説明

放電灯点灯装置及び照明器具及び照明制御システム

【課題】調光機能を有する放電灯点灯装置において、待機電力を低減可能な放電灯点灯装置を提供する。
【解決手段】放電灯点灯装置1000は、直流変換回路2、リミッタ回路3、特性特性傾き回路4、消灯回路5、交流電源20を入力すると得られる第1の制御電源6を有する調光信号処理回路7と、制御信号により制御されて動作し、高周波電力を発生するインバータ回路102と、インバータ回路102が発振することにより得られる第2の制御電源104とを備える。直流変換回路2と消灯回路5とは第1の制御電源で動作し、リミッタ回路3と特性傾き補正回路4とは、第2の制御電源で動作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、調光機能を有する放電灯点灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、調光制御回路は先行事例(特許文献1:特開平1−72497号公報)の第2図に示すような回路で構成されている。この方式において、調光制御回路の制御電源は全て制御電源Vccから供給されている。調光信号制御回路は、調光から消灯、消灯から点灯の信号も処理しなければならないため、インバータの停止時、つまり、消灯時も動作しなくてはならない。よって、調光制御回路の電源は一般的に商用電源から得られていた。調光制御回路の制御電源を全て商用電源から得た場合、調光制御回路で消費する電流が多くなる程、消灯時の待機電力が大きくなるという課題があった。
【0003】
また、特許文献2の図2、図3に示されるように、調光曲線は、JIS−C8120(非特許文献1)に従わなければならず、特性カーブ及び上限値、下限値が任意に設定できるものでなくてはならず、調整機構を多数持たなくてはならないという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平1−72497号公報
【特許文献2】特開2003−317993号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】JIS−C8120
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、調光機構を有する放電灯点灯装置において、待機電力を低減する放電灯点灯装置の提供を目的とする。また、調光のための調光機構が簡易な放電灯点灯装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の放電灯点灯装置は、
交流電源の投入によって動作する放電灯点灯装置において、
制御信号を入力し、前記制御信号により制御されて発振し、高周波電力を発生するインバータ回路と、
PWM(Pulse Width Modulation)信号を送出する調光信号送出装置からPWM信号を入力してPWM信号のデューティ比に応じた直流信号を生成する直流変換回路と、前記直流信号に応じて前記インバータ回路の停止と起動とを行う消灯回路と、前記直流信号の大きさを制限するリミッタ回路と、前記交流電源が投入されることにより得られる第1の制御電源とを有する調光信号処理回路と、
前記直流変換回路によって生成された前記直流信号に応じた前記制御信号を発生し、前記制御信号を前記インバータ回路に出力する制御信号発生部と、
前記インバータ回路が発振することにより得られる第2の制御電源と
を備え、
前記直流変換回路と消灯回路は、
前記第1の制御電源で動作し、
前記リミッタ回路は、
前記第2の制御電源で動作することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明により、調光機能を有する放電灯点灯装置において、待機電力を低減可能な放電灯点灯装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1における調光システムの構成図。
【図2】実施の形態1における調光信号処理回路7の回路図。
【図3】実施の形態1における調光信号処理回路7を有する放電灯点灯装置の回路図。
【図4】実施の形態1におけるディーティと光束出力との関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は実施の形態1における調光システムの構成図である。調光システムは調光信号(PWM信号)を送出する調光信号送出装置10(例えば、調光コントローラ)と、調光信号送出装置10と信号線で接続された複数の照明器具A〜Nとを備えている。各照明器具は後述する放電灯点灯装置1000を備えている。各照明器具の放電灯点灯装置1000は調光信号送出装置10からのPWM信号を入力し、このPWM信号に従ってランプを調光制御する。
【0011】
(調光信号処理回路7の構成)
図2は、本実施の形態1の放電灯点灯装置1000の調光信号処理回路7の回路図である。図3は、調光信号処理回路7を含む放電灯点灯装置1000の全体の回路構成を示している。図3において、調光信号送出装置10、商用電源等の交流電源20及び放電灯LA1は、放電灯点灯装置1000の構成要素ではない。まず図2を参照して調光信号処理回路7の構成を説明する。調光信号処理回路7は、調光信号入力回路1、直流変換回路2、リミッタ回路3、特性傾き補正回路4(直流電圧補正回路)、消灯回路5、第1の制御電源6を備えている。
【0012】
(1)調光信号入力回路1は、調光信号送出装置10から調光信号であるPWM信号を入力する。
(2)直流変換回路2は、PWM信号のデューティ比に応じた直流信号を生成する。
(3)リミッタ回路3は、生成された直流信号の大きさを制限する。
(4)特性傾き補正回路4は、直流変換回路2によって生成された直流信号の大きさを補正する。
(5)消灯回路5は、直流変換回路2によって生成された直流信号の大きさに応じてインバータ回路の停止と起動とを行う。
(6)第1の制御電源6は、交流電源20が投入されることにより得られる。
【0013】
図3を参照して放電灯点灯装置1000の点灯機構の構成を説明する。図3の上部には、整流回路100、アクティブフィルタ回路101、制御信号を入力して制御信号により制御され発振して高周波電力を発生するインバータ回路102、インバータ回路102が発振することにより得られる第2の制御電源104、負荷回路103、直流変換回路2によって生成された直流信号に応じた制御信号を発生し、制御信号をインバータ回路102に出力するインバータ制御装置105(制御信号発生部)等が示されおり、これらは放電灯点灯装置の一般的な構成である。
【0014】
図3において、直流変換回路2と消灯回路5とは、第1の制御電源6で動作し、リミッタ回路3と特性傾き補正回路4とは、第2の制御電源104で動作する。
【0015】
(放電灯点灯装置1000の動作概要)
図3を参照して放電灯点灯装置1000の動作概要を説明する。
(1)調光信号入力回路1が、調光信号送出装置10から送出されたPWM信号を入力する。
(2)調光信号入力回路1の入力したPWM信号はフォトカプラPC1によって2次側出力のPWM信号として出力される。
(3)直流変換回路2は、スイッチング素子Q2〜Q4のスイッチングにより、PWM信号のデューティ比に応じた直流信号を生成する。
(4)この直流信号はリミッタ回路3から特性傾き補正回路4を経てインバータ制御装置105に入力される。
(5)インバータ制御装置105は入力された直流信号に応じた制御信号を発生し、この制御信号をインバータ回路102に出力する。
(6)インバータ回路102は、入力された制御信号により制御され発振して高周波電力を発生し、ランプLA1を点灯させる。
(7)また、消灯回路5は、直流変換回路2によって生成された直流信号を監視しており、この直流信号に応じてインバータ回路102の停止と起動とを行う。
【0016】
以下に、調光信号処理回路7の主要な要素についてさらに詳しく説明する。
【0017】
(調光信号入力回路1:フォトカプラPC1の1次側)
フォトカプラPC1の1次側に構成される抵抗R1、R2、コンデンサC1、ブリッジを構成するダイオードD1、D2は、PWM信号を入力する調光信号入力回路1を構成する。
【0018】
(直流変換回路2:フォトカプラPC1の2次側)
フォトカプラPC1の2次側に配置される抵抗R3は、フォトカプラPC1のスイッチングに伴いFET(Q2)をスイッチングさせるものである。FET(Q3)、(Q4)は、P−MOS、N−MOSで構成されており、FET(Q2)のスイッチングに伴いスイッチングするものである。抵抗R4は、FET(Q3)、(Q4)をスイッチングさせるものである。Vccは定電圧の制御電源を示す。抵抗R7、コンデンサC3は、FET(Q3)、(Q4)のデューティに伴いその平均値を直流電圧として出力するものである。
【0019】
(消灯回路5)
抵抗R14、コンデンサC7は、FET(Q3)、(Q4)のデューティに伴いその平均値を直流電圧として出力するもので、この電圧レベルがトランジスタQ5をONさせるのに必要なベース、エミッタ電圧より低下すると、トランジスタQ5がOFFし、制御電源Vcc1から抵抗R15を介してFET(Q6)をONさせることにより、制御電源Vcc2をグランドに短絡する。すなわち消灯回路5は、リミッタ回路3の制限を受けない直流信号(直流電圧)に基づいて、インバータ回路の停止と起動とを行うものである。
【0020】
(リミッタ回路3)
図4は放電灯点灯装置1000によるランプの調光特性を示すグラフである。横軸がデューティ比、縦軸が光束出力を示す。また、直流変換回路2によって生成される直流電圧の大きさは、デューティ比が大きくなるほど小さいものとする。例えば、デューティ比「0%」で10V、デューティ比「100%」で0Vのような場合である。言い換えれば、直流電圧が大きいほど光束出力も大きいという関係である。
【0021】
(1)a領域と第1の抵抗:
オペアンプOP1は、図4に示す「a領域」(点11〜点12を結ぶフラットな直線部分)を構成するもので、抵抗R7、コンデンサC3により出力される調光信号のデューティに対する平均値を、抵抗R8A、抵抗R8B、抵抗R9Aからなる直列接続による直列抵抗部で制御電源Vcc2を分圧して作られる基準値に従い一定にすることにより、上限限度値を決めることができる。図3に示すように高電位側から抵抗R8A(第1の抵抗)、抵抗R8B(第2の抵抗)、抵抗R9A(第3の抵抗)の順に、3つの抵抗が直列接続された直列抵抗部を構成している。ここでいう「上限限度値」とは、「aの領域」を意味する。すなわち、抵抗R8A、抵抗R8B、抵抗R9Aの3つの抵抗からなる直列抵抗部の合成抵抗に対する抵抗R8A(第1の抵抗)の比率を5%に設定することで、光束出力100%の区間であるデューティ0〜5%区間(「a領域」)を得ることができる。すなわち、直列抵抗部の合成抵抗に対する抵抗R8A(第1の抵抗)の比率を「X%」(図4ではX=5の場合)に設定することで、光束出力の上限幅を「X%」に設定することができる。「上限限度値」を示す「aの領域」は、PWM信号から変換される直流電圧の上限値を示している。なお、この例では直流電圧が大きいほど光出力が大きい回路構成であるが、逆に直流電圧が大きいほど光出力が小さい回路構成の場合は、「aの領域」は、PWM信号から変換される直流電圧の下限値を示すこととなる。いずれの回路構成でもよいのは当然である。ここで、オペアンプOP2の出力とオペアンプOP1の出力を接続しないのは上限限度値に達したときにオペアンプの出力が短絡され、オペアンプに過電流が流れるためである。
【0022】
(2)b領域:
オペアンプOP2は、図4に示す「b領域」(例えば後述のc1領域が設定される場合は点12、点13を結ぶ直線部分)を構成するもので、抵抗R7、コンデンサC3により出力される調光信号のデューティに対する平均値を、後段の抵抗に影響されないように低インピーダンスで出力するものである。「b領域」を示す直線yは対応するデューティxの範囲で、
y=(−100/90)x+950/9、
である。特性傾き補正回路4は、この「b領域」の傾きを補正する機能を有する。
【0023】
(3)c領域と第3の抵抗:
オペアンプOP3は、図4に示す「c領域」(一つはc3領域である点17〜点18を結ぶフラットな直線部分)を構成するもので、抵抗R7、コンデンサC3により出力される調光信号のデューティに対する平均値を、抵抗R8A、R8Bと抵抗R9Aで制御電源Vcc2を分圧して作られる基準値に従い一定にすることにより、下限限度値を決め、2素子のダイオードD3によりOR回路を構成しコンデンサC4に出力するものである。ここでいう「下限限度値」とは、c3領域を例にとれば「c3領域」自体を意味する。すなわち、「a領域」の場合と同様に抵抗R8A、抵抗R8B、抵抗R9Aの3つの抵抗からなる直列抵抗部の合成抵抗に対する抵抗R9A(第3の抵抗)の比率をY%(c3ではY=10)に設定することで、デューティが90%〜100%の10%幅の区間である下限の「c3領域」を得ることができる。また、「Y=27.5」と設定することでデューティが72.5%〜100%の27.5%幅区間であるc2領域(点15、16を結ぶフラットな直線)を得ることができ、「Y=41」と設定することでデューティが59%〜100%の41%幅区間であるc1(点13、14を結ぶフラットな直線)領域を得ることができる。なお「上限限度値」を示す「a領域」の場合と同様に、「c領域」はPWM信号から変換される直流電圧の下限値を示している。そしてこの例ではPWM信号から変換された直流電圧が大きいほど光束出力が大きい回路構成であるが、逆に直流電圧が大きいほど光出力が小さい回路構成の場合は、「c領域」は、直流電圧の上限値を示すこととなる。いずれの回路構成でもよいのは当然である。なお、基準値を超える部分にc領域がないのは消灯回路5がインバータ回路102の発振を停止するためである。
【0024】
(4)ダイオードD4は、オペアンプOP1の出力が抵抗R7、コンデンサC3により出力される調光信号のデューティに対する平均値に影響しないようにブロックするための目的に入れられている。
(5)ダイオードD5は、ダイオードD4のVfをキャンセルするために挿入される。ダイオードD5の効果により、Vcc1=Vcc2の条件の下で図4に示す領域a、b、cの調光信号デューティ比と、直列抵抗部の合成抵抗に対するそれぞれ抵抗R8A、R8B、R9Aの比率とを一致させることにより、容易に前述した上限及び下限限度値を設定することを可能としている。
【0025】
(可変抵抗)
(6)また、可変抵抗VR1(第4の抵抗)は、抵抗R8B、R9Aと並列に挿入されており、1個の可変抵抗により、上限、下限限度値を調整することを可能とする。また、抵抗R8A(第1の抵抗)を可変抵抗とすることで、上限及び下限限度値の設定調整がさらに容易になる。抵抗R8A抵抗とする場合は可変抵抗VR1(第4の抵抗)を挿入しもよいし、挿入しなくてもよい。
【0026】
(特性傾き補正回路4)
次に特性傾き補正回路4について説明する。抵抗R10、R11、R12は、図4に示す「b領域」として示す直線の傾きを決める役割を有する。コンデンサC5は、抵抗R10、R11、R12と共に値を平均値化するものである。抵抗R10、R11、R12の役割を以下に説明する。以下の説明で使用する電流I1、I2、I3は図2に示したように、抵抗R10、R11、R12を流れる電流である。図2に示すフィードバック目標Vrefの算出を説明する。
回路方程式を立てると以下の式となる。なお「*」は乗算を示すものとする。
R10*I1+R12*I3=VC4 (式1)
R11*I2+R12*I3=Vccinv (式2)
I1+I2=I3 (式3)
(式1)〜(式3)から回路方程式を解くと以下の式となる。
I3=(R10*Vccinv+R11*VC4)/(R10*R12+R11*R12+R10*R11)、
VR12(Vref)=(R10*Vccinv+R11*VC4)*R12/(R10*R12+R11*R12+R10*R11)
=(R10*R12)/(R10*R12+R11*R12+R10*R11)*Vccinv+(R11*R12)/(R10*R12+R11*R12+R10*R11)*VC4。
すなわちVref電圧は、コンデンサC4の両端電圧の1次関数とVccinv電圧の1次関数を加算した関数(直線)となる。つまり、これは前記直線の傾きを抵抗R10,R11,R12により補正できることを意味している。
【0027】
(第1の制御電源6)
第1の制御電源6(Vcc1)は、商用電源である交流電源20から平滑若しくは昇圧された電圧から、抵抗R100で電流制限を行いツェナーダイオードDz1で定電圧化したものである。
【0028】
(第2の制御電源104)
第2の制御電源104(Vcc2)はインバータ回路102が発振することにより生成される電源であり、コンデンサC103により電流制限を行い、ツェナーダイオードDz100で定電流化したものである。
【0029】
第1の制御電源6(Vcc1)には、直流変換回路2と消灯回路5が接続される。消灯回路5は、外部から入力される調光信号デューティが、例えば90%から100%の間に設定された基準値を超えると(すなわち、この基準値のデューティ比に対応する直流電圧を下回ると)、第2の制御電源104(Vcc2)をFET(Q6)によりグランドにショートさせ、インバータ制御装置105の制御電源をなくすことにより、インバータ回路102の発振を停止させる。一方、消灯回路5は調光信号デューティが100%から90%の間に設定された前記基準値を下回ると(すなわち、この基準値のデューティ比に対応する直流電圧を超えると)、FET(Q6)をOFFすることによりインバータ回路102を再起動させる。よって、インバータ回路102のON、OFFを決定する消灯回路5及び消灯回路5の動作を決定する直流変換回路2は、交流電源20が有効な限り動作させなければならない。このため、これらの回路は第1の制御電源6(Vcc1)に接続される必要がある。
【0030】
また、第2の制御電源104(Vcc2)には、リミッタ回路3及び特性傾き補正回路4が接続される。これらの回路は、インバータ回路102の動作時の特性を決める回路であり、インバータ動作時に有効になっていれば良く、消灯時(インバータ停止時)には動作させる必要がない。また、これらの回路に使用されているオペアンプは消費電流が数mAと高い。近年のインバータは、電源電圧フリー(100〜254Vに共用)のものが多く、この電流を低電圧時(例えば、AC100V時)に流せるような抵抗R100の値(例えば、100V時に10mAとすると、略10kΩ)を決めると、高電圧時(例えば、AC254V時)にR100のロス(100V時1W、254V時6.4W)が非常に大きくなり、消灯時の待機電力が非常に大きくなる課題がある。この課題は、次のように解決できる。すなわち、交流電源20から得られる第1の制御電源6(Vcc1)に消費電流の少ない直流変換回路と消灯回路とを接続し、インバータ回路102から得られる第2の制御電源104(Vcc2)に消費電流の大きいリミッタ回路3及び特性傾き補正回路4を接続する。これにより、消灯時(インバータ停止時)の待機電力を低減させることが可能となるので、前記課題を解決できる。
【符号の説明】
【0031】
PC1 フォトカプラ、1 調光信号入力回路、2 直流変換回路、3 リミッタ回路、4 特性傾き補正回路、5 消灯回路、6 第1の制御電源、7 調光信号処理回路、10 調光信号送出装置、100 整流回路、101 アクティブフィルタ回路、102 インバータ回路、103 負荷回路、104 第2の制御電源、105 インバータ制御装置、1000 放電灯点灯装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源の投入によって動作する放電灯点灯装置において、
制御信号を入力し、前記制御信号により制御されて発振し、高周波電力を発生するインバータ回路と、
PWM(Pulse Width Modulation)信号を送出する調光信号送出装置からPWM信号を入力してPWM信号のデューティ比に応じた直流信号を生成する直流変換回路と、前記直流信号に応じて前記インバータ回路の停止と起動とを行う消灯回路と、前記直流信号の大きさを制限するリミッタ回路と、前記交流電源が投入されることにより得られる第1の制御電源とを有する調光信号処理回路と、
前記直流変換回路によって生成された前記直流信号に応じた前記制御信号を発生し、前記制御信号を前記インバータ回路に出力する制御信号発生部と、
前記インバータ回路が発振することにより得られる第2の制御電源と
を備え、
前記直流変換回路と消灯回路は、
前記第1の制御電源で動作し、
前記リミッタ回路は、
前記第2の制御電源で動作することを特徴とする放電灯点灯装置。
【請求項2】
前記消灯回路は、
前記リミッタ回路の制限を受けない前記直流信号に基づいて、前記インバータ回路の停止と起動とを行うことを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
【請求項3】
前記リミッタ回路は、さらに、
高電位側から第1の抵抗、第2の抵抗、第3の抵抗の順に、3つの抵抗が直列接続された直列抵抗部を有し、
前記直流信号は、
前記直列抵抗部の合成抵抗に対する前記第1の抵抗の比率から上限値が決定され、前記直列抵抗部の合成抵抗に対する前記第3の抵抗の比率から下限値が決定されることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の放電灯点灯装置。
【請求項4】
前記直列抵抗部は、さらに、
前記第2の抵抗と前記第3の抵抗との直列接続に対して並列に接続された第4の抵抗である可変抵抗を有することを特徴とする請求項3記載の放電灯点灯装置。
【請求項5】
前記第1の抵抗は、
可変抵抗であることを特徴とする請求項3または4のいずれかに記載の放電灯点灯装置。
【請求項6】
前記調光信号処理回路は、さらに、
前記直流変換回路によって生成された前記直流信号の大きさを補正する直流電圧補正回路を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の放電灯点灯装置。
【請求項7】
前記直流電圧補正回路は、
デューティ比の変化に対する直流信号の大きさの変化を示す変化率を補正することを特徴とする請求項6記載の放電灯点灯装置。
【請求項8】
前記直流電圧補正回路は、
前記第2の制御電源で動作することを特徴とする請求項6または7のいずれかに記載の放電灯点灯装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の放電灯点灯装置を備えた照明器具。
【請求項10】
PWM信号を出力する調光コントローラと、
この調光コントローラに接続される複数の請求項9に記載の照明器具と
を備えることを特徴とする照明制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−18556(P2011−18556A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−162342(P2009−162342)
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】