説明

教材用自動丁合装置

【課題】毎月大量に発送する教材を丁合するに紙製教材には自動投入機が開発されてきたが、近年多くなりつつあるブリスター成型品で成る教具については、手作業による丁合作業しかできなかった。それを紙製投入機と同様に自動投入できるように特別な自動投入機を開発して、それらを有機的に設置した全自動の教材用丁合装置を提供する。
【解決手段】包装機や封入封緘機の上流位置に配置され、一連の搬送路に臨んで紙教材用自動投入機とブリスター成型教具の自動投入機を配置し、更に前記ブリスター成型教具の自動投入機は、重ね合わせた教具の底面側縁部を支持する支持部材と、側縁部をして位置決めするガイド部材と、最下の底面を吸着して支持を解くとともに、突撃板の進入で完全離脱させ、搬送ベルトで搬出して投入動作をするように構成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信教育の分野で会員向けに送付する各種の教材を一式ずつ、ひとまとめにするために使用される教材用自動丁合装置に関する。
また、本発明は教材一式毎にフイルムラッピングするための包装機や、封筒に封入して封緘する封入封緘機と連結して使用され、印刷物を主体とする紙教材ばかりでなく、ブリスター成型教具も自動投入して丁合することができる新規な教材用自動丁合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
係る分野にあって、教材の多様化は日増しに進んでいる。特に、幼児向けのものや小学低学年向けの教材にあっては、紙教材に加えて木製のものやらプラスチック製の教具(教材)が同梱されるようになってきた。
例えば、会員数が何十万とある通信教育の作業現場では、各種印刷物をはじめ、紙製以外の素材で成る教具も含めて大量の教材を丁合して梱包する必要がある。もちろん、期日にあわせて短時間処理しなければならないのは言うまでもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−99448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、紙教材についてはこれまでに自動投入機が開発されて丁合の自動化が進んでいるものの(例えば特許文献1)、これらプラスチック製教具については未だ開発が進んでおらず、多くの作業者が手作業で処理しているのが実情であった。
【0005】
そこで、本発明は、係るプラスチック製教具のうち、ブリスター成型品に対して有効な自動投入を開発し、それを印刷物主体の紙教材用投入機とともに、一連の丁合コンベアに臨んで組み込むことで、新たな自動丁合装置を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る教材用自動丁合装置は、フイルムによるラッピング包装機や封入封緘機の上流位置に配置される教材用自動丁合装置であって、一連の搬送路に臨んで紙教材用自動投入機とブリスター成型教具の自動投入機を配置し、更に前記ブリスター成型教具の自動投入機は、重ね合わせた教具の底面側縁部を支持する支持部材と、それら教具の側縁部をして位置決めするガイド部材と、最下の底面に吸着して最下のもののみ変形させて支持を解くとともに、その変形開口部に突撃板を進入させて最下のもののみ完全離脱させ、更に上下の搬送ベルトで挟持して搬出し、前記搬送路を構成するチェーンコンベアのフィンガーが到来する都度、同期してひとつずつ投入動作をするように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、従来は手作業に頼らざるをえなかったブリスター成型品でなる教具も、紙製教材と同様に自動丁合することが可能になった。
それによって、処理の高速化が達成でき、また人的ミスによる誤丁合も防止でき、品質の向上に貢献する。総じて、コストの低減が可能となり、係る業界の作業現場に於いて貢献すること確実である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】教材用自動丁合装置の説明図である。
【図2】教材用自動丁合装置の説明図である。
【図3】ブリスター成型品で成る教具の自動投入機についての説明図である。
【図4】自動投入機の説明図である。
【図5】自動投入機の説明図である。
【図6】自動投入機の動作の説明図である。
【図7】自動投入機の動作の説明図である。
【図8】自動投入機の動作の説明図である。
【図9】自動投入機の動作の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に例示した説明図に基づいて本発明の教材用自動丁合装置を説明する。
図1に於いて、図中、1は教材の丁合物を指している。これら丁合物1は、所定間隔毎にフィンガー2aを具備したチェーン2で構成される搬送路上を紙面右から左に向けて搬送される。即ち、最上流にある印刷物1a、その下流にある印刷物1b、更に印刷物1c並びに1eは、いずれも所定の自動投入機(図示せず)にセットされ、前記フィンガー2aが到来する都度、1部ずつ自動投入されて順次と丁合されていく。また、図1ならびに図2に於ける矢印Aは、搬送路が継続することを意味しているが、このように丁合された丁合物1は、3で指す装置、例えば丁合物1を封筒に封入して封緘する封入封緘機あるいはフィルムでラッピング包装する包装機に搬入され、その搬出側から次々と包装済教材4が生産されていく。
【0010】
また図1において、図中、1dはブリスター成型品でなる教具を指している。これらの成型品は主としてPET,PP,PS,並びにPVCの薄いシート剤が使用され、それを加熱軟化した状態で真空成型することで平面をベースにして部分的に凹凸形状が作られている。言い換えると、紙製教材と比べ印刷面が立体的であり、図では角形で中央部に凸部を形成したようなものを例示している。もちろん、形状は目的に応じて設計され、必要に応じてリアルな印刷が施される。そして、それらは図示したように重ねられてセットされ、最下のものから順次と取り出されて丁合物1の上面に投入されていく。
【0011】
尚、例示したものは紙製教材4点に加えてブリスター成型品1点で成る自動丁合装置であるが、本願発明装置は必要な丁合点数に応じてそれらを組み合わされて構成される。また、図中、1a、1b、1c並びに1eで指す印刷物は、それぞれが異なるタイプの自動投入機にセットされている。即ち、積み重ねられたものの、その最下のものから順次投入するに、1cと1eのものは表裏反転して、1aのものは反転せずに投入される。同様に1bのものは印刷物1bのセット態様が異なる。
このように、紙製教材のタイプに応じて自動投入機が選定設置され、ペラもの、折丁、冊子もの、平綴されたもの、中綴されたもの、無線綴されたもの、あるいは厚さや頁数に応じて、適したタイプの自動投入機が配置される。
【0012】
次に図3乃至図9に基づいてブリスター成型品で成る教具の自動投入機について説明する。
まず、図3についてであるが、図はチェーン2によって構成される搬送路に対し、ブリスター成型品用の自動投入機が設置されている状態を図示している。図中、1は丁合物であり、フィンガー2aに押されて紙面右から左方に向けて搬送されている。本例では、その上方に重ねられた教具1dがセットされ、その最下のものからひとつずつ取り出され、上側ベルト6と下側ベルト5によって挟持されて搬出される。そして、この挟持された教具1dが、タイミング良くその直下にある丁合物1の上に自動投入される。
【0013】
重ねられた教具1dは、図4ならびに図5で斜線図示した底面側縁部を支持する支持部材30で支持されている。また、前縁ガイド31や後縁ガイド32で前後方向に位置ずれしていかないようにガイドされている。
そして、図6乃至図9で時系列的に図示したような動作をして、最下の教具1dを取り出していく。即ち、支点軸8を中心に揺動動作をする吸着パッド9が下面に当接して吸着し(図6の状態)、その状態で図7のように教具を変形しつつ下降する。
【0014】
図中、22は下降矢印であるが、この程度の変形を起こさせたところで、矢印20で指す方向に突撃板10がスライドして、その開口部に先端部位を突っ込む。この時、底面側縁部が支持されていた最下の教具は、これら強制的な変形によって支持部材30による支持から開放され、更に図8に至っては、完全に離脱して下方に落下する。
言い換えると、支持部材30による支持を、吸着パッド9並びに突撃板10による連携した強制変形によって開放するもので、然る後は図9で図示した通り、戻り矢印21並びに上昇矢印22で指す方向に両者は復帰のために動作する。
【0015】
尚、図中、11はスライダーであり、突撃板10に固定されて円滑なスライド運動ができるように構成されている。また、吸着パッド9並びに突撃板10の運動は、例えば図示したようなカム機構で構成される。即ち、図3からも明らかなようにカム軸14に取り付けられた板カム15に対して、支点13を中心にして揺動するリンク機構で構成する。そうすれば、カムで規定されるタイミングで突撃板10をスライドすることができ、吸着パッド9の動きも別の板カム(図示せず)で規定すれば、両者の好ましい動作タイミングはメカ的に保障される。
【0016】
また、上記した通り、ひとつの丁合物が到来する都度、ひとつの教具を自動投入することが基本であるので、前記したカム軸の回転はチェーン2と同期制御される。
即ち、フィンガー2aのタクトタイムとカム軸1回転の時間が同じになるように、制御する。
また、図3で例示したように、教具1dを上下のベルト5,6で挟持して、フィンガー2aの到来を待ってからタイミング良く投入できるように制御することもある。この場合は、カム軸の回転制御とは別に搬送ベルト5,6の駆動源を備えて、該駆動源を、前記カム軸の駆動源とチェーン2の駆動源との両方を参照しながら制御することになる。
【符号の説明】
【0017】
1・・丁合物、1a乃至1e・・教材、2・・チェーン、2a・・フィンガー、3・・包装機又は封入封緘機、4・・包装済み教材、5・・下側ベルト、6・・上側ベルト、7・・ガイド部材、8・・支点軸、9・・吸着パッド、10・・突撃板、11・・スライダー、12・・リンク、13・・支点軸、14・・カム軸、15・・板カム、20・・突進矢印、21・・戻り矢印、22・・上昇矢印、23・・下降矢印、30・・支持部材、31・・前縁ガイド部材、32・・背縁用ガイド部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フイルムによるラッピング包装機や封入封緘機の上流位置に配置される教材用自動丁合装置であって、
一連の搬送路に臨んで紙教材用自動投入機とブリスター成型教具の自動投入機を配置し、更に前記ブリスター成型教具の自動投入機は、重ね合わせた教具の底面側縁部を支持する支持部材と、それら教具の側縁部をして位置決めするガイド部材と、最下の底面に吸着して最下のもののみ変形させて支持を解くとともに、その変形開口部に突撃板を進入させて最下のもののみ完全離脱させ、更に上下の搬送ベルトで挟持して搬出し、前記搬送路を構成するチェーンコンベアのフィンガーが到来する都度、同期してひとつずつ投入動作をするように構成したことを特徴とする教材用自動丁合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−51628(P2012−51628A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196980(P2010−196980)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(508132470)株式会社サム技研II (3)
【Fターム(参考)】