説明

整形外科用インプラントのための、薬物送達および診断のシステム

【課題】整形外科用インプラント、具体的には薬物送達および診断のシステムを有する整形外科用インプラントを提供する。
【解決手段】薬物送達および診断のシステムは、外部取り付け面114を有する整形外科用インプラント110を備えていてもよい。導管112がこの外部取り付け面114に結合されてもよい。導管112は、注入口、および導管112の長さ方向に沿って形成された複数の穴を有していてもよい。導管112は、注入口と複数の穴との間で流体を通過させるように構成されてもよい。皮下口部14は、流体が流れるように注入口と結合され、流体が注入口を通り、導管112に沿って流体が流れ、さらに整形外科用インプラント110の外部取り付け面114の周りおよび沿って配置された複数の穴の外へ流体が流れるように構成されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願件に関する記述〕
本出願は、米国特許仮出願第61/311,096号明細書(出願日:2010年3月5日)に基づいて特典と優先権を主張し、該特許出願の内容は全て参照によってここに引用されるものとする。
【0002】
〔技術分野〕
本開示は、一般には整形外科用インプラント、具体的には薬物送達および診断のシステムを有する整形外科用インプラントに関連する。
【0003】
〔背景技術〕
本章は、本開示に関連する背景技術情報を提供する。ただし、該情報は必ずしも先行技術ではない。
【0004】
整形外科用インプラントは、例えば損傷を受けた骨および関節を部分的にまたは全体的に置き換えるために、使用されている。ただし、整形外科用人工装具を移植後に、このような整形外科用インプラントを施した部位またはその近くで感染が発生する症例もある。また、整形外科用インプラントと組織との境界面またはその近くでの感染の発症は、検出が困難であることもある。さらに、感染病原体の種類もわからないことがある。症例によっては、感染がやっと検出されたときには、整形外科用インプラントの摘出およびその後の修正手術を含む、浸襲的性の治療法を取るしかないことがある。このような問題を解決するために、薬物でコーティングされた整形外科用インプラントが開発されている。薬物でコーティングされた整形外科用インプラントは、各種の細菌および菌株に対して効果的なコーティングを、インプラントの上に備えている。薬物でコーティングされたインプラントは、一般に整形外科用インプラントを移植した直後、例えば、溶出メカニズムが体液に接触して活性化されたときに、最も効果的である。
【0005】
〔発明の概要〕
本章は本開示の一般的な要約を提供するものであって、権利範囲全体または特徴を全て包括的に開示するものではない。
【0006】
薬物送達および診断のシステムは、外部取り付け面を有する整形外科用インプラントを備えていてもよい。導管がこの外部取り付け面に結合されてもよい。導管は、注入口、および導管の長さ方向に沿って形成された複数の穴を有していてもよい。導管は、上記注入口と複数の穴との間で流体を通過させるように構成されてもよい。皮下口部は、流体が流れるように注入口と結合され、流体が注入口を通り、導管に沿って流体が流れ、さらに上記整形外科用インプラントの外部取り付け面の周りおよび沿って配置された複数の穴の外へ流体が流れるように構成されてもよい。
【0007】
追加的な特徴によれば、上記導管は、外部取り付け面に螺旋状に巻きつけられてもかまわない。導管は、生体適合性を有する金属またはポリマーで形成されてもよい。導管は、例えば、溶接、蝋付け、または接着することによって、上記外部取り付け面に取り付けられてもよい。
【0008】
その他の特徴によれば、薬物送達システムは、ブラインドボア(blind bore)が形成され、このブラインドボアと整形外科用インプラントの外表面とを流体が流れるように接続する少なくとも1つの経路を有する整形外科用インプラントを備えていてもよい。インプラントモジュールは、貯蔵部、第1の高周波(RF)受信装置、流体貯蔵部、および弁を有していてもよく、この弁は、流体が該貯蔵部中に保持される閉位置から、該流体が貯蔵部から外へ流れ出す開位置に選択的に可動する。インプラントモジュールは、該ブラインドボアにおいて整形外科用インプラントに結合するように構成された挿入用端部を有していてもよい。第2のRF送信装置を有する携帯装置が、第1のRF受信装置と通信してもよい。この携帯装置は、第2のRF送信装置から信号を送信するように動作可能であってもよい。第1のRF受信装置は、第2のRF送信装置から上記信号を受け取ると、開位置への弁の移動を開始するように動作可能である。
【0009】
さらなる応用分野は、ここに記載された説明によって明確になる。この要約中の記載および具体的な例は、単に例示することを目的としたものであって、本開示の範囲を限定することを意図したものではない。
【0010】
〔図面の説明〕
ここに記載する図面は、選択された実施形態を単に例示することを目的としたものであって、全ての可能な実施態様を網羅するものではなく、さらに、本開示の範囲を限定することを意図したものではない。
【0011】
図1は、右大腿部の髄内路内に移植された大腿基部を後ろ側から見た透視図である。この大腿基部には、本教示の薬物送達および診断のシステムが組み込まれている。
【0012】
図2は、図1の薬物送達および診断のシステムの分解透視図である。
【0013】
図3は、本教示の追加的な特徴に係る薬物送達および診断のシステムの透視図である。
【0014】
図4は、図1の線4−4に沿った、薬物送達および診断のシステムの断面図であり、患者の皮下に移植された皮下口部に針を挿入する前の状態の該システムを示している。
【0015】
図5は、図4の薬物送達および診断のシステムの断面図であり、大腿基部に形成されたそれぞれの経路を介して流体を送達した後の状態の該システムを示している。
【0016】
図6は、本開示の追加的な特徴にしたがって製作された、遠隔型携帯装置を備える薬物送達システムの分解図である。
【0017】
図7は、本教示の追加的な特徴に係る薬物送達および診断のシステムが組み込まれた臼蓋の透視図である。
【0018】
図8は、本開示のその他の特徴に係る薬物送達および診断のシステムが組み込まれた脛骨トレーの透視図である。
【0019】
図面の各種図全体を通じて、対応する参照番号は、対応する部分を示している。
【0020】
〔発明の詳細な説明〕
次に、添付の図面を参照して、例としての実施形態についてさらに詳細に記載する。大腿基部を図1〜図6に示す。その他のインプラント、例えば臼蓋(図7)、脛骨トレー(図8)などのインプラントを、本開示のシステムとともに使用してもよい。
【0021】
まず図1および図2を参照すると、本教示の一例にしたがって製作された薬物送達および診断のシステムが図示され、一般に参照番号10として識別されている。薬物送達および診断のシステム10は、一般に整形外科用インプラント12、皮下口部14、柔軟なカテーテル16、およびアダプター18を備えている。図示されているように、整形外科用インプラントは、大腿基部20の形態をなしている。以下においてより詳細に記載するように、整形外科用インプラント12に隣接する周辺組織に存在し得る感染の診断を補助するための第1の手順において、プランジャー24および針26を有するシリンジ22は、皮下口部14、柔軟なカテーテル16、およびアダプター18とともに使用され得る。さらに、シリンジ22、プランジャー24、および針26は、抗生物質などの薬物、脂肪または骨髄穿刺液などからの幹細胞を含む細胞療法剤、自家血液成分、またはその他の流動性を有する治療剤を、整形外科用インプラント12に隣接する周辺組織へ送達する第2の手順においてもまた、皮下口部14、カテーテル16、およびアダプター18とともに使用され得る。
【0022】
図1には、大腿基部20は、大腿部30の髄内路28の中に移植された様子が図示されている。図2に最もよく図示されているように、大腿基部20は、一般に、近位本体部34および先端基部36を有する本体32を備えていてもよい。ブラインドボアまたは挿入孔38が、近位本体部34に形成されてもよい。挿入孔38はテーパ形状を有していてもよく、その内径の周囲に形成された溝40を有していてもよい。挿入孔38は、大腿基部20を大腿部30の髄内路に挿入する際に挿入用具(図示せず)との結合ために使用され得る。大腿基部20は、さらに、一次経路42を備えていてもよい流体経路システム40を備えていてもよい。この一次経路42は、挿入孔38と、インプラント12内に規定された一群の二次経路44とに、流体が流れるように結合されている。二次経路44は、大腿基部20の外表面46にまで延びている。一例として、図1の配置例には、6つの二次経路44が示されている。ただし、一次経路42と外表面46とを流体が流れるように接続するために大腿基部20に設置される二次経路の個数を、増やしても減らしても差し支えないことは理解され得る。さらに、二次経路44が、一次経路42および大腿部30の長軸に対して、直角で形成されても、直角ではない角度で形成されてもかまわないことは理解され得る。近位本体部34は、雄のテーパ形状部52を有する首部50をさらに備えていてもよい。具体的には図示していないが、雄のテーパ形状部52は、当該技術分野において公知であるように、大腿骨頭と結合することが可能である。アダプター18は、一般に、長軸方向のテーパ形状を有する挿入用端部56を有するアダプターの本体部54を備え、この挿入用端部56は、外表面に巻きつくように形成されたアダプターの溝58を有している。アダプターのニップル60は、アダプターの本体部54の反対側の端部上で延びていてもよい。アダプターのニップル60は、その上にリブ62を備えていてもよい。
【0023】
皮下口部14は、一般に、口部本体64を備えていてもよく、口部本体64は、その上に配置された人工中隔66を有していてもよい。皮下口部のニップル68は、本体64から延びていてもよい。リブ70が、皮下口部のニップル68の周囲に形成されてもよい。皮下口部14が他の形態を有してもかまわないことは理解され得る。カテーテル16は、各末端部でアダプターのニップル60および皮下口部のニップル68にそれぞれスライドさせて取り付けられ得る。カテーテル16は、汚れ止め剤(抗菌性剤)でコーティングされても、および/または同剤を用いて製作されていてもよい。
【0024】
アダプター18を大腿基部20に取り付ける一例において、アダプターの溝58は、大腿基部20の近位本体部34において、ネジ溝を介して挿入孔38に挿入してもよい。このことに関連して、アダプターの溝58は、挿入孔38の中に設けられた溝40に沿って回転しながら、ネジ溝を介して進入する。ここでも、カテーテル16の各端部を、アダプターのニップル60および皮下口部のニップル68にそれぞれスライドさせてしっかりと固定することができる。カテーテル16は、特定の患者のアクセスに都合のよい領域の皮膚74(図1および図4)の下に皮下口部14を移植することが可能であれば、その患者に適した任意の長さであってもかまわないことは理解され得る。
【0025】
次に図3を参照すると、本教示の追加的な特徴にしたがって製作された薬物送達および診断のシステム110が図示されている。一般に、薬物送達および診断のシステム110は、大腿基部120の外部取り付け面114に形成された溝121に巻きつけられた柔軟な管または導管112を備えていてもよい。溝121は、さらに、大腿基部120の首部よりも上に延びてもよいことがわかる。溝121は、導管112が上記外部取り付け面を超えて延びることができないような深さを有していてもよい。導管112は、一般に、その長さ方向に複数の穴122を備えていてもよい。その他の例では、導管112は、分岐して外部取り付け面114に沿って延びる、1つのまたは一群の直線状またはほぼ直線状の管を備えていてもよい。一例では、導管112は、生体適合性を有する金属性の素材で形成されていてもよく、そして例えば溶接または蝋付けによって、外部取り付け面114に(または、さらに具体的には溝121の中に)取り付けられてもよい。この構成の替わりに、導管は、ポリマーで形成され、粘着剤(例えば接着剤)によって、溝121に取り付けられてもよい。薬物送達および診断のシステム110は、ここで当該薬物送達および診断のシステム10について説明されているように、診断検査中に、皮下口部14およびシリンジ12との協同によって、治療剤を送達および/または体液を抽出してもよい。
【0026】
次に図4および図5を参照しながら、薬物送達および診断のシステム10を用いる第1の方法について説明する。本教示に係る第1の方法では、薬物送達および診断のシステム10を使用して、大腿基部20と大腿部30との境界面で存在している可能性のある細菌を診断するために使用され得る。最初に、外科医が、流体を容器(図示せず)から抜き取る(例えば生理食塩水をシリンジ22へ入れるように)。次に、外科医が、患者の皮膚74に針を刺し、そして皮下口部14の人工中隔66に針を刺し得る。生理食塩水がカテーテル16およびアダプター18を通り、一次的経路42および二次経路44を通って、最後には大腿基部20の外表面46の周辺組織に流れ込むように、プランジャー24は押され得る。この時点で、生理食塩水は細菌を取り除くように作用し、その結果、存在している可能性のある任意の細菌と混合し得る。次に、外科医はプランジャー24を引いて、生理食塩水および外表面46の周囲に存在する体液を吸引する。それから、細菌(および特定の種類など)が、大腿基部20の外表面46の周辺の感染が疑われる部位に存在しているかどうかを決定するために、得られた混合物は培養され得る。
【0027】
次に、特に図5を参照して、第2の方法にしたがって、薬物送達および診断のシステム10について説明する。この第2の方法では、シリンジ22は、治療剤(例えば薬物、細胞療法剤、および/または自家血液成分)を、インプラントと組織との境界面に送達するために使用され得る。ここでも、第1の方法または第2の方法では、薬物送達および診断のシステムが、例えば、大腿基部20の移植直後、大腿基部20の移植から何年か経過した後、あるいは何年も経過した後など、いつ使用されてもかまわないことは理解され得る。大腿基部20と大腿部30との境界面まで流すにはどの流動性薬剤が望ましいのかを外科医が一旦決定すると、外科医は、皮下口部14の人工中隔66に針26を刺し、プランジャー24を押し込んで、流動性薬剤を、カテーテル16およびアダプター18、さらに一次的経路42および二次経路44を介して送達する。こうすることによって、インプラント12の周囲の感染部位に薬物を送達することができるようになる。したがって、本システムは、経口投与または静脈投与による薬物療法に比較して、より効率的かつ効果的である。
【0028】
次に、特に図6には、本教示の追加的な特徴にしたがって製作された薬物送達システム210が図示されている。薬物送達システム210は、一般に、整形外科用インプラント212、インプラントモジュール214、および携帯装置216を備えていてもよい。ここでは特に断らない限り、整形外科用人工装具212は、上記において詳述した大腿基部20と同様に製作され得る。一般に、薬物送達システム210は、遠隔通信によりインプラントモジュール214を操作可能である。その結果、インプラントモジュール214内に収納されている流動性物質(例えば抗生物質)を、整形外科用人工装具212と大腿部220との間の組織の境界面に送達できるようになる。
【0029】
インプラントモジュール214は、一般に、モジュールの溝224を有する挿入用端部222を備えていてもよい。上述のアダプター18と同様に、モジュールの溝224は、整形外科用インプラント212の挿入孔230に設けられたブラインドボアの溝226とネジ溝を介して嵌合するように構成されてもよい。インプラントモジュール214は、貯蔵部232、弁234、駆動部236、および第1の高周波(RF)受信装置238をさらに備えていてもよい。携帯装置216は、一般に、表示装置242、インターフェースパネル244、および第2のRF送信装置248を有する筐体240を備えていてもよい。
【0030】
次に、薬物送達システム210の利用方法の一例について説明する。整形外科用人工装具212と大腿部220との間の組織の境界面まで抗生物質(またはここで記載したその他の流動性物質)を流すことが望ましいと、外科医、医療専門家、または患者が一旦決定すると、携帯装置216の第2のRF送信装置248からから、信号が送信され得る。第2のRF送信装置248から送信された信号を受信すると、第1のRF受信装置238は、駆動部236と通信し、駆動部236に弁234を閉位置から開位置へ移動および開放させる。弁234がこの開位置に移動すると、抗生物質(またはその他の流体)が、一次経路256および二次経路258を通って、整形外科用人工装具212と大腿部220との間の組織の境界面にまで流れ込むことができる。
【0031】
次に図7を参照すると、複数の経路314が組み込まれた整形外科用インプラント312が図示されている。図示されているように、整形外科用人工装具312は、臼蓋320の形態を有する。整形外科用人工装具312は、ここで説明される他の部品(例えば、皮下口部14、カテーテル16、およびシリンジ22)とともに使用することも可能である。臼蓋320を、上述の大腿基部20と同様の様式で使用することも可能であることは言うまでもない。このようにして、流体経路314は、可能性のある感染を診断する際の補助となるために、および/または抗生物質またはその他の流動性物質を臼蓋320の外表面へ送達するために使用可能である。
【0032】
図8には、流体経路332が組み込まれた整形外科用人工装具330が示されている。整形外科用人工装具330は、脛骨トレー334の形態を有する。整形外科用人工装具330は、ここで説明される他の部品(例えば、皮下口部14、カテーテル16、およびシリンジ22)とともに使用可能であることは言うまでもない。このことに関連して、流体経路332は、例えば上述の1つの方法と同様にして、脛骨トレー34の周辺で起こり得る感染を診断する際の補助として使用可能である。同様に、流体経路332は、抗生物質またはその他の流動性物質を脛骨トレーの外表面へ送達するために使用可能である。
【0033】
実施形態についての前記の記載は、例示および記述することを目的としているのであって、包括的または開示に対して限定を加えることを意図するものではない。特定の実施形態の個々の構成要素や特徴は、一般に、その特定の実施形態に限定されるものではなく、例え具体的に図示されたり記載されていたりしなくても、適切な場合には、互換可能、かつ、選択された他の実施形態において使用可能である。本発明は種々の変更が可能であって、このような変形例は、本開示から逸脱するものであると解釈すべきではなく、このような変更はすべて本開示の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、右大腿部の髄内路内に移植された大腿基部を後ろ側から見た透視図である。この大腿基部には、本教示の薬物送達および診断のシステムが組み込まれている。
【図2】図2は、図1の薬物送達および診断のシステムの分解透視図である。
【図3】図3は、本教示の追加的な特徴に係る薬物送達および診断のシステムの透視図である。
【図4】図4は、図1の線4−4に沿った、薬物送達および診断のシステムの断面図であり、患者の皮下に移植された皮下口部に針を挿入する前の状態の該システムを示している。
【図5】図5は、図4の薬物送達および診断のシステムの断面図であり、大腿基部に形成されたそれぞれの経路を介して流体を送達した後の状態の該システムを示している。
【図6】図6は、本開示の追加的な特徴にしたがって製作された、遠隔型携帯装置を備える薬物送達システムの分解図である。
【図7】図7は、本教示の追加的な特徴に係る薬物送達および診断のシステムが組み込まれた臼蓋の透視図である。
【図8】図8は、本開示のその他の特徴に係る薬物送達および診断のシステムが組み込まれた脛骨トレーの透視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外表面およびこの外表面に形成されたネジ溝が切られたテーパ形状のボアを有する整形外科用インプラントであって、
このテーパ形状のボアと外表面に形成された開口部とを、流体が流れるように接続する少なくとも1つの経路を有する整形外科用インプラントと、
ネジ溝が切られた長軸方向のテーパ形状を有する挿入用端部を備えた本体部を有するアダプターであって、該挿入用端部が、ネジ溝を介して該テーパ形状のボアと嵌合するように構成されたアダプターと、
第1の端部および第2の端部を有するカテーテルであって、流体が流れるように第1の端部が該アダプターに接続するように構成されたカテーテルと、
流体が流れるように該カテーテルの第2の端部に結合された皮下口部であって、カテーテルを介してアダプターへ、さらに上記少なくとも1つの経路を介して該開口部から外へ、流体を流すように構成された皮下口部とを備えた、薬物送達および診断のシステム。
【請求項2】
上記アダプターがニップルを有し、
上記カテーテルの第1の端部がこのニップルと嵌合する、請求項1に記載の薬物送達および診断のシステム。
【請求項3】
上記整形外科用インプラントが末端大腿部を備えた、請求項1に記載の薬物送達および診断のシステム。
【請求項4】
上記ネジ溝が切られたテーパ形状のボアが、上記末端大腿部を移植する際に補助となる挿入具を受け入れ可能となっている、請求項3に記載の薬物送達および診断のシステム。
【請求項5】
外部取り付け面を有する整形外科用インプラントと、
この外部取り付け面に結合された導管であって、当該導管は注入口およびこの注入口に形成された少なくとも1つの穴を有し、該注入口と該少なくとも1つの穴との間で流体を通すように構成された導管と、
流体が流れるように該注入口と結合された皮下口部であって、流体が注入口を通り、導管に沿って流体が流れ、さらに上記整形外科用インプラントの外部取り付け面の周りおよび沿って配置された複数の穴の外へ流体が流れるように構成された皮下口部とを備えた、薬物送達および診断のシステム。
【請求項6】
上記導管が、外部取り付け面に螺旋状に巻きつけられている、請求項5に記載の薬物送達および診断のシステム。
【請求項7】
上記導管が、生体適合性を有する金属で形成された、請求項6に記載の薬物送達および診断のシステム。
【請求項8】
上記導管が、外部取り付け面に溶接、蝋付け、または接着された、請求項7に記載の薬物送達および診断のシステム。
【請求項9】
上記少なくとも1つの穴が、導管の長さ方向に形成された複数の穴を含む、請求項5に記載の薬物送達および診断のシステム。
【請求項10】
上記整形外科用インプラントが大腿部の臀部基部を備え、臀部基部が該臀部基部に沿って形成された溝を有し、
該溝が、上記外部取り付け面を少なくとも部分的に含む、請求項5に記載の薬物送達および診断のシステム。
【請求項11】
上記導管が、上記溝の中に配置された、請求項10に記載の薬物送達および診断のシステム。
【請求項12】
ブラインドボアが形成され、このブラインドボアと整形外科用インプラントの外表面とを流体が流れるように接続する少なくとも1つの経路を有する整形外科用インプラントと、
貯蔵部、第1の高周波(RF)受信装置、流体貯蔵部、および弁を有するインプラントモジュールであって、この弁は流体が該貯蔵部中に保持される閉位置および該流体が貯蔵部から外へ流れ出す開位置に選択的に可動し、該ブラインドボアにおいて整形外科用インプラントに結合するように構成された挿入用端部を有するインプラントモジュールと、
上記第1のRF受信装置と通信する第2のRF送信装置を有し、第2のRF送信装置から信号を送信可能な制御装置であって、第1のRF受信装置は、第2のRF送信装置から上記信号を受け取ると、開位置への弁の移動を開始させるように動作可能である制御装置とを備えた、薬物送達および診断のシステム。
【請求項13】
弁を閉位置から開位置へ移動させる駆動部をさらに備えた、請求項12に記載の薬物送達および診断のシステム。
【請求項14】
上記流体が、抗生物質、自家生物製剤、および細胞療法剤のうちの少なくとも1つを備えた、請求項12に記載の薬物送達および診断のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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