説明

文字の読みやすさ評価方法

【課題】文字の読みやすさを定量化して評価することができる評価方法を提供する。
【解決手段】文字の読みやすさ評価方法は、文字図形を含む2値画像の文字線に対応する第1画素値を有する所定数以上のピクセルが連結している第1領域の数と、第1画素値を有するピクセルで囲まれた第2画素値を有する1つ以上のピクセルを含む第2領域の数とを検出するステップと、2値画像を平滑化処理して濃淡画像に変換するステップと、濃淡画像の階調に基づく2値化閾値を所定値ずつ変化させて、各2値化閾値で2値化された際の2値化された濃淡画像に含まれる第1領域の数と、第2領域の数とを、2値化閾値毎に検出するステップと、2値化された濃淡画像で検出される第1領域の数、第2領域の数が、2値画像で検出される第1領域の数、第2領域の数と同じ値で連続する2値化閾値の範囲を識別して範囲の下限値又は/及び上限値を算出するステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字の読みやすさを評価する評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢化社会の進展にともない、「誰にでも読みやすい」特性を持つとされるUD(ユニバーサルデザイン)フォントが数多く開発され、様々な印刷物、サインなどでこのUDフォントが利用されている。
【0003】
代表的なUDフォントとして「イワタUDフォント(登録商標)」、「つたわるフォント」などがあるいが、これらのUDフォントの文字は、「誰にでも読みやすい」といった人間の主観に基づく幾つかの評価(例えば、ユーザテスト)を経て開発されたものである。
【0004】
しかしながら、このような評価プロセスは、評価基準やその評価結果が重要であるが、一般に公開されることはほとんどない。特に、評価結果が公開されている場合でもUDフォントの活用分野や実際の提示条件(視覚特性や印字状況など)を特定した評価が行われておらず、「誰にでも読みやすい」という尺度に、一定の基準がない。
【0005】
つまり、従来のUDフォントの評価プロセスは、文字がどのような状態であると読みやすく、どのような状態であれば読み難いのかを規定しておらず、ユーザテスト等による人間の主観による評価に止まっているものが大半であった。
【0006】
このため、「誰にでも読みやすい」というフォントの特性を、客観的に評価できる評価手法が切に望まれていた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「イワタUDフォント」,株式会社イワタ、http://www.iwatafont.co.jp/ud/index.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、文字の読みやすさを定量化して評価することができる評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係る文字の読みやすさ評価方法は、文字図形を含む2値画像の文字線に対応する第1画素値を有する所定数以上のピクセルが連結している第1領域の数と、第1画素値を有するピクセルで囲まれた第2画素値を有する1つ以上のピクセルを含む第2領域の数とを検出するステップと、2値画像を平滑化処理して濃淡画像に変換するステップと、濃淡画像の階調に基づく2値化閾値を所定値ずつ変化させて、各2値化閾値で2値化された際の2値化された濃淡画像に含まれる上記第1領域の数と、上記第2領域の数とを、2値化閾値毎に検出するステップと、2値化された濃淡画像で検出される第1領域の数、第2領域の数が、2値画像で検出される第1領域の数、第2領域の数と同じ値で連続する2値化閾値の範囲を識別して当該範囲の下限値又は/及び上限値を算出するステップと、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の他の実施形態に係る複数の文字を含む文字セットの読みやすさ評価方法は、文字セット画像に含まれる複数の文字図形を識別し、識別された各文字図形を含む2値画像それぞれに対して、文字図形の文字線に対応する第1画素値を有する所定数以上のピクセルが連結している第1領域の数と、前記第1画素値を有するピクセルで囲まれた第2画素値を有する1つ以上のピクセルを含む第2領域の数と、検出するステップと、複数の文字図形に対応する2値画像それぞれを平滑化処理して濃淡画像に変換するステップと、濃淡画像の階調に基づく2値化閾値を所定値ずつ変化させて、各2値化閾値で2値化された際の2値化された濃淡画像に含まれる上記第1領域の数と、上記第2領域の数とを2値化閾値毎に検出し、これを文字セットの複数の文字すべてに対して遂行するステップと、2値化閾値別に、2値化された各濃淡画像に含まれる第1領域の数の合計値と、第2領域の数の合計値と算出するステップと、2値化された各濃淡画像で検出される第1領域の数の合計値、第2領域の数の合計値が、各2値画像で検出される第1領域の数の合計値、第2領域の数の合計値と同じ値で連続する2値化閾値の範囲を識別して当該範囲の下限値又は/及び上限値を算出するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、文字又は文字セットの文字画像を画像処理によって一旦文字が読みにくい状態を再現し、2値化閾値を変化させることで文字を読む(視る)人の様々な視覚特性や印字状態に応じた文字のかすれ状態やつぶれ状態を擬似的に発生させて、文字図形として原型を留めている2値化閾値の範囲を「文字(文字セット)の読みやすさ」として定量化して評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態に係る文字画像の一例(a)、及び文字画像(原型)の計測値の一例(b)を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る各閾値での計測値の一例(a)、及び計測値を閾値毎にグラグ化した一例(b)を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る評価装置の構成ブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る文字単位の評価処理の処理遷移の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態に係る各種情報の一例を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る文字セット全体の評価処理の処理遷移の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1実施形態に係る文字セット全体の計測値を閾値毎にグラグ化した一例(b)を示す図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る計測値の計測処理例を示した図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る2値画像を濃淡画像に変換する処理例を示した図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0014】
(第1実施形態)
図1から図9は、本発明の第1実施形態を示す図である。本実施形態の文字の読みやすさを評価する方法は、文字画像を所定の処理手順に従って加工して得られる数値に基づいて、複数の文字で構成される文字の集合(文字セット)の読みやすさを評価する。
【0015】
本実施形態では、視覚特性や印字状況が変化(劣化)して、文字線がかすれて見えにくくなったり、文字線がつぶれて読めなくなる状態になり難いことを、「文字(文字セット)の読みやすさ」として規定(定義)し、文字セットを構成する全ての各文字に対して算出した評価値に基づいて、「かすれ状態」でも「つぶれ状態」でもない状態がどれだけ続くかを「文字の読みやすさ」の評価情報として提供する。
【0016】
本実施形態のフォント評価方法は、文字又は文字セットの各文字(ビットマップ形式の2値画像)を画像処理によって文字が読みにくい状態に再現し(濃淡画像に変換し)、その読みにくい状態の文字(濃淡画像)をさらに2値化する(2値画像に変換する)。このとき、一度濃淡画像変換された文字画像を2値化する際の閾値(2値化閾値)を所定値ずつ変化させ、各2値化閾値でのかすれ具合、つぶれ具合を計測することで、「文字の読みやすさ」を数値化する。なお、2値化閾値は、濃淡画像の階調数に対応し、例えば256階調の濃淡画像を2値画像に変換する場合は、0〜255の範囲の値とすることができる。
【0017】
ここで、文字のかすれ具合、つぶれ具合について説明する。文字のかすれ具合とは、例えば、文字を構成する文字線が途中で途切れてしまう状態であり、つぶれ具合とは、例えば、文字線で囲まれた領域がつぶされて1つの文字線として識別できない状態である。
【0018】
本実施形態では、図1(a)に示すように、フォントにおいて文字を構成する黒い部分を「島」とし、島に囲まれた白い部分(黒い部分で囲まれた領域)を「池」と定義する。また、文字を構成する黒い部分の外側の白い部分(黒い部分で囲まれていない領域)を海と定義する。なお、図1の0〜9の文字例は、MSPゴシックフォントで形成された文字画像である。
【0019】
このように定義することで、文字は、黒い部分(2値画像における画素値が「1」である所定数以上のピクセルが連結している領域)と黒い部分で囲まれた領域(2値画像における画素値が「1」の複数のピクセルで囲まれた画素値が「0」の1つ以上のピクセルで構成された領域又は所定数以上のピクセルが連結している領域)によって構成される。
【0020】
図1(b)に示すように、評価対象の所定フォントの文字(所定フォントにおける2値画像の評価対象文字)の島の数X、池の数Yを測定すると、文字「1」は、島が1つで池は0、文字「8」は島が1つで池が2つとなり、文字「1」は、島が1つで池が0の状態が、文字図形の原型と留めている状態とすることができ、文字「8」は、島が1つで池が2つの状態が文字図形の原型と留めている状態とすることができる。
【0021】
このため、文字図形の原型よりも画素値「1」の総ピクセル数が少なく、島・池の数が異なる状態を「かすれた状態」として識別(把握)することができる。つまり、島の数が増える状態とは、文字を構成する文字線が途中で途切れてしまうことで、画素値「1」の連続する複数のピクセル群が2つ以上の黒い部分に分離(分割)された状態である。同様に池の数が減る状態とは、文字を構成する文字線が途中で途切れてしまうことで、画素値「1」の連続する領域で囲まれていた画素値「0」のピクセル群が島の外側の画素値「0」のピクセル群(海)と連結した状態である。このため、文字のかすれ具合を客観的に判断する尺度(基準)として、島・池の数を適用することができる。例えば、文字図形の原型よりも総画素数が少なく、文字「1」に対して2つ以上の島がある状態、あるいは文字「8」に対して1つの池しかない状態は、文字がかすれた状態であると識別することができ、文字図形として原型を留めていない状態であると把握できる。
【0022】
一方、文字図形の原型よりも画素値「1」の総ピクセル数が多く、島・池の数が異なるなる状態を「つぶれた状態」として識別(把握)することができる。すなわち、文字線(黒い部分)で囲まれた領域がつぶされてしまうことで、画素値が「1」である複数のピクセルで囲まれた画素値「0」の所定数以上のピクセルが連結している領域が、画素値「1」のピクセル群で埋めつぶされて消滅もしくは、画素値「0」の領域で分離していた画素値「1」のピクセル群が埋め立てられて連結した状態である。このため、文字のつぶれ具合を客観的に判断する尺度(基準)として、島・池の数を適用することができる。例えば、文字図形の原型よりも総画素数が多く、文字「8」に対して1つの池しかない状態、文字「6」に対して2つの池がある状態、あるいは文字「i」に対して1つの島しかない状態は、文字がつぶれた状態であると識別することができ、文字図形として原型を留めていない状態であると把握できる。
【0023】
このように本実施形態では、文字図形の原型の島の数、池の数と異なる数の島又は池が存在する状態の文字を、かすれ状態又はつぶれ状態であると識別し、文字を構成する島及び池の数を画像処理により検出することで、文字の状態を数値化して把握することができる。
【0024】
そして、本実施形態の評価方法は、文字又は文字セットの文字画像を画像処理によって一旦文字が読みにくい状態に画像処理し、読みにくい状態の画像を再現する。すなわち、上述のように、視覚特性や印字状況が変化(劣化)して、文字線がかすれて見えにくくなったり、文字線がつぶれて読めなくなる状態になり難いことを、「文字(文字セット)の読みやすさ」として規定するので、2値画像の評価対象文字をぼかし処理(平滑化処理)に通じて濃淡画像(多値画像)に変換し、2値化閾値を変化させて島の数及び池の数をそれぞれ計測することで、文字図形として原型を留めている2値化閾値の範囲を「文字(文字セット)の読みやすさ」の評価値として提供する。
【0025】
2値化閾値とは、多階調の濃淡画像を白と黒の2階調の2値画像に変換する2値化処理において、濃淡画像の各ピクセルの画素値を白(画素値0)又は黒(画素値1)に置き換える際の基準となる閾値である。例えば、濃淡画像の各ピクセルの画素値が、2値化閾値を上回っていればそのピクセルの画素値を白(画素値0)に置換し、2値化閾値を下回っていればそのピクセルの画素値を黒(画素値1)に置き換える。
【0026】
つまり、2値化閾値を変化させることで文字を読む(視る)人の様々な視覚特性や印字状態に応じた文字のかすれ状態やつぶれ状態を擬似的に発生させることができ、各2値化閾値は、文字図形の各ピクセルの画素値が、視覚特性や印字状態に応じたかすれ状態やつぶれ状態に対して白(画素値0)又は黒い(画素値1)のいずれに属するかを決定するための基準となる。したがって、ぼやけた状態でも文字の黒い部分と白い部分と識別できて文字の原型を留めている範囲を2値化閾値で数値化し、その範囲が広いほどかすれても見えにくくならず、つぶれても読みにくくならない文字であると評価する。
【0027】
本実施形態では、2値画像の評価対象文字を一度ぼかし処理によって濃淡画像に変換し、その濃淡画像の状態で各ピクセルが白又は黒のどちらに属するかを、2値化閾値を基準に把握し、各2値化閾値毎の濃淡画像における各ピクセルの画素値(0又は1)に対して島の数Xi、池の数Yiを計測することで、文字図形が原型を留めることができる範囲を検出する。図2(a)は、濃淡画像に変換された評価対象文字を2値化閾値50、70、80、90、150、200、250、255それぞれで2値画像に変換した一例である。
【0028】
図2(a)に示すように、2値化閾値50では、濃淡画像の全てのピクセルの画素値が0となる(濃淡画像の全てのピクセルの画素値が2値化閾値を上回るので、画素値が0に置き換えられる)ので、島の数X(0)=0、池の数Y(0)=0が計測される。つまり、評価対象文字「8」は、島の数が1、池の数が2である状態が文字図形としての原型を留めることができる状態であり、2値化閾値50で計測された島の数X(0)=0、池の数Y(0)=0の状態は、文字「8」が原型を留めていない状態である。また、2値化閾値70や80の場合は、島が1つ計測できたが、島の数が1、池の数が2でないので、文字「8」が文字図形としての原型を留めていない状態である。
【0029】
2値化閾値90、150、200で計測された各島の数は1つ、池の数は2つとなるので、文字「8」が文字図形としての原型を留めている。逆に、2値化閾値250では、島が1つ、池が1つ計測できたが、池の数が2でないので、文字「8」が文字図形としての原型を留めていない状態である。また、2値化閾値255では、島の数が1つ、池の数が0と計測され、池の数が2でないので、文字「8」が文字図形としての原型を留めていない状態(画素値「1」のピクセル群で池が埋めつぶされている状態)となっている。
【0030】
図2(b)は、各2値化閾値毎に計測された文字「8」の島の数及び池の数をグラフ化したものであり、文字「8」が文字図形としての原型を留めている範囲は、島の数が1で池の数が2と計測された2値化閾値の下限値及び上限値となる。このように0〜255の範囲で2値化閾値を所定値ずつ変化させた際に、連続して島の数が1で池の数が2と計測される2値化閾値の範囲が、文字「8」が文字図形としての原型を留めている範囲、すなわち、文字画像「8」がかすれることなく、またつぶれることのない安定領域となる。
【0031】
一方、島の数が1で池の数が2と計測された2値化閾値の下限値未満の領域は、文字「8」がかすれている状態(かすれ領域)を、上限値を上回る領域は、文字「8」がつぶれている状態(つぶれ領域)をそれぞれ表している。
【0032】
このように、本実施形態の文字の読みやすさを評価する方法は、文字又は文字セットの文字画像を画像処理によって一旦文字が読みにくい状態を再現し、2値化閾値を変化させることで文字を読む(視る)人の様々な視覚特性や印字状態に応じた文字のかすれ状態やつぶれ状態を擬似的に発生させて、文字図形として原型を留めている2値化閾値の範囲を「文字(文字セット)の読みやすさ」の評価値として定量化できる。
【0033】
そして、文字図形の安定領域の範囲が広いほど「読みやすさ」と評価でき、安定領域の下限値が低いほど、かすれに強い文字(かすれた状態でも文字図形の原型を維持できる範囲が広い文字)であると評価することができ、例えば、白内障等の視覚特性を有する人でも読みやすい文字として評価できる。また、安定領域の上限値が高いほど、つぶれに強い文字(つぶれた状態でも文字図形の原型を維持できる範囲が広い文字)であると評価することができ、例えば、老眼等の視覚特性を有する人でも読みやすい文字として評価できる。
【0034】
図3は、本実施形態の評価方法が適用された評価装置の構成ブロック図である。評価装置100は、コンピュータ装置等の情報処理装置である。
【0035】
評価装置100は、所定のネットワークとの通信制御を行う通信制御部110、メモリ120、制御部(CPU)130、及び記憶部140を含んで構成される。また、評価装置100は、ディスプレイ装置150及びマウスやキーボード等の操作入力装置160を備えることができる。
【0036】
制御部130は、評価制御部131を含み、評価制御部131はさらに、計測部132、画像処理部133及び評価部134を含む。評価制御部131は、評価対象文字の2値画像に基づいて、「文字の読みやすさ」の評価処理を遂行する。
【0037】
図4は、本実施形態の文字単位の評価処理の処理遷移を示すフローチャートである。評価装置100の評価制御部131は、評価対象の文字画像を読み込む(S101)。このとき、評価対象の文字画像は、記憶部140に予め記憶された画像情報141であったり、別途スキャナ装置で紙媒体から文字図形をスキャナして生成された文字画像、又はインターネットやローカルネットワーク等を介して入力された文字画像であってもよい。
【0038】
また、評価制御部131は、ビットマップ形式の2値画像の文字画像を評価対象文字として読み込む。なお、文字画像自体は、2値画像でなくてもよい。すなわち、評価処理を遂行する際に、評価対象の文字画像が2値画像でない場合は、画像処理部133により2値画像に変換された文字画像を読み込むように構成することができる。
【0039】
評価制御部131は、計測部132及び画像処理部133を通じて文字画像のラベリング処理による島の数及び池の数の計測処理を遂行する(S102)。この処理は、画像処理技術に用いられているラベリング技術を適用することができる。
【0040】
図8は、本実施形態の島の数及び池の数(計測値)の計測処理例を示した図である。図8(a)に示す2値画像の各ピクセルをラスタ走査して画素値が1のピクセルのラベル付け遂行する。例えば、左上から右下に向かって文字画像のピクセルをラスタ走査し、連結性(例えば、8連結)に基づいて画素値1のピクセル群に異なるラベル番号のラベル付けを行う。図8(b)では、画素値1の各ピクセル群(島)にラベル番号1、2が付与され、画素値1のピクセル群が2つ検出される(島の数=2と検出する)。
【0041】
次に、画素値1のピクセルで囲まれていない領域、図1(a)の例では、海と定義された白い部分(画素値0のピクセル)にラベル付けを行い、図8(b)で検出された画素値1のピクセル群及びラベル付けされた海と定義される白い部分の各ピクセルそれぞれを、画素値0に置換する。そして、ラベル付けされていないピクセルを画素値1に置換する(図8(c))。
【0042】
そして、図8(c)の状態からラベル付けされていない画素値1のピクセルを検出して連結性に基づいて再度ラベリング処理を遂行する。図8(d)は、図1(b)の例で池と定義された領域にラベル番号が付与され、画素値1のピクセル群が1つ検出される(島の数=1と検出する)。
【0043】
評価制御部131は、計測処理によって計測された島の数、池の数をメモリ120や記憶部140等の所定の記憶領域に記憶する。ここで記憶される文字画像の島の数、池の数は、評価対象の文字図形の原型に対応する基準値(X,Y)として記憶される。
【0044】
続いて、評価制御部131は、画像処理部133を通じて評価対象の文字画像を濃淡画像に変換する。本実施形態では、画像処理技術で利用されるぼかし処理(平滑化処理)を適用して、2値画像の文字画像を濃淡画像(多値画像)に変換する(S103)。
【0045】
図9は、本実施形態の2値画像を濃淡画像に変換する処理例を示した図である。図9に示すように、2値画像の各ピクセルに対してその周囲のピクセルの画素値で平均した値を画素値として算出する。このとき、中心ピクセルとその周囲のピクセルに対して重み付きブロック(重み値)を適用することができ、ぼかし強度n(n≧2)を用いて重み値を算出することができる。図9の例のように、中心ピクセルの画素値に対する重み付けが一番高く、周囲のピクセルの画素値に対する重み付けを中心ピクセルから外側に向かうにつれて低くなっている。
【0046】
本実施形態では、2値画像を256階調の濃淡画像に変換し、文字画像の各ピクセルが0〜255の画素値に変換された濃淡画像を生成する。
【0047】
評価制御部131は、生成された濃淡画像の階調に対応する範囲で所定の2値化閾値Siを設定する(S104)。本実施形態では、256階調に対応する2値化閾値0〜255が増加する方向に所定値間隔で2値化閾値Siを複数設定し、設定された各2値化閾値Siを用いて、濃淡画像に変換された文字画像を再度2値化する(S105)。評価制御部131は、計測部132を通じてステップS104で設定された2値化閾値を用いて2値化された文字画像に対する島の数、池の数を計測する計測処理を行い(S106)、当該2値化閾値と関連付けて計測した島の数(Xi)、池の数(Yi)を文字画像に対する計測情報として記憶部140に記憶する(S107)。計測処理については上述した通りである。
【0048】
評価制御部131は、ステップS108において、現在設定された2値化閾値Siを変更する。例えば、0から順に2値化閾値Siを8ずつ変化させる場合、現在設定されている2値化閾値Siに8を加算した値に変更する(S108)。なお、2値化閾値Siの変更量(変化量)は、任意に設定することができ、また、255から順に2値化閾値Siを8ずつ減算させて変更するように構成することも可能である。
【0049】
評価制御部131は、全ての計測点、すなわち、2値化閾値Siの変更量に応じた各2値化閾値での計測処理が遂行されたか否かを判別し(S109)、遂行されていない場合には、ステップ104に戻り、2値化閾値Siの変更量に応じたすべての各2値化閾値での計測処理を遂行するまで、ステップS104〜S108を繰り返し行う。
【0050】
ステップS109において各2値化閾値での計測処理がすべて遂行されたと判別された場合に、評価制御部131は、評価部134を通じて評価値算出処理を遂行する。本実施形態では、ステップ102で計測された評価対象の文字図形の原型に対応する基準値(X,Y)を用い、各2値化閾値で計測された島の数(Xi)と池の数(Yi)が、基準値(X,Y)と同じ値で連続する2値化閾値の範囲及びその範囲における上限値及び下限値を識別し(S110)、識別された2値化閾値の範囲及びその範囲における上限値及び下限値を評価情報として記憶部140に記憶する(S111)。
【0051】
図5(a)は、文字画像1の計測情報142の一例を示す図であり、2値化閾値の値別に、計測された各島の数、池の数が記憶される。また、図5(b)は、文字画像1の評価情報143の一例であり、各2値化閾値で計測された島の数(Xi)と池の数(Yi)が、基準値(X,Y)と同じ値で連続する2値化閾値の範囲、すなわち、図2(b)の例で示した安定領域の下限値及び上限値が記憶される。
【0052】
図6は、複数の文字で構成される文字セット(文字の集合)の読みやすさを評価する場合の、文字セット全体の評価処理の処理遷移の一例を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、文字セットとは、図3(b)のようなフォントの標本(サンプル)文字列以外にも、所定のフォントの任意の文字の集合、すなわち、文章を含むことができる。
【0053】
評価制御部131は、図4のステップS101と同様に、複数の文字を含む文字セット画像(2値画像)を読み込み(S201)、読み込んだ文字セット画像から1文字単位で評価対象の文字画像を識別する(S202)。そして、識別した複数の文字画像のうちの1つを評価対象の文字画像とし設定(決定)する(S203)。
【0054】
評価制御部131は、設定した評価対象の文字画像に対して図4のステップS101からS109を遂行し、文字セット画像に含まれる全ての文字の計測処理及び評価処理を遂行する(S204)。
【0055】
ステップ204において文字セットに含まれる全ての文字に対して計測処理及び評価処理が完了したと判別された場合に、評価制御部131は、文字セットを構成する全ての各文字の計測された島の数Xi、池の数Yiを、2値化閾値Si毎に集計し(S205)、各文字画像の島、池の基準値(X、Y)それぞれを用いて、文字セット全体の基準値(X1、X2)を算出する(S206)。
【0056】
すなわち、本実施形態では、文字セット全体で原型と留める状態の基準となる島の数(X1)、池の数(Y1)を測定し、文字セットに含まれる各文字それぞれの島の数Xiの合計値、池の数Yiの合計値が、基準値(X1、Y1)と同じ値で連続する2値化閾値Siの範囲及びその範囲における上限値及び下限値を識別し(S207)、識別された2値化閾値の範囲及びその範囲における上限値及び下限値を文字セット全体の評価情報として記憶部140に記憶する(S208)。
【0057】
本実施形態の評価方法は、画像処理により文字が読みにくい状態を再現し、その状態で文字セットを構成するある1文字の文字画像について2値化の閾値を変化させながら、文字図形のかすれ具合、つぶれ具合の評価値を定量的に算出するので、文字セットが視覚特性や印字状況が変化して、文字線がかすれて見えにくくなったり、文字線が潰れて読めなくなる状態になりにくいか否かを、読みやすさとして客観的に評価することができる。
【0058】
特に、個別の文字以外にも、任意の文字セットについて読みやすさを評価できるので、例えば、保険、年金、銀行、証券、信販、公共料金の通知などに用いられる帳票に印字される文章の状態で所定のフォントの読みやすさを評価したり、帳票への印字品質の劣化等を想定したかすれやつぶれに強いフォントであるかなどを定量的に評価することができる。
【0059】
また、本実施形態の評価方法は、フォントデザイン手法に適用することができ、例えば、かすれに強いフォント(安定領域の下限値が低いフォント)やつぶれに強いフォント(安定領域の上限が高いフォント)を本評価方法を通じて定量的に評価しながらフォントをデザイン(設計)することができる。
【0060】
なお、本実施形態の評価方法では、計測された評価対象の文字図形の原型に対応する基準値(X,Y)を用い、各2値化閾値で計測された島の数(Xi)と池の数(Yi)が、基準値(X,Y)と同じ値で連続する2値化閾値の範囲及びその範囲における上限値及び下限値を各々算出し、評価情報として提供することができるが、2値化閾値の範囲、その範囲における上限値又は下限値のいずれか1つを評価情報として提供してもよい。すなわち、安定領域に対応する2値化閾値の範囲の広さは、かすれた状態でもつぶれた状態でも読みやすい文字の評価指標となり、安定領域の下限値は、かすれに強い文字の評価指標となる。また、安定領域の上限値は、つぶれに強い文字の評価指標となるので、これらの各評価指標(評価値)を、個別に評価情報として提供するように構成することも可能である。
【0061】
以上、本発明の文字の読みやすさ評価手法について好適な実施形態に則して説明したが、数字以外の文字(ひらがな、かたかな、漢字、ローマ字、英字、ギリシャ文字、アラビア文字、ハングル文字等)にも適用可能である。
【0062】
また、上記説明では、文字図形の原型の島の数、池の数と異なる数の島又は池が存在する状態の文字を、かすれ状態又はつぶれ状態であると識別し、島の数と池の数を用いて、文字の原型に対するかすれ状態又はつぶれ状態を判別したが、これに限らず、例えば、パターンマッチング法を用いて文字の原型に対するかすれ状態又はつぶれ状態を判別してもよい。すなわち、本発明の評価方法は、文字又は文字セットの文字画像を画像処理によって一旦文字が読みにくい状態を再現し、2値化閾値を変化させることで文字を読む(視る)人の様々な視覚特性や印字状態に応じた文字のかすれ状態やつぶれ状態を擬似的に発生させて、文字図形として原型を留めている2値化閾値の範囲を「文字(文字セット)の読みやすさ」の評価値として定量化するので、文字図形として原型と留めているか否かの判別処理に、パターンマッチング法などの他の手法を適用することが可能である。例えば、パターンマッチング法を適用した場合、原型の文字図形と濃淡画像から2値画像に変換された文字画像とをマッチングし、マッチング率が所定値以上(例えば、95%以上)である場合、原型の文字図形と同じ数に島と池が計測されたものとして、適用することができる。
【0063】
また、上記実施形態では、本発明の評価手法がコンピュータ装置に適用された態様を一例に説明したが、本発明の評価装置がネットワーク上に置かれたシステムの形態でも実現することも可能である。例えば、利用者の端末装置からインターネット等のネットワークを介して本実施形態の評価装置に接続し、評価情報を利用者の端末装置に提供するように構成することができる。この場合、評価装置を1つ又は複数の異なるサーバ装置等で実現し、各処理部及び記憶部毎に分散されたシステム構成とすることも可能である。
【0064】
また、評価装置は、ハードウェア構成として上述以外にも、スキャナ等の入力手段を備えることができ、評価対象の文字画像をスキャナから読み込んで本発明の評価処理を遂行するように構成することも可能である。
【0065】
また、本発明の評価方法(の各処理)は、コンピュータで実行可能なプログラムとして実現することも可能であり、当該プログラムがインストールされたコンピュータは、本発明の処理を遂行する情報処理装置として動作することが可能である。例えば、不図示の補助記憶装置に当該プログラムが格納され、CPU等の制御部が補助記憶装置に格納されたプログラムを主記憶装置に読み出し、主記憶装置に読み出された該プログラムを制御部が実行し、コンピュータに本発明の各部の処理を動作させることができる。
【0066】
また、上記プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された状態で、コンピュータに提供することも可能である。コンピュータ読取可能な記録媒体としては、CD−ROM等の光ディスク、DVD−ROM等の相変化型光ディスク、MO(Magnet Optical)やMD(Mini Disk)などの光磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスクやリムーバブルハードディスクなどの磁気ディスク、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、SDメモリカード、メモリスティック等のメモリカードが挙げられる。また、本発明の目的のために特別に設計されて構成された集積回路(ICチップ等)等のハードウェア装置も記録媒体として含まれる。
【0067】
なお、本発明を好適な実施形態に則して説明したが、本発明の要旨から逸脱しない範囲内で当該技術分野の技術に照らし合わせて多様に変形することが可能である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められるべきである。
【符号の説明】
【0068】
100 評価装置
110 通信制御部
120 メモリ
130 制御部(CPU)
131 評価制御部
132 計測部
133 画像変換部
134 評価部
140 記憶部
141 画像情報
142 計測情報
143 評価情報
150 ディスプレイ装置
160 操作入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字の読みやすさ評価方法であって、コンピュータにより実行されるステップが、
文字図形を含む2値画像の文字線に対応する第1画素値を有する所定数以上のピクセルが連結している第1領域の数と、前記第1画素値を有するピクセルで囲まれた第2画素値を有する1つ以上のピクセルを含む第2領域の数とを検出するステップと、
前記2値画像を平滑化処理して濃淡画像に変換するステップと、
前記濃淡画像の階調に基づく2値化閾値を所定値ずつ変化させて、各2値化閾値で2値化された際の前記2値化された濃淡画像に含まれる前記第1領域の数と、前記第2領域の数とを、前記2値化閾値毎に検出するステップと、
前記2値化された濃淡画像で検出される第1領域の数、第2領域の数が、前記2値画像で検出される第1領域の数、第2領域の数と同じ値で連続する前記2値化閾値の範囲を識別して前記範囲の下限値又は/及び上限値を算出するステップと、
を含むことを特徴とする文字の読みやすさ評価方法。
【請求項2】
複数の文字を含む文字セットの読みやすさ評価方法であって、コンピュータにより実行されるステップが、
文字セット画像に含まれる複数の文字図形を識別し、前記識別された各文字図形を含む2値画像それぞれに対して、前記文字図形の文字線に対応する第1画素値を有する所定数以上のピクセルが連結している第1領域の数と、前記第1画素値を有するピクセルで囲まれた第2画素値を有する1つ以上のピクセルを含む第2領域の数と、検出するステップと、
前記複数の文字図形に対応する2値画像それぞれを平滑化処理して濃淡画像に変換するステップと、
前記濃淡画像の階調に基づく2値化閾値を所定値ずつ変化させて、各2値化閾値で2値化された際の前記2値化された濃淡画像に含まれる前記第1領域の数と、前記第2領域の数とを前記2値化閾値毎に検出し、これを前記文字セットの複数の文字すべてに対して遂行するステップと、
前記2値化閾値別に、前記2値化された各濃淡画像に含まれる前記第1領域の数の合計値と、前記第2領域の数の合計値と算出するステップと、
前記2値化された各濃淡画像で検出される第1領域の数の合計値、第2領域の数の合計値が、前記各2値画像で検出される第1領域の数の合計値、第2領域の数の合計値と同じ値で連続する前記2値化閾値の範囲を識別して前記範囲の下限値又は/及び上限値を算出するステップと、
を含むことを特徴とする文字の読みやすさ評価方法。
【請求項3】
文字図形を含む2値画像の文字線に対応する第1画素値を有する所定数以上のピクセルが連結している第1領域の数と、前記第1画素値を有するピクセルで囲まれた第2画素値を有する1つ以上のピクセルを含む第2領域の数とを検出する計測部と、
前記2値画像を平滑化処理して濃淡画像に変換する画像変換部と、を含み、
前記計測部は、前記濃淡画像の階調に基づく2値化閾値を所定値ずつ変化させて、各2値化閾値で2値化された際の前記2値化された濃淡画像に含まれる前記第1領域の数と、前記第2領域の数とを、前記2値化閾値毎に検出し、
前記2値化された濃淡画像で検出される第1領域の数、第2領域の数が、前記2値画像で検出される第1領域の数、第2領域の数と同じ値で連続する前記2値化閾値の範囲を識別して前記範囲の下限値又は/及び上限値を算出する評価部を、さらに含むことを特徴とする文字の読みやすさ評価装置。
【請求項4】
複数の文字を含む文字セット画像に含まれる複数の文字図形を識別し、前記識別された各文字図形を含む2値画像それぞれに対して、前記文字図形の文字線に対応する第1画素値を有する所定数以上のピクセルが連結している第1領域の数と、前記第1画素値を有するピクセルで囲まれた第2画素値を有する1つ以上のピクセルを含む第2領域の数と、検出する計測部と、
前記複数の文字図形に対応する2値画像それぞれを平滑化処理して濃淡画像に変換する画像変換部と、を含み、
前記計測部は、前記濃淡画像の階調に基づく2値化閾値を所定値ずつ変化させて、各2値化閾値で2値化された際の前記2値化された濃淡画像に含まれる前記第1領域の数と、前記第2領域の数とを前記2値化閾値毎に検出し、これを前記文字セットの複数の文字すべてに対して遂行し、
前記2値化閾値別に、前記2値化された各濃淡画像に含まれる前記第1領域の数の合計値と、前記第2領域の数の合計値と算出し、前記2値化された各濃淡画像で検出される第1領域の数の合計値、第2領域の数の合計値が、前記各2値画像で検出される第1領域の数の合計値、第2領域の数の合計値と同じ値で連続する前記2値化閾値の範囲を識別して前記範囲の下限値又は/及び上限値を算出する評価部を、さらに含むことを特徴とする文字の読みやすさ評価装置。
【請求項5】
文字図形を含む2値画像の文字線に対応する第1画素値を有する所定数以上のピクセルが連結している第1領域の数と、前記第1画素値を有するピクセルで囲まれた第2画素値を有する1つ以上のピクセルを含む第2領域の数とを検出する計測機能と、
前記2値画像を平滑化処理して濃淡画像に変換する画像変換機能と、を実現させ、
前記計測機能は、前記濃淡画像の階調に基づく2値化閾値を所定値ずつ変化させて、各2値化閾値で2値化された際の前記2値化された濃淡画像に含まれる前記第1領域の数と、前記第2領域の数とを、前記2値化閾値毎に検出し、
前記2値化された濃淡画像で検出される第1領域の数、第2領域の数が、前記2値画像で検出される第1領域の数、第2領域の数と同じ値で連続する前記2値化閾値の範囲を識別して前記範囲の下限値又は/及び上限値を算出する評価機能を、さらにコンピュータに実現させることを特徴とする文字の読みやすさ評価プログラム。
【請求項6】
複数の文字を含む文字セット画像に含まれる複数の文字図形を識別し、前記識別された各文字図形を含む2値画像それぞれに対して、前記文字図形の文字線に対応する第1画素値を有する所定数以上のピクセルが連結している第1領域の数と、前記第1画素値を有するピクセルで囲まれた第2画素値を有する1つ以上のピクセルを含む第2領域の数と、検出する計測機能と、
前記複数の文字図形に対応する2値画像それぞれを平滑化処理して濃淡画像に変換する画像変換機能と、を実現させ、
前記計測機能は、前記濃淡画像の階調に基づく2値化閾値を所定値ずつ変化させて、各2値化閾値で2値化された際の前記2値化された濃淡画像に含まれる前記第1領域の数と、前記第2領域の数とを前記2値化閾値毎に検出し、これを前記文字セットの複数の文字すべてに対して遂行し、
前記2値化閾値別に、前記2値化された各濃淡画像に含まれる前記第1領域の数の合計値と、前記第2領域の数の合計値と算出し、前記2値化された各濃淡画像で検出される第1領域の数の合計値、第2領域の数の合計値が、前記各2値画像で検出される第1領域の数の合計値、第2領域の数の合計値と同じ値で連続する前記2値化閾値の範囲を識別して前記範囲の下限値又は/及び上限値を算出する評価機能を、さらにコンピュータに実現させることを特徴とする文字の読みやすさ評価プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−247920(P2012−247920A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118090(P2011−118090)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(509193005)株式会社パスファインダー (1)
【Fターム(参考)】