説明

数式入力装置およびプログラム

【課題】数式表示エリアとキー入力エリアとの間でユーザ操作を移動する必要なく、非常に簡単且つ円滑に数式を構成する入力要素を適切な位置に入力可能な数式入力装置を提供する。
【解決手段】2D関数キーパレット12cの所望の2D関数キー[Σ]をタッチ操作Tして複数の要素入力可能エリア(上)Aup,(下)Aun,(右)Arを有する2D数式「Σ」を数式表示エリア13に表示させる。そして、置数キーパレット12aや三角関数キーパレット12d等のキーをタッチ操作Tして前記要素入力可能エリア(上)Aup,(下)Aun,(右)Arに応じた方向(R)にドラッグすると、当該ドラッグ方向(R)に応じた前記2D数式「Σ」の要素入力可能エリア(右)Arにドラッグされたキーの数字[5]や三角関数[sin]等が入力され、2D数式「Σ5sin」として表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の数式を入力するための数式入力装置およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、関数電卓と称する電子式計算機において、ユーザによってキー入力された数式やその計算結果の表記形態は、液晶表示装置のマトリクス表示体に対応して1行にして表示されるものが多かった。
【0003】
例えば分数を含む数式の場合、当該分数記号を挟んだ分子と分母を上下方向に配置して自然表示できないために、「A/B」のように分子、分数の線分、分母が1行に表示されていた。また、平方根の数式を入力する場合も同様に、ルート「√」の掛かる範囲を自然表示できないために、当該ルート記号「√」と共に小括弧や中括弧などの記号が組み合わされて入力され、例えば、√(2)のように1行表示されていた。
【0004】
なお、このように数式を定義するための入力要素(入力箇所)が上下に重なって存在し、1行表示では自然表示できない関数、例えば、微分、積分、lim関数、Σ、パイ関数、行列、分数、√、べき乗、等(厳密な関数でないものを含む)を、2D(dimension)関数と称呼する。
【0005】
そこで、タッチパネル式表示部を備えた電子式計算機において、2D関数である数式、例えば定積分の数式における上限と下限の入力位置をブランク“□”で表示し、当該“□”をタッチで指定してから数値や記号を入力して表示させることで、自然表示により数式入力するものがある。
【0006】
また、タッチパネル式表示部に表示されたアプリケーション画面中の入力フィールドがタッチで指示されたことに応答して「ソフトウエア・キーパッド」を表示させ、数式入力するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−053116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
タッチパネル式表示部を用いた従来の電子式計算機では、2D関数等の数式を構成する複数の入力要素の入力位置をそれぞれ個々にタッチして指定し、ソフトウエア・キーパッドやキーボードによって所望の数値や記号を入力しているが、入力位置の指定操作とキー入力操作との間でのユーザ操作(指)の移動が大きく、不便を感じる問題がある。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、数式表示エリアとキー入力エリアとの間でユーザ操作を移動する必要なく、非常に簡単且つ円滑に数式を構成する入力要素を適切な位置に入力することが可能になる数式入力装置およびその制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る数式入力装置は、数式を構成する複数の要素が未入力の状態で当該数式を表示部に表示させる数式表示手段と、数式を構成する要素をキーとして表示部に表示させるキー表示手段と、このキー表示手段により表示されたキーが指定されてドラッグされた動きを認識するドラッグ認識手段と、このドラッグ認識手段により認識された前記キーのドラッグされた動きに応じて、前記数式表示手段により表示された数式に対する要素入力可能な位置を判断する入力位置判断手段と、この入力位置判断手段により判断された前記表示中の数式に対する要素入力可能な位置に前記ドラッグされたキーの要素を入力して表示させる要素入力表示手段と、を備えたことを特徴としている。
【0011】
本発明に係るプログラムは、表示部を備えた電子式計算機のコンピュータを制御するためのプログラムであって、前記コンピュータを、数式を構成する要素が未入力の状態で当該数式を表示部に表示させる数式表示手段、数式を構成する要素をキーとして表示部に表示させるキー表示手段、このキー表示手段により表示されたキーが指定されてドラッグされた動きを認識するドラッグ認識手段、このドラッグ認識手段により認識された前記キーのドラッグされた動きに応じて、前記数式表示手段により表示された数式に対する要素入力可能な位置を判断する入力位置判断手段、この入力位置判断手段により判断された前記表示中の数式に対する要素入力可能な位置に前記ドラッグされたキーの要素を入力して表示させる要素入力表示手段、として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、数式表示エリアとキー入力エリアとの間でユーザ操作を移動する必要なく、非常に簡単且つ円滑に数式を構成する入力要素を適切な位置に入力することが可能になる数式入力装置およびその制御プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の数式入力装置の実施形態に係るタッチパネル式計算装置10の外観構成を示す正面図。
【図2】前記タッチパネル式計算装置10の電子回路の構成を示すブロック図。
【図3】前記タッチパネル式計算装置10による第1,第2実施形態共通の計算モード処理を示すフローチャート。
【図4】前記タッチパネル式計算装置10の第1,第2実施形態共通の計算モード処理に含まれる第1実施形態のデータ入力処理(SA)に対応した数値入力処理(1)を示すフローチャート。
【図5】前記タッチパネル式計算装置10の第1実施形態の計算モード処理に伴うタッチ操作Tに応じた数式入力表示動作を示す図。
【図6】前記タッチパネル式計算装置10の第1,第2実施形態共通の計算モード処理に含まれるデータ入力処理に対応した演算子入力処理を示すフローチャート。
【図7】前記タッチパネル式計算装置10の第1,第2実施形態共通の計算モード処理に含まれる第2実施形態のデータ入力処理(SB)に対応した数値入力処理(2)を示すフローチャート。
【図8】前記タッチパネル式計算装置10の第2実施形態の計算モード処理に伴うタッチ操作Tに応じた数式入力表示動作を示す図。
【図9】前記タッチパネル式計算装置10による第3,第4実施形態共通の計算モード処理を示すフローチャート。
【図10】前記タッチパネル式計算装置10の第3,第4実施形態共通の計算モード処理に含まれる第3実施形態のデータ入力処理(SP)に対応した数値入力処理(3)を示すフローチャート。
【図11】前記タッチパネル式計算装置10の第3実施形態の計算モード処理に伴うタッチ操作Tに応じた数式入力表示動作を示す図。
【図12】前記タッチパネル式計算装置10の第3,第4実施形態共通の計算モード処理に含まれる第4実施形態のデータ入力処理(SQ)に対応した数値入力処理(4)を示すフローチャート。
【図13】前記タッチパネル式計算装置10の第4実施形態の計算モード処理に伴うタッチ操作Tに応じた数式入力表示動作を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
図1は、本発明の数式入力装置の実施形態に係るタッチパネル式計算装置10の外観構成を示す正面図である。
【0016】
このタッチパネル式計算装置10は、装置本体の正面側の略全域がカラー液晶表示パネルに透明タブレットを重ねて設けたタッチパネル付き表示部11として構成される。
【0017】
前記タッチパネル付き表示部11の表示エリアは、ユーザ任意の数式を入力して演算実行するための計算モードにおいて、キー入力エリア12および数式表示エリア13として機能し、キー入力エリア12には、2D関数を含む各種の数式や当該数式を構成する数値,記号等の複数の要素を入力するための各種のキーパレット12a,12b,…が表示される。この各種のキーパレット12a,12b,…は、同入力エリア12の右下に表示される入力パレットキー12Pのタッチ操作に応じて選択的に呼び出されて表示され、当該各キーパレット12a,12b,…が有するキーのタッチ入力に応じて、入力された数式が数式表示エリアに13に表示される。
【0018】
具体的に、図1におけるキー入力エリア12では、置数キーパレット12a、基本演算子キーパレット12b、2D関数キーパレット12c、三角関数キーパレット12dが表示されている。
【0019】
そして、数式表示エリア13には、2D関数キーパレット12cの2D関数キー[Σ]および置数キーパレット12aの数字キー[5]のタッチ操作Tにより入力された数式「Σ5」が表示されている。
【0020】
ここでの具体例として、本タッチパネル式計算装置10は、前記2D関数キーパレット12cの2D関数キー[Σ]をタッチ操作して数式表示エリア13に複数の要素入力可能エリア(上)Aup,(下)Aun,(右)Arを有する数式「Σ」を表示させた状態で、前記置数キーパレット12aの数字キー[5]をタッチ操作Tして右方向Rにドラッグすることで、前記数式表示エリア13の数式「Σ」における当該ドラッグ方向に応じた要素入力可能エリア(右)Arに対して、ドラッグされた数字「5」を入力して表示させる機能を有する。
【0021】
図2は、前記タッチパネル式計算装置10の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0022】
このタッチパネル式計算装置10の電子回路は、コンピュータである制御部(CPU)21を備えている。
【0023】
制御部(CPU)21は、記憶装置22に予め記憶されているシステムプログラムや計算機制御プログラム22a、あるいはメモリカードなどの外部記憶媒体23から記憶媒体読み込み部24を介して記憶装置22に読み込まれた計算機制御プログラム22a、あるいは通信ネットワークN上のWebサーバ(プログラムサーバ)30から通信制御部25を介してダウンロードされ前記記憶装置22に読み込まれた計算機制御プログラム22aに従い、RAM26を作業用メモリとして回路各部の動作を制御する。そして、前記記憶装置22に記憶されたシステムプログラムや計算機制御プログラム22aは、タッチパネル付き表示部11からのタッチ入力信号に応じて起動される。
【0024】
前記記憶装置22に記憶される計算機制御プログラム22aには、タッチ入力に応じた各種数式の入力表示処理、演算実行処理等を制御するプログラムと共に、入力対象の数式として数式表示エリア13に表示させた2D関数の数式を構成する複数の要素入力可能エリア(Aup,Aun,Ar,…)に対して、各種キーパレット12a,12b,…でのキーのタッチ入力とそのドラッグ方向に応じて、当該ドラッグ方向に応じた要素入力可能エリア(Aup,Aun,Ar,…)に該当するキーの要素(数値,演算子,三角関数,数式等)を入力して表示させるための制御プログラムが含まれる。
【0025】
また、記憶装置22には、計算モードの設定状態において、前記タッチパネル付き表示部11に表示させて数式のタッチ入力操作に供するための各種入力キーパレット22b(12a,12b,…)が記憶される。
【0026】
RAM26には、表示データメモリ26a、入力数式データメモリ26b、ドラッグ軌跡座標メモリ26c、数式演算データメモリ26dの他、各種の計算処理に伴い制御部21に入出力される種々のデータが必要に応じて記憶される作業用データメモリが確保される。
【0027】
表示データメモリ26aには、タッチパネル付き表示部11に表示させるための表示画面サイズで生成されたビットマップパターンのデータが記憶される。
【0028】
入力数式データメモリ26bには、前記タッチパネル付き表示部11に設定される数式表示エリア13にて表示の対象となる数式のデータが記憶される。
【0029】
ドラッグ軌跡座標メモリ26cには、前記タッチパネル付き表示部11の画面上でタッチ(T)されてドラッグされたことに伴うタッチ位置の軌跡に対応した座標列のデータが記憶される。
【0030】
数式演算データメモリ26dには、前記数式表示エリア13に入力されて表示された各種の数式の演算処理に伴う経過および結果のデータが記憶される。
【0031】
このように構成されたタッチパネル式計算装置10は、CPU21が前記計算機制御プログラム22aに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、以下の動作説明で述べる機能を実現する。
【0032】
次に、前記構成のタッチパネル式計算装置10の動作について説明する。
【0033】
(第1実施形態)
図3は、前記タッチパネル式計算装置10による第1,第2実施形態共通の計算モード処理を示すフローチャートである。
【0034】
図4は、前記タッチパネル式計算装置10の第1,第2実施形態共通の計算モード処理に含まれる第1実施形態のデータ入力処理(SA)に対応した数値入力処理(1)を示すフローチャートである。
【0035】
図5は、前記タッチパネル式計算装置10の第1実施形態の計算モード処理に伴うタッチ操作Tに応じた数式入力表示動作を示す図である。
【0036】
装置電源の投入に伴いタッチパネル付き表示部11に表示される動作モードの選択画面(図示せず)において、計算モードが選択されることにより計算機制御プログラム22aが起動されると、タッチパネル付き表示部11は、図1で示したように、キー入力エリア12と数式表示エリア13に分割される。そして、入力パレットキー12Pの操作により、キー入力エリア12には、各種入力キーパレット22bからユーザが所望するキーパレットが呼び出され表示される。この場合置数キーパレット12a、基本演算子キーパレット12b、2D関数キーパレット12c、三角関数キーパレット12dが表示されたものとする。
【0037】
ここで、2D関数「Σ」に係る数式を入力する場合に、図5(A)に示すように、2D関数キーパレット12cの2D関数キー[Σ]がタッチ操作Tされて選択されると(ステップS1(Yes))、選択された2D関数「Σ」にその要素入力可能エリア(上)Aup,(下)Aun,(右)Arを割り当てた数式が入力数式データメモリ26bに書き込まれると共に数式表示エリア13に表示され(ステップS2)、当該要素入力可能エリア(上)Aup,(下)Aun,(右)Arの方向とその入力エリアの位置情報がRAM26に保持される(ステップS3)。
【0038】
そして、図5(B)に示すように、置数キーパレット12aの数字キー[5]がタッチ操作Tされ右方向Rにドラッグされた後に離されると(ステップA1〜A3(Yes))、ドラッグ軌跡座標メモリ26cに記憶保持されているタッチ位置の軌跡に対応した座標列のデータに基づいて前記ドラッグ方向(右方向R)が算出され(ステップA4)、当該算出されたドラッグ方向(右方向R)に対応した要素入力可能エリアが前記RAM26に保持されているか否か判断される(ステップA5)。
【0039】
ここで、前記数字キー[5]のドラッグ方向(右方向R)に対応した要素入力可能エリア(右)Arがあると判断されると(ステップA5(Yes))、前記RAM26に保持された当該要素入力可能エリア(右)Arの位置情報に従い、前記入力数式データメモリ26bに記憶されている2D関数「Σ」の要素入力可能エリア(右)Arに前記キー入力された数字「5」が入力され、数式表示エリア13に表示される(ステップA6)。
【0040】
続いて、図5(C)に示すように、置数キーパレット12aの数字キー[8]がタッチ操作Tされ下方向UNにドラッグされた後に離されると(ステップA1〜A3(Yes))、前記同様にそのドラッグ方向(下方向UN)が算出され(ステップA4)、当該算出されたドラッグ方向(下方向UN)に対応した要素入力可能エリアが前記RAM26に保持されているか否か判断される(ステップA5)。
【0041】
ここで、前記数字キー[8]のドラッグ方向(下方向UN)に対応した要素入力可能エリア(下)Aunがあると判断されると(ステップA5(Yes))、前記入力数式データメモリ26bに記憶されている2D関数「Σ」の要素入力可能エリア(下)Aunに前記キー入力された数字「8」が入力され、数式表示エリア13に表示される(ステップA6)。
【0042】
一方、前記置数キーパレット12aの数字キーがタッチ操作Tされてドラッグされた方向に対応した要素入力可能エリアがないと判断された場合は(ステップA5(No))、入力不可のエラーメッセージが数式表示エリア13に表示される(ステップA7)。
【0043】
なお、前記図4で示した第1実施形態のデータ入力処理(SA)に対応した数値入力処理(1)は、置数キーパレット12aをタッチ操作Tして数字を入力する処理であるが、他のキーパレット12b,12c,12d,…をタッチ操作Tしてそのキーデータを入力する場合も以下に説明する通り同様の処理となる。
【0044】
すなわち、前記数値入力に続いて、図5(D)に示すように、三角関数キーパレット12dの三角関数キー[sin]がタッチ操作Tされ右方向Rにドラッグされた後に離されると(ステップA1〜A3(Yes))、前記同様にそのドラッグ方向(右方向R)が算出され(ステップA4)、当該算出されたドラッグ方向(右方向R)に対応した要素入力可能エリア(右)Arに対して前記キー入力された三角関数「sin」が入力され、数式表示エリア13に表示される(ステップA6)。
【0045】
図6は、前記タッチパネル式計算装置10の第1,第2実施形態共通の計算モード処理に含まれるデータ入力処理(SA)に対応した演算子入力処理を示すフローチャートである。
【0046】
キー入力エリア12における基本演算子キーパレット12bの演算子キーがタッチ操作Tされドラッグされて離されると(ステップAa1〜Aa3(Yes))、前記同様にそのドラッグ方向が算出される(ステップAa4)。
【0047】
そして、前記算出されたドラッグ方向に対応した要素入力可能エリアがある場合には(ステップAa5(Yes))、当該要素入力可能エリアに対して前記キー入力された演算子が入力され、数式表示エリア13に表示される(ステップAa6)。
【0048】
一方、前記基本演算子キーパレット12bの演算子キーがタッチ操作Tされてドラッグされた方向に対応した要素入力可能エリアがないと判断された場合は(ステップAa5(No))、入力不可のエラーメッセージが数式表示エリア13に表示される(ステップAa7)。
【0049】
また、前記基本演算子キーパレット12bの削除キー[DEL]がタッチ操作Tされドラッグされて離されると(ステップAa8〜Aa10(Yes))、前記同様にそのドラッグ方向が算出される(ステップAa11)。
【0050】
すると、前記算出されたドラッグ方向に対応した要素入力可能エリアに既に入力されて表示されているデータのうち、最後尾のデータが削除されて表示される(ステップAa12)。
【0051】
また、前記基本演算子キーパレット12bのクリアキー[C]がタッチ操作Tされドラッグされて離されると(ステップAa13〜Aa15(Yes))、前記同様にそのドラッグ方向が算出される(ステップAa16)。
【0052】
すると、前記算出されたドラッグ方向に対応した要素入力可能エリアに入力されて表示されているデータが削除されて表示される(ステップAa17)。
【0053】
こうした各種のキーパレット12a,12b,…のキーをタッチ操作Tしてドラッグすることに応じて、所望の2D関数の数式が入力されて数式表示エリア13に表示された状態で、前記基本演算子キーパレット12bの実行キー[EXE]がタッチ操作Tされて演算実行が指示されると(ステップS4)、前記入力数式データメモリ26bに記憶された数式について演算可能か否か判断され(ステップS5)、演算可能と判断されると(ステップS6(Yes))、同数式の演算処理が実行され(ステップS7)、その演算結果が数式表示エリア13に表示される(ステップS8)。
【0054】
なお、前記入力数式データメモリ26bに記憶された数式について、演算不可能と判断された場合は(ステップS6(No))、演算不可能のエラーメッセージが表示される(ステップS9)。
【0055】
したがって、前記構成のタッチパネル式計算装置10による第1実施形態の計算モード処理によれば、2D関数キーパレット12cの所望の2D関数キー[Σ]をタッチ操作Tして複数の要素入力可能エリア(上)Aup,(下)Aun,(右)Arを有する2D数式「Σ」を数式表示エリア13に表示させる。そして、置数キーパレット12aや三角関数キーパレット12d等のキーをタッチ操作Tして前記要素入力可能エリア(上)Aup,(下)Aun,(右)Arに応じた方向(R)にドラッグすると、当該ドラッグ方向(R)に応じた前記2D数式「Σ」の要素入力可能エリア(右)Arにドラッグされたキーの数字[5]や三角関数[sin]等が入力され、2D数式「Σ5sin」として表示される。
【0056】
このため、自然表示される2D数式の各構成要素をその入力位置を分かり易く、非常に簡単且つスムーズに入力して所望の2D数式を完成できる。
【0057】
(第2実施形態)
図7は、前記タッチパネル式計算装置10の第1,第2実施形態共通の計算モード処理に含まれる第2実施形態のデータ入力処理(SB)に対応した数値入力処理(2)を示すフローチャートである。
【0058】
図8は、前記タッチパネル式計算装置10の第2実施形態の計算モード処理に伴うタッチ操作Tに応じた数式入力表示動作を示す図である。
【0059】
例えば、図5(A)で示したように、2D関数キーパレット12cの2D関数キー[Σ]がタッチ操作Tされて選択され(ステップS1(Yes))、選択された2D関数「Σ」にその要素入力可能エリア(上)Aup,(下)Aun,(右)Arを割り当てた数式が数式表示エリア13に表示された状態で(ステップS2,S3)、図8(A)に示すように、置数キーパレット12aの数字キー[5]がタッチ操作Tされると(ステップB1(Yes))、当該タッチ操作Tされた数字キー[5]を中心として、前記RAM26に記憶されている要素入力可能エリア(上)Aup,(下)Aun,(右)Arの方向を示す案内矢印(上)Xup,(下)Xun,(右)Xrが表示される(ステップB2)。
【0060】
そして、図8(B)に示すように、前記数字キー[5]をタッチ操作Tしたまま、前記要素入力可能エリア(上)Aupに応じた案内矢印(上)Xupの方向UPにドラッグしたり、さらに、図8(C)に示すように、別の要素入力可能エリア(右)Arに応じた案内矢印(右)Xrの方向UNRにドラッグしたりすると、その都度、ドラッグ中のタッチ位置が保持されて各対応する案内矢印(上)Xupや(右)Xrが識別表示Hされると共に、数式表示エリア13に表示されている2D関数「Σ」の数式における該当する要素入力可能エリア(上)Aupや(右)Arも識別表示Hされる(ステップB3)。
【0061】
この後、図8(D)に示すように、数字キー[5]をタッチ操作Tしたまま案内矢印(右)Xrに応じた方向にドラッグして離すと(ステップB4(Yes))、前記同様にそのドラッグ方向(右方向R)が算出され(ステップB5)、当該算出されたドラッグ方向(右方向R)に対応した要素入力可能エリア(右)Arに対して前記キー入力された数字「5」が入力され、数式表示エリア13に表示される(ステップB6(Yes)→B7)。
【0062】
一方、前記算出されたドラッグ方向に対応した要素入力可能エリアがないと判断された場合は(ステップB6(No))、入力不可のエラーメッセージが数式表示エリア13に表示される(ステップB8)。
【0063】
したがって、前記構成のタッチパネル式計算装置10による第2実施形態の計算モード処理によれば、2D関数キーパレット12cの所望の2D関数キー[Σ]をタッチ操作Tして複数の要素入力可能エリア(上)Aup,(下)Aun,(右)Arを有する2D数式「Σ」を数式表示エリア13に表示させる。そして、置数キーパレット12a等のキーをタッチ操作Tすると、当該タッチキーを中心として前記要素入力可能エリア(上)Aup,(下)Aun,(右)Arに対応する方向を示す案内矢印(上)Xup,(下)Xun,(右)Xrが表示され、所望の案内矢印(右)Xrまでドラッグして離すと、当該ドラッグ方向(R)に応じた前記2D数式「Σ」の要素入力可能エリア(右)Arにドラッグされたキーの数字[5]が入力され、2D数式「Σ5」として表示される。
【0064】
このため、自然表示される2D数式の各構成要素をその入力位置を分かり易く、非常に簡単且つスムーズに入力して所望の2D数式を完成できる。
【0065】
(第3実施形態)
図9は、前記タッチパネル式計算装置10による第3,第4実施形態共通の計算モード処理を示すフローチャートである。
【0066】
図10は、前記タッチパネル式計算装置10の第3,第4実施形態共通の計算モード処理に含まれる第3実施形態のデータ入力処理(SP)に対応した数値入力処理(3)を示すフローチャートである。
【0067】
図11は、前記タッチパネル式計算装置10の第3実施形態の計算モード処理に伴うタッチ操作Tに応じた数式入力表示動作を示す図である。
【0068】
前記実施形態同様に、計算モードの選択に応じて計算機制御プログラム22aが起動されると、タッチパネル付き表示部11のキー入力エリア12に、置数キーパレット12a、基本演算子キーパレット12b、2D関数キーパレット12c、三角関数キーパレット12dが表示されたとする(図1参照)。
【0069】
2D関数「Σ」に係る数式を入力する場合に、前記図5(A)で示したように、2D関数キーパレット12cの2D関数キー[Σ]がタッチ操作Tされて選択されると(ステップS1(Yes))、選択された2D関数「Σ」にその要素入力可能エリア(上)Aup,(下)Aun,(右)Arを割り当てた数式が入力数式データメモリ26bに書き込まれると共に数式表示エリア13に表示される(ステップS2′,S3′)。
【0070】
なお、ここでは、後述するステップS2′,S3′,SP(P1〜P8),S4の処理に従い、入力パレットキー12Pにより分数パレット(図示せず)を呼び出した上で、基本演算子キーパレット12bや置数キーパレット12aのタッチ&ドラッグ操作に応じた数式入力処理を繰り返すことで、図11(A)に示すように、5つの要素入力可能エリア(上)Aup,(下)Aun,(右上1)Aupr1,(右上2)Aupr2,(右下)Aunrを割り当てた2D関数「Σ」の数式が数式表示エリア13に表示された状態以降の動作について説明する。
【0071】
すなわち、第3実施形態の数値入力処理(3)(図10参照)において(ステップSP)、図11(A)に示すように、置数キーパレット12aの数字キー[5]がタッチ操作Tされると(ステップP1)、入力数式データメモリ26bに記憶されている現在の2D関数「Σ」の数式の異なる要素入力可能エリア(上)Aup,(下)Aun,(右上1)Aupr1,(右上2)Aupr2,(右下)Aunrをそれぞれ別々に識別表示Hさせた各数式が、前記タッチ操作Tされた数字キー[5]の位置を中心として、当該各要素入力可能エリア(上)Aup,(下)Aun,(右上1)Aupr1,(右上2)Aupr2,(右下)Aunrに対応した方向の各キー位置に表示される(ステップP2)。
【0072】
そして、図11(B)に示すように、前記数字キー[5]をタッチ操作Tしたまま、前記要素入力可能エリア(右上1)Aupr1を識別表示Hさせた2D数式「Σ」のキー位置である上方向UPにドラッグしたり、さらに、図11(C)に示すように、別の要素入力可能エリア(右上2)Aupr2を識別表示Hさせた2D数式「Σ」のキー位置である右方向Rにドラッグしたりすると、その都度、ドラッグ中のタッチ位置が保持されて各対応するキー位置が反転表示Mされると共に、数式表示エリア13に表示されている2D数式「Σ」の該当する要素入力可能エリア(右上1)Aupr1や(右上2)Aupr2も識別表示Hされる(ステップP3)。
【0073】
この後、図11(D)に示すように、数字キー[5]をタッチ操作Tしたまま、前記要素入力可能エリア(右上2)Aupr2を識別表示Hさせた2D数式「Σ」のキー位置までドラッグして離すと(ステップP4(Yes))、前記同様にそのドラッグ方向(右上方向UPR)が算出され(ステップP5)、当該算出されたドラッグ方向(右上方向UPR)に対応した要素入力可能エリア(右上2)Aupr2に対して前記キー入力された数字「5」が入力され、数式表示エリア13に表示される(ステップP6(Yes)→P7)。
【0074】
一方、前記算出されたドラッグ方向に対応した要素入力可能エリアがないと判断された場合は(ステップP6(No))、入力不可のエラーメッセージが数式表示エリア13に表示される(ステップP8)。
【0075】
なお、前記図10で示した第3実施形態のデータ入力処理(SP)に対応した数値入力処理(3)は、置数キーパレット12aをタッチ操作Tして数字を入力する処理であるが、他のキーパレット12b,12c,12d,…をタッチ操作Tしてそのキーデータを入力する場合も同様の処理となる。
【0076】
こうした各種のキーパレット12a,12b,…のキーをタッチ操作Tしてドラッグすることに応じて、所望の2D関数の数式が入力されて数式表示エリア13に表示された状態で、前記基本演算子キーパレット12bの実行キー[EXE]がタッチ操作Tされて演算実行が指示されると(ステップS4)、前記入力数式データメモリ26bに記憶された数式について演算可能か否か判断され(ステップS5)、演算可能と判断されると(ステップS6(Yes))、同数式の演算処理が実行され(ステップS7)、その演算結果が数式表示エリア13に表示される(ステップS8)。
【0077】
なお、前記入力数式データメモリ26bに記憶された数式について、演算不可能と判断された場合は(ステップS6(No))、演算不可能のエラーメッセージが表示される(ステップS9)。
【0078】
したがって、前記構成のタッチパネル式計算装置10による第3実施形態の計算モード処理によれば、2D関数キーパレット12cおよび各種キーパレット12a,12b,…のタッチ&ドラッグ操作に応じて複数の要素入力可能エリア(上)Aup,(下)Aun,(右上1)Aupr1,(右上2)Aupr2,(右下)Aunrを有する2D数式「Σ」が数式表示エリア13に表示される。置数キーパレット12aの数字キー[5]をタッチ操作Tすると、当該タッチキーを中心として前記要素入力可能エリア(上)Aup,(下)Aun,(右上1)Aupr1,(右上2)Aupr2,(右下)Aunrに応じた各キー位置に、該当する要素入力可能エリアを識別表示Hさせた2D数式「Σ」が表示され、所望の要素入力可能エリア(右上2)Aupr2を識別表示Hさせた2D数式「Σ」のキー位置までドラッグして離すと、当該ドラッグ方向(UPR)に応じた前記2D数式「Σ」の要素入力可能エリア(右上2)Aupr2にドラッグされたキーの数字[5]が入力され、数式表示エリア13に表示される。
【0079】
このため、自然表示される2D数式の各構成要素をその入力位置を分かり易く、非常に簡単且つスムーズに入力して所望の2D数式を完成できる。
【0080】
(第4実施形態)
図12は、前記タッチパネル式計算装置10の第3,第4実施形態共通の計算モード処理に含まれる第4実施形態のデータ入力処理(SQ)に対応した数値入力処理(4)を示すフローチャートである。
【0081】
図13は、前記タッチパネル式計算装置10の第4実施形態の計算モード処理に伴うタッチ操作Tに応じた数式入力表示動作を示す図である。
【0082】
この第4実施形態の計算モード処理においても、前記第3実施形態での説明と同様に、各種キーパレットのタッチ&ドラッグ操作に応じた数式入力処理を繰り返すことで、図13(A)に示すように、5つの要素入力可能エリア(上)Aup,(下)Aun,(右上1)Aupr1,(右上2)Aupr2,(右下)Aunrを割り当てた2D関数「Σ」の数式が数式表示エリア13に表示された状態以降の動作について説明する。
【0083】
すなわち、第4実施形態の数値入力処理(4)(図12参照)において(ステップSQ)、図13(A)に示すように、置数キーパレット12aの数字キー[5]がタッチ操作Tされると(ステップQ1)、図13(B)に示すように、現在、入力数式データメモリ26bに記憶されている5つの要素入力可能エリア(上)Aup,(下)Aun,(右上1)Aupr1,(右上2)Aupr2,(右下)Aunrが割り当てられた2D数式「Σ」が、前記タッチ操作Tされた数字キー[5]の背景に重ねて表示される(ステップQ2)。
【0084】
そして、図13(C)に示すように、前記数字キー[5]をタッチ操作Tしたまま、その背景に表示された2D数式「Σ」における所望の要素入力可能エリア(右上2)Aupr2にドラッグ(UPR)すると、当該ドラッグ先の要素入力可能エリア(右上2)Aupr2が識別表示Hされる。ここで、図13(D)に示すように、同数字キー[5]のドラッグを離すと(ステップQ3(Yes))、当該数字キー[5]がドラッグされた2D数式「Σ」における要素入力可能エリア(右上2)Aupr2が判別され(ステップQ4)、この判別された要素入力可能エリア(右上2)Aupr2に対してキー入力された数字「5」が入力され、数式表示エリア13に表示される(ステップQ5(Yes)→Q6)。
【0085】
一方、前記数字キー[5]のタッチ&ドラッグを離した位置に要素入力可能エリアがないと判別された場合は(ステップQ5(No))、入力不可のエラーメッセージが数式表示エリア13に表示される(ステップQ7)。
【0086】
なお、前記図12で示した第4実施形態のデータ入力処理(SQ)に対応した数値入力処理(4)は、置数キーパレット12aをタッチ操作Tして数字を入力する処理であるが、他のキーパレット12b,12c,12d,…をタッチ操作Tしてそのキーデータを入力する場合も同様の処理となる。
【0087】
したがって、前記構成のタッチパネル式計算装置10による第4実施形態の計算モード処理によれば、2D関数キーパレット12cおよび各種キーパレット12a,12b,…のタッチ&ドラッグ操作に応じて複数の要素入力可能エリア(上)Aup,(下)Aun,(右上1)Aupr1,(右上2)Aupr2,(右下)Aunrを有する2D数式「Σ」が数式表示エリア13に表示される。置数キーパレット12aの数字キー[5]をタッチ操作Tすると、当該タッチキーの背景に前記要素入力可能エリア(上)Aup,(下)Aun,(右上1)Aupr1,(右上2)Aupr2,(右下)Aunrを有する2D数式「Σ」が重ねて表示され、所望の要素入力可能エリア(右上2)Aupr2までドラッグして離すと、当該ドラッグされた前記2D数式「Σ」の要素入力可能エリア(右上2)Aupr2が判別され、ドラッグされたキーの数字[5]が入力された2D数式「Σ」が数式表示エリア13に表示される。
【0088】
このため、自然表示される2D数式の各構成要素をその入力位置を分かり易く、非常に簡単且つスムーズに入力して所望の2D数式を完成できる。
【0089】
なお、前記各実施形態では、本発明の数式入力装置を、タッチパネル付き表示部11を備えた計算機10として構成したが、これに限らず、マウス等のポインティングデバイスにより表示内容を指定してドラッグ可能な表示部を備えたPC等の電子式計算機として構成してもよい。
【0090】
前記各実施形態において記載したタッチパネル式計算装置10による各処理の手法、すなわち、図3のフローチャートに示す第1,第2実施形態共通の計算モード処理、図4のフローチャートに示す前記第1,第2実施形態共通の計算モード処理に含まれる第1実施形態のデータ入力処理(SA)に対応した数値入力処理(1)、図7のフローチャートに示す前記第1,第2実施形態共通の計算モード処理に含まれる第2実施形態のデータ入力処理(SB)に対応した数値入力処理(2)、図9のフローチャートに示す第3,第4実施形態共通の計算モード処理、図10のフローチャートに示す前記第3,第4実施形態共通の計算モード処理に含まれる第3実施形態のデータ入力処理(SP)に対応した数値入力処理(3)、図12のフローチャートに示す前記第3,第4実施形態共通の計算モード処理に含まれる第4実施形態のデータ入力処理(SQ)に対応した数値入力処理(4)などの各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記憶媒体(23)に格納して配布することができる。そして、タッチパネル式表示部(11)を有する電子式計算機(10)のコンピュータ(CPU21)は、この外部記憶媒体(23)に記憶されたプログラムを記憶装置(22)に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記各実施形態において説明した数式入力機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0091】
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワークN上を伝送させることができ、この通信ネットワークNに接続されたコンピュータ装置(プログラムサーバ30)から前記のプログラムデータをタッチパネル式表示部(11)を有する電子式計算機(10)に取り込んで記憶装置(22)に記憶させ、前述した数式入力機能を実現することもできる。
【0092】
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【0093】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0094】
[1]
数式を構成する複数の要素が未入力の状態で当該数式を表示部に表示させる数式表示手段と、
数式を構成する要素をキーとして表示部に表示させるキー表示手段と、
このキー表示手段により表示されたキーが指定されてドラッグされた動きを認識するドラッグ認識手段と、
このドラッグ認識手段により認識された前記キーのドラッグされた動きに応じて、前記数式表示手段により表示された数式に対する要素入力可能な位置を判断する入力位置判断手段と、
この入力位置判断手段により判断された前記表示中の数式に対する要素入力可能な位置に前記ドラッグされたキーの要素を入力して表示させる要素入力表示手段と、
を備えたことを特徴とする数式入力装置。
【0095】
[2]
前記ドラッグ認識手段は、前記キー表示手段により表示されたキーが指定されてドラッグされた方向を認識し、
前記入力位置判断手段は、前記ドラッグ認識手段により認識された前記キーのドラッグされた方向に応じて、前記数式表示手段により表示された数式に対する要素入力可能な位置を判断する、
ことを特徴とする[1]に記載の数式入力装置。
【0096】
[3]
前記キー表示手段により表示されたキーが指定された場合に、当該指定されたキーの周囲に、前記数式表示手段により表示された数式に対する複数の要素入力可能な位置に応じた方向を表示させる方向案内表示手段を備え、
前記ドラッグ認識手段は、前記キー表示手段により表示されたキーが指定されてドラッグされた方向を認識し、
前記入力位置判断手段は、前記ドラッグ認識手段により認識された前記キーのドラッグされた方向に応じて、前記数式表示手段により表示された数式に対する要素入力可能な位置を判断する、
ことを特徴とする[1]に記載の数式入力装置。
【0097】
[4]
前記キー表示手段により表示されたキーが指定された場合に、当該指定されたキーの周囲の前記数式表示手段により表示された数式に対する複数の要素入力可能な位置に応じた方向に、それぞれその方向に応じた要素入力可能な位置を識別した数式を表示させる数式案内表示手段を備え、
前記ドラッグ認識手段は、前記キー表示手段により表示されたキーが指定されてドラッグされた方向を認識し、
前記入力位置判断手段は、前記ドラッグ認識手段により認識された前記キーのドラッグされた方向に応じて、前記数式表示手段により表示された数式に対する要素入力可能な位置を判断する、
ことを特徴とする[1]に記載の数式入力装置。
【0098】
[5]
前記キー表示手段により表示されたキーが指定された場合に、当該指定されたキーの背景に、前記数式表示手段により表示された数式に対する複数の要素入力可能な位置を割り当てた同数式を表示させる数式背景表示手段を備え、
前記ドラッグ認識手段は、前記キー表示手段により表示されたキーが指定され前記数式背景表示手段により表示された複数の要素入力可能な位置を割り当てた数式上にてドラッグされた位置を認識し、
前記入力位置判断手段は、前記ドラッグ認識手段により認識された前記キーのドラッグされた位置に応じて、前記数式表示手段により表示された数式に対する要素入力可能な位置を判断する、
ことを特徴とする[1]に記載の数式入力装置。
【0099】
[6]
前記キー表示手段により表示されるキーは、数字キー、演算子キー、関数キーである、ことを特徴とする[1]ないし[5]の何れかに記載の数式入力装置。
【0100】
[7]
表示部を備えた電子式計算機のコンピュータを制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
数式を構成する要素が未入力の状態で当該数式を表示部に表示させる数式表示手段、
数式を構成する要素をキーとして表示部に表示させるキー表示手段、
このキー表示手段により表示されたキーが指定されてドラッグされた動きを認識するドラッグ認識手段、
このドラッグ認識手段により認識された前記キーのドラッグされた動きに応じて、前記数式表示手段により表示された数式に対する要素入力可能な位置を判断する入力位置判断手段、
この入力位置判断手段により判断された前記表示中の数式に対する要素入力可能な位置に前記ドラッグされたキーの要素を入力して表示させる要素入力表示手段、
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0101】
10 …タッチパネル式計算装置
11 …タッチパネル付き表示部
12 …キー入力エリア
12a…置数キーパレット
12b…基本演算子キーパレット
12c…2D関数キーパレット
12d…三角関数キーパレット
12P…入力パレットキー
13 …数式表示エリア
21 …制御部(CPU)
22 …記憶装置
22a…計算機制御プログラム
22b…各種入力キーパレット
23 …外部記憶媒体
24 …記憶媒体読み込み部
25 …通信制御部
26 …RAM
26a…表示データメモリ
26b…入力数式データメモリ
26c…ドラッグ軌跡座標メモリ
26d…数式演算データメモリ
30 …Webサーバ(プログラムサーバ)
Aup,Aun,Ar,…要素入力可能エリア
Xup,Xun,Xr,…要素入力可能エリアの案内矢印
H …識別表示
T …タッチ操作
R,UN,UP,…ドラッグ方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
数式を構成する複数の要素が未入力の状態で当該数式を表示部に表示させる数式表示手段と、
数式を構成する要素をキーとして表示部に表示させるキー表示手段と、
このキー表示手段により表示されたキーが指定されてドラッグされた動きを認識するドラッグ認識手段と、
このドラッグ認識手段により認識された前記キーのドラッグされた動きに応じて、前記数式表示手段により表示された数式に対する要素入力可能な位置を判断する入力位置判断手段と、
この入力位置判断手段により判断された前記表示中の数式に対する要素入力可能な位置に前記ドラッグされたキーの要素を入力して表示させる要素入力表示手段と、
を備えたことを特徴とする数式入力装置。
【請求項2】
前記ドラッグ認識手段は、前記キー表示手段により表示されたキーが指定されてドラッグされた方向を認識し、
前記入力位置判断手段は、前記ドラッグ認識手段により認識された前記キーのドラッグされた方向に応じて、前記数式表示手段により表示された数式に対する要素入力可能な位置を判断する、
ことを特徴とする請求項1に記載の数式入力装置。
【請求項3】
前記キー表示手段により表示されたキーが指定された場合に、当該指定されたキーの周囲に、前記数式表示手段により表示された数式に対する複数の要素入力可能な位置に応じた方向を表示させる方向案内表示手段を備え、
前記ドラッグ認識手段は、前記キー表示手段により表示されたキーが指定されてドラッグされた方向を認識し、
前記入力位置判断手段は、前記ドラッグ認識手段により認識された前記キーのドラッグされた方向に応じて、前記数式表示手段により表示された数式に対する要素入力可能な位置を判断する、
ことを特徴とする請求項1に記載の数式入力装置。
【請求項4】
前記キー表示手段により表示されたキーが指定された場合に、当該指定されたキーの周囲の前記数式表示手段により表示された数式に対する複数の要素入力可能な位置に応じた方向に、それぞれその方向に応じた要素入力可能な位置を識別した数式を表示させる数式案内表示手段を備え、
前記ドラッグ認識手段は、前記キー表示手段により表示されたキーが指定されてドラッグされた方向を認識し、
前記入力位置判断手段は、前記ドラッグ認識手段により認識された前記キーのドラッグされた方向に応じて、前記数式表示手段により表示された数式に対する要素入力可能な位置を判断する、
ことを特徴とする請求項1に記載の数式入力装置。
【請求項5】
前記キー表示手段により表示されたキーが指定された場合に、当該指定されたキーの背景に、前記数式表示手段により表示された数式に対する複数の要素入力可能な位置を割り当てた同数式を表示させる数式背景表示手段を備え、
前記ドラッグ認識手段は、前記キー表示手段により表示されたキーが指定され前記数式背景表示手段により表示された複数の要素入力可能な位置を割り当てた数式上にてドラッグされた位置を認識し、
前記入力位置判断手段は、前記ドラッグ認識手段により認識された前記キーのドラッグされた位置に応じて、前記数式表示手段により表示された数式に対する要素入力可能な位置を判断する、
ことを特徴とする請求項1に記載の数式入力装置。
【請求項6】
前記キー表示手段により表示されるキーは、数字キー、演算子キー、関数キーである、ことを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の数式入力装置。
【請求項7】
表示部を備えた電子式計算機のコンピュータを制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
数式を構成する要素が未入力の状態で当該数式を表示部に表示させる数式表示手段、
数式を構成する要素をキーとして表示部に表示させるキー表示手段、
このキー表示手段により表示されたキーが指定されてドラッグされた動きを認識するドラッグ認識手段、
このドラッグ認識手段により認識された前記キーのドラッグされた動きに応じて、前記数式表示手段により表示された数式に対する要素入力可能な位置を判断する入力位置判断手段、
この入力位置判断手段により判断された前記表示中の数式に対する要素入力可能な位置に前記ドラッグされたキーの要素を入力して表示させる要素入力表示手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−37623(P2013−37623A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175108(P2011−175108)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】