説明

教材作成装置

【課題】教材作成装置において,教習者の負担を軽減すべく、教習ポイントを容易に抽出する。
【解決手段】教材作成装置100は、教習用資料の画像データ及び音声データを含むコンテンツ内容データにおける教習ポイントを指示する教習ポイント指示部13と、教習ポイント指示部13により指示された教習ポイントに関する教習ポイント情報を記憶する教習ポイント情報記憶部14と、教習ポイント情報に基づいて、教習ポイントを再生する教習ポイント再生部15とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、講習会や会議等において教習用資料等を参加者に提示するための教材作成装置に関する。なお、本明細書において、教習ポイントとは、教習用資料の画像データ及び音声データを含むコンテンツ内容データから指示された部分であり、教習用コンテンツに利用する可能性のあるコンテンツ内容データの一部分をいう。また、教習ポイント情報とは、教習ポイントが指示されたときの時間に対応する情報であり、例えば、コンテンツ内容データのフレーム番号や時間など、コンテンツ内容データ全体における位置を特定するための情報をいう。
【背景技術】
【0002】
従来より、講習会や会議等において教習用資料等を多数の参加者に提示するための教材作成装置が提案されている。この教材作成装置には、一覧表示されている複数個の電子文書から任意の一つの電子文書を指示することによって、指示された電子文書を再生するものや(特許文献1参照)、講義者による補助資料の提示をきっかけとして、講義映像に区切りをつけるものや(特許文献2参照)、既に撮影された教習映像に資料データを後から関連付けるもの(特許文献3参照)などがあった。
【特許文献1】特開平10−055391号公報
【特許文献2】特開2000−259071号公報
【特許文献3】特開2004−185424号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記技術では、任意に教習ポイントを抽出して再生する機能は備えていないため、教習用資料等から教習ポイントを抽出して教習用コンテンツを作成するためには、多大な時間と手間を必要としていた。例えば、プレゼンターや講師などの教習者は、全ての教習ポイントになる部分でビデオを停止してカウンタを記録し、この記録したカウンタを頼りに、早送り、巻き戻し、再生、一時停止などの操作を行いながら、教習ポイントを抽出して、教習用コンテンツを作成する必要があった。
【0004】
そこで、本発明は、教習者の負担を軽減すべく、教習ポイントを自動的に抽出する教材作成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために,本発明に係る教材作成装置は、教習用資料の画像データ及び音声データを含むコンテンツ内容データにおける教習ポイントを指示する教習ポイント指示部と、教習ポイント指示部により指示されたときの時間に対応する教習ポイント情報を記憶する教習ポイント情報記憶部と、教習ポイント情報に基づいて、教習ポイントを再生する教習ポイント再生部と、を備えることを特徴とする。
【0006】
本発明に係る教材作成装置では、教習ポイント指示部により、教習者が任意に教習ポイントを指示すると、指示されたときの時間に対応する教習ポイント情報が教習ポイント情報記憶部で記憶される。その後、教習ポイント再生部により、教習ポイント情報記憶部で記憶されている教習ポイント情報に基づいて、教習ポイントが再生される。このように、教習者が任意にコンテンツ内容データ教習ポイントを指示するだけで、教習ポイントが再生されるため、教習ポイントを自動的に抽出することができ、教習用コンテンツの作成に要する教習者の負担を軽減し、教材作成装置の利便性を向上することができる。
【0007】
上記のコンテンツ内容データは、教習用資料のデータ、教習者により発せられた音声データ、及び教習者により提示画像に加えられたポインタデータを含んで構成することができる。このように、教習に用いられる様々な手段をコンテンツ内容データに含めることで、より説得力のある教習用コンテンツを作成することができる。このようなコンテンツ内容データは、ライブで録画しているデータであっても、過去に録画したデータであってもよい。コンテンツ内容データが作成されるときに、教習者などが、リアルタイムで教習ポイントを指示することができ、一方で、過去に録画したコンテンツ内容データを再生しているときに、教習者などが、教習ポイントを指示することができる。これにより、時間や場所に制限されることなく、教習ポイントを抽出して教習用コンテンツを作成することができる。
【0008】
上記教習ポイント再生部は、教習ポイント情報の所定時間前からコンテンツ内容データを再生することが望ましい。これにより、再生開始部分にゆとりを持たせることができ、教習ポイントの前部分をも見ることができ、適切に教習用コンテンツを作成することができる。
【0009】
この場合、教習ポイント再生部は、教習ポイント情報の所定時間後にコンテンツ内容データの再生を停止することもできる。これにより、教習ポイントが経過した後の停止操作を省略することができ、操作性を向上させることができる。
【0010】
また、上記の教習ポイント再生部は、次の教習ポイントを再生する指示があった場合、次の教習ポイントまで早送り又はジャンプしてから再生することが望ましい。これにより、教習ポイントが複数ある場合において、テープのような記録媒体であれば次の教習ポイントまで早送りし、ハードディスクなど再生箇所にジャンプできる記録媒体であれば次の教習ポイントにジャンプすることで、教習ポイントの再生が終わった後の、早送り又はジャンプの操作を省略することができる。
【0011】
また、教習ポイント再生部は、教習ポイントの静止画を再生する指示があった場合、教習ポイントの静止画を再生することが望ましい。これにより、教習ポイントが静止画である場合や、教習用コンテンツに静止画を用いたい場合において、一時停止の操作を省略することができる。
【0012】
本発明に係る教材作成装置は、更に、教習ポイント再生部で再生される部分を、コンテンツ内容データとは別に記憶する資料記憶部と、を備えることが望ましい。これにより、教習ポイント再生部により再生される部分を、コンテンツ内容データとは別のファイルとして管理することができるため、更に教習者の負担を軽減し、教材作成装置の操作性を向上させることができる。なお、教習ポイント再生部で再生される部分を資料記憶部に記憶するタイミングは、コンテンツ内容データを教材作成装置に記憶するときでもよいし、その後に教習ポイント再生部により再生するときでもよい。
【発明の効果】
【0013】
以上説明した本発明に係る教材作成装置によれば、教習ポイントを自動的に抽出することができるため、教習用コンテンツの作成に要する教習者の負担を軽減し、教材作成装置の利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
本発明の実施形態である教材作成装置の構成について、図1及び図2を用いて説明する。図1は本実施形態に係る教材作成装置100のブロック構成図である。また、図2は、教材作成装置100とプロジェクタ200とを接続し、撮像情報をスクリーン210に映し出す様子を示した図である。なお、教材作成装置100は、例えば講習会や会議等において教習用資料等を参加者に提示するための装置である。
【0016】
教材作成装置100は、機能的な構成要素として大きく分けて、カメラ1、外部入力部2、再生部3、操作部4、切替部5、画像処理部6、音声出力部7、ディスプレイ8、画像圧縮部9、録画制御部10、画像復元部11、画像記憶部12、教習ポイント指示部13、教習ポイント情報記憶部14、教習ポイント再生部15、及び外部出力部16を備えている。
【0017】
カメラ1は、教習用資料等を撮像するカメラである。カメラ1は、教材作成装置100本体と、図2に示す複数のカメラアーム1A、1Bを介して接続されている。このカメラ1は、教材作成装置100を使用する教習者が発した音声を収録するためのマイク(不図示)を内蔵しており、教習用資料等の提示画像や教習者の音声を含むデータ(以下「コンテンツ内容データ」という)を収録可能とされている。カメラ1による撮像で得られたコンテンツ内容データは、切替部5に送信される。
【0018】
外部入力部2は、外部の装置から教材作成装置100へコンテンツ内容データが入力される部分であり、例えばUSB端子やRGB入力端子等を含んで構成される。外部入力部2に入力されたコンテンツ内容データは、切替部5に送信される。
【0019】
再生部3は、教材作成装置100に既に記憶されたコンテンツ内容データを再生する。再生部3により再生されるコンテンツ内容データは、切替部5に送信される。
【0020】
操作部4は、教材作成装置100を使用する教習者等が教材作成装置100に所望の処理・動作を指示するためのものであり、例えば、リモコンやタッチパネル等が該当する。上記のタッチパネルとは、ディスプレイ8の表面に取り付けられた指示入力のためのパネルであり、感圧式や静電式のものを採用することができる。教材作成装置100の利用者は、装置に付属の入力用ペンを用いてタッチパネルに触れたり、指で直接触れたりすることによって、指示入力が可能とされている。上記のように入力された指示は、教習ポイント指示部13、教習ポイント再生部15、及び切替部5に送信される。また、操作部4は、教習用資料の画像上に教習者が操作部4によって任意に情報を書込み可能とされており、例えば、教習者は講義中に教習用資料の重要部分に下線を付したり、「重要」といった言葉を書き込むことが可能とされている。教習者が操作部4により教習用資料の画像上に書き込んだ情報は、画像処理部6に送信される。
【0021】
切替部5は、操作部4より入力された指示に基づき、コンテンツ内容データの入力ソースを、カメラ1、外部入力部2及び再生部3のうち1つに切り替え、切替対象の入力ソースからのコンテンツ内容データを画像処理部6へ送信する。
【0022】
画像処理部6は、画像の拡大や縮小等を含む画像処理や、上述したように教習者が操作部4により教習用資料の画像上に書き込んだ情報を、当該教習用資料の画像に重畳してコンテンツ内容データを作成するといった画像処理を行う。
【0023】
音声出力部7は、コンテンツ内容データを音声出力するものであり、ディスプレイ8は、コンテンツ内容データを映像出力するものである。
【0024】
画像圧縮部9は、コンテンツ内容データに対し画像圧縮処理を行うものであり、画像記憶部12は、コンテンツ内容データを記憶する記憶部であり、画像復元部11は、圧縮されたコンテンツ内容データに対し画像復元処理を行うものである。録画制御部10は、画像圧縮部9、画像記憶部12、及び画像復元部11の動作を制御する。
【0025】
教習ポイント指示部13は、操作部4からの指示に基づいて、コンテンツ内容データの教習ポイントを指示する。教習ポイントの指示は、教習者等から指示されたときのコンテンツ内容データのカウンタ時間(本発明に係る「教習ポイント情報」に相当する。以下「指示カウンタ時間」という。)を取得して、この取得した指示カウンタ時間を教習ポイント情報記憶部14に記憶することにより行われる。なお、教材作成装置100にはカウンタ(不図示)が備えられており、コンテンツ内容データを画像記憶部12に記憶し始めてからの時間をカウントしている。上記の「カウンタ時間」とは、コンテンツ内容データの始めからカウントされているカウンタの値をいう。
【0026】
教習ポイント再生部15は、再生部3に対して、指示カウンタ時間の所定時間前から、指示カウンタ時間の所定時間後までの区間に対応する部分のコンテンツ内容データのを再生させる。具体的には、指示カウンタ時間から遡って再生を開始する時間を定める再生開始オフセット時間と、指示カウンタ時間から再生を停止するまでの時間を定める停止オフセット時間とが設定されており、この指示カウンタ時間よりも再生開始オフセット時間前(所定時間前)になると再生を開始させ、指示カウンタ時間から停止オフセット時間が経過(所定時間後)すると再生を停止させる。本実施形態では一例として、再生開始オフセット時間を2秒、停止オフセット時間を5秒として設定しており、指示カウンタ時間の2秒前になると再生を開始させ、指示カウンタ時間の5秒後になると再生を停止させる。一方、静止画の教習ポイントの部分を再生させる場合は、指示カウンタ時間における静止画を表示させる。
【0027】
外部出力部16は、教材作成装置100から外部の装置(例えば図2のプロジェクタ200等)へコンテンツ内容データが出力される部分であり、例えばUSB端子やRGB入力端子等を含んで構成される。
【0028】
上記の録画制御部10は、例えばCPU、ROM、RAMを含む小型コンピュータにより構成することができる。
【0029】
上記の画像処理部6による処理後のコンテンツ内容データは、ディスプレイ8及び音声出力部7に送信され、ディスプレイ8に表示されるとともに音声出力部7から音声出力される。また、画像処理部6による処理後のコンテンツ内容データは、画像圧縮部9に送信され、録画制御部10による制御の下、画像圧縮部9により画像圧縮処理が施され、画像圧縮後のコンテンツ内容データは画像記憶部12により記憶される。画像記憶部12に記憶されたコンテンツ内容データは、画像復元部11により画像復元処理が施され、復元後のコンテンツ内容データは再生部3により再生されたり、画像処理部6へ送信されて新たな画像処理が施される。
【0030】
次に、本発明の実施形態である教材作成装置100の処理動作について、図面を用いて説明する。図3は、教材作成装置100による教習ポイント指示処理の動作を示す流れ図であり、図4は、教材作成装置100による教習ポイント再生処理の動作を示す流れ図であり、図5は、教習ポイントの指示及び教習ポイントの再生を説明するための図であり、図6は、教習ポイントの指示及び教習ポイントの再生のタイミングを説明するための図である。
【0031】
まず、図3を参照して、教習ポイントを指示する処理動作について説明する。
【0032】
教材作成装置100では、カメラ1により撮像されたコンテンツ内容データが、画像処理部6で適宜画像処理されて、コンテンツ内容データとして画像記憶部12に記憶されている。その後、教習者が教習ポイントを抽出して教習コンテンツを編集するため、再生部3にてコンテンツ内容データを再生する(S1)。
【0033】
このとき、任意のタイミングで、教習者によって操作部4から教習ポイントが指示される(S2)。教習ポイント指示部13は、教習ポイントが指示されたときに対応する指示カウンタ時間を取得し、この取得した指示カウンタ時間を教習ポイント情報記憶部14に記憶させる(S3)。
【0034】
コンテンツ内容データの再生が終わるまでの間、教習者は、操作部4を操作して何度でも教習ポイントを指示することができ、その度に、教習ポイント指示部13は、(S1)と(S2)の処理を繰り返して指示カウンタ時間を教習ポイント情報記憶部14に記憶する。なお、教習ポイント情報記憶部14では、教習ポイントが指示された順に、指示カウンタ時間を記憶する。
【0035】
次に、図4を参照して、コンテンツ内容データの再生が終わった後、コンテンツ内容データから教習ポイントを抽出して再生する処理動作について説明する。
【0036】
教習者によって操作部4から教習ポイントの再生が指示されると(S4)、教習ポイント再生部15は、教習ポイント情報記憶部14から指示カウンタ時間を読み出す(S5)。最初に教習ポイントの再生が指示された場合は、教習ポイント情報記憶部14に最初に記憶されたコンテンツ内容データのカウンタ情報を読み出す。次の教習ポイントの再生が指示された場合又は2回目以降に教習ポイントの再生が指示された場合は、最後に読み出した指示カウンタ時間の次に記憶された指示カウンタ時間を読み出す。
【0037】
ここで、再生する教習ポイントが、動画なのか静止画なのかを判断する(S6)。動画と静止画の区別は、操作部4からの操作によって判断することができ、また、予め何れかに設定しておくことでも判断することができる。
【0038】
再生する教習ポイントが動画の場合、図5(b)及び図6に示すように、教習ポイント再生部15は、再生部3に対して、まず、指示カウンタ時間の2秒前になるまで、コンテンツ内容データを早送り又はジャンプさせる(S7)。テープのような記録媒体であれば早送りし、ハードディスクなど再生箇所にジャンプできる記録媒体であれば次の教習ポイントにジャンプする。そして、指示カウンタ時間の2秒前からコンテンツ内容データを再生し、指示カウンタ時間の5秒後になるとコンテンツ内容データの再生を停止させる(S8)。
【0039】
実際には、教習ポイントの前後も見て教習用コンテンツを作成したい場合や、教習ポイントの指示が遅くなる場合があるため、教習ポイントの前後にゆとりを持たせて再生させる。図5(a)及び図6に示すように、コンテンツ内容データから教習ポイントA,B,Cを抽出したいときは、それぞれa,b,cのタイミングでに教習ポイントを指示するが、ポイント再生部15は、それぞれa,b,cから2秒前に再生を開始させ、それぞれa,b,cから5秒後に再生を停止させる。
【0040】
一方、再生する教習ポイントが静止画の場合、教習ポイント再生部15は、再生部3に対して、指示カウンタ時間になるまで、コンテンツ内容データを早送り又はジャンプさせ(S9)、指示カウンタ時間に対応するコンテンツ内容データを一時停止させることで、静止画を表示させる(S10)。
【0041】
このようにして抽出した教習ポイントに、タッチパネルを用いてポインタデータを加えたり、カメラ1で撮像した映像データ又は音声データを加えたり、外部入力2から入力した各種データを加えたりして、教習コンテンツを作成する。
【0042】
以上説明したように、本実施形態に係る教材作成装置100では、教習ポイント指示部13により、教習者が任意のタイミングで教習ポイントを指示すると、指示されたときの指示カウンタ時間が、教習ポイント情報記憶部14に記憶される。その後、教習ポイント再生部15により、教習ポイント情報記憶部14で記憶されている指示カウンタ時間に基づいて、教習ポイントが再生される。このように、教習者が任意のタイミングで教習ポイントを指示するだけで、教習ポイントが再生されるため、教習ポイントを容易に抽出することができる。そのため、教習用コンテンツの作成に要する教習者の負担を軽減し、教材作成装置100の利便性を向上することができる。
【0043】
また、コンテンツ内容データは、教習用資料のデータ、教習者により発せられた音声データ、及び教習者により提示画像に加えられたポインタデータなど、教習に用いられる様々な手段をコンテンツ内容データに含めることで、より説得力のある教習用コンテンツを作成することができる。このようなコンテンツ内容データは、ライブで録画しているデータであっても、過去に録画したデータであってもよい。コンテンツ内容データが作成されるときに、講演者などが、リアルタイムで教習ポイントを指示することができ、一方で、過去に録画したコンテンツ内容データを再生しているときに、講演者や教習者などが、教習ポイントを指示することができる。これにより、時間や場所に制限されることなく、教習ポイントを抽出して教習用コンテンツを作成することができる。
【0044】
また、教習ポイント再生部15は、指示カウンタ時間より再生開始オフセット時間前に再生を開始するため、再生開始部分にゆとりを持たせることができ、教習ポイントの前部分をも見ることができ、適切に教習用コンテンツを作成することができる。
【0045】
さらに、教習ポイント再生部15は、指示カウンタ時間から停止オフセット時間後に再生を停止するため、教習ポイントが経過した後の停止操作を省略することができ、操作性を向上させることができる。
【0046】
また、教習ポイント再生部15は、次の教習ポイントを再生する指示があった場合、最後に読み出した指示カウンタ時間の次に記憶された指示カウンタ時間を読み出し、この読み出した指示カウンタ時間になるまで、テープのような記録媒体であれば次の教習ポイントまで早送りし、ハードディスクなど再生箇所にジャンプできる記録媒体であれば次の教習ポイントにジャンプしてから、教習ポイントを再生する。そのため、教習ポイントが複数ある場合において、教習ポイントの再生が終わった後の早送り又はジャンプの操作を省略することができる。
【0047】
また、教習ポイント再生部15は、教習ポイントの静止画を再生する指示があった場合、教習ポイントの静止画を再生することで、教習ポイントが静止画である場合や、教習用コンテンツに静止画を用いたい場合において、一時停止の操作を省略することができる。
【0048】
次に、本発明に係る他の実施形態を説明する。本発明の他の実施形態である教材作成装置の構成について、図面を用いて説明する。図7は、他の実施形態に係る教材作成装置300のブロック構成図であり、図8は、教習ポイント指示処理及び教習ポイントの再生処理の動作を示す流れ図であり、図9は、教習ポイントの指示及び教習ポイントの再生を説明するための図である。なお、教材作成装置300は、例えば講習会や会議等において教習用資料等を参加者に提示するための装置であって、教習ポイントが指示されると、コンテンツ内容データから教習ポイントを抽出して、独立したファイルとして記憶する装置である。
【0049】
教材作成装置300は、上述した教材作成装置100の構成に加え、資料記憶部17を備えている。なお、教材作成装置300は、教材作成装置100の構成を全て備え、更に資料記憶部17を追加した構成であるため、同じ構成に関する説明は省略する。
【0050】
資料記憶部17は、画像記憶部12の一部に構成されており、コンテンツ内容データから教習ポイント再生部15で再生される教習ポイントを抽出して、この抽出した教習ポイントを教習コンテンツ資料として記憶する。
【0051】
次に、図8及び図9を参照して、教習ポイントを指示する処理動作及び教習ポイントを再生する処理動作について説明する。
【0052】
再生部15によりコンテンツ内容データが再生されるときに(S11)、任意のタイミングで、教習者によって操作部4から教習ポイントが指示されると(S12)、教習ポイント指示部13は、教習ポイントが指示されたときの指示カウンタ時間を取得し、この取得した指示カウンタ時間を教習ポイント情報記憶部14に記憶する(S13)。
【0053】
そして、教習ポイント指示部13は、コンテンツ内容データから、指示カウンタ時間より2秒前(所定時間前)から5秒後(所定時間後)までの区間(教習ポイント再生部15で再生される部分)を抽出し、教習コンテンツを作成するための教習コンテンツ資料として資料記憶部17に記憶する(S14)。教習コンテンツ資料は、図9(b)に示すように、教習ポイント再生部15で再生される部分のみで構成され、教習ポイントが指示されるたびに、順次記憶が行われる。
【0054】
その後、教習者によって操作部4から教習ポイントの再生が指示されると、教習ポイント再生部15は、資料記憶部17に記憶されている教習コンテンツ資料を、記憶された順に従い順次再生する。
【0055】
以上説明したように、本実施形態に係る教材作成装置300では、コンテンツ内容データとは別に、教習ポイント再生部15で再生される教習ポイントを教習コンテンツ資料として記憶する資料記憶部17とを備えることで、教習ポイントをコンテンツ内容データとは別のファイルとして管理することができる。そのため、教習ポイントの再生に先立つ早送り処理を省くことができ、更に教習者の負担を軽減し、教材作成装置300の操作性を向上させることができる。なお、教習ポイント再生部15で再生される部分を資料記憶部17に記憶するタイミングは、コンテンツ内容データを画像記憶部12に記憶するときや、その後に教習ポイント再生部15により再生するなど、いつでもよい。
【0056】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、教習ポイント指示処理動作では、記憶されたコンテンツ内容データを再生するときに教習ポイントを指示する場合について説明したが、教習を行っているときに教習ポイントを指示することもできる。また、教習ポイントに関する情報は、コンテンツ内容データのフレーム番号や時間など、コンテンツ内容データの位置がわかるような情報であれば如何なる情報であってもよい。また、教習ポイント再生部15は、所定時間前から所定時間後の区間を再生したが、所定時間前から再生を開始し、その後、何らかの操作が行われない限り再生を継続させることもできる。この場合、停止オフセット時間を0や無効等に設定したり、停止オフセット時間の設定自体を無くしたりすることで、実施可能である。また、コンテンツ内容データを再生するタイミングと停止させるタイミングとを、再生開始オフセット時間と停止オフセット時間とを設定することにより調整したが、再生開始の時間と停止の時間を認識できるものであれば、如何なる手段によって再生処理を行わせてもよい。また、教習ポイント再生部15は、指示カウンタ時間から停止オフセット時間が経過したときにコンテンツ内容データの再生を停止したが、一時停止や再生の継続など、如何なる処理を行ってもよい。また、資料記憶部17に教習コンテンツ資料を記憶するタイミングは、教習ポイントを指示するときに限らず、別のタイミングで行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本実施形態に係る教材作成装置のブロック構成図である。
【図2】教材作成装置とプロジェクタとを接続した概略構成図である。
【図3】教習ポイント指示処理の動作を示す流れ図である。
【図4】教習ポイント再生処理の動作を示す流れ図である。
【図5】教習ポイントの指示及び教習ポイントの再生を説明するための図である。
【図6】教習ポイントの指示及び教習ポイントの再生のタイミングを説明するための図である。
【図7】他の実施形態に係る教材作成装置のブロック構成図である。
【図8】教習ポイント指示処理及び教習ポイントの再生処理の動作を示す流れ図である。
【図9】教習ポイントの指示及び教習ポイントの再生を説明するための図である。
【符号の説明】
【0058】
1…カメラ、2…外部入力端子、3…再生部、4…操作部、5…切替部、6…画像処理部、7…音声出力部、8…ディスプレイ、9…画像圧縮部、10…録画制御部、11…画像復元部、12…画像記憶部、13…教習ポイント指示部、14…教習ポイント情報記憶部、15…教習ポイント再生部、16…外部出力部、17…資料記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
教習用資料の画像データ及び音声データを含むコンテンツ内容データにおける教習ポイントを指示する教習ポイント指示部と、
前記教習ポイント指示部により教習ポイントが指示されたときの時間に対応する教習ポイント情報を記憶する教習ポイント情報記憶部と、
前記教習ポイント情報に基づいて、前記教習ポイントを再生する教習ポイント再生部と、
を備えることを特徴とする教材作成装置。
【請求項2】
前記コンテンツ内容データは、教習用資料のデータ、教習者により発せられた音声データ、及び教習者により提示画像に加えられたポインタデータを含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の教材作成装置。
【請求項3】
前記教習ポイント再生部は、前記教習ポイント情報の所定時間前からコンテンツ内容データを再生することを特徴とする請求項1又は2に記載の教材作成装置。
【請求項4】
前記教習ポイント再生部は、前記教習ポイント情報の所定時間後にコンテンツ内容データの再生を停止することを特徴とする請求項3に記載の教材作成装置。
【請求項5】
前記教習ポイント再生部は、次の教習ポイントを再生する指示があった場合、次の教習ポイントまで早送り又はジャンプしてから再生することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の教材作成装置。
【請求項6】
前記教習ポイント再生部は、教習ポイントの静止画を再生する指示があった場合、教習ポイントの静止画を再生することを特徴とする請求項1又は2に記載の教材作成装置。
【請求項7】
前記教習ポイント再生部で再生される部分を、前記コンテンツ内容データとは別に記憶する資料記憶部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の教材作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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