放電灯器具
【課題】冷陰極放電灯の電極に接続された接続端子と点灯装置に接続されたコネクタとの不完全な接続状態に起因した不具合の発生を防ぐ。
【解決手段】保護回路71は、検出回路70の出力がLレベルになると切換スイッチ部Sをオフすることで直流電源DCからの給電路を開放してインバータ回路INVを停止させ、検出回路70の出力がHレベルになると切換スイッチ部Sをオンすることで直流電源DCからの給電路を閉結してインバータ回路INVを動作させる。したがって、一対の接続端子部36,36とコネクタ50,50の少なくとも何れか一方が不完全な接続状態であると検出回路70の出力がLレベルとなって保護回路71がインバータ回路INVの動作を停止するので、不完全な接続状態のままで冷陰極蛍光灯3が点灯され続けるのを防ぐことができる。
【解決手段】保護回路71は、検出回路70の出力がLレベルになると切換スイッチ部Sをオフすることで直流電源DCからの給電路を開放してインバータ回路INVを停止させ、検出回路70の出力がHレベルになると切換スイッチ部Sをオンすることで直流電源DCからの給電路を閉結してインバータ回路INVを動作させる。したがって、一対の接続端子部36,36とコネクタ50,50の少なくとも何れか一方が不完全な接続状態であると検出回路70の出力がLレベルとなって保護回路71がインバータ回路INVの動作を停止するので、不完全な接続状態のままで冷陰極蛍光灯3が点灯され続けるのを防ぐことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷陰極放電灯を光源とする放電灯器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、各種の放電灯器具において、光源として熱陰極の蛍光灯に比べて小型で輝度の高い冷陰極放電灯(冷陰極蛍光灯)を用いたものが提供されている。例えば、放電灯器具の一種である誘導灯においては、光源として冷陰極蛍光灯を用いたいわゆる高輝度誘導灯が提供されている。
【0003】
この種の高輝度誘導灯としては、図8〜図12に示すように、前面開口した器具本体10と、器具本体10の前面に取り付けられる表示ユニット20と、冷陰極蛍光灯3を保持したランプホルダユニット30とを備えた導光板式(若しくはパネル式と称される)のものが提供されている(例えば、特許文献1参照)。ここにおいて、器具本体10内には、冷陰極蛍光灯3を点灯させる点灯装置4などが収納されている。また、表示ユニット20は、表示パネル21と、表示パネル21の後面側に配設された導光板(図示せず)とを有し、導光板の上端縁に対向配置した冷陰極蛍光灯3からの光を導光板内での全反射により導光板の下端縁側に導きながら導光板の後面に設けた光拡散部に入射させ、光拡散部で拡散した光のうち、表示パネル21へ向かう光を表示パネル21の前方に出射するものである。また、ランプホルダユニット30は、冷陰極蛍光灯3と反射板32とこれらを保持するユニット本体たるランプホルダ31とを備えており、表示ユニット20が器具本体10に取り付けられた状態において、この隙間をなくし表示ユニット20と合わせて器具本体10の前面開口を覆う形で器具本体10の前面に着脱自在に取り付けられる(図9参照)。
【0004】
ランプホルダユニット30は、器具本体10の前面側に位置する前板31aと、前面板31aの上端縁から後方に向かって連続一体に形成された上板31bと、前板31aの両側縁からそれぞれ後方に向かって突設された一対の側板31cと、上板31bの両端部において下方に突設され金属製(例えば、アルミニウム製)の反射板32および冷陰極蛍光灯3を支持する一対の支持台35,35とが連続一体に形成された合成樹脂製のユニット本体たるランプホルダ31を備えている。ランプホルダユニット30は、ランプホルダ31の一対の支持台35,35により直管形のランプである冷陰極蛍光灯3の両端部が支持され、冷陰極蛍光灯3の電極(図示せず)に接続され且つ両端部から突出したリード線3b,3bにそれぞれ接続された接続端子36,36が支持台35,35に下面側から着脱自在に結合される合成樹脂製のホルダブロック(図示せず)に保持され、ランプホルダ31の後方へ突出している。反射板32は、下面側が開放した断面U字状であって冷陰極蛍光灯3を囲む形で支持台35,35により支持される。ここにおいて、冷陰極蛍光灯3および反射板32は、一対のホルダブロックをランプホルダ31の支持台35,35に結合することにより、ランプホルダ31とホルダブロックとの間に保持されることになる。
【0005】
一方、器具本体10において両側壁の上部の内側には、点灯装置4にそれぞれ電線53,53を介して接続されランプホルダユニット30の接続端子36,36が前方から挿入接続されるコネクタ50,50が配置されている。各コネクタ50は直方体状に形成された絶縁性のカバー50aの長手方向の両端面に端子挿入口50bが開口されており、カバー50a内には、端子挿入口50bに対応する部位に端子挿入口50bから挿入された接続端子36を受ける刃受51が収納されている。各コネクタ50は2本の電線53を介して点灯装置4と接続されており、電線53とコネクタ50を介して冷陰極蛍光灯3が点灯装置4と電気的に接続される。そして、図12に示すように器具本体10の後壁の前面側に2本の電線53を漏れ電流が発生しないように離間させた状態で保持するリード線保持部14を適宜箇所に設けておくことで器具本体10内においてコネクタ50と点灯装置4との間を接続する電線53の配線位置を定型化することができ、施工性などを考慮して電線53の長さを余分に長くする必要がなく、工場出荷時に電線53を配線しておくことができるから、施工業者がランプホルダユニット30の取付時に配線処理をする必要がなく、施工が容易になるとともに、施工者によって漏れ電流が異なるようなことがなくなる。
【0006】
点灯装置4は、図13に示すように商用交流電源ACの電源電圧(100V)よりも低い脈流電圧に変換する電圧変換回路4aと、電圧変換回路4aで変換された脈流電圧を平滑する平滑回路4bと、平滑回路4bから出力される直流電圧によって二次電池4dを充電する充電回路4cと、平滑回路4b又は二次電池4dから出力される直流電圧を商用電源周波数よりも高い周波数の交流電圧に変換するインバータ回路INVと、通常時はインバータ回路INVの入力端を平滑回路4bの出力端に接続し、商用交流電源ACが停電したときにインバータ回路INVの入力端を平滑回路4bの出力端から切り離して二次電池4dの両極に接続する切換スイッチ部Sとを備えている。
【0007】
インバータ回路INVは、例えば、図14に示すような自励発振型のプッシュプルインバータ回路で構成され、始動時にはトランスTの2次側に接続されたバラストコンデンサC0を介して高電圧(始動電圧)を印加することにより冷陰極蛍光灯3を始動し、始動後はバラストコンデンサC0が限流要素となって略一定の高周波交流電流を冷陰極蛍光灯3に供給できるものである。また、インバータ回路INVに供給する直流電圧の電圧を調整したり、あるいは直流電圧を数10〜数100Hzの周波数で断続すれば、冷陰極蛍光灯3を調光することも可能である。但し、このように自励発振型のプッシュプルインバータ回路は従来周知であるから、詳細な構成並びに動作説明は省略する。
【0008】
ところで、図14に示す回路構成においては、冷陰極蛍光灯3と点灯装置4の電気的な接続が解除された場合にインバータ回路INVを停止する保護回路4eが設けられている。この保護回路4eはインバータ回路INVから出力される電流を監視し、冷陰極蛍光灯3が接続されていないことで電流が流れなくなれば、切換スイッチ部Sを制御してインバータ回路INVへの直流電圧の給電路を開放することでインバータ回路INVを停止させるものである。しかしながら、冷陰極蛍光灯3と点灯装置4を電気的に接続している接続端子36とコネクタ50には高電圧が印加されるため、例えば、接続端子36とコネクタ50が微少な距離を隔てて離れているような状況において、火花放電やグロー放電などの異常放電が接続端子36とコネクタ50との間に発生し、点灯装置4から冷陰極蛍光灯3へ電流が流れ続けてしまうことで保護回路4eが動作しない虞がある。
【0009】
これに対して特許文献2には、火花放電が発生したときに開放電圧よりも遙かに高くなるパルス状の高電圧がランプ電圧に重畳される点に着目し、かかるパルス状の高電圧を検出してインバータ回路を停止させるという技術が開示されている。また特許文献1には、ランプホルダユニット30が器具本体10に完全に取り付けられた際にクリック音を発生させることにより、ランプホルダユニット30が器具本体10に完全に取り付けられたことを施工者がクリック音で確認できるようにしている。
【特許文献1】特開2002−23657号公報
【特許文献2】特開2005−5059号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、ランプホルダユニット30が器具本体10に不完全な状態で取り付けられる、つまり、接続端子36とコネクタ50が不完全な接続状態になることを完全に防止することはできない。しかも、冷陰極放電灯は熱陰極放電灯と違ってフィラメントを持たないため、例えば、始動前に微少な電流がフィラメントを介して流れるか否かで接続状態を確認することができず、点灯した後の特性及びその変化によって不完全な接続状態か否かを判断しなければならない。そして、接続端子36とコネクタ50が不完全な接続状態で点灯装置4を起動したときに冷陰極蛍光灯3が点灯してしまう場合があり、外見からは接続異常が生じていると気づかない虞がある。しかも、このような不完全な接続状態が長時間継続すると異常な発熱を引き起こすなどの不具合が生じてしまう。なお、特許文献2に記載されている従来技術では、火花放電のような異常放電が発生したときに点灯装置4の出力電圧に重畳される高電圧を検出しているが、冷陰極放電灯の正常点灯時における点灯電圧の温度特性等を含めたばらつきが非常に幅広く、また、異常放電が発生した箇所やギャップの距離によってもばらつくので、不完全な接続状態か否かを判断するための基準値を設定することが非常に困難である。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、冷陰極放電灯の電極に接続された接続端子と点灯装置に接続されたコネクタとの不完全な接続状態に起因した不具合の発生を防ぐことができる放電灯器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、直管形の冷陰極放電灯を光源とする放電灯器具であって、冷陰極放電灯を両端で保持するランプホルダと、冷陰極放電灯を点灯する点灯装置と、点灯装置を支持するとともにランプホルダが着脱自在に取り付けられる器具本体と、冷陰極放電灯の両端に設けられている一対の電極と各々電気的に接続され且つランプホルダに支持された一対の第1接続端子部と、点灯装置の出力側と電気的に接続され、ランプホルダが器具本体に取り付けられたときに一対の第1接続端子部と電気的に接続される一対の第1コネクタと、ランプホルダに支持され、第1接続端子部と第1コネクタとの接続状態に応じて電気的特性が変化する電気回路とを備え、点灯装置は、前記電気回路の電気的特性を検出する検出回路と、検出回路の検出結果に基づいて第1接続端子部と第1コネクタが不完全な接続状態にあると推定されるときに点灯装置の出力を停止する保護回路とを備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、第1接続端子部はそれぞれ第1及び第2の接触子を有するとともに第1の接触子が冷陰極放電灯の電極と電気的に接続されてなり、第2の接触子並びに第2の接触子間に挿入されたインピーダンス素子によって前記電気回路が構成され、第1コネクタはそれぞれ第1接続端子部の第1及び第2の接触子と各別に接続される第1及び第2の刃受を有することを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記電気回路は、一対の第1接続端子部間に直列に挿入された複数のインピーダンス素子と、複数のインピーダンス素子の何れかの接続点と電気的に接続され且つランプホルダに支持された第2接続端子部とで構成され、ランプホルダが器具本体に取り付けられたときに第2接続端子部と電気的に接続される第2コネクタが器具本体に設けられたことを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記インピーダンス素子は、ランプホルダに支持されて冷陰極放電灯から放射される光を反射する反射板からなることを特徴とする。
【0016】
請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記電気回路は、一対の第1接続端子部間に挿入されたインピーダンス素子からなり、保護回路は、冷陰極放電灯の始動前に始動電圧よりも低い電圧を一対の第1コネクタ間に印加した状態で検出回路の検出結果に基づいて第1接続端子部と第1コネクタが不完全な接続状態にあるか否かを判断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、ランプホルダが器具本体に取り付けられている状態で第1接続端子部と第1コネクタが不完全な接続状態であると、第1接続端子部と第1コネクタが完全な接続状態である時に比べて電気回路の電気的特性が変化するため、当該電気的特性の変化を検出回路で検出し、保護回路が検出回路の検出結果に基づいて第1接続端子部と第1コネクタが不完全な接続状態にあると推定すれば点灯装置の出力を停止することで冷陰極放電灯の電極に接続された接続端子(第1接続端子部)と点灯装置に接続されたコネクタ(第1コネクタ)との不完全な接続状態に起因した不具合の発生を防ぐことができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、電気回路と冷陰極放電灯が電気的に独立しているため、点灯装置から冷陰極放電灯に電力供給されていない状態においても検出回路による検出が可能となる。
【0019】
請求項3の発明によれば、第1接続端子部や第1コネクタの構造を従来から複雑にする必要がない。
【0020】
請求項4の発明によれば、反射板をインピーダンス素子とすることで別途インピーダンス素子を設ける場合に比較してランプホルダの構造を簡略化してコストダウンが図れる。
【0021】
請求項5の発明によれば、従来の接続端子部(第1接続端子部)並びにコネクタ(第1コネクタ)以外に別途接続端子部やコネクタを設ける必要がないからランプホルダの構造を簡略化してコストダウンが図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、従来技術で説明した誘導灯に本発明の技術思想を適用した実施形態について図面を参照して詳細に説明する。但し、本発明に係る放電灯器具は誘導灯に限定されるものではなく、誘導灯以外の放電灯器具全般に本発明の技術思想が適用可能である。
【0023】
(実施形態1)
本実施形態の誘導灯の基本構成は図8〜図14に示した従来例と共通である。したがって、従来例と共通の構成要素については同一の符号を付して適宜図示並びに説明を省略する。
【0024】
本実施形態では、図1(b)に示すように接続端子部36,36が各々2つの接触子(第1の接触子36a並びに第2の接触子36b)を有するとともに、各コネクタ50には接続端子部36の2つの接触子36a,36bを択一的に受ける一対の刃受(第1の刃受51a並びに第2の刃受51b)が設けられている。2つの接触子36a,36bは冷陰極蛍光灯3の軸方向(図1(b)における左右方向)に沿って一列に配置されており、第1の接触子36aが冷陰極蛍光灯3の電極と電気的に接続され、第2の接触子36bが反射板32に接続されている。またコネクタ50の一対の刃受51a,51bも冷陰極蛍光灯3の軸方向に沿って一列に配置されており、図1(a)に示すように第1の刃受51aが電線53を介してインバータ回路INVの出力端子と電気的に接続され、第2の刃受51bが電線54を介して検出回路70と電気的に接続されている。すなわち、本実施形態では金属製の反射板32がインピーダンス素子に相当し、第2の接触子36b,36b並びに第2の接触子36b,36b間に挿入されたインピーダンス素子(反射板32)によって電気回路が構成されている。
【0025】
点灯装置4は、図1(a)に示すにように直流電源DCと、切換スイッチ部Sと、インバータ回路INVと、検出回路70と、保護回路71とを備えている。直流電源DCは、図13に示した従来例の回路図における電圧変換回路4a、平滑回路4b、二次電池4d、充電回路4cで構成される。また切換スイッチ部Sについては図示を簡略化している。尚、以下の説明ではインバータ回路INVの高電位側の出力端に接続されているコネクタ50を50Aと表記し、インバータ回路INVの低電位側の出力端に接続されているコネクタ50を50Bと表記する。
【0026】
検出回路70は、低電位側のコネクタ50Bの第2の刃受51bとグランドとの間に直列接続された抵抗R1,R2と、抵抗R1,R2の接続点とグランドの間に接続された高周波ノイズカット用のコンデンサC1と、制御電源Vcc(例えば、3端子レギュレータによって安定化された5V程度の直流電圧)を分圧して基準電圧Vrefを作成するための分圧抵抗R3,R4と、抵抗R1,R2の接続点とグランドの電位差(検出電圧)Viを基準電圧Vrefと比較するコンパレータCPとを有し、検出電圧Viが基準電圧Vrefよりも高ければコンパレータCPの出力をHレベルとし、検出電圧Viが基準電圧Vref以下であればコンパレータCPの出力をLレベルとするものである。つまり、接続端子部36,36とコネクタ50,50の接続状態が正常(完全)であると制御電源Vccから一対の接続端子部36とコネクタ50を介してインピーダンス素子(反射板32)に電流が流れて基準電圧よりも高い検出電圧Viが得られるから検出回路70の出力がHレベルとなるが、接続端子部36,36とコネクタ50,50の接続状態が不完全であるとインピーダンス素子に電流が流れないために検出電圧Viが略ゼロとなるから検出回路70の出力がLレベルとなる。
【0027】
保護回路71は、検出回路70の出力(コンパレータCPの出力)がLレベルになると切換スイッチ部Sをオフすることで直流電源DCからの給電路を開放してインバータ回路INVを停止させ、検出回路70の出力がHレベルになると切換スイッチ部Sをオンすることで直流電源DCからの給電路を閉結してインバータ回路INVを動作させる。
【0028】
したがって、一対の接続端子部36,36とコネクタ50,50の少なくとも何れか一方が不完全な接続状態であると検出回路70の出力がLレベルとなって保護回路71がインバータ回路INVの動作を停止するので、不完全な接続状態のままで冷陰極蛍光灯3が点灯され続けるのを防ぐことができる。
【0029】
ところで、図2に示すように第1の接触子36aに対して第2の接触子36bを短くするとともに冷陰極蛍光灯3の長手方向に沿って第2の接触子36bが第1の接触子36aよりも外側となるように一対の接触子36a,36bが一列に配置すれば、ランプホルダユニット30を器具本体10から取り外す際、寸法の長い第1の接触子36aが第1の刃受51aと接触導通した状態で寸法の短い第2の接触子36bが第2の刃受51bから離れるため、検出回路70が不完全な接続状態を検出し保護回路71によってインバータ回路INVの動作が停止するまでの期間に接続端子部36とコネクタ50の間に異常な放電が生じるのを防ぐことができる。また、ランプホルダユニット30を器具本体10から取り外す場合、両端の接続端子部36が各コネクタ50から略同時に外されることはごく稀であり、大概は、一方の接続端子部36とコネクタ50が先に外された後に他方の接続端子部36とコネクタ50が外されるため、片側の接続端子部36とコネクタ50のみが不完全な接続状態となる場合が多い。したがって、図2に示すように検出回路70に接続されている第2の接触子36bを第1の接触子36aに対して冷陰極蛍光灯3から遠い位置(ランプホルダユニット30における外側の位置)に配置すれば、不完全な接続状態をより早く且つ確実に検出してインバータ回路INVの動作を停止させることができる。
【0030】
なお、本実施形態では電気回路を構成するインピーダンス素子として反射板32を利用したが、ランプホルダユニット30に内蔵した抵抗素子等をインピーダンス素子としても構わない。また、インピーダンス素子の等価抵抗値に合わせて検出回路70の抵抗R1,R2の抵抗値を調整すれば、検出回路70の消費電流を抑えることができる。さらに検出回路70の回路構成も本実施形態に限定されるものではなく、第2の刃受51b,51b間の導通を確認できるものであればよい。
【0031】
ここで本実施形態では、点灯装置4からみて電気回路(第2の接触子36b,36b並びに反射板32からなるインピーダンス素子)と冷陰極蛍光灯3が電気的に独立しているため、点灯装置4から冷陰極蛍光灯3に電力供給されていない状態においても検出回路70による検出が可能となる。しかも、検出回路70で検出する電圧が低電圧(制御電圧Vccの5V程度)であるから、簡単且つ安価な構成で検出回路70を実現することが可能であり、点灯装置4や器具本体10の小型化が図れる。
【0032】
(実施形態2)
実施形態1ではランプホルダユニット30の一対の接続端子部36,36の構造と器具本体10の一対のコネクタ50,50の構造を従来例から変更する必要がある。これに対して本実施形態は、一対の接続端子部(以下、第1接続端子部と呼ぶ。)36,36の構造と一対のコネクタ(以下、第1コネクタと呼ぶ。)50,50の構造は従来例とほぼ共通にし、別途、第2接続端子部37をランプホルダユニット30に設けるとともに第2接続端子部37と着脱自在に接続される第2コネクタ52を器具本体10に設けている。但し、基本的な構成は実施形態1と共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して適宜図示並びに説明を省略する。
【0033】
第1接続端子部36は、図3(b)に示すように1本の接触子からなり、冷陰極蛍光灯3の電極とインピーダンス素子たる反射板32とが電気的に接続されている。一方、第1コネクタ50は一つの刃受51を有し、この刃受51が電線53を介してインバータ回路INVの出力端子と電気的に接続されている。また図示は省略するが、第1接続端子部36と同じく1本の接触子からなる第2接続端子部37がランプホルダユニット30の長手方向中央に設けられ、反射板32の長手方向中央と電気的に接続されている。一方、第2コネクタ52は器具本体10の幅方向(ランプホルダユニット30の長手方向に沿った方向)における中央に設けられて検出回路70と電気的に接続されている(図3(a)参照)。
【0034】
ここで、反射板32の両端に一対の第1接続端子部36A,36Bを電気的に接続するとともに反射板32の中央に第2接続端子部37を電気的に接続しているため、図3(a)に示すように、本実施形態における電気回路の等価回路は、高電位側の第1接続端子部36Aと第2接続端子部37との間に挿入されたインピーダンス素子Z1と、第2接続端子部37と低電位側の第1接続端子部36bとの間に挿入されたインピーダンス素子Z2(=Z1)との直列回路で表され、インバータ回路INVの出力電圧をインピーダンス素子Z1,Z2によって分圧した電圧が検出回路70に入力される。但し、インバータ回路INVの出力電圧は数100V〜2000V(実効値)程度に達するから、検出回路70への漏れ電流を低く抑えるためにはインピーダンス素子Z1,Z2のインピーダンス値を数MΩとすることが望ましい。
【0035】
検出回路70は、第2コネクタ52とグランドの間に挿入されている抵抗R1,R2の接続点とグランドとの電位差をダイオードD1で整流するとともに整流された電圧をコンデンサC1で平滑することで検出電圧Viを得ており、この検出電圧ViをコンパレータCPで基準電圧Vrefと比較している。
【0036】
而して、第1接続端子部36,36と第1コネクタ50,50の接続状態が正常(完全)であるとインバータ回路INVの出力電圧が第1接続端子部36,36と第1コネクタ50,50を介してインピーダンス素子Z1,Z2(反射板32)に印加されて基準電圧Vrefよりも高い検出電圧Viが得られるから検出回路70の出力がHレベルとなるが、第1接続端子部36,36と第1コネクタ50,50の接続状態が不完全であるとインバータ回路INVの出力電圧がインピーダンス素子Z1,Z2に印加されないために検出電圧Viが略ゼロとなるから検出回路70の出力がLレベルとなる。したがって、低電位側の第1接続端子部36Bと第1コネクタ50B若しくは第2接続端子部37と第2コネクタ52が不完全な接続状態であると検出回路70の出力がLレベルとなって保護回路71がインバータ回路INVの動作を停止するので、不完全な接続状態のままで冷陰極蛍光灯3が点灯され続けるのを防ぐことができる。
【0037】
このように本実施形態によれば、第1接続端子部36,36並びに第1コネクタ50,50の構造は従来例とほぼ共通になるため、実施形態1に比べてコストダウンが図れる。また、第2接続端子部37をランプホルダユニット30の長手方向中央に配置しているから、例えば、図4に示すように器具本体10の両面にランプホルダユニット30並びに表示ユニット20を備える場合においても、それぞれの面におけるランプホルダユニット30の構成を同一とすることができる。なお、実施形態1の構成でも両面タイプにおけるランプホルダユニット30の共通化は可能であるが、実施形態1では検出回路70が制御電源Vccを使用しているため、漏れ電流等を考慮して器具本体10における各面の電線54,54の配置方法に注意する必要がある。
【0038】
但し、インピーダンス素子Z1,Z2の分圧比は特に限定されるものではないが、図4に示すような両面タイプの誘導灯への適用を考慮すると略2分の1とすることが望ましく、そうすることで各面における検出回路70の定数設定やランプホルダユニット30の設計を両面で共通化できる。また検出回路70の回路構成も本実施形態に限定されるものではなく、第1コネクタ50と第2コネクタ52間の導通を確認できるものであればよい。
【0039】
(実施形態3)
実施形態2では一対の第1接続端子部36を反射板32の長手方向両端と電気的に接続するとともに第2接続端子部37を反射板32の長手方向中央と電気的に接続し、冷陰極蛍光灯3の電極と並列に反射板32からなるインピーダンス素子Z1,Z2の直列回路を接続しているが、本実施形態では、第1接続端子部36と反射板32を絶縁し、冷陰極蛍光灯3と反射板32の間の寄生容量によって反射板32とグランド間に生じる電位差を第2接続端子部37から取り出す点に特徴がある。
【0040】
図5に示すように第1接続端子部36は冷陰極蛍光灯3の電極とのみ接続されていて反射板32とは絶縁されている。一方、第2接続端子部37は反射板32の長手方向中央に電気的に接続されている。そして、第1コネクタ50がインバータ回路INVの出力端と接続され、第2コネクタ52が検出回路70の入力端と電気的に接続されている。ここで、第1接続端子部36の接触子に対して第2接続端子部37の接触子の長さが短くなっている。
【0041】
ここで、インバータ回路INVの出力電圧が数100V〜2000V(実効値)程度に達し、冷陰極蛍光灯3のインピーダンス値も数10kΩ〜100kΩになり、点灯周波数も数10kHzであることから、冷陰極蛍光灯3と反射板32の間の寄生容量によって静電誘導され、反射板32とグランドの間に電位差が生じる。特に反射板32を金属製としたときに顕著に電位差が生じる。
【0042】
而して、図5(b)に示すように第1接続端子部36,36と第1コネクタ50,50の接続状態が正常(完全)であれば、インバータ回路INVの出力電圧が第1接続端子部36,36と第1コネクタ50,50を介して冷陰極蛍光灯3に印加されることで反射板32とグランドの間に静電誘導による電位差が生じて基準電圧Vrefよりも高い検出電圧Viが得られて検出回路70の出力がHレベルとなるが、図5(a)に示すように第1接続端子部36,36と第1コネクタ50,50の接続状態が不完全であるとインバータ回路INVの出力電圧が冷陰極蛍光灯3に印加されないために反射板32とグランドの間に静電誘導による電位差が生じず、検出電圧Viが略ゼロとなるから検出回路70の出力がLレベルとなる(図6参照)。したがって、第1接続端子部36と第1コネクタ50が不完全な接続状態であると検出回路70の出力がLレベルとなって保護回路71がインバータ回路INVの動作を停止するので、不完全な接続状態のままで冷陰極蛍光灯3が点灯され続けるのを防ぐことができる。
【0043】
上述のように本実施形態によれば、実施形態2のようにインバータ回路INVの出力電圧を反射板32に印加する必要がないことから安全性の向上が図れるという利点がある。また第2接続端子部37をランプホルダユニット30の長手方向中央に配置しているから、実施形態2と同様に器具本体10の両面にランプホルダユニット30並びに表示ユニット20を備える場合においても、それぞれの面におけるランプホルダユニット30の構成を同一とすることができる。なお、ランプホルダユニット30を器具本体10から取り外す際、寸法の長い第1接続端子部36の接触子が第1コネクタ51の刃受と接触導通した状態で寸法の短い第2接続端子部37の接触子が第2コネクタ52から離れるため、不完全な接続状態をより確実且つ速やかに検出することができる。また検出回路70の回路構成も本実施形態に限定されるものではなく、反射板32とグランドの間の電位差を検出できるものであればよい。
【0044】
(実施形態4)
本実施形態の回路構成を図7に示す。但し、本実施形態は検出回路70の構成に特徴があり、その他の構成は従来例と共通である。よって、従来例と共通の構成要素には同一の符号を付して適宜図示並びに説明を省略する。
【0045】
ランプホルダユニット30においては、高電位側の接続端子部36A並びに低電位側の接続端子部36Bに対してインピーダンス素子Zが冷陰極蛍光灯3と並列に接続されて電気回路が構成されている。但し、このインピーダンス素子Zは反射板32であっても構わない。
【0046】
本実施形態における検出回路70は、インバータ回路INVを構成するトランスTの2次側と低電位側のコネクタ50Bとの間に電流検出用の抵抗Rxとともに直列接続された検出抵抗Rsと、検出抵抗Rsとコネクタ50Bの接続点にアノードが接続されたダイオードD1と、トランスTの2次側とコネクタ50Bの接続点とダイオードD1のカソードとの間に挿入されたコンデンサC1並びに抵抗R2からなる積分回路と、積分回路を介して入力する検出電圧Viと制御電圧Vccを分圧抵抗R3,R4で分圧して作成された基準電圧Vrefと比較するコンパレータCPとを具備している。なお、検出抵抗Rsの両端はスイッチSW1によって開閉自在に短絡可能となっている。
【0047】
一方、本実施形態における保護回路71では、冷陰極蛍光灯3の始動前に直流電源DCの電源電圧を通常時よりも低い電圧とすることで始動電圧よりも十分に低い電圧をインバータ回路INVから出力させ、接続端子部36A,36Bとコネクタ50A,50Bの接続状態が不完全でなければ、インバータ回路INV〜接続端子部36A〜インピーダンス素子Z〜接続端子部36B〜検出抵抗Rs〜抵抗Rx〜インバータ回路INVの経路で電流を流す。ここで、定常点灯時においてインピーダンス素子Zに流れる漏れ電流が小さくなるように点灯時における冷陰極蛍光灯3のインピーダンス値に比べてインピーダンス素子Zのインピーダンス値が非常に高く設定されているために前記経路で流れる電流が非常に小さいものとなるので、定常点灯時の消費電流を抑えるために抵抗値が低く設定されている電流検出用の抵抗Rxでは検出が困難である。そのために本実施形態の検出回路70では、抵抗Rxに比べて十分に抵抗値の高い検出抵抗Rsを抵抗Rxと直列に接続し、抵抗Rxと検出抵抗Rsの両端に生じる電圧降下をダイオードD1で整流するとともに積分回路で平滑して検出電圧Viとし、この検出電圧ViをコンパレータCPで基準電圧Vrefと比較している。
【0048】
而して、保護回路71が冷陰極蛍光灯3の始動前に直流電源DCの電源電圧を通常時よりも低い電圧とすることでインバータ回路INVの出力電圧を始動電圧よりも十分に低い電圧とし、この状態で検出回路70が検出電圧Viを基準電圧Vrefと比較する。接続端子部36A,36Bとコネクタ50A,50Bの接続状態が完全であれば、検出電圧Viが基準電圧Vrefよりも高くなるから検出回路70の出力電圧がHレベルとなるため、保護回路71が完全な接続状態であると判断して直流電源DCの電源電圧を通常時の電圧に上げることでインバータ回路INVの出力電圧を始動電圧まで上昇させて冷陰極蛍光灯3を始動し、さらにスイッチSW1を閉じて検出抵抗Rsの両端を短絡することで無駄な電力消費を抑える。反対に接続端子部36A,36Bとコネクタ50A,50Bの接続状態が不完全であれば、検出電圧Viが基準電圧Vref以下となるから検出回路70の出力電圧がLレベルとなるため、保護回路71が不完全な接続状態であると判断し、切換スイッチ部Sをオフすることで直流電源DCからの給電路を開放してインバータ回路INVを停止させる。
【0049】
上述のように本実施形態によれば、冷陰極蛍光灯3の始動前に接続端子部36A,36Bとコネクタ50A,50Bの接続状態を検出し、不完全な接続状態であれば保護回路71によってインバータ回路INVの動作を停止させて安全性を高めることができる。しかも、実施形態1のように接続端子部36に複数の接触子36a,36bを設けると同時にコネクタ50に複数の刃受51a,51bを設けたり、あるいは実施形態2,3のように第1接続端子部36A,36Bの他に第2接続端子部37をランプホルダユニット30に設けると同時に第1コネクタ50A,50Bの他に第2コネクタ52を器具本体10に設ける必要がないから従来例におけるランプホルダユニット30や器具本体10との互換性を保つことができる。但し、冷陰極蛍光灯3が点灯中に接続端子部36A,36Bとコネクタ50A,50Bの接続状態が不完全となった場合においては、抵抗Rxに流れる電流が定常点灯時よりも減少したことを保護回路71で検出し、切換スイッチ部Sをオフすることで直流電源DCからの給電路を開放してインバータ回路INVを停止させる。
【0050】
なお、上述の実施形態1〜4ではインバータ回路INVとして従来例と共通の自励発振型のプッシュプルインバータ回路を例示したがこれに限定する趣旨ではなく、例えば、ハーフブリッジ型やフルブリッジ型のインバータ回路であっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施形態1を示し、(a)は概略回路構成図、(b)はランプホルダユニットと器具本体の要部を示す断面図である。
【図2】同上の他の構成におけるランプホルダユニットと器具本体の要部を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態2を示し、(a)は概略回路構成図、(b)はランプホルダユニットと器具本体の要部を示す断面図である。
【図4】同上の他の構成におけるランプホルダユニットと器具本体の要部を示す断面図である。
【図5】(a),(b)は本発明の実施形態3におけるランプホルダユニットと器具本体の要部を示す断面図である。
【図6】同上の概略回路構成図である。
【図7】本発明の実施形態4の概略回路構成図である。
【図8】従来例の分解斜視図である。
【図9】同上におけるランプホルダユニットと器具本体の要部を示す分解斜視図である。
【図10】同上の要部を示す断面図である。
【図11】同上におけるランプホルダユニットと器具本体の要部を示す断面図である。
【図12】同上の一部破断した正面図である。
【図13】同上における点灯装置の回路図である。
【図14】同上におけるインバータ回路の回路図である。
【符号の説明】
【0052】
3 冷陰極蛍光灯(冷陰極放電灯)
4 点灯装置
10 器具本体
30 ランプホルダユニット
36 接続端子
36a 第1の接触子
36b 第2の接触子
50 コネクタ
51a 第1の刃受
51b 第2の刃受
70 検出回路
71 保護回路
S 切換スイッチ部
INV インバータ回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷陰極放電灯を光源とする放電灯器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、各種の放電灯器具において、光源として熱陰極の蛍光灯に比べて小型で輝度の高い冷陰極放電灯(冷陰極蛍光灯)を用いたものが提供されている。例えば、放電灯器具の一種である誘導灯においては、光源として冷陰極蛍光灯を用いたいわゆる高輝度誘導灯が提供されている。
【0003】
この種の高輝度誘導灯としては、図8〜図12に示すように、前面開口した器具本体10と、器具本体10の前面に取り付けられる表示ユニット20と、冷陰極蛍光灯3を保持したランプホルダユニット30とを備えた導光板式(若しくはパネル式と称される)のものが提供されている(例えば、特許文献1参照)。ここにおいて、器具本体10内には、冷陰極蛍光灯3を点灯させる点灯装置4などが収納されている。また、表示ユニット20は、表示パネル21と、表示パネル21の後面側に配設された導光板(図示せず)とを有し、導光板の上端縁に対向配置した冷陰極蛍光灯3からの光を導光板内での全反射により導光板の下端縁側に導きながら導光板の後面に設けた光拡散部に入射させ、光拡散部で拡散した光のうち、表示パネル21へ向かう光を表示パネル21の前方に出射するものである。また、ランプホルダユニット30は、冷陰極蛍光灯3と反射板32とこれらを保持するユニット本体たるランプホルダ31とを備えており、表示ユニット20が器具本体10に取り付けられた状態において、この隙間をなくし表示ユニット20と合わせて器具本体10の前面開口を覆う形で器具本体10の前面に着脱自在に取り付けられる(図9参照)。
【0004】
ランプホルダユニット30は、器具本体10の前面側に位置する前板31aと、前面板31aの上端縁から後方に向かって連続一体に形成された上板31bと、前板31aの両側縁からそれぞれ後方に向かって突設された一対の側板31cと、上板31bの両端部において下方に突設され金属製(例えば、アルミニウム製)の反射板32および冷陰極蛍光灯3を支持する一対の支持台35,35とが連続一体に形成された合成樹脂製のユニット本体たるランプホルダ31を備えている。ランプホルダユニット30は、ランプホルダ31の一対の支持台35,35により直管形のランプである冷陰極蛍光灯3の両端部が支持され、冷陰極蛍光灯3の電極(図示せず)に接続され且つ両端部から突出したリード線3b,3bにそれぞれ接続された接続端子36,36が支持台35,35に下面側から着脱自在に結合される合成樹脂製のホルダブロック(図示せず)に保持され、ランプホルダ31の後方へ突出している。反射板32は、下面側が開放した断面U字状であって冷陰極蛍光灯3を囲む形で支持台35,35により支持される。ここにおいて、冷陰極蛍光灯3および反射板32は、一対のホルダブロックをランプホルダ31の支持台35,35に結合することにより、ランプホルダ31とホルダブロックとの間に保持されることになる。
【0005】
一方、器具本体10において両側壁の上部の内側には、点灯装置4にそれぞれ電線53,53を介して接続されランプホルダユニット30の接続端子36,36が前方から挿入接続されるコネクタ50,50が配置されている。各コネクタ50は直方体状に形成された絶縁性のカバー50aの長手方向の両端面に端子挿入口50bが開口されており、カバー50a内には、端子挿入口50bに対応する部位に端子挿入口50bから挿入された接続端子36を受ける刃受51が収納されている。各コネクタ50は2本の電線53を介して点灯装置4と接続されており、電線53とコネクタ50を介して冷陰極蛍光灯3が点灯装置4と電気的に接続される。そして、図12に示すように器具本体10の後壁の前面側に2本の電線53を漏れ電流が発生しないように離間させた状態で保持するリード線保持部14を適宜箇所に設けておくことで器具本体10内においてコネクタ50と点灯装置4との間を接続する電線53の配線位置を定型化することができ、施工性などを考慮して電線53の長さを余分に長くする必要がなく、工場出荷時に電線53を配線しておくことができるから、施工業者がランプホルダユニット30の取付時に配線処理をする必要がなく、施工が容易になるとともに、施工者によって漏れ電流が異なるようなことがなくなる。
【0006】
点灯装置4は、図13に示すように商用交流電源ACの電源電圧(100V)よりも低い脈流電圧に変換する電圧変換回路4aと、電圧変換回路4aで変換された脈流電圧を平滑する平滑回路4bと、平滑回路4bから出力される直流電圧によって二次電池4dを充電する充電回路4cと、平滑回路4b又は二次電池4dから出力される直流電圧を商用電源周波数よりも高い周波数の交流電圧に変換するインバータ回路INVと、通常時はインバータ回路INVの入力端を平滑回路4bの出力端に接続し、商用交流電源ACが停電したときにインバータ回路INVの入力端を平滑回路4bの出力端から切り離して二次電池4dの両極に接続する切換スイッチ部Sとを備えている。
【0007】
インバータ回路INVは、例えば、図14に示すような自励発振型のプッシュプルインバータ回路で構成され、始動時にはトランスTの2次側に接続されたバラストコンデンサC0を介して高電圧(始動電圧)を印加することにより冷陰極蛍光灯3を始動し、始動後はバラストコンデンサC0が限流要素となって略一定の高周波交流電流を冷陰極蛍光灯3に供給できるものである。また、インバータ回路INVに供給する直流電圧の電圧を調整したり、あるいは直流電圧を数10〜数100Hzの周波数で断続すれば、冷陰極蛍光灯3を調光することも可能である。但し、このように自励発振型のプッシュプルインバータ回路は従来周知であるから、詳細な構成並びに動作説明は省略する。
【0008】
ところで、図14に示す回路構成においては、冷陰極蛍光灯3と点灯装置4の電気的な接続が解除された場合にインバータ回路INVを停止する保護回路4eが設けられている。この保護回路4eはインバータ回路INVから出力される電流を監視し、冷陰極蛍光灯3が接続されていないことで電流が流れなくなれば、切換スイッチ部Sを制御してインバータ回路INVへの直流電圧の給電路を開放することでインバータ回路INVを停止させるものである。しかしながら、冷陰極蛍光灯3と点灯装置4を電気的に接続している接続端子36とコネクタ50には高電圧が印加されるため、例えば、接続端子36とコネクタ50が微少な距離を隔てて離れているような状況において、火花放電やグロー放電などの異常放電が接続端子36とコネクタ50との間に発生し、点灯装置4から冷陰極蛍光灯3へ電流が流れ続けてしまうことで保護回路4eが動作しない虞がある。
【0009】
これに対して特許文献2には、火花放電が発生したときに開放電圧よりも遙かに高くなるパルス状の高電圧がランプ電圧に重畳される点に着目し、かかるパルス状の高電圧を検出してインバータ回路を停止させるという技術が開示されている。また特許文献1には、ランプホルダユニット30が器具本体10に完全に取り付けられた際にクリック音を発生させることにより、ランプホルダユニット30が器具本体10に完全に取り付けられたことを施工者がクリック音で確認できるようにしている。
【特許文献1】特開2002−23657号公報
【特許文献2】特開2005−5059号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、ランプホルダユニット30が器具本体10に不完全な状態で取り付けられる、つまり、接続端子36とコネクタ50が不完全な接続状態になることを完全に防止することはできない。しかも、冷陰極放電灯は熱陰極放電灯と違ってフィラメントを持たないため、例えば、始動前に微少な電流がフィラメントを介して流れるか否かで接続状態を確認することができず、点灯した後の特性及びその変化によって不完全な接続状態か否かを判断しなければならない。そして、接続端子36とコネクタ50が不完全な接続状態で点灯装置4を起動したときに冷陰極蛍光灯3が点灯してしまう場合があり、外見からは接続異常が生じていると気づかない虞がある。しかも、このような不完全な接続状態が長時間継続すると異常な発熱を引き起こすなどの不具合が生じてしまう。なお、特許文献2に記載されている従来技術では、火花放電のような異常放電が発生したときに点灯装置4の出力電圧に重畳される高電圧を検出しているが、冷陰極放電灯の正常点灯時における点灯電圧の温度特性等を含めたばらつきが非常に幅広く、また、異常放電が発生した箇所やギャップの距離によってもばらつくので、不完全な接続状態か否かを判断するための基準値を設定することが非常に困難である。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、冷陰極放電灯の電極に接続された接続端子と点灯装置に接続されたコネクタとの不完全な接続状態に起因した不具合の発生を防ぐことができる放電灯器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、直管形の冷陰極放電灯を光源とする放電灯器具であって、冷陰極放電灯を両端で保持するランプホルダと、冷陰極放電灯を点灯する点灯装置と、点灯装置を支持するとともにランプホルダが着脱自在に取り付けられる器具本体と、冷陰極放電灯の両端に設けられている一対の電極と各々電気的に接続され且つランプホルダに支持された一対の第1接続端子部と、点灯装置の出力側と電気的に接続され、ランプホルダが器具本体に取り付けられたときに一対の第1接続端子部と電気的に接続される一対の第1コネクタと、ランプホルダに支持され、第1接続端子部と第1コネクタとの接続状態に応じて電気的特性が変化する電気回路とを備え、点灯装置は、前記電気回路の電気的特性を検出する検出回路と、検出回路の検出結果に基づいて第1接続端子部と第1コネクタが不完全な接続状態にあると推定されるときに点灯装置の出力を停止する保護回路とを備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、第1接続端子部はそれぞれ第1及び第2の接触子を有するとともに第1の接触子が冷陰極放電灯の電極と電気的に接続されてなり、第2の接触子並びに第2の接触子間に挿入されたインピーダンス素子によって前記電気回路が構成され、第1コネクタはそれぞれ第1接続端子部の第1及び第2の接触子と各別に接続される第1及び第2の刃受を有することを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記電気回路は、一対の第1接続端子部間に直列に挿入された複数のインピーダンス素子と、複数のインピーダンス素子の何れかの接続点と電気的に接続され且つランプホルダに支持された第2接続端子部とで構成され、ランプホルダが器具本体に取り付けられたときに第2接続端子部と電気的に接続される第2コネクタが器具本体に設けられたことを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記インピーダンス素子は、ランプホルダに支持されて冷陰極放電灯から放射される光を反射する反射板からなることを特徴とする。
【0016】
請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記電気回路は、一対の第1接続端子部間に挿入されたインピーダンス素子からなり、保護回路は、冷陰極放電灯の始動前に始動電圧よりも低い電圧を一対の第1コネクタ間に印加した状態で検出回路の検出結果に基づいて第1接続端子部と第1コネクタが不完全な接続状態にあるか否かを判断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、ランプホルダが器具本体に取り付けられている状態で第1接続端子部と第1コネクタが不完全な接続状態であると、第1接続端子部と第1コネクタが完全な接続状態である時に比べて電気回路の電気的特性が変化するため、当該電気的特性の変化を検出回路で検出し、保護回路が検出回路の検出結果に基づいて第1接続端子部と第1コネクタが不完全な接続状態にあると推定すれば点灯装置の出力を停止することで冷陰極放電灯の電極に接続された接続端子(第1接続端子部)と点灯装置に接続されたコネクタ(第1コネクタ)との不完全な接続状態に起因した不具合の発生を防ぐことができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、電気回路と冷陰極放電灯が電気的に独立しているため、点灯装置から冷陰極放電灯に電力供給されていない状態においても検出回路による検出が可能となる。
【0019】
請求項3の発明によれば、第1接続端子部や第1コネクタの構造を従来から複雑にする必要がない。
【0020】
請求項4の発明によれば、反射板をインピーダンス素子とすることで別途インピーダンス素子を設ける場合に比較してランプホルダの構造を簡略化してコストダウンが図れる。
【0021】
請求項5の発明によれば、従来の接続端子部(第1接続端子部)並びにコネクタ(第1コネクタ)以外に別途接続端子部やコネクタを設ける必要がないからランプホルダの構造を簡略化してコストダウンが図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、従来技術で説明した誘導灯に本発明の技術思想を適用した実施形態について図面を参照して詳細に説明する。但し、本発明に係る放電灯器具は誘導灯に限定されるものではなく、誘導灯以外の放電灯器具全般に本発明の技術思想が適用可能である。
【0023】
(実施形態1)
本実施形態の誘導灯の基本構成は図8〜図14に示した従来例と共通である。したがって、従来例と共通の構成要素については同一の符号を付して適宜図示並びに説明を省略する。
【0024】
本実施形態では、図1(b)に示すように接続端子部36,36が各々2つの接触子(第1の接触子36a並びに第2の接触子36b)を有するとともに、各コネクタ50には接続端子部36の2つの接触子36a,36bを択一的に受ける一対の刃受(第1の刃受51a並びに第2の刃受51b)が設けられている。2つの接触子36a,36bは冷陰極蛍光灯3の軸方向(図1(b)における左右方向)に沿って一列に配置されており、第1の接触子36aが冷陰極蛍光灯3の電極と電気的に接続され、第2の接触子36bが反射板32に接続されている。またコネクタ50の一対の刃受51a,51bも冷陰極蛍光灯3の軸方向に沿って一列に配置されており、図1(a)に示すように第1の刃受51aが電線53を介してインバータ回路INVの出力端子と電気的に接続され、第2の刃受51bが電線54を介して検出回路70と電気的に接続されている。すなわち、本実施形態では金属製の反射板32がインピーダンス素子に相当し、第2の接触子36b,36b並びに第2の接触子36b,36b間に挿入されたインピーダンス素子(反射板32)によって電気回路が構成されている。
【0025】
点灯装置4は、図1(a)に示すにように直流電源DCと、切換スイッチ部Sと、インバータ回路INVと、検出回路70と、保護回路71とを備えている。直流電源DCは、図13に示した従来例の回路図における電圧変換回路4a、平滑回路4b、二次電池4d、充電回路4cで構成される。また切換スイッチ部Sについては図示を簡略化している。尚、以下の説明ではインバータ回路INVの高電位側の出力端に接続されているコネクタ50を50Aと表記し、インバータ回路INVの低電位側の出力端に接続されているコネクタ50を50Bと表記する。
【0026】
検出回路70は、低電位側のコネクタ50Bの第2の刃受51bとグランドとの間に直列接続された抵抗R1,R2と、抵抗R1,R2の接続点とグランドの間に接続された高周波ノイズカット用のコンデンサC1と、制御電源Vcc(例えば、3端子レギュレータによって安定化された5V程度の直流電圧)を分圧して基準電圧Vrefを作成するための分圧抵抗R3,R4と、抵抗R1,R2の接続点とグランドの電位差(検出電圧)Viを基準電圧Vrefと比較するコンパレータCPとを有し、検出電圧Viが基準電圧Vrefよりも高ければコンパレータCPの出力をHレベルとし、検出電圧Viが基準電圧Vref以下であればコンパレータCPの出力をLレベルとするものである。つまり、接続端子部36,36とコネクタ50,50の接続状態が正常(完全)であると制御電源Vccから一対の接続端子部36とコネクタ50を介してインピーダンス素子(反射板32)に電流が流れて基準電圧よりも高い検出電圧Viが得られるから検出回路70の出力がHレベルとなるが、接続端子部36,36とコネクタ50,50の接続状態が不完全であるとインピーダンス素子に電流が流れないために検出電圧Viが略ゼロとなるから検出回路70の出力がLレベルとなる。
【0027】
保護回路71は、検出回路70の出力(コンパレータCPの出力)がLレベルになると切換スイッチ部Sをオフすることで直流電源DCからの給電路を開放してインバータ回路INVを停止させ、検出回路70の出力がHレベルになると切換スイッチ部Sをオンすることで直流電源DCからの給電路を閉結してインバータ回路INVを動作させる。
【0028】
したがって、一対の接続端子部36,36とコネクタ50,50の少なくとも何れか一方が不完全な接続状態であると検出回路70の出力がLレベルとなって保護回路71がインバータ回路INVの動作を停止するので、不完全な接続状態のままで冷陰極蛍光灯3が点灯され続けるのを防ぐことができる。
【0029】
ところで、図2に示すように第1の接触子36aに対して第2の接触子36bを短くするとともに冷陰極蛍光灯3の長手方向に沿って第2の接触子36bが第1の接触子36aよりも外側となるように一対の接触子36a,36bが一列に配置すれば、ランプホルダユニット30を器具本体10から取り外す際、寸法の長い第1の接触子36aが第1の刃受51aと接触導通した状態で寸法の短い第2の接触子36bが第2の刃受51bから離れるため、検出回路70が不完全な接続状態を検出し保護回路71によってインバータ回路INVの動作が停止するまでの期間に接続端子部36とコネクタ50の間に異常な放電が生じるのを防ぐことができる。また、ランプホルダユニット30を器具本体10から取り外す場合、両端の接続端子部36が各コネクタ50から略同時に外されることはごく稀であり、大概は、一方の接続端子部36とコネクタ50が先に外された後に他方の接続端子部36とコネクタ50が外されるため、片側の接続端子部36とコネクタ50のみが不完全な接続状態となる場合が多い。したがって、図2に示すように検出回路70に接続されている第2の接触子36bを第1の接触子36aに対して冷陰極蛍光灯3から遠い位置(ランプホルダユニット30における外側の位置)に配置すれば、不完全な接続状態をより早く且つ確実に検出してインバータ回路INVの動作を停止させることができる。
【0030】
なお、本実施形態では電気回路を構成するインピーダンス素子として反射板32を利用したが、ランプホルダユニット30に内蔵した抵抗素子等をインピーダンス素子としても構わない。また、インピーダンス素子の等価抵抗値に合わせて検出回路70の抵抗R1,R2の抵抗値を調整すれば、検出回路70の消費電流を抑えることができる。さらに検出回路70の回路構成も本実施形態に限定されるものではなく、第2の刃受51b,51b間の導通を確認できるものであればよい。
【0031】
ここで本実施形態では、点灯装置4からみて電気回路(第2の接触子36b,36b並びに反射板32からなるインピーダンス素子)と冷陰極蛍光灯3が電気的に独立しているため、点灯装置4から冷陰極蛍光灯3に電力供給されていない状態においても検出回路70による検出が可能となる。しかも、検出回路70で検出する電圧が低電圧(制御電圧Vccの5V程度)であるから、簡単且つ安価な構成で検出回路70を実現することが可能であり、点灯装置4や器具本体10の小型化が図れる。
【0032】
(実施形態2)
実施形態1ではランプホルダユニット30の一対の接続端子部36,36の構造と器具本体10の一対のコネクタ50,50の構造を従来例から変更する必要がある。これに対して本実施形態は、一対の接続端子部(以下、第1接続端子部と呼ぶ。)36,36の構造と一対のコネクタ(以下、第1コネクタと呼ぶ。)50,50の構造は従来例とほぼ共通にし、別途、第2接続端子部37をランプホルダユニット30に設けるとともに第2接続端子部37と着脱自在に接続される第2コネクタ52を器具本体10に設けている。但し、基本的な構成は実施形態1と共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して適宜図示並びに説明を省略する。
【0033】
第1接続端子部36は、図3(b)に示すように1本の接触子からなり、冷陰極蛍光灯3の電極とインピーダンス素子たる反射板32とが電気的に接続されている。一方、第1コネクタ50は一つの刃受51を有し、この刃受51が電線53を介してインバータ回路INVの出力端子と電気的に接続されている。また図示は省略するが、第1接続端子部36と同じく1本の接触子からなる第2接続端子部37がランプホルダユニット30の長手方向中央に設けられ、反射板32の長手方向中央と電気的に接続されている。一方、第2コネクタ52は器具本体10の幅方向(ランプホルダユニット30の長手方向に沿った方向)における中央に設けられて検出回路70と電気的に接続されている(図3(a)参照)。
【0034】
ここで、反射板32の両端に一対の第1接続端子部36A,36Bを電気的に接続するとともに反射板32の中央に第2接続端子部37を電気的に接続しているため、図3(a)に示すように、本実施形態における電気回路の等価回路は、高電位側の第1接続端子部36Aと第2接続端子部37との間に挿入されたインピーダンス素子Z1と、第2接続端子部37と低電位側の第1接続端子部36bとの間に挿入されたインピーダンス素子Z2(=Z1)との直列回路で表され、インバータ回路INVの出力電圧をインピーダンス素子Z1,Z2によって分圧した電圧が検出回路70に入力される。但し、インバータ回路INVの出力電圧は数100V〜2000V(実効値)程度に達するから、検出回路70への漏れ電流を低く抑えるためにはインピーダンス素子Z1,Z2のインピーダンス値を数MΩとすることが望ましい。
【0035】
検出回路70は、第2コネクタ52とグランドの間に挿入されている抵抗R1,R2の接続点とグランドとの電位差をダイオードD1で整流するとともに整流された電圧をコンデンサC1で平滑することで検出電圧Viを得ており、この検出電圧ViをコンパレータCPで基準電圧Vrefと比較している。
【0036】
而して、第1接続端子部36,36と第1コネクタ50,50の接続状態が正常(完全)であるとインバータ回路INVの出力電圧が第1接続端子部36,36と第1コネクタ50,50を介してインピーダンス素子Z1,Z2(反射板32)に印加されて基準電圧Vrefよりも高い検出電圧Viが得られるから検出回路70の出力がHレベルとなるが、第1接続端子部36,36と第1コネクタ50,50の接続状態が不完全であるとインバータ回路INVの出力電圧がインピーダンス素子Z1,Z2に印加されないために検出電圧Viが略ゼロとなるから検出回路70の出力がLレベルとなる。したがって、低電位側の第1接続端子部36Bと第1コネクタ50B若しくは第2接続端子部37と第2コネクタ52が不完全な接続状態であると検出回路70の出力がLレベルとなって保護回路71がインバータ回路INVの動作を停止するので、不完全な接続状態のままで冷陰極蛍光灯3が点灯され続けるのを防ぐことができる。
【0037】
このように本実施形態によれば、第1接続端子部36,36並びに第1コネクタ50,50の構造は従来例とほぼ共通になるため、実施形態1に比べてコストダウンが図れる。また、第2接続端子部37をランプホルダユニット30の長手方向中央に配置しているから、例えば、図4に示すように器具本体10の両面にランプホルダユニット30並びに表示ユニット20を備える場合においても、それぞれの面におけるランプホルダユニット30の構成を同一とすることができる。なお、実施形態1の構成でも両面タイプにおけるランプホルダユニット30の共通化は可能であるが、実施形態1では検出回路70が制御電源Vccを使用しているため、漏れ電流等を考慮して器具本体10における各面の電線54,54の配置方法に注意する必要がある。
【0038】
但し、インピーダンス素子Z1,Z2の分圧比は特に限定されるものではないが、図4に示すような両面タイプの誘導灯への適用を考慮すると略2分の1とすることが望ましく、そうすることで各面における検出回路70の定数設定やランプホルダユニット30の設計を両面で共通化できる。また検出回路70の回路構成も本実施形態に限定されるものではなく、第1コネクタ50と第2コネクタ52間の導通を確認できるものであればよい。
【0039】
(実施形態3)
実施形態2では一対の第1接続端子部36を反射板32の長手方向両端と電気的に接続するとともに第2接続端子部37を反射板32の長手方向中央と電気的に接続し、冷陰極蛍光灯3の電極と並列に反射板32からなるインピーダンス素子Z1,Z2の直列回路を接続しているが、本実施形態では、第1接続端子部36と反射板32を絶縁し、冷陰極蛍光灯3と反射板32の間の寄生容量によって反射板32とグランド間に生じる電位差を第2接続端子部37から取り出す点に特徴がある。
【0040】
図5に示すように第1接続端子部36は冷陰極蛍光灯3の電極とのみ接続されていて反射板32とは絶縁されている。一方、第2接続端子部37は反射板32の長手方向中央に電気的に接続されている。そして、第1コネクタ50がインバータ回路INVの出力端と接続され、第2コネクタ52が検出回路70の入力端と電気的に接続されている。ここで、第1接続端子部36の接触子に対して第2接続端子部37の接触子の長さが短くなっている。
【0041】
ここで、インバータ回路INVの出力電圧が数100V〜2000V(実効値)程度に達し、冷陰極蛍光灯3のインピーダンス値も数10kΩ〜100kΩになり、点灯周波数も数10kHzであることから、冷陰極蛍光灯3と反射板32の間の寄生容量によって静電誘導され、反射板32とグランドの間に電位差が生じる。特に反射板32を金属製としたときに顕著に電位差が生じる。
【0042】
而して、図5(b)に示すように第1接続端子部36,36と第1コネクタ50,50の接続状態が正常(完全)であれば、インバータ回路INVの出力電圧が第1接続端子部36,36と第1コネクタ50,50を介して冷陰極蛍光灯3に印加されることで反射板32とグランドの間に静電誘導による電位差が生じて基準電圧Vrefよりも高い検出電圧Viが得られて検出回路70の出力がHレベルとなるが、図5(a)に示すように第1接続端子部36,36と第1コネクタ50,50の接続状態が不完全であるとインバータ回路INVの出力電圧が冷陰極蛍光灯3に印加されないために反射板32とグランドの間に静電誘導による電位差が生じず、検出電圧Viが略ゼロとなるから検出回路70の出力がLレベルとなる(図6参照)。したがって、第1接続端子部36と第1コネクタ50が不完全な接続状態であると検出回路70の出力がLレベルとなって保護回路71がインバータ回路INVの動作を停止するので、不完全な接続状態のままで冷陰極蛍光灯3が点灯され続けるのを防ぐことができる。
【0043】
上述のように本実施形態によれば、実施形態2のようにインバータ回路INVの出力電圧を反射板32に印加する必要がないことから安全性の向上が図れるという利点がある。また第2接続端子部37をランプホルダユニット30の長手方向中央に配置しているから、実施形態2と同様に器具本体10の両面にランプホルダユニット30並びに表示ユニット20を備える場合においても、それぞれの面におけるランプホルダユニット30の構成を同一とすることができる。なお、ランプホルダユニット30を器具本体10から取り外す際、寸法の長い第1接続端子部36の接触子が第1コネクタ51の刃受と接触導通した状態で寸法の短い第2接続端子部37の接触子が第2コネクタ52から離れるため、不完全な接続状態をより確実且つ速やかに検出することができる。また検出回路70の回路構成も本実施形態に限定されるものではなく、反射板32とグランドの間の電位差を検出できるものであればよい。
【0044】
(実施形態4)
本実施形態の回路構成を図7に示す。但し、本実施形態は検出回路70の構成に特徴があり、その他の構成は従来例と共通である。よって、従来例と共通の構成要素には同一の符号を付して適宜図示並びに説明を省略する。
【0045】
ランプホルダユニット30においては、高電位側の接続端子部36A並びに低電位側の接続端子部36Bに対してインピーダンス素子Zが冷陰極蛍光灯3と並列に接続されて電気回路が構成されている。但し、このインピーダンス素子Zは反射板32であっても構わない。
【0046】
本実施形態における検出回路70は、インバータ回路INVを構成するトランスTの2次側と低電位側のコネクタ50Bとの間に電流検出用の抵抗Rxとともに直列接続された検出抵抗Rsと、検出抵抗Rsとコネクタ50Bの接続点にアノードが接続されたダイオードD1と、トランスTの2次側とコネクタ50Bの接続点とダイオードD1のカソードとの間に挿入されたコンデンサC1並びに抵抗R2からなる積分回路と、積分回路を介して入力する検出電圧Viと制御電圧Vccを分圧抵抗R3,R4で分圧して作成された基準電圧Vrefと比較するコンパレータCPとを具備している。なお、検出抵抗Rsの両端はスイッチSW1によって開閉自在に短絡可能となっている。
【0047】
一方、本実施形態における保護回路71では、冷陰極蛍光灯3の始動前に直流電源DCの電源電圧を通常時よりも低い電圧とすることで始動電圧よりも十分に低い電圧をインバータ回路INVから出力させ、接続端子部36A,36Bとコネクタ50A,50Bの接続状態が不完全でなければ、インバータ回路INV〜接続端子部36A〜インピーダンス素子Z〜接続端子部36B〜検出抵抗Rs〜抵抗Rx〜インバータ回路INVの経路で電流を流す。ここで、定常点灯時においてインピーダンス素子Zに流れる漏れ電流が小さくなるように点灯時における冷陰極蛍光灯3のインピーダンス値に比べてインピーダンス素子Zのインピーダンス値が非常に高く設定されているために前記経路で流れる電流が非常に小さいものとなるので、定常点灯時の消費電流を抑えるために抵抗値が低く設定されている電流検出用の抵抗Rxでは検出が困難である。そのために本実施形態の検出回路70では、抵抗Rxに比べて十分に抵抗値の高い検出抵抗Rsを抵抗Rxと直列に接続し、抵抗Rxと検出抵抗Rsの両端に生じる電圧降下をダイオードD1で整流するとともに積分回路で平滑して検出電圧Viとし、この検出電圧ViをコンパレータCPで基準電圧Vrefと比較している。
【0048】
而して、保護回路71が冷陰極蛍光灯3の始動前に直流電源DCの電源電圧を通常時よりも低い電圧とすることでインバータ回路INVの出力電圧を始動電圧よりも十分に低い電圧とし、この状態で検出回路70が検出電圧Viを基準電圧Vrefと比較する。接続端子部36A,36Bとコネクタ50A,50Bの接続状態が完全であれば、検出電圧Viが基準電圧Vrefよりも高くなるから検出回路70の出力電圧がHレベルとなるため、保護回路71が完全な接続状態であると判断して直流電源DCの電源電圧を通常時の電圧に上げることでインバータ回路INVの出力電圧を始動電圧まで上昇させて冷陰極蛍光灯3を始動し、さらにスイッチSW1を閉じて検出抵抗Rsの両端を短絡することで無駄な電力消費を抑える。反対に接続端子部36A,36Bとコネクタ50A,50Bの接続状態が不完全であれば、検出電圧Viが基準電圧Vref以下となるから検出回路70の出力電圧がLレベルとなるため、保護回路71が不完全な接続状態であると判断し、切換スイッチ部Sをオフすることで直流電源DCからの給電路を開放してインバータ回路INVを停止させる。
【0049】
上述のように本実施形態によれば、冷陰極蛍光灯3の始動前に接続端子部36A,36Bとコネクタ50A,50Bの接続状態を検出し、不完全な接続状態であれば保護回路71によってインバータ回路INVの動作を停止させて安全性を高めることができる。しかも、実施形態1のように接続端子部36に複数の接触子36a,36bを設けると同時にコネクタ50に複数の刃受51a,51bを設けたり、あるいは実施形態2,3のように第1接続端子部36A,36Bの他に第2接続端子部37をランプホルダユニット30に設けると同時に第1コネクタ50A,50Bの他に第2コネクタ52を器具本体10に設ける必要がないから従来例におけるランプホルダユニット30や器具本体10との互換性を保つことができる。但し、冷陰極蛍光灯3が点灯中に接続端子部36A,36Bとコネクタ50A,50Bの接続状態が不完全となった場合においては、抵抗Rxに流れる電流が定常点灯時よりも減少したことを保護回路71で検出し、切換スイッチ部Sをオフすることで直流電源DCからの給電路を開放してインバータ回路INVを停止させる。
【0050】
なお、上述の実施形態1〜4ではインバータ回路INVとして従来例と共通の自励発振型のプッシュプルインバータ回路を例示したがこれに限定する趣旨ではなく、例えば、ハーフブリッジ型やフルブリッジ型のインバータ回路であっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施形態1を示し、(a)は概略回路構成図、(b)はランプホルダユニットと器具本体の要部を示す断面図である。
【図2】同上の他の構成におけるランプホルダユニットと器具本体の要部を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態2を示し、(a)は概略回路構成図、(b)はランプホルダユニットと器具本体の要部を示す断面図である。
【図4】同上の他の構成におけるランプホルダユニットと器具本体の要部を示す断面図である。
【図5】(a),(b)は本発明の実施形態3におけるランプホルダユニットと器具本体の要部を示す断面図である。
【図6】同上の概略回路構成図である。
【図7】本発明の実施形態4の概略回路構成図である。
【図8】従来例の分解斜視図である。
【図9】同上におけるランプホルダユニットと器具本体の要部を示す分解斜視図である。
【図10】同上の要部を示す断面図である。
【図11】同上におけるランプホルダユニットと器具本体の要部を示す断面図である。
【図12】同上の一部破断した正面図である。
【図13】同上における点灯装置の回路図である。
【図14】同上におけるインバータ回路の回路図である。
【符号の説明】
【0052】
3 冷陰極蛍光灯(冷陰極放電灯)
4 点灯装置
10 器具本体
30 ランプホルダユニット
36 接続端子
36a 第1の接触子
36b 第2の接触子
50 コネクタ
51a 第1の刃受
51b 第2の刃受
70 検出回路
71 保護回路
S 切換スイッチ部
INV インバータ回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直管形の冷陰極放電灯を光源とする放電灯器具であって、冷陰極放電灯を両端で保持するランプホルダと、冷陰極放電灯を点灯する点灯装置と、点灯装置を支持するとともにランプホルダが着脱自在に取り付けられる器具本体と、冷陰極放電灯の両端に設けられている一対の電極と各々電気的に接続され且つランプホルダに支持された一対の第1接続端子部と、点灯装置の出力側と電気的に接続され、ランプホルダが器具本体に取り付けられたときに一対の第1接続端子部と電気的に接続される一対の第1コネクタと、ランプホルダに支持され、第1接続端子部と第1コネクタとの接続状態に応じて電気的特性が変化する電気回路とを備え、
点灯装置は、前記電気回路の電気的特性を検出する検出回路と、検出回路の検出結果に基づいて第1接続端子部と第1コネクタが不完全な接続状態にあると推定されるときに点灯装置の出力を停止する保護回路とを備えたことを特徴とする放電灯器具。
【請求項2】
第1接続端子部はそれぞれ第1及び第2の接触子を有するとともに第1の接触子が冷陰極放電灯の電極と電気的に接続されてなり、第2の接触子並びに第2の接触子間に挿入されたインピーダンス素子によって前記電気回路が構成され、第1コネクタはそれぞれ第1接続端子部の第1及び第2の接触子と各別に接続される第1及び第2の刃受を有することを特徴とする請求項1記載の放電灯器具。
【請求項3】
前記電気回路は、一対の第1接続端子部間に直列に挿入された複数のインピーダンス素子と、複数のインピーダンス素子の何れかの接続点と電気的に接続され且つランプホルダに支持された第2接続端子部とで構成され、ランプホルダが器具本体に取り付けられたときに第2接続端子部と電気的に接続される第2コネクタが器具本体に設けられたことを特徴とする請求項1記載の放電灯器具。
【請求項4】
前記インピーダンス素子は、ランプホルダに支持されて冷陰極放電灯から放射される光を反射する反射板からなることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の放電灯器具。
【請求項5】
前記電気回路は、一対の第1接続端子部間に挿入されたインピーダンス素子からなり、保護回路は、冷陰極放電灯の始動前に始動電圧よりも低い電圧を一対の第1コネクタ間に印加した状態で検出回路の検出結果に基づいて第1接続端子部と第1コネクタが不完全な接続状態にあるか否かを判断することを特徴とする請求項1記載の放電灯器具。
【請求項1】
直管形の冷陰極放電灯を光源とする放電灯器具であって、冷陰極放電灯を両端で保持するランプホルダと、冷陰極放電灯を点灯する点灯装置と、点灯装置を支持するとともにランプホルダが着脱自在に取り付けられる器具本体と、冷陰極放電灯の両端に設けられている一対の電極と各々電気的に接続され且つランプホルダに支持された一対の第1接続端子部と、点灯装置の出力側と電気的に接続され、ランプホルダが器具本体に取り付けられたときに一対の第1接続端子部と電気的に接続される一対の第1コネクタと、ランプホルダに支持され、第1接続端子部と第1コネクタとの接続状態に応じて電気的特性が変化する電気回路とを備え、
点灯装置は、前記電気回路の電気的特性を検出する検出回路と、検出回路の検出結果に基づいて第1接続端子部と第1コネクタが不完全な接続状態にあると推定されるときに点灯装置の出力を停止する保護回路とを備えたことを特徴とする放電灯器具。
【請求項2】
第1接続端子部はそれぞれ第1及び第2の接触子を有するとともに第1の接触子が冷陰極放電灯の電極と電気的に接続されてなり、第2の接触子並びに第2の接触子間に挿入されたインピーダンス素子によって前記電気回路が構成され、第1コネクタはそれぞれ第1接続端子部の第1及び第2の接触子と各別に接続される第1及び第2の刃受を有することを特徴とする請求項1記載の放電灯器具。
【請求項3】
前記電気回路は、一対の第1接続端子部間に直列に挿入された複数のインピーダンス素子と、複数のインピーダンス素子の何れかの接続点と電気的に接続され且つランプホルダに支持された第2接続端子部とで構成され、ランプホルダが器具本体に取り付けられたときに第2接続端子部と電気的に接続される第2コネクタが器具本体に設けられたことを特徴とする請求項1記載の放電灯器具。
【請求項4】
前記インピーダンス素子は、ランプホルダに支持されて冷陰極放電灯から放射される光を反射する反射板からなることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の放電灯器具。
【請求項5】
前記電気回路は、一対の第1接続端子部間に挿入されたインピーダンス素子からなり、保護回路は、冷陰極放電灯の始動前に始動電圧よりも低い電圧を一対の第1コネクタ間に印加した状態で検出回路の検出結果に基づいて第1接続端子部と第1コネクタが不完全な接続状態にあるか否かを判断することを特徴とする請求項1記載の放電灯器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−186635(P2008−186635A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−17092(P2007−17092)
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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