説明

放電装置

【課題】簡単な構成で、帯電微粒子水又はイオンの発生量を減らすことなく、放出口の直ぐ近くにおけるオゾン臭を気にならないようにできる。
【解決手段】放電装置1は、静電霧化により帯電微粒子水を発生させる静電霧化装置1a又はイオンを発生させるイオン発生装置である。放電装置1に、帯電微粒子水又は静電イオンを発生させる放電電極2と、発生させた帯電微粒子水又はイオンを放出対象空間3に開口する放出口4に移送するための放出路5と、該放出路5の上流側端部を除いて少なくとも下流側が2分岐以上に分岐して各分岐路6の下流側端部に放出口4を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電霧化により帯電微粒子水を発生させる静電霧化装置又はイオンを発生させる放電電極を有するイオン発生装置よりなる放電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、放電極に高電圧を印加する放電装置として、静電霧化により帯電微粒子水を発生させる静電霧化装置又はイオンを発生させる放電電極を有するイオン発生装置が知られている。
【0003】
上記のような放電装置、例えば静電霧化装置を自動車の車室の天井に設置し、静電霧化装置で発生させたナノメータサイズの帯電微粒子水を放出口から車室内に放出することで、帯電微粒子水に含まれているスーパオキサイドラジカルやヒドロキシラジカルといったラジカルにより車室内の脱臭、除菌、アレルゲン物質の不活性化を行い、車室内空間を快適な空間にするようにしたものが、特許文献1により知られている。
【0004】
静電霧化装置の放電電極に供給した水に高電圧を印加することで静電霧化して、ナノメータサイズの帯電微粒子水を生成する際、帯電微粒子水の発生と同時にオゾンが発生し、この発生した帯電微粒子とオゾンが放出口から車室内に放出されることになる。
【0005】
ところが、特許文献1のように自動車の車室の天井に静電霧化装置を設置した場合、静電霧化装置の放出口のすぐ近くに乗車している人の頭部が位置し、放出口から放出された直後のオゾンの臭いが乗車している人にとって気になるおそれがあった。
【0006】
ナノメータサイズの帯電微粒子水による脱臭、除菌、アレルゲン物質の不活性化をより効果的にするために、静電霧化装置による帯電微粒子水の発生量を増やすと、同時にオゾンの発生量も増え、放出口から放出するオゾン量はより多くなって、放出口の直近におけるオゾン濃度が高く、放出口のすぐ近くおけるオゾンの臭いがよりいっそう気になるという問題がある。
【0007】
また、イオン発生装置によりイオンを発生させて室内に放出するものも知られているが、この従来例においても、イオンを発生させると同時にオゾンが発生し、放出口からイオンとオゾンが放出され、放出口の放出口のすぐ近くにおいては、オゾンの臭いが気になるという上記と同様の問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−155915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記の従来例の問題点に鑑みて発明したものであって、簡単な構成で、帯電微粒子水又はイオンの発生量を減らすことなく、放出口の直ぐ近くにおいてオゾン臭が気にならないようにできる放電装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような構成になっている。
【0011】
本発明の放電装置1は、静電霧化により帯電微粒子水を発生させる静電霧化装置1a又はイオンを発生させるイオン発生装置である。本発明の特徴は、放電装置1に、帯電微粒子水又は静電イオンを発生させる放電電極2と、発生させた帯電微粒子水又はイオンを放出対象空間3に開口する放出口4に移送するための放出路5と、該放出路5の上流側端部を除いて少なくとも下流側が2分岐以上に分岐して各分岐路6の下流側端部に放出口4を設けることである。
【0012】
このように放出路5の上流側端部を除いて少なくとも下流側が2分岐以上に分岐して各分岐路6の下流側端部に放出口4を設けてあるので、帯電微粒子水又はイオンを発生させる際に同時にオゾンが発生し、放出口4から帯電微粒子水又はイオンと共にオゾンが放出対象空間3に放出されるが、この際、発生したオゾンは、複数の放出口4から放出対象空間3に分かれて放出されることになり、一つの放出口4から放出された直近のオゾン量が少なくなり、臭いが気にならないようにできる。
【0013】
また、複数の放出口4の面積の合計面積が、放出路5の上流側端部の面積よりも大きいことが好ましい。
【0014】
このような構成とすることで、各分岐路6を流れる風速を遅くし、放出口4から放出されるまでの時間がかかるようにしてオゾンを空気と反応させてオゾン濃度を低下させることができる。
【0015】
また、各放出口4の面積が放出路5の上流側端部の面積よりも大きいことが好ましい。
【0016】
このような構成とすることで、各分岐路6を流れる風速をよりいっそう遅くし、オゾンを放出口4部分で空気と反応させてオゾン濃度を低下させることができる。
【0017】
また、送風手段7を設けて空気流に乗せて帯電微粒子水又はイオンを放出口4から放出対象空間3に放出することが好ましい。
【0018】
このような構成とすることで、外部の空気を取り込んで帯電微粒子水又はイオンと混ぜることで、放出口4から放出されるオゾン濃度をより低下させることができる。
【0019】
また、放出路5の分岐部分8に複数の分岐路6における風量の比率を可変するための風量比率可変手段9を設けることが好ましい。
【0020】
このような構成とすることで、放出方向を変えたり、あるいは、オゾンの臭いが気になる方向のオゾン放出量を低減したりできる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、上記のように放出路の上流側端部を除いて少なくとも下流側が2分岐以上に分岐して各分岐路の下流側端部に放出口を設けるので、簡単な静電霧化装置又はイオン発生装置で発生させた帯電微粒子水又はイオンの放出対象空間への放出量を確保しながら、各放出口から放出されるオゾン量を低下でき、オゾン臭いが気にならないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態の斜視図である。
【図2】同上に用いる静電霧化装置本体の概略構成図である。
【図3】本発明の他の実施形態の斜視図である。
【図4】本発明の更に他の実施形態の斜視図である。
【図5】同上の風量比率可変手段を設けた例を示す断面図である。
【図6】本発明の静電霧化装置又はイオン発生装置を車両の車室内に設置した例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0024】
本発明の放電装置1は、放電電極2に供給された水に高電圧を印加することでナノメータサイズの帯電微粒子水を発生させる静電霧化装置1a、又は、放電電極2に高電圧を印加することでプラス又はマイナスに帯電したイオンを発生させるイオン発生装置である。
【0025】
図1には放電装置1の一実施形態が示してあり、外郭ケース10内に装置ハウジング部11が設けてあり、装置ハウジング部11内に静電霧化装置1aの主体を構成する静電霧化装置本体12又はイオン発生装置の主体を構成するイオン発生装置本体が内装してある。
【0026】
以下、放電装置1として静電霧化装置1aを例として説明する。
【0027】
図2には装置ハウジング部11内に内装する静電霧化装置本体12の概略構成図が示してある。
【0028】
静電霧化装置本体12は、放電電極2と、放電電極2が配置された静電霧化室13と、放電電極2の先端に供給する水供給手段15と、放電電極2に供給された水に高電圧を印加して静電霧化により帯電微粒子水を生成するための高電圧印加手段14とを備えたもので、添付図面に示す実施形態では水供給手段15がペルチェユニット16のような冷却手段により空気中の水分を冷却して結露水を生成することで放電電極2に水を供給するようになっている。したがって、本実施形態では冷却手段が放電電極2に水を供給する水供給手段15を構成している。
【0029】
また、添付図面に示す実施形態では、絶縁性を有する略筒状をした本体ケース17の内部を仕切り18で仕切り、本体ケース17内の仕切りで仕切った片側半分に水供給手段15であるペルチェユニット16を内装し、本体ケース17内の他の片側半分が静電霧化室13となっている。
【0030】
ペルチェユニット16は、熱伝導性の高いアルミナや窒化アルミニウムからなる絶縁板の片面側に回路を形成してある一対のペルチェ回路板を、互いの回路が向き合うように対向させ、多数列設してあるBiTe系の熱電素子を両ペルチェ回路板間で挟持すると共に隣接する熱電素子同士を両側の回路で電気的に接続させ、ペルチェ入力リード線を介してなされる熱電素子への通電により一方のペルチェ回路板側から他方のペルチェ回路板側に向けて熱が移動するように構成したものである。上記一方の側のペルチェ回路板の外側には冷却部19を接続してあり、また、上記他方の側のペルチェ回路板の外側には放熱部20が接続してあり、実施形態では放熱部20として放熱フィンの例が示してある。
【0031】
ペルチェユニット16の冷却部19側に放電電極2の後端部が接続してあって、該放電電極2が本体ケース17内の仕切り18に設けた孔を嵌通して静電霧化室13内に突出している。
【0032】
図2に示す実施形態では、筒状をした本体ケース17の先端開口部に環状をした対向電極21が設けてある。なお、対向電極21を設けない場合であってもよい。
【0033】
装置ハウジング部11から放出路5が突出しており、図示を省略しているが放出路5の上流側端部が上記静電霧化室13の出口に連通してある。
【0034】
放出路5は静電霧化室13の出口と連通する上流側端部を除き、少なくとも下流側が2分岐以上に分岐した分岐路6となっている。実施形態では、放出路5の略中間部分に分岐部分8を設け、該分岐部分8より下流側が2分岐以上の分岐路6に分岐してある。
【0035】
各分岐路6の下流側端部がそれぞれ放出口4となっていて、静電霧化室13で発生させた帯電微粒子水が放出路5を経て各分岐路6の放出口4から放出対象空間3に放出されるようになっている。
【0036】
各分岐路6の放出口4の開口方向、つまり、帯電微粒子水の放出方向が異なる方向となっている。
【0037】
外郭ケース10には一端部が外部に開口し且つ他端部が装置ハウジング部11の一側壁に至る空気流入部25、一端部が外部に開口し且つ他端部が装置ハウジング部11の他側壁に至る空気流出部26が設けてあり、装置ハウジング部11の一側壁に上記空気流入部25と連通する入口が設けてあり、装置ハウジング部11の一側壁に上記空気流出部26と連通する出口が設けてある。
【0038】
装置ハウジング部11内はペルチェユニット16の冷却部19が位置する空間と、放熱部20が位置する空間とを仕切りにより仕切ってあり、上記入口、出口がいずれも放熱部20が位置する空間に開口している。
【0039】
装置ハウジング部11内には送風手段7が内装してあり、送風手段7を運転することで、外部空気が空気流入部25、入口を経て放熱部20が位置する空間内に流入し、放熱部20を冷却して出口から空気流出部26を経て外部に流出するようにしている。
【0040】
上記のような構成の静電霧化装置1aは例えば、図6のように自動車のような車両27の天井部、インストルメントパネル、ドア内面部等に配設する。
【0041】
静電霧化装置1aを運転すると、ペルチェユニット16に通電されて冷却部19が冷却され、冷却部19が冷却されることで放電電極2が冷却され、空気中の水分を結露して放電電極2の先端に水(結露水)を供給する。このように放電電極2に水が供給された状態で上記放電電極2の先端に供給された水に高電圧を印加することで、該高電圧により放電電極2の先端部に供給された水の液面が局所的に錐状に盛り上がり(テーラーコーン)が形成される。テーラーコーンが形成されると、該テーラーコーンの先端に電荷が集中してこの部分における電界強度が大きくなって、更にテーラーコーンを成長させる。このようにテーラーコーンが成長し該テーラーコーンの先端に電荷が集中して電荷の密度が高密度となると、テーラーコーンの先端部分の水が大きなエネルギー(高密度となった電荷の反発力)を受け、表面張力を超えて分裂・飛散(レイリー分裂)を繰り返してマイナスに帯電したナノメータサイズの帯電微粒子水が大量に生成される。
【0042】
このようにして静電霧化により発生したナノメータサイズの帯電微粒子水は、放出路5を経て各分岐路6の下流側端部の放出口4からそれぞれ放出対象空間3である車室内に放出される。
【0043】
放出対象空間3である車室内に放出されたナノメータサイズの帯電微粒子水は室内を浮遊して室内の内壁、シート、ダッシュボード、カーテン、車室内の人の衣服や毛髪等に付着する。
【0044】
水を霧化させて発生させたナノメータサイズの帯電微粒子水(ナノミスト)はスーパーオキサイドラジカルやヒドロキシラジカルといったラジカルが含まれていているので、車室内の内壁、シート、ダッシュボード、カーテン、車室内内の人の衣服や毛髪等に付着した臭い成分の脱臭を行うことができると共に、人や衣服に付着して室内に持ち込まれた花粉等のアレルゲン物質も抑制することができ、殺菌、除菌もできる。また、ナノメータサイズと小さいので、車室内の隅々まで浮遊し、また繊維等の内部に侵入して内部まで脱臭、殺菌、除菌、アレルゲン物質の抑制等を図ることができる。
【0045】
ここで、静電霧化装置1aにおいて、放電電極2に供給された水に高電圧を印加して静電霧化することで上記のようにナノメータサイズの帯電微粒子水を生成する際、オゾンが発生し、帯電微粒子水と共にオゾンが放出対象空間3である車室内に放出される。
【0046】
このオゾンは発生した直近では臭いが気になるが、発生したオゾンは、複数の放出口4からそれぞれ放出対象空間3に分かれて放出され、一つの放出口4から放出された直後のオゾン量が少なくてオゾン濃度が低く、放出口4の直ぐ近くにおいても臭いが気にならないようにできる。一例を示すと、同一能力の静電霧化装置本体12を用いて放出路5を分岐せず放出口4が一つの場合、放出口4から放出された直後のオゾン濃度が0.3668ppmで、放出口4の近くではオゾン臭いが気になったが、同一能力の静電霧化装置本体12を用いて放出路5を2分岐させた場合、一方の放出口4から放出された直後のオゾン濃度が0.1668ppmで、他方の放出口4から放出された直後のオゾン濃度が0.2022ppmであり、いずれの放出口4の近くでもオゾン臭いは気にならなかった。
【0047】
したがって、静電霧化装置1aを車両27の天井部、インストルメントパネル、ドア内面部等に配設し、車両27に乗車した人Mの頭部が静電霧化装置1aの近くに位置し、しかも複数の放出口4のうち一つの放出口4の放出方向が人Mの頭部を向いていたとしても、上記のように一つの放出口4から放出されるオゾン量が少ないため、オゾン臭を人が気にならないようにできる。
【0048】
上記のようにして複数の放出口4から車室内に放出されたオゾンは、車室内を浮遊しながら空気と反応して分解される。
【0049】
図1に示す実施形態において、複数の放出口4の面積の合計面積が、放出路5の上流側端部の面積よりも大きく設定してある。このように、複数の放出口4の面積の合計面積が、放出路5の上流側端部の面積よりも大きくすることで、放出路5の上流部分を流れる風速よりも、各分岐路6を流れる風速を遅くすることができ、これにより、各放出口4から放出されるまでの時間がかかるようにしてオゾンがより長く空気に接触し、空気と反応することでオゾン濃度を低下させるようになっている。したがって、各放出口4から放出対象空間3である車室内に放出するオゾン濃度が低下し、放出口4から放出するオゾン量もよりいっそう少なくなり、放出口4の直ぐ近くにおいてオゾン臭を感じないようにできる。
【0050】
この場合、図3に示すように、各放出口4の面積を放出路5の上流側端部の面積よりも大きくすると、各分岐路6を流れる風速をよりいっそう遅くし、オゾンを放出口4部分で空気と反応させてよりいっそうオゾン濃度を低下させることができる。
【0051】
図4には本発明の他の実施形態が示してある。
【0052】
本実施形態では、外郭ケース10に設けた空気流出部26の一端部の外部に開口する開口部30を複数設け、該空気流出部26の一端部の外部に開口する複数の開口部30をそれぞれ複数の放出口4に隣接して設けてある。
【0053】
これにより、送風手段7を運転することで、外部空気が空気流入部25、入口を経て放熱部20が位置する空間内に流入し、放熱部20を冷却して空気流出部26に流れ、空気流出部26の一端部の複数の開口部30からそれぞれ放出対象空間3である車室内に流出する。
【0054】
この各開口部30から流出する空気流に乗って各放出口4からそれぞれ帯電微粒子水が放出対象空間3である車室内に放出されるので、放出口4から放出されるオゾンは、放出口4から放出されると同時に開口部30から流出する空気と混ざって濃度が低下し、よりいっそうオゾン臭が気にならないようにできる。
【0055】
なお、上記例では送風手段7を運転して空気流によりペルチェユニット16の放熱部20を冷却するようにしたものにおいて、該送風手段7で発生させる空気流を放出口4に隣接した開口部30から外部に排出するようにした例を示したが、上記とは別の送風手段7を設けて、放出口4に隣接して空気流が生じるようにし、該空気流に放出口4から放出されるとオゾンが混じって濃度を低下させるようにしてもよい。添付図面中矢印イは帯電微粒子水の放出を示し、矢印ロは送風手段7による空気流を示している。
【0056】
図5には本発明の他の実施形態が示してある。本実施形態は、放出路5の分岐部分8に複数の分岐路6における風量の比率を可変するための風量比率可変手段9を設けてある。
【0057】
図5においては風量比率可変手段9が移動(図では回動)自在な弁により構成してあり、弁を移動することで複数の分岐路6における風量の比率0〜100%の範囲で切換えることができるようにしている。これにより、複数の放出口4のうち一方を閉じて他方から放出するようにしたり、あるいは、他方を閉じて一方から放出するようにしたりすることで、放出方向を変えることが可能となる。また、複数の放出口4のすべてから放出するが、一方よりも他方の風量を多くしたり、少なくすることで、複数の放出口4から放出されるオゾン量を変え、オゾンの臭いが気になる方向のオゾン放出量を少なくすることができる。風量比率可変手段9の移動は手動又は電動で行う。
【0058】
上記実施形態では、放電装置1として静電霧化装置1aの例で説明したが、放電装置1がイオン発生装置であってもよい。
【0059】
この場合は、イオン発生装置の放電電極2に高電圧を印加することで、プラス又はマイナスのイオンが発生し、該イオンを放出路5の下流側の複数の分岐路6の各放出口4から放出対象空間3に放出するのである。このイオン発生時に同時にオゾンが発生するが、発生したオゾンは複数の分岐路6の各放出口4から分かれて放出されるため、放出口4から放出されるオゾン量が少なく、したがって、放出口4の直近であってもオゾン臭が気にならない。
【0060】
また、上記各例は放電装置1である静電霧化装置1a又はイオン発生装置を車両27の車室に設置した例を示したが、車両27に設置するものにのみ限定されず、建物の室内あるいはその他の任意の放出対象空間3に設置してもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 放電装置
1a 静電霧化装置
2 放電電極
3 放出対象空間
4 放出口
5 放出路
6 分岐路
7 送風手段
8 分岐部分
9 風量比率可変手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電霧化により帯電微粒子水を発生させる静電霧化装置又はイオンを発生させるイオン発生装置において、帯電微粒子水又は静電イオンを発生させる放電電極と、発生させた帯電微粒子水又はイオンを放出対象空間に開口する放出口に移送するための放出路と、該放出路の上流側端部を除いて少なくとも下流側が2分岐以上に分岐して各分岐路の下流側端部に放出口を設けて成ることを特徴とする放電装置。
【請求項2】
複数の放出口の面積の合計面積が、放出路の上流側端部の面積よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の放電装置。
【請求項3】
各放出口の面積が放出路の上流側端部の面積よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の放電装置。
【請求項4】
送風手段を設けて空気流に乗せて帯電微粒子水又はイオンを放出口から放出対象空間に放出することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の放電装置。
【請求項5】
放出路の分岐部分に複数の分岐路における風量の比率を可変するための風量比率可変手段を設けて成ることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の放電装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−5442(P2011−5442A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−152709(P2009−152709)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】