説明

料金システム

【課題】近年、爆発的に普及した携帯電話の台数とそれに伴う多種多様な通信サービスによって、携帯電話事業者は、料金計算において高性能かつ高信頼性を有する料金システムを構築・運用するために、高額な設備投資が必要になるという課題があった。
【解決手段】本発明の料金システムは、端末状態監視機能部と、サービス状態監視機能部と、サービス提供ログ情報記憶部と、課金計算機能部と、料金課金タリフ情報記憶部とを有する携帯端末装置を備え、サービス状態監視機能部がサービスの終了を検知した際、課金計算機能部は、サービス提供ログ情報記憶部からサービスを検索し、料金課金タリフ情報記憶部から取得した情報に基づき課金計算処理を行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用した通信サービスの料金を算出する料金システムに関し、特に携帯端末装置や情報処理装置等の通信機器を利用した情報伝達手段において、通信サービスの利用により発生する課金状況を、通信サービス利用者のサービス情報や料金情報等を基にして正確に算出する料金システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連する通信サービスの料金システムの一例が、特許文献1に記載されている。図11に示すように、この料金システム10は、交換機2と、課金計算装置3と、外部記憶装置4とから構成されている。このような構成を有する料金システム10は、つぎのように動作する。
【0003】
すなわち、交換機2と回線で接続され、交換機2から送信された通話データに基づいて通話料金を計算し蓄積する課金計算装置3において、交換機2の呼量を定期的に監視する手段3fと、監視手段の監視結果に従い、交換サービスの負荷を呼量の統計情報で予測する予測手段3cと、蓄積されている通話データの料金計算処理が完了するまでの間に、交換機2から送られてくる通話データ量が、料金計算処理の実行によって低下している処理能力を超えることがないと判断できる時に料金計算処理を行う料金計算手段3dとにより料金計算処理を行っている。
【0004】
また、通信サービスでは、携帯電話等の携帯端末装置に代表される各種通信機器を利用した通信サービスが提供されており、例えば携帯電話は、通常の通話に加え、携帯電話からインターネットへのアクセスやメールの送受信等の各種データ通信にも広く用いられている。
【0005】
この様な各種通信サービスでは、それらの内容に応じて多種多様な料金体系が用意されており、通信サービスの提供元毎に異なる料金体系で提供され、利用者はその利用形態や利用サービスの内容に合わせて各種の料金体系を選択することができる。こうした料金の計算は、携帯電話事業者側が料金システムを構築し、全て集中実施しているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−205488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、爆発的に普及した携帯電話の台数とそれに伴う多種多様な通信サービスによって、発生する通信データ量は膨大で、かつその発生タイミングは不規則である。そのため、携帯電話事業者は、料金計算において、バーストトラフィック等の問題に対応するため、高性能かつ高信頼性を有する料金システムを構築・運用するために、高額な設備投資が必要になるという課題があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上述した課題を解決する料金システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の料金システムは、端末状態監視機能部と、サービス状態監視機能部と、サービス提供ログ情報記憶部と、課金計算機能部と、料金課金タリフ情報記憶部とを有する携帯端末装置を備え、サービス状態監視機能部がサービスの終了を検知した際、課金計算機能部は、サービス提供ログ情報記憶部からサービスを検索し、料金課金タリフ情報記憶部から取得した情報に基づき課金計算処理を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、携帯電話事業者が料金システムを構築して全て集中実施している料金計算を携帯電話等のリソースを有効活用して分散実施することにより、携帯電話事業者の料金システムへの設備投資を軽減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の料金システム(第1の実施形態)の構成図である。
【図2】第1の実施形態の動作フロー図(その1)である。
【図3】第1の実施形態の動作フロー図(その2)である。
【図4】第1の実施形態の動作フロー図(その3)である。
【図5】第1の実施形態の動作フロー図(その4)である。
【図6】本発明の料金システム(第2の実施形態)の構成図である。
【図7】第2の実施形態の動作フロー図(その1)である。
【図8】第2の実施形態の動作フロー図(その2)である。
【図9】第2の実施形態の動作フロー図(その3)である。
【図10】第2の実施形態の動作フロー図(その4)である。
【図11】従来の料金システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態の一例について図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、本発明の第1の実施形態は、プログラム制御により動作する携帯端末(中央処理装置;プロセッサ;データ処理装置)100と、プログラム制御により動作するホストコンピュータ(中央処理装置;プロセッサ;データ処理装置)200とから構成されている。
【0013】
携帯端末100は、一時記憶手段(メモリ装置)110と、プログラム制御手段(各機能アプリケーション)120とを含む。ホストコンピュータ(中央処理装置;プロセッサ;データ処理装置)200は、一時記憶手段(メモリ装置;ハードディスク装置)210と、プログラム制御手段(各機能アプリケーション)220とを含む。
【0014】
これらの手段は、それぞれ次のように動作する。携帯端末100において、一時記憶手段110は、サービス毎の管理情報111とサービス毎のサービス提供ログ情報112とサービス毎の料金明細情報113と一時計算結果格納情報114とサービス毎の料金課金タリフ情報115と携帯端末認証情報116とを管理記憶する。管理されているこれらの情報概略はそれぞれ次の情報を管理する。
【0015】
サービス毎の管理情報111は、サービス毎に携帯端末にて構成されているプログラム制御手段(各機能アプリケーション)120のプログラムバージョンと、サービス毎の料金課金タリフ情報115の情報バージョンと、サービス毎のサービス提供ログ情報112の情報アップロード周期及び最新の正常完了したアップロード日時と、サービス毎の料金明細情報113の情報アップロード周期及び最新の正常完了したアップロード日時を管理する。
【0016】
サービス毎のサービス提供ログ情報112は、各サービスで実際に提供された時間・単位を正常・異常毎に発生都度記録し管理する。サービス毎の料金明細情報113は発生都度サービス毎の料金計算された結果を記録し管理する。一時計算結果格納領域114は、プログラム制御手段(各機能アプリケーション)120が動作する状態において、一時的に動作状態管理・計算結果を記録し管理する。
【0017】
サービス毎の料金課金タリフ情報115は、提供されるサービス毎の一定の単位・条件に応じて発生する課金単位情報を記録し管理する。携帯端末認証情報116は、携帯端末毎にホストコンピュータと通信を行う度に携帯端末のアクセスを認証する為に必要な情報を記録し管理する。
【0018】
プログラム制御手段(各機能アプリケーション)120は、課金計算機能(サービス毎)121と暗号・復号機能122と各種機能バージョンチェック及びダウンロード機能123とサービス状態監視機能(携帯端末側)124と課金情報送信機能125と料金タリフバージョンチェック及びダウンロード機能126とサーバー認証機能127と端末状態監視機能128とサービス提供ロギング機能129とを含む。
【0019】
課金計算機能(サービス毎)121は、サービス毎にサービスの提供を受けた都度、発生単位に記録されたサービス毎のサービス提供ログ情報112及びサービス毎の料金課金タリフ情報115に基づき、料金を計算し、計算結果をサービス毎の料金明細情報113に記録する。
【0020】
暗号・複合化機能122は、携帯端末の一時記憶手段(メモリ装置)110から読み出し・書き込み時に、格納されているデータの暗号化および複合化を実施する。また、ホストコンピュータ200との通信時においても暗号化・複合化を実施する。
【0021】
各種機能バージョンチェック及びダウンロード機能123は、プログラム制御手段(各機能アプリケーション)120上の各機能バージョンをサービス毎の管理情報111から情報取得し、必要に応じて各機能の最新バージョンをホストコンピュータ200より取得する。サービス状態監視機能(携帯端末側)124は、端末状態監視機能128を通じて得られるサービス提供状態を監視する。
【0022】
課金情報送信機能125は、サービス毎の料金明細情報113及びサービス毎のサービス提供ログ情報112を、ホストコンピュータ200へ送信する。料金タリフバージョンチェック及びダウンロード機能126は、サービス毎の料金課金タリフ情報115のバージョンをサービス毎の管理情報111から情報取得し、必要に応じて最新バージョンをホストコンピュータ200より取得する。
【0023】
サーバー認証機能127は、携帯端末認証情報116に基づき、ホストコンピュータへの認証を行う。端末状態監視機能128は、携帯端末100の状態を監視し、必要に応じてプログラム制御手段(各機能アプリケーション)120の各機能へ情報を提供する。サービス提供ロギング機能129は、サービス状態監視機能(携帯端末側)124と連携して、サービスの提供された状態をサービス毎のサービス提供ログ情報112に記録する。
【0024】
ホストコンピュータ200において、一時記憶手段210は、サービス毎の管理情報211と契約者情報(契約者プロフィール・契約状態・携帯端末情報)212と顧客・携帯端末・サービス毎の料金明細情報213とサービス毎の料金課金タリフマスタ情報214とサービス毎の携帯端末へダウンロードされる機能215と携帯端末毎・サービス毎の提供ログ情報216とを管理記憶する。管理されているこれらの情報概略はそれぞれ次の情報を管理する。
【0025】
サービス毎の管理情報211は、現時点での携帯端末100に提供するプログラム制御手段(各機能アプリケーション)120とサービス毎の料金課金タリフ情報115の最新バージョン情報を記録し管理する。
【0026】
契約者情報(契約者プロフィール・契約状態・携帯端末情報)212は、携帯電話事業者がサービスを提供するにあたり契約時に取得した、契約者のプロフィール情報・契約者の所有している携帯端末情報・契約状態等を記録し管理する。顧客・携帯端末・サービス毎の料金明細情報213は、各携帯端末より計算されて送信されてきたサービス毎の料金明細情報113を記録し管理する。
【0027】
サービス毎の料金課金タリフマスタ情報214は、サービス毎の一定の単位・条件に応じて発生する課金単位情報を記録し管理する。サービス毎の携帯端末へダウンロードされる機能215は、携帯端末に提供されるプログラム制御手段(各機能アプリケーション)120の各機能群を記録し管理する。携帯端末毎・サービス毎の提供ログ情報216は、各携帯端末より送信されてきたサービス毎のサービス提供ログ情報112を記録し管理する。
【0028】
プログラム制御手段(各機能アプリケーション)220は、課金再計算機能(顧客・携帯端末・サービス毎)221と、暗号・複合化機能222と、ログ検索機能223と、サービス状態監視機能(サーバー側)224と、課金情報受信機能225と、課金情報更新機能226と、携帯端末認証機能227と、契約情報更新機能228と、請求情報送信機能229と、端末機能バージョンチェックおよびダウンロード機能22Aと、料金タリフバージョンチェック及びダウンロード機能22Bとを含む。
【0029】
課金再計算機能(顧客・携帯端末・サービス毎)221は、携帯端末100からの情報欠落等により情報が不正確となった場合、補正を行い、課金情報を再計算し、顧客・携帯端末・サービス毎の料金明細情報213を更新する。暗号・複合化機能222は、携帯端末100から送受信される情報を暗号化及び複合化を実施する。ログ検索機能223は、携帯端末100へのサービス提供状態を、携帯端末毎・サービス毎の提供ログ情報216から検索する。
【0030】
サービス状態監視機能(サーバー側)224は、ホストコンピュータ200の状態を監視する。課金情報受信機能225は、携帯端末100から送信される情報を受け取る。課金情報更新機能226は、携帯端末100から送信されたサービス毎の料金明細情報113及びサービス毎のサービス提供ログ情報112を顧客・携帯端末・サービス毎の料金明細情報213と携帯端末毎・サービス毎の提供ログ情報216に更新する。
【0031】
携帯端末認証機能227は、携帯端末100より行われた認証要求に対し、契約情報212を確認し、認証を行う。契約情報更新機能228は、携帯電話事業者により管理されている顧客・契約システムより顧客情報の変更情報を取得し、契約情報212を更新する。請求情報送信機能229は、携帯電話事業者により管理されている請求システムへ、顧客・携帯端末・サービス毎の料金明細情報213を送信する。
【0032】
端末機能バージョンチェック及びダウンロード機能22Aは、携帯端末100との初期通信時、現在提供されている最新のプログラム制御手段(各機能アプリケーション)220と携帯端末100上のプログラム制御手段(各機能アプリケーション)120の差異を検出し、必要に応じてサービス毎の携帯端末へダウンロードされる機能215よりプログラム制御手段を送信する。
【0033】
料金タリフバージョンチェック及びダウンロード機能22Bは、携帯端末100との初期通信時、現在提供されている最新のサービス毎の料金課金タリフマスタ情報214と携帯端末100上のサービス毎の料金課金タリフ情報115の差異を検出し、必要に応じてサービス毎の料金課金タリフマスタ情報214を送信する。
【0034】
次に、図2、図3、図4及び図5のシーケンス矢印を用いて、本発明の第1の実施形態の動作について詳細に説明する。 まず、初期動作を説明する。サーバー認証機能127が携帯端末認証情報116より認証情報を取得する(図2のS1)。次に、サーバー認証機能127は携帯端末100側の暗号・復号化機能122を経由(図2のS2)し、携帯端末認証機能227へ認証要求(図2のS3)を行う。
【0035】
携帯端末認証機能227は、暗号・復号化機能222を経由(図2のS4)して、契約情報212に管理されている情報(図2のS5)を取得し認証を行う。認証が完了すると、各種機能バージョンチェック及びダウンロード機能123がサービス毎の管理情報111を取得(図3のS1)し、端末機能バージョンチェック及びダウンロード機能22Aへバージョンチェック依頼を行う(図3のS2)。
【0036】
端末機能バージョンチェック及びダウンロード機能22Aは、サービス毎の管理情報211の情報を取得(図3のS3)し、バージョン差異を検出した場合、サービス毎の携帯端末へダウンロードされる機能215を取得(図3のS4)し、各種機能バージョンチェック及びダウンロード機能123経由でプログラム制御手段(各機能アプリケーション)120を更新(図3のS5)する。
【0037】
同様に、料金タリフバージョンチェック及びダウンロード機能126がサービス毎の管理情報111を取得(図3のS6)し、料金タリフバージョンチェック及びダウンロード機能22Bへバージョンチェック依頼を行う(図3のS7)。料金タリフバージョンチェック及びダウンロード機能22Bは、サービス毎の管理情報211の情報を取得(図3のS8)し、バージョン差異を検出した場合、サービス毎の料金課金タリフマスタ情報214を取得(図3のS9)し、料金タリフバージョンチェック及びダウンロード機能126経由でサービス毎の料金課金タリフ情報115を更新(図3のS10)する。
【0038】
次に、携帯端末100側における通常サービス提供状態での動作について説明する。
端末状態監視機能128よりサービス提供の開始・終了をサービス状態監視機能(携帯端末側)124が検知(図4のS1)する。サービス提供の正常・異常を監視し、状態をサービス提供ロギング機能129経由(図4のS2)にてサービス毎のサービス提供ログ情報112に記録(図4のS3)する。
【0039】
サービス状態監視機能(携帯端末側)124がサービス終了を検知し、課金計算機能(サービス毎)121に通知(図4のS4)する。課金計算機能(サービス毎)121はサービス毎の管理情報111より前回の課金処理日時を取得(図4のS5)し、該当日時以降のサービス毎のサービス提供ログ112を検索(図4のS6)し、サービス毎の料金課金タリフ情報115から取得(図4のS7)した情報に基づき課金計算処理を行った後に、サービス毎の料金明細情報113に計算結果を更新・格納(図4のS8)する。
【0040】
課金情報送信機能125は、あらかじめ設定された定周期毎に端末の状態を端末状態監視機能128で確認(図5のS1)し、転送可能な状態時に、サービス毎の料金明細情報113を取得(図5のS2)、暗号・複合化機能122を経由(図5のS3)し、課金情報受信機能225に情報を送信(図5のS4)する。
【0041】
課金情報受信機能225は、暗号・複合化機能222を経由(図5のS5)して、課金情報更新機能226に受信情報を伝達(図5のS6)し、顧客・携帯端末・サービス毎の料金明細情報213を更新(図5のS7)する。これと平行して、サービス毎のサービス提供ログ情報112を取得(図5のS8)し、同様の動作をへて携帯端末毎・サービス毎の提供ログ情報216を更新(図5のS9)する。
【0042】
次に、本発明の第1の実施形態の効果について説明する。第1の効果は、課金計算で扱うデータを非常に少なくでき、システムを構成する設備規模を軽減出来ることにある。その理由は、従来は課金計算の元となる発呼・着呼データを、発生都度携帯端末毎に全て集約し計算していたため、膨大な数のデータを扱う必要があったが、このシステムにおいては、携帯端末にてあらかじめサービス単位で課金計算を実施した上でホストコンピュータ側へデータを送るため、従来よりも小さな能力の設備でシステム構築が可能である。
【0043】
第2の効果は、サービスを実際に享受出来た時間・単位にて正確に課金できることにある。その理由は、実際のサービスを享受出来ているか、サービスを受けている側の携帯端末にて監視を行っており、その状況に応じて課金を携帯端末側にて行うからである。
【0044】
次に、本発明の第2の実施形態の構成について図面を参照して詳細に説明する。図6を参照すると、プログラム制御により動作するローカルコンピュータ(中央処理装置;プロセッサ;データ処理装置)300と、プログラム制御により動作するホストコンピュータ(中央処理装置;プロセッサ;データ処理装置)400とから構成されている。
【0045】
ローカルコンピュータ300は、一時記憶手段(メモリ装置;ハードディスク装置)310と、プログラム制御手段(各機能アプリケーション)320と、Webブラウザ機能330とを含む。ホストコンピュータ(中央処理装置;プロセッサ;データ処理装置)400は、一時記憶手段(メモリ装置;ハードディスク装置)410と、プログラム制御手段(各機能アプリケーション)420とを含む。
【0046】
これらの手段は、それぞれ次のように動作する。ローカルコンピュータ300において、一時記憶手段310は、第1の実施形態と同じものを管理するが、携帯端末認証情報の代わりにローカルコンピュータ認証情報316とを管理記憶する。管理されているこれらの情報概略はそれぞれ次の情報を管理する。
【0047】
サービス毎の管理情報311は、サービス毎にローカルコンピュータにて構成されているプログラム制御手段(各機能アプリケーション)320とWebブラウザ機能330のプログラムバージョンと、サービス毎の料金課金タリフ情報315の情報バージョンと、サービス毎のサービス提供ログ情報312の情報アップロード周期及び最新の正常完了したアップロード日時と、サービス毎の料金明細情報313の情報アップロード周期及び最新の正常完了したアップロード日時を管理する。
【0048】
サービス毎のサービス提供ログ情報312、サービス毎の料金明細情報313、一時計算結果格納領域314、サービス毎の料金課金タリフ情報315は、第1の実施形態と同じ内容を管理する。ローカルコンピュータ認証情報316は、ローカルコンピュータ毎およびその利用者毎にホストコンピュータと通信を行う度にローカルコンピュータからのアクセスを認証する為に必要な情報を記録し管理する。
【0049】
プログラム制御手段(各機能アプリケーション)320は、第1の実施形態とほぼ同じ動作を行う。課金計算機能(サービス毎)321、暗号・復号機能322と、各種機能バージョンチェック及びダウンロード機能323と、サービス状態監視機能(ローカルコンピュータ側)324と課金情報送信機能325と料金タリフバージョンチェック及びダウンロード機能326とサーバー認証機能327と端末状態監視機能328とサービス提供ロギング機能329とを含む。
【0050】
課金計算機能(サービス毎)321、暗号・複合化機能322は、第1の実施形態と同じ動作を行う。各種機能バージョンチェック及びダウンロード機能323は、プログラム制御手段(各機能アプリケーション)320上及びWebブラウザ機能330の各機能バージョンをサービス毎の管理情報311から情報取得し、必要に応じて各機能の最新バージョンをホストコンピュータ400より取得する。
【0051】
サービス状態監視機能(ローカルコンピュータ側)324は、端末状態監視機能328を通じて得られるサービス提供状態を監視する。課金情報送信機能325、料金タリフバージョンチェック及びダウンロード機能326は第1の実施形態と同じ動作を行う。サーバー認証機能327は、ローカルコンピュータ認証情報316に基づき、ホストコンピュータへの認証を行う。
【0052】
端末状態監視機能328は、ローカルコンピュータ上で実施されているWeb提供サービス機能331の状態をブラウザ組込機能332経由で監視し、必要に応じてプログラム制御手段(各機能アプリケーション)320の各機能へ情報を提供する。サービス提供ロギング機能329は、第1の実施形態と同じ動作を行う。
【0053】
ホストコンピュータ400において、一時記憶手段410は、サービス毎の管理情報411と契約者情報(契約者プロフィール・契約状態・ローカルコンピュータ情報)412と顧客・ローカルコンピュータ・サービス毎の料金明細情報413とサービス毎の料金課金タリフマスタ情報414とサービス毎のローカルコンピュータへダウンロードされる機能415とローカルコンピュータ毎・サービス毎の提供ログ情報416とを管理記憶する。
【0054】
管理されているこれらの情報概略はそれぞれ次の情報を管理する。サービス毎の管理情報411は、現時点でのローカルコンピュータ300に提供するプログラム制御手段(各機能アプリケーション)320と、Webブラウザ機能330と、サービス毎の料金課金タリフ情報315の最新バージョン情報を記録し管理する。契約者情報(契約者プロフィール・契約状態・ローカルコンピュータ情報)412は、各種サービス提供事業者が、サービスを提供するにあたり契約時に取得した、契約者のプロフィール情報・契約者の所有しているローカルコンピュータ情報・契約状態等を記録し管理する。
【0055】
顧客・ローカルコンピュータ・サービス毎の料金明細情報413は、各ローカルコンピュータより計算されて送信されてきたサービス毎の料金明細情報313を記録し管理する。
サービス毎の料金課金タリフマスタ情報414は、サービス毎の一定の単位・条件に応じて発生する課金単位情報を記録し管理する。
【0056】
サービス毎のローカルコンピュータへダウンロードされる機能415は、ローカルコンピュータに提供されるプログラム制御手段(各機能アプリケーション)320の各機能群およびWebブラウザ機能330に提供される機能群を記録し管理する。ローカルコンピュータ毎・サービス毎の提供ログ情報416は、各ローカルコンピュータより送信されてきたサービス毎のサービス提供ログ情報312を記録し管理する。
【0057】
プログラム制御手段(各機能アプリケーション)420は、課金再計算機能(顧客・ローカルコンピュータ・サービス毎)421と、暗号・複合化機能422と、ログ検索機能423と、サービス状態監視機能(サーバー側)424と、課金情報受信機能425と、課金情報更新機能426と、ローカルコンピュータ認証機能427と、契約情報更新機能428と、請求情報送信機能429と、ローカルコンピュータ機能バージョンチェックおよびダウンロード機能42Aと、料金タリフバージョンチェック及びダウンロード機能42Bとを含む。
【0058】
課金再計算機能(顧客・ローカルコンピュータ・サービス毎)421、暗号・複合化機能422、ログ検索機能423、サービス状態監視機能(サーバー側)424、課金情報受信機能425、課金情報更新機能426、ローカルコンピュータ認証機能427、契約情報更新機能428、請求情報送信機能429は、第1の実施形態と同様な動作を行う。
【0059】
ローカルコンピュータ機能バージョンチェック及びダウンロード機能42Aは、ローカルコンピュータ300との初期通信時、現在提供されている最新のプログラム制御手段(各機能アプリケーション)420とローカルコンピュータ300上のプログラム制御手段(各機能アプリケーション)320及びWebブラウザ機能330の差異を検出し、必要に応じてサービス毎のローカルコンピュータへダウンロードされる機能415よりプログラム制御手段を送信する。料金タリフバージョンチェック及びダウンロード機能42Bは、第1の実施形態と同様な動作を行う。
【0060】
次に、図7、図8、図9及び図10のシーケンス矢印を用いて、本発明の第2の実施形態の動作について詳細に説明する。まず、初期動作を説明する。サーバー認証機能327がローカルコンピュータ認証情報316より認証情報を取得する(図7のS1)。次に、サーバー認証機能327は、ローカルコンピュータ300側の暗号・復号化機能322を経由(図7のS2)し、ローカルコンピュータ認証機能427へ認証要求(図7のS3)を行う。
【0061】
ローカルコンピュータ認証機能427は、暗号・復号化機能422を経由(図7のS4)して、契約情報412に管理されている情報(図7のS5)を取得し認証を行う。認証が完了すると、各種機能バージョンチェック及びダウンロード機能323がサービス毎の管理情報311を取得(図8のS1)し、ローカルコンピュータ機能バージョンチェック及びダウンロード機能42Aへバージョンチェック依頼を行う(図8のS2)。
【0062】
ローカルコンピュータ機能バージョンチェック及びダウンロード機能42Aは、サービス毎の管理情報411の情報を取得(図8のS3)し、バージョン差異を検出した場合、サービス毎のローカルコンピュータへダウンロードされる機能415を取得(図8のS4)し、各種機能バージョンチェック及びダウンロード機能323経由でプログラム制御手段(各機能アプリケーション)320を更新(図8のS5−1)すると共にWebブラウザ機能330を更新(図8のS5−2)する。
【0063】
同様に、料金タリフバージョンチェック及びダウンロード機能326がサービス毎の管理情報311を取得(図8のS6)し、料金タリフバージョンチェック及びダウンロード機能42Bへバージョンチェック依頼を行う(図8のS7)。料金タリフバージョンチェック及びダウンロード機能42Bは、サービス毎の管理情報411の情報を取得(図8のS8)し、バージョン差異を検出した場合、サービス毎の料金課金タリフマスタ情報414を取得(図3のS9)し、料金タリフバージョンチェック及びダウンロード機能326経由でサービス毎の料金課金タリフ情報315を更新(図8のS10)する。
【0064】
次に、ローカルコンピュータ300側における通常サービス提供状態での動作について説明する。Web提供サービス機能331のサービス開始・終了をブラウザ組込機能332が検知(図9のS1)し、端末状態監視機能328に通知(図9のS2)する。端末状態監視機能328よりサービス提供の開始・終了をサービス状態監視機能(携帯端末側)324が検知(図9のS3)する。サービス提供の正常・異常を監視し、状態をサービス提供ロギング機能329経由(図9のS4)にてサービス毎のサービス提供ログ情報312に記録(図9のS5)する。
【0065】
サービス状態監視機能(ローカルコンピュータ側)324がサービス終了を検知し、課金計算機能(サービス毎)321に通知(図9のS6)する。課金計算機能(サービス毎)321はサービス毎の管理情報311より前回の課金処理日時を取得(図9のS7)し、該当日時以降のサービス毎のサービス提供ログ312を検索(図9のS8)し、サービス毎の料金課金タリフ情報315から取得(図9のS9)した情報に基づき課金計算処理を行った後に、サービス毎の料金明細情報313に計算結果を更新・格納(図9のS10)する。
【0066】
課金情報送信機能325は、あらかじめ設定された定周期毎に端末の状態を端末状態監視機能328で確認(図10のS1)し、転送可能な状態時に、サービス毎の料金明細情報313を取得(図10のS2)、暗号・複合化機能322を経由(図10のS3)し、課金情報受信機能425に情報を送信(図10のS4)する。
【0067】
課金情報受信機能425は、暗号・複合化機能422を経由(図10のS5)して、課金情報更新機能426に受信情報を伝達(図10のS6)し、顧客・ローカルコンピュータ・サービス毎の料金明細情報413を更新(図10のS7)する。これと平行して、サービス毎のサービス提供ログ情報312を取得(図10のS8)し、同様の動作をへてローカルコンピュータ毎・サービス毎の提供ログ情報416を更新(図10のS9)する。
【0068】
次に、本発明の第2の実施形態の効果について説明する。その効果とは、ローカルコンピュータにて各種サービス・利用者毎に課金処理を実施する構成の為、サービス追加によるホストコンピュータへの負荷増が大幅発生することが無く、容易かつ柔軟に新しいサービス追加することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、携帯電話事業者が通話料やデータ通信使用料を課金するといった用途に適用できる。また、携帯電話を利用したサービスを提供しようとしている事業者における課金システムや、通信網(インターネットを含む)を介したパーソナルコンピュータ向け各種サービスにおける課金といった用途にも適用可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 電話端末
2 交換機
3 課金計算装置
3a メモリ
3b タイマ監視部
3c CPU
3d 料金計算部
3e 情報受信部
3f 負荷状態監視部
4 外部記憶装置
4b 通話データ蓄積エリア
4c 料金格納エリア
100 携帯端末
110 一時記憶手段
111 サービス毎の管理情報
112 サービス毎のサービス提供ログ情報
113 サービス毎の料金明細情報
114 一時計算結果格納情報
115 サービス毎の料金課金タリフ情報
116 携帯端末認証情報
120 プログラム制御手段
121 課金計算機能
122 暗号・復号化機能
123 各種機能バージョンチェック及びダウンロード機能
124 サービス状態監視機能(携帯端末側)
125 課金情報送信機能
126 料金タリフバージョンチェック及びダウンロード機能
127 サーバー認証機能
128 端末状態監視機能
129 サービス提供ロギング機能
200 ホストコンピュータ
210 一時記憶手段
211 サービス毎の管理情報
212 契約者情報
213 顧客・携帯端末・サービス毎の料金明細情報
214 サービス毎の料金課金タリフマスタ情報
215 サービス毎の携帯端末へダウンロードされる機能
216 携帯端末毎・サービス毎の提供ログ情報
220 プログラム制御手段
221 課金再計算機能
222 暗号・復号化機能
223 ログ検索機能
224 サービス状態監視機能(サーバー側)
225 課金情報受信機能
226 課金情報更新機能
227 携帯端末認証機能
228 契約情報更新機能
229 請求情報送信機能
22A 端末機能バージョンチェック及びダウンロード機能
22B 料金タリフバージョンチェック及びダウンロード機能
300 ローカルコンピュータ
310 一時記憶手段
320 プログラム制御手段
400 ホストコンピュータ
410 一時記憶手段
420 プログラム制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末状態監視機能部と、
サービス状態監視機能部と、
サービス提供ログ情報記憶部と、
課金計算機能部と、
料金課金タリフ情報記憶部と、
を有する携帯端末装置において、
前記サービス状態監視機能部がサービスの終了を検知した際、前記課金計算機能部は、前記サービス提供ログ情報記憶部から前記サービスを検索し、前記料金課金タリフ情報記憶部から取得した情報に基づき課金計算処理を行うこと、
を特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
請求項1記載の携帯端末装置において、
前記端末状態監視機能部によって、前記サービスの開始から終了までを検知している間、前記サービス状態監視機能部が、前記サービスの正常あるいは異常を監視し、その監視結果を前記サービス提供ログ情報記憶部に記録すること、
を特徴とする携帯端末装置。
【請求項3】
料金明細情報記憶部、
を有する請求項1または2記載の携帯端末装置において、
前記課金計算機能部による前記課金計算処理の結果を、前記料金明細情報記憶部に更新および格納すること、
を特徴とする携帯端末装置。
【請求項4】
課金情報送信機能部、
を有する請求項3記載の携帯端末装置において、
前記課金情報送信機能部は、あらかじめ設定された周期毎に、前記料金明細情報記憶部からサービスに関する料金明細情報を取得し、送信を行うこと、
を特徴とする携帯端末装置。
【請求項5】
請求項4記載の携帯端末装置と、ホストコンピュータ装置とを有する料金システムにおいて、
前記ホストコンピュータ装置には、
課金情報受信機能部と、
携帯端末装置およびサービス別の料金明細情報記憶部と、
を備えており、
前記課金情報受信機能部は、前記携帯端末装置から送信された前記料金明細情報を前記携帯端末装置およびサービス別の料金明細情報記憶部に更新および格納すること、
を特徴とする料金システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−19132(P2011−19132A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−163113(P2009−163113)
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】