説明

文字入力装置及び文字入力プログラム

【課題】仮名文字を入力する際に表示部に表示される文字入力操作用の画像を大きく表示でき、操作者の操作性を従来よりも向上させる。
【課題を解決するための手段】文字入力装置を備える画像形成装置1は、母音表示制御部1031が、操作者による接触操作に従って、表示部473に表示中の母音画像を他の母音画像に順次切り換え、子音表示制御部1032は、操作者による接触操作に従って、表示部473に表示中の子音画像を他の子音画像に順次切り換えて表示する。指定受付部105は、表示部473に表示されている母音画像が示す母音と、子音画像が示す子音とを指定する指示の入力を操作者から受け付け、文字入力受付部106は、当該入力が受け付けられた母音及び子音からなる仮名文字の入力を受け付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字入力装置及び文字入力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置等において文字入力を受け付ける場合には、表示部に入力候補となる文字の画像を表示部に表示させ、当該表示部に設けられたタッチパネル機能により、操作者による当該画像の表示部分への接触を検知して、当該画像により示される文字の入力を受け付ける文字入力技術が採用されている。このような文字入力技術が採用された装置としては、例えば、下記特許文献1に、1つのキーに複数の仮名文字を割り当て、当該キーの押下回数に応じて仮名文字を指定して入力するキー入力装置が示されている。また、下記特許文献2には、入力可能な各仮名文字を示す文字ボタンを表示部の表示画面に表示させ、操作者により押下された文字ボタンに対応する仮名文字の入力を受け付けるキー入力装置が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−207608号公報
【特許文献2】特開平5−158604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示されるキー入力装置は、1つの仮名文字を指定して入力するためには多くの回数のキー操作が必要になる。また、特許文献2に示されるキー入力装置は、入力可能な各仮名文字に対応する多くの文字ボタンを、限られた面積からなる狭い表示画面内に表示するため、各文字ボタンの大きさが小さくなってしまい、操作者が文字ボタンを操作し難いという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、仮名文字を入力する際に表示部に表示される文字入力操作用の画像を大きく表示でき、操作者の操作性を従来よりも向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の発明は、画像を表示する表示部と、
各母音毎に設けられた母音画像と、各子音毎に設けられた子音画像とを記憶する画像記憶部と、
前記表示部の表示画面上における操作者による接触を検知する接触検知部と、
前記母音画像を母音別に前記表示部に表示させ、当該母音画像の表示領域における接触が前記接触検知部によって検知されたとき、表示中の母音画像を他の母音画像に順次切り換えて表示する切換表示を行う母音表示制御部と、
前記子音画像を子音別に前記表示部に表示させ、当該子音画像の表示領域における接触が前記接触検知部によって検知されたとき、表示中の子音画像を他の子音画像に順次切り換えて表示する切換表示を行う子音表示制御部と、
前記母音表示制御部によって前記表示部に表示されている前記母音画像に対応する母音と、前記子音表示制御部によって前記表示部に表示されている前記子音画像に対応する子音とを指定する指示の入力を操作者から受け付ける指定受付部と、
前記指示受付部によって入力が受け付けられた母音及び子音により構成される仮名文字の入力を受け付ける文字入力受付部と
を備える文字入力装置である。
【0007】
また、請求項4に記載の発明は、コンピューターを、
各母音毎に設けられた母音画像と、各子音毎に設けられた子音画像とを記憶する画像記憶部と、
前記コンピューターが備える表示部の表示画面上における操作者による接触を検知する接触検知部と、
前記母音画像を母音別に前記表示部に表示させ、当該母音画像の表示領域における接触が前記接触検知部によって検知されたとき、表示中の母音画像を他の母音画像に順次切り換えて表示する切換表示を行う母音表示制御部と、
前記子音画像を子音別に前記表示部に表示させ、当該子音画像の表示領域における接触が前記接触検知部によって検知されたとき、表示中の子音画像を他の子音画像に順次切り換えて表示する切換表示を行う子音表示制御部と、
前記母音表示制御部によって前記表示部に表示されている前記母音画像に対応する母音と、前記子音表示制御部によって前記表示部に表示されている前記子音画像に対応する子音とを指定する指示の入力を操作者から受け付ける指定受付部と、
前記指示受付部によって入力が受け付けられた母音及び子音により構成される仮名文字の入力を受け付ける文字入力受付部と
して機能させる文字入力プログラムである。
【0008】
これらの発明では、母音表示制御部及び子音表示制御部が、母音画像及び子音画像を表示部に表示させ、当該母音画像又は子音画像の表示領域における接触が接触検知部によって検知されると、当該接触があった母音画像又は子音画像を順次切り換えて表示し、指定受付部は、表示部に表示されている母音画像及び子音画像に対応するそれぞれの母音及び子音を指定する指示を操作者から受け付け、文字入力受付部が、当該指定の受け付けられた母音及び子音により構成される仮名文字の入力を受け付ける。
【0009】
このため、操作者は、入力したい文字を構成する母音の母音画像と子音の子音画像の両方を表示部による表示で視認して、当該母音画像及び子音画像の表示を切り換える操作を母音画像又は子音画像毎に別個に行い、所望の母音に対応する母音画像、及び子音に対応する子音画像が表示された時点で、当該母音及び子音を指定する指示を指定受付部に入力すれば、入力する仮名文字を指定できる。
【0010】
これにより、例えば、1つのキーに複数の仮名文字を割り当てて、当該キーの押下回数に応じて仮名文字を指定して入力する従来のキー入力と比べて、入力対象とする仮名文字を指定するために操作者に求められる操作手数が削減されるため、入力したい仮名文字を指定するために必要な操作が簡易になる。
【0011】
また、本発明では、入力の対象とする仮名文字の指定を受け付ける際、表示部の表示画面には、仮名文字を特定するための母音画像及び子音画像を表示させれば、操作者が入力する仮名文字を特定可能である。このため、入力可能な各仮名文字を示す多くの文字ボタンを表示部の表示画面に表示させて、操作者により押下された文字ボタンに対応する仮名文字の入力を受け付ける従来のキー入力と比べて、表示部の表示画面に配置を要する画像又はキーの数を減らすことができ、表示する各画像又はキーを大きく表示できるので、操作者は画像又はキーの操作を容易に行うことができる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の文字入力装置であって、前記文字入力受付部に入力が受け付けられた前記仮名文字を入力受付順に前記表示部に表示する受付文字表示制御部と、
前記受付文字表示制御部が前記表示部に表示する前記仮名文字のうち、編集の対象とする仮名文字を指定する指示を操作者から受け付ける編集文字受付部とを更に備え、
前記母音表示制御部は、前記編集文字受付部により指定が受け付けられた仮名文字を構成する母音を示す母音画像を前記表示部に表示させて前記切換表示を行い、
前記子音表示制御部は、前記編集文字受付部により指定が受け付けられた仮名文字を構成する子音を示す子音画像を前記表示部に表示させて前記切換表示を行い、
前記指定受付部は、前記母音表示制御部によって表示される前記母音画像に対応する母音と、前記子音表示制御部によって表示される前記子音画像に対応する子音とを指定する指示を操作者から受け付け、
前記文字入力受付部は、前記指示受付部によって受け付けられた母音及び子音により構成される仮名文字の入力を受け付けるものである。
【0013】
この発明では、母音表示制御部及び子音表示制御部が、編集文字受付部により指定が受け付けられた仮名文字について、当該仮名文字を構成する母音及び子音に対応するそれぞれの母音画像及び子音画像を表示部に表示させて上述した操作者の操作に基づく切換表示を行い、指定受付部は、当該表示される母音画像及び子音画像に対応するそれぞれの母音及び子音を指定する指示を操作者から受け付けるため、操作者は、一旦入力した仮名文字について、訂正又は変更の編集を行う場合であっても、仮名文字を訂正又は変更するために操作者に求められる操作手数を削減できる。さらには、例えば、誤入力の仮名文字「ら」を、仮名文字「た」に変更する場合は、子音を「R」から「T」に変更する操作をすれば足りる。従来は、一旦入力した仮名文字を訂正する際の操作は、入力した仮名文字自体を消去して再度入力をし直す作業になるが、本発明では、当該仮名文字を構成する母音又は子音のうち、訂正が必要な方のみを訂正する操作で済ませることが可能である。このため、従来の操作よりも操作手数を削減して操作者の操作性を更に向上させることができる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の文字入力装置であって、前記文字入力受付部によって入力が受け付けられた前記仮名文字を編集する編集指示を操作者から受け付ける編集受付部を更に備え、
前記母音表示制御部は、前記編集受付部により前記編集指示が受け付けられた場合、前記入力が受け付けられた各仮名文字を構成する母音に対応する母音画像を予め定められた文字数分ずつ前記表示部に順次切り換えて表示させて前記切換表示を行い、
前記子音表示制御部は、前記母音表示制御部により表示される前記母音画像の示す母音が属する前記仮名文字を構成する子音に対応する子音画像を前記表示部に表示させて前記切換表示を行い、
前記指定受付部は、前記母音表示制御部によって表示される前記母音画像が示す母音と、前記子音表示制御部によって表示される前記子音画像が示す子音とを指定する指示を操作者から受け付け、
前記文字入力受付部は、前記指示受付部によって受け付けられた母音及び子音により構成される仮名文字の入力を受け付けるものである。
【0015】
この発明では、編集受付部が、既に入力が受け付けられている仮名文字を編集する指示を操作者から受け付けると、母音表示制御部及び子音表示制御部が、この時点で入力が受け付けられている各仮名文字を構成する母音及び子音に対応するそれぞれの母音画像及び子音画像を、予め定められた数の仮名文字ずつ順番に表示部に表示させて上述した切換表示を行い、指定受付部は、当該表示される母音画像及び子音画像に対応するそれぞれの母音及び子音を指定する指示を操作者から受け付けるため、操作者は、一旦入力した仮名文字を訂正する場合であっても、仮名文字を訂正するために操作者に求められる操作手数を削減できる。
【0016】
さらには、例えば、誤入力の仮名文字「ら」を、仮名文字「た」に変更する場合は、子音を「R」から「T」に変更する操作をすれば足りる。従来は、一旦入力した仮名文字を訂正する際の操作は、入力した仮名文字自体を消去して再度入力をし直す作業になるが、本発明では、当該仮名文字を構成する母音及び子音のうち、訂正が必要な方のみを訂正する操作で済ませることが可能である。このため、従来の操作よりも操作手数を削減して操作者の操作性を更に向上させることができる。
【0017】
また、本発明の場合、操作者は、編集の対象とする文字を指定する操作を行わなくても、各仮名文字の母音及び子音に対応するそれぞれの母音画像及び子音画像が表示部の表示画面に順次切り換わって表示されるため、操作者は、訂正対象とする仮名文字を示す母音画像及び子音画像に簡単にアクセスすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、仮名文字を入力する際に表示部に表示される文字入力操作用の画像を大きく表示でき、操作者の操作性を従来よりも向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る文字入力装置を備える画像形成装置の構造を示す正面断面図である。
【図2】画像形成装置の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【図3】画像形成装置による文字入力処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図5】(A)〜(D)は表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図6】仮名文字でなる語句「きようせらみた」を入力する場合の操作の流れを示す図である。
【図7】画像形成装置による文字編集処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図8】仮名文字でなる語句「きようせらみた」を編集する場合の操作の流れを示す図である。
【図9】表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図10】画像形成装置による文字編集処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図11】表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図12】表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図13】(A)(B)は表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図14】(A)〜(D)は表示部の表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態に係る文字入力プログラム、文字入力装置及び画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る文字入力装置を備える画像形成装置の構造を示す正面断面図である。画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、およびファクシミリ機能等の複数の機能を兼ね備えた複合機であり、本発明の一実施形態に係る文字入力装置を備える。画像形成装置1は、装置本体11に、画像形成部12、定着装置13、給紙部14、用紙排出部15、原稿給送部6、及び原稿読取部5等を備えて構成されている。
【0021】
装置本体11は、下部本体111と、この下部本体111の上方に対向配置された上部本体112と、この上部本体112と下部本体111との間に設けられた連結部113とを備えている。連結部113は、下部本体111と上部本体112との間に用紙排出部15を形成させた状態で両者を互いに連結するための構造物であり、図1においては下部本体111の左部および後部から立設され、平面視でL字状とされている。上部本体112は、連結部113の上端部に支持されている。上部本体112には、原稿読取部5及び原稿給送部6が設けられている。
【0022】
画像形成装置1の前面部には、操作者からの操作指示が入力される操作部47が設けられている。この操作部47は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部473を備えている。
【0023】
原稿読取部5は、上部本体112の上面開口に装着された、原稿を載置するためのコンタクトガラス(原稿台)161と、このコンタクトガラス161に載置された原稿を押さえる開閉自在の原稿押さえカバー162と、コンタクトガラス161に載置された原稿の画像を読み取る読取機構163とを備えている。読取機構163は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(ComplementaryMetal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサーを用いて原稿の画像を光学的に読み取り、画像データを生成する。
【0024】
原稿給送部6は、原稿が載置される原稿載置台61と、画像読み取り済みの原稿が排出される原稿排出部66と、原稿搬送機構65と、を備える。原稿搬送機構65は、図略の給紙ローラー、搬送ローラー、及び用紙反転機構を備えている。原稿搬送機構65は、給紙ローラー及び搬送ローラーの駆動により、原稿載置台61に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット53に対向する位置へ搬送し、原稿読取スリット53を介して読取機構163による読取を可能とした後、原稿排出部66へと排出する。また、原稿搬送機構65は、用紙反転機構が原稿を表裏反転させて原稿読取スリット53と対向する位置へ再搬送することで、当該原稿の両面の画像を、原稿読取スリット53を介して読取機構163により読取可能にしている。
【0025】
さらに原稿給送部6は、その前面側が上方に移動可能となるように上部本体112に対して回動自在に設けられている。原稿給送部6の前面側を上方に移動させて原稿台としてのコンタクトガラス161上面を開放することにより、コンタクトガラス161の上面に読み取り原稿、例えば見開き状態にされた書籍等をユーザーが載置できるようになっている。
【0026】
下部本体111には、画像形成部12、定着装置13および給紙部14が内装されている。上部本体112には原稿読取部5が設けられている。給紙部14は、装置本体11に対して挿脱可能の給紙カセット142,143,144を有している。給紙カセット142,143,144には記録紙(記録媒体の一例)が積層されてなる用紙束がそれぞれ収容されている。
【0027】
画像形成部12は、給紙部14から給紙された記録紙にトナー像を形成する画像形成動作を行う。画像形成部12は、中間転写ベルト125の走行方向において上流側から下流側へ向けて順次配設された、マゼンタ色のトナーを用いるマゼンタ用の画像形成ユニット12M、シアン色のトナーを用いるシアン用の画像形成ユニット12C、イエロー色のトナーを用いるイエロー用の画像形成ユニット12Yおよびブラック色のトナーを用いるブラック用の画像形成ユニット12Bk(以下、各画像形成ユニットを区別することなく述べる場合には、それぞれを「画像形成ユニット120」という)と、駆動ローラー125a(二次転写対向ローラー)等の複数のローラー間に画像形成における副走査方向へ無端走行可能に張架された中間転写ベルト125と、中間転写ベルト125が駆動ローラー125aに張架される部分で中間転写ベルト125の外周面に当接する二次転写ローラー210とを備えている。
【0028】
各画像形成ユニット120は、感光体ドラム121と、感光体ドラム121へトナーを供給する現像装置122と、トナーを収容するトナーカートリッジ(不図示)と、帯電装置123と、露光装置124と、一次転写ローラー126と、ドラムクリーニング装置127とをそれぞれ一体的に備えている。
【0029】
感光体ドラム121は、その周面に静電潜像およびこの静電潜像に沿ったトナー像を形成する。現像装置122は、感光体ドラム121へトナーを供給する。各現像装置122には、前記トナーカートリッジからトナーが適宜補給される。
【0030】
帯電装置123は、感光体ドラム121の直下位置に設けられている。帯電装置123は、各感光体ドラム121の周面を一様に帯電させる。
【0031】
露光装置124は、感光体ドラム121の下方位置であって、帯電装置123の更に下方位置に設けられている。露光装置124は、コンピューター等から入力された画像データや原稿読取部5が取得した画像データに基づく各色に対応したレーザ光を、帯電後の感光体ドラム121の周面に照射し、各感光体ドラム121の周面に静電潜像を形成する。
【0032】
現像装置122は、矢印の方向へ回転する感光体ドラム121の周面の静電潜像にトナーを供給して当該トナーを積層させ、感光体ドラム121の周面に前記画像データに応じたトナー像を形成する。
【0033】
中間転写ベルト125は、各感光体ドラム121の上方位置に配置されている。中間転写ベルト125は、図1における左側の駆動ローラー125aと、同図の右側の従動ローラー125bとの間に無端走行可能に張架され、下方の外周面が各感光体ドラム121の周面に当接している。
【0034】
中間転写ベルト125を挟んで各感光体ドラム121に対向する位置には、一次転写ローラー126が設けられている。この一次転写ローラー126には、図略の転写バイアス印加機構により転写バイアスが印加され、一次転写ローラー126は、各感光体ドラム121の外周周面に形成された上記トナー像を中間転写ベルト125の表面に転写させる。
【0035】
制御部100(図2)は、各色の毎に一次転写ローラー126及び画像形成ユニット120を駆動制御して、中間転写ベルト125の表面に、マゼンタ用の画像形成ユニット12Mにより形成されたマゼンタのトナー像の転写と、次いで中間転写ベルト125の同一位置にシアン用の画像形成ユニット12Cにより形成されたシアンのトナー像の転写と、次いで中間転写ベルト125の同一位置にイエロー用の画像形成ユニット12Yにより形成されたイエローのトナー像の転写と、最後のブラック用の画像形成ユニット12Bkにより形成されたブラックのトナー像の転写とを、各色のトナー像が重なり合うように行わせ、これによりカラーのトナー像を中間転写ベルト125の表面に形成させる(中間転写(一次転写))。
【0036】
二次転写ローラー210は、図略の転写バイアス印加機構により転写バイアスが印加されている。二次転写ローラー210は、中間転写ベルト125の表面に形成されたカラーの上記トナー像を、給紙部14から搬送されてきた記録紙に転写させる。二次転写ローラー210は、中間転写ベルト125が駆動ローラー125aに張架される部分の用紙搬送路190に、中間転写ベルト125の外周面に当接させて設けられている。二次転写ローラー210は、前記トナー像が記録紙に二次転写されるニップ部Nを、中間転写ベルト125を挟んで駆動ローラー125aとの間に形成する。用紙搬送路190を搬送される記録紙は、ニップ部Nにおいて中間転写ベルト125と二次転写ローラー210とに押圧挟持され、ここにおいて中間転写ベルト125上のトナー像が記録紙に二次転写される。なお、二次転写ローラー210及び駆動ローラー125aのニップ部Nよりも、搬送ローラー192による記録紙の搬送方向上流側には、レジストローラー630が配設されている。
【0037】
ドラムクリーニング装置127は、各感光体ドラム121の図1で左方位置に設けられ、感光体ドラム121の周面の残留トナーを除去してクリーニングする。このドラムクリーニング装置127によってクリーニングされた感光体ドラム121の周面は、新たな帯電処理のために再び帯電装置123へ向かう。
【0038】
画像形成部12に対して図1での左方位置には、上下方向に延びる用紙搬送路190が形成されている。用紙搬送路190には、適所に搬送ローラー192が設けられている。搬送ローラー192は、給紙部14から繰り出された記録紙を、ニップ部N及び定着装置13に向けて搬送する。すなわち、当該適所に配置された搬送ローラー192からなる搬送機構により記録紙が搬送される。
【0039】
定着装置13は、内部に加熱源である通電発熱体を備えた加熱ローラー132と、加熱ローラー132に対向配置された加圧ローラー134とを備えている。定着装置13は、画像形成部12で転写された記録紙上のトナー像に対し、記録紙が加熱ローラー132と加圧ローラー134との間の定着ニップ部を通過する間に、加熱ローラー132から熱を与えて定着処理を施す。定着処理の完了したカラー画像形成済みの記録紙は、定着装置13の上部から延設された排紙搬送路194を通って、下部本体111の頂部に設けられた排出トレイ151へ向けて排出される。
【0040】
なお、従動ローラー125bに張架された中間転写ベルト125の外周面に対向する位置にはクリーニング部22が設けられている。
【0041】
給紙部14は、装置本体11の図1における右側壁に開閉自在に設けられた手差しトレイ141と、下部本体111内における露光装置124より下方位置に挿脱可能に装着された給紙カセット142,143,144とを備えている。
【0042】
手差しトレイ141は、下部本体111の右面の下方位置に設けられた、記録紙を手差し操作で画像形成部12へ向けて給紙するためのトレイである。給紙カセット142,143,144は、複数枚の記録紙が積層されてなる用紙束を収容する。給紙カセット142の上方には、ピックアップローラー145が設けられ、ピックアップローラー145は、給紙カセット142,143,144に収容された用紙束の最上位の記録紙を用紙搬送路190へ向けて繰り出す。
【0043】
用紙排出部15は、下部本体111と上部本体112との間に形成されている。用紙排出部15は、下部本体111の上面に形成された排出トレイ151を備える。排出トレイ151は、画像形成部12でトナー像が形成された記録紙が、定着装置13で定着処理が施された後に排出されるトレイである。
【0044】
次に、画像形成装置1の電気的構成を説明する。図2は画像形成装置1の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【0045】
画像形成装置1は、制御ユニット10を備える。制御ユニット10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM、ROM及び専用のハードウェア回路等から構成され、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る。
【0046】
制御ユニット10は、原稿読取部5、画像処理部31、画像メモリー32、用紙搬送部411、画像形成部12、操作部47、ファクシミリ通信部71、ネットワークインターフェイス部91、HDD(ハードディスクドライブ)81等と接続されている。制御ユニット10は、接続されている上記各機構の動作制御や、各機構との間での信号又はデータの送受信を行う。
【0047】
制御ユニット10は、上述した画像形成装置1の全体的な動作制御を司る制御部100を備える。制御部100は、ユーザーから操作部47又はネッワーク接続されたパーソナルコンピューター等を通じて入力されるジョブの実行指示に従って、スキャナー機能、プリンター機能、コピー機能及びプリンター機能の各機能についての動作制御を実行するために必要な各機構部の駆動及び処理を制御する。
【0048】
原稿読取部5は、画像照射ランプ511及びCCD(電荷結合素子:Charge Coupled Device)センサー512を有する上記の読取機構163からなるスキャナー部51を備える。原稿読取部5は、画像照射ランプ511により原稿を照射し、その反射光をCCDセンサー512で受光することにより、原稿から画像を読み取る。
【0049】
画像処理部31は、原稿読取部5で読み取られた画像の画像データを必要に応じて画像処理する。例えば、画像処理部31は、原稿読取部5により読み取られた画像が画像形成部12により画像形成された後の品質を向上させるために、予め定められた画像処理を行う。
【0050】
画像メモリー32は、上記原稿読取部5で読み取られた画像データ等を記憶する。
【0051】
用紙搬送部411は、図1に示したピックアップローラー145及び搬送ローラー192等から構成され、手差しトレイ141,給紙カセット142,143に収納されている記録紙を画像形成部12及び排出トレイ151まで搬送する。
【0052】
画像形成部12は、上述したように、画像形成ユニット12M、12C、12Y、12Bkと、駆動ローラー125aに張架された中間転写ベルト125と、二次転写ローラー210とを備えている。画像形成部12による出力対象となる画像データは、原稿読取部5で読み取られた画像データ、ネットワークインターフェイス部91を介してローカルエリア内のクライアントコンピューター等から送信されてきた画像データ等から送信されてきた画像データ等である。なお、図2に示す画像形成部12には、定着装置13も併せて含まれるものとする。
【0053】
操作部47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理についてユーザーからの指示を受け付けるタッチパネル部及び操作キー部を備える。タッチパネル部は、接触検知部102として、操作部47が備える表示部473のディスプレイ部分に設けられており、表示部473の表示画面上における操作者による接触をその接触位置と共に検知する。タッチパネル部は、当該操作者による接触を検知すると、当該接触の旨を示す検知信号を後述する母音表示制御部1031及び子音表示制御部1032等に出力する。
【0054】
ファクシミリ通信部71は、図略の符号化/復号化部、変復調部及びNCU(Network Control Unit)を備え、公衆電話回線網を用いてのファクシミリの送信を行うものである。ファクシミリ通信部71は、例えば原稿読取部5によって読み取られた原稿の画像データを、電話回線を介してファクシミリ装置等へ送信したり、ファクシミリ装置等から送信された画像データを受信する。
【0055】
HDD81は、原稿読取部5によって読み取られた画像データ等を記憶する。HDD81に記憶されている画像データは、画像形成部12による画像形成に用いられ、また、画像形成装置1にネットワーク接続されたクライアントコンピューターへの送信が可能である。
【0056】
ネットワークインターフェイス部91は、LANボード等の通信モジュールから構成され、当該ネットワークインターフェイス部91に接続されたLAN等を介して、ローカルエリア内の装置(パーソナルコンピューター等)と種々のデータの送受信を行う。
【0057】
また、制御ユニット10は、更に、表示制御部103、指定受付部105、文字入力受付部106、編集文字受付部108、及び編集受付部109を備えている。制御ユニット10内のメモリー又はROM、或いはHDD81等に記憶された本発明の一実施形態である文字入力プログラムに従ってCPUが動作することで、これら各部として機能する。或いは、制御ユニット10が上記各部に対応する専用のハードウェア回路等を備えることにより当該各部として機能するようにしてもよい。但し、後述する母音表示制御部1031、子音表示制御部1032、及び受付文字表示制御部1033は、これら各表示制御部を兼ねる1つの表示制御部により構成されてもよいし、これら各表示制御部を制御部100が兼ねる構成としてもよい。
【0058】
表示制御部103は、表示部473の表示制御を司る。表示制御部103は、母音表示制御部1031、子音表示制御部1032、及び受付文字表示制御部1033を備える。
【0059】
母音表示制御部1031は、仮名文字を構成する母音及び子音のうち、母音を示す母音画像を表示部473に表示させる。すなわち、各仮名文字は、母音及び子音の組み合わせから構成されるが(例えば、仮名文字「か」の場合は子音「K」及び母音「a」で構成される等)、母音は、「a」,「i」,「u」,「e」,「o」の各音からなり、母音表示制御部1031は、当該母音のそれぞれを示す母音画像を選択的に表示部473に表示させる。母音表示制御部1031は、タッチパネル部から、表示部473による母音画像の表示領域における接触を示す検知信号を受信したときに、表示中の母音画像を次候補の別の母音を示す母音画像に切り換えて表示することで、各母音毎に用意されている母音画像を順次切り換えて表示部473に表示する。
【0060】
子音表示制御部1032は、仮名文字を構成する母音及び子音のうち、子音を示す子音画像を表示部473に表示させる。各仮名文字は、上述したように、母音及び子音の組み合わせから構成されるが、子音は、K(「か」行の子音),S(「さ」行の子音),T(「た」行の子音),N(「な」行の子音),H(「は」行の子音),M(「ま」行の子音),Y(「や」行の子音),R(「ら」行の子音),W(「わ」行の子音),G(「が」行の子音),Z(「ざ」行の子音),D(「で」行の子音),B(「ば」行の子音),NN(「ん」に対応)等の各音からなり、子音表示制御部1032は、当該子音のそれぞれを示す子音画像を選択的に表示部473に表示させる。子音表示制御部1032は、タッチパネル部から表示部473における子音画像の表示領域における接触を示す検知信号を受信したときに、表示中の子音画像を次候補の別の子音を示す子音画像に切り換えて表示することで、各子音毎に用意されている子音画像を順次切り換えて表示部473に表示する。
【0061】
指定受付部105は、母音表示制御部1031によって表示部473に表示されている母音画像に対応する母音と、子音表示制御部1032によって表示部473に表示されている子音画像に対応する子音とを指定する指示を操作者から受け付ける。操作者による操作部47の操作により、表示中の母音画像に対応する母音と、子音画像に対応する子音とを指定する指示が操作部47に入力され、指定受付部105が当該指示を受け付ける。
【0062】
文字入力受付部106は、指定受付部105によって受け付けられた母音及び子音により構成される仮名文字の入力を受け付ける。すなわち、文字入力受付部106は、指定受付部105によって受け付けられた母音及び子音で構成される仮名文字を特定し、当該特定した仮名文字の入力を受け付ける。
【0063】
受付文字表示制御部1033は、文字入力受付部106によって受け付けられた仮名文字を受付順に表示部473に表示する。すなわち、受付文字表示制御部1033は、当該受け付けられた仮名文字を受付順に表示部473に表示することで、操作者が入力した仮名文字又は仮名文字群からなる語句を表示部473に表示させる。
【0064】
編集文字受付部108は、受付文字表示制御部1033が表示部473に表示する仮名文字のうち、編集の対象とする仮名文字を指定する指示を操作者から受け付ける。例えば、文字入力受付部106によって入力が受け付けられた各仮名文字からなる語句を、受付文字表示制御部1033が表示部473に表示しているとき、操作者による操作部47の操作で、当該各仮名文字から特定の文字を指定する指示が入力されると、編集文字受付部108は、当該指示により指定された文字を編集対象として受け付ける。
【0065】
編集受付部109は、文字入力受付部106によって受け付けられた各仮名文字を編集する指示を操作者から受け付ける。例えば、文字入力受付部106によって受け付けられた仮名文字又は仮名文字群からなる語句を、受付文字表示制御部1033が表示部473に表示しているとき、操作者による操作部47の操作で、当該仮名文字又は仮名文字群を編集する編集指示が入力されると、編集受付部109は、当該編集指示を受け付ける。母音表示制御部1031及び子音表示制御部1032は、編集受付部109に当該編集指示が受け付けられたとき、上記語句をなす各仮名文字を、予め定められた文字数毎に、各文字の母音及び子音に対応する母音画像及び子音画像を表示部473に表示させる。
【0066】
なお、上記母音画像及び子音画像の各画像データは、文字入力プログラムに含まれており、文字入力プログラムがHDD81に記憶されることで、HDD81に記憶される。母音表示制御部1031及び子音表示制御部1032は、自身が表示させる母音画像又は子音画像の画像データを、必要に応じて適宜にHDD81から読み出す。このため、文字入力プログラムがHDD81にインストールされることにより、HDD81の一部記憶領域が、母音画像及び子音画像を記憶する画像記憶部として機能する。
【0067】
本発明の一実施形態に係る文字入力装置は、上記接触検知部(タッチパネル部)102、母音表示制御部1031、子音表示制御部1032、指定受付部105、文字入力受付部106、及び画像記憶部を備えてなる。また、文字入力装置は、後述する各実施形態において必要な限りで、(1)受付文字表示制御部1033及び編集文字受付部108、又は(2)編集受付部109のいずれかを更に備える。
【0068】
次に、画像形成装置1による文字入力処理の第1実施形態を説明する。図3は画像形成装置1による文字入力処理の流れを示すフローチャートである。図4、図5(A)〜(D)は表示部473の表示画面の一例を示す図である。
【0069】
画像形成装置1は、その電源スイッチがオンとされた後、操作者からの指示を待機しているとき、表示制御部103は、図4に示すようなスタート画面D1を表示部473に表示させている(S1)。このスタート画面D1において、操作者により文字入力ボタンd11が押下されることにより、操作者から文字入力を行う指示(文字入力画面に表示を切り換える指示)が、表示部473のタッチパネル部により操作部47に入力されると(S2でYES)、表示制御部103は、操作者から文字入力を受け付ける文字入力画面D2(図5(A))を表示させる(S3)。この文字入力は、例えば、原稿読取部5による読取で得た原稿画像データを、ネットワーク上のパーソナルコンピューターの記憶部に記憶させる場合等、当該画像データからなるファイルにファイル名を付すため等に行われる。だし、本発明でいう文字入力をこの例に限定する趣旨ではない。
【0070】
文字入力画面D2は、1文字ずつ仮名文字の入力を受け付け、当該入力のための操作を操作者に案内するための画面である。文字入力画面D2は、母音画像d21、子音画像d22、矢印キーd23、矢印キーd24、Back Spaceキーd25、及び文字種表示画像d26を有する。
【0071】
母音画像d21は、入力する仮名文字を構成する母音及び子音のうち、操作者から所望の母音を表示する指示を受け付けるために、操作者に対して、入力候補となる母音を表示する画像である。母音画像d21は、上述したように、母音表示制御部1031によって、HDD81から読み出され、表示部473に表示される。
【0072】
子音画像d22は、入力する仮名文字を構成する母音及び子音のうち、操作者から所望の子音を表示する指示を受け付けるために、操作者に対して、入力候補となる子音を表示する画像である。子音画像d22は、上述したように、子音表示制御部1032によって、HDD81から読み出され、表示部473に表示される。
【0073】
矢印キーd23は、操作者による矢印キーd23への接触操作が行われた時点で文字入力画面D2に表示されている母音画像d21の示す母音及び子音画像d22の示す子音を指定する指示を受け付けるための画像である。操作者による矢印キーd23の接触操作により、タッチパネル部が当該接触を検知し、当該接触を示す検知信号を、指定受付部105がタッチパネル部から受信すると、この時点で表示部473に表示されている母音画像d21の示す母音及び子音画像d22の示す子音を指定する指示を指定受付部105が受け付ける。
【0074】
矢印キーd24は、既に確定されている仮名文字のうち、操作者による編集の対象とする文字を指定する指示を受け付けるための画像である。操作者による矢印キーd24の接触操作をタッチパネル部が検知し、編集文字受付部108が当該検知信号をタッチパネル部から受信すると、編集文字受付部108は、当該受信した検知信号の数に応じて、指定受付部105が受け付けた順で並ぶ各仮名文字のうち、いずれの文字を編集対象の文字とするかを決定する。なお、矢印キーd24は、後述する編集処理の第1及び第2実施形態で用いられる。
【0075】
Back Spaceキーd25は、指定受付部105が受け付けた順で並ぶ各仮名文字を、その最後尾の文字から順に消去する指示を受け付けるための画像である。操作者が当該Back Spaceキーd25の表示領域において接触操作を行い、この接触操作がタッチパネル部により検知されて検知信号が文字入力受付部106に出力されると、文字入力受付部106は、当該接触操作により指定された文字の入力受付を解除する。
【0076】
文字種表示画像d26は、入力対象としている文字種を示す画像である。
【0077】
当該構成でなる文字入力画面D2は、図5(A)に示すように、表示部473のディスプレイにおける表示画面4730の全域に表示される。これにより、文字入力画面D2を構成する上記各画像d21〜d25の表示面積を大きく確保する。
【0078】
当該文字入力画面D2が表示されている状態で、タッチパネル部が子音画像d22の表示領域における操作者による接触を検知すると(S4でYES)、子音表示制御部1032は、次候補となる別の子音を示す子音画像d22を表示する(S5)。或いは、当該文字入力画面D2が表示されている状態で、タッチパネル部が母音画像d21の表示領域における操作者による接触を検知すると(S4でYES)、母音表示制御部1031は、次候補となる別の母音を示す母音画像d21を表示する(S5)。
【0079】
例えば、文字入力画面D2には、デフォルトの画面として図5(A)のように、母音表示制御部1031及び子音表示制御部1032は、いずれの母音及び子音を示さない「−」がデフォルトで示されている母音画像d21及び子音画像d22を表示部473に表示させる。ここで、操作者が、表示部473の表示画面において子音画像d22の表示領域に接触する操作を1回行うと、当該接触はタッチパネル部により検知され、当該タッチパネル部からの検知信号に基づいて、子音表示制御部1032は、図5(B)に示すように、最初の子音候補としての子音「K」を示す子音画像d22Kを表示させる。
【0080】
更に、表示されている子音画像d22Kの表示領域における操作者による接触がタッチパネル部に検知される度に、子音表示制御部1032は、次候補の子音画像である「S」を示す子音画像、「T」を示す子音画像、「N」を示す子音画像、「H」を示す子音画像、…を順次切り替えて表示部473に表示させる。操作者が所望の子音が表示された時点で当該操作を中断することで、表示部473に所望の子音を表示させておくことができる。なお、子音表示制御部1032は、最後の候補である「NN」を示す子音画像の表示後は、再度子音「K」を示す子音画像d22Kから表示を始める。
【0081】
同様に、操作者が、図5(B)に示す子音を示さない「−」がデフォルトで示されている母音画像d21の表示領域に接触する操作を1回行うと、当該接触はタッチパネル部により検知され、当該タッチパネル部からの検知信号に基づいて、母音表示制御部1031は、図5(C)に示すように、最初の母音候補としての母音「a」を示す母音画像d21aを表示部473に表示させる。
【0082】
更に、表示されている母音画像d21aの表示領域における操作者による接触がタッチパネル部に検知される度に、母音表示制御部1031は、次候補の母音である「i」を示す母音画像、「u」を示す母音画像、「e」を示す母音画像、「o」を示す母音画像を順次切り替えて表示部473に表示させる。なお、母音表示制御部1031は、「o」を示す母音画像の表示後は、再度「a」を示す母音画像d21aから表示を始める。操作者が所望の母音が表示された時点で当該接触操作を中断することで、表示部473に所望の母音を表示させておくことができる。
【0083】
操作者により上記母音画像及び子音画像の表示領域における接触操作が繰り返され、表示部473に所望の母音を示す母音像及び子音を示す子音画像が表示された時点で(S6でNO、更にS4でYES、S5)、操作者が矢印キーd23を接触操作し、この時点で表示部473に表示されている母音画像の示す母音及び子音画像の示す子音を指定する指示を指定受付部105が受け付けると(S6でYES)、文字入力受付部106は、当該指定された母音及び子音で構成される仮名文字を特定し、当該特定した仮名文字の入力を受け付ける(S7)。受付文字表示制御部1033は、当該受け付けられた文字を文字入力画面D2における表示領域a1に表示させる(S8)。
【0084】
なお、図示はしていないが、表示部473の表示が上述した初期状態の母音画像d21及び子音画像d22のままとされ、入力候補とする母音及び子音を示すそれぞれの母音画像及び子音画像が表示されていない場合は(S4でNO,S5をスキップ)、指定受付部105は、操作者が矢印キーd23を接触操作しても、母音及び子音を指定する指示は受け付けない。
【0085】
例えば、操作者が仮名文字「き」を入力する場合の操作を説明する。図5(A)に示すように、デフォルトの文字入力画面D2として、上記「−」を示す母音画像d21及び子音画像d22が表示されている状態で、操作者が子音画像d22の表示領域を1回接触操作すると、子音表示制御部1032は、図5(B)に示すように、「−」を示す子音画像d22を、「K」を示す子音画像d22Kに切り換えて表示させる。
【0086】
そして、図5(B)に示す状態において、操作者が、「−」を示す母音画像d21の表示領域を1回接触操作すると、母音表示制御部1031は、図5(C)に示すように、「−」を示す母音画像d21を、「a」を示す母音画像d21aに切り換えて表示させる。なお、表示制御部103は、この時点で表示されている母音画像d21a及び子音画像d22Kにより特定される仮名文字「か」を、未入力状態を示す下線画像と共に、表示領域a1に表示させる。例えば、この時点での母音画像d21a及び子音画像d22Kからの仮名文字の特定は、文字入力受付部106が行う。
【0087】
さらに、操作者が、当該母音画像d21aの表示領域をもう1回接触操作すると、母音表示制御部1031は、図5(D)に示すように、母音画像d21aを、次候補の母音「i」を示す母音画像d21iに切り換えて表示させる。なお、表示制御部103は、この時点で表示されている母音画像d21i及び子音画像d22Kにより特定される仮名文字「き」を、未入力状態を示す下線画像と共に、表示領域a1に表示させる。
【0088】
図5(D)に示す状態で、操作者が矢印キーd23を接触操作し、この時点で表示部473に表示されている母音画像d21iの示す母音及び子音画像d22Kの示す子音を指定すると(S6)、文字入力受付部106に、当該指定された母音及び子音で構成される仮名文字「き」の入力が受け付けられる(S7)。このとき、受付文字表示制御部1033は、図5(E)に示すように、当該入力が受け付けられた仮名文字「き」を下線なしの状態で表示し、当該仮名文字「き」の入力が完了したことを表示する。すなわち、受付文字表示制御部1033は、当該下線無しでの表示により、文字入力受付部106に入力が受け付けられた仮名文字を表示領域a1に表示させる(S8)。このとき、母音表示制御部1031及び子音表示制御部1032は、デフォルトの文字入力画面D2と同様に、上記「−」を示す母音画像d21及び子音画像d22を表示させる。
【0089】
ここで、操作者により矢印キーd23の表示領域を2回連続で接触操作する等の操作が行われ、タッチパネル部により当該接触操作が検知されることで、この時点で表示領域a1に表示されている文字を確定して、文字入力を終了する旨の終了指示が入力されると(S9でYES)、当該文字入力処理は終了する。
【0090】
一方、上記終了指示が入力されない場合は(S9でNO)、処理はS4に戻り、次の文字入力のためにS4以降の処理が繰り返される。
【0091】
続いて、例えば、仮名文字でなる語句「きようせらみた」を入力する場合の操作を説明する。図6は、仮名文字でなる語句「きようせらみた」を入力する場合の操作の流れを示す図である。当該図6及び上記図5を参照して説明する。
【0092】
まず、操作者は、(1)第1番目の仮名文字「き」を入力するために、図5(A)に示す母音画像d21及び子音画像d22を必要回数だけ接触操作して、仮名文字「き」を構成する子音「K」及び母音「i」を表示部473の文字入力画面D2に表示させ、(2)この表示がされている状態で矢印キーd23を接触操作して当該子音「K」及び母音「i」を指定して仮名文字「き」を入力する。
【0093】
同様に、操作者は、語句「きようせらみた」の他の仮名文字「よ」「う」「せ」「ら」「み」「た」のそれぞれについて、母音画像d21及び子音画像d22を必要回数だけ接触操作して、所望の仮名文字を構成する子音及び母音を示すそれぞれの母音画像及び子音画像を表示部473の文字入力画面D2に表示させ、この表示がされている状態で矢印キーd23を接触操作し、当該表示されている母音画像及び子音画像が示す子音及び母音により構成される仮名文字を入力する((3)〜(14))。
【0094】
この後、操作者により上述した終了指示が入力されると、当該仮名文字でなる語句「きようせらみた」の文字入力が完了する。
【0095】
このように、操作者は、入力したい文字を構成する母音の母音画像と子音の子音画像の両方を表示部473による表示で視認し、当該母音画像及び子音画像のそれぞれの表示を別個に切り換える操作を行い、所望の母音及び子音に対応する母音画像及び子音画像が表示された時点で、当該母音及び子音を指定する指示を指定受付部105に入力することで、所望の仮名文字を指定して入力することができる。
【0096】
これにより、例えば、1つのキーに複数の仮名文字を割り当てて、当該キーの押下回数に応じて仮名文字を指定して入力する従来のキー入力と比べて、入力対象とする仮名文字を指定するために操作者に求められる操作手数が削減されるため、入力したい仮名文字を指定するために必要な操作が簡易になる。
【0097】
また、上記入力処理では、入力の対象とする仮名文字の指定を受け付ける際、表示部473の表示画面4730には、仮名文字を特定するための母音画像及び子音画像を表示させるだけで、操作者が当該仮名文字を特定するための操作が可能である。このため、入力可能な各仮名文字を示す多くの文字ボタンを表示部の表示画面に表示させ、操作者により押下された文字ボタンに対応する仮名文字の入力を受け付ける従来のキー入力と比べて、表示部473の表示画面4730に配置を要する画像又はキーの数を減らすことができ、表示する各画像又はキーを大きく表示できるので、操作者は画像又はキーの操作を容易に行うことができる。例えば、図5(A)〜(E)に示したように、文字入力画面D2は、母音画像d21、子音画像d22、矢印キーd23、矢印キーd24、Back Spaceキーd25、及び文字種表示画像d26を有していれば足り、特に、仮名文字を特定するためには、母音画像d21、子音画像d22、及び矢印キーd23を有していれば足りるため、これら各画像を表示部473の表示画面に大きく表示することが可能になる。
【0098】
次に、画像形成装置1による文字編集処理の第1実施形態を説明する。図7は画像形成装置1による文字編集処理の第1実施形態を示すフローチャートである。図8は仮名文字でなる語句「きようせらみた」を編集する場合の操作の流れを示す図である。図9は表示部473の表示画面の一例を示す図である。
【0099】
上記文字入力処理により仮名文字が入力され、上記入力が受け付けられた各仮名文字が表示部473の表示領域a1に表示されているときに(図3のS8,図9)、例えば、操作者により矢印キーd24が接触操作されて、タッチパネル部により当該接触操作が検知され、編集文字受付部108が当該検知信号を編集対象とする文字を指定する指示として受信すると(S12でYES)、母音表示制御部1031が、当該指定された仮名文字を構成する母音を示す母音画像を表示部473に表示させ、子音表示制御部1032が、当該指定された仮名文字を構成する子音を示す子音画像を表示部473に表示させる(S13)。そして、この後は、図4に示した文字入力処理におけるS4〜S9の処理が行われる。但し、この編集処理においては、母音表示制御部1031及び子音表示制御部1032は、上記編集後の仮名文字の入力が受け付けられた後、当該編集が行われた文字の次に入力が受けられている入力済み文字を編集対象文字として、その母音及び子音を示すそれぞれの母音画像及び子音画像を表示させる。
【0100】
この編集処理時における操作者による操作の例を、図8を用いて説明する。例えば、(i)語句「きようせらみた」の各仮名文字が入力され、図9に示す文字入力画面D3が表示されている状態で、(ii)操作者が矢印キーd24を1度接触操作すると、編集対象として、当該各仮名文字のうち、最終文字から第1番目(すなわち、最終文字)の仮名文字「た」の文字を指定する指示が編集文字受付部108に受け付けられる。このとき、図8(1)に示すように、子音表示制御部1032は、子音「T」を示す子音画像を表示させ、母音表示制御部1031は、母音「a」を示す母音画像を表示させる。このとき、表示制御部103は、表示領域a1に、語句「きょうせらみた」の編集対象となっている「た」の部分に下線を表示させて、当該「た」の文字が編集対象となっていることを表示する(図8(2))。この状態で、図4に示したS4〜S9の処理に移行することで、仮名文字「た」を他の文字に変更する文字入力処理を行う。
【0101】
また、「た」の文字が編集対象となっている上記(ii)の状態から、(iii)操作者が矢印キーd24を更に1度接触操作すると、最終文字から第2番目の仮名文字「み」の文字を指定する指示が編集文字受付部108に受け付けられる。このとき、子音表示制御部1032は、子音「M」を示す子音画像を表示させ、母音表示制御部1031は、母音「i」を示す母音画像を表示させる。このとき、表示制御部103は、表示領域a1に、語句「きょうせらみた」の編集対象となっている「み」の部分に下線を表示させて、当該「み」の文字が編集対象となっていることを表示する(図8(3))。この状態で、図4に示したS4〜S9の処理に移行することで、仮名文字「み」を他の文字に変更する文字入力処理を行う。
【0102】
同様に、操作者が矢印キーd24を接触操作する度に、語句「きょうせらみた」の最終文字から先頭文字に向かう方向に1文字ずつ移動させて、編集対象とされる仮名文字を指定する指示が編集文字受付部108に受け付けられる((iv))。
【0103】
ここで、語句「きょうせらみた」の「ら」の仮名文字が編集対象として受け付けられている場合(図8(4))、(v)操作者が、当該仮名文字「ら」を仮名文字「た」に訂正して入力するために、仮名文字「ら」を構成する子音を示す子音画像「R」の表示領域を必要回数だけ接触操作して、仮名文字「た」を構成する子音「T」を子音表示制御部1032に表示させ、(vi)操作者が、矢印キーd23を接触操作すると、この時点で表示されている子音「T」及び母音「a」を指定する指示が指定受付部105に受け付けられ、文字入力受付部106には仮名文字「た」の入力が受け付けられる。なお、この入力受付後、表示制御部103は、編集対象とする文字を、先頭文字から最終文字に向かう方向に1文字移動させて、新たに編集対象となった仮名文字「み」の部分に下線画像を表示させる。
【0104】
この編集処理によれば、操作者は、一旦入力した仮名文字を訂正又は変更する編集を行うとき、例えば、当該母音画像及び子音画像のうち、訂正が必要な方のみを、訂正のための接触操作を行えば足りる場合も生じる。上記のように、誤入力の仮名文字「ら」を仮名文字「た」に訂正する場合は、子音を「R」から「T」に変更する操作をすれば足り、母音についての操作は不要である。これにより、従来は、一旦入力した仮名文字を訂正する際の操作は、入力した仮名文字を消去して再度入力をし直す作業になっていたが、この編集処理によれば、当該仮名文字を構成する母音及び子音のうち、訂正が必要な方のみを訂正又は変更する操作で済ませることが可能である。このため、従来の操作よりも操作手数を削減して操作者の操作性を更に向上させることができる。
【0105】
なお、上記実施形態では、編集対象とする仮名文字の指定は、入力されている仮名文字のうち、入力が受け付けられた最終文字から先頭文字に向かう順に遡って指定されるが、これに代えて、先頭文字から最終文字に向かう順に編集対象とする文字が指定されるものとしてもよい。
【0106】
次に、画像形成装置1による文字編集処理の第2実施形態を説明する。図10は画像形成装置1による文字編集処理の第2実施形態を示すフローチャートである。図11は表示部473の表示画面の一例を示す図である。
【0107】
図3に示した上記文字入力処理により仮名文字が入力され、上記入力が受け付けられた各仮名文字が表示部473の表示領域a1に表示されているときに(図3のS8,図9)、例えば、操作者により矢印キーd24が接触操作されて、タッチパネル部により当該接触操作が検知され、当該検知信号が編集指示として編集受付部109に受け付けられると(S32でYES)、入力が受け付けられている仮名文字でなる語句、例えば「きようせらみた」について、最初に入力が受け付けられた文字から最後に入力が受け付けられた文字に向かう順で、予め定められた文字数分の仮名文字毎に、当該各仮名文字を構成するそれぞれの母音に対応する母音画像を母音表示制御部1031が表示部473に表示させ、それぞれの子音に対応する子音画像を子音表示制御部1032が表示部473に表示させる(S33)。
【0108】
例えば、編集受付部109に編集指示が受け付けられると、母音表示制御部1031及び子音表示制御部1032は、上記予め定められた文字数を2文字として、図11(A)に示すように、語句「きようせらみた」の最初に入力が受け付けられた文字から2文字分の「き」「よ」の各仮名文字を構成するそれぞれの母音に対応する母音画像d21を表示させ、それぞれの子音に対応する子音画像d22を有する文字入力画面D31を表示させる。表示制御部103は、この文字入力画面D31において、編集対象とされる各仮名文字を示す画像「き」を表示領域a31に表示させ、画像「よ」を表示領域a32に表示させる。また、表示制御部103は、文字入力画面D31に、編集対象とされる次の仮名文字に表示を切り換える表示切換指示を操作者から受け付けるための矢印ボタンd33を表示させる。
【0109】
このような文字入力画面D31が表示されている状態で、操作者が、矢印ボタンd33の表示領域において接触操作を行い、タッチパネル部が当該接触操作を検知すると、タッチパネル部からの検知信号を表示制御部103が表示切換指示として受け付け(S34でYES)、表示制御部103は、次に編集対象とされる仮名文字が存在するか否かを判断し(S42)、次に編集対象とされる仮名文字が存在する場合には(S42でYES)、表示制御部103は、編集対象とされる予め定められた文字数分の仮名文字の母音及び子音を表示する文字入力画面に表示を切り換える(S43)。この後も処理は、S35に移行する。
【0110】
なお、次に編集対象として表示する仮名文字が存在しない場合には(S42でNO)、処理はS33に戻り、表示制御部103が、入力されている仮名文字でなる語句の最初の文字から予め定められた文字数分の仮名文字についての母音及び子音を示す母音画像d21及び子音画像d22を表示する文字入力画面D31を表示させる。
【0111】
また、文字入力画面D31が表示されている状態で、上記表示切換指示が表示制御部103に受け付けられない場合であって(S34でNO)、タッチパネル部が子音画像d22の表示領域における操作者による接触を検知すると(S35でYES)、子音表示制御部1032は、次候補となる別の子音を示す子音画像d22を表示する(S36)。或いは、当該文字入力画面D31が表示されている状態で、タッチパネル部が母音画像の表示領域における操作者による接触を検知すると(S35でYES)、母音表示制御部1031は、次候補となる別の母音を示す母音画像d21を表示する(S36)。このS35及びS36の処理は、例えば、文字入力画面D31に編集対象として表示されている各仮名文字「き」「よ」のそれぞれの母音画像d21及び子音画像d22について行われる。なお、当該S35及びS36は、図4に示したS4及びS5と同様の処理である。
【0112】
この表示状態において、操作者により上記母音画像d21及び子音画像d22の表示領域における接触操作が繰り返され、表示部473に所望の母音を示す母音画像d21及び子音を示す子音画像d22が表示された時点で(S37でNO、更にS35でYES、S36)、操作者が矢印キーd33を接触操作し、この時点で表示部473に表示されている母音画像d21の示す母音及び子音画像d22の示す子音を指定する指示を指定受付部105が受け付けると(S37でYES)、文字入力受付部106は、当該指定された母音及び子音で構成される仮名文字(本実施形態では、表示されている2文字分)を特定し、当該特定した仮名文字の入力を受け付ける(S38)。なお、受付文字表示制御部1033は、S35の処理で示される各仮名文字を逐次に文字入力画面D31における表示領域a31,a32に表示させておく(S39)。
【0113】
上記S38における仮名文字の入力受付後、表示制御部103は、図11(B)に示す文字入力画面D32を表示部473に表示させ、母音表示制御部131は、次に編集対象として表示する次の2文字として、既に表示した「き」「よ」の各仮名文字に続く「う」「せ」を構成するそれぞれの母音に対応する母音画像d21を表示させ、子音表示制御部1032は、それぞれの子音に対応する子音画像d22を有する文字入力画面D31を表示させる(S40)。表示制御部103は、この文字入力画面D32において、編集対象とされる各仮名文字を示す画像「う」を表示領域a31に表示させ、画像「せ」を表示領域a32に表示させる。表示制御部103は、文字入力画面D32でも、編集対象とされる次の仮名文字に表示を切り換える表示切換指示を操作者から受け付けるための矢印ボタンd33を表示させる。但し、この場合、次に編集対象として表示すべき文字が存在しないときは、最初に入力が受け付けられた文字から最後に入力が受け付けられた文字に向かう順で、2文字分(予め定められた文字数分)の仮名文字についての母音画像d21及び子音画像d22を母音表示制御部1031及び子音表示制御部1032が表示部473に表示させる。
【0114】
ここで、操作者により矢印キーd23の表示領域を2回連続で接触操作する等の操作が行われて、タッチパネル部が当該接触操作を検知し、この時点で表示領域a31,a32に表示されている文字を確定して、文字入力を終了する旨の終了指示が入力されると(S41でYES)、当該文字入力処理は終了する。
【0115】
一方、上記終了指示が入力されない場合は(S41でNO)、処理はS34に戻り、次に編集対象となる仮名文字の訂正又は変更のために、S34以降の処理が繰り返される。
【0116】
上記処理においては、S34における表示画面切換指示と、S40による新たな編集対象文字の文字入力画面の表示とにより、文字入力画面が、別の文字を編集対象とする文字入力画面に変更される。このように別の文字を編集対象とする文字入力画面に表示部473の表示画面を変更して、S35〜S40の処理を行うことで、既に入力済みの各仮名文字のそれぞれの文字を訂正又は変更することが可能である。例えば、上記処理では、最初に、図11(A)に示すように、入力済みの仮名文字からなる語句「きようせらみた」の最初の2文字の仮名文字「き」「よ」について、それぞれの母音及び子音を示す母音画像d21及び子音画像d22を有する文字入力画面D31が表示され、以降、操作者による操作に伴って、語句「きようせらみた」の次の2文字の仮名文字「う」「せ」についてのそれぞれの母音画像d21及び子音画像d22を有する文字入力画面D32(図11(B))、語句「きようせらみた」の更に次の2文字の仮名文字「ら」「み」についてのそれぞれの母音画像d21及び子音画像d22を有する文字入力画面D33(図11(C))、語句「きようせらみた」の更に次の2文字の仮名文字「た」についての母音画像d21及び子音画像d22を有する文字入力画面D34(図11(D))が順次表示される。各文字入力画面の表示時に、操作者がS35〜S40の処理に対応する操作を行うことで、入力済みの語句「きようせらみた」の各仮名文字を編集可能とする。
【0117】
なお、各文字入力画面D31〜D34においては、表示制御部103は、更に、編集対象とされていた以前の仮名文字に表示を切り換える表示切換指示を操作者から受け付けるための矢印キーd34を更に表示させ、操作者が、矢印ボタンd34の表示領域において接触操作を行い、タッチパネル部が当該接触操作を検知すると、母音表示制御部1031及び子音表示制御部1032に当該表示切換指示が受け付けられ、母音表示制御部1031及び子音表示制御部1032は、この表示切換指示の受付時よりも以前に編集対象とされた仮名文字が存在するか否かを判断して、前に編集対象とされる仮名文字が存在する場合には、編集対象とされる予め定められた文字数分(本実施形態では2文字分)の仮名文字の母音及び子音を表示するそれぞれの母音画像d21及び子音画像d22を表示部473に表示させるようにしてもよい。
【0118】
この場合に、編集対象とされていた以前の仮名文字が存在しない場合には、母音表示制御部1031及び子音表示制御部1032は、入力が受け付けられている仮名文字からなる語句の最終文字から、予め定められた文字数分の仮名文字について、当該仮名文字を構成する母音及び子音を示すそれぞれの母音画像及d31及び子音画像d22を表示部473に表示する。
【0119】
また、各文字入力画面D31〜D34においては、表示制御部103は、更に、仮名文字を追加入力する指示を受け付けるための追加ボタンd35、入力済みの仮名文字を削除する指示を受け付けるための削除ボタンd36を表示させ、例えば、図11(A)に示す文字入力画面D31において、操作者が、追加ボタンd35の表示領域において接触操作を行い、タッチパネル部が当該接触操作を検知すると、表示制御部103に当該文字追加指示が受け付けられ、表示制御部103は、当該追加ボタンd35が配されている仮名文字の前に、1文字追加して入力するための文字入力画面D35を表示する(図12)。この文字入力画面D35の表示時に、操作者による操作に応じてS35〜S39の処理を行うことで、入力済みの仮名文字からなる語句「きようせらみた」の前後又は各文字間に、新たな文字を追加しての文字入力を可能にする。
【0120】
また、操作者が、削除ボタンd36の表示領域において接触操作を行い、タッチパネル部が当該接触操作を検知すると、文字入力受付部106に当該文字を削除する削除指示が受け付けられ、文字入力受付部106は、当該削除ボタンd36が配されている仮名文字を削除する。これにより、入力済みの仮名文字からなる語句「きようせらみた」から、不要となった文字を簡単な操作で削除することを可能にする。
【0121】
この編集処理の第2実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様の効果が得られることに加えて、操作者は、編集の対象とする文字を文字単位で指定する操作を行わなくても、各仮名文字の母音及び子音に対応するそれぞれの母音画像及び子音画像が表示部473の表示画面4730に順次切り換わって表示されるため、操作者は、訂正又は変更の対象とする仮名文字を示す母音画像及び子音画像に簡単にアクセスすることができる。
【0122】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、図3に示したS3において、文字入力画面D2には、デフォルトの画面として図5(A)(B)のように、母音表示制御部1031及び子音表示制御部1032は、いずれの母音及び子音を示さない「−」がデフォルトで示されている母音画像d21及び子音画像d22を表示部473に表示させ、操作者が、表示部473の表示画面において母音画像d21の表示領域に接触する操作を1回行うと、母音表示制御部1031は、図5(C)に示すように、最初の母音候補としての母音「a」を示す母音画像d21aを表示させるが、例えば、操作者により、先に子音画像d22の表示領域に接触する操作が行われ、子音表示制御部1032が、図13(A)に文字入力画面D36として示すように、最初の子音候補としての子音「K」を示す子音画像d22Kを表示させるとき、母音表示制御部1031が最初の母音候補としての母音「a」を示す母音画像d21aを、操作者による上記接触操作によらずに表示させるようにしてもよい。この文字入力画面D36において、操作者が母音画像d21aの表示領域における接触操作を行うことにより、例えば図13(B)に文字入力画面D37として示すように、母音表示制御部1031に第2番目の母音候補である母音「i」の母音画像d21iを表示させる場合に、この母音画像d21iを表示させるために必要な操作が削減される。すなわち、子音を指定する場合は、必ず母音を指定するための操作が必要になるため、このように母音表示制御部1031が最初の母音候補としての母音を示す母音画像を予め表示させることで、操作者による母音画像に対する操作が削減される。
【0123】
また、上記の文字入力処理では、小文字の仮名文字、英字、数字、記号の入力も可能とされている。例えば、小文字の仮名文字の入力を受け付ける場合には、表示制御部103は、図14(A)に示す文字入力画面D5において、文字種画像d50として「小ひらがな」を表示させ、小文字を受け付けるための小文字画像d51を表示させ、当該小文字画像d51の表示領域に接触する操作を1回行うと、表示制御部103は、次の入力候補としての小文字を順次切り換えて、当該小文字画像d51に表示させる。操作者が所望の小文字が表示された時点で、矢印キーd23を接触操作すると、タッチパネル部からの当該接触操作の検知信号に従って、文字入力受付部106が当該指定された小文字の入力を受け付ける。
【0124】
また、例えば、英字の入力を受け付ける場合には、表示制御部103は、図14(B)に示す文字入力画面D6において、文字種画像d60として「英字」を表示させ、大文字又は小文字の切換指示を受け付けるための切換受付画像d61,英字の入力を受け付けるための英字画像d62を表示させる。操作者が英字画像d62の表示領域に接触する操作を1回行うと、タッチパネル部からの当該接触操作の検知信号に従って、表示制御部103は、次の入力候補としての英字を順次切り換えて、当該英字画像d62に表示させる。また、操作者が切換受付画像d61の表示領域に接触する操作を1回行うと、文字入力受付部106に、大文字小文字の切換指示が受け付けられる。操作者は、所望の英字が表示され、所望の文字形式(大文字又は小文字)が表示させた時点で、矢印キーd23を接触操作すると、文字入力受付部106が当該文字形式からなる英字の入力を受け付ける。
【0125】
また、例えば、数字の入力を受け付ける場合には、表示制御部103は、図14(C)に示す文字入力画面D7において、文字種画像d70として「数字」を表示させ、数字の入力を受け付けるための数字画像d71を表示させ、操作者が当該数字画像d71の表示領域に接触する操作を1回行うと、表示制御部103は、次の入力候補としての数字を順次切り換えて、当該数字画像d71に表示させる。操作者は、所望の数字が表示された時点で、矢印キーd23を接触操作すると、文字入力受付部106が当該表示されている数字の入力を受け付ける。
【0126】
また、例えば、記号の入力を受け付ける場合には、表示制御部103は、図14(D)に示す文字入力画面D8において、文字種画像d80として「記号」を表示させ、記号の入力を受け付けるための記号画像d81を表示させ、操作者が当該記号画像d81の表示領域に接触する操作を1回行うと、表示制御部103は、次の入力候補としての記号を順次切り換えて、当該記号画像d81に表示させる。操作者は、所望の記号が表示された時点で、矢印キーd23を接触操作すると、文字入力受付部106が当該表示されている記号の入力を受け付ける。
【0127】
また、例えば、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置を複合機として説明しているが、本発明に係る画像形成装置はこれに限定されない。例えば、本発明に係る画像形成装置は、コピー機、ファクシミリ装置、スキャナー装置等であっても構わない。
【0128】
なお、図1乃至図14を用いて上記各実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0129】
1 画像形成装置
10 制御ユニット
100 制御部
102 接触検知部
103 表示制御部
1031 母音表示制御部
1032 子音表示制御部
1033 受付文字表示制御部
105 指定受付部
106 文字入力受付部
107 受付文字表示制御部
108 編集文字受付部
109 編集受付部
47 操作部
473 表示部
4730 表示画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示部と、
各母音毎に設けられた母音画像と、各子音毎に設けられた子音画像とを記憶する画像記憶部と、
前記表示部の表示画面上における操作者による接触を検知する接触検知部と、
前記母音画像を母音別に前記表示部に表示させ、当該母音画像の表示領域における接触が前記接触検知部によって検知されたとき、表示中の母音画像を他の母音画像に順次切り換えて表示する切換表示を行う母音表示制御部と、
前記子音画像を子音別に前記表示部に表示させ、当該子音画像の表示領域における接触が前記接触検知部によって検知されたとき、表示中の子音画像を他の子音画像に順次切り換えて表示する切換表示を行う子音表示制御部と、
前記母音表示制御部によって前記表示部に表示されている前記母音画像に対応する母音と、前記子音表示制御部によって前記表示部に表示されている前記子音画像に対応する子音とを指定する指示の入力を操作者から受け付ける指定受付部と、
前記指示受付部によって入力が受け付けられた母音及び子音により構成される仮名文字の入力を受け付ける文字入力受付部と
を備える文字入力装置。
【請求項2】
前記文字入力受付部に入力が受け付けられた前記仮名文字を入力受付順に前記表示部に表示する受付文字表示制御部と、
前記受付文字表示制御部が前記表示部に表示する前記仮名文字のうち、編集の対象とする仮名文字を指定する指示を操作者から受け付ける編集文字受付部とを更に備え、
前記母音表示制御部は、前記編集文字受付部により指定が受け付けられた仮名文字を構成する母音を示す母音画像を前記表示部に表示させて前記切換表示を行い、
前記子音表示制御部は、前記編集文字受付部により指定が受け付けられた仮名文字を構成する子音を示す子音画像を前記表示部に表示させて前記切換表示を行い、
前記指定受付部は、前記母音表示制御部によって表示される前記母音画像に対応する母音と、前記子音表示制御部によって表示される前記子音画像に対応する子音とを指定する指示を操作者から受け付け、
前記文字入力受付部は、前記指示受付部によって受け付けられた母音及び子音により構成される仮名文字の入力を受け付ける請求項1に記載の文字入力装置。
【請求項3】
前記文字入力受付部によって入力が受け付けられた前記仮名文字を編集する編集指示を操作者から受け付ける編集受付部を更に備え、
前記母音表示制御部は、前記編集受付部により前記編集指示が受け付けられた場合、前記入力が受け付けられた各仮名文字を構成する母音に対応する母音画像を予め定められた文字数分ずつ前記表示部に順次切り換えて表示させて前記切換表示を行い、
前記子音表示制御部は、前記母音表示制御部により表示される前記母音画像の示す母音が属する前記仮名文字を構成する子音に対応する子音画像を前記表示部に表示させて前記切換表示を行い、
前記指定受付部は、前記母音表示制御部によって表示される前記母音画像が示す母音と、前記子音表示制御部によって表示される前記子音画像が示す子音とを指定する指示を操作者から受け付け、
前記文字入力受付部は、前記指示受付部によって受け付けられた母音及び子音により構成される仮名文字の入力を受け付ける請求項1に記載の文字入力装置。
【請求項4】
コンピューターを、
各母音毎に設けられた母音画像と、各子音毎に設けられた子音画像とを記憶する画像記憶部と、
前記コンピューターが備える表示部の表示画面上における操作者による接触を検知する接触検知部と、
前記母音画像を母音別に前記表示部に表示させ、当該母音画像の表示領域における接触が前記接触検知部によって検知されたとき、表示中の母音画像を他の母音画像に順次切り換えて表示する切換表示を行う母音表示制御部と、
前記子音画像を子音別に前記表示部に表示させ、当該子音画像の表示領域における接触が前記接触検知部によって検知されたとき、表示中の子音画像を他の子音画像に順次切り換えて表示する切換表示を行う子音表示制御部と、
前記母音表示制御部によって前記表示部に表示されている前記母音画像に対応する母音と、前記子音表示制御部によって前記表示部に表示されている前記子音画像に対応する子音とを指定する指示の入力を操作者から受け付ける指定受付部と、
前記指示受付部によって入力が受け付けられた母音及び子音により構成される仮名文字の入力を受け付ける文字入力受付部と
して機能させる文字入力プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−114511(P2013−114511A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260969(P2011−260969)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】