説明

整流構造および冷却装置

【課題】流入した流体を横断面が漸次拡大する態様で通過させる拡大通過域部においても流量分布の均一化を図ることができる整粒装置および冷却装置を提供すること。
【解決手段】流入した流体を横断面が漸次拡大する態様で通過させる拡大通過域部61と、互いに隣接する間隙が流体の流路Rとなる態様で拡大通過域部61に配設され、流体の流れを整えるための複数の整流板62とを備えた整流構造60において、複数の整流板62は、各流路Rの前後での流体の流向変化の割合が大きいほど流路の幅が大きくなる態様で配設してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整流構造および冷却装置に関し、より詳細には、流入した流体を横断面が漸次拡大する態様で通過させる拡大通過域部と、互いに隣接する間隙が流体の流路となる態様で上記拡大通過域部に配設された複数の整流部材とを備えた整流構造、並びに該整流構造を有して成り、スターリング冷凍機で発生した冷熱を利用して商品収容庫に収容された商品を冷却するための冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スターリング冷凍機で発生した冷熱を利用して、例えば自動販売機等における複数の商品収容庫に収容された商品を冷却させるための冷却装置としては、図11に示したように、スターリング冷凍機100と、冷媒循環路200とを備えたものが知られている。
【0003】
スターリング冷凍機100は、周知のように、自己冷却型の冷凍機であり、内部のガスを往復圧縮機で圧縮・膨張させることで、冷熱を発生する低温部110と、高温排熱を発生する高温部120とを有している。
【0004】
冷媒循環路200は、内部に冷媒を封入してあり、凝縮熱交換器210と、蒸発熱交換器220と、液体配管230と、気体配管240とを備えて構成されている。ここに、冷媒としては、例えば二酸化炭素等のように常温では気体であって、スターリング冷凍機100の低温部110からの冷熱では凍らないもの(不凍冷媒)が用いられている。
【0005】
凝縮熱交換器210は、スターリング冷凍機100の低温部110に熱的に接続されている。この凝縮熱交換器210では、低温部110で発生した冷熱により冷媒が凝縮されて凝縮液になる。
【0006】
蒸発熱交換器220は、凝縮熱交換器210から所定の距離だけ離隔した位置に配設されている。この蒸発熱交換器220では、外部から得た熱により冷媒が蒸発して蒸気になり、外部の空気を冷却するものである。ここで、蒸発熱交換器220は、図12に示したように、断熱容器400に収容された状態で配設されている。
【0007】
断熱容器400の上面には、複数(図示の例では2つ)のガス吸気口410a,410bが左右一対となる態様で設けられているとともに、複数(図示の例では2つ)のガス送気口420a,420bが左右一対となる態様で設けられている。図12において左側に位置する第1ガス吸気口410aは、図示せぬ一の商品収容庫から流れてくる内部雰囲気(空気)の開口であり、第1ガス送気口420aは、蒸発熱交換器220で熱交換されて冷却された内部雰囲気を一の商品収容庫に戻すための開口である。また、図12において右側に位置する第2ガス吸気口410bは、図示せぬ他の商品収容庫から流れてくる内部雰囲気の開口であり、第2ガス送気口420bは、蒸発熱交換器220で熱交換されて冷却された内部雰囲気を上記他の商品収容庫に戻すための開口である。
【0008】
従って、一の商品収容庫の内部雰囲気は、第1ガス吸気口410aを通じて断熱容器400の内部に流れ、蒸発熱交換器220で熱交換されて冷却された後に、第1ガス送気口420aを通じて一の商品収容庫に流れることになる。また、他の商品収容庫の内部雰囲気は、第2ガス吸気口410bを通じて断熱容器400の内部に流れ、蒸発熱交換器220で熱交換されて冷却された後に、第2ガス送気口420bを通じて他の商品収容庫に流れることになる。つまり、蒸発熱交換器220は、商品収容庫の内部雰囲気を冷却するためのものである。
【0009】
液体配管230は、凝縮熱交換器210と蒸発熱交換器220とを接続するものであり、凝縮熱交換器210で凝縮した冷媒を蒸発熱交換器220まで移動させるためのものである。気体配管240は、液体配管230とは別個に、凝縮熱交換器210と蒸発熱交換器220とを接続するものであり、蒸発熱交換器220で蒸発した冷媒を凝縮熱交換器210まで移動させるためのものである。液体配管230と気体配管240との配置関係は、気体配管240が液体配管230の上方に位置するようになっている。これは、気体配管240を通る冷媒の密度が、液体配管230を通る冷媒の密度よりも小さいためである。
【0010】
そのような冷却装置では、冷媒が、上記冷媒循環路200において液体配管230および気体配管240を移動して、凝縮熱交換器210と蒸発熱交換器220との間を相変化しながら循環することにより、スターリング冷凍機100の低温部110で発生した冷熱は蒸発熱交換器220まで移送されることになる。そして、かかる蒸発熱交換器220で各ガス吸気口410a,410bを通じて流れてきた内部雰囲気が冷却され、その後各ガス送気口420a,420bを通じて各商品収容庫内に流れることにより、商品収容庫に収容された商品が冷却されることになる。
【0011】
しかしながら、上記冷却装置においては、図示の例から明らかなように、ガス吸気口410a,410bから断熱容器400の内部に流れる内部雰囲気の横断面が急激に拡大することになる。つまり、断熱容器400の内部には、ガス吸気口410a,410bから流入した内部雰囲気を横断面が漸次拡大する態様で通過させる拡大通過域部610が存在する。そのため、断熱容器400の内部に流入した内部雰囲気は、拡大通過域部610で乱流してしまう結果、断熱容器400の内部を均一に流れずに偏流してしまう虞れがあった。すなわち、断熱容器400の内部を流れる内部雰囲気の流量分布にばらつきが生じる虞れがあった。そのような内部雰囲気の流量分布のばらつきは、蒸発熱交換器220を介しての内部雰囲気と冷媒との間で所望の熱交換を行うことができず、冷却性能を低下させる要因にもなっている。
【0012】
そこで、そのような拡大通過域部における内部雰囲気等の流体による乱流の発生を防止することを目的として、該拡大通過域部に流体の流れを整えるための複数の整流板を設ける技術が提案されている。かかる技術においては、互いに隣接する間隙が流体の流路となる態様で複数の整流板が設けられており、各流路の出口の横断面積が均等になるよう整流板の間隔が等しくなっている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0013】
【特許文献1】特開平10−122208号公報
【特許文献2】特開2003−301811号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところが、上記技術では、各流路の出口の横断面積が均等になるよう整流板の間隔を等しくしているために、中央領域の流路を流れる流体の流量に比して、側方領域の流路を流れる流体の流量が相対的に小さくなってしまう。つまり、各流路を流れる流体の流量に偏りが生じてしまい、流量分布にばらつきが生じてしまうことになる。このような現象が生じてしまうのは、拡大通過域部においては、側方領域の流路を流れる流体の該流路の前後での流向変化の割合が、中央領域の流路を流れる流体の該流路の前後での流向変化の割合よりも大きいために乱流が生じてしまうものと考えられている。より詳細には、側方領域の流路では、該流路の前後での流向変化が大きいため、該流路において流路の出口に向かう流体の流れを阻害する力が中央領域の流路よりも相対的に大きく作用するためであると考えられる。特に、上記断熱容器400のように拡大通過域部610の長さが短い場合には、流量分布のばらつきが顕著である。
【0015】
従って、上記技術では、拡大通過域部における流体の流量分布の均一化を図るための根本的解決には至っていない。
【0016】
本発明は、上記実情に鑑みて、流入した流体を横断面が漸次拡大する態様で通過させる拡大通過域部においても流量分布の均一化を図ることができる整粒装置および冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る整流構造は、流入した流体を横断面が漸次拡大する態様で通過させる拡大通過域部と、互いに隣接する間隙が前記流体の流路となる態様で前記拡大通過域部に配設され、前記流体の流れを整えるための複数の整流部材とを備えた整流構造において、前記複数の整流部材は、各流路の前後での流体の流向変化の割合が大きいほど流路の幅が大きくなる態様で配設してあることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項2に係る整流構造は、上記請求項1において、前記複数の整流部材は、隣り合う流路のうち中央側よりも外側の流路の方が相対的に幅が大きくなる態様で配設してあることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項3に係る整流構造は、上記請求項1または上記請求項2において、前記複数の整流部材のそれぞれの上流部が、前記拡大通過域部の入口となる流入口に対して垂直となる方向に延びる態様で屈曲してあることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の請求項4に係る整流構造は、上記請求項1〜3のいずれか一つにおいて、前記複数の整流部材のそれぞれの下流部が、前記拡大通過域部の出口となる流出口に対して垂直となる方向に延びる態様で屈曲してあることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の請求項5に係る冷却装置は、商品収容庫の内部雰囲気を、該商品収容庫の内部と外部との間で循環させる内部雰囲気循環手段と、スターリング冷凍機で発生した冷熱を移送するための冷熱移送手段と、前記冷熱移送手段により移送した冷熱を利用して、前記内部雰囲気循環手段により循環させた内部雰囲気を冷却する蒸発熱交換器とを備え、前記商品収容庫に収容された商品を冷却するための冷却装置において、前記内部雰囲気循環手段は、前記商品収容庫から流入した内部雰囲気を横断面が漸次拡大する態様で通過させる拡大通過域部と、互いに隣接する間隙が前記内部雰囲気の流路となる態様で前記拡大通過域部に配設され、前記内部雰囲気の流れを整えるための複数の整流部材とを備え、前記複数の整流部材は、各流路の前後での内部雰囲気の流向変化の割合が大きいほど流路の幅が大きくなる態様で配設してあることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の請求項6に係る冷却装置は、上記請求項5において、前記複数の整流部材は、隣り合う流路のうち中央側よりも外側の流路の方が相対的に幅が大きくなる態様で配設してあることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の請求項7に係る冷却装置は、上記請求項5または上記請求項6において、前記複数の整流部材のそれぞれの上流部が、前記拡大通過域部の入口となる流入口に対して垂直となる方向に延びる態様で屈曲してあることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の請求項8に係る冷却装置は、上記請求項5〜7のいずれか一つにおいて、前記複数の整流部材のそれぞれの下流部が、前記拡大通過域部の出口となる流出口に対して垂直となる方向に延びる態様で屈曲してあることを特徴とする。
【0025】
また、本発明の請求項9に係る冷却装置は、上記請求項5〜8のいずれか一つにおいて、前記複数の蒸発熱交換器は、断熱容器に収容してあり、前記内部雰囲気循環手段は、商品収容庫と断熱容器との間で断熱構造を保持した態様で内部雰囲気を循環させることを特徴とする。
【0026】
また、本発明の請求項10に係る冷却装置は、上記請求項5〜9のいずれか一つにおいて、前記内部雰囲気循環手段は、前記商品収容庫の内部と外部との間における前記内部雰囲気の移動を必要に応じて遮断するための遮断手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明の整流構造によれば、複数の整流部材は、各流路の前後での流体の流向変化の割合が大きいほど流路の幅を大きくなる態様で配設してあるので、拡大通過域部を流れる内部雰囲気の流量分布の均一化を図ることができるという効果を奏する。
【0028】
また、本発明の冷却装置によれば、内部雰囲気循環手段における複数の整流部材は、各流路の前後での内部雰囲気の流向変化の割合が大きいほど流路の幅が大きくなる態様で配設してあるので、各流路出口において通過する内部雰囲気の流量分布の均一化を図ることができる。従って、内部雰囲気が偏流する虞れがなく、蒸発熱交換器を介して所望の熱交換を行うことができ、良好な冷却性能を維持することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る整流構造および冷却装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。尚、以下においては、説明の便宜上、冷却装置を中心に説明しながら、整流構造についても適宜説明する。また、冷却装置は、自動販売機に適用されるものとして説明する。
【0030】
図1および図2は、それぞれ本発明の実施の形態に係る冷却装置が適用された自動販売機の構成を示したものであり、図1は斜視図であり、図2は断面側面図である。これらの図1および図2において、自動販売機は、本体キャビネット1を備えている。
【0031】
本体キャビネット1は、前面が開口した直方状の断熱筐体として形成したものである。この本体キャビネット1には、その前面に外扉2と内扉3とが設けてあり、その内部に例えば断熱仕切板4によって仕切られた二つの独立した商品収容庫5a,5bが左右に並んだ態様で設けてある。より詳細に説明すると、外扉2は、本体キャビネット1の前面開口を開閉するためのものである。内扉3は、商品収容庫5a,5bの前面を開閉するためのものである。商品収容庫5a,5bは、飲料缶やペットボトルを所望の温度に維持した状態で収容するためのものである。
【0032】
商品収容庫5a,5bには、それぞれ、商品収納ラック6a,6b、搬出機構7および商品搬出シュータ8が設けてある。商品収納ラック6a,6bは、缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品Wを上下方向に沿って並ぶ態様で収納するためのものである。搬出機構7は、商品収納ラック6a,6bの下部に設けてあり、この商品収納ラック6a,6bに収納された商品群のうち最下部にある商品Wを一つずつ搬出するためのものである。商品搬出シュータ8は、搬出機構7からの搬出された商品Wを外扉2に設けた商品取出口2aに導くためのものである。
【0033】
上記本体キャビネット1の内部において商品収容庫5a,5bの外部となる機械室9には、冷却装置が配設してある。冷却装置は、図3にも示したように、スターリング冷凍機10と、冷媒循環路20と、放熱ユニット30と、循環ユニット50とを備えて構成してある。
【0034】
スターリング冷凍機10は、横置きに載置してあり、稼動することにより冷熱を発生する低温部11と、高温排熱を発生する高温部12とを有している。
【0035】
冷媒循環路20は、内部に冷媒を封入してあり、凝縮熱交換器21と、蒸発熱交換器22と、液体配管23と、気体配管24とを備えて構成してある。ここに、冷媒としては、例えば二酸化炭素等のように常温では気体であって、スターリング冷凍機10の低温部11からの冷熱では凍らないもの(不凍冷媒)が用いられている。
【0036】
凝縮熱交換器21は、スターリング冷凍機10の低温部11に熱的に接続してあり、より詳細には、低温部11の外周面に接した態様で配設してある。この凝縮熱交換器21の内部には、図には明示しないが、冷媒の通過路となる複数の細管が一列に並ぶ態様で形成してある。このような凝縮熱交換器21では、低温部11で発生した冷熱により各細管を通過する冷媒が凝縮されて凝縮液になる。
【0037】
蒸発熱交換器22は、凝縮熱交換器21から所定の距離だけ離隔した位置に配設してあり、商品収容庫5a,5bの下方に配設された後述する断熱容器40の内部に収容してある。この蒸発熱交換器22は、商品収容庫5a,5bの内部雰囲気(空気)を冷却するためのものである。このような蒸発熱交換器22では、図4に示したように、下方から上方に向かって蛇行する形態を成し、内部に冷媒が通過する蛇行状通路22aが形成してあるとともに、該蛇行状通路22aに熱的に接続した態様で多数のフィン22bが左右方向に並ぶ態様で形成してある。より詳細には、蛇行状通路22aは、例えばアルミニウム材を材料として押出成形されたものであり、フィン22bは、例えば、厚さが0.2mmで、4mmピッチで配設してある。図4中の符号22cは、入口ヘッダであり、液体配管23と接続してあり、符号22dは、出口ヘッダであり、気体配管24と接続してある。
【0038】
上記蒸発熱交換器22においては、蛇行状通路22aを通過する冷媒が断熱容器40の内部空気から得た熱により蒸発して蒸気になる。換言すると、蒸発熱交換器22の周辺領域である断熱容器40の内部空気は、蛇行状通路22aを通過する冷媒が蒸発することによって熱が奪われることになり、冷却される。
【0039】
液体配管23は、凝縮熱交換器21と蒸発熱交換器22とを繋ぐ管路である。この液体配管23は、凝縮熱交換器21で凝縮した冷媒を、該凝縮熱交換器21から蒸発熱交換器22まで移動させるためのものである。
【0040】
気体配管24は、上記液体配管23とは別個に、凝縮熱交換器21と蒸発熱交換器22とを繋ぐ管路である。この気体配管24は、蒸発熱交換器22で蒸発した冷媒を、該蒸発熱交換器22から凝縮熱交換器21まで移動させるためのものである。
【0041】
液体配管23と気体配管24との配置関係は、気体配管24が液体配管23の上方に位置するようにしてある。これは、気体配管24を通過する冷媒の密度が、液体配管23を通過する冷媒の密度よりも小さいためである。このような冷媒循環路20では、冷媒が凝縮熱交換器21と蒸発熱交換器22との間で相変化を繰り返しながら循環することになる。かかる冷媒循環路20のような構成は、ループ型サーモサイフォン式ヒートパイプと呼ばれるものである。
【0042】
放熱ユニット30は、スターリング冷凍機10の高温部12から得た高温排熱を自動販売機の外部に放出するためのものである。この放熱ユニット30は、内部に冷媒を封入してあり、放熱熱交換器31と、空気熱交換器32と、第1輸送ライン33と、第2輸送ライン34とを備えて構成してある。ここに、冷媒としては、種々のものを用いることができるが、一例としては不凍液が用いられる。以下においては、冷媒の一例として不凍液が用いられた場合について説明する。
【0043】
放熱熱交換器31は、スターリング冷凍機10の高温部12に熱的に接続してある。この放熱熱交換器31は、内部の冷媒に高温部12からの高温排熱を受熱させるものである。
【0044】
空気熱交換器32は、スターリング冷凍機10(放熱熱交換器31)から所定の距離だけ離隔した位置に配設してある。この空気熱交換器32は、内部の冷媒に放熱させるものである。該空気熱交換器32では、内部に冷媒が通過するための蛇行状通路が形成してあり、該蛇行状通路を通過する冷媒が放熱熱交換器31で受熱した高温排熱を周囲空気へ放熱する。これにより、周囲空気は、高温排熱により加熱される。そして、空気熱交換器32の周囲の所定個所には、庫外送風ファン35が設けてある。庫外送風ファン35は、空気熱交換器32の内部に送り込まれた外気を外部に放出するためのものである。
【0045】
第1輸送ライン33は、放熱熱交換器31と空気熱交換器32とを繋ぐ管路である。この第1輸送ライン33は、放熱熱交換器31で高温排熱を受熱した冷媒を空気熱交換器32に移動させるためのものである。
【0046】
第2輸送ライン34は、上記第1輸送ライン33とは別個に、放熱熱交換器31と空気熱交換器32とを繋ぐ管路である。この第2輸送ライン34は、空気熱交換器32で放熱した冷媒を放熱熱交換器31に移動させるためのものである。また、第2輸送ライン34には、冷媒を循環させるための循環ポンプ36が配設してあると共に、レシーバータンク37が配設してある。従って、放熱ユニット30では、冷媒が放熱熱交換器31と空気熱交換器32との間で循環ポンプ36の作用により循環することになる。
【0047】
循環ユニット50は、背面ダクト51と、断熱容器40と、庫内送風ファン52と、送気切換シャッタ53と、吸気切換シャッタ54とを備えて構成してある。
【0048】
背面ダクト51は、各商品収容庫5a,5bの内部の背面側に配設してあり、図には明示しないが、各商品収容庫5a,5bの下部から商品収納ラック6a,6bに収納された商品群の所定の高さに対応する位置、すなわち該商品群の略中間領域に対応する位置まで延設してある。この背面ダクト51の下部の前方には、ヒータHを内蔵したヒータルーム55が設けてある。背面ダクト51は、ヒータルーム55と吸入口55aを通じて連通してある。
【0049】
断熱容器40は、上述したように商品収容庫5a,5bのそれぞれの底面に接した態様で、より詳細には、商品収容庫5a,5bのそれぞれと断熱構造を保持した態様で配設してある。この断熱容器40について詳しく説明すると次のようになる。
【0050】
図5〜図7は、それぞれ断熱容器の構造を示したものであり、図5は、内部構造が視認できるように断熱容器の後面を省略して示した斜視図であり、図6は、断面背面図であり、図7は、断面側面図である。これら図5〜図7に示したように、断熱容器40は、吸気管路41と送気管路42とを有しており、吸気管路41は、断熱容器40の内部の後方側にあって各商品収容庫5a,5bの背面ダクト51と連設してあり、送気管路42は、断熱容器40の内部の前方側にあって各商品収容庫5a,5bの底面と連設してある。吸気管路41には、各商品収容庫5a,5bの背面ダクト51との境界、すなわち断熱容器40の後方側上面にガス吸気口41a,41bが設けてある一方、送気管路42には、各商品収容庫5a,5bの内部との境界、すなわち断熱容器40の前方側上面にガス送気口42a,42bが設けてある。ここに、ガス吸気口41a(以下、第1ガス吸気口41aともいう)およびガス送気口42a(以下、第1ガス送気口42aともいう)は、一の商品収容庫5aに対応するものであり、ガス吸気口41b(以下、第2ガス吸気口41bともいう)およびガス送気口42b(以下、第2ガス送気口42bともいう)は、他の商品収容庫5bに対応するものである。
【0051】
図5〜図7において、符号40aは、側方断熱材であり、符号40bは、上方断熱材である。これら側方断熱材40aおよび上方断熱材40bに封止されることにより、吸気管路41と送気管路42とは、蒸発熱交換器22を介して連通していることになる。
【0052】
そして、上記断熱容器40の内部である吸気管路41には、整流構造60が形成してある。整流構造60は、拡大通過域部61と、複数の整流板(整流部材)62とを備えて構成してある。
【0053】
拡大通過域部61は、ガス吸気口41a,41bから流入した内部雰囲気を横断面が漸次拡大する態様で通過させる領域である。具体的には、吸気管路41の内部において、ガス吸気口41a,41bから蒸発熱交換器22の上部に対応する位置に至る領域である。つまり、拡大通過域部61では、ガス吸気口41a,41bが内部雰囲気の流入口となり、上記蒸発熱交換器22の上部に対応する位置が内部雰囲気の流出口61bとなる。以下においては、吸気管路41の内部における蒸発熱交換器22の上部に対応する位置を、便宜上、流出口61bと称して説明する。
【0054】
複数の整流板62は、ガス吸気口41a,41bから流入した内部雰囲気の流れを整えるためのものであり、互いに隣接する間隙が内部雰囲気の流路Rとなる態様で拡大通過域部61に配設してある。より詳細に説明すると、整流板62は、それぞれの上端部分(上流部分)がガス吸気口41a,41bに達するとともに、それぞれの下端部分(下流部分)が流出口61bに達する態様で、上方断熱材40bに支持されて配設してある。そして、整流板62は、図8に示したように、各流路Rの前後での内部雰囲気の流向変化の割合、すなわち、ガス吸気口41a,41b付近における内部雰囲気の流向と、流出口61b付近における内部雰囲気の流向との変化の割合が大きいほど流路Rの幅が大きくなる態様で配設してある。具体的には、各流路Rの前後での内部雰囲気の流向変化の割合が相対的に大きくなる側方の流路Rの幅が大きくなる態様で配設してある。つまり、隣り合う流路Rのうち中央よりも側方の流路Rの方が相対的に幅が大きくなる態様で配設してある。また、整流板62は、それぞれの上端部(上流部)62aがガス吸気口41a,41bに対して垂直となる方向に延びる態様で屈曲してあるとともに、それぞれの下端部(下流部)62bが、流出口61bに対して垂直となる方向に延びる態様で屈曲してある。
【0055】
庫内送風ファン52は、商品搬出シュータ8の下部であって、ヒータルーム55の前方に配設してある。より詳細には、庫内送風ファン52は、上記ガス送気口42a,42bの近傍に配設してあり、ヒータルーム55と吹出口55bを通じて連通してある。この庫内送風ファン52は、商品収容庫5a,5bの内部雰囲気を循環させるためのものである。
【0056】
送気切換シャッタ53は、ガス送気口42a,42bおよび吹出口55bを開閉するものである。具体的には、ガス送気口42a,42bを開成状態にする場合には、吹出口55bを閉成状態にするものであり、逆に吹出口55bを開成状態にする場合には、ガス送気口42a,42bを閉成状態にするものである。
【0057】
吸気切換シャッタ54は、ガス吸気口41a,41bおよび吸入口55aを開閉するものである。具体的には、ガス吸気口41a,41bを開成状態にする場合には、吸入口55aを閉成状態にするものであり、逆に吸入口55aを開成状態にする場合には、ガス吸気口41a,41bを閉成状態にするものである。
【0058】
また、送気切換シャッタ53および吸気切換シャッタ54は、それぞれの開閉動作が連係しており、送気切換シャッタ53がガス送気口42a,42bを開成状態にする場合には、吸気切換シャッタ54がガス吸気口41a,41bを開成状態にし、送気切換シャッタ53がガス送気口42a,42bを閉成状態にする場合には、吸気切換シャッタ54がガス吸気口41a,41bを閉成状態にする。これにより、送気切換シャッタ53がガス送気口42a,42bを開成状態にする場合には、吸気切換シャッタ54がガス吸気口41a,41bを開成状態にするから、断熱容器40と商品収容庫5a,5bの内部とが連通状態になる。
【0059】
以上のような構成を有する冷却装置は、次のようにして商品収容庫5a,5bに収容された商品Wを冷却する。ここでは、すべての商品収容庫5a,5bに収容された商品Wを冷却する場合について説明する。この場合において、送気切換シャッタ53がガス送気口42a,42bを開成状態にし、かつ吸気切換シャッタ54がガス吸気口41a,41bを開成状態にしているものとして説明する。
【0060】
冷却装置の冷媒循環路20では、スターリング冷凍機10の低温部11からの冷熱を次のようにして蒸発熱交換器22まで移送して、断熱容器40の内部空気を冷却する。低温部11に熱的に接続している凝縮熱交換器21において急激に冷却されて凝縮液になった冷媒が、その重力により液体配管23を通じて蒸発熱交換器22まで移動する。この蒸発熱交換器22において、冷媒は、該蒸発熱交換器22を収容する断熱容器40の内部空気の熱により蒸発して蒸気になる。つまり、断熱容器40の内部空気は熱が奪われることになり、これにより、断熱容器40の内部空気は冷却される。ところで、蒸発熱交換器22において蒸発して蒸気になった冷媒は、気体配管24を通じて凝縮熱交換器21まで移動し、該凝縮熱交換器21で再び凝縮液になって上記サイクルを繰り返すことになる。
【0061】
冷却装置の放熱ユニット30では、スターリング冷凍機10の高温部12からの高温排熱を次のようにして自動販売機の外部に放出する。高温部12に熱的に接続している放熱熱交換器31において受熱した冷媒が、第1輸送ライン33を通じて空気熱交換器32まで移動し、該空気熱交換器32で放熱する。つまり、空気熱交換器32の周囲の空気は、加熱される。そして、加熱された空気は、庫外送風ファン35によって自動販売機の外部に放出されることになる。従って、スターリング冷凍機10の高温部12からの高温排熱は、放熱ユニット30によって自動販売機の外部に放出される。ところで、空気熱交換器32で放熱した冷媒は、第2輸送ライン34を通じて放熱熱交換器31まで移動し、該放熱熱交換器31で再び受熱することにより上記サイクルを繰り返すことになる。
【0062】
上述したように、送気切換シャッタ53がガス送気口42a,42bを開成状態にし、かつ吸気切換シャッタ54がガス吸気口41a,41bを開成状態にしているので、断熱容器40と商品収容庫5a,5bとが連通状態になっている。よって、商品収容庫5a,5bの内部雰囲気は、庫内送風ファン52の作用により、背面ダクト51、断熱容器40(吸気管路41および送気管路42)および商品収容庫5a,5bの内部を循環する。より詳細に説明すると、商品収容庫5a,5bの内部雰囲気は、庫内送風ファン52の作用により、背面ダクト51に進入し、開成状態のガス吸気口41a,41bを通じて断熱容器40の内部に至る。断熱容器40の内部に至った内部雰囲気は、該断熱容器40の内部を通過中に蒸発熱交換器22により冷却される。冷却された内部雰囲気は、開成状態のガス送気口42a,42bを通じて商品収容庫5a,5bの内部を図2中の矢印方向に沿って移動する。つまり、冷却された内部雰囲気は、商品収納ラック6a,6bに収納された商品群のうち下方にある商品群を通過する態様で移動する。このように冷却された内部雰囲気が商品群を通過する態様で移動することにより、冷却された内部雰囲気と商品Wとの間で熱交換が行われ、該商品Wが冷却されることになる。
【0063】
商品Wとの間で熱交換が行われて温められた内部雰囲気は、再び背面ダクト51に進入して、開成状態のガス吸気口41a,41bを通じて断熱容器40に至る。そして、該断熱容器40で再び冷却され、上述した循環を繰り返す。
【0064】
このように断熱容器40と商品収容庫5a,5bとの間で内部雰囲気を循環させることにより、該商品収容庫5a,5bの内部雰囲気の温度を例えば0℃に保持することができ、これにより、商品Wを販売適温となる例えば5℃にすることができる。
【0065】
ところで、商品収容庫5a,5bの内部雰囲気は、ガス吸気口41a,41bから断熱容器40(吸気管路41)の内部に流入すると、拡大通過域部61に至ることになる。この拡大通過域部61では、内部雰囲気は、複数の整流板62により形成された流路Rを通過することになる。
【0066】
本実施の形態では、上述したように、整流構造60を構成する複数の整流板62は、各流路Rの前後での内部雰囲気の流向変化の割合が大きいほど流路Rの幅が大きくなる態様で配設してある。そのため、内部雰囲気の流向変化の割合が大きいために乱流が生じてしまう虞れがある側方の流路Rでも、該流路Rよりも幅が狭い中央側の流路Rと略同等の流量を確保することが可能になり、これにより、各流路Rの出口(拡大通過域部61の流出口61b)において通過する内部雰囲気が偏流せず、流量にばらつきが生じない。すなわち、拡大通過域部61を流れる内部雰囲気の流量分布の均一化を図ることができる。
【0067】
このことは、次のような数値計算例からも明らかである。すなわち、図9に示したように、拡大通過域部Mにおいて、各流路Rの前後での流体の流向変化の割合が大きいほど流路Rの幅が大きくなる態様で複数の整流板Fを配設した整流構造(A)(図9−1参照)と、各流路Rの出口の横断面積が均等になるよう複数の整流板Fを均等間隔で配設した整流構造(B)(図9−2参照)との間で流体の流量分布のばらつきの数値計算を行った。図10は、各流路Rの出口(拡大通過域部Mの流出口)から所定の距離だけ離隔した流速検査面での流速を示した図表である。かかる図10から明らかなように、整流構造(A)の方が、流量分布が均一化されていることが理解される。特に各流路Rの出口から50mm以上離隔した場合には、整流構造(A)の方が、流量分布が均一化されていることが明らかである。尚、この結果は、モデル実験においても同様の効果があることを確認している。
【0068】
また、上記整流構造60を構成する整流板62は、それぞれの上端部62aがガス吸気口41a,41bに対して垂直となる方向に延びる態様で屈曲してあるとともに、それぞれの下端部62bが流出口61bに対して垂直となる方向に延びる態様で屈曲してあるため、各流路Rに流入する内部雰囲気の流入量の損失を低減させながら、各流路Rを流れた後の内部雰囲気の流向をある程度制御することができる。従って、整流板62の長さが制約される状況下においては、整流板62の長さを延長した場合に近似した効果を得ることが可能になる。
【0069】
次に、商品収容庫5aに収容された商品Wのみを加熱する場合には、冷却装置は、次のようにして該商品Wの加熱に供することができる。
【0070】
冷却装置を次のよう状態にする。すなわち、送気切換シャッタ53を動作させて商品収容庫5aに対応する断熱容器40のガス送気口42aを閉成状態にするとともに、吸気切換シャッタ54を動作させて該断熱容器40のガス吸気口41aを閉成状態にする。これにより商品収容庫5aと断熱容器40との連通状態は遮断されることになる。また、この際、吸入口55aおよび吹出口55bがともに開成状態になる。従って、断熱容器40の内部で冷却された内部雰囲気は、商品収容庫5aに移動することがない。そして、商品収容庫5aの内部のヒータHを稼動させることにより、ヒータHに加熱された内部雰囲気は、庫内送風ファン52の作用により商品搬出シュータ8の下側から吹き出され、商品収納ラック6aに収納された商品群のうち下方にある商品群を通過する態様で移動する。
【0071】
加熱された内部雰囲気が商品群を通過する態様で移動することにより、加熱された内部雰囲気と商品Wとの間で熱交換が行われ、該商品Wが加熱されることになる。商品Wとの間で熱交換が行われた内部雰囲気は、背面ダクト51に進入し、開成状態である吸入口55aを通じてヒータルーム55に至る。そして、該ヒータルーム55のおいてヒータHに加熱され、上述した移動を繰り返して循環することになる。
【0072】
このように加熱された内部雰囲気が商品収容庫5aの内部を循環することにより、商品Wの温度を販売適温(例えば55℃)にすることができる。
【0073】
以上説明したように、冷却装置によれば、整流構造60を構成する複数の整流板62が、各流路Rの前後での内部雰囲気の流向変化の割合が大きいほど流路Rの幅が大きくなる態様で配設してあるので、内部雰囲気の流向変化の割合が大きいために乱流が生じてしまう虞れがある側方の流路Rでも、該流路Rよりも幅が狭い中央側の流路Rと略同等の流量を確保することが可能になり、これにより、各流路Rの出口(拡大通過域部61の流出口61b)を通過する内部雰囲気の流量分布の均一化を図ることができる。従って、断熱容器40の内部で内部雰囲気が偏流する虞れがなく、蒸発熱交換器22を介しての内部雰囲気と冷媒との間で所望の熱交換を行うことができ、良好な冷却性能を維持することができる。
【0074】
また、上記冷却装置によれば、断熱容器40の内部で内部雰囲気が偏流する虞れがないので、表面温度が0℃未満になる蒸発熱交換器22の表面に局部的に霜が成長する虞れがない。そのため、短時間で冷却運転を停止して、除霜を行う必要がなく、これによっても、良好な冷却性能を維持することができる。更に、上記冷却装置では、整流板62の上端部62aがガス吸気口41a,41bから上方に突出していないため、該冷却装置を機械室9から前方に引き出す場合に干渉する虞れがない。
【0075】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更行うことができる。例えば、上記実施の形態においては、整流板62の上端部62aおよび下端部62bがともに屈曲していたが、本発明では、いずれか一方が屈曲していても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0076】
以上のように、本発明に係る整流構造および冷却装置は、スターリング冷凍機で発生した冷熱を利用して、例えば自動販売機等における複数の商品収容庫に収容された商品を冷却させるのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施の形態に係る冷却装置が適用された自動販売機の構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示した自動販売機の断面側面図である。
【図3】図1に示した冷却装置の構成を模式的に示した模式図である。
【図4】図2における蒸発熱交換器の構成を示した斜視図である。
【図5】図1に示した断熱容器の構成を示した斜視図である。
【図6】図5に示した断熱容器を後方から見た断面背面図である。
【図7】図5に示した断熱容器の側面断面図である。
【図8】図5に示した断熱容器の整流構造を模式的に示した模式図である。
【図9−1】本発明の数値計算例を示した説明図である。
【図9−2】本発明の従来例を示した説明図である。
【図10】各流路の出口から所定の距離だけ離隔した流速検査面での流速を示した図表である。
【図11】本発明の従来例である冷却装置の構成を模式的に示した模式図である。
【図12】図11に示した断熱容器の構成を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0078】
10 スターリング冷凍機
11 低温部
12 高温部
20 冷媒循環路
21 凝縮熱交換器
22 蒸発熱交換器
23 液体配管
24 気体配管
30 放熱ユニット
31 放熱熱交換器
32 空気熱交換器
33 第1輸送ライン
34 第2輸送ライン
35 庫外送風ファン
36 循環ポンプ
37 レシーバータンク
40 断熱容器
41 吸気管路
41a,41b ガス吸気口
42 送気管路
42a,42b ガス送気口
50 循環ユニット
51 背面ダクト
52 庫内送風ファン
53 送気切換シャッタ
54 吸気切換シャッタ
55 ヒータルーム
55a 吸入口
55b 吹出口
60 整流構造
61 拡大通過域部
62 整流板
R 流路
H ヒータH
W 商品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入した流体を横断面が漸次拡大する態様で通過させる拡大通過域部と、
互いに隣接する間隙が前記流体の流路となる態様で前記拡大通過域部に配設され、前記流体の流れを整えるための複数の整流部材と
を備えた整流構造において、
前記複数の整流部材は、各流路の前後での流体の流向変化の割合が大きいほど流路の幅が大きくなる態様で配設してあることを特徴とする整流構造。
【請求項2】
前記複数の整流部材は、隣り合う流路のうち中央側よりも外側の流路の方が相対的に幅が大きくなる態様で配設してあることを特徴とする請求項1に記載の整流構造。
【請求項3】
前記複数の整流部材のそれぞれの上流部が、前記拡大通過域部の入口となる流入口に対して垂直となる方向に延びる態様で屈曲してあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の整流構造。
【請求項4】
前記複数の整流部材のそれぞれの下流部が、前記拡大通過域部の出口となる流出口に対して垂直となる方向に延びる態様で屈曲してあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の整流構造。
【請求項5】
商品収容庫の内部雰囲気を、該商品収容庫の内部と外部との間で循環させる内部雰囲気循環手段と、
スターリング冷凍機で発生した冷熱を移送するための冷熱移送手段と、
前記冷熱移送手段により移送した冷熱を利用して、前記内部雰囲気循環手段により循環させた内部雰囲気を冷却する蒸発熱交換器と
を備え、
前記商品収容庫に収容された商品を冷却するための冷却装置において、
前記内部雰囲気循環手段は、
前記商品収容庫から流入した内部雰囲気を横断面が漸次拡大する態様で通過させる拡大通過域部と、
互いに隣接する間隙が前記内部雰囲気の流路となる態様で前記拡大通過域部に配設され、前記内部雰囲気の流れを整えるための複数の整流部材と
を備え、
前記複数の整流部材は、各流路の前後での内部雰囲気の流向変化の割合が大きいほど流路の幅が大きくなる態様で配設してあることを特徴とする冷却装置。
【請求項6】
前記複数の整流部材は、隣り合う流路のうち中央側よりも外側の流路の方が相対的に幅が大きくなる態様で配設してあることを特徴とする請求項5に記載の冷却装置。
【請求項7】
前記複数の整流部材のそれぞれの上流部が、前記拡大通過域部の入口となる流入口に対して垂直となる方向に延びる態様で屈曲してあることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の冷却装置。
【請求項8】
前記複数の整流部材のそれぞれの下流部が、前記拡大通過域部の出口となる流出口に対して垂直となる方向に延びる態様で屈曲してあることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載の冷却装置。
【請求項9】
前記複数の蒸発熱交換器は、断熱容器に収容してあり、
前記内部雰囲気循環手段は、商品収容庫と断熱容器との間で断熱構造を保持した態様で内部雰囲気を循環させることを特徴とする請求項5〜8のいずれか一つに記載の冷却装置。
【請求項10】
前記内部雰囲気循環手段は、前記商品収容庫の内部と外部との間における前記内部雰囲気の移動を必要に応じて遮断するための遮断手段を備えたことを特徴とする請求項5〜9のいずれか一つに記載の冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−138516(P2006−138516A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−327345(P2004−327345)
【出願日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(000005234)富士電機ホールディングス株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】