説明

放電プラズマに基づいた極紫外(EUV)放射線発生のソース位置を安定させるための方法および装置

【課題】放電プラズマに基づいた極紫外(EUV)放射線発生のソース位置を安定させるための方法および装置を提供する。
【解決手段】本発明は、放電プラズマに基づいたEUV放射線の発生中にソース位置を安定させるための方法および装置に関する。ソース位置の位置変化を放射線ソースの動作中に単純な方法で補償できるようにする、EUV放射線の発生中にソース位置を安定させるための新規な可能性を見い出すという目的は、第1のビーム整列ユニット(7)、第2のビーム整列ユニット(4)、およびビーム集束ユニット(5)が、蒸発ビーム(3)に配置され、かつ第1〜第3の測定装置(8、9、10)に接続され、かつ基準値に対する蒸発ビーム(3)の方向偏差および発散偏差を取得および補償するために調整可能であるという点で、本発明によって達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電プラズマに基づいた極紫外(EUV)放射線の発生中にソース位置を安定させるための方法および装置に関し、この場合に、パルス高エネルギ放射線の蒸発ビームが、ビーム集束ユニットを介して、真空チャンバの2つの電極間におけるエミッタ材料の蒸発用の所定の蒸発位置に向けられる。
【0002】
本発明は、特に半導体リソグラフィに適用され、かつ13.5±0.135nmのスペクトル帯域におけるEUVリソグラフィに好適であると好ましい。
【背景技術】
【0003】
放電プラズマによるEUV放射線の発生のために、蒸発位置の2つの電極間において集束されたパルス高エネルギ放射線(蒸発ビーム)、例えばレーザ放射線によって、真空チャンバにおける好適なエミッタ材料、例えばスズを蒸発させることと、電極間のパルス放電によってエミッタ材料を放電プラズマに変換することと、が周知である(例えば、特許文献1、特許文献2)。放電プラズマが発生する空間であって、そこからEUV放射線が放射される空間が、ソース位置である。
【0004】
EUV放射線の多くの用途にとって、例えばマイクロリソグラフィにとって、供給されるEUV放射線の安定した品質が、非常に重要である。
【0005】
これに関連して、個別のEUVビームパルス間でのソース位置における位置のわずかな変化さえ、EUV用途における品質に対して非常にネガティブな影響を及ぼす可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7,541,604号明細書
【特許文献2】米国特許第6,815,900号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、ソース位置における位置の熱依存変化を放射線ソース(放射線源)の動作中に単純な方法で補償できるようにする、放電プラズマに基づいた極紫外(EUV)放射線の発生中にソース位置を安定させるための新しい可能性を発見することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
放電プラズマに基づいた極紫外(EUV)放射線の発生中にソース位置を安定させるための方法であって、パルス高エネルギ放射線の蒸発ビームが、真空チャンバの2つの電極間におけるエミッタ材料の蒸発用の所定の蒸発位置に、ビーム集束ユニットを介して向けられる方法において、上記の目的は、以下のステップを介して満たされる。すなわち、
− 蒸発ビームの第1の実際の方向値が、第1のビーム整列ユニットに当たる前に2つの座標において得られ、得られた実際の方向値が、第1の方向偏差を決定するために第1の基準方向値と比較されるステップと、
− 2つの座標における第2のビーム整列ユニットの位置補正が、蒸発ビームの第1の方向偏差を補償するために実行されるステップと、
− 蒸発ビームの第2の実際の方向値が、第1のビーム整列ユニットの下流における2つの座標において得られ、得られた第2の実際の方向値が、所定の蒸発位置の方向における第2の方向偏差を決定するために第2の基準方向値と比較されるステップと、
− 2つの座標における第1のビーム整列ユニットの位置補正が、蒸発ビームの第2の方向偏差を補償するために実行されるステップと、
− 蒸発ビームの実際の発散値が、第1のビーム整列ユニットの下流において得られ、得られた実際の発散値が、基準発散値と比較され、それによって、蒸発ビームが、発散偏差を決定するために所定の蒸発位置において蒸発ビームの補正された方向に沿って集束されるステップと、
− 蒸発位置における蒸発ビームの集束が調整されるように、ビーム集束ユニットが、発散偏差を補償するために補正されるステップと、
を介して満たされる。
【0009】
「蒸発位置」とは、電極のうち1つの表面上のエリアまたは電極間のエリアを意味し、そこでは、供給されたエミッタ材料が蒸発ビームの動作を介して蒸発される。
【0010】
以下において、「実際値」とは、蒸発ビームにおける1つの位置で実際に測定される蒸発ビームの値を意味する。基準値は、それによって、蒸発ビームの焦点が、所望の精度およびエネルギ分布で蒸発位置に向けられる値、すなわち、例えば、それによってエミッタ材料の確実で十分な蒸発が保証される値である。
【0011】
本発明による方法の有利な実施形態において、第1のビーム整列ユニット、第2のビーム整列ユニット、およびビーム集束ユニットの補正調整値は、基準値が達成されて第1〜第nの入力電力と関連付けられるように記憶される調整量として、放射線源の異なる第1〜第nの入力電力について得られ、それにより、放射線源の入力電力が変化する場合には、これらの調整量が、検索されて、例えば整列用の基本設定として整列用に使用することが可能になる。
【0012】
補正調整値は、例えば、第1のビーム整列ユニット、第2のビーム整列ユニット、およびビーム集束ユニットの座標系における位置および位置角度など、相対的な位置および向きである。
【0013】
このやり方は、次のような利点を提供する。すなわち、放射線源の様々な事前調整された第1〜第nの入力電力の1つが選択される場合に、蒸発ビームの方向および発散の第1の調整が、放射線出力における変化に続くそれぞれの基本設定からスタートして迅速に達成されるという利点を提供する。方向および発散における偏差は、それぞれの基本設定からスタートして正確な方法で補償することができる。
【0014】
本方法の好ましい実施形態において、第1の実際の方向値、第2の実際の方向値、および実際の発散値を得るために用いられる位置敏感センサの補正調整値が、放射線源の様々な(第1〜第nの)入力電力について得られ、第1〜第nの放射線出力に関連付けられるように記憶され、それにより、それらは、放射線源の入力電力に変化があった場合に、検索されて調整用に使用することが可能になる。
【0015】
第1〜第nの入力電力の1つを選択する場合に、位置敏感センサ用のそれぞれの記憶された調整量は、自動的に検索され、かつ位置敏感センサの調整量は、基本設定として調整される。
【0016】
第1のビーム整列ユニット、第2のビーム整列ユニット、およびビーム集束ユニットの補正調整値の決定、記憶および調整は、第1の実際の方向値、第2の実際の方向値、および実際の発散値を得るために用いられる位置敏感センサの補正調整値の決定、記憶および調整と組み合わせることができる。
【0017】
第1のビーム整列ユニット、第2のビーム整列ユニット、およびビーム集束ユニット、ならびに位置敏感センサの補正調整値は、標準条件下で決定され、データベース、好ましくは電子データベースに、最も単純な場合には表に記憶される。標準条件は、例えば、較正用に決定された入力電力の選択を介して、および標準化された周囲温度を介して確立することができる。
【0018】
第1〜第nの入力電力は、自由に選択することができる。
【0019】
蒸発位置は、本発明による方法の実施形態に依存して、電極間の様々な位置で確立することができる。エミッタ材料は、蒸発位置に供給されるが、例えば、挿入されるか、蒸発位置におけるキャリアの表面上に配置されるか、または蒸発位置に投げ込まれるかもしくはそこに落ちることができるように、供給される。
【0020】
第1の実施形態において、蒸発ビームは、エミッタ材料でコーティングされた電極の表面に位置する蒸発位置に集束される。電極は、蒸発位置において動かすことができる。例えば、電極は、回転電極として構成することができ、かつ蒸発位置において回転するか、部分的に周回するか、例えば循環リボン電極を用いた場合のように蒸発位置を通って直線的に移動させることができる。
【0021】
本方法の別の実施形態において、蒸発ビームは、電極間の蒸発位置に蒸発ビームとして集束され、エミッタ材料の滴は、蒸発位置に規則的に(かつ放電と同期するように)注入されることが可能である。
【0022】
この実施形態において、エミッタ材料はまた、例えば次のようにして、蒸発位置に移動させられる。すなわち、エミッタ材料は、蒸発位置に導入されるか、液滴発生器によって蒸発位置へ発射されるか、または重力によって蒸発位置に落とされる。
【0023】
さらに、本方法は、蒸発位置と少なくとも1つの基準点との間の距離が、光学距離監視装置によって監視されるような方法で行われる。このタイプの光学距離監視は、例えばレーザ距離センサによって行うことができる。
【0024】
蒸発ビーム用に選択される放射線は、放射線源によって供給されるレーザ放射線または粒子ビームなどの高エネルギ放射線とすることができる。
【0025】
放電プラズマに基づいた極紫外(EUV)放射線の発生中にソース位置を安定させるための装置であって、蒸発ビームとしてパルス高エネルギ放射線の蒸発ビームを発生するための放射線源が、少なくとも1つのビーム整列ユニットおよびビーム集束ユニットを介して、真空チャンバにおけるガス放電用の2つの電極間におけるエミッタ材料の蒸発のための所定の蒸発位置へ向けられる装置において、前述の目的は、さらに次のことによって達成される。
− 蒸発ビームにおいて、第2のビーム整列ユニットが、ビーム集束ユニットの前に配置され、第1のビーム整列ユニットが、ビーム集束ユニットの後ろに配置される点と、
− 蒸発ビームにおいて、蒸発ビームの方向偏差を得るための第1の測定装置にむけて、蒸発ビームから第1のビーム成分を分離するための第1のビームスプリッタが、第2のビーム整列ユニットの前に配置され、第1の測定装置が、記憶/制御ユニット、および第2のビーム整列ユニットの位置および向きを調整できる調整手段に接続されることと、
− 蒸発位置の方向において基準値からの蒸発ビームの方向偏差を得るための第2の測定装置に向けて、蒸発ビームから第2のビーム成分を分離するための第2のビームスプリッタが、蒸発位置に集束される蒸発ビームにおいて第1のビーム整列ユニットの後ろに配置され、第2の測定装置が、記憶/制御ユニット、および第1のビーム整列ユニットの位置および向きを調整できる調整手段に接続されることと、
− 蒸発位置の方向において基準発散値からの蒸発ビームの発散偏差を得るための第3の測定装置に向けて、蒸発ビームから第3のビーム成分を分離するための第3のビームスプリッタが、蒸発位置に集束される蒸発ビームにおいて第1のビーム整列ユニットの後ろに配置され、第3の測定装置が、データ記憶装置、および所定の蒸発位置における蒸発ビームの焦点を生成するためにビーム集束ユニットを調整できる調整手段に接続される点と、
− 第1のビーム整列ユニット、第2のビーム整列ユニット、ビーム集束ユニット、第1のビームスプリッタ、第2のビームスプリッタ、および第3のビームスプリッタが、真空チャンバに機械的に固定して接続される点と、
において満たされる。
【0026】
有利な実施形態において、第2のビーム整列ユニットは、パルス高エネルギ放射線用の放射線源の方向マニュピレータとして構成され、第1のビーム整列ユニットは、それがビーム偏向を引き起こすような方法で構成される。例えば、方向マニュピレータは、2次元的に調整可能な、かつ放射線源の前に配置される光学装置とすることができる。例えば、ビーム整列ユニットは、ミラーとすることができる。
【0027】
放射線源、ビーム指向ユニット、ビーム集束ユニット、測定装置、データ記憶装置、調整手段、および記憶/制御ユニットは、真空チャンバの外に配置するのが好ましい。
【0028】
さらに、第1のビーム整列ユニットおよび第2のビーム整列ユニットは、2次元的に調整可能なビーム偏向ユニットとして構成することができる。それに応じて、第2のビーム整列ユニットは、蒸発位置におけるx−y平面において蒸発ビームの方向の調整を可能にする調整手段に接続することができ、第1のビーム整列ユニットおよび第2のビーム整列ユニットは、位置および向きに関して対応する方法で調整することができる。
【0029】
ビームスプリッタは、ビームスプリッタミラー、ビームスプリッタキューブとすることができるだけでなく、回転レーザ窓とすることもできる。回転レーザ窓は、蒸発ビーム放射線の少なくともいくらかを第1〜第3の測定装置の少なくとも1つへと少なくとも周期的に反射する。
【0030】
第1の測定装置および第2の測定装置は、基準方向値からの方向偏差を得るために位置偏差を等価測定量として検出するための位置敏感放射線センサであるのが有利である。
【0031】
これらの位置敏感放射線センサは、各場合に、マトリックス検出器、4分割検出器、互いに直交して配置された2つのバイセル検出器の組み合わせ、または互いに直交して配置された2つのライン検出器の組み合わせを含む群から選択される受信ユニットによって形成することができる。位置敏感放射線センサは、変位手段と通信することができるが、この変位手段によって、位置敏感放射線センサは、それらの相対的な位置および向きに関して制御された方法で調整することができる。
【0032】
以下では、「バイセル検出器」は、例えばデュアルフォトダイオードにおけるように、2つのセンサを含む全ての検出器を意味する。バイセル検出器が検出器として用いられる場合には、追加のビームスプリッタをバイセル検出器の前に配置することが有利である。
【0033】
好ましい実施形態において、第3の測定装置は、開口部を備えたミラー、例えば中心開口部を有する開口ミラーを有し、この中心開口部に、蒸発ビームから分離された第3のビーム成分が向けられる。さらに、ミラーの開口部を通過する放射線を検出するための第1のセンサが設けられ、ミラーによって反射された第3のビーム成分の放射線を検出するための第2のセンサが設けられる。
【0034】
装置の別の実施形態において、回転レーザ窓が、第2のビームスプリッタとして蒸発ビームに配置され、この第2のビームスプリッタを介して、蒸発ビームの放射線が、第2の測定装置および第3の測定装置へと少なくとも周期的に反射される。
【0035】
他の実施形態において、装置にはまた、例えば蒸発位置における電極の少なくとも1つの表面におけるエリアの、基準点からの光学距離監視手段などの追加測定装置を含むことができる。
【0036】
本発明による方法の核心は、蒸発ビームの方向および蒸発ビームの発散における実際値および基準値間の比較(この比較はまた、EUV放射線を発生するための動作中にも可能である)と、実際値および基準値間の偏差の補償と、に存する。ソース位置の安定化は、蒸発位置の空間位置を安定させることによって達成される。
【0037】
装置側におけるソース位置の相対的不安定性の1つの理由は、放電プラズマの高頻度の発生中においてかなりの熱が発生する結果、真空チャンバ、ならびに真空チャンバ内および真空チャンバに配置された光学要素に熱応力がもたらされるからである。これらの熱応力ゆえに、光学要素は互いに対して位置を変化させ、その結果、蒸発ビームの焦点は、可変の精度および集束程度でもって蒸発位置へ向けられる。
【0038】
これは、例えば、冷却能力、すなわち冷却によって取り除き得る、システムにおいて放散される電力に関連する。放散される電力と、小さいが常に存在する熱放散との空間的分離の結果として、温度勾配が常に生じる。これらの温度勾配が、関連するコンポーネントの熱機械的に依存した変形の実際の原因である。
【0039】
蒸発ビームの光路は、「低い」EUV源、すなわち放射線源の比較的低い入力電力、例えば50kWを用いて通常調整される。しかしながら、実際の用途における放熱源用の対応する入力電力は、調整用に用いられる放射線出力よりかなり大きい場合が多い。したがって、より高い入力電力で用いられた場合に、調整された状態からの偏差が生じ、これは、不安定なソース位置に帰着する可能性がある。
【0040】
本発明による方法は、位置における熱機械的に依存した変化が可逆性であるという仮定に基づいている。すなわち、位置における変化が、真空チャンバ、ならびに真空チャンバ内および真空チャンバに配置された要素の加熱よって生じる場合に、元の位置は、元の温度に戻ると、非常に近似している場合にそうであるように、回復される。
【0041】
図面および実施形態の例に関連して、以下でより完全に本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】放射線源および2つのビーム指向ユニットを有する、本発明による第1の装置である。
【図2】放射線源の前に配置された方向マニュピレータおよび2つのビーム指向ユニットを有する、本発明による第2の装置である。
【図3】次の状態、すなわち、3a)x方向において整列された、3b)y方向において整列された、3c)x方向において整列からずれた、3d)y方向において整列からずれた状態にあるデュアルフォトダイオードの装置である。
【図4】発散偏差を得るための第3の測定装置である。
【図5】HRミラーの後ろの4分割検出器の装置である。
【図6】回転レーザ窓および電極間に注入されたエミッタ材料を有する装置である。
【図7】光学距離監視手段を伴う装置である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1に示す本発明による装置の本質的要素は、真空チャンバ1と、パルス高エネルギ放射線の蒸発ビーム3を供給するための放射線源2と、第1のビーム指向ユニット7と、第2のビーム指向ユニット4と、第1のビーム指向ユニット7および第2のビーム指向ユニット4の間の蒸発ビーム3におけるビーム集束ユニット5と、さらに蒸発ビーム3の方向偏差を得るための第1の測定装置8および第2の測定装置9と、蒸発ビーム3の発散偏差を得るための第3の測定装置10と、である。
【0044】
回転電極として構成される2つの電極16が、真空チャンバ1に設けられる。エミッタ材料(図示せず)が、カソードとして機能する電極16の表面に連続的に供給される。蒸発ビーム3は、真空チャンバ1の壁にある入力窓1.1を通って真空チャンバ1の中へと入ることができる。
【0045】
第1のビーム指向ユニット7、第2のビーム指向ユニット4、ビーム集束ユニット5、第1の測定装置8、第2の測定装置9、および第3の測定装置10は、真空チャンバ1の外に配置され、かつ真空チャンバ1に機械的に固定して接続される。
【0046】
放射線は、放射線源2によって供給されるが、この放射線源2は、レーザ放射線源として構成され、かつ蒸発ビーム3として第2のビーム指向ユニット4に向けられる。第2のビーム指向ユニット4は、蒸発ビーム3が、望遠鏡として構成されたビーム集束ユニット5によって第1のビーム指向ユニット7の方向に案内され、かつこの第1のビーム指向ユニット7の中心に当たるような方法で、調整手段4.1および4.2によって2次元的に傾斜させることができる高反射率ミラー(>99%HRミラー)として構成される。
【0047】
ビーム集束ユニット5は、強度分布の重心を<25μmの精度で焦点15において調整できるような方法で、蒸発ビーム3の発散を補正する役目をする凹レンズ5.1および凸レンズ5.2を有する。2つのレンズ5.1および5.2の1つ(この場合には凹レンズ5.1)は、調整手段5.3により凸レンズ5.2に対して変位させることができる。
【0048】
ビーム集束ユニット5を介して、蒸発ビーム3は、蒸発位置14において蒸発ビーム3に沿った向きのz方向であって、蒸発ビーム3と直角に広がるx−y平面に対して直角なz方向に集束することができる。
【0049】
第1のビーム指向ユニット7を介して、集束蒸発ビーム3は、エミッタ材料を供給された電極16の表面に位置する蒸発位置14へと、有効絞り6を介して向けられる。蒸発ビーム3は、x−y平面で定義されたxおよびy座標における第1のビーム指向ユニット7によって、蒸発位置14へ送出され得る。
【0050】
絞り6は、既存のデブリ軽減ツールにおける開口部を介して、および入力窓1.1と蒸発位置14との間の蒸発ビーム3の起こり得るシェーディングを介して決定される。
【0051】
蒸発ビーム3から第1のビーム成分3.1を、蒸発ビーム3の方向偏差を得るための第1の測定装置8に向けて分離するためのビームスプリッタミラーとして設計される第1のビームスプリッタ11は、第1のビーム指向ユニット7の前に蒸発ビーム3に配置される。第1の測定装置8は、記憶/制御ユニット17、および第2のビーム整列ユニット4の位置および向きを調整できる調整手段4.1、4.2に接続される。
【0052】
蒸発位置14の方向において基準値からの蒸発ビーム3の方向偏差を得るための第2の測定装置9に向けて、蒸発ビーム3から第2のビーム成分3.2を分離する第2のビームスプリッタ12は、蒸発位置14に集束される蒸発ビーム3において第1のビーム整列ユニット7の後ろに配置される。第2の測定装置9はさらに、記憶/制御ユニット17、および第1のビーム整列ユニット7の位置および向きを調整できるようにする、第1のビーム整列ユニット7の調整手段7.1、7.2に接続される。
【0053】
蒸発位置14の方向において基準発散値からの蒸発ビーム3の発散偏差を得るための第3の測定装置10に向けて、蒸発ビーム3から第3のビーム成分3.3を分離するための第3のビームスプリッタ13は、第2のビーム成分3.2に配置される。第3の測定装置10は、記憶/制御ユニット17およびビーム集束ユニット5の調整手段5.3に接続され、調整手段5.3によって、ビーム集束ユニット5は、所定の蒸発位置14において蒸発ビーム3の焦点15を生成するように調整することができる。第3のビーム成分3.3は、第3のビームスプリッタ13によって第2のビーム成分3.2から分離され、第3の測定装置10に向けられる。
【0054】
本発明の別の実施形態において、第3のビームスプリッタ13はまた、蒸発ビーム3に直接配置することができる。
【0055】
第1〜第3のビームスプリッタ11、12、13は、それぞれ第1、第2および第3の測定装置8、9、10の方向に放射線の小部分(0.5%〜4%)を反射する、AR(反射防止)コーティングを一側に有するガラスまたは石英ガラスプレートである。
【0056】
図2に示す本発明による装置の第2の実施形態において、放射線源2は、蒸発ビーム3が、ビーム集束ユニット5および第1のビーム指向ユニット7に直接案内されるような方法で、真空チャンバ1の外に配置される。第2のビーム指向ユニット4は、放射線源2の方向マニュピレータとして構成され、特に2次元的に調整可能な光学装置2.1として放射線源2の前に配置される。
【0057】
放射線源2の修正実施形態において、第2のビーム指向ユニット4にはまた、2次元的に調整可能な光学装置2.1に加えて、図1による調整可能な偏向要素を含むことができる。
【0058】
第1の測定装置8および第2の測定装置9は、所定の基準方向値からの蒸発ビーム3の方向偏差を得るための位置敏感放射線センサとして構成される。第1の測定装置8および第2の測定装置9には、それぞれ、互いに直交して配置された2つの受信要素を含む受信ユニットが含まれる。
【0059】
図3は、受信ユニットとしてのバイセル検出器18を示す。これらのバイセル検出器18それぞれ、受信要素としてフォトダイオード18.1、18.2および18.3、18.4を備えたデュアルフォトダイオードとして構成される。図3aに示すフォトダイオード18.1および18.2を備えたバイセル検出器18が、x−y平面のx軸方向における蒸発ビーム3の位置を得るために用いられるのに対して、図3cに示すフォトダイオード18.3および18.4を備えたバイセル検出器18は、x−y平面のy軸方向における蒸発ビーム3の位置を得るために用いられる。図3aおよび3cならびに図3bおよび3dのバイセル検出器18は、互いに直交して配置された2つの受信要素をそれぞれ有する位置敏感放射線センサをそれぞれ形成する。バイセル検出器18は、バイセル検出器18を個別に調整できる変位手段にそれぞれ接続される(図示せず)。変位手段は、記憶/制御ユニットに接続される。第1の測定装置8および第2の測定装置9には、少なくとも1つの追加ビームスプリッタ(図示せず)がそれぞれ配置され、かつ第1のビーム成分3.1および第2のビーム成分3.2において、それらのそれぞれの部分ビームが、フォトダイオード18.1および18.2ならびにフォトダイオード18.3および18.4を有するバイセル検出器18にそれぞれ向けられる。
【0060】
図3aおよび3cにおいて、第1のビーム成分3.1は、フォトダイオード18.1および18.2間の中心線に対して対称的にバイセル検出器18に当たる。この種の照明シナリオにおいて、蒸発ビーム3の実際の方向値は、基準方向値に一致する。図3bおよび3dにおいて、第1のビーム成分3.1は、フォトダイオード18.3および18.4間の中心線に対して非対称的に当たる。
【0061】
図4に示す本発明による装置の別の実施形態において、第1の測定装置8は、次のような方法で、第1のビーム指向ユニット7の後ろに配置される。すなわち、反射されずに第1のビーム指向ユニット7を貫通するビーム成分が、フォトダイオードa、b、cおよびdを有する、受信ユニットとしての4分割フォトダイオード20に当たるような方法で配置される。この実施形態において、第1のビーム指向ユニット7は、第1のビームスプリッタ11の機能を引き継ぐ。
【0062】
さらなる実施形態において、マトリックス検出器、互いに直交して配置された2つのバイセル検出器の組み合わせ、または互いに直交して配置された2つのライン検出器の組み合わせなどの他の適切な受信ユニットも、4分割フォトダイオード20またはデュアルフォトダイオードの代わりに、第1の測定装置8および第2の測定装置9において使用可能である。
【0063】
第3の測定装置10の構成が、図5に概略的に示されている。図1および2に示すように、第2のビーム成分3.2から分離された第3のビーム成分3.3は、凸レンズ10.1によって、円形の中心開口部19.1を有する(HRミラーとしての)開口ミラー19に集束される。第3のビーム成分3.3の一部は、開口部19.1を通過して、開口ミラー19の後ろに第1の発散センサ21として配置されたフォトダイオードに当たる。開口ミラー19に当たる、第3のビーム成分3.3の部分は、開口ミラー19によって、第2の発散センサ22としての第2のフォトダイオード上に反射される。
【0064】
第3のビーム成分3.3の蒸発ビームの開口角度は、凸レンズ10.1を通って第3の測定装置10内部で拡大される。蒸発ビーム3の焦点15の位置が変化する場合には、第3のビーム成分3.3の直径が変化し、今度は第3のビーム成分3.3は、変化した直径で第3の測定装置10に当たる。その結果、第1の発散センサ21および第2の発散センサ22によって得られるビーム成分もまた変化する。なぜなら、開口ミラー19に集束される第3のビーム成分3.3がまた、変化した直径を有するからである。
【0065】
例えば、第3のビーム成分3.3の焦点が、第3の測定装置10の凸レンズ10.1から離れるように移動する場合に、開口ミラー19において第3のビーム成分3.3の蒸発ビームの直径は、より大きくなり、より多くのビーム成分が第2の発散センサ22へと反射される。それに応じて、第1の発散センサ21に達するビーム成分は少なくなる。焦点が凸レンズ10.1の方へ変位される場合には、逆の事例が生じる。
【0066】
図6に示すように、第2のビームスプリッタ12はまた、第1のビーム指向ユニット7と蒸発位置14との間で集束蒸発ビーム3に設けられる回転レーザ窓23によっても形成することができる。この場合に、小滴(実線の円として概略的にのみ示す)の形態をしたエミッタ材料の蒸発位置14は、電極16間に位置する。蒸発ビーム3の反射光は、回転レーザ窓23によって第2のビーム成分3.2として少なくとも周期的に第3の測定装置10へと反射される。第3のビーム成分3.3は、第2のビーム成分3.2から分離され、第2の測定装置9に向けることができる。
【0067】
図7は、光学距離監視手段24が設けられる、図1および2による装置の拡大断面図(正確な縮尺ではない)を示す。光学距離監視手段24は、基準点から、例えば絞り6または光学距離監視手段24からの、電極16の1つにおける表面上の蒸発位置14の距離を測定および監視する。例えば、光学距離監視手段24は、三角測量原理によって(デジタル的に)動作し、かつ0.6msの応答時間および1.5kHzの測定周波数で毎秒1500の測定値を可能にするレーザ距離センサなどの光学距離センサとすることができる。レーザ距離センサの測定範囲は、1〜>1000mmであり、600mmの距離で0.006mmの解像度を有する。電極16の少なくとも1つにおける表面上の蒸発位置14から約1mのレーザ距離センサの距離で、解像度は、約0.01mmである。光学距離監視手段24は、記憶/制御ユニット17と通信する。
【0068】
図1による装置を参照しながら本発明による方法をより詳細に説明する。第1の測定装置8および第2の測定装置9において、2つのデュアルフォトダイオードが、バイセル検出器18として互いに直交して配置される。この装置は、20kWの放射線源の第1の入力電力用に調整されることになる。
【0069】
パルスレーザ放射線が、放射線源2によって供給され、第2のビーム指向ユニット4に向けられ、ビーム集束ユニット5を介してz方向に集束され、かつ第1のビーム指向ユニット7によって蒸発位置14に向けられる。
【0070】
ビーム集束ユニット5ならびに第2のビーム指向ユニット4および第1のビーム指向ユニット7の試行錯誤調整によって、装置は、最大変換効率が達成される設定に調整される。
【0071】
第1の測定装置8は、次のように配置される。すなわち、第1のビーム成分3.1が、フォトダイオード18.1および18.2間の中心線に対して対称的にバイセル検出器18に当たるような方法で、x−y平面のx軸方向における蒸発ビーム3の位置を得るために用いられるバイセル検出器18が配置される。
【0072】
同じ位置決めは、x−y平面のy軸方向における蒸発ビーム3の位置を得るために用いられるフォトダイオード18.3および18.4を有する第2のバイセル検出器18で行われる。
【0073】
4分割フォトダイオード20が2つのバイセル検出器18の代わりに用いられる場合には、方法は、以下のように説明することができる。
4分割フォトダイオード20の個別フォトダイオードa、b、cおよびdは、デジタル電圧値S、S、SおよびSを記録する。12ビットD/A変換装置を用いる場合に、これらの値は、(−2047...+2047)の範囲にある。これらの電圧値は、対応するフォトダイオードa、b、cおよびdに当たる蒸発ビーム3の放射線エネルギにそれぞれ比例する。パルス対パルス制御が絶対に必要というわけではないので、多くのビームパルスにわたって移動平均を形成することができる。目標は、4分割フォトダイオード20が接続される変位手段によって、4分割フォトダイオード20を横に設定位置X(設定)へ変位させることである。設定位置X(設定)はまた、以下によって説明することができる。
X(設定)=X(実際値)+f*[(S+S)−(S+S)]/(S+S+S+S
ここで、fは、正常デジタル電圧値とX位置値との間の変換係数である。所望の設定位置X(設定)は、
[(S+S)−(S+S)]/(S+S+S+S)=0
の場合に達成される。
20kW電力用のこの設定位置X(設定)は、記憶/制御ユニット17におけるファイル(表1)に記憶される。
【0074】
これは、対応する方法で、y方向における4分割フォトダイオード20の横変位に当てはまる。
Y(設定)=Y(実際値)+g*[(S+S)−(S+S)]/(S+S+S+S
ここで、gは、正常デジタル電圧値とY位置値との間の変換係数である。所望の設定位置Y(設定)は、以下の条件が満たされる場合に達成される。
[(S+S)−(S+S)]/(S+S+S+S)=0
この設定位置Y(設定)は、同様に、記憶/制御ユニット17におけるファイル(表1)に記憶される。
【0075】
第1の測定装置8によりx方向およびy方向において決定された偏差は、第1の方向偏差である。
【0076】
決定された入力電力において測定装置の得られる設定位置は、測定装置の補正調整値である。
【0077】
第2の方向偏差を決定する第2の測定装置9を調整するプロセスは、完全に対応する方法で行われる。
【0078】
z方向において設定位置Z(設定)を調整する場合に、目標は、条件=(S−S)/(S+S)=0が満たされる場合に、Z設定位置
Z(設定)=Z(実際値)+h*(S−S)/(S+S
が達成されるように、第3のビーム成分3.3の蒸発ビームの方向において、開口ミラー19に対して第3の測定装置10の凸レンズを変位することであり、ここで、hは、正常デジタル電圧値とZ位置値との間の変換係数である。この設定位置Z(設定)は、同様に、記憶/制御ユニット17におけるファイル(表1)に記憶される。発散偏差は、第3の測定装置10によって決定される。
【0079】
第1〜第3の測定装置8〜10は、用いられることになる放射線源2の第1〜第nの入力電力の全てにおいて設定される。決定された設定位置の全ては、繰り返し検索できるように、表に、およびまた方法の他の実施形態において他の適切なデータベースまたは分類体系に、関連する入力電力と共に記憶される。
【0080】
【表1】

【0081】
適切な設定位置は、装置が作動されることになる入力電力に依存して移動させられる。
【0082】
放射線源2を作動する前に設定位置へ移動することは、蒸発ビーム3が整列されることを意味しない。整列は、第1および第2の方向偏差ならびに発散偏差を補償することによって行われる。例えば50kWの入力電力で整列するために、第1の測定装置8における4分割フォトダイオード20は、記憶/制御ユニット17から前もって検索された設定位置X82、Y82に進められる。
【0083】
x方向における調整用の関連する量が、
[(S+S]−(S+S)]/(S+S+S+S)≠0
である場合に、0からの偏差量は、第2のビーム指向ユニット4のx調整手段4.1によって実行されるモータステップ量を決定するために用いられる。調整手段4.1の送り方向は、同様に、ゼロからの決定された偏差の数学記号から推定することができる。第2のビーム指向ユニット4は、
[(S+S)−(S+S)]/(S+S+S+S)=0
まで傾斜される。
その後、X方向は調整される。x調整手段4.1は、記憶/制御ユニット17を介して制御される。
【0084】
量が、最初にまた、
[(S+S)−(S+S)]/(S+S+S+S)≠0
である場合に、第2のビーム指向ユニット4のy調整手段4.2は、
[(S+S)−(S+S)]/(S+S+S+S)=t
まで、前の説明と同様に傾斜される。
次に、Y方向がまた、整列される。y調整手段4.2は、記憶/制御ユニット17を介して制御される。
【0085】
第1のビーム指向ユニット7は、類似の方法で調整される。
【0086】
手順は、z方向における集束に関して同様である。第3の測定装置10における凸レンズは、その設定位置Z102へ進められる。記憶/制御ユニット17は、ビーム集束ユニット5の調整手段5.3に制御コマンドを出し、それに基づいて凹レンズ5.1は、条件=(S−S)/(S+S)=0が満たされるまで移動させされる。調整手段5.3の送り方向は、同様に、ゼロからの決定された偏差の記号から推定することができる。次に、焦点は、この入力電力用にZ方向において調整される。
【0087】
蒸発エミッタ材料からのガス放電プラズマによってEUV放射線を発生する場合に、事実上損失なしのプロセスが集光系(図示せず)を介して可能であるが、集光系は、EUV放射線が約200mmの空間から発する場合にのみ、EUV放射線を集光し、成形し、かつ導く。したがって、エミッタ材料の蒸発は、この空間で行われなければならない。
【0088】
当然、入力電力と関連付けるために、第1のビーム指向ユニット7および/または第2のビーム指向ユニット4ならびにビーム集束ユニット5の調整量を補正調整値として記憶することと、第1〜第nの入力電力の1つを選択する場合に、第1のビーム整列ユニット7、第2のビーム整列ユニット4および集束ユニット5用のそれぞれの記憶された調整量を自動的に検索することと、それらを基本設定として調整することとが、上記の手順と類似の方法でまた可能である。
【0089】
ここで、整列は、周期的または永続的に繰り返され、かつ装置の動作中に補正されることができる。
【0090】
本発明による装置および本発明による方法は、EUV放射線が発生される全ての技術的設備において用いることができる。
【符号の説明】
【0091】
1 真空チャンバ
1.1 入力窓
2. 放射線源
2.1 2次元的に調整可能な光学装置
3 蒸発ビーム
3.1 第1のビーム成分
3.2 第2のビーム成分
3.3 第3のビーム成分
4 第2のビーム指向ユニット
4.1 調整手段(X送り)
4.2 調整手段(Y送り)
5 ビーム集束ユニット
5.1 凹レンズ
5.2 (ビーム集束ユニットの)凸レンズ
5.3 調整手段(Z送り)
6 絞り
7 第1のビーム指向ユニット
7.1 調整手段(X送り)
7.2 調整手段(Y送り)
8 第1の測定装置
9 第2の測定装置
10 第3の測定装置
10.1 (第3の測定装置の)凸レンズ
11 第1のビームスプリッタ
12 第2のビームスプリッタ
13 第3のビームスプリッタ
14 蒸発位置
15 焦点
16 電極
17 記憶/制御ユニット
18 バイセル検出器
18.1および18.2 (x方向用の)フォトダイオード
18.3および18.4 (y方向用の)フォトダイオード
19 開口ミラー
19.1 開口部
20 4分割フォトダイオード
a〜d (4分割フォトダイオードの)フォトダイオード
21 第1の発散センサ
22 第2の発散センサ
23 回転レーザ窓
24 光学距離監視手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電プラズマに基づいた極紫外(EUV)放射線の発生中にソース位置を安定させるための方法であって、パルス状の高エネルギ放射線の蒸発ビームが、真空チャンバの2つの電極間におけるエミッタ材料の蒸発用の所定の蒸発位置に、ビーム集束ユニットを介して向けられるものであり、
− 前記蒸発ビーム(3)の第1の実際の方向値が、第1のビーム整列ユニット(7)に当たる前に2つの座標にて得られ、得られた実際の方向値が、第1の方向偏差を決定するために第1の基準方向値と比較されるステップと、
− 2つの座標における第2のビーム整列ユニット(4)の位置補正が、前記蒸発ビーム(3)の前記第1の方向偏差を補償するために実行されるステップと、
− 前記蒸発ビーム(3)の第2の実際の方向値が、前記第1のビーム整列ユニット(7)の下流における2つの座標にて得られ、得られた第2の実際の方向値が、前記所定の蒸発位置(14)の方向における第2の方向偏差を決定するために第2の基準方向値と比較されるステップと、
− 2つの座標における前記第1のビーム整列ユニット(7)の位置補正が、前記蒸発ビーム(3)の前記第2の方向偏差を補償するために実行されるステップと、
− 前記蒸発ビーム(3)の実際の発散値が、前記第1のビーム整列ユニット(7)の下流にて得られ、得られた実際の発散値が、基準発散値と比較され、それによって、前記蒸発ビーム(3)が、発散偏差を決定するために前記所定の蒸発位置(14)にて前記蒸発ビーム(3)の補正された方向に沿って集束されるステップと、
− 前記蒸発位置(14)における前記蒸発ビーム(3)の集束が調整されるように、前記ビーム集束ユニット(5)が、前記発散偏差を補償するために補正されるステップと、
を特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1のビーム整列ユニット(7)、前記第2のビーム整列ユニット(4)、および前記ビーム集束ユニット(5)の補正調整値が、前記基準値が達成され第1〜第nの入力電力と関連付けられるように記憶される調整量として、放射線ソース(2)の異なる前記第1〜第nの入力電力用に得られ、前記放射線ソース(2)の入力電力が変化する場合には、これらの調整量が、検索されて整列用に使用可能であるようにすることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1〜第nの入力電力の1つを選択する場合に、前記第1のビーム整列ユニット(7)、前記第2のビーム整列ユニット(4)、および前記集束ユニット(5)用の前記それぞれの記憶された調整量が、自動的に検索され、基本設定として調整されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の実際の方向値、前記第2の実際の方向値、および前記実際の発散値を得るために用いられる位置敏感センサの補正調整値が、前記放射線ソース(2)の様々な第1〜第nの入力電力用に得られ、かつ前記第1〜第nの入力電力に関連付けられるように記憶されて、それらが、前記放射線ソース(2)の前記入力電力に変化がある場合に、検索されて調整用に使用可能であるようにすることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記放射線ソース(2)の前記第1〜第nの入力電力の1つを選択する場合に、前記位置敏感センサ用の前記それぞれの記憶された調整量が、自動的に検索され、前記位置敏感センサの前記調整量が、基本設定として調整されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記蒸発ビーム(3)が、エミッタ材料が供給される蒸発位置(14)に集束されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記蒸発ビーム(3)が、前記電極(16)間の蒸発位置(14)に集束され、エミッタ材料の滴が、前記蒸発位置(14)に規則的に注入されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記エミッタ材料が、前記蒸発位置(14)に移動させられることを特徴とする、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記蒸発位置(14)と少なくとも1つの基準点との間の距離が、光学距離監視装置によって監視されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
放電プラズマに基づいた極紫外(EUV)放射線の発生中にソース位置を安定させるための装置であって、パルス状の高エネルギ放射線の蒸発ビームを発生するための放射線ソースが、少なくとも1つのビーム整列ユニットおよびビーム集束ユニットを介して、真空チャンバにおけるガス放電用の2つの電極間におけるエミッタ材料の蒸発用の所定の蒸発位置へ向けられる、装置において、
− 前記蒸発ビーム(3)にて、第2のビーム整列ユニット(4)が、ビーム集束ユニット(5)の前に配置され、第1のビーム整列ユニット(7)が、前記ビーム集束ユニット(5)の後ろに配置されることと、
− 前記蒸発ビーム(3)の方向偏差を得るための第1の測定装置(8)に向けて、前記蒸発ビーム(3)から第1のビーム成分(3.1)を分離するための第1のビームスプリッタ(11)が、前記第2のビーム整列ユニット(4)の前で前記蒸発ビーム(3)に配置され、前記第1の測定装置(8)が、記憶/制御ユニット(17)、および前記第2のビーム整列ユニット(4)の位置および向きを調整できる調整手段(4.1、4.2)に接続されることと、
− 前記蒸発位置(14)の方向にて基準値からの前記蒸発ビーム(3)の方向偏差を得るための第2の測定装置(9)に向けて、前記蒸発ビーム(3)から第2のビーム成分(3.2)を分離するための第2のビームスプリッタ(12)が、前記蒸発位置(14)に集束される前記蒸発ビーム(3)における前記第1のビーム整列ユニット(7)の後ろに配置される、前記第2の測定装置(9)が、前記記憶/制御ユニット(17)、および前記第1のビーム整列ユニット(7)の位置および向きを調整できる調整手段(7.1、7.2)に接続されることと、
− 前記蒸発位置(14)の方向にて基準発散値からの前記蒸発ビーム(3)の発散偏差を得るための第3の測定装置(10)に向けて、前記蒸発ビーム(3)から第3のビーム成分(3.3)を分離するための第3のビームスプリッタ(13)が、前記蒸発位置(14)に集束される前記蒸発ビーム(3)にて前記第1のビーム整列ユニット(7)の後ろに配置され、前記第3の測定装置(10)が、前記記憶/制御ユニット(17)、および前記所定の蒸発位置(14)における前記蒸発ビーム(3)の焦点(15)を生成するために前記ビーム集束ユニット(5)を調整できる調整手段(5.3)に接続されることと、
− 前記第1のビーム整列ユニット(7)、前記第2のビーム整列ユニット(4)、前記ビーム集束ユニット(5)、前記第1のビームスプリッタ(11)、前記第2のビームスプリッタ(12)、および前記第3のビームスプリッタ(13)が、前記真空チャンバ(1)に機械的に固定して接続されることと、
を特徴とする装置。
【請求項11】
前記第2のビーム整列ユニット(4)が、前記パルス状の高エネルギ放射線用の前記放射線ソース(2)の2次元的に調整可能な方向マニュピレータとして構成され、前記第1のビーム整列ユニット(7)が、2次元的に調整可能なビーム偏向ユニットであることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1のビーム整列ユニット(7)および前記第2のビーム整列ユニット(4)が、2次元的に調整可能なビーム偏向ユニットとして構成されることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の測定装置(8)および前記第2の測定装置(9)が、基準方向値からの方向偏差を得るために位置偏差を等価測定量として検出するための位置敏感放射線センサであることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
マトリックス検出器、4分割検出器(20)、互いに直交して配置された2つのバイセル検出器(18)の組み合わせ、および互いに直交して配置された2つのライン検出器の組み合わせを含む群から選択される受信ユニットが、位置敏感放射線センサとして用いられることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記第3の測定装置(10)が、前記蒸発ビーム(3)から分離された前記第3のビーム成分(3.3)が向けられる中央開口部(19.1)を備えた開口ミラー(19)と、前記開口ミラー(19)の開口部(19.1)を通過する放射線を検出するための第1の発散センサ(21)と、前記開口ミラー(19)によって反射された前記第3のビーム成分(3.3)の放射線を検出するための第2の発散センサ(22)と、を有することを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
回転レーザ窓(23)が、前記蒸発ビーム(3)からのビーム成分を前記第2の測定装置(9)および前記第3の測定装置(10)へ向かって少なくとも周期的に分離する第2のビームスプリッタ(12)として、前記蒸発ビーム(3)に配置されることを特徴とする、請求項10に記載の装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−104481(P2012−104481A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−243280(P2011−243280)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(502369126)イクストリーメ テクノロジース ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (37)
【Fターム(参考)】