説明

整列供給装置

【課題】平面形状が四角形である整列対象物を、姿勢を揃えて整列させて搬送することができる整列供給装置を提供する。
【解決手段】搬送部材としての回転テーブル10と、この回転テーブル10を回転させる回転駆動機構と、整列対象物Wを供給する供給機構と、整列対象物Wを整列させる整列機構15と、整列対象物Wの姿勢を変換する姿勢変換機構30と、整列対象物Wを外部に排出する排出機構50とを備える。姿勢変換機構30は、搬送方向下流側から順次配設された予備案内面32、第一及び第二案内面34,35などを備えたガイド部材31と、整列対象物Wの姿勢を検出する検出センサ38aを有し、その姿勢を判別する姿勢判別部37と、整列対象物Wを第一案内面34側に移動させ、これに当接させるシフト機構39とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整列対象物を整列させて外部に供給する整列供給装置であって、更に詳しくは、搬送部材上に供給される整列対象物を、搬送部材の移動により搬送しつつ、ガイド機構の作用によってその姿勢を揃え、且つ、整列させるように構成された整列供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
前記整列供給装置は、各種加工・検査工程等に先駆けて設けられ、整列対象物の姿勢を各種工程において要求される姿勢に揃え、且つ、整列させて加工・検査装置等へと搬送する。
【0003】
このような整列供給装置として、本願出願人は、既に、国際公開第2009/150960号パンフレットに開示されるものを提案している。
【0004】
この整列供給装置は、平面形状の縦横比が不等比率である形状を有する整列対象物を、その長手方向に整列して外部に供給することができる装置であって、水平回転自在に設けられ、駆動手段によって回転する回転テーブルと、整列対象物を回転テーブル上に供給する供給機構と、回転テーブルの上方に保持プレートによって非回転に保持され、整列対象物の搬送経路を画定するガイド機構などから構成されている。
【0005】
前記ガイド機構は、整列対象物が当接する案内面をそれぞれ有し、回転テーブルの中心側から外周側に向けて順次配設された導入ガイド、第一整列ガイド対、第三整列ガイド対、第二整列ガイド対及び排出ガイド対から構成されている。
【0006】
前記導入ガイドは、供給機構から回転テーブル上に供給され、回転搬送される整列対象物が当接する案内面を備え、この案内面に当接した整列対象物は、当該案内面に沿って搬送されて、案内終端より搬出される。
【0007】
前記第一整列ガイド対は、第一外側ガイドと第一内側ガイドとから構成され、第一外側ガイドは、導入ガイドから搬出された整列対象物が当接し、案内される案内面を回転テーブルの中心側に備え、案内された整列対象物は、案内終端より搬出される。また、第一内側ガイドは、第一外側ガイドから搬出された整列対象物が当接する案内面を回転テーブルの外周側に備え、この案内面に当接した整列対象物は、案内面に沿って搬送されて、案内終端より搬出される。
【0008】
前記第三整列ガイド対は、第三外側ガイドと第三内側ガイドとから構成され、第三外側ガイドは、第一内側ガイドから搬出された整列対象物が当接し案内される案内面を回転テーブルの中心側に備え、案内された整列対象物は、案内終端より搬出される。また、第三内側ガイドは、第三外側ガイドから搬出された整列対象物が当接し、平面視波形に形成された案内面を回転テーブルの外周側に備え、この案内面に当接した整列対象物は、案内面に沿って搬送されて案内終端より搬出される。
【0009】
前記第二整列ガイド対は、第二外側ガイドと第二内側ガイドとから構成され、第二外側ガイドは、第三内側ガイドから搬出された整列対象物が当接し案内される案内面を回転テーブルの中心側に備え、案内された整列対象物は、案内終端より搬出される。また、第二内側ガイドは、第二外側ガイドから搬出された整列対象物が当接する案内面を回転テーブルの外周側に備え、この案内面に当接した整列対象物は、案内面に沿って搬送されて、案内終端より搬出される。
【0010】
前記排出ガイド対は、第二内側ガイドから搬出された整列対象物が当接する案内面を回転テーブルの中心側に備えた排出外側ガイドと、排出外側ガイドの案内面と長手方向に一列に整列された整列対象物が通過可能な間隔で対向した案内面を回転テーブルの外周側に備えた排出内側ガイドとから構成されており、排出外側ガイドの案内面に当接した整列対象物は、この案内面に沿って搬送され、排出ガイド対間に誘導され、外部へと搬送される。
【0011】
上記整列供給装置によれば、回転テーブル上に供給された無秩序な整列対象物は、導入ガイド、第一整列ガイド対、第三整列ガイド対及び第二整列ガイド対への当接を繰り返すことで、段階的に搬送経路が絞り込まれ一列に整列される。この際、第三整列ガイド対の第三内側ガイドの案内面を平面視波形としたことで、ガイドの個数を増やすことなく当接回数を増やすことができる。
【0012】
また、整列対象物が案内面に当接する際の衝撃によって、また、案内面との摩擦によって、搬送方向に対して最も安定した姿勢である長手方向が搬送方向に沿った姿勢に揃えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第2009/150960号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところで、上述した整列供給装置においては、平面形状の縦横比が不等比率である形状を有する整列対象物の姿勢を、整列対象物がとりうる姿勢の安定性の違いを利用することで、長手方向が搬送方向に沿った姿勢に揃えている。
【0015】
従って、次工程が要求する整列対象物の姿勢が、搬送方向に対して整列対象物が最も安定する姿勢である場合においては有効な手段である。
【0016】
ところが、整列対象物の中には、長手方向が存在しない形状をしたものも多く、このような整列対象物を整列させて搬送するためには、更なる改良が必要であった。
【0017】
かかる整列対象物として、例えば、図8に示すチップLEDを挙げることができる。この整列対象物(チップLED)Wは、平面形状が正方形の基部W1と、この基部W1上に形成された半球状のレンズ部W2とからなる。そして、図8(a)における矢示E及びG方向から見た対向二面(側面)には電極W3が形成され(図8(b))、矢示F及びH方向から見た対向二面(側面)には電極が形成されていない(図8(c))。
【0018】
このような整列対象物(チップLED)Wは、通常、基部W1を下にした状態で搬送されるが、この基部W1は縦横比が等しく、長手方向が存在しないため、例えば電極W3が設けられた側面を所定方向に向けて整列させるような場合、上記従来の整列供給装置では、このような姿勢制御ができなかった。
【0019】
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、平面形状が正方形を有する整列対象物でも、特定の側面を搬送方向に向けた状態で整列させることができる整列供給装置の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するための本発明は、
平面形状が四角形の整列対象物を、その姿勢を揃え整列させて系外に排出する整列供給装置であって、
所定の搬送方向に移動する搬送部材を有し、外部から該搬送部材上に供給された前記整列対象物を、前記搬送部材の移動によって前記搬送方向に搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送される前記整列対象物を一列に整列させる整列手段と、
前記整列手段より前記搬送方向下流側に配設され、前記整列手段から搬出された前記整列対象物の整列姿勢を判別し、所定姿勢以外の整列対象物の姿勢を変換する姿勢変換手段と、
前記姿勢変換手段より前記搬送方向下流側に配設され、前記姿勢変換手段を経由して、該姿勢変換手段により所定姿勢で搬出された整列対象物を系外に排出する排出手段とを備えて構成され、
前記姿勢変換手段は、
前記搬送部材の上方に設けられ、前記搬送方向と斜めに交差する第一案内面及び第二案内面からなる段付状の案内面を有し、搬送方向下流側に設けられる第二案内面は上流側に設けられる第一案内面よりも外方に突出しており、更に、該第二案内面が、前記整列手段から搬出された整列対象物の搬送路と斜めに交差するように設けられたガイド部材と、
前記整列手段から搬出された整列対象物の整列姿勢を検出する姿勢検出センサを有し、該検出センサの検出結果を基に、該整列対象物が所定の姿勢であるか否かを判別する姿勢判別部と、
前記姿勢判別部によって所定の姿勢でないと判別された前記整列対象物を、前記第一案内面側に移動させて、該整列対象物を前記第一案内面に当接させるシフト機構とから構成されることを特徴とする整列供給装置に係る。
【0021】
本発明によれば、搬送部材上に供給された平面形状が四角形の整列対象物は、先ず、搬送手段よって搬送され、整列手段によって一列に整列される。
【0022】
次いで、整列手段によって整列され搬出された整列対象物は、姿勢検出センサによってその姿勢が検出され、この検出結果に基づいて、姿勢判別部により整列対象物の姿勢が所定の姿勢か否かが判別され、所定の姿勢であると判別された場合には、その整列対象物はそのまま搬送され、ガイド部材の第二案内面に当接し、この案内面に沿って搬送される。
【0023】
一方、所定の姿勢でないと判別された場合、当該整列対象物はシフト機構によってガイド部材の第一案内面に向けて移動させられ、当該第一案内面に当接する。第一案内面に当接した整列対象物は、この案内面に沿って搬送され、第一案内面と第二案内面との間の段差に当接する。当接後の整列対象物には、搬送部材の移動によって当接した面と交差する向きの力が加えられることで段差を支点としたモーメントが働き、当該整列対象物は搬送方向に向けて90°だけ回転した後、前記第二案内面に当接し、この案内面に沿って搬送される。
【0024】
このように、本発明においては、整列対象物の姿勢を検出し、この検出結果に基づいて所定の姿勢への修正が必要な整列対象物を決定し、修正が必要な整列対象物の姿勢を、90°回転させることで、その姿勢を修正するようにしているので、特に、縦横比が等しい正方形状の整列対象物であっても、これを確実に所定の姿勢に揃えることができる。
【0025】
尚、前記姿勢変換手段は、前記整列手段と排出手段との間に、前記搬送方向に沿って複数連続して配設されていても良く、順次下流側の姿勢変換手段は、そのガイド部材の第二案内面が、上流側の姿勢変換手段から搬出された整列対象物の搬送路と斜めに交差するように設けられ、且つ前記姿勢検出センサが、上流側の姿勢変換手段から搬出された整列対象物の整列姿勢を検出するよう構成されていても良い。
【0026】
この整列供給装置によれば、複数の姿勢変換手段により、その数に応じた回数だけ整列対象物を回転させることができるので、一度の回転では所定姿勢に修正できないものでも、整列対象物の姿勢に応じて必要な回数だけこれを回転させることで、当該整列対象物を所望姿勢に変換することができる。
【0027】
また、前記シフト機構は、
前記整列対象物の搬送路を挟んで前記第一案内面と対峙する位置に配設され、前記整列対象物に向けて気体を吐出する気体吐出部と、
前記気体吐出部に気体を供給する気体供給部とから構成され、
前記気体吐出部は、前記姿勢判定部によって前記整列対象物が所定の姿勢でないと判別された場合に、気体を吐出するように構成されていることが好ましい。
【0028】
吐出された気体の圧力を利用して移動させることで、LEDチップやICチップなど、傷やよごれに比較的弱い整列対象物を移動させる際の外的負荷を抑えることができ、且つ、汚染を防止することができる。
【発明の効果】
【0029】
以上のように、本発明の整列供給装置によれば、平面形状が四角形の整列対象物を、所定の姿勢に確実に揃え、且つ、整列させることができ、特に、従来では達成できなかった、縦横比が等しい正方形の整列対象物であっても、これを所定姿勢に揃えて整列させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第一実施形態に係る整列供給装置の平面図である。
【図2】(a)は図1におけるA部を拡大した拡大図であり、(b)はその矢視C方向の図である。
【図3】図1におけるB部を拡大して示した本発明の第一実施形態に係る整列供給装置の姿勢変換手順を表す説明図であり、(a)は検出センサが整列対象物の側面を検出する際の説明図であり、(b)は気体吐出部から噴出された圧縮空気によって整列対象物が移動する際の説明図である。
【図4】図1におけるB部を拡大して示した本発明の第一実施形態に係る整列供給装置の姿勢変換手順を表す説明図であり、(a)は整列対象物が第一案内面に沿って搬送される際の説明図、(b)は整列対象物が段差を支点として回転する際の説明図である。
【図5】本発明の第二実施形態に係る整列供給装置の平面図である。
【図6】図5におけるD部を拡大して示した本発明の第二実施形態に係る整列供給装置の姿勢変換手順を表す説明図であり、(a)は検出センサが整列対象物の側面を検出する際の説明図、(b)は気体吐出部から噴出された圧縮空気によって整列対象物が移動する際の説明図である。
【図7】図5におけるD部を拡大して示した本発明の第二実施形態に係る整列供給装置の姿勢変換手順を表す説明図であり、(a)は整列対象物が第一案内面に沿って搬送される際の説明図、(b)は整列対象物が段差を支点として回転する際の説明図である。
【図8】(a)は整列対象物の一例を示した平面図である。(b)は、(a)における矢視E方向の裏面図であり、又、矢視G方向の正面図である。(c)は、(a)における矢視F方向の左側面図であり、又、矢視H方向の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の具体的な実施の態様につき、図面に基づいて説明する。
【0032】
(第一実施形態)
まず、本発明の第一実施形態に係る整列供給装置について、図1乃至図4を参照して説明する。尚、本例の整列対象物Wは、図8に示したチップLEDとし、これを、電極W3の設けられた側面(以下、「電極面」という)を搬送方向に向けた状態で一列に整列させるものとする。
【0033】
図1に示すように、本例の整列供給装置1は、基台(図示せず)上に水平回転自在に設けられた搬送部材としての回転テーブル10と、この回転テーブル10を支持して矢示方向に任意の速度で回転させる回転駆動機構12と、回転テーブル10上に整列対象物Wを供給する供給機構(図示せず)と、整列対象物Wを整列させる整列機構15と、回転テーブル10の外周縁部に設けられた外周ガイド14と、整列対象物Wの姿勢を変換する姿勢変換機構30と、所定の姿勢でない整列対象物Wを回転テーブル10の中心側(以下、単に「中心側」という)へ吹き戻す回収機構50と、整列対象物Wを外部に排出する排出機構60とを備えている。
【0034】
前記回転駆動機構12は、回転テーブル10に連結された回転軸13、この回転軸13を回転させる駆動モータ(図示せず)及びこの駆動モータ(図示せず)を制御する制御装置(図示せず)などから構成され、回転テーブル10を回転させることで、この回転テーブル10上に供給された整列対象物Wをその回転方向に搬送する。
【0035】
前記供給機構は、回転テーブル10上の供給部11の上部に設けられたホッパを備え、このホッパに供給された整列対象物Wを、前記供給部11を介して回転テーブル10上に供給する。
【0036】
前記整列機構15は、前記中心側から前記回転テーブル10の外周側(以下、単に「外周側」という)に向け、ほぼ螺旋状に所定間隔で順次配設された円弧状の第一,第二及び第三案内板16,17,18と、適宜支持部材(図示せず)によって回転テーブル10の上方、且つ第一案内板16より搬送方向下流側に支持された高さ規制部20とからなる。
【0037】
前記第一案内板16は、前記支持部材(図示せず)によって回転テーブル10の回転中心に非回転に支持された円筒部材19に、回転テーブル10との間に整列対象物Wが通過できない程度の隙間をもって固設されており、また、前記第二、第三案内板17,18も同様に、回転テーブル10との間に整列対象物Wが通過できない程度の隙間をもって前記支持部材(図示せず)に支持されている。
【0038】
斯くして、これら第一,第二及び第三案内板16,17,18は、回転テーブル10の回転によって搬送される整列対象物Wを、順次前記外周側へと案内し、これにより、当該整列対象物Wを一列に整列させる。
【0039】
前記高さ規制部20は、前記支持部材(図示せず)によって支持された気体吐出部21を備えている。この気体吐出部21には、後述する気体供給部42から常時圧縮空気が供給されており、供給された圧縮空気がその吐出口22から吐出される。
【0040】
この気体吐出部21の吐出口22は、図2に示すように、ほぼ整列対象物Wの高さhと同程度の高さで、且つ回転テーブル10の内周側に向けて圧縮空気を吐出するように配設されており、前記第一案内板16から搬出された整列対象物Wが二段以上に積み重なった状態、又は天地が反転した状態となっている場合には、この吐出口22から吐出される空気流によって、かかる整列対象物Wが前記中心側に吹き戻されるようになっている。
【0041】
尚、吐出口22の位置及びその向きは、上記状態の整列対象物Wを回転テーブル10の内周側に吹き戻すことができるように適宜設定されるものであり、図示した状態に限られるものではない。同様に、吐出口22の口径及びこれから吐出される圧縮空気の圧力も適宜設定される。
【0042】
前記外周ガイド14は、前記支持部材(図示せず)によって回転テーブル10の外周縁部上方、且つ第三案内板18より搬送方向下流側に支持された円弧状の部材からなり、前記第三案内板18から搬出された整列対象物Wが回転テーブル10から脱落するのを防止する役割を担う。
【0043】
前記姿勢変換機構30は、前記第三案内板18より搬送方向下流側に設けられたガイド部材31と、このガイド部材31から搬出された整列対象物Wの姿勢を判別する姿勢判別部37と、姿勢判別部37の判別結果にしたがって整列対象物Wをガイド部材31側に移動させるシフト機構部39とから構成される。
【0044】
前記ガイド部材31は、回転テーブル10の上方に、整列対象物Wが通過できない程度の隙間をもって前記支持部材(図示せず)に支持されており、前記外周側の側面には、搬送方向に向けて順次、予備案内面32、退避面33、第一及び第二案内面34,35が形成され、他方、前記中心側の側面には、排除案内面36が形成されている。
【0045】
前記予備案内面32は、前記第三案内板18から搬出された整列対象物Wの搬送路と斜めに交差するように設けられ、第三案内板18から搬出された当該整列対象物Wの移動を案内する。
【0046】
前記退避面33及び第一案内面34は、前記予備案内面32から搬出された搬送対象物Wの搬送路から、前記中心側に退避した位置に設けられ、通常の状態では、搬送対象物Wと接触しない位置に設けられている。
【0047】
また、前記第二案内面35は、予備案内面32から搬出された整列対象物Wの搬送路と斜めに交差するように設けられている。この第二案内面35は、前記第一案内面34よりも外方(即ち、前記外周側)に突出するよう設けられており、第一案内面34と第二案内面35との間には段差部34aが形成されている。
【0048】
斯くして、この搬送系に外力が働かない通常の状態では、前記第三案内板18から搬出された整列対象物Wは、前記予備案内面32に当接して案内され、この後、第二案内面35に当接して、これによって案内される。
【0049】
尚、図1に示すように、予備案内面32、退避面33及び第一案内面34の一部は、外周ガイド14と対向するように設けられており、上述したごとく、この外周ガイド14によって、整列対象物Wが所定の搬送経路から逸脱するのが防止されている。
【0050】
また、前記排除案内面36は、前記中心側に向けて傾斜した案内面となっており、第三案内板18から搬出された整列対象物Wが、何らかの原因で所定の搬送路から前記中心側に逸脱した場合に、これを前記中心側に向けて戻す役割を果たす。
【0051】
前記姿勢判別部37は、前記外周ガイド14より前記搬送方向下流側に配設された検出センサ38aと、この検出センサ38aからの信号を基に整列対象物Wの姿勢を判別する処理部38bとからなる。検出センサ38aは、投光部及び受光部を備えた同軸ファイバセンサからなり、これら投光部及び受光部が、前記予備案内面32から搬出された整列対象物Wの搬送経路に臨むように配置されている。そして、予備案内面32から搬出された整列対象物Wの側面に前記投光部から光が照射され、その反射光が受光部に受光されて、この受光量に応じた電圧信号が前記処理部38bに出力される。
【0052】
例えば、整列対象物Wが図8に示したチップLEDの場合、電極W3が設けられた側面からの反射光量は、電極W3が設けられていない側面からの反射光量よりも高く、処理部38bに出力される電圧も高い電圧となる。
【0053】
前記処理部38bは、検出センサ38aから出力された電圧信号を受信し、これを所定の基準値と比較して、検出センサ38aが検出した整列対象物Wの側面が所定の側面であるか否かを判別し、所定の側面でない場合には、後述する開閉バルブ41を開く信号を当該開閉バルブ41に送信する。
【0054】
前記シフト機構部39は、前記検出センサ38aの近傍且つこれより搬送方向下流側に設けられ、圧縮空気を吐出する吐出口が、予備案内面32から搬出された整列対象物Wの搬送経路に臨み且つ前記ガイド部材31の第一案内面34と対向するように配置された気体吐出部40と、この気体吐出部40に圧縮空気を供給する気体供給部42と、気体吐出部40と気体供給部42とを接続する配管部に設けられた前記開閉バルブ41とから構成される。
【0055】
そして、この開閉バルブ41には、上述した如く、前記処理部38bから開信号が送信されるようになっており、開閉バルブ41はこの開信号を受信したとき弁を開くようになっている。
【0056】
尚、処理部38bから開閉バルブ41に送信される開信号は、検出センサ38aによって検出された整列対象物Wが気体吐出部40の前方に至るそのタイミングに合わせて送信されるようになっている。検出センサ38aによる検出時点から、整列対象物Wが気体吐出部40の前方に至る時間差は、検出センサ38aと気体吐出部40との間の搬送距離と、整列対象物Wの搬送速度によって異なるが、上記タイミングはこれらを考慮して経験的に設定される。
【0057】
斯くしてこのシフト機構部39によれば、前記処理部38bから前記開閉バルブ41に開信号が送信されると、前記気体吐出部40の吐出口から圧縮空気が吐出され、そして、前記予備案内面32から搬出され、所定の搬送路上を搬送される整列対象物Wは、気体吐出部40から吐出される圧縮空気によって前記ガイド部材31の第一案内面34側に押され、回転が加わることなくほぼ平行移動して、当該第一案内面34に当接する。
【0058】
尚、気体吐出部40の吐出口の口径及び吐出される圧縮空気の圧力は、整列対象物Wをほぼ平行移動させることができるように、適宜設定されている。
【0059】
前記回収機構50は、前記気体吐出部40より前記搬送方向下流側に配設された検出センサ51と、検出センサ51からの信号を基に整列対象物Wの姿勢を判別する処理部52と、配管を介して前記気体供給部42に接続され、当該気体供給部42から供給された圧縮空気を吐出する気体吐出部53と、前記配管に設けられ、前記処理部52から送信される信号を受信して弁を開く開閉バルブ54とから構成される。
【0060】
前記検出センサ51は、前記検出センサ38aと同様に、投光部及び受光部を備えた同軸ファイバセンサからなり、これら投光部及び受光部が、前記第二案内面35から搬出された整列対象物Wの搬送経路に臨むように配置されている。そして、第二案内面35から搬出された整列対象物Wの側面に前記投光部から光が照射され、その反射光が受光部に受光されて、この受光量に応じた電圧信号が前記処理部52に出力される。
【0061】
前記処理部52は、検出センサ51から出力された電圧信号を受信し、これを所定の基準値と比較して、検出センサ51が検出した整列対象物Wの側面が所定の側面であるか否かを判別し、所定の側面でない場合には、前記開閉バルブ54に開信号を送信する。
【0062】
また、前記気体吐出部53は、前記検出センサ51の近傍且つより搬送方向下流側に設けられ、圧縮空気を吐出する吐出口が、第二案内面35から搬出された整列対象物Wの搬送経路に臨むように配置されている。
【0063】
斯くしてこの回収機構50によれば、前記処理部52から前記開閉バルブ54に開信号が送信されると、前記気体吐出部40の吐出口から圧縮空気が吐出され、前記第二案内面35を経て所定の搬送路上を搬送される整列対象物Wは、かかる気体吐出部40から吐出される圧縮空気により、前記中心側に吹き戻される。
【0064】
尚、上述したシフト機構部39に場合と同様に、処理部52から開閉バルブ54に送信される開信号は、検出センサ51によって検出された整列対象物Wが気体吐出部53の前方に至るそのタイミングに合わせて送信されるようになっており、このタイミングは、検出センサ51と気体吐出部53との間の搬送距離と、整列対象物Wの搬送速度を考慮して経験的に設定される。
【0065】
また、前記気体吐出部40と同様に、気体吐出部53の吐出口の口径及びこれから吐出される圧縮空気の圧力は、整列対象物Wを前記中心側に吹き戻すことができるように、適宜設定されている。
【0066】
前記排出機構60は、前記気体吐出部53より搬送方向下流側の位置で、前記回転テーブル10の外周縁部に設けられた外側排出ガイド63と、この外側排出ガイド63と対向するようにその前記中心側に設けられた内側排出ガイド61とから構成され、これら外側排出ガイド63及び内側排出ガイド61は、前記支持部材(図示せず)によって、前記回転テーブル10の上方に、前記整列対象物Wが通過できない程度の隙間をもって支持されている。
【0067】
前記外側排出ガイド63は、前記中心側の側面が、前記搬送方向下流側に向けて順次形成された円弧状案内面64a及び直線状案内面64bからなる案内面64となっており、直線状案内面64bが形成される側の端部が回転テーブル10の外方にまで延設されている。
【0068】
また、内側排出ガイド61は、前記直線状案内面64bと対向する位置に配設され、当該直線状案内面64bと、前記整列対象物Wが通過できる程度の間隔をあけて対向するように設けられ、外側排出ガイド63と同様に、その端部が回転テーブル10の外方にまで延設されている。尚、内側排出ガイド61の、前記外側排出ガイド63と対向する面が案内面62となっている。
【0069】
次に、以上の構成を備えた本例の整列供給装置1により、前記整列対象物Wを搬送しつつ整列するその態様について説明する。
【0070】
先ず、回転駆動機構12によって回転テーブル10を矢視方向に回転させた状態で、前記供給機構(図示せず)により、前記供給部11から当該回転テーブル10上に順次整列対象物Wを供給する。回転テーブル10上に供給された整列対象物Wは、回転テーブル10の回転によって順次その回転方向に搬送され、まず、第一案内板16に当接する。第一案内板16に当接した整列対象物Wは、徐々にその姿勢が整えられながら当該第一案内板16に沿って案内され、当該第一案内板16の終端から搬出される。
【0071】
この第一案内板16から搬出された整列対象物Wは、次に、前記高さ規制部20を通過し、その際、二段以上に積み重なった状態、及び天地が反転した状態の整列対象物Wは、気体吐出部21の吐出口22から吐出されている圧縮空気によって回転テーブル10の中心側へと吹き戻される(図2参照)。
【0072】
一方、基部を下にした状態、且つ個々に分離した状態で搬送される整列対象物Wは、そのまま当該高さ規制部を通過し、第二案内板17,第三案内板18へと順次搬送される。そして、この第二案内板17及び第三案内板18によって案内される過程で、整列対象物Wは、回転テーブル10の中心側から外周側へと移動して、その搬送速度が徐々に速くなり、相互間の間隔が徐々に広がりつつ一列に整列される。
【0073】
ついで、第三案内板18から搬出された整列対象物Wは、前記ガイド部材31の予備案内面32に当接して、この予備案内面32に沿って搬送された後、その終端から搬出される。
【0074】
そして、予備案内面32から搬出された整列対象物Wは、姿勢判別部37によって、その整列姿勢が所定の姿勢であるか否かが判別され、所定姿勢でない整列対象物Wについては、シフト機構部39によってその姿勢が変換される。
【0075】
具体的には、図3(a)に示すように、先ず、検出センサ38aによって、整列対象物Wの側面の性状が検出される。即ち、整列対象物Wが検出センサ38aの前方を通過する際に、当該検出センサ38aの投光部から整列対象物Wの側面に光が照射され、その反射光が受光部に受光されて、その受光量に応じた電圧信号が処理部38bに出力される。
【0076】
そして、処理部38bでは、受信した電圧信号を所定の基準値と比較して、検出センサ38aによって検出された整列対象物Wの側面が所定の側面であるか否かを判別し、所定の側面でない場合には、開閉バルブ41を開く信号を当該開閉バルブ41に送信する。
【0077】
具体的には、図8に示したチップLEDを整列対象物Wとし、その前記電極面を搬送方向に向けて揃える本例では、処理部38bは、受信した電圧信号が所定の基準値より低い場合には、電極面が搬送方向に向いていると判断して、開閉バルブ41に開信号を送信せず、一方、受信した電圧信号が所定の基準値より高い場合には、電極面が搬送方向に向いていないと判断して、開閉バルブ41に開信号を送信する。
【0078】
そして、処理部38bから開閉バルブ41に開信号が送信されると、開閉バルブ41が開き、気体吐出部40から圧縮空気が吐出され、その前方を通過する整列対象物Wは、図3(b)に示すように、気体吐出部40から吐出された圧縮空気によって第一案内面34側に移動せしめられ、当該第一案内面34に当接する。
【0079】
第一案内面34に当接した整列対象物Wは、図4(a)に示すように、第一案内面34に沿って搬送され、段差部34aに至る。そして、整列対象物Wは、この段差部34aに当接することにより、その搬送方向に沿った移動が制止された後、回転テーブル10の回転により、段差部34aを支点としたモーメントの作用を受けて、図4(b)に示すように、前記搬送方向にほぼ90°回転し、このように回転することで当該段差部34aを離脱して、再び前記搬送方向に搬送され、次の案内面たる第二案内面35に当接する。
【0080】
以上のように、姿勢変換機構30では、電極面が搬送方向に向いた姿勢の整列対象物Wについては、そのままの姿勢で同部を通過して第二案内面35から搬出され、一方、電極面が搬送方向に向いていない整列対象物Wについては、90°回転することで当該電極面が搬送方向に向くようにその姿勢が変換された後、第二案内面35から搬出される。
【0081】
尚、段差部34aの段差は、整列対象物Wをスムーズに90°回転させることができれば良く、経験的には、整列対象物Wの一辺の長さの1/5以下程度の寸法にするのが好ましい。
【0082】
次に、前記第二案内面35から搬出された整列対象物Wは、回収機構50によって、最終的な姿勢の良否が確認され、電極面が搬送方向に向いていない整列対象物Wについては、これが回転テーブル10の中心側に向けて吹き戻される。
【0083】
具体的には、整列対象物Wは、まず、検出センサ51の前方を通過することで、前記検出センサ38aと同様にして、当該検出センサ51によってその姿勢が検出され、その結果が電圧信号として処理部52に出力される。
【0084】
処理部52では、前記処理部38bと同様の処理を行い、前記検出センサ51から送信された電圧信号を前記所定の基準値と比較して、整列対象物Wの電極面が搬送方向に向いているか否かを判別し、電極面が搬送方向に向いていないと判断された場合に、開信号を開閉バルブ54に送信する。
【0085】
そして、開閉バルブ54に開信号が送信されると、開閉バルブ54が開き、気体吐出部53から圧縮空気が吐出され、電極面が搬送方向に向いていないと判断された整列対象物Wであって、当該気体吐出部53の前方を通過する整列対象物Wが、吐出された圧縮空気によって回転テーブル10の中心側へと吹き戻され、整列機構15に経由して再度整列し直される。
【0086】
一方、電極面が搬送方向に向いていると判別された整列対象物Wは、そのまま搬送され、以後、外側排出ガイド63の円弧状案内面64aに当接し、この案内面64aに沿って搬送され、外周排出ガイド63と内周排出ガイド61との間に誘導されて、外部へ排出される。
【0087】
以上詳述したように、本例の整列供給装置1によれば、整列機構15により予め整列させた整列対象物Wを、姿勢変換機構30によってその整列姿勢を確認し、整列姿勢が所定の姿勢になっていないものについては、これを90°回転させて所定姿勢に変換するようにしているので、特に、縦横比が等しい正方形状の整列対象物Wであっても、これを確実に所定姿勢に揃えることができる。
【0088】
また、検出センサ38bを用いて、所定の姿勢であるか否かを検出し、姿勢の変換が必要な整列対象物Wのみ、その姿勢の変換を行っているので、他の適正に整列された整列対象物Wの整列状態を乱すことが無く、系全体としての整列状態が安定してものとなる。
【0089】
また、回収機構50によって、整列対象物Wの姿勢を再確認し、所定の姿勢となっていない整列対象物Wについては、これを回転テーブル10の中心側へ吹き戻すようにしているので、所定の姿勢に揃えられた整列対象物Wのみ、これを外部に供給することができる。
【0090】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二の実施形態に係る整列供給装置について、図5乃至図7を参照して説明する。尚、この実施形態においても、整列対象物Wは、図8に示したチップLEDとし、これを、電極W3の設けられた側面(以下、「電極面」という)を搬送方向に向けた状態で一列に整列させるものとする。
【0091】
図5に示すように、この例の整列供給装置70は、矢示方向に回動するベルトを備えたベルトコンベア71と、このベルト上面(搬送面)71a上に整列対象物Wを供給する供給装置72と、整列対象物Wを整列させる整列機構74と、整列対象物Wの姿勢を変換する姿勢変換機構80と、整列対象物Wを外部に排出する排出機構100とからなる。
【0092】
前記供給装置72は、前記搬送面71aの上方且つ搬送方向最上流部に設けられており、当該搬送面71a上に順次整列対象物Wを供給する。
【0093】
前記整列機構74は、前記供給装置72より搬送方向下流側に設けられた案内板75からなる。この案内板75は、前記供給装置72から供給された整列対象物Wの搬送路と斜めに交差するように、前記搬送方向下流側に向けて斜めに設けられており、適宜支持部材(図示せず)によって、前記搬送面71aの上方に支持されている。また、この案内板75の、前記搬送方向上流側の面は、前記供給装置72から供給された整列対象物Wが当接する案内面76となっている。
【0094】
前記姿勢変換機構80は、前記案内板75より更に搬送方向下流側に設けられたガイド部材81と、前記案内板75から搬出された整列対象物Wの姿勢を判別する姿勢判別部85と、姿勢判別部85の判別結果にしたがって整列対象物Wをガイド部材81側に移動させるシフト機構部87とから構成される。
【0095】
前記ガイド部材81は、前記搬送面71aの上方に、整列対象物Wが通過できない程度の隙間をもって前記支持部材(図示せず)に支持されており、その前記上流側の側面には、搬送方向に向けて、第一及び第二案内面82,83が順次形成されている。
【0096】
前記第一案内面82は、前記整列機構74から搬出された搬送対象物Wの搬送路から、退避した位置に設けられ、通常の状態では、搬送対象物Wと接触しない位置に設けられている。
【0097】
一方、前記第二案内面83は、前記整列機構74から搬出された整列対象物Wの搬送路と斜めに交差するように設けられており、更に、前記第一案内面82よりも外方に突出するよう設けられ、第一案内面82と第二案内面83との間には段差部84が形成されている。
【0098】
斯くして、この搬送系に外力が働かない通常の状態では、前記整列機構74から搬出された整列対象物Wは、前記第二案内面83に当接して案内され、ガイド部材81から搬出される。
【0099】
前記姿勢判別部85は、検出センサ86aと、この検出センサ86aからの信号を基に整列対象物Wの姿勢を判別する処理部86bとからなる。検出センサ86aは、投光部及び受光部を備えた同軸ファイバセンサからなり、これら投光部及び受光部が、前記整列機構74から搬出された整列対象物Wの搬送経路に臨むように配置されている。そして、整列機構74から搬出された整列対象物Wの側面に前記投光部から光が照射され、その反射光が受光部に受光されて、この受光量に応じた電圧信号が前記処理部86bに出力される。
【0100】
前記処理部86bは、検出センサ86aから出力された電圧信号を受信し、これを所定の基準値と比較して、検出センサ86aが検出した整列対象物Wの側面が所定の側面であるか否かを判別し、所定の側面でない場合には、後述する開閉バルブ89を開く信号を当該開閉バルブ89に送信する。
【0101】
前記シフト機構部87は、前記検出センサ86aの近傍且つこれより搬送方向下流側に設けられ、圧縮空気を吐出する吐出口が、前記整列機構74から搬出された整列対象物Wの搬送経路に臨み且つ前記ガイド部材81の第一案内面82と対向するように配置された気体吐出部88と、この気体吐出部88に圧縮空気を供給する気体供給部90と、気体吐出部88と気体供給部90とを接続する配管部に設けられた前記開閉バルブ89とから構成される。
【0102】
そして、この開閉バルブ89には、上述した如く、前記処理部86bから開信号が送信されるようになっており、開閉バルブ89はこの開信号を受信したとき弁を開くようになっている。
【0103】
斯くしてこのシフト機構部87によれば、前記処理部86bから前記開閉バルブ89に開信号が送信されると、前記気体吐出部88の吐出口から圧縮空気が吐出される。そして、前記整列機構74から搬出され、所定の搬送路上を搬送される整列対象物Wは、気体吐出部88から吐出された圧縮空気によって前記ガイド部材81の第一案内面82側に押され、回転が加わることなくほぼ平行移動して、当該第一案内面82に当接する。
【0104】
尚、処理部86bから開閉バルブ89に送信される開信号は、検出センサ86aによって検出された整列対象物Wが気体吐出部88の前方に至るそのタイミングに合わせて送信されるようになっており、このタイミングは、検出センサ86aと気体吐出部88との間の搬送距離と、整列対象物Wの搬送速度を考慮して経験的に設定される。
【0105】
尚、気体吐出部88の吐出口の口径及び吐出される圧縮空気の圧力は、整列対象物Wをほぼ平行移動させることができるように、適宜設定されている。
【0106】
前記排出機構100は、前記搬送方向と平行な案内面102を有し、前記ガイド部材81より搬送方向下流側に設けられた第一排出ガイド101と、この第一排出ガイド101の案内面102との間に整列対象物Wが通過できる程度の間隔を隔てて対向するように設けられた案内面104を備えた第二排出ガイド103とからなる。
【0107】
この第一排出ガイド101の前記下流側の端部は、前記搬送面71aの搬送下流端の外方にまで延設され、第二排出ガイド103は、その上流側の端部が前記ガイド部材81の下流側端部と対峙する設けられ、下流側の端部は、前記第一排出ガイド101と同様、前記搬送面71aの搬送下流端の外方にまで延設されている。
【0108】
尚、これら第一排出ガイド101及び第二排出ガイド103も、前記支持部材(図示せず)によって、前記搬送面71aの上方に、整列対象物Wが通過できない程度の隙間をもって支持されている。
【0109】
次に、以上の構成からなる本例の整列供給装置70により、前記整列対象物Wを搬送しつつ整列するその態様について説明する。
【0110】
先ず、ベルトコンベア71を駆動して搬送面71aを矢示方向に移動させた状態で、前記供給装置72により当該搬送面71a上に順次整列対象物Wを供給する。搬送面71a上に供給された整列対象物Wは、その移動方向に搬送され、最初に、前記案内板75に当接する。案内板75に当接した整列対象物Wは、徐々にその姿勢が整えられながら案内面76に沿って搬送され、その終端から搬出される。
【0111】
次いで、案内板75から搬出された整列対象物Wは、姿勢判別部85によって、その整列姿勢が所定の姿勢であるか否かが判別され、所定姿勢でない整列対象物Wについては、シフト機構部87によってその姿勢が変換される。
【0112】
具体的には、図6(a)に示すように、先ず、検出センサ86aによって、整列対象物Wの側面の性状が検出される。即ち、整列対象物Wが検出センサ86aの前方を通過する際に、当該検出センサ86aの投光部から整列対象物Wの側面に光が照射され、その反射光が受光部に受光されて、その受光量に応じた電圧信号が処理部86bに出力される。
【0113】
そして、処理部86bでは、受信した電圧信号を所定の基準値と比較して、検出センサ86aによって検出された整列対象物Wの側面が所定の側面であるか否かを判別し、検出センサ86aによって検出された所定の側面でない場合には、開閉バルブ89を開く信号を当該開閉バルブ89に送信する。
【0114】
より具体的には、処理部86bは、受信した電圧信号が所定の基準値より低い場合には、電極面が搬送方向に向いていると判断して、開閉バルブ89に開信号を送信せず、一方、受信した電圧信号が所定の基準値より高い場合には、電極面が搬送方向に向いていないと判断して、開閉バルブ89に開信号を送信する。
【0115】
そして、処理部86bから開閉バルブ89に開信号が送信されると、開閉バルブ89が開き、気体吐出部88から圧縮空気が吐出され、その前方を通過する整列対象物Wは、図6(b)に示すように、気体吐出部88から吐出された圧縮空気によって第一案内面82側に移動せしめられ、当該第一案内面82に当接する。
【0116】
第一案内面82に当接した整列対象物Wは、図7(a)のように、第一案内面82に沿って搬送され、段差部84に至る。そして、整列対象物Wは、この段差部84に当接することにより、その搬送方向に沿った移動が制止された後、搬送面71aの移動により、段差部84を支点としたモーメントの作用を受けて、図7(b)に示すように、前記搬送方向にほぼ90°回転し、このように回転することで当該段差部84を離脱して、再び前記搬送方向に搬送され、次の案内面たる第二案内面83に当接する。
【0117】
以上のように、姿勢変換機構80では、電極面が搬送方向に向いた姿勢の整列対象物Wについては、そのままの姿勢で同部を通過して第二案内面83から搬出され、一方、電極面が搬送方向に向いていない整列対象物Wについては、90°回転することで当該電極面が搬送方向に向くようにその姿勢が変換された後、第二案内面83から搬出される。
【0118】
尚、段差部84の段差は、整列対象物Wをスムーズに90°回転させることができれば良く、経験的には、整列対象物Wの一辺の長さの1/5以下程度の寸法にするのが好ましい。
【0119】
ついで、以上のようにして電極面が搬送方向に向くようにその姿勢が整えられ、第二案内面83から搬出された整列対象物Wは、第一排出ガイド101と第二排出ガイド103との間の間隔に誘導され、外部へと排出される。
【0120】
このように、上記整列供給装置1と同様に、本例の整列供給装置70によっても、整列機構74により予め整列させた整列対象物Wを、姿勢変換機構80によってその整列姿勢を確認し、整列姿勢が所定の姿勢になっていないものについては、これを90°回転させて所定姿勢に変換するようにしているので、特に、縦横比が等しい正方形の整列対象物Wであっても、これを確実に所定姿勢に揃えることができる。
【0121】
また、検出センサ86bを用いて、所定の姿勢であるか否かを検出し、姿勢の変換が必要な整列対象物Wのみ、その姿勢の変換を行っているので、他の適正に整列された整列対象物Wの整列状態を乱すことが無く、系全体としての整列状態が安定したものとなる。
【0122】
以上、本発明の具体的な実施形態について説明したが、本発明が採り得る具体的な態様は、何らこれに限定されるものではない。
【0123】
例えば、上述した第一実施形態において、前記整列機構15と排出機構60との間に、前記搬送方向に沿って、複数の姿勢変換機構30を連続して配設しても良い。この場合、下流側の姿勢変換機構30は、そのガイド部材31の第二案内面35が、上流側の姿勢変換機構30から搬出された整列対象物Wの搬送路と斜めに交差するように設けられる。
【0124】
第二実施形態においても同様であり、整列機構74と排出機構100との間に、その搬送方向に沿って、複数の姿勢変換機構80を連続して配設しても良い。この場合も同様に、下流側の姿勢変換機構80は、そのガイド部材81の第二案内面83が、上流側の姿勢変換機構80から搬出された整列対象物Wの搬送路と斜めに交差するように設けられる。
【0125】
このようにすれば、複数の姿勢変換手段30,80により、その数に応じた回数だけ整列対象物Wを回転させることができるので、一度の回転では所定姿勢に修正できないものでも、整列対象物Wの姿勢に応じて必要な回数だけこれを回転させることで、当該整列対象物を所望姿勢に変換することができる。
【0126】
また、上記二例の各シフト機構部39,87では、気体を吐出させて整列対象物Wを移動させるようにしたが、これに限られるものではなく、流体圧シリンダなどのアクチュエータを用い、このアクチュエータの動作により整列対象物Wを押して、移動させるようにしても良い。
【0127】
また、前記整列機構15は、特許文献1に開示された整列供給装置のガイド機構から構成されていても良い。
【符号の説明】
【0128】
1 整列供給装置
10 回転テーブル
12 回転駆動機構
15 整列機構
30 姿勢変換機構
31 ガイド部材
32 予備案内面
33 第一案内面
34 段差部
35 第二案内面
38a 検出センサ
38b 処理部
39 シフト機構部
40 気体吐出部
41 開閉バルブ
42 気体供給部
50 回収機構
60 排出機構
70 整列供給装置
71 ベルトコンベア
72 供給装置
74 整列機構
80 姿勢変換機構
81 ガイド部材
82 第一案内面
83 第二案内面
85 姿勢判別部
86a 検出センサ
86b 処理部
87 シフト機構部
88 気体吐出部
89 開閉バルブ
90 気体供給部
100 排出機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面形状が四角形の整列対象物を、その姿勢を揃え整列させて系外に排出する整列供給装置であって、
所定の搬送方向に移動する搬送部材を有し、外部から該搬送部材上に供給された前記整列対象物を、前記搬送部材の移動によって前記搬送方向に搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送される前記整列対象物を一列に整列させる整列手段と、
前記整列手段より前記搬送方向下流側に配設され、前記整列手段から搬出された前記整列対象物の整列姿勢を判別し、所定姿勢以外の整列対象物の姿勢を変換する姿勢変換手段と、
前記姿勢変換手段より前記搬送方向下流側に配設され、前記姿勢変換手段を経由して、該姿勢変換手段により所定姿勢で搬出された整列対象物を系外に排出する排出手段とを備えて構成され、
前記姿勢変換手段は、
前記搬送部材の上方に設けられ、前記搬送方向と斜めに交差する第一案内面及び第二案内面からなる段付状の案内面を有し、搬送方向下流側に設けられる第二案内面は上流側に設けられる第一案内面よりも外方に突出しており、更に、該第二案内面が、前記整列手段から搬出された整列対象物の搬送路と斜めに交差するように設けられたガイド部材と、
前記整列手段から搬出された整列対象物の整列姿勢を検出する姿勢検出センサを有し、該検出センサの検出結果を基に、該整列対象物が所定の姿勢であるか否かを判別する姿勢判別部と、
前記姿勢判別部によって所定の姿勢でないと判別された前記整列対象物を、前記第一案内面側に移動させて、該整列対象物を前記第一案内面に当接させるシフト機構とから構成されることを特徴とする整列供給装置。
【請求項2】
前記整列手段と排出手段との間に、前記搬送方向に沿って複数の前記姿勢変換手段が連続して配設されてなり、
順次下流側の姿勢変換手段は、そのガイド部材の第二案内面が、上流側の姿勢変換手段から搬出された整列対象物の搬送路と斜めに交差するように設けられ、且つ前記姿勢検出センサが、上流側の姿勢変換手段から搬出された整列対象物の整列姿勢を検出するよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の整列供給装置。
【請求項3】
前記シフト機構は、
前記整列対象物の搬送路を挟んで前記第一案内面と対峙する位置に配設され、前記整列対象物に向けて気体を吐出する気体吐出部と、
前記気体吐出部に気体を供給する気体供給部とから構成され、
前記気体吐出部は、前記姿勢判定部によって前記整列対象物が所定の姿勢でないと判定された場合に、気体を吐出するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の整列供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−66894(P2012−66894A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211568(P2010−211568)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(305021292)第一実業ビスウィル株式会社 (23)
【Fターム(参考)】