説明

文字入力装置、文字入力インタフェースの制御方法およびプログラム

【課題】同一キーを押下した回数により入力文字を選択し、キー入力を中断することにより選択中の文字の確定操作が行われたものとして処理する文字入力インタフェースの操作性向上。
【解決手段】文字入力装置は、利用者によるキー操作の履歴に基づいて、利用者の文字入力操作の習熟度を推定する習熟度推定部を備え、前記習熟度推定部にて推定された習熟度に応じて、同一キーを押下した回数により入力文字を選択する文字入力インタフェースの、選択中の文字の確定操作がなされたものとみなす判定期間を増減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字入力装置、文字入力インタフェースの制御方法およびプログラムに関し、特に、同一キーを押下した回数により入力文字を選択する文字入力インタフェースを備える文字入力装置、文字入力インタフェースの制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、同一キーに複数の文字が割り付けられ、キーを押した回数に応じて割り当てられた文字を切り替える文字入力インタフェースにおいて、一定時間キー入力が無い場合に現在表示中の文字の確定操作がなされたものとみなし、カーソル位置を隣に移動させる機能を持つ入力装置が開示されている。この機能を利用することで、文字入力中に文字確定操作を兼ねるカーソル移動のためのキーの操作を省略することができる。
【0003】
また、特許文献2には、入力情報を入力する速度を測定した結果に対応してその後に実行する機能を自動的に選択する情報入力装置が開示されている。具体的には、同公報の図6のとおり、文字入力の速度に応じて、その後に入力文字の意味等の内容表示を行うか否かや利用する辞書を選択することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−289178号公報
【特許文献2】特開2010−15439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下の分析は、本発明によって与えられたものである。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の機能(以下、「自動カーソル移動機能」という。)が有効化されていると、文字入力操作に時間が掛かる利用者の場合には逆に不便な機能となってしまうという問題点がある。例えば、あ行にアサインされている「1」キーを3回押して“う”の文字を選択する場合、1回押した後から2回目を押す間に、判定期間(図10のT)が経過してしまうと、“あ”の状態で文字の確定操作がなされたものとみなされカーソルが移動してしまう。3回目のキー押下も遅れると、図10に示すように、“あああ”と入力されることになってしまう。
【0007】
反対に、文字入力操作に時間が掛かる利用者に合わせて上記判定期間(図10のT)を長くしてしまうと、文字入力操作の早い利用者にとっては、待ち時間が長く感ぜられ、ストレスを感じるようになってしまう。
【0008】
このような状況下、携帯電話の中には、利用者がメニューで上記判定期間を選択(OFF/遅い/普通/速い)できるようになっているものが存在するが、利用者は当該設定メニューを探し出せず、設定を変更することができずに利用していることが多い。
【0009】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであって、文字入力操作に関する習熟度の高い利用者および習熟度の低い利用者の双方にとって、キー押下回数を削減できる文字インタフェースを備えた文字入力装置、文字入力インタフェースの制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の視点によれば、利用者によるキー操作の履歴に基づいて、利用者の文字入力操作の習熟度を推定する習熟度推定部を備え、前記習熟度推定部にて推定された習熟度に応じて、同一キーを押下した回数により入力文字を選択する文字入力インタフェースの、選択中の文字の確定操作がなされたものとみなす判定期間を増減する文字入力装置が提供される。
【0011】
本発明の第2の視点によれば、利用者によるキー操作の履歴に基づいて、利用者の文字入力操作の習熟度を推定するステップと、前記推定した習熟度に応じて、同一キーを押下した回数により入力文字を選択する文字入力インタフェースの、選択中の文字の確定操作がなされたものとみなす判定期間を増減するステップとを含む文字入力インタフェースの制御方法が提供される。なお、本方法は、同一キーを押下した回数により入力文字を選択する文字入力インタフェースを備える文字入力装置という、特定の機械に結びつけられている。
【0012】
本発明の第3の視点によれば、文字入力装置に搭載されたコンピュータに実行させるプログラムであって、利用者によるキー操作の履歴に基づいて、利用者の文字入力操作の習熟度を推定する処理と、前記推定した習熟度に応じて、同一キーを押下した回数により入力文字を選択する文字入力インタフェースの、選択中の文字の確定操作がなされたものとみなす判定期間を増減する処理とを前記コンピュータに実行させるプログラムが提供される。なお、このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。即ち、本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、同一キーを押下した回数により入力文字を選択し、キー入力を中断することにより選択中の文字の確定操作が行われたものとして処理する文字入力インタフェースが、文字入力操作に関する習熟度の高い利用者および習熟度の低い利用者の双方にとって利用しやすいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の概要を説明するための図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の文字入力装置の構成を表わしたブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の文字入力装置による推定習熟度と判定期間との対応関係を示す図である。
【図4】キー入力速度による習熟度の推定処理を説明するための図である(キー入力速度が遅い場合)。
【図5】キー入力速度による習熟度の推定処理を説明するための別の図である(キー入力速度が普通である場合)。
【図6】キー入力速度による習熟度の推定処理を説明するための別の図である(キー入力速度が速い場合)。
【図7】本発明の第1の実施形態の文字入力装置の動作を説明するための図である(利用者の習熟度が高い場合)。
【図8】本発明の第1の実施形態の文字入力装置の動作を説明するための図である(利用者の習熟度が低い場合)。
【図9】本発明の第2の実施形態の文字入力装置による推定習熟度と判定期間補正量との対応関係を示す図である。
【図10】利用者のキー押下速度に対し、判定期間が短い場合の入力内容を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
はじめに、本発明の概要を説明する。本発明は、複数の文字が割り付けられたキーを押下した回数により入力文字を選択する文字入力インタフェースを備え、キー押下による入力文字の選択後、所定の判定期間が経過した場合に入力文字が確定したものとみなす機能を備えた情報処理装置にて実現することができる。
【0016】
より具体的には、図1に示すように、利用者によるキー操作の履歴に基づいて、利用者の文字入力操作の習熟度を推定する習熟度推定部11と、前記習熟度推定部にて推定された習熟度に応じて、判定期間記憶部13に記憶された判定期間を増減する制御部30と、を備えた構成とすることができる。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、上記利用者によるキー操作の履歴としては、単位時間あたりのキー操作回数、所定の文字数を入力するのに要した時間、単位時間当たりの訂正キーの押下回数などを適宜採用することができる。
【0017】
このような構成を採ることにより、習熟度の低い利用者には、長めの判定期間を設定し、図10に示すように、利用者の意図しない文字が確定されてしまうことを抑止することができる。
【0018】
[第1の実施形態]
続いて、本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図2は、本発明の第1の実施形態の文字入力装置1の構成を示すブロック図である。なお、文字入力装置1としては、携帯電話に代表される各種の携帯端末や、プリンタ、ファクシミリ装置、いわゆる情報家電などの文字入力インタフェースを備えた各種の組込機器も含まれる。
【0019】
図2を参照すると、メモリ部10と、無入力期間計測用タイマ20と、制御部30と、利用者のキー入力を検出するキー入力部40と、キー押下数または入力文字数をカウントする習熟度推定用カウンタ50と、所定の回数のキー操作または所定の文字数の入力の所要時間を計測する習熟度推定用タイマ60と、入力された文字を表示する表示部70とを備えた構成が示されている。なお、習熟度推定用カウンタ50と、習熟度推定用タイマ60と、制御部30の習熟度推定機能が、上述した習熟度推定部に相当する。
【0020】
メモリ部10は、同一キーを押下した回数により入力文字を選択する文字入力インタフェースの、選択中の文字の確定操作がなされたものとみなす判定期間を記憶する判定期間記憶部13と、習熟度判定しきい値記憶部14と、計測カウント設定値記憶部15とを含んでいる。
【0021】
制御部30は、キー入力部40から入力されたキー情報を示すキー入力信号cが入力されると、表示部70に表示された内容を更新するとともに、タイマー制御信号bにて無入力期間計測用タイマ20をリセットして動作させる。また制御部30は、無入力期間計測用タイマ20が示す値と、メモリ部アクセス信号aにて読み出した判定期間記憶部13に保持されている判定期間とを比較し、判定期間が経過すると、表示部70に選択中(確定処理が済んでいない)の文字の確定処理を行う。
【0022】
さらに、制御部30は、待ち受け時のダイヤル入力開始時などの所定の習熟度推定開始条件が成立すると、タイマー制御信号eにて習熟度推定用タイマ60を動作させ、キー入力信号cが入力される度にカウンタ制御信号dにて習熟度推定用カウンタ50をインクリメントさせ、習熟度推定用カウンタ50の値が計測カウント設定値記憶部15に設定された計測カウント設定値nになるまでの計測時間tを計測する。また制御部30は、計測時間kから求めた平均キー入力時間k(=t/n)と習熟度判定しきい値記憶部14に記憶されたしきい値とを比較して、判定期間記憶部13に格納されている判定期間を増減する処理を行う。
【0023】
図3は、算出された平均キー入力時間kによる推定される推定習熟度と、判定時間との対応関係を表わしたテーブルである。
【0024】
図3の例では、習熟度判定しきい値記憶部14に保持されている高速側しきい値SH_H、低速側しきい値SH_Lによって判定期間の選択を行うものとなっている。高速側しきい値SH_Hは、キー入力が速い利用者の判定用であり、低速側しきい値SH_Lはキー入力が遅い場合の判定用の閾値である。
【0025】
例えば、平均キー入力時間kが高速側しきい値SH_H以下の値である場合、制御部30は、キー入力速度が速いと判断し、判定期間に短い値Tshortを設定する。また、平均キー入力時間kが低速側しきい値SH_L以上の値である場合、制御部30は、キー入力速度が遅いと判断し、判定期間に長い値Tlongを設定する。また、平均キー入力時間kが高速側しきい値SH_Hよりも大きいが低速側しきい値SH_L未満である場合、制御部30は、判定期間に標準値Tstdを設定する。
【0026】
このように設定することで、利用者のキー入力速度に合わせた判定期間が適用される。
【0027】
なお、図2に示した文字入力装置1の各部(処理手段)は、文字入力装置1を構成するコンピュータに、そのハードウェアを用いて、上記した各処理を実行させるコンピュータプログラムにより実現することもできる。
【0028】
続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。はじめに、図4〜図6を参照して、習熟度推定用カウンタ50および習熟度推定用タイマ60による計測時間kの測定について説明する。なお、以下の説明では、計測カウント設定値記憶部15には、計測カウント設定値nとして3が設定されているものとして説明する。
【0029】
習熟度推定開始条件の成立後、制御部30は、図4〜図6に示すように、習熟度推定用タイマ60を動作させ、計測時間tの計測を開始する。その後、キー入力信号cが入力される度に制御部30は、習熟度推定用カウンタ50をインクリメントさせる。4回目のキーが押下されるとカウンタ部50の値は、計測カウント設定値n(=3)と同じ値になり、制御部30へ通知される。
【0030】
カウンタ部50から前記通知を受けた制御部30は、先に起動した習熟度推定用タイマ60を停止させてタイマー値を読み出す。習熟度推定用タイマ60から読み出した値(計測時間t)と、計測カウント設定値記憶部15に設定された計測カウント設定値nから、t/nを計算してキーの平均入力時間kを算出する。
【0031】
図4は、キー入力速度の遅いユーザの計測時間tを示す図であり、図5は、キー入力速度が普通であるユーザの計測時間tを示す図であり、図6は、キー入力速度が速いユーザの計測時間tを示す図である。上述のとおり、計測カウント設定値nは3であるので、図4〜図6の利用者の平均キー入力時間kは、t/3と算出される。
【0032】
図4の利用者の平均キー入力時間kが低速側しきい値SH_L以上の値である場合、図3のテーブルに従い、判定時間としてTlongが設定される。図5の利用者の平均キー入力時間kが低速側しきい値SH_L未満、高速側しきい値SH_H超の値である場合、図3のテーブルに従い、判定時間としてTstdが設定される。同様に、図6の利用者の平均キー入力時間kが高速側しきい値SH_H以下の値である場合、図3のテーブルに従い、判定時間としてTshortが設定される。
【0033】
図7は、上記図6のユーザが「うみ」という単語を入力する際のキー操作と画面の遷移を表わした図である。図7の例では、判定時間としてTshortが設定されているものとする。まず、利用者があ行にアサインされている「1」キーを押下すると、制御部30は、「1」キーにアサインされている最初の文字である“あ”を表示するとともに、無入力期間計測用タイマ20を起動する。
【0034】
続いて利用者が「1」キーを押下すると、制御部30は、「1」キーにアサインされている次の文字である“い”の文字を表示する。ここでは、無入力期間計測用タイマ20の値が判定時間Tshortに至る前にキー入力が発生しているため、最初の文字“あ”による確定処理は行われず、無入力期間計測用タイマ20の値のリセットと再起動が実行される。
【0035】
さらに、利用者が「1」キーを押下すると、制御部30は、「1」キーにアサインされている次の文字である“う”の文字を表示する。ここでも、前回と同様に無入力期間計測用タイマ20の値が判定時間Tshortに至る前にキー入力が発生しているため、文字“い”による確定処理は行われず、無入力期間計測用タイマ20の値のリセットと再起動が実行される。
【0036】
利用者は所望の“う”の文字が表示されたことで、一旦キー入力操作を中断する。無入力期間計測用タイマ20の値が判定時間Tshortを超えた時点で、制御部30は、“う”の文字で確定操作がなされたものとみなし、カーソル位置を隣に移動する。
【0037】
“う”の文字が確定されカーソルが移動したことを確認した利用者が、次に、ま行にアサインされている「7」キーを押下すると、制御部30は、「7」キーにアサインされている最初の文字である“ま”の文字を表示するとともに、無入力期間計測用タイマ20のリセットと再起動を実行する。
【0038】
“ま”の文字は所望の文字ではないため利用者が続いて「7」キーが押下すると、制御部30は、「7」キーにアサインされている次の文字である“み”の文字を表示する。ここでも、前回と同様に無入力期間計測用タイマ20の値が判定時間Tshortに至る前にキー入力が発生しているため、文字“ま”による確定処理は行われず、無入力期間計測用タイマ20の値のリセットと再起動が実行される。
【0039】
利用者は所望の“み”の文字が表示されたことで、一旦キー入力操作を中断する。無入力期間計測用タイマ20の値が判定時間Tshortを超えた時点で、制御部30は、“み”の文字で確定操作がなされたものとみなし、カーソル位置を隣に移動する。
【0040】
図8は、上記図4のユーザが「うみ」という単語を入力する際のキー操作と画面の遷移を表わした図である。図8の例では、判定時間としてTshortよりも長いTlongが設定されているものとする。
【0041】
図7との相違点は、利用者がキーを操作する間隔が長い点であるが、図8に表わされたように、判定時間としてTshortよりも長いTlongが設定されているため、2回目、3回目の「1」キーの押下が遅くても、制御部30は、確定処理を実行しない。そして、所望の“う”の文字を視認した利用者が、Tshortよりも長い時間、キー入力操作を中断することで、確定処理が実行される。
【0042】
以上のように、本実施形態によれば、利用者の習熟度に応じて、判定期間を増減しているため、キー入力速度が遅い利用者の場合も、図10のように意図しない文字での確定処理が行われることはない。
【0043】
また、本実施形態によれば、キー入力が速い利用者には、より短い判定期間を自動的に設定するため、キー入力が速い利用者もストレスを感じることなく入力操作を進めることができる。
【0044】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。
【0045】
例えば、上記した実施形態では、判定期間そのものを変更するものとして説明したが、図9に示すように、平均キー入力時間kに応じて、判定期間の補正を行うようにしてもよいことはもちろんである(第2の実施形態)。この実施形態は、利用者がメニューで上記判定期間を選択(OFF/遅い/普通/速い)できるようになっている携帯電話に好適に適用できる。例えば、上記判定期間として「速い」を選択した利用者の平均キー入力時間が長ければ、上記判定期間が長くなるように、判定期間を増大させる補正(+α)を行うことが可能になる。
【0046】
また、上記した実施形態では、平均キー入力時間kを求めてしきい値と比較することにより判定期間を決定したが、平均キー入力時間kに変えて、所定の回数のキー操作または所定の文字数の入力の所要時間(図4〜図6の計測時間t参照)を別途定めたしきい値と比較する方法も採用することができる。また、しきい値についても、簡素化のため、高速側しきい値SH_H、低速側しきい値SH_Lの2つのどちらか一方だけの判定を行うものとしてもよい。また、高速側しきい値SH_H、低速側しきい値SH_Lをさらに細分化し、利用者の文字入力操作に関する習熟度をより細かく推定し、判定期間も細かく調整するようにしてもよい。
【0047】
また、上記した実施形態では、平均キー入力時間kを求めてしきい値と比較することにより判定期間を決定したが、所定の監視期間における訂正キーの押下回数により、利用者の文字入力操作の習熟度を推定する方法も採用することができる。利用者によるダイヤル発信時や文章入力時における訂正キーの押下回数は、平均キー入力時間と同様に、利用者の文字入力操作に関する習熟度と強い相関があると考えられるためである。
【0048】
また、上記した実施形態では、利用者によるダイヤル発信時に、計測カウント設定値記憶部15に設定された計測カウント設定値nを3として、平均キー入力時間k、計測時間tを求めるものとして説明したが、計測カウント設定値nは適宜変更することができる。また、その他のキー操作を利用者の文字入力操作の習熟度の推定開始トリガとしても良いことはもちろんである。
【0049】
また、上記した説明では、習熟度の推定後、如何なるタイミングで判定期間を変更するかについては説明を省略したが、文字入力操作の習熟度の推定開始条件によっては、頻繁に判定期間の変更が発生し、ユーザを戸惑わせる可能性がある。このような事態を避ける観点からは、利用者の文字入力操作の習熟度の推定結果を所定期間保持しておき、一定時刻、一定時間間隔や月初めといった予め定められたタイミングで、判定期間の変更を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 文字入力装置
10 メモリ部
11 習熟度推定部
13 判定期間記憶部
14 習熟度判定しきい値記憶部
15 計測カウント設定値記憶部
20 無入力期間計測用タイマ
30 制御部
40 キー入力部
50 習熟度推定用カウンタ
60 習熟度推定用タイマ
70 表示部
a メモリ部アクセス信号
b、e タイマー制御信号
c キー入力信号
d カウンタ制御信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者によるキー操作の履歴に基づいて、利用者の文字入力操作の習熟度を推定する習熟度推定部を備え、
前記習熟度推定部にて推定された習熟度に応じて、同一キーを押下した回数により入力文字を選択する文字入力インタフェースの、選択中の文字の確定操作がなされたものとみなす判定期間を増減する文字入力装置。
【請求項2】
前記習熟度推定部にて推定された習熟度が低い場合、前記判定期間を長くする請求項1の文字入力装置。
【請求項3】
前記習熟度推定部は、所定のキー操作の所要時間または所定の文字数の入力所要時間により、利用者の文字入力操作の習熟度を推定する請求項1または2の文字入力装置。
【請求項4】
前記習熟度推定部は、利用者によるダイヤル発信時に、利用者の文字入力の習熟度を推定する請求項1から3いずれか一の文字入力装置。
【請求項5】
前記習熟度推定部による利用者の文字入力操作の習熟度の推定結果を所定期間保持しておき、
予め定められたタイミングで、前記判定期間の変更を行う請求項1から4いずれか一の文字入力装置。
【請求項6】
前記習熟度推定部は、所定の監視期間における訂正キーの押下回数により、利用者の文字入力操作の習熟度を推定する請求項1または2の文字入力装置。
【請求項7】
利用者によるキー操作の履歴に基づいて、利用者の文字入力操作の習熟度を推定するステップと、
前記推定した習熟度に応じて、同一キーを押下した回数により入力文字を選択する文字入力インタフェースの、選択中の文字の確定操作がなされたものとみなす判定期間を増減するステップとを含む文字入力インタフェースの制御方法。
【請求項8】
前記推定した習熟度が低い場合、前記判定期間を長くする請求項7の文字入力インタフェースの制御方法。
【請求項9】
文字入力装置に搭載されたコンピュータに実行させるプログラムであって、
利用者によるキー操作の履歴に基づいて、利用者の文字入力操作の習熟度を推定する処理と、
前記推定した習熟度に応じて、同一キーを押下した回数により入力文字を選択する文字入力インタフェースの、選択中の文字の確定操作がなされたものとみなす判定期間を増減する処理とを前記コンピュータに実行させるプログラム。
【請求項10】
前記推定した習熟度が低い場合、前記判定期間を長くする請求項9のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−103903(P2012−103903A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−251824(P2010−251824)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】