ300と、を備えるネットワークNに接続され、映像及びアプリケーション並びにアプリケーションを提供する事業者識別マークを表示する放送通信連携受信装置であって、放送信号解析手段403と、事業者識別マーク記憶手段430と、事業者識別マーク制御手段420と、合成表示手段415と、を備える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送と通信を連携して使用する映像において、アプリケーションを映像と共に表示する場合に、アプリケーションを提供する事業者を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、一般の家庭で用いられているテレビ受信機は、放送とインターネットの夫々の伝送媒体を通じて、映像およびアプリケーションが配信されて使用できる環境が整っている。例えば、テレビ受信機は、放送映像を見ながら、その放送映像と関連するアプリケーション、あるいは、ユーザが表示画面上に設定したアプリケーションを放送映像と同時に表示して使用することが行われている。
【0003】
テレビ受信機は、AIT(Application Information Table)と呼ばれる情報テーブルを取得し、この情報テーブルに記述されたライフサイクルに関する制御情報をもとにアプリケーションを管理している。
【0004】
AITには、アプリケーションのライフサイクルに関する制御情報として、例えば「AUTOSTART」「PRESENT」「KILL」等が記述される。AITにおいて、「AUTOSTART」は即時に端末装置がアプリケーションの再生を自動的に実行することを意味し、「PRESENT」は自動実行しないことを意味し、「KILL」はアプリケーションの再生を停止することを意味する。テレビ受信機は、このようなAIT内のライフサイクルに関する制御情報をもとに、一例として、即時に再生を自動実行するように設定されたアプリケーションを取得し、再生を行なっている。
【0005】
なお、テレビ受信機は、アプリケーションが表示画面上に表示されたときに、そのアプリケーションを提供する事業者が分かるような表示については現在行われていない。また、テレビ受信機で表示されるアプリケーションは、すべてのものの動作確認等についての信頼性が担保されているわけではなく、選択したユーザの責任により使用されることになる。
【0006】
一方、インターネットを介してビジネスまたは個人的な取引がPCにより日常的に行われている。このPCによる取引では、悪意のあるサイトが多数存在しており、善意のサイトとの見分けがつかないのが現状であるため、従来、ウェブサイトの正当性をユーザに知らせるための適切なメカニズムを実現できる提案がなされている(特許文献1参照)。
【0007】
前記した従来のウェブサイトの正当性をユーザに知らせるメカニズムとして、つぎのような方法をとることが知られている。つまり、ユーザが使用する表示画面においてブラウザは、アドレスを解析して、表示されているコンテンツに関連付けられているドメイン名などの重要な部分を識別するように構成される。そしてアドレスのドメイン名等の重要な部分は、ハイライトまたはその他の形で強調された形式で表示され、これによってユーザは、表示されているコンテンツが信頼できるかどうかを視覚的に見分けることができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006-268849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、前記した従来のドメイン名をハイライト等により強調する表示技術を使用してTV映像上でアプリケーションを表示することを想定したときには、インターネットに関してある程度の知識を有していないと、事業者とアプリケーションとの関係を理解することが難しいのが現状である。また、ドメイン名を強調させる表示技術は、一般的に知られている会社のロゴ等の事業者識別マークとは異なり英文字等の羅列であることが多いため、特に、TV番組を単純に視聴する老若男女の幅広い人々が誰でも容易に判断できるものではない。そのため、TV番組を見ている幅広い人々が、アプリケーションを安心して画面上で使用するために、アプリケーションの提供を行う事業者を分かり易く表示することが望まれていた。
【0010】
本発明は、前記した問題点に鑑み創案されたもので、だれでも容易にアプリケーションを提供する事業者との関係が理解できるように表示することができる放送通信連携受信装置、放送通信連携システム及び事業者識別マーク制御プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る放送通信連携受信装置は、前記課題を解決するため、以下に示すような構成とした。すなわち、放送通信連携受信装置は、アプリケーションに記述されたドメイン及び当該ドメインが示す事業者を対応付けて記憶する事業者ドメイン解決サーバ、及び、映像表示装置に表示する映像音声と共に使用される前記アプリケーションを提供するアプリケーションサーバに、ネットワーク(通信回線)を介して接続する通信送受信手段を有し、前記映像表示装置に映像音声及びアプリケーションを表示すると共に、前記アプリケーションのドメインに記述された事業者を識別する事業者識別マークを表示する放送通信連携受信装置であって、放送信号解析手段と、事業者識別マーク記憶手段と、事業者識別マーク制御手段と、合成表示手段と、を備える構成とした。
【0012】
かかる構成により、放送通信連携受信装置は、放送受信手段により放送波によりアプリケーションに記述されているドメインの事業者を示す事業者識別マークを受信し、放送信号解析受信により事業者識別マークを他の情報から分離して事業者識別マーク記憶手段に事業者の例えば事業者IDと対応付けて記憶させる。そして、放送通信連携受信装置は、アプリケーションを通信により取得し、そのアプリケーションを実行するときに、事業者識別マーク制御手段により、アプリケーションに記述されているドメインに一致する事業者をネットワークに接続されている事業者ドメイン解決サーバに問合わせると共に、その問合わせの回答により、前記事業者識別マーク記憶手段に記憶されている前記事業者に対応付けられている事業者識別マークを検索して取得する。さらに、放送通信連携受信装置は、事業者識別マーク制御手段により事業者識別マーク記憶手段から取得した事業者識別マークを合成表示手段に出力し、合成表示手段が放送信号解析手段からの映像・音声データの少なくとも映像データと、取得したアプリケーションと、事業者識別マークとを合成し、アプリケーションと共に事業者識別マークを映像表示装置に合成して出力する。なお、事業者識別マークを表示する場合には、隣接して、あるいは、離間して隣り合うように、さらには、一部が重なるようにオーバーライドして表示する等のようにアプリケーションと共に表示する。
【0013】
また、放送通信連携受信装置において、前記事業者識別マーク制御手段は、ドメイン抽出手段と、ドメイン問合せ手段と、蓄積事業者識別マーク検索手段と、画面表示制御手段と、事業者識別マーク終了制御手段と、を備える構成とした。
【0014】
かかる構成により、放送通信連携受信装置において、事業者識別マーク制御手段は、アプリケーション起動信号を例えばアプリケーション制御手段から受けると、ドメイン抽出手段によりアプリケーションの言語のテキストデータからドメインを抽出する。そして、放送通信連携受信装置は、ドメイン問合せ手段によりネットワークに接続されている事業者ドメイン解決サーバにアプリケーションのドメインを問合せる。事業者ドメイン解決サーバでは、問合せされたドメインを事業者IDと関連づけて記憶しているので、問合せがあったドメインに対応する事業者(事業者ID)を回答として放送通信連携受信装置に送っている。放送通信連携受信装置は、事業者ドメイン解決サーバからの回答を受けて蓄積事業者識別マーク検索手段が事業者識別マーク記憶手段を検索して事業者識別マークを取得する。さらに、放送通信連携受信装置は、取得した事業者識別マークを合成表示手段に出力することで、合成表示手段がアプリケーションの隣り合う位置に事業者識別マークを合成して表示する。
【0015】
また、ネットワークに接続されると共に放送波を受信して表示する放送通信連携システムであって、前記ネットワークに接続されアプリケーションに記述されたドメイン及び当該ドメインが示す事業者を対応付けて記憶する事業者ドメイン解決サーバと、前記ネットワークに接続され前記アプリケーションを提供するアプリケーションサーバと、前記請求項1又は請求項2に記載の放送通信連携受信装置とを備える放送通信連携システムとして構成した。
【0016】
かかる構成により、放送通信連携システムは、アプリケーション提供サーバから放送通信連携受信装置にアプリケーションを取得して、アプリケーションを映像音声と合成して表示するときに、事業者ドメイン解決サーバにアプリケーションのドメインと一致する事業者を問い合わせて回答を受け取り、予め放送通信連携受信装置に記憶している事業者を示す事業者識別マークを使用して、アプリケーションに隣り合う位置に事業者識別マークを合成して表示する。
【0017】
さらに、事業者識別マーク制御プログラムは、アプリケーションに記述されたドメイン及び当該ドメインが示す事業者を対応付けて記憶する事業者ドメイン解決サーバ、及び、映像表示装置に表示する映像と共に使用される前記アプリケーションを提供するアプリケーションサーバに、ネットワークを介して接続する通信送受信手段を有し、前記映像表示装置に映像及びアプリケーションを表示すると共に、前記アプリケーションのドメインに記述された事業者を識別する事業者識別マークを表示する放送通信連携受信装置で使用される事業者識別マーク制御プログラムであって、ドメイン抽出手段、ドメイン問合せ手段、蓄積事業者識別マーク検索手段、画面表示制御手段、事業者識別マーク終了制御手段、としてコンピュータを機能させる構成とした。
【0018】
かかる構成により、事業者識別マーク制御プログラムは、ドメイン抽出手段により放送通信連携受信装置で取得されたアプリケーションにおけるアプリケーション言語のテキストからドメインを抽出し、抽出したドメインを用いてドメイン問合せ手段によりネットワークに接続されている事業者ドメイン解決サーバに対応する事業者を問い合わせる。問い合わせたドメインに対応する事業者ID等の事業者を特定するための回答を事業者ドメイン解決サーバから受け取ると、事業者識別マーク制御プログラムは、蓄積事業者識別マーク検索手段により事業者識別マーク記憶手段に予め蓄積されている事業者IDに対応する事業者識別マークを検索し、検索して事業者識別マークを画面表示制御手段に受け渡す。さらに、事業者識別マーク制御プログラムは、事業者識別マークを画面表示制御手段が合成表示手段に出力して、映像表示装置にアプリケーションに隣り合う位置に事業者識別マークを表示するように制御する。また、事業者識別マーク制御プログラムは、アプリケーションを終了する終了信号を受けると、事業者識別マーク終了制御手段により、合成表示手段に信号を出力して事業者識別マークの映像表示装置における表示を終了させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る放送通信連携受信装置、放送通信連携システム及び事業者識別マーク制御プログラムは、以下に示す優れた効果を奏するものである。
放送通信連携受信装置は、事業者識別マーク制御手段によりアプリケーションに記載されたドメインに基づいて、事業者識別マーク記憶手段に記憶されている事業者識別マークを取得し、取得した事業者識別マークを合成表示手段によりアプリケーションに隣り合うように映像音声と合成して表示することができる。そのため、放送通信連携受信装置は、アプリケーションを提供する事業者を明確に表示することができ、通信によるネットワーク接続における安全性をユーザに提供できる。かつ、アプリケーションの事業者識別マークを明確にユーザが認識でき安心してアプリケーションを利用することが可能となる。
【0020】
また、放送通信連携受信装置は、アプリケーションを提供する事業者を事業者識別マークとして分かり易く表示するので、ユーザがアプリケーションの提供者を間違えることがなく、ユーザの混乱を防止することができる。
【0021】
放送通信連携システムは、事業者ドメイン解決サーバをネットワークに接続して放送通信連携受信装置からアプリケーションのドメインと一致する事業者を問い合わせて確認することができるので、放送通信連携受信装置に大きな負荷をかけることなく、放送通信連携受信装置でアプリケーションの事業者を容易に認識して安心してそのアプリケーションを使用することが可能となる。
【0022】
事業者識別マーク制御プログラムは、アプリケーションのドメインから事業者ドメイン解決サーバを介して、問い合わせたアプリケーションの事業者を特定し、予め事業者識別マーク記憶手段から検索して合成表示手段に出力するように制御することで、アプリケーションを提供する事業者の事業者識別マークをアプリケーションに隣り合わせて表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る放送通信連携システムを模式的に示す模式図である。
【図2】本発明に係る放送通信連携受信装置の全体を模式的に示すブロック構成図である。
【図3】EITの構造を説明するためのデータ構造図である。
【図4】本発明に係る放送通信連携受信装置においてEITで送られて用いられるアプリケーション起動情報を説明するための概略図であって、(a)は、アプリケーション起動情報の記述子を示す図、(b)は、アプリケーション起動情報における制御コードを示す図である。
【図5】本発明に係る放送通信連携受信装置の事業者識別マーク制御手段を模式的に示すブロック構成図である。
【図6】本発明に係る放送通信連携システムにおける事業者ドメイン解決サーバの構成及びドメインと事業者IDの関係を模式的に示すブロック構成図である。
【図7】本発明に係る放送通信連携受信装置から出力された映像の一例を模式的に示す映像表示装置の正面図である。
【図8】本発明に係る放送通信連携受信装置において事業者識別マークを放送波から受け取る動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係る放送通信連携受信装置において事業者識別マークを表示及び終了するまでの動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明に係る放送通信連携受信装置においてAITで送られて用いられるアプリケーション起動情報を説明するための概略図であって、(a)は、アプリケーション起動情報の記述子を示す図、(b)は、アプリケーション起動情報における制御コードを示す図、である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る放送通信連携システム、放送通信連携受信装置について、図面を参照して先に説明する。なお、放送通信連携受信装置は、放送波により送信されて来るアプリケーション起動情報によりアプリケーションApを制御する構成として説明する。
【0025】
[放送通信連携システムの構成]
最初に、図1を参照して、放送通信連携システムの構成について説明を行う。
図1に示すように、放送通信連携システム1は、放送と通信とを連携し、アプリケーションの提供者である事業者を事業者識別マーク(ロゴマーク)によりを視聴者に分かり易く提示するシステムである。なお、放送通信連携システム1は、編成チャンネルに連動するアプリケーション(チャンネル連動アプリケーション)や、あるいは、編成チャンネルに連動しないアプリケーション(チャンネル非連動アプリケーション)を提示することができるものでもある。ここで、用いられるアプリケーションとは、後記する放送通信連携受信装置400を実行環境として動作するソフトウェアである(あるいは、表示されるブラウザによって処理可能な文書、画像、スクリプトなどのデータ)。また、放送映像は、放送通信連携受信装置400により再生処理されるA/Vコンテンツなどのデータである。
【0026】
図1に示すように、放送通信連携システム1は、放送送信装置100と、リポジトリサーバ(APL起動情報サーバ)200と、APLサーバ300と、放送通信連携受信装置400と、事業者ドメイン解決サーバ500とを備えている。なお、放送通信連携受信装置400は、例えば、携帯電話等の携帯機器600と連携して動作させることも可能となる。
【0027】
放送送信装置100は、放送局に設置され、番組編成に伴う放送番組(コンテンツ)を、放送波Wを介して放送通信連携受信装置400に送信するものである。なお、放送番組は、放送波Wとして、電波により送信してもよいし、通信回線(ネットワーク)Nを介して送信してもよく、ここでは放送波Wにより送信する例として説明する。
また、放送送信装置100は、放送波Wに編成チャンネルに連動したアプリケーションがある場合、あるいは、使用してほしいアプリケーションがある場合には、そのアプリケーションを制御するために必要なアプリケーション起動情報を付加して、放送通信連携受信装置400へ送信する。
ここで、アプリケーション起動情報とは、アプリケーションの識別子(ID)、配置場所等のアプリケーションを特定するための情報、ならびに、当該アプリケーションを制御するための付加的な情報である。
【0028】
リポジトリサーバ(アプリケーション起動情報サーバ)200は、アプリケーション起動情報を提供するサーバである。このリポジトリサーバ200は、放送局から送信しないアプリケーション起動情報を管理するものである。リポジトリサーバ200は、例えば、予めサービス提供者が作成したアプリケーションを検証し、承認を与えたアプリケーション(A〔Authorized〕アプリケーション)に対応したアプリケーション起動情報のみを保持する認証機関(第三者機関)に設置される。あるいは、サービス提供者(一般ユーザを含む)が作成したアプリケーション等で、認証機関の承認を受けていないアプリケーション(一般アプリケーション)に対応したアプリケーション起動情報を保持するものであってもよい。
【0029】
APLサーバ300は、サービス事業者が作成したアプリケーションを提供するサーバである。ここでは、APLサーバ300を、個別のサービス事業者が保持することとしているが、放送局内、あるいは、第三者機関に設置しても構わない。
このAPLサーバ300に蓄積されているアプリケーションは、放送通信連携受信装置400によってダウンロードされ実行される。
【0030】
放送通信連携受信装置400は、放送番組を視聴者に提示するとともに、編成チャンネルに連動したアプリケーション(チャンネル連動アプリケーション)、あるいは、編成チャンネルに連動していないアプリケーション(チャンネル非連動アプリケーション)を動作させて視聴者に提示するものである。この放送通信連携受信装置400の構成および動作についての詳細は、後記にて説明する。
【0031】
事業者ドメイン解決サーバ500は、アプリケーションを提供する事業者を回答するサーバである。この事業者ドメイン解決サーバ500は、アプリケーションのURLのドメインと事業者を特定する事業者IDとを対応して記録している。そして、事業者ドメイン解決サーバ500は、例えば、放送通信連携受信装置400からアプリケーションのドメインの問合せがあると、図6に示すように、その問合せを送受信手段501で受信し、検索手段502でドメイン記憶手段504に記憶されているアプリケーションのドメインを検索し、その検索したドメインに対応(一致)する事業者IDを検索結果取得手段503が取得して送受信手段501から問合せ先に回答するように構成されている。事業者ドメイン解決サーバ500は、ここでは通信回線N上に一つが接続されている状態で説明しているが、通信回線上に複数接続されている構成であっても構わない。なお、アプリケーションは、時間と共に増加されるため、事業者ドメイン解決サーバ500は、例えば、図示しない更新手段を備えることで、APLサーバ300から送られてくる事業者IDとアプリケーションのドメインとの関係を示すアプリケーションリストを更新するように構成しても構わない。
【0032】
このように放送通信連携システム1を構成することで、放送通信連携受信装置400において、視聴者(ユーザー)は、放送局が提供する放送番組を視聴するとともに、サービス事業者等が提供するアプリケーション(チャンネル連動アプリケーション、チャンネル非連動アプリケーション)を動作させることができる。また、放送通信連携システム1は、放送通信連携受信装置400から事業者ドメイン解決サーバ500に放送通信連携受信装置400で使用するアプリケーションを提供する事業者の問合せを行い、その問合わせについての回答を放送通信連携受信装置400が受け取ることで、アプリケーションの事業者を特定して、放送通信連携受信装置400で分かりやすく表示することができるようになる。
【0033】
以下、放送通信連携受信装置400の構成および動作について説明を行う。なお、APL起動情報は、放送波Wから抽出される構成(放送信号解析手段402から抽出、データ放送復号手段404から抽出)あるいは通信により取得される構成(APL起動情報取得手段406)となるが、放送波のイベント情報テーブル(EIT:Event Information Table)に配置されて送られる例として説明する。
図2に示すように、この放送通信連携受信装置400は、編成チャンネルに連動あるいは非連動して動作するアプリケーションを、放送波Wを介して送信されるデジタル放送の信号内のイベント情報テーブル(EIT:Event Information Table)に配置されているアプリケーション起動情報によって認識する。
【0034】
ここでは、放送通信連携受信装置400は、放送受信手段401と、放送信号解析手段402と、映像・音声復号手段403と、データ放送復号手段404と、通信送受信手段405と、APL起動情報取得手段406と、APL起動情報記憶手段407と、リスト制御手段408と、APL管理・実行制御手段409と、APL取得手段411と、APL記憶手段412と、APL実行手段413と、操作制御手段414と、合成表示手段415と、事業者識別マーク制御手段420と、事業者識別マーク記憶手段430とを備えている。
【0035】
放送受信手段401は、アンテナAを介して、放送波Wとして送信される放送データを受信するものである。この放送受信手段401は、放送データを受信、復調し、誤り訂正やTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)復号等の復号を行い、MPEG2のトランスポートストリーム(TS:Transport Stream)として、放送信号解析手段402に出力する。
なお、この放送受信手段401は、アンテナAを介して、電波によって放送信号を受信するものに限定されず、ケーブルを介して、放送信号を受信するものであってもよい。
【0036】
放送信号解析手段402は、放送受信手段401で復調されたストリームデータ(トランスポートストリーム)において、PSI/SI(Program Specific Information〔番組特定情報〕/Service Information〔番組配列情報〕)を解析し、現在選局されている編成チャンネルに対応する映像、音声、データ等のデータを抽出するものである。なお、選局は、後記する操作制御手段414から通知されるチャンネル切替指示に基づいて行われる。
この放送信号解析手段402は、抽出した映像、音声等のデータであるPES(Packetized Elementary Stream)形式のデータについては、映像・音声復号手段403に出力し、抽出したデータ放送等のデータであるセクション形式のデータについては、データ放送復号手段404に出力する。
【0037】
また、ここで、放送信号解析手段402は、APL起動情報抽出手段402aと、事業者識別マーク情報抽出手段402bとを備えている。
APL起動情報抽出手段402aは、放送受信手段401で復調されたストリームデータから、SI(番組配列情報)の一つであるEITを解析し、アプリケーション起動情報を抽出するものである。ここで解析されるEITは、放送局の放送送信装置100(図1参照)が、起動させるアプリケーションに対応したアプリケーション起動情報を、放送送信装置100の図示を省略した番組情報埋込手段によって、EITの記述子領域に埋め込むことで生成されたものである。
【0038】
APL起動情報抽出手段402aは、抽出したアプリケーション起動情報をAPL起動情報記憶手段407に書き込み記憶する。また、APL起動情報抽出手段402aは、アプリケーション起動情報を抽出した場合、アプリケーション起動情報が通知された旨(起動情報通知)を、アプリケーションを識別する情報(アプリケーションID)とともに、APL管理・実行制御手段409に通知する。
【0039】
ここで、図3を参照して、アプリケーション起動情報を埋め込んだEITのデータ構造の例について説明する。図3は、ARIB STD−B10で規定されているEITに、アプリケーション起動情報を付加する例を示している。ここでは、アプリケーション起動情報を、EITの記述子領域に“アプリケーション起動情報記述子”として付加する。
【0040】
このEITは、編成サービスに含まれるイベントに関する時系列情報である。そして、このEITには、自トランスポートストリームに現在(present)/次(following)のイベント情報を付加したテーブルを示すp/fEIT(“テーブル識別”=0x4E)を用いることが望ましい。これによって、既存のEITの構造を変えることなく、全局のEITを伝送するscheduleEITに比べて早い送出周期で、アプリケーション起動情報を放送通信連携受信装置400に伝送することが可能になる。
【0041】
また、図3に示すように、EITのデータ構造のうち、“オリジナルネットワーク識別”、“トランスポートストリーム識別”および“サービス識別”によって、送信するアプリケーション起動情報に対応する編成チャンネルが特定される。
“オリジナルネットワーク識別”は、地上デジタル放送、BSデジタル放送等の放送網(ネットワーク)を識別するための識別子である。また、“トランスポートストリーム識別”は、トランスポートストリーム(TS)を識別するための識別子である。また、“サービス識別”は、トランスポートストリームごとの編成チャンネルを識別するための識別子である。
【0042】
このように、EITにアプリケーション起動情報(アプリケーション起動情報記述子)を付加することで、放送通信連携受信装置400において、編成チャンネルに紐付いたアプリケーション起動情報を認識することができる。
なお、EITのデータ構造における他のデータについては、ARIB STD−B10で規定されているものであるため、ここでは説明を省略する。
次に、図4を参照して、EITに付加するアプリケーション起動情報(アプリケーション起動情報記述子)の内容について説明する。図4(a)は、アプリケーション起動情報をバイナリ形式で記述した記述子(アプリケーション起動情報記述子)の例を示している。
アプリケーション起動情報記述子は、アプリケーションを特定するとともに、アプリケーションを制御するための付加的な情報を含んだデータであって、従来のAITに相当する情報である。
【0043】
アプリケーションを特定する情報としては、以下のような情報がある。
例えば、図4(a)では、(5)〜(8)行目にアプリケーション名を記載している。また、(9)行目にアプリケーションを作成した組織、(10)行目に組織内で一意に定められたアプリケーションを識別する番号を記載している。この(9)および(10)行目に示す番号が、アプリケーションを一意に特定するアプリケーションIDとなる。
また、(20)〜(23)行目及び(28)〜(31)行目の組み合わせでアプリケーションの所在(アドレス)を記載している。また、これら以外にも、(32)〜(34)行目に示すように、アプリケーションが利用する付加的な情報、例えば、メタデータ、画像データ等の所在(アドレス)を記述しておくこととしてもよい。このように、付加的なデータの参照先を記載しておくことで、EITに付加するデータ量を抑えることができる。
【0044】
また、アプリケーションを制御するための付加的な情報としては、以下のような情報がある。
例えば、図4(a)では、(11)行目にアプリケーション状態を制御する制御コード(アプリケーション制御コード)を記載している。
このアプリケーション制御コードは、例えば、図4(b)に示すような値をとる。このアプリケーション制御コードは、基本的にはARIB STD−B23で規定されているものと同様である。例えば、“AUTOSTART”は、放送通信連携受信装置400において、ユーザの操作によらず、自動で起動するアプリケーションであることを示す。また、“PRESENT”は、自動起動するアプリケーションではないことを示す。
【0045】
また、“DESTROY”、“KILL”は、アプリケーションの終了を指示する制御コードであって、通常終了(例えば、ユーザの確認を行って終了)であるのか、強制終了(例えば、ユーザの確認を行わずに即時終了)であるのかを示す。
このように、このアプリケーション制御コードは、基本的にはARIB STD−B23で規定されているものと同様であるが、ここでは、さらに、“KILLALL”を付加している。この“KILLALL”は、放送通信連携受信装置400において、編成チャンネルに対応するアプリケーションにかかわらず、現在起動しているすべてのアプリケーションの強制終了を示すものである。
【0046】
また、図4(a)の(36)行目に、当該アプリケーションがユーザによって選択可能なアプリケーションか否かを示す情報(リスト可能フラグ〔isListable〕)を記載している。例えば、このリスト可能フラグがTRUE(“1”)であれば、ユーザが選択して実行可能はアプリケーションであることを示す。また、リスト可能フラグがFALSE(“0”)であれば、当該アプリケーションが、ユーザが選択して実行させるアプリケーションではなく、他のアプリケーションから起動されるアプリケーション(例えば、デコーダ等)であることを示す。
このように、ここでは、放送通信連携受信装置400は、放送局側(放送送信装置100)において、EITにアプリケーション起動情報に相当する内容が記述され、これを受信機側(放送通信連携受信装置400)に送信されることが前提となっている。なお、EITとは、番組名、番組内容、出演者、番組のジャンル等が記述されたテーブルのことであり、p/f領域とは、EITにおいて、現在放送中の番組(コンテンツ)と次に放送予定の番組とが記述された領域のことである。
【0047】
この放送通信連携受信装置400は、イベント情報テーブルのp/f領域からアプリケーション起動情報を抽出するため、現在放送中のコンテンツと次に放送予定のコンテンツとで用いられるアプリケーションを取得および制御することができる。これにより、放送通信連携受信装置400によれば、現在放送中のコンテンツと次に放送予定のコンテンツとで用いられるアプリケーションを取得および制御することができるため、アプリケーションをコンテンツに連動させて実行することができる。
【0048】
APL起動情報抽出手段402aは、具体的には、放送受信手段401から入力されたTSに含まれるEITのp/f領域に、図4(a)に示すアプリケーション起動情報に相当する内容が記述されているか否かを確認し、当該内容が記述されている場合、これを抽出する。そして、APL起動情報抽出手段402aは、図2に示すように、抽出した内容をアプリケーション起動情報としてAPL管理・実行制御手段409に出力する。
【0049】
図2に戻って、放送通信連携受信装置400の構成について説明を続ける。
事業者識別マーク情報抽出手段402bは、放送波信号解析手段402で解析されSIの一つであるSDT(Service Description Table)を解析し、事業者識別マーク(ロゴマーク)を抽出するものである。SDTは、編成チャンネルあるいは事業者名などの情報を示すものであり、ARIB TR-B15に示される条件で記載されている。事業者識別マーク情報抽出手段402bは、抽出したSDTに記載された事業者識別マークLmの情報を事業者IDに対応付けて、事業者識別マーク記憶手段430に書き込み記憶させる。事業者識別マーク情報抽出手段402bにより抽出される事業者識別マークの情報は、放送送信装置100(図1参照)の図示を省略した情報埋込手段によって、SDTの記述子領域に埋め込むことで生成されたものである。
【0050】
映像・音声復号手段403は、放送信号解析手段402で抽出された映像・音声(映像ストリームおよび音声ストリーム)を復号するものである。この映像・音声復号手段403は、映像・音声データが例えば、MPEG2の符号化方式によって符号化されている場合、MPEG2の復号を行い表示可能な出力形式の映像・音声データとして、合成表示手段415に出力する。
【0051】
データ放送復号手段404は、放送信号解析手段402で抽出されたデータ放送のデータを復号するものである。このデータ放送復号手段404は、カルーセルを復号し、BMLを解析し、当該BMLを表示可能な出力形式に変換するBMLブラウザの機能を有し、変換した表示データ(データ放送データ)を、合成表示手段415に出力する。
【0052】
通信送受信手段405は、通信インターフェースであり、通信回線Nを介して、各データを送受信するためのものである。この通信送受信手段405は、アプリケーション、アプリケーション起動情報、事業者ID等を含む各種のデータを受信し、また、アプリケーション起動情報を取得するためのデータ、アプリケーションのドメインがどの事業者に対応するかを問合せするデータ等を含む各種のデータを送信するものである。
【0053】
APL起動情報取得手段406は、通信送受信手段405を介して、アプリケーション起動情報を取得するものである。APL起動情報取得手段406は、ここでは、チャンネル連動情報取得手段406aと、チャンネル非連動情報取得手段406bを備えている。
チャンネル連動情報取得手段406aは、通信送受信手段405を介して、編成チャンネルに連動するアプリケーション(チャンネル連動アプリケーション)のアプリケーション起動情報を取得するものである。このチャンネル連動情報取得手段406aは、例えば、起動時に予め定めたサーバ(リポジトリサーバ200〔図1参照〕)から、図4(a)で説明したアプリケーション起動情報記述子と同じ内容のアプリケーション起動情報を取得し、取得したアプリケーション起動情報を編成チャンネルと紐付けてAPL起動情報記憶手段407に書き込み記憶する。
【0054】
チャンネル非連動情報取得手段406bは、通信送受信手段405を介して、編成チャンネルに連動していないアプリケーション(チャンネル非連動アプリケーション)のアプリケーション起動情報を取得するものである。このチャンネル非連動情報取得手段406bは、例えば、起動時に予め定めたサーバ(リポジトリサーバ200〔図1参照〕)から、図4(a)で説明したアプリケーション起動情報記述子と同じ内容のアプリケーション起動情報を取得し、取得したアプリケーション起動情報をAPL起動情報記憶手段407に書き込み記憶する。あるいは、ユーザによって、後記する操作制御手段414を介して、アプリケーションのリストを表示させる指示(リスト表示指示)が通知された段階で、アプリケーション起動情報を取得することとしてもよい。
【0055】
なお、APL起動情報取得手段406のチャンネル非連動情報取得手段406bにより取得したアプリケーション起動情報は、特定の編成チャンネルに紐付いたものではない。そこで、チャンネル非連動情報取得手段406bは、編成チャンネルとして実在しない仮想的なチャンネル(仮想チャンネル)に対応付けて、アプリケーション起動情報をAPL起動情報記憶手段407に書き込み記憶することとする。
【0056】
APL起動情報記憶手段407は、アプリケーション起動情報を、チャンネル(編成チャンネル、仮想チャンネル)に対応付けて、記憶するものであって、半導体メモリ等の記憶媒体である。ここでは、APL起動情報記憶手段407には、APL起動情報抽出手段402aによって、EITで特定される編成チャンネルに対応付けて、抽出されたアプリケーション起動情報が書き込まれる。また、APL起動情報記憶手段407には、チャンネル非連動情報取得手段406bによって、仮想チャンネルに対応付けて、取得されたアプリケーション起動情報が書き込まれる。
【0057】
リスト制御手段408は、起動可能なアプリケーションのリストの表示およびアプリケーションの選択の制御を行うアプリケーションローンチャー(Launcher)である。ここでは、リスト制御手段408は、リスト表示手段408aと、リスト選択手段408bとを備えている。
リスト表示手段408aは、起動可能なアプリケーションのリストの表示するものである。このリスト表示手段408aは、ユーザから操作制御手段414を介してリスト表示を指示されることで、APL起動情報記憶手段407に記憶されているアプリケーション起動情報に対応するアプリケーションのリストを生成し、表示データとして、合成表示手段415に出力する。
【0058】
このリスト表示手段408aは、例えば、図4(a)で説明したアプリケーション起動情報において、(5)〜(8)行目に示したアプリケーション名を表示する。
なお、リスト表示手段408aは、図4(a)で説明したアプリケーション起動情報において、リスト可能フラグ(isListable)が、TRUE(“1”)であるアプリケーションのリストのみを表示することとする。これによって、ユーザが起動できない不要なアプリケーションをリストから除外して表示することができる。
【0059】
リスト選択手段408bは、リスト表示手段408aによって表示されたアプリケーションのリストにおいて、操作制御手段414を介して指示される、ユーザからのリスト選択指示に基づいて、アプリケーションを選択するものである。例えば、リスト選択手段408bは、操作制御手段414を介して、リスト選択指示として、リモコン装置Riの方向(矢印)ボタン(図示せず)の押下信号が通知されることで、複数のアプリケーションのうちで、どのアプリケーションが起動候補として選択されているのかを認識し、決定ボタン(図示せず)の押下信号が通知されることで、実際に起動指示が選択されたアプリケーションを認識する。
このリスト選択手段408bは、選択されたアプリケーションを識別する番号(アプリケーションID)を含んだ選択アプリケーション通知をAPL管理・実行制御手段409に出力する。
【0060】
なお、リスト選択手段408bは、編成チャンネルに連動していないアプリケーションについては、リストを表示する際に、アプリケーションを即時実行させるか、あるいは、放送通信連携受信装置400内(具体的には、APL記憶手段412)にアプリケーションを蓄積(インストール)させるか否かの選択を、ユーザに選択させることとする。
この場合、リスト選択手段408bは、例えば、表示するアプリケーションのリストに、即時実行するか、蓄積するか否かのチェック欄を設けることとしてもよい、アプリケーションが選択された段階で、ユーザに問い合わせを行うこととしてもよい。このアプリケーションを即時実行するか蓄積するか否かを示す情報は、選択アプリケーション通知とともに、APL管理・実行制御手段409に出力されるものとする。
【0061】
APL管理・実行制御手段409は、アプリケーションのライフサイクル(アプリケーションがロード、実行されて終了するまでの過程)を制御するものである。ここでは、APL管理・実行制御手段409は、起動制御手段409aと、終了制御手段409bと、蓄積管理手段409cとを備えている。また、APL管理・実行制御手段409は、アプリケーションApを実行するときにアプリケーションを起動する起動信号を事業者識別マーク制御手段420に出力すると共に、アプリケーションApを終了するときの終了信号を事業者識別マーク制御手段420に出力するように構成されている。
【0062】
起動制御手段409aは、編成チャンネルに連動したアプリケーション(チャンネル連動アプリケーション)の起動や、編成チャンネルに連動していないアプリケーション(チャンネル非連動アプリケーション)の起動を制御するものである。
具体的には、起動制御手段409aは、APL起動情報抽出手段402aから起動情報通知が通知された際、APL起動情報記憶手段407に記憶されている、起動情報通知とともに通知されるアプリケーションIDに対応するアプリケーション起動情報に記述されているアプリケーション制御コードが“AUTOSTART”のときだけ、アプリケーションを起動することとする。
【0063】
すなわち、起動制御手段409aは、アプリケーション制御コードが“AUTOSTART”のときだけ、アプリケーション起動情報に記述されているアプリケーションの所在からそのアプリケーションを取得する旨(アプリケーション取得指示)を、APL取得手段411に通知し、APL実行手段413に当該アプリケーションを実行する旨(起動制御指示)を通知し、かつ、事業者識別マーク制御手段420に通知する。このように構成することで、例えば、編成チャンネルに連動したアプリケーションがユーザの操作によらず、自動起動されることになる。
【0064】
また、起動制御手段409aは、リスト制御手段408から、選択アプリケーション通知が通知された際には、アプリケーション起動情報に記述されているアプリケーションの所在からそのアプリケーションを取得する旨(アプリケーション取得指示)を、APL取得手段411に通知し、APL実行手段413に当該アプリケーションを実行する旨(起動制御指示)を通知し、かつ、事業者識別マーク制御手段420に通知する。これによって、リストから、ユーザが選択したアプリケーションが起動されることになる。
【0065】
なお、起動制御手段409aは、起動中のアプリケーションを識別情報(アプリケーションID)で管理し、図示しない起動APL識別情報記憶手段に起動中のアプリケーションIDを書き込むこととする。また、APL実行手段413において、アプリケーションが他のアプリケーション(子アプリケーション)を起動させた場合、起動制御手段409aは、元のアプリケーション(親アプリケーション)が編成チャンネルに連動している場合、子アプリケーションについても同じ編成チャンネルに連動しているものとし、階層的に対応付けて管理する。
【0066】
終了制御手段409bは、起動中のアプリケーションの終了制御を行うものである。
具体的には、終了制御手段409bは、APL起動情報抽出手段402aから起動情報通知が通知された際、APL起動情報記憶手段407に記憶されている、起動情報通知とともに通知されるアプリケーションIDに対応するアプリケーション起動情報に記述されているアプリケーション制御コードが“DESTROY”、“KILL”または“KILLALL”の場合にアプリケーションを終了させる。
【0067】
なお、アプリケーション制御コードが“DESTROY”の場合、終了制御手段409bは、通知されたアプリケーションIDに対応するアプリケーションを通常終了させる旨、APL実行手段413に指示する。また、アプリケーション制御コードが“KILL”の場合、終了制御手段409bは、通知されたアプリケーションIDに対応するアプリケーションを強制終了させる旨、APL実行手段413に指示する。
なお、終了制御手段409bは、アプリケーションを終了させる場合、図示しない起動APL識別情報記憶手段を参照し、終了を指示されたアプリケーションに子アプリケーションが存在する場合は、子アプリケーションから順次終了処理を行い、子アプリケーションが存在しなくなった段階で、親アプリケーションを終了させる。
【0068】
また、アプリケーション制御コードが“KILLALL”の場合、終了制御手段409bは、図示しない起動APL識別情報記憶手段を参照し、現在起動しているすべてのアプリケーションを強制終了させる。すなわち、アプリケーション制御コードが“KILLALL”の場合、終了制御手段409bは、“KILLALL”が通知されたアプリケーションID以外に、編成チャンネルに連動して起動している他のアプリケーション、および、編成チャンネルに連動せずに起動しているアプリアプリケーションのすべてについて、アプリケーションを強制終了させる旨、APL実行手段413に指示する。
【0069】
これによって、例えば、緊急警報放送や緊急地震速報といった緊急に視聴者に通知したい内容を放送したい場合、放送事業者は、“KILLALL”をアプリケーション制御に記述したアプリケーション起動情報を、放送通信連携受信装置400に通知することで、緊急時において、表示画面等のリソースを優先的に使用することができる。
また、終了制御手段409bは、アプリケーションを終了するときには、終了信号を事業者識別マーク制御手段420に出力するように構成されている。
【0070】
蓄積管理手段409cは、放送通信連携受信装置400内(具体的には、APL記憶手段412)にアプリケーションを予め蓄積(インストール)する制御を行うものである。
具体的には、蓄積管理手段409cは、リスト表示手段408aから、起動可能なアプリケーションのリストの中で、ユーザが選択した選択アプリケーションを特定する情報(アプリケーションID)とともに、APL記憶手段412にアプリケーションを蓄積させる旨を通知された場合に、アプリケーション起動情報に記述されているアプリケーションの所在からそのアプリケーションを取得し、APL記憶手段412に書き込む旨(アプリケーション取得指示)を、APL取得手段411に通知する。
これによって、APL記憶手段412には、ユーザが選択したアプリケーションが蓄積される。
【0071】
なお、蓄積管理手段409cは、アプリケーションをAPL記憶手段412に蓄積(インストール)した場合、APL起動情報記憶手段407に記憶されている当該アプリケーションに対応するアプリケーション起動情報において、アプリケーションの所在(アドレス)を、APL記憶手段412のアドレスを参照するように更新する。
【0072】
例えば、蓄積管理手段409cは、アプリケーション起動情報の“http://〜”と記載してあるアプリケーションのアドレス表記を、APL記憶手段412内のローカルなアドレス(APL記憶手段412内のアドレス)を示すように“file:///〜”等に変換する。もちろん、アプリケーション起動情報を直接変更せずに、当該アプリケーション起動情報のアドレスを読み替えて参照するような変換規則を、アプリケーション起動情報に対応付けて別途記述しておくこととしてもよい。
【0073】
また、蓄積管理手段409cは、アプリケーションをAPL記憶手段412に蓄積(インストール)した場合、APL起動情報記憶手段407にアプリケーションが蓄積されている旨の状態(蓄積あるいは未蓄積)を書き込み管理することとする。
一方、蓄積管理手段409cは、ユーザの指示に応じて、蓄積したアプリケーションを削除する。すなわち、APL記憶手段412に記憶されているアプリケーションは、蓄積管理手段409内の蓄積アプリケーションリスト表示手段(図示せず)によってリスト表示され、アプリケーション選択削除手段(図示せず)によって、ユーザからの選択により、APL記憶手段412から削除される。このとき、アプリケーション選択削除手段(図示せず)は、APL起動情報記憶手段407において、対応するAPL蓄積状態を“未蓄積”とする。
【0074】
このように、APL管理・実行制御手段409を構成することで、編成サービスに連動したアプリケーション(チャンネル連動アプリケーション)に対して、放送局から通知されるアプリケーション起動情報によって、起動・終了の制御を行うことができる。また、編成チャンネルに連動しないアプリケーション(チャンネル非連動アプリケーション)については、ユーザが任意のタイミングで取得・実行することができる。
【0075】
APL取得手段411は、通信送受信手段405を介して、通信回線Nに接続されたAPLサーバ300(図1参照)から、アプリケーションを取得するものである。
このAPL取得手段411は、起動制御手段409aからAPL取得指示を通知された場合、当該指示で通知されるアプリケーションの所在(アドレス)から、指定されたアプリケーションを取得し、その取得したアプリケーションをAPL実行手段413に出力する。
【0076】
また、APL取得手段411は、蓄積管理手段409cからAPL取得指示を通知された場合、当該指示で通知されるアプリケーションの所在(アドレス)から、指定されたアプリケーションを取得し、その取得したアプリケーションを蓄積管理手段409cに書き込み蓄積する。
APL記憶手段412は、APL取得手段411で取得されたアプリケーションを記憶するもので、ハードディスク等の記憶媒体である。このAPL記憶手段412は、アプリケーションを、任意のタイミングで動作させるために蓄積しておくものである。
このAPL記憶手段412に記憶されているアプリケーションは、APL実行手段413によって読み出され、実行される。
【0077】
APL実行手段413は、APL管理・実行制御手段409からの指示(起動制御指示)に基づいて、アプリケーションの起動および終了を行うものである。
このAPL実行手段413は、起動制御手段409aから通知されるアプリケーションを実行する旨が指示された場合、起動制御指示に含まれるアプリケーションを特定する情報(アプリケーションID、所在位置等)に基づいて、アプリケーションおよびアプリケーションを実行する際に必要となるデータ(例えば、メタデータ、アイコンデータ等)をアプリケーションの取得元から取得する。
そして、APL実行手段413は、図示を省略したメモリにアプリケーションを展開(ロード)し、アプリケーションを実行させる。
【0078】
なお、APL実行手段413は、起動制御指示に含まれるアプリケーションの取得元が、“file:///〜”のようにローカルディスク(APL記憶手段412)のアドレスである場合、APL記憶手段412からアプリケーションを読み出し実行する。また、APL実行手段413は、起動制御指示に含まれるアプリケーションの取得元が、“http://〜”のようにネットワーク上のアドレスである場合、APL取得手段411に当該アプリケーションの取得を指示(APL取得指示)し、アプリケーションを取得して実行する。
【0079】
このアプリケーションの実行に伴う画像や音声のデータは、合成表示手段415に出力される。
また、APL実行手段413は、終了制御手段409bから通知されるアプリケーションを終了する旨が指示された場合、指示されたアプリケーションを終了させる。
なお、APL実行手段413は、終了制御手段409bから通常終了あるいは強制終了であるかを、例えば、割り込み信号等によって起動中のアプリケーションに通知し、アプリケーションを終了させる。
【0080】
操作制御手段414は、外部のリモコン装置Ri等の入力手段を介して、放送通信連携受信装置400に対するユーザの操作(例えば、チャンネル変更等)を制御するものである。この操作制御手段414は、リモコン装置Riを介してユーザからチャンネルの変更が指示された場合、選択されたチャンネルのチャンネル番号を含んだチャンネル切替指示を放送信号解析手段402に通知する。これによって、現在視聴中のチャンネルが選局されることになる。また、操作制御手段414は、同じくチャンネル切替指示をAPL管理・実行制御手段409に通知する。これによって、編成チャンネルに連動したアプリケーションの起動や終了が実行されることになる。さらに、APL管理・実行制御手段409がアプリケーションの起動や終了を実行することに伴って、後記するように、事業者識別マーク制御手段420が事業者識別マークの表示や終了を行うことになる。
【0081】
図2に示すように、放送通信連携受信装置400は、放送信号解析手段402で解析されて分離された事業者識別マークを記憶する事業者識別マーク記憶手段430を備えている。
事業者識別マーク記憶手段430は、事業者識別マークを記憶するものである。この事業者識別マーク記憶手段430は、例えば事業者を示す事業者IDと事業者が使用している事業者識別マーク(ロゴマーク)Lmを対応づけて記憶する半導体メモリ等の記憶媒体である。ここで記憶される事業者識別マークLmは、例えば、放送波Wにより送られるEPGに表示されるロゴマークである。
【0082】
事業者識別マーク制御手段420は、事業者識別マークの表示、終了を制御するものである。より具体的には、事業者識別マーク制御手段420は、APL管理・実行制御手段409からのアプリケーション起動信号により、アプリケーションを提供する事業者を示すドメインを事業者ドメイン解決サーバ500に問合せ、問合せの回答で示す事業者IDから事業者識別マーク記憶手段430に記憶している事業者識別マークLmを取得し、合成表示手段415に出力することでアプリケーションに隣り合う位置に表示させるためのものである。この事業者識別マーク制御手段420は、図5に示すように、ドメイン抽出手段421と、ドメイン問合せ手段422と、蓄積事業者識別マーク検索手段423と、画面表示制御手段424と、事業者識別マーク終了制御手段425とを備えている。
【0083】
図5に示すように、ドメイン抽出手段421は、アプリケーションのドメインを抽出するものである。このドメイン抽出手段421は、アプリケーション起動信号がAPL管理・実行制御手段409から送られてくると、起動させるアプリケーションに記載されているアプリケーション言語のテキストデータからドメインの文字列を抽出して取得する。ドメイン抽出手段421は、抽出したドメインの文字列を問合せ手段422に出力する。
【0084】
ドメイン問合せ手段422は、ドメインを事業者ドメイン解決サーバ500に問合せするものである。ドメイン問合せ手段422は、ドメイン抽出手段421から受け取ったドメインの文字列を、通信送受信手段405(図2参照)を介して事業者ドメイン解決サーバ500に問合せる。なお、事業者ドメイン解決サーバのアドレスは、予め登録されているか、あるいは、放送局側から放送波により送られてきたものを登録するようにして設定されている。また、問合せを受けた事業者ドメイン解決サーバ500は、その回答としてドメインの文字列に対応(一致)する事業者IDを送り返している。送られた事業者IDは、通信送受信手段405を介して蓄積事業者識別マーク検索手段423が受け取る。
【0085】
蓄積事業者識別マーク検索手段423は、事業者識別マーク記憶手段430において事業者IDに対応する事業者識別マークを検索するものである。この蓄積事業者識別マーク検索手段423は、通信送受信手段405から受け取った事業者IDに基づいて、事業者識別マーク記憶手段430に記憶されている当該事業者IDに対応する事業者識別マークを検索する。そして、蓄積事業者識別マーク検索手段423は、検索した事業者識別マークを事業者識別マーク記憶手段430から画面表示制御手段424に受け渡している。
【0086】
画面表示制御手段424は、事業者識別マークを合成表示手段415に出力するものである。この画面表示制御手段424は、事業者識別マーク記憶手段430から事業者識別マークを受け取ると、合成表示手段415(図2参照)にその事業者識別マークを出力し、図示しないメモリにアプリケーションを識別する情報と、事業者識別マークLmを出力したか否かを示す情報(例えばフラグの0、1)を記憶する。画面表示制御手段424は、事業者識別マークの大きさ色等のデータを合成表示手段415に送ることで、アプリケーションに隣り合う位置に表示させることができるようにしいる。
【0087】
事業者識別マーク終了制御手段425は、事業者識別マークLmの表示を終了させるものである。この事業者識別マーク終了制御手段425は、APL管理・実行制御手段409からアプリケーションを終了するアプリケーション終了信号を受けて、事業者識別マークの表示を終了するように、合成表示手段415に終了信号を出力する。なお、事業者識別マーク終了制御手段425は、アプリケーション終了信号に基づいて、画面表示制御手段424が、図示しないメモリに記憶されているアプリケーションを識別する情報と対比して判定し、そのアプリケーション終了信号に対応するアプリケーションを終了させている。そして、事業者識別マーク終了制御手段は、その図示しないメモリに記憶されている事業者識別マークLmを出力した情報があれば、表示されている事業者表示マークLmを終了するように終了信号を合成表示手段415に出力し、当該メモリに事業者識別マークを出力していないことを示す情報があれば、合成表示手段415に終了信号を送ることはしていない。
【0088】
合成表示手段415は、アプリケーションリスト、アプリケーションAp及び事業者識別マークLmのいずれか一つ以上を映像音声の少なくとも映像に合成して映像表示装置Moに表示させるものである。この合成表示手段415は、合成した音声については、音声信号として外部に接続されたスピーカ等の音声出力装置Spに出力し、合成した映像(画像)については、映像信号として外部に接続された液晶ディスプレイ等の映像表示装置Moに出力する。合成表示手段415は、映像・音声復号手段403からの映像音声データと、データ放送復号手段404からのデータ放送のデータと、APL実行手段413からのアプリケーションのデータと、事業者識別マーク制御手段420からの事業者識別マークのデータと、を合成して映像表示装置Moに表示している。
【0089】
そして、合成表示手段415は、アプリケーションApの持っている初期表示位置、表示形状、色、表示領域等のデータにより、映像データのどの位置にどのような大きさ形状で合成すればよいか分かるので、それらのアプリケーションApを表示するためのデータに基づいて、アプリケーションApを映像データに合成して表示している。そして合成表示手段15は、事業者識別マークLmについても当該事業者識別マークが持っている表示形状、色、表示領域等のデータにより、表示されるアプリケーションApと共に事業者識別表示マークLmを表示するようにしている。なお、ここでは、事業者表示マークLmは、アプリケーションに隣り合う位置に合成して表示するようにしている。また、合成表示手段415は、リスト制御手段408からリストのデータが送られた場合には、予め決められている条件に基づいて映像表示装置Moにリストを既に表示されている映像等の所定位置に合成して表示するように構成されている。
【0090】
以上のような構成により、放送通信連携受信装置400では、合成表示手段415が、図7に示すように、映像表示装置Moに各データを合成して、例えば、ニュース番組の映像に時計及び天気予報のアプリケーションApと、そのアプリケーションApを提供する事業者の事業者識別マークLmを隣り合う位置に表示することができる。なお、図7に示すアプリケーションAp及び事業者識別マークLmの表示は、例えば、アプリケーションApである時計を囲む四角形のエリアが表示領域としたときに、その表示領域の四角形の上辺となるアドレス位置を事業者識別マークLmの表示領域の四角形の下辺となるアドレス位置を重ねる位置とすることで、そのアプリケーションApの示すエリアに隣接させて事業者識別マークLmを隣り合わせて表示する例として示している。したがって、映像表示装置Moでは、エリアを示す二点鎖線は表示されていない状態となる。また、合成表示手段415は、天気を示すアプリケーションApのように四角形で示す輪郭線が表示される場合には、その輪郭線に事業者識別マークLmの表示領域を隣接させて表示することとしてもよい。
【0091】
すなわち、アプリケーションApの表示範囲及び表示位置等のデータ及び事業者識別マークLmの形状等のデータは、当該アプリケーションAp及び当該事業者識別マークLmが有しているので、それらのデータを使用して合成表示手段415が、予め設定された表示条件により、映像データ等と合成して表示している。そのため、合成表示手段415は、予め表示条件を設定しておくことで、それぞれのデータを参照して映像上において互いに隣接する状態、間隔を開けて隣り合う状態、また、アプリケーションに事業者識別マークLmを一部重ねて上書きするようにオーバーライドして表示させることができる。
【0092】
また、アプリケーションApの表示される幅に対して事業者識別マークLmが同じ幅、または、異なる幅であったときにも、アプリケーションApの左端に、事業者識別マークLmの表示エリアの左端の位置を合わせて表示させ先頭を揃えるか、アプリケーションApの中央に事業者識別マークLmの中央を揃えるか、あるいは、アプリケーションApの右端に事業者識別マークLmの表示エリアの右端の位置を揃えるかについて、予め表示条件を合成表示手段415で設定することで、アプリケーションApと事業者表示マークLmを共に表示することができる。なお、ここで使用される事業者識別マークLmは、例えば、各放送局がEPG(Electronic Program Guide)で使用している事業者を示すロゴマークを使用している。
【0093】
つぎに、放送通信連携受信装置400の動作を説明する。なお、放送通信連携受信装置等の構成については適宜、図2及び図5を参照し、事業者識別マークLmの取得動作については図8を参照し、事業者識別マークLmの表示動作については図9を参照して説明する。
図8に示すように、始めに、放送通信連携受信装置400は、放送波WをアンテナAから放送受信手段401を介して受信する(ステップS1)。そして、放送通信連携受信装置400は、放送信号解析手段402により復調されたストリームデータにおいて、PSI/SIを解析し、映像、音声、データ等のデータを抽出すると共に、抽出した映像、音声等のデータであるPES形式のデータについては、映像・音声復号手段403に出力し、抽出したデータ放送等のデータであるセクション形式のデータについては、データ放送復号手段404に出力する。
【0094】
また、放送通信連携受信装置400は、APL起動情報抽出手段402aによりEITを解析してアプリケーション起動情報を抽出し、アプリケーション起動情報をAPL起動情報記憶手段407に出力して記憶させる。さらに、放送通信連携受信装置400は、事業者識別マーク情報抽出手段402bによりSDTを解析して事業者識別マーク(ロゴマーク)が有る場合には(ステップS2)、事業者識別マークLmを抽出し(ステップS3)、事業者IDと対応付けて事業者識別マーク記憶手段430に記憶する(ステップS4)。
このように、放送通信連携受信装置400は、事業者識別マークLmを予め放送波Wにより受信することで、装置内の事業者識別マーク記憶手段430に記憶して蓄積させておく。したがって、ここで使用する事業者識別マークLmは、事業者が承認している公式のロゴマークである。なお、事業者識別マークLmの一例としては、EPGで使用されている各事業者のロゴマークである。
【0095】
つぎに、放送通信連携受信装置400は、図2、図5及び図9に示すように、アプリケーションApを起動する場合、APL管理・実行制御手段409の起動制御手段409aからアプリケーションの起動信号を事業者識別マーク制御手段420が受け取ると(ステップS11)、事業者識別マーク制御手段420のドメイン抽出手段421が起動するアプリケーションのアプリケーション言語のテキストデータからドメインを抽出する(ステップS12)。
【0096】
そして、放送通信連携受信装置400は、ドメインを抽出したドメイン抽出手段421からドメインをドメイン問合せ手段422が受け取り、通信送受信手段405を介して通信回線Nに接続されている事業者ドメイン解決サーバ500にドメインと事業者との対応関係を問合せる(ステップS13)。
問合せを受けた事業者ドメイン解決サーバ500は、事業者IDとドメインとが対応したリストから事業者IDを検索してその問合せのドメインに対応した事業者IDが存在していた場合は、当該事業者IDを回答する。また、事業者ドメイン解決サーバ500は、検索したドメインに対応する事業者IDが存在しなかった場合には、事業者IDに対応する位置に事業者IDがなしである旨が分かる記述をして回答する。
【0097】
放送通信連携受信装置400は、事業者ドメイン解決サーバ500から蓄積事業者識別マーク検索手段423が通信送受信手段405を介して回答を受け取ると、その回答に事業者IDが記述されている場合には(ステップS14でYesの場合)、送られてきた回答に記述されている事業者IDに基づいて、事業者識別マーク記憶手段430に事業者IDに対応して記憶されている事業者識別マークLmを検索して画面表示制御手段424が取得する(ステップS15でYesの場合)。
放送通信連携受信装置400において、事業者識別マーク制御手段420は、起動するアプリケーションApに一致する事業者識別マークLmを、事業者識別マーク記憶手段430から画面表示制御手段424が取得すると、合成表示手段415に事業者識別マークを出力する。
【0098】
放送通信連携受信装置400は、合成表示手段415が、選択されている編成チャンネルの映像音声と、起動させるアプリケーションApと、事業者識別マークLmとを合成して映像表示装置Moに表示する(ステップS16)。事業者識別マークLmは、視聴者に対して認知度が高いマークであるため、合成表示手段415により表示されているアプリケーションApに隣接した状態で表示されることで、視聴者(ユーザー)にアプリケーションApがどの事業者から提供されているかが一目瞭然で判断することができる。したがって、視聴者は、使用しているアプリケーションApに隣り合って表示されている事業者識別マークLmを確認したときに、見覚えのあるものであれば安心して視聴することができる。
【0099】
なお、ステップS14及びステップS15において、事業者IDあるいは事業者識別マークLmを取得できなかった場合には、事業者識別マーク制御手段420は、合成表示手段415に何も出力しないか、あるいは、事業者識別マークLmがないことが分かる信号を出力することで、映像表示装置Moで表示されるアプリケーションApには、アプリケーションApのみが表示されるか(ステップS20)、アプリケーションApとそのドメインを記載したURLが表示されるようになる。
【0100】
つぎに、放送通信連携受信装置400は、アプリケーションApが終了する場合、APL管理・実行制御手段409から事業者識別マーク制御手段420がアプリケーションApの終了信号を受け取り(ステップS17)、その終了信号により事業者識別マーク終了制御手段425が、事業者識別マークLmが表示されているか否かを判断して表示している場合には(ステップS18のYesの場合)、合成表示手段415に信号を送って事業者識別マークLmの表示終了動作を行なう(ステップS19)。また、ステップS18でNoであったときには、事業者識別マーク終了制御手段425から合成表示手段に終了信号が送られず、表示画面上には事業者識別マークLmが表示されていないので、事業者識別マークLmに関する制御は行われない。
以上説明したように、放送通信連携受信装置400では、アプリケーションApと隣り合う位置に視聴者にも分かり易い事業者の知られた形態の事業者識別マークLmが表示されることにより、視聴者は安心してアプリケーションApを使用することができる。
【0101】
なお、放送通信連携受信装置400は、事業者識別マーク制御手段420について、コンピュータを当該事業者識別マーク制御手段420が備える各手段として機能させる事業者識別マーク制御プログラムとして実現することもできる。
【0102】
なお、放送通信連携受信装置400は、事業者識別マークLmを放送波Wにより取得する構成として説明したが、通信回線Nに接続されている信頼できる機関であれば通信により事業者識別マークLmを取得する構成としてもよい。例えば、リポジトリサーバ200に事業者が予め設定されている表示条件(ARIB TR-B15に記載の条件)に沿って記述されて認証された事業者識別マークLmを登録して置き、放送通信連携受信装置400は、定期的に図示しない事業者識別マーク通信取得手段が通信送受信手段405を介して取得して、事業者識別マーク記憶手段430に通信から取得した事業者識別マークLmを記憶するように構成しても構わない。
【0103】
また、放送通信連携受信装置400は、放送波Wにより送られて来た事業者識別マークLmを受け取り、事業者識別マーク記憶手段430に記憶されたものに対して、蓄積事業者識別マーク検索手段が検索して存在しなかった事業者識別マークLmがあったことを事業者識別マーク制御手段420が認識したときに、前記した通信によりリポジトリサーバ200に取得しに行くように制御する構成としても構わない。
【0104】
さらに、放送通信連携受信装置400は、事業者識別マークLmをSDTの記述領域に埋め込むことで送信されたものを抽出するよう説明したが、事業者識別マークLmをCDT(Common Data Table)に記述して送信されたものを抽出し記憶する構成としても構わない。なお、CDTで記述して事業者識別マークを送る場合には、EPG画面等で表示される、各サービス毎に対応したロゴ情報を伝送することができ、そのロゴ情報が(Pngファイル)がセクション化され、伝送することができる。
【0105】
また、アプリケーションの種類によっては、合成表示手段415は、映像データ及び音声データと、アプリケーションと、事業者識別マークLmとを合成して表示するように構成されている。例えば、図7で示すように、合成表示手段415は、時計のアプリケーションの映像と、その時計の時報とを合成して、映像データによる時計は映像表示手段Moから表示し、音声データによる時報の音は、音声出力装置Spから表示(出力)するように構成されている。
【0106】
そして、放送通信連携受信装置400では、ドメイン名と対応するする事業者IDを問い合わせて事業者ドメイン解決サーバ500にからの回答により事業者識別マークLmを特定するように説明したが、ドメイン名と一対一で対応するIPアドレスを問合せることで、事業者IDを特定するようにしてもよい。つまり、事業者ドメイン解決サーバ500は、事業者IDと、ドメイン名と、IPアドレスとが紐付いて記憶されている構成とすることで、問合せがドメイン名であっても、IPアドレスであっても事業者IDを回答することが可能となる。なお、放送通信連携受信装置400は、アプリケーションApがIPアドレスの表示のときには、ドメイン抽出手段421は、ドメイン名の変わりに事業者を特定する情報としての事業者特定情報であるIPアドレスを抽出して事業者ドメイン解決サーバ500に問合わせることになる。
【0107】
さらに、アプリケーションApを起動するAPL起動情報は、放送波WのEITに記述されて送られる例として説明したが、データ放送等のデータであるセクション形式となり、コンポーネントタグ及びモジュールで特定されるデータカルーセルのデータに記述して送り、データ放送復号手段404のAPL起動情報抽出手段404aにより抽出されてAPL起動情報記憶手段407に記憶させるようにしてもよい。また、アプリケーションApを起動するAPL起動情報は、放送波Wで送ることとは別に通信送受信手段405を介してAPL起動情報取得手段406により取得されてAPL起動情報記憶手段407に記憶するように構成してもよい。
【0108】
つまり、放送通信連携受信装置400は、アプリケーション起動情報が、放送波のEIT、カルーセルデータ、AITにより送ることや、通信回線から取得する等、どのような手段で取得される構成であっても構わない。また、アプリケーションの種類は、編成チャンネルに連動して起動可能なアプリケーションや、編成チャンネルに非連動なアプリケーションや、独立して起動可能なアプリケーション、Aアプリケーション、一般アプリケーション等、どのようなアプリケーションであっても構わない。
【0109】
さらに、放送通信連携受信装置400は、図1に示すように、携帯電話のような携帯機器600との連携を行って、その携帯機器600からの操作を行うようなことができる構成として、アプリケーションの起動、終了等を行うようにしても構わない。携帯機器600によりアプリケーションを実行するように操作しても事業者識別マークLmは、前記したときと同様に、その実行されて表示されるアプリケーションApに隣り合う位置に表示されることになる。
【0110】
また、アプリケーション起動情報に相当する内容は、ここでは、TSに含まれるSI(Service Information)テーブルにおける、EIT(Event Information Table:イベント情報テーブル)のp/f領域に記述される構成として説明したが、AITにより放送波で送るようにしてもよい。
すなわち、アプリケーション起動情報は、AITの場合、例えば、図10(a)に示すようなデータ構造を有している。放送通信連携受信装置400で実行されるアプリケーションの起動状態は、図10(a)に示すアプリケーション起動情報における「application_control_code」によって制御することができる。すなわち、当該「application_control_code」に、例えば図10(b)示すようなコードを記述することで、放送通信連携受信装置400で実行されるアプリケーションの起動状態を制御することができる。
【0111】
例えば、「application_control_code」に、図10(b)に示す「AUTOSTART」と記述した場合、コンテンツを再生した際に、当該コンテンツに連動したアプリケーションを自動起動させることができる。また、「application_control_code」に、図10(b)に示す「PRESENT」のコードを記述した場合、コンテンツを再生した際に、当該コンテンツに連動したアプリケーションをスタンバイさせることができる。また、「application_control_code」に、図10(b)に示す「DESTROY」のコードを記述した場合、コンテンツ再生中に起動しているアプリケーションを終了させることができる。また、「application_control_code」に、図10(b)に示す「KILL」のコードを記述した場合、コンテンツ再生中に起動しているアプリケーションを、ユーザの意志に関わらず強制終了させることができる。
【0112】
また、「application_control_code」に、図10(b)に示す「REMOTE」のコードを記述した場合、制御対象となるアプリケーションがリモートアプリケーションであることを示すことができる。また、「application_control_code」に、図10(b)に示す「DISABLED」のコードを記述した場合、コンテンツ再生中に起動しているアプリケーションを不使用状態(例えば映像表示装置Moに表示させない)にすることができる。
【0113】
さらに、「application_control_code」に、図10(b)に示す「KILLALL」のコードを記述した場合、コンテンツ再生中に起動している全てのアプリケーションを、ユーザの意志に関わらず強制終了させることができる。なお、図示は省略したが、図10(a)に示すアプリケーション起動情報には、制御対象となるアプリケーションを識別するためのアプリケーションIDと、当該アプリケーションが格納されているAPLサーバ300(図1参照)のアドレス(ロケーション情報)と、がそれぞれ記述されている。
【符号の説明】
【0114】
1 放送通信連携システム
100 放送送信装置
200 リポジトリサーバ
300 APL(アプリケーション)サーバ
400 放送通信連携受信装置
401 放送受信手段
402 放送信号解析手段
402a APL(アプリケーション)起動情報抽出手段
402b 事業者識別マーク情報抽出手段
403 音声復号手段
404 データ放送復号手段
404a APL起動情報抽出手段(カルーセル用)
405 通信送受信手段
406 APL(アプリケーション)起動情報取得手段
406a チャンネル連動情報取得手段
406b チャンネル非連動情報取得手段
407 APL(アプリケーション)起動情報記憶手段
408 リスト制御手段
408a リスト表示手段
408b リスト選択手段
409 実行制御手段
409a 起動制御手段
409b 終了制御手段
409c 蓄積管理手段
411 APL(アプリケーション)取得手段
412 APL(アプリケーション)記憶手段
413 APL(アプリケーション)実行手段
414 操作制御手段
415 合成表示手段
420 事業者識別マーク制御手段
421 ドメイン抽出手段
422 ドメイン問合せ手段
423 蓄積事業者識別マーク検索手段
424 画面表示制御手段
425 事業者識別マーク終了制御手段
430 事業者識別マーク記憶手段
500 事業者ドメイン解決サーバ
501 送受信手段
502 検索手段
503 検索結果取得手段
510 ドメイン記憶手段
600 携帯機器
A アンテナ
Ap アプリケーション
Lm 事業者識別マーク
Mo 映像表示装置
N 通信回線
Ri リモコン装置
W 放送波


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションに記述されたドメイン及び当該ドメインが示す事業者を対応付けて記憶する事業者ドメイン解決サーバ、及び、映像表示装置に表示する映像と共に使用される前記アプリケーションを提供するアプリケーションサーバに、ネットワークを介して接続する通信送受信手段を有し、前記映像表示装置に映像及びアプリケーションを表示すると共に、前記アプリケーションのドメインに記述された事業者を識別する事業者識別マークを表示する放送通信連携受信装置であって、
前記放送により提供される放送波を受信して映像・音声データと前記事業者識別マークを分離する放送信号解析手段と、
この放送信号解析手段で分離した事業者識別マークを事業者と対応付けて記憶する事業者識別マーク記憶手段と、
実行させる前記アプリケーションに記述されているドメインに一致する事業者を前記事業者ドメイン解決サーバに問合わせると共に、その問合わせの回答により、前記事業者識別マーク記憶手段に記憶されている前記事業者に対応付けられている事業者識別マークを検索して取得する事業者識別マーク制御手段と、
この事業者識別マーク制御手段で取得した前記事業者識別マークを受け取り前記アプリケーションと共に前記映像・音声データのうちの少なくとも映像データと合成して前記映像表示装置に出力する合成表示手段とを備える放送通信連携受信装置。
【請求項2】
前記事業者識別マーク制御手段は、前記アプリケーションにおけるアプリケーション言語のテキストデータから前記ドメインを抽出するドメイン抽出手段と、
前記抽出したドメインに基づいて前記事業者ドメイン解決サーバに当該ドメインに対応する事業者の問合わせを行うドメイン問合せ手段と、
前記事業者ドメイン解決サーバからの回答により前記事業者識別マーク記憶手段に記憶されている事業者の事業者識別マークを検索する蓄積事業者識別マーク検索手段と、
前記検索した事業者識別マークを前記合成表示手段に出力する画面表示制御手段と、
前記アプリケーションの終了信号を受けて前記事業者識別マークの表示を終了する事業者識別マーク終了制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の放送通信連携受信装置。
【請求項3】
ネットワークに接続される放送通信連携システムであって、
前記ネットワークに接続され前記アプリケーションを提供するアプリケーションサーバと、
前記ネットワークに接続され前記アプリケーションに記述されたドメイン及び当該ドメインが示す事業者を対応付けて記憶する事業者ドメイン解決サーバと、
放送波を受信して表示する前記請求項1又は請求項2に記載の放送通信連携受信装置とを備えることを特徴とする放送通信連携システム。
【請求項4】
アプリケーションに記述されたドメイン及び当該ドメインが示す事業者を対応付けて記憶する事業者ドメイン解決サーバ、及び、映像表示装置に表示する映像と共に使用される前記アプリケーションを提供するアプリケーションサーバに、ネットワークを介して接続する通信送受信手段を有し、前記映像表示装置に映像及びアプリケーションを表示すると共に、前記アプリケーションのドメインに記述された事業者を識別する事業者識別マークを表示する放送通信連携受信装置で使用される事業者識別マーク制御プログラムであって、
前記放送通信連携受信装置で取得されたアプリケーションにおけるアプリケーション言語のテキストデータから前記ドメインを抽出するドメイン抽出手段、
前記抽出したドメインに基づいて前記事業者ドメイン解決サーバに当該ドメインに対応する事業者の問合わせを行うドメイン問合せ手段、
前記事業者ドメイン解決サーバからの回答により、前記放送通信連携受信装置において事業者識別マークを事業者と対応付けて記憶する事業者識別マーク記憶手段から前記事業者の事業者識別マークを検索する蓄積事業者識別マーク検索手段、
前記検索した事業者識別マークを前記放送通信連携受信装置において映像および前記アプリケーションと合成する合成表示手段に出力する画面表示制御手段、
前記アプリケーションの終了信号を受けて前記事業者識別マークの表示を終了する事業者識別マーク終了制御手段、
としてコンピュータを機能させることを特徴とする事業者識別マーク制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−9362(P2013−9362A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−114226(P2012−114226)
【出願日】平成24年5月18日(2012.5.18)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】