説明

放電灯点灯装置

【課題】 トランスの異常な音の発生や性能の劣化がなく、安定な起動と発振の継続を実現する放電灯点灯装置を提供する。
【解決手段】 この放電灯点灯装置は、高速のスイッチング信号を出力する制御回路114と、制御回路の出力するスイッチング信号1,2にてスイッチング動作し、定圧電源Vccから矩形波電圧を作成するスイッチング素子S1,S2と、スイッチング素子のスイッチング動作によって発生した矩形波電圧を昇圧する昇圧トランスT1と、昇圧トランスの2次巻線に生起する高周波ランプ電流ILにて放電点灯する放電ランプ13と、制御回路が消灯モードから点灯モードへ移行する際、昇圧トランスの1次巻線または1次巻線に接続されたスイッチング素子へ供給する定圧電源からの電圧を遮断状態から徐々に定圧まで昇圧させる入力電圧ソフトスタート回路16とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電灯点灯装置に関し、例えば、パーソナルコンピュータやナビゲーションシステムに使用される液晶表示装置のバックライト光源に適する放電灯点灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から環境問題の観点より有害物質である水銀の代りに希ガスを使った外面電極型誘電体バリア放電型の冷陰極蛍光ランプが開発されている。このような希ガスを使った外面電極型誘電体バリア放電型の冷陰極蛍光ランプの一例が、図11及び図12に示してある。
【0003】
図11、図12に示すランプ構造において、1は内壁に蛍光体2が塗布されたガラス管であり、このガラス管1の内部には少なくともキセノンを含んだ放電媒体が封入されている。ガラス管1の少なくとも一端には、導入線3を介して内部電極4が封着されている。ガラス管1の外壁には、管軸方向に沿って外部電極5を構成する導電線が螺旋状に巻かれている。外部電極5は透光性熱収縮チューブ6で被覆されてガラス管1の表面に固定され、これによってその位置ずれを生じない工夫がされている。
【0004】
この外面電極型誘電体バリア放電型の冷陰極蛍光ランプでは、内部電極4に導入線3を介して電圧供給線8を接続し、また外部電極5に固定用金属棒7を介して電圧供給線8’を接続し、インバータ電源9を用いてこれらの内部電極4と外部電極5との間に高周波の正負のランプ電流ILを供給する。この高周波のランプ電流ILの供給によって冷陰極蛍光ランプは内部電極4と外部電極5との間で放電を開始し、放電媒体であるキセノンから紫外線を放出し、これが蛍光体2によって可視光に変換され、光源として利用できる。
【0005】
上記冷陰極蛍光ランプを効率良く点灯させるためには、2次巻線が直接ランプと接続された昇圧トランスの1次側へランプ電圧の傾斜が急峻な矩形波電圧を印加するのが最適である。図13、図14は従来の放電灯点灯装置の回路図、図15は消灯モードから点灯モードへ移行する際の各信号のタイミングチャートを示している。従来回路の場合、蛍光ランプ13の消灯、点灯にかかわらず、常に高圧発生用のトランスT1を駆動するスイッチング素子S1,S2、コンデンサC1,C2へ定圧の入力電圧Vccが供給される構成である。なお、Z1,Z2は抵抗、インダクタ、ダイオード若しくはそれらを組み合わせた素子である。
【0006】
図13は、制御回路10からの駆動信号1によりスイッチング素子S1がオフし、駆動信号2によりスイッチング素子S2がオンすることで、正のランプ電流ILを作成する状態を示している。図14は、制御回路10からの駆動信号1によりスイッチング素子S1がオンし、駆動信号2によりスイッチング素子S2がオフすることで、負のランプ電流ILを作成する状態を示している。すなわち、図15のタイミングチャートに示すように、駆動信号1、駆動信号2のオン期間でランプ駆動用トランスT1の1次巻線電圧が「L→H→L→H→L→H…」と発振を繰り返すことで、トランスT1の2次巻線に接続された冷陰極蛍光ランプ13に正負のランプ電流ILを供給する。そして制御回路10は調光信号17を判定し、必要数だけこれらの一連の動作を繰り返すことで、蛍光ランプ13に傾斜が急峻な正負のランプ電流ILを継続的に印加し、出力効率の高いランプ点灯を実現している。
【0007】
しかしながら、従来の放電灯点灯装置では、上述した消灯モード(0%調光モード)から点灯モード(0%以外の調光モード)へ移行する際、パワー回路素子S1,S2,C1,C2群へ供給する定圧電源電圧(=Vcc)が十分供給された状態でパワー回路素子群がトランスT1の1次巻線を高周波で駆動すると、トランスT1に残存したエネルギーがそれに重畳されるため、発振初期に過大な電流がトランスT1へ流れ、これが原因となってトランスT1から異音が発生したり、時には性能の劣化や寿命を短くする可能性もある問題点があった。
【0008】
さらに、従来の放電灯点灯装置の回路方式では、図16に示すようにトランスT1の1次巻線側に例えばトランスT1の発振検出を目的とする発振検出回路18を直接接続すると中点コンデンサC2からこの発振検出回路18へ極小ではあるが電流Ibが流れてしまい、これが原因となって、トランスT1の1次巻線の電圧(VC0)が低下した状態でトランスT1の起動が開始する場合が発生する。さらに暫く消灯させた後(約2分以上後)に点灯を開始した場合には、コンデンサC1,C2が自然放電することでGND電位まで降下することが考えられる。このようにトランスT1の1次巻線の電圧VC0が低下した状態でトランスT1が起動すると、トランス駆動用のスイッチング素子S1に他方のスイッチング素子S2よりも過大な電流が流れることで、コンデンサC1とコンデンサC2の充放電電流のバランスが崩れ、図15に示すように1次巻線にスパイク状の高い電圧SPKが発生する場合があり、これに起因してランプ電流ILにもスパイク電流SPKが現れる。
【0009】
図17はトランスT1の起動初期だけ1次巻線の発振が不安定な場合の実波形であり、図18は不安定状態が継続している場合の実波形である。図17に見られるようにスパイク状の電圧SPKの影響で中点電圧(VC0)が大きく変動し、最悪の場合には図18に示すようにトランスT1の発振が不安定な状態を継続する恐れもある。このため、蛍光ランプ13に正常な矩形波電圧が印加されない期間はランプ光が不安定になったり、さらにはスパイク状の電圧ノイズがトランス駆動用の半導体スイッチング素子S1,S2の耐圧以上になってサージ破壊を招く恐れもある問題点があった。
【0010】
このようなトランスの発振初期に過大な電流がトランスへ流れることで発生する異常な駆動音(=異音)の対策やトランスの性能の劣化や寿命の対策、さらにトランスの異常な発振の対策としては、トランスの1次巻線側にダンピング効果のある容量成分を持った素子群を具備させるのが一般的である。しかしながら、上述したキセノン蛍光ランプのような冷陰極蛍光ランプを高輝度で点灯させるためには、トランスの1次巻線の矩形波電圧の傾きを急峻にしてランプ電流のピークを高くする必要があり、上記のような容量成分を持った素子群を1次巻線側に具備すると前記電圧波形の傾きが鈍るので輝度の低下を招いてしまい、上述した技術的課題を解決できない問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記従来の技術的課題に鑑みてなされたもので、容量成分を持った素子群を具備することなく、トランスの異常な音の発生や性能の劣化がなく、さらにはトランスの安定な起動と発振の継続を実現することで機器の長寿命化、特にトランスの長寿命化と冷陰極蛍光ランプを高輝度で点灯することが可能な放電灯点灯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明の放電灯点灯装置は、高速のスイッチング信号を出力する制御回路と、前記制御回路の出力するスイッチング信号にてスイッチング動作し、定圧電源から矩形波電圧を作成するスイッチング素子と、前記スイッチング素子のスイッチング動作によって発生した前記矩形波電圧を昇圧する昇圧トランスと、前記昇圧トランスの2次巻線に生起する高周波ランプ電流にて放電点灯する放電ランプと、前記制御回路が消灯モードから点灯モードへ移行する際、前記昇圧トランスの1次巻線または1次巻線に接続された前記スイッチング素子へ供給する前記定圧電源からの電圧を遮断状態から徐々に定圧まで昇圧させる入力電圧ソフトスタート回路とを備えたものである。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の放電灯点灯装置において、前記入力電圧ソフトスタート回路は、前記定圧電源の入力電圧から20[ms]以上をかけて傾斜の緩やかな立ち上がり特性を持つソフトスタート電圧を作成して前記昇圧トランスの1次巻線または1次巻線に接続された前記スイッチング素子へ供給することを特徴とするものである。
【0014】
請求項3の発明は、請求項2の放電灯点灯装置において、前記制御回路は、前記入力電圧ソフトスタート回路の出力するソフトスタート電圧が0[V]から定圧の1/4の電圧に達するまでの間に前記高速のスイッチング信号の出力を開始することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の放電灯点灯装置によれば、消灯モードから点灯モードへ移行する際に、入力電圧ソフトスタート回路がトランスの1次巻線及び1次巻線に接続された高周波でトランスを駆動するパワー回路素子群へ供給する電圧を徐々に立ち上げることでこれに比例してトランスの1次巻線の高周波電圧も徐々に立ち上げ、トランスの1次巻線の電圧、電流が急激に増加しないようにすることができ、昇圧トランスを常に安定して発振開始させ、また発振継続させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。
【0017】
(第1の実施の形態)図1は本発明の第1の実施の形態の放電灯点灯装置の回路構成を示している。本実施の形態の放電灯点灯装置は、図11、図12に示した外面電極型誘電体バリア放電型である冷陰極蛍光ランプ13を点灯する放電灯点灯装置であり、図16に示した従来回路と同様、高周波昇圧トランスT1を備え、パワー回路素子群としてスイッチング素子S1,S2、コンデンサC1,C2、抵抗、インダクタ、ダイオード若しくはそれらを組合せた素子Z1,Z2を備え、またスイッチング素子S1,S2を交互にオン/オフさせる駆動信号1、駆動信号2を出力する制御回路14を備え、さらにトランスの発振検出回路18を備えている。そして本実施の形態の場合、定圧入力電圧Vccを入力し、パワー回路素子群側に出力SW−Vccとして0[V]から所定時間tのうちに徐々にVccまで電圧を上げるソフトスタート回路16を備えたことを特徴とする。なお、制御回路14はこのソフトスタート回路16に対して駆動信号1、駆動信号2の出力開始点τ1から所定時間だけ遅らせたタイミングτ2にて入力電圧スイッチング信号15を与える設定である。
【0018】
次に、上記構成の放電灯点灯装置による冷陰極蛍光ランプ13であるキセノン蛍光ランプの点灯動作について、図2のタイミングチャートを参照して説明する。
【0019】
<通常点灯状態>正常点灯状態では、制御回路14は交互にオン/オフする駆動信号1、駆動信号2によってスイッチング素子S1,S2を高速で交互にオン/オフさせ、トランスT1の1次巻線に高周波矩形波電圧を印加して「L→H→L→H→L→H…」と発振を繰り返すことで、このトランスT1の2次巻線に接続された冷陰極蛍光ランプ13に正負のランプ電流ILを供給する。そして制御回路14は調光信号17を判定し、各点灯サイクル毎に必要数だけこれらの一連の動作を繰り返すことで、蛍光ランプ13に傾斜が急峻な正負のランプ電流ILを継続的に印加し、効率良く点灯させる。
【0020】
<ソフトスタート動作>消灯モードから点灯モードへ移行する際、制御回路14はまずタイミングτ1にて駆動信号1、駆動信号2の出力を開始する。そして所定時間だけ遅れたタイミングτ2において入力電圧ソフトスタート信号15を入力電圧ソフトスタート回路16に与えて起動させる。入力電圧ソフトスタート回路16は、この入力電圧ソフトスタート信号15を受信したタイミングτ2に入力電圧ソフトスタート動作を開始し、トランスT1の1次巻線または1次巻線に接続された高周波で駆動する回路素子群へ供給するパワー系電圧として、定圧入力電圧Vccから作成した立ち上り時間tが20[ms]以上の緩やかな傾斜を持つパワー系電圧SW−Vccを供給する。これによってトランスT1の1次巻線の矩形波電圧VT1は逓増し、2次巻線に発生する高周波ランプ電流ILも歪みのないものとなる。タイミングτ3は定常状態到達のタイミングを示している。
【0021】
このように、本発明の第1の実施の形態の放電灯点灯装置では、容量成分を持ったパワー回路素子群を具備することなく、トランスT1の安定な起動と安定な発振の継続が達成でき、トランス駆動初期の異音の発生やトランス1次巻線の急激な電流増加を抑えることができ、またトランスT1の1次巻線の矩形波電圧の傾きが急峻なため、蛍光ランプ13を高輝度で点灯することができ、さらに、トランスT1の1次巻線にスパイク状の急峻な電圧が発生しなくなったため、トランス駆動用の半導体スイッチング素子S1,S2のサージ保護用に追加するツェナーダイオードなどの対策部品が削減できる。
【0022】
図3は第1の実施の形態の放電灯点灯装置におけるトランス起動時の実波形図であり、図4は安定点灯時の実波形図である。これから、トランスT1の1次電圧にスパイク状の急峻な電圧が現われることがなく、安定していることが確認できる。
【0023】
(第2の実施の形態)次に、本発明の第2の実施の形態を図5を用いて説明する。第2の実施の形態の放電灯点灯装置は、定圧入力電圧Vccに対してソフトスタート動作をさせる手段としてゲート電圧作成回路21,22を設け、制御回路23からのゲート電圧作成スタート信号24を受信すればスイッチング素子であるFET1,FET2のゲート電圧を逓増/逓減させることでトランスT1の1次側の矩形波電圧VT1を逓増させる制御をする構成を特徴とする。なお、図5において、図1に示した第1の実施の形態と共通する回路要素には共通の符号を付して示してある。
【0024】
次に、第2の実施の形態の放電灯点灯装置の動作を図6のタイミングチャートを参照して説明する。制御回路23は消灯状態から点灯動作に入る時、タイミングτ11にて駆動信号1、駆動信号2をスイッチング素子S3,S4に交互にオン/オフするように出力する。このスイッチング素子S3,S4は、オン/オフ動作によってゲート電圧作成回路21,22それぞれの作成したゲート電圧をFET1,FET2それぞれのゲートに間欠的に印加させる働きをする。そしてFET1,FET2それぞれはゲート電圧が印加されると導通してトランスT1の1次巻線に電圧VT1の矩形波電圧を印加する。この1次巻線に対する矩形波電圧によりトランスT1の2次巻線に逓増する矩形波ランプ電流ILが誘起され、これにて蛍光ランプ13を放電点灯させる。
【0025】
これにより第2の実施の形態の放電灯点灯装置では、容量成分を持った素子群を具備することなく、トランスT1の安定な起動と安定な発振の継続が達成され、結果的にトランス駆動初期の異音やトランス1次巻線の急激な電流増加が改善でき、またトランスT1の1次巻線の矩形波電圧の傾きが急峻なため蛍光ランプ13を高輝度で点灯することが可能であり、さらに、トランスの1次巻線にスパイク状の急峻な電圧が発生しなくなるため、トランス駆動用の半導体スイッチング素子のサージ保護用に追加するツェナーダイオードなどの対策部品が削減できる利点がある。
【0026】
図7は第2の実施の形態の放電灯点灯装置におけるトランス起動時の実波形図であり、図8は安定点灯時の実波形図である。これから、トランスT1の1次電圧にスパイク状の急峻な電圧が現われることがなく、安定していることが確認できる。
【0027】
なお、図9は低調光率でも安定した点灯を可能とする放電灯点灯装置の回路構成を示している。この放電灯点灯装置は、制御回路30がスイッチング素子S1,S2を交互に高速でオン/オフさせる駆動信号1、駆動信号2を出力すると共に、駆動信号3をスイッチング回路S5に出力するようにしている。このスイッチング回路S5は、トランスT1の1次巻線の両端を短絡することで2次側の電圧のリンギングを抑制し、蛍光ランプ13の点灯時のちらつきを低減させるためのものである。
【0028】
調光率の極めて低い領域では、制御回路30が駆動信号3によりスイッチング素子S6をオン、S7をオフに切替えることで第3のスイッチング素子S8をオンさせ、昇圧トランスT1の1次側に並列接続された抵抗R1に電流を流し、昇圧トランスの1次側の共振周波数が第3のスイッチング素子S8のオフ時に比べて極めて低くすることで、トランスT1の電圧ひいては蛍光ランプ13へ供給される2次側電圧のリンギング(ランプ電圧の振動)を抑制し、ちらつきのない安定したランプ点灯を可能にする。逆に調光率が上がれば制御回路30は駆動信号3によりスイッチング素子S6がオフ、スイッチング素子S7がオンさせ、これによってスイッチング素子S8をオフ状態にし、抵抗R1をトランスT1の1次巻線から切り離し、通常の動作に移行させる。
【0029】
しかしながら、ランプ光のちらつく可能性がある低調光時に第3のスイッチング素子S8を常時オンさせることでランプ電圧のリンギングが抑制され、ちらつきのない安定したランプ点灯を可能にするが、その代償として、第3のスイッチング素子S8のオフ時のランプ電流ILと比較してスイッチング素子S8がオン時のランプ電流ILが低下するという現象が発生する。そのため、使用するランプの性能によっては、低調光時に第3のスイッチング素子S8を常時オンすることでランプ電流ILが低下してしまうとランプ13の初期点灯に必要な始動電流が十分に確保できず、ランプ電圧のリンギング以外の原因でランプ13がちらつくことがある。そこで、図9に示す回路では、遅延回路31を設けており、第3のスイッチング素子S8が急峻にオフからオンになったり急峻にオンからオフになったりすることを避けるようにしている。これによってトランスT1の2次巻線の電圧のリンギング(ランプ電圧の振動)を誘発する要因を回避できる。
【0030】
図10の放電灯点灯装置の動作のタイミングチャートである。図10中には、第3のスイッチング素子S8をオンさせる信号、すなわち駆動信号3がオンするタイミングは、駆動信号1、駆動信号2が少なくても1サイクル出力した以降の遅延時間DT1後にオンするようにしている。また、駆動信号3がオフしている期間はランプ電流ILの低下が発生しないため、図10中のランプ電流ILの1サイクル目が、遅延回路31を設けない場合(破線の波形)より絶対値を大きくできることを表している。
【0031】
このような回路構成の放電灯点灯装置についても、第1の実施の形態のようなソフトスタート回路16を設け、あるいは第2の実施の形態のようなゲート電圧作成回路21,22を設けることによって定圧入力電圧Vccに対してパワー電圧SW−VccをトランスT1の1次側に供給する構成にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1の実施の形態の放電灯点灯装置の回路図。
【図2】上記実施の形態によるランプ点灯動作のタイミングチャート。
【図3】上記実施の形態による起動時の駆動信号とトランス1次巻線電圧との実測波形図。
【図4】上記実施の形態による安定点灯時のコンデンサ中点電圧とトランス1次巻線電圧との実測波形図。
【図5】本発明の第2の実施の形態の放電灯点灯装置の回路図。
【図6】上記実施の形態によるランプ点灯動作のタイミングチャート。
【図7】上記実施の形態による起動時の駆動信号とトランス1次巻線電圧との実測波形図。
【図8】上記実施の形態による安定点灯時のコンデンサ中点電圧とトランス1次巻線電圧との実測波形図。
【図9】本発明の第3の実施の形態の放電灯点灯装置の回路図。
【図10】上記実施の形態のランプ点灯動作のタイミングチャート。
【図11】従来の外面電極型誘電体バリア放電型の冷陰極蛍光ランプの正面図。
【図12】上記従来の冷陰極蛍光ランプの断面図。
【図13】従来の放電灯点灯装置の点灯動作の説明図その1。
【図14】上記従来の放電灯点灯装置の点灯動作の説明図その2。
【図15】上記従来の放電灯点灯装置のランプ点灯動作のタイミングチャート。
【図16】他の従来例の放電灯点灯装置の回路図。
【図17】従来の放電灯点灯装置による起動時の駆動信号とトランス1次巻線電圧との実測波形図。
【図18】上記従来の放電灯点灯装置による定常点灯時のコンデンサ中点電圧とトランス1次巻線電圧との実測波形図。
【符号の説明】
【0033】
13 蛍光ランプ
14 制御回路
15 入力電圧ソフトスタート信号
16 ソフトスタート回路
17 調光信号
18 トランスの発振検出回路
21 ゲート電圧作成回路
22 ゲート電圧作成回路
23 制御回路
24 ゲート電圧作成スタート信号
30 制御回路
T1 トランス
S1,S2 スイッチング素子
Z1,Z2 抵抗、インダクタ、ダイオード若しくはそれらを組み合わせた素子
C1,C2 中点バイアス用コンデンサ
Vcc 入力電圧
SW−Vcc パワー系の電圧
VT1 1次巻線電圧
IL ランプ電流
Ib 漏れ電流

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高速のスイッチング信号を出力する制御回路と、
前記制御回路の出力するスイッチング信号にてスイッチング動作し、定圧電源から矩形波電圧を作成するスイッチング素子と、
前記スイッチング素子のスイッチング動作によって発生した前記矩形波電圧を昇圧する昇圧トランスと、
前記昇圧トランスの2次巻線に生起する高周波ランプ電流にて放電点灯する放電ランプと、
前記制御回路が消灯モードから点灯モードへ移行する際、前記昇圧トランスの1次巻線または1次巻線に接続された前記スイッチング素子へ供給する前記定圧電源からの電圧を遮断状態から徐々に定圧まで昇圧させる入力電圧ソフトスタート回路とを備えた放電灯点灯装置。
【請求項2】
前記入力電圧ソフトスタート回路は、前記定圧電源の入力電圧から20[ms]以上をかけて傾斜の緩やかな立ち上がり特性を持つソフトスタート電圧を作成して前記昇圧トランスの1次巻線または1次巻線に接続された前記スイッチング素子へ供給することを特徴とする請求項1に記載の放電灯点灯装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記入力電圧ソフトスタート回路の出力するソフトスタート電圧が0[V]から定圧の1/4の電圧に達するまでの間に前記高速のスイッチング信号の出力を開始することを特徴とする請求項2に記載の放電灯点灯装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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