説明

文字入力装置及び方法

【課題】入力ボックスに応じて最適な入力モードを自動で設定したり、或いは入力ボックス毎に最適な漢字変換候補を自動で優先表示させることが可能な文字入力装置及び方法を提供する。
【解決手段】入力ボックスフォーカス判定手段101はWebページ上の文字を入力する入力ボックス内にカーソルが移動したことを判定し、入力ボックス周辺解析部102は入力ボックスフォーカス判定手段101によりカーソルが移動したと判定された入力ボックス周辺の文字情報を解析する。そして、入力ボックス周辺解析手段102で解析された文字情報に基づいて入力ボックスに文字を入力する入力モードや入力ボックスに文字を入力する際に表示画面に優先的に表示する漢字変換候補を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字を入力する文字入力装置及び方法、特に、Webページに文字を入力するのに好適な文字入力装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、Webページ等に文字を入力する場合、ユーザは文字を入力する入力ボックスにカーソルを合わせた後、キー操作によって入力ボックスに文字を入力する。例えば、Webページに住所を登録する場合には、姓名、住所、電話番号等を入力する入力ボックスに漢字、カタカナ、数字等の文字を入力する。その際、各入力ボックスに対して、その都度、入力モードを手動で設定する必要がある。また、入力ボックスに文字を入力する場合の漢字変換も入力する文字に対して最適化されていない。
【0003】
一般に、Webブラウザ(例えばIE)では入力ボックスにカーソルが移動した場合の動作として、HTML上に「ime−modo」という記述を指定しておくことで、テキストの入力モードを日本語入力モード(通常は「ひらがな」)か、英数字入力モード(半角英数)に指定できる。但し、その2つの選択のみ可能である。
【0004】
一方、従来の文字入力システムとしては、特許文献1乃至3に記載されたものがある。特許文献1には、音声入力された診断情報を文字情報として認識し、認識された文字情報がコマンドが自由文かを判定してコマンドであった場合には、そのコマンドを入力するために適した入力モードに設定することが記載されている。
【0005】
特許文献2には、特定の指標文字の入力を検知し、指標文字に対応する入力モードに切り替えることが記載されている。特許文献3には、日本語にのみ有効な領域に文字を入力する場合には日本語の変換候補を表示し、英語にのみ有効な領域に文字を入力する場合には英語の変換候補を表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−118098号公報
【特許文献2】特開2007−272415号公報
【特許文献3】特開平10−254868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1、2には、入力されたコマンドや指標文字等に基づいて文字入力モードを設定することが記載されているが、Webページ等の入力ボックスに文字を入力する際に入力ボックス毎に最適な入力モードを設定することは記載されていない。そのため、Webページ等の入力ボックスに文字を入力する場合には、入力ボックス毎に手動で最適な入力モードを設定する必要があり、キー操作が煩雑となる。
【0008】
また、特許文献3には、日本語入力領域には日本語の変換候補を表示し、英語入力領域には英語の変換候補を表示することが記載されているが、Webページ等に文字を入力する場合、入力ボックス毎に最適な漢字変換候補を表示することは記載されていない。そのため、やはり、キー操作が煩雑となる。
【0009】
本発明の目的は、入力ボックスに応じて最適な入力モードを自動で設定したり、或いは入力ボックス毎に最適な漢字変換候補を自動で優先表示させることが可能な文字入力装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る文字入力装置は、表示画面上の文字を入力する入力ボックス内にカーソルが移動したならば、その入力ボックス周辺の文字情報を解析する解析手段と、前記解析手段で解析された文字情報に基づいて、前記入力ボックスに文字を入力する入力モード及び前記入力ボックスに文字を入力する際に前記表示画面に優先的に表示する漢字変換候補のうちの少なくとも一方を設定する設定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る文字入力方法は、解析手段が、表示画面上の文字を入力する入力ボックス内にカーソルが移動したならば、その入力ボックス周辺の文字情報を解析するステップと、設定手段が、前記解析手段で解析された文字情報に基づいて、前記入力ボックスに文字を入力する入力モード及び前記入力ボックスに文字を入力する際に前記表示画面に優先的に表示する漢字変換候補のうちの少なくとも一方を設定するステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータを、表示画面上の文字を入力する入力ボックス内にカーソルが移動したならば、その入力ボックス周辺の文字情報を解析する解析手段と、前記解析された文字情報に基づいて、前記入力ボックスに文字を入力する入力モード及び前記入力ボックスに文字を入力する際に前記表示画面に優先的に表示する漢字変換候補のうちの少なくとも一方を設定する設定手段と、して機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、入力ボックス周辺の文字情報に基づいて文字を入力する入力モードを自動で設定したり、或いは入力ボックス周辺の文字情報に基づいて最適な漢字変換候補を自動で優先表示させるため、ユーザのキー入力操作を簡単化できると共に、文字の入力速度を短縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る文字入力装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】Webページの一例を示す図である。
【図3】図1の文字入力装置の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る文字入力装置の一実施形態を示すブロック図である。本発明は、例えば、Webページに会員登録等をする場合、姓、名、フリガナ、郵便番号、住所、電話番号等を入力する際に、それぞれの入力ボックスにカーソルが移動したことを契機として、その周辺の文字情報を解析する。そして、文字情報の解析結果に基づいて最適入力モードの判定或いは最適漢字変換候補の判定を行い、その結果をIME(MS−IMEやATOK等)に反映させるというものである。
【0016】
入力ボックス周辺の文字情報には、例えば、「姓名」、「フリガナ」、「郵便番号」、「住所」、「電話番号」等の入力ボックスに入力すべき情報の種別、或いは後述するように、例えば、「全角」、「半角カタカナ」、「半角数字」等の入力ボックスに入力する入力文字を規定するための規定情報がある。
【0017】
図1において、入力ボックスフォーカス判定部101は、Webページ上のどの入力ボックスにカーソルが移動したかを判定し、文字入力対象の入力ボックスを特定する。WebページはHTML言語で記述されており、その記述を解析すれば画面上のどの位置に何があるかを判定できるが、実際には、入力ボックスフォーカス判定部101は、カーソル(マウスポインタ)の座標位置と入力ボックスの座標位置とを照合してカーソルが位置する入力ボックスを判定する。
【0018】
入力ボックス周辺解析部102は入力ボックスフォーカス判定部101で特定された入力ボックス周辺の文字情報を解析する。Webページは上述のようにHTML言語で記述され、その記述を解析すれば画面上のどの位置に何があるかを判定できるため、入力ボックス周辺解析部102は、例えば、入力ボックス左方向の位置に幅が何ドット、長さが何ドットというように四角形の範囲(入力ボックス周辺の解析すべき文字情報の範囲)を設定しておき、対象となる入力ボックス周辺の文字情報を解析する。また、同様に入力ボックスの下方向の位置に幅が何ドット、長さが何ドットというように範囲を設定しておき、対象となる入力ボックス周辺の文字情報を解析する。
【0019】
一方、図示しないデータベースには、文字情報と入力モードとの関係、或いは文字情報と漢字変換候補との関係が格納され、入力モード判定部103は入力ボックス周辺解析部102で解析された文字情報をもとにデータベースを参照して最適な入力モード或いは最適な漢字変換候補群を判定する。
【0020】
例えば、入力ボックス周辺の文字情報が「半角数字」及び「郵便番号」と解析された場合には、入力モード判定部103は入力モードを「半角英数モード」と判定し、変換候補判定部104は「漢字変換なし」と判定する。なお、変換候補判定部104は、例えば、「文字情報」が「姓名」等のように漢字変換が必要な場合には、解析された文字情報をもとに最適な漢字変換候補群を決定する。入力モード判定部103及び変換候補判定部104で決定した内容はIME105に通知され、IME105は実際に入力ボックスに対する入力モードの設定や漢字変換候補の設定を行う。
【0021】
次に、図1乃至図3を用いて本実施形態の動作について説明する。図2は文字列入力の対象となるWebページの一例を示す図、図3は本実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。本実施形態では、Webページに文字を入力する例を説明するが、本発明はこれに限ることはない。図2に示すWebページ201は住所登録のWebページの例である。Webページ201上の入力ボックス202〜206に対し、後述するような処理を行う。図2ではWebブページ201上に入力ボックス(姓名)202、入力ボックス(姓名のフリガナ)203、入力ボックス(郵便番号)204、入力ボックス(住所)205、入力ボックス(電話番号)206等がある。
【0022】
次に、各入力ボックスに文字を入力する場合の動作を説明する。まず、入力ボックス202は「姓名」を入力する入力ボックスであり、左側の入力ボックスには「姓」、右側の入力ボックスには「名」の添え書きがある。入力ボックス202の下側には全角で入力する必要があることを示す注意書きの「全角」という文字情報がある。
【0023】
入力ボックスフォーカス判定部101は入力ボックス202内にカーソル(不図示)がフォーカスされると、上述のようにカーソルの座標位置と入力ボックスの座標位置からカーソルが入力ボックス202内に移動したと判定し、入力ボックス周辺解析部102に通知する(図3のステップS101)。
【0024】
入力ボックス202の周辺には、上述のように左側の入力ボックスの周囲に「姓」、右側の入力ボックスの周囲に「名」の添え書きがあり、入力ボックス202の下側には注意書きの「全角」という文字情報がある。入力ボックス周辺解析部102は、上述のように、例えば、入力ボックス202左方向に幅何ドット以内で長さが何ドット以内の範囲、或いは入力ボックス下方向に幅何ドット以内で長さが何ドット以内という範囲を設定し、この範囲内の文字情報を解析する。この場合には、図2に示すように入力ボックス202周辺の文字情報は、「姓」、「名」と「全角」と判定し(ステップS102)、入力モード判定部103及び変換候補判定部104に通知する。
【0025】
入力モード判定部103は入力ボックス周辺解析部102から「全角」の通知を受けると、それに応じてユーザが入力ボックス202に文字を入力する入力モードを「全角入力モード」と判定する(ステップS103)。また、変換候補判定部104は入力ボックス周辺解析部102から「姓」、「名」の通知を受けると、入力ボックス202のうち左側の入力ボックスに対して「姓」の変換候補を優先すると判定し、右側の入力ボックスに対しては「名」の変換候補を優先すると判定する(ステップS104)。
【0026】
その際、左側の入力ボックスは「姓」であるため、例えば、「田中」、「鈴木」、「山本」、「佐藤」、「高橋」、…、等の日本に多い姓の変換候補を優先するのが望ましい。また、右側の入力ボックスは「名」であるため、名前に多い変換候補を優先するのが良い。その際、性別(男性と女性)によって「名」の変換候補が異なるため、「性別」を入力する入力ボックスがある場合には、入力された性別に応じて変換候補を設定するのが望ましい。
【0027】
入力モード判定部103及び変換候補判定部104は、これらの判定結果をIME105に通知する(ステップS105)、IME105はその判定結果に基づいて入力モードを「全角入力モード」に設定し(ステップS106)、漢字変換候補は「姓」「名」に応じた変換候補を優先表示させる(ステップS107)。
【0028】
次に、入力ボックス203に文字を入力する場合の動作を説明する。入力ボックス203は姓名の「フリガナ」を入力する入力ボックスであるが、入力ボックス203の左側に「フリガナ」の添え書きがある。入力ボックス203の上側の入力ボックス202は「姓」「名」の入力ボックスである。入力ボックス203の下側には半角カタカナで入力する必要があるとの注意書きの「半角カタカナ」という文字情報がある。
【0029】
入力ボックス203内にカーソルがフォーカスされると、同様に入力ボックスフォーカス判定部101はカーソルと入力ボックスの座標位置からカーソルが入力ボックス203内に移動したと判定し、入力ボックス周辺解析部102に通知する(ステップS101)。入力ボックス周辺解析部102は、上述のように入力ボックス周辺に範囲を設定して入力ボックス203の左側の「フリガナ」の添え書きの文字情報や、入力ボックス203の下側の「半角カタカナ」の注意書きの文字情報を解析し(ステップS102)、入力モード判定部103及び変換候補判定部104に通知する。
【0030】
入力モード判定部103は「半角カタカナ」の注意書きの文字情報に応じて入力モードを「半角カタカナ入力モード」と判定し(ステップS103)、変換候補判定部104は「フリガナ」の添え書きに応じて「漢字変換なし」と判定する(ステップS104)。入力モード判定部103及び変換候補判定部104はその結果をIME105に通知する(S105)、IME105はこれらの判定結果に基づいて入力モードを「半角カタカナ入力モード」に設定し(ステップS106)、漢字変換は「漢字変換なし」に設定する(ステップS107)。つまり、その場合には画面上に漢字変換候補は表示しない。
【0031】
次に、入力ボックス204に文字を入力する場合の動作を説明する。入力ボックス204は郵便番号を入力する入力ボックスであるが、入力ボックス204の左側には「郵便番号」の添え書きがある。入力ボックス204の下側には半角数字で入力する必要があるとの注意書きの「半角数字」という文字情報がある。
【0032】
入力ボックス204内にカーソルがフォーカスされると、同様に入力ボックスフォーカス判定部101は入力ボックスやカーソルの座標位置からカーソルが入力ボックス204内に移動したと判定し、入力ボックス周辺解析部102に通知する(ステップS101)。入力ボックス周辺解析部102は、同様に入力ボックス204の左側の「郵便番号」や入力ボックス204の下側の「半角数字」の文字情報を解析し(ステップS102)、入力モード判定部103及び変換候補判定部104に通知する。
【0033】
入力モード判定部103は「半角数字」の注意書きに応じて入力モードを「半角英数入力モード」と判定し(ステップS103)、変換候補判定部104は「郵便番号」の添え書きに応じて「漢字変換なし」と判定する(ステップS104)。入力モード判定部103及び変換候補判定部104はその結果をIME105に通知し(S105)、IME105はこれらの判定結果に基づいて入力モードを「半角英数入力モード」に設定し(ステップS106)、漢字変換は「漢字変換なし」に設定する(ステップS107)。
【0034】
次に、入力ボックス205に文字を入力する場合の動作を説明する。入力ボックス205は住所を入力する入力ボックスであるが、入力ボックス205の左側には「住所」の添え書きがある。入力ボックス205の下側には全角で入力する必要があるとの注意書きの「全角」の文字情報がある。
【0035】
入力ボックス205内にカーソルがフォーカスされると、同様に入力ボックスフォーカス判定部101は入力ボックスとカーソルの座標位置からカーソルが入力ボックス205内に移動したと判定し、入力ボックス周辺解析部102に通知する(ステップS101)。入力ボックス周辺解析部102は、同様に入力ボックス204の左l側の「郵便番号」や入力ボックス205の下側の「全角」の文字情報を解析し(ステップS102)、それぞれ入力モード判定部103及び変換候補判定部104に通知する。
【0036】
入力モード判定部103は「全角」の注意書きに応じて入力モードを「全角入力モード」と判定し(ステップS103)、変換候補判定部104は「住所」の添え書きに応じて「地名」の変換候補を優先すると判定する(ステップS104)。入力モード判定部103及び変換候補判定部104はその結果をIME105に通知し(S105)、IME105はこれらの判定結果に基づいて入力モードを「全角入力モード」に設定し(ステップS106)、漢字変換は「地名」の変換候補を優先表示させる(ステップS107)。
【0037】
例えば、「住所」に対して「東京都」、「大阪府」、「京都府」、「神奈川」等の地名を優先表示させる。その際、例えば、「東京都」が入力されたら、その次に「港区」、「千代田区」、「杉並区」、「品川区」、「調布市」等の東京都内の区名や市名を優先表示するのが望ましい。つまり、住所を構成する地名、例えば、「東京都」の上位の地名が入力され、その上位の地名が確定したら、優先的に表示する漢字変換候補を、その上位の地名の「東京都」に含まれる下位の地名、例えば、「港区」等の漢字変換候補を設定することが望ましい。同様に、「港区」の地名が入力され、その地名が確定したら、優先的に表示する漢字変換候補を、その上位の地名の「港区」に含まれる下位の地名、例えば、「虎ノ門」等の地名の変換候補を設定する。その他の住所の地名を入力する場合も同様である。
【0038】
次に、入力ボックス206に文字を入力する場合の動作を説明する。入力ボックス206は電話番号を入力する入力ボックスであるが、入力ボックス206の周辺には「電話番号」の添え書きがある。入力ボックス206の下側には半角数字で入力する必要があるとの注意書きの「半角数字」という文字情報がある。更に、入力ボックス206の下部には「※なお電話番号には”-”は入れないでください」という注意書きの文字情報もある。
【0039】
入力ボックス205内にカーソルがフォーカスされると、同様に入力ボックスフォーカス判定部101は入力ボックスとカーソルの座標位置からカーソルが入力ボックス206内に移動したと判定し、入力ボックス周辺解析部102に通知する(ステップS101)。入力ボックス周辺解析部102は、同様に入力ボックス206の左l側の「郵便番号」、入力ボックス205の下側の「半角数字」の文字情報、入力ボックス206の下方位置の「※なお電話番号には”-”は入れないでください」という注意書きの文字情報を解析し(ステップS102)、それぞれ入力モード判定部103及び変換候補判定部104に通知する(注意書きの文字情報の解析結果は、入力モード判定部103を介してIME105に通知する)。
【0040】
入力モード判定部103は「半角数字」の注意書きに応じて入力モードを「半角数字入力モード」と判定し(ステップS103)、変換候補判定部104は「電話番号」の添え書きに応じて「漢字変換なし」と判定する(ステップS104)。入力モード判定部103及び変換候補判定部104はその結果をIME105に通知し(S105)、IME105はこれらの判定結果に基づいて入力モードを「半角数字入力モード」に設定し(ステップS106)、漢字変換は「漢字変換なし」に設定する(ステップS107)。
【0041】
また、IME105は入力ボックス206に入力された文字を判定し、もし、入力ボックス206に入力された文字に「−」があった場合には、注意書きに違反しているため入力のアラームを発生し、ユーザに報知する。或いは、「-」の自動削除を行い、注意書きに違反しないように自動修正する。
【0042】
このように本実施形態では、Webページの複数の入力ボックスに文字を入力する場合、入力ボックス周辺の文字情報を解析し、その解析結果に基づいて入力ボックスに文字を入力する入力モードを設定するため、各入力ボックス毎に自動で最適な入力モードを設定でき、ユーザのキー操作を簡単化することができる。そのため、ユーザの文字入力時間を短縮することが可能となる。
【0043】
また、Webページの複数の入力ボックスに文字を入力する場合、入力ボックス周辺の文字情報を解析し、その解析結果に基づいて自動で各入力ボックスに最適な漢字変換候補を優先表示させるため、ユーザが漢字変換候補を検索する時間を短縮でき、ユーザの文字入力時間を高速にすることができる。
【0044】
更に、入力ボックスに入力された文字を判定し、もし、入力ボックスに入力された文字に規定違反があった場合には、アラームを発生してユーザに報知したり、或いは規定違反しないように自動修正することにより、入力ミスをなくすことが可能となる。その際、大量のデータを受け取るデータベース側ではデータの手直しが必要ではなくなるため、データメンテナンスコストを削減することが可能となる。
【0045】
なお、以上の実施形態では、入力モードとして、全角、半角カタカナ、半角数字の例を挙げているが、本発明は、その他に、例えば、全角カタカナ、全角英数、半角英数等にも対応することができる。更に、本発明は、Webページに限らず、imeを使用して日本語等を入力する文字入力装置に使用可能である。
【0046】
また、以上の実施形態では、「入力ボックス周辺の文字情報に基づいて入力モードを設定する」例と、「入力ボックス周辺の文字情報に基づいて優先的に表示する漢字変換候補を設定する」例の両方を実施すると説明したが、本発明は、これら2つの例のうち少なくとも一方(片方でも良い)を実施しても良い。
【0047】
また、以上の実施形態の文字入力装置は、ハードウェアによっても実現できるが、コンピュータをその文字入力装置として機能させるためのプログラムをコンピュータがコンピュータ読み取り可能な記録媒体から読み込んで実行することによっても実現できる。また、以上の実施形態の文字入力方法は、ハードウェアによっても実現できるが、コンピュータにその方法を実行させるためのプログラムをコンピュータがコンピュータ読み取り可能な記録媒体から読み込んで実行することによっても実現できる。
【0048】
なお、以上の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限らない。
【0049】
(付記1)表示画面上の文字を入力する入力ボックス内にカーソルが移動したならば、その入力ボックス周辺の文字情報を解析する解析手段と、
前記解析手段で解析された文字情報に基づいて、前記入力ボックスに文字を入力する入力モード及び前記入力ボックスに文字を入力する際に前記表示画面に優先的に表示する漢字変換候補のうちの少なくとも一方を設定する設定手段と、
を備えたことを特徴とする文字入力装置。
【0050】
(付記2)前記文字情報は、前記入力ボックスに入力する入力文字を規定するための規定情報であり、前記設定手段は前記入力ボックスに入力された文字が前記規定情報に違反して入力された場合には、アラームを発生する又は前記入力ボックスに入力された文字を前記規定情報に違反しないように自動修正する手段を有することを特徴とする付記1に記載の文字入力装置。
【0051】
(付記3)前記設定手段は、姓名を入力する入力ボックスに姓名が入力される場合、性別を入力する入力ボックスがある場合には、当該入力ボックスに入力された性別に応じて前記表示画面に優先的に表示する漢字変換候補を異ならせることを特徴とする付記1又は2に記載の文字入力装置。
【0052】
(付記4)前記設定手段は、住所を入力する入力ボックスに住所が入力される場合、前記住所の上位の地名が入力され、前記上位の地名が確定したら、前記優先的に表示する漢字変換候補を前記上位の地名に含まれる下位の地名の漢字変換候補を設定することを特徴とする付記1乃至3のいずれか1に記載の文字入力装置。
【0053】
(付記5)解析手段が、表示画面上の文字を入力する入力ボックス内にカーソルが移動したならば、その入力ボックス周辺の文字情報を解析するステップと、
設定手段が、前記解析手段で解析された文字情報に基づいて、前記入力ボックスに文字を入力する入力モード及び前記入力ボックスに文字を入力する際に前記表示画面に優先的に表示する漢字変換候補のうちの少なくとも一方を設定するステップと、
を含むことを特徴とする文字入力方法。
【0054】
(付記6)前記文字情報は、前記入力ボックスに入力する入力文字を規定するための規定情報であり、前記設定手段は前記入力ボックスに入力された文字が前記規定情報に違反して入力された場合には、アラームを発生する又は前記入力ボックスに入力された文字を前記規定情報に違反しないように自動修正することを特徴とする付記5に記載の文字入力方法。
【0055】
(付記7)前記設定手段は、姓名を入力する入力ボックスに姓名が入力される場合、性別を入力する入力ボックスがある場合には、当該入力ボックスに入力された性別に応じて前記表示画面に優先的に表示する漢字変換候補を異ならせることを特徴とする付記5又は6に記載の文字入力方法。
【0056】
(付記8)前記設定手段は、住所を入力する入力ボックスに住所が入力される場合、前記住所の上位の地名が入力され、前記上位の地名が確定したら、前記優先的に表示する漢字変換候補を前記上位の地名に含まれる下位の地名の漢字変換候補を設定することを特徴とする付記5乃至7のいずれか1に記載の文字入力方法。
【0057】
(付記9)コンピュータを、
表示画面上の文字を入力する入力ボックス内にカーソルが移動したならば、その入力ボックス周辺の文字情報を解析する解析手段と、
前記解析された文字情報に基づいて、前記入力ボックスに文字を入力する入力モード及び前記入力ボックスに文字を入力する際に前記表示画面に優先的に表示する漢字変換候補のうちの少なくとも一方を設定する設定手段と、
して機能させるためのプログラム。
【0058】
(付記10)前記文字情報は、前記入力ボックスに入力する入力文字を規定するための規定情報であり、前記設定手段は前記入力ボックスに入力された文字が前記規定情報に違反して入力された場合には、アラームを発生する又は前記入力ボックスに入力された文字を前記規定情報に違反しないように自動修正することを特徴とする付記9に記載のプログラム。
【0059】
(付記11)前記設定手段は、姓名を入力する入力ボックスに姓名が入力される場合、性別を入力する入力ボックスがある場合には、当該入力ボックスに入力された性別に応じて前記表示画面に優先的に表示する漢字変換候補を異ならせることを特徴とする付記9又は10に記載のプログラム。
【0060】
(付記12)前記設定手段は、住所を入力する入力ボックスに住所が入力される場合、前記住所の上位の地名が入力され、前記上位の地名が確定したら、前記優先的に表示する漢字変換候補を前記上位の地名に含まれる下位の地名の漢字変換候補を設定することを特徴とする付記9乃至11のいずれか1に記載のプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、例えば、Webページに会員登録する場合等、Webページ上の複数の入力ボックスにユーザの姓名、姓名のフリガナ、住所、電話番号等を入力する際の文字入力に好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0062】
101 入力ボックスフォーカス判定部
102 入力ボックス周辺解析部
103 入力モード判定部
104 変換候補判定部
105 IME
201 Webページ
202 入力ボックス(姓名)
203 入力ボックス(フリガナ)
204 入力ボックス(郵便番号)
205 入力ボックス(住所)
206 入力ボックス(電話番号)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面上の文字を入力する入力ボックス内にカーソルが移動したならば、その入力ボックス周辺の文字情報を解析する解析手段と、
前記解析手段で解析された文字情報に基づいて、前記入力ボックスに文字を入力する入力モード及び前記入力ボックスに文字を入力する際に前記表示画面に優先的に表示する漢字変換候補のうちの少なくとも一方を設定する設定手段と、
を備えたことを特徴とする文字入力装置。
【請求項2】
前記文字情報は、前記入力ボックスに入力する入力文字を規定するための規定情報であり、前記設定手段は前記入力ボックスに入力された文字が前記規定情報に違反して入力された場合には、アラームを発生する又は前記入力ボックスに入力された文字を前記規定情報に違反しないように自動修正する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の文字入力装置。
【請求項3】
前記設定手段は、姓名を入力する入力ボックスに姓名が入力される場合、性別を入力する入力ボックスがある場合には、当該入力ボックスに入力された性別に応じて前記表示画面に優先的に表示する漢字変換候補を異ならせることを特徴とする請求項1又は2に記載の文字入力装置。
【請求項4】
前記設定手段は、住所を入力する入力ボックスに住所が入力される場合、前記住所の上位の地名が入力され、前記上位の地名が確定したら、前記優先的に表示する漢字変換候補を前記上位の地名に含まれる下位の地名の漢字変換候補を設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の文字入力装置。
【請求項5】
解析手段が、表示画面上の文字を入力する入力ボックス内にカーソルが移動したならば、その入力ボックス周辺の文字情報を解析するステップと、
設定手段が、前記解析手段で解析された文字情報に基づいて、前記入力ボックスに文字を入力する入力モード及び前記入力ボックスに文字を入力する際に前記表示画面に優先的に表示する漢字変換候補のうちの少なくとも一方を設定するステップと、
を含むことを特徴とする文字入力方法。
【請求項6】
コンピュータを、
表示画面上の文字を入力する入力ボックス内にカーソルが移動したならば、その入力ボックス周辺の文字情報を解析する解析手段と、
前記解析された文字情報に基づいて、前記入力ボックスに文字を入力する入力モード及び前記入力ボックスに文字を入力する際に前記表示画面に優先的に表示する漢字変換候補のうちの少なくとも一方を設定する設定手段と、
して機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−103780(P2012−103780A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249727(P2010−249727)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】