説明

断熱構造を備えたタンクおよび断熱構造を備えたタンクの製造方法

【課題】 タンクの外側形状に合わせた平滑な曲率平面を有する断熱層表面が形成されるとともに、断熱性能に致命的影響を与えるボイドの存在しない断熱層を有する、断熱性能に優れた断熱構造を備えたタンクおよび断熱構造を備えたタンクの製造方法を提供する。
【解決手段】 タンク本体の表面に取り付けた複数の発泡部材と、発泡部材の間隙を充填するように、吹き付け発泡によって形成された吹き付け発泡層とを備え、発泡部材と吹き付け発泡層の表面が、略同一曲面になるように、吹き付け発泡層の余剰分が除去されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、液体炭酸ガスなどの貯蔵、運搬用の断熱構造を備えたタンクおよび断熱構造を備えたタンクの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タンク内に低温で気化する液体を保存するためのタンクにおいては、タンク内部に収容した液体への熱の移動を少なくするために、タンク本体の外表面に断熱層を付設することが行われている。このような低温タンクには、例えば、プラントなどに用いられる固定式タンクと、タンクローリなどに用いられる移動式タンクが知られており、それぞれの目的に応じて使い分けがなされている。
【0003】
ところで、タンク本体に収容される内部液体が、例えば、液体酸素や液体窒素のような場合は、その沸点が−183℃、−196℃と非常に低いために、例えば、特許文献1(特開2000−238573号公報)に開示されるように、タンク本体外周部の断熱部分を、粉末パーライトを充填して真空に保持する、いわゆる「真空断熱法」が採用されている。
【0004】
一方、液化炭酸ガス(CO2)のように、加圧状態での平衡蒸気圧がある程度高い温度
の場合は、例えば、特許文献2(特開平9−076812号公報)に開示されるように、タンク本体の外周に、ウレタン等の断熱材を付設することによって断熱構造としたタンクが開示されている。
【特許文献1】特開2000−238573号公報
【特許文献2】特開平9−076812号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来のタンクの断熱構造では、例えば、特許文献1(特開2000−238573号公報)に開示されるようないわゆる「真空断熱法」の場合、密閉性を高め、真空に耐えるために機械的強度を有する構造が必要であるために、タンク全体が大型化してしまうとともに、このような真空断熱構造を有するタンクを製造するには、パーライトの充填、真空引きなどの煩雑な作業が必要で、コストが高くつくことになる。
【0006】
しかも、このような真空断熱構造を有するタンクでは、使用時においても、真空度の低下を監視する必要がある。また、真空確保のために、真空引き作業が必要であり、メインテナンスコストも高くつくことになる。
【0007】
一方、特許文献2(特開平9−076812号公報)のタンクの断熱構造では、万一、タンク本体の外周に付設した断熱材層に欠陥があるか、または、その性能が不十分な場合には、タンク内部の圧力が上昇するために、タンクの損傷を避けるために、タンク本体内部のガスを大気中に放出させることが必要になる。このため、内容物のロスが発生する。
【0008】
従って、断熱方法としては、出来るならば、発泡ウレタン断熱法などを使用することが望ましい。
このため、従来は、タンクの形状を確保するために、注入発泡用ウレタンの注入口を有し、タンク本体の外側形状に合致する形状を有する外部保護装置(金型)を製作し、この外部保護装置をタンク本体の外周に取り付けている。
【0009】
そして、注入発泡用ウレタンの注入口を介して、注入発泡用ウレタン原液と発泡助剤を、タンク本体外周面と外部保護装置の内面との間に形成された発泡用間隙に注入して、タンク本体外周面にウレタン発泡断熱層を形成している。
【0010】
そして、この後、外部保護装置をタンク本体から取り外すことによって、ウレタン発泡断熱層を有する断熱構造を備えたタンクを製造している。
しかしながら、この注入発泡ウレタン断熱法では、断熱層内部にボイドと呼ばれる欠陥が発生しやすく、これを補修する作業を行わなければならず、しかも、外部保護装置をタンク本体から取り外す際に、ウレタン発泡断熱層の表面に、表面荒れなどが発生することがあり、これを補修する作業が必要で、手間と時間がかかり、コストが高くつくことにもなっている。
【0011】
本発明は、このような現状に鑑み、タンクの外側形状に合わせた平滑な曲率平面を有する断熱層表面が形成されるとともに、断熱性能に致命的影響を与えるボイドが実質的に存在しない断熱層を有する、断熱性能に優れた断熱構造を備えたタンクおよび断熱構造を備えたタンクの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明の断熱構造を備えたタンクは、
タンク本体の表面に取り付けた複数の発泡部材と、
前記発泡部材の間隙を充填するように、吹き付け発泡によって形成された吹き付け発泡層とを備え、
前記発泡部材と吹き付け発泡層の表面が、略同一曲面になるように、吹き付け発泡層の余剰分が除去されていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の断熱構造を備えたタンクの製造方法は、
タンク本体の表面に複数の発泡部材を取り付ける発泡部材取り付け工程と、
前記発泡部材の間隙を充填するように、吹き付け発泡によって、吹き付け発泡層を形成する吹き付け発泡工程と、
前記発泡部材と吹き付け発泡層の表面が、略同一曲面になるように、吹き付け発泡層の余剰分を除去する発泡層除去工程と、
を含むことを特徴とする。
【0014】
このように構成することによって、タンク本体の表面に取り付けた複数の発泡部材によって、タンク本体の外表面の一部が覆われるとともに、これらの発泡部材の間隙が、吹き付け発泡層によって充填されているので、断熱性能に致命的影響を与えるボイドの実質的に存在しない断熱層を有する、断熱性能に優れた断熱構造を備えたタンクを提供することができる。
【0015】
しかも、発泡部材と吹き付け発泡層の表面が、略同一曲面になるように、吹き付け発泡層の余剰分を除去されているので、タンクの外側形状に合わせた平滑な曲率平面を有する断熱層表面が形成されていることになり、この断熱層表面に装着されるタンク外装部材との間隙が発生せず、断熱性能に優れるものである。
【0016】
また、本発明の断熱構造を備えたタンクは、前記発泡部材の表面に合わせて、吹き付け発泡層の余剰分が除去されていることを特徴とする。
また、本発明の断熱構造を備えたタンクの製造方法は、前記発泡層除去工程において、前記発泡部材の表面に合わせて、吹き付け発泡層の余剰分を除去することを特徴とする。
【0017】
このように構成することによって、発泡部材の表面に合わせて、吹き付け発泡層の余剰分を簡単に除去することができる。
しかも、発泡部材の表面に合わせて、吹き付け発泡層の余剰分が除去されているので、発泡部材の表面を基準にして、発泡部材の表面と吹き付け発泡層の表面が略同一曲面となり、タンクの外側形状に合わせた平滑な曲率平面を有する断熱層表面が形成されていることになるので、この断熱層表面に装着されるタンク外装部材との間隙が発生せず、断熱性能に優れるものである。
【0018】
また、本発明の断熱構造を備えたタンクは、
前記タンク本体に、タンクの外装部材を取り付けるための枠部材を備え、
前記吹き付け発泡層の余剰分が、前記枠部材の表面と、発泡部材と吹き付け発泡層の表面とが略同一曲面になるように、吹き付け発泡層の余剰分と発泡部材の不整合部分が除去されていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の断熱構造を備えたタンクの製造方法は、
前記タンク本体に、タンクの外装部材を取り付けるための枠部材を備え、
前記発泡層除去工程において、前記吹き付け発泡層の余剰分が、前記枠部材の表面と、発泡部材と吹き付け発泡層の表面とが略同一曲面になるように、吹き付け発泡層の余剰分と発泡部材の不整合部分を除去することを特徴とする。
【0020】
このように構成することによって、吹き付け発泡層の余剰分が、タンクの外装部材を取り付けるための枠部材の表面と、発泡部材と吹き付け発泡層の表面とが略同一曲面になるように、吹き付け発泡層の余剰分が除去されているので、枠部材の表面に合わせて、吹き付け発泡層の余剰分と発泡部材の不整合部分を簡単に除去することができる。
【0021】
しかも、枠部材の表面に合わせて、吹き付け発泡層の余剰分などが除去されているので、枠部材の表面を基準にして、発泡部材の表面と吹き付け発泡層の表面が略同一曲面となり、タンクの外側形状に合わせた平滑な曲率平面を有する断熱層表面が形成されていることになるので、この断熱層表面に装着されるタンク外装部材との間隙が発生せず、断熱性能に優れるものである。
【0022】
また、本発明では、前記枠部材の表面に予め貼着された剥離部材を剥離することによって、前記吹き付け発泡によって枠部材の表面に形成された吹き付け発泡層が除去されていることを特徴とする。
【0023】
このように構成することによって、枠部材の表面に予め貼着された剥離部材を剥離することによって、枠部材の表面が露出され、これにより、枠部材の表面に合わせて、吹き付け発泡層の余剰分を簡単に除去することができる。
【0024】
また、本発明では、前記発泡部材の内表面が、タンク本体の表面の曲率に略合致するような表面曲率を有していることを特徴とする。
このように構成することによって、発泡部材の内表面とタンク本体の表面が略同一曲面となり、タンク本体の表面と発泡部材の内表面との間に大きな空隙が存在しないので、断熱性能に優れるものである。
【0025】
また、本発明の断熱構造を備えたタンクは、
前記吹き付け発泡によって形成された吹き付け発泡層が、
前記タンク本体の前記発泡部材の間隙を充填するように吹き付け発泡形成された下地吹き付け発泡層と、
前記下地吹き付け発泡層の上面に吹き付け発泡形成された吹き付け上面発泡層と、
を備えることを特徴とする。
【0026】
また、本発明の断熱構造を備えたタンクの製造方法は、
前記吹き付け発泡工程が、
前記タンク本体の前記発泡部材の間隙を充填するように、下地吹き付け発泡層を吹き付け形成する下地吹き付け発泡工程と、
前記下地吹き付け発泡層の上面に、吹き付け上面発泡層を吹き付け形成する上面吹き付け発泡工程と、
を含むことを特徴とする。
【0027】
このように構成することによって、下地吹き付け発泡層によって、タンク本体表面と発泡部材と発泡部材間の間隙が断熱されることになる。
しかも、この下地吹き付け発泡層の上面に、吹き付け上面発泡層を吹き付け形成するので、この下地吹き付け発泡層によって、タンク本体の表面と断熱された状態で、吹き付け上面発泡層を形成することができ、タンク本体の表面温度の影響を受けることなく、安定した断熱性能に優れた断熱層を得ることができる。
【0028】
また、本発明では、前記タンク本体の表面に取り付けた複数の発泡部材が、タンク本体の外周方向表面に沿って複数個に分割された発泡部材であることを特徴とする。
このように構成することによって、タンク本体の外周方向表面の外形状(曲率)に合致するように、複数個に分割された発泡部材でタンク本体の表面の一部を被覆することができ、これにより、発泡部材の内表面とタンク本体の表面が略同一曲面となり、タンク本体の表面と発泡部材の内表面との間に大きな空隙が存在しないので、断熱性能に優れるものである。
【0029】
また、本発明では、前記タンク本体の表面に取り付けた複数の発泡部材が、タンク本体の軸方向表面に沿って複数個に分割された発泡部材であることを特徴とする。
このように構成することによって、タンク本体の軸方向表面の外形状(曲率)に合致するように、複数個に分割された発泡部材でタンク本体の表面の一部を被覆することができ、これにより、発泡部材の内表面とタンク本体の表面が略同一曲面となり、タンク本体の表面と発泡部材の内表面との間に大きな空隙が存在しないので、断熱性能に優れるものである。
【0030】
また、本発明では、前記発泡部材が、高密度ウレタンフォーム、高密度ヌレートフォーム、高密度フェノールウレタンフォームから選択した1種以上の発泡材料から構成されていることを特徴とする。
【0031】
このように、発泡部材が、高密度ウレタンフォーム、高密度ヌレートフォーム、高密度フェノールウレタンフォームから構成されているので、機械的強度、耐荷重性、耐熱性、保温性に優れた断熱構造を備えたタンクを提供することができる。
【0032】
また、本発明では、前記吹き付け発泡層が、発泡部材よりは低密度である高密度ウレタンフォーム、高密度ヌレートフォーム、高密度フェノールウレタンフォームから選択した1種以上の発泡材料から構成されていることを特徴とする。
【0033】
このように吹き付け発泡層が、発泡部材よりは低密度である高密度ウレタンフォーム、高密度ヌレートフォーム、高密度フェノールウレタンフォームから選択した1種以上の発泡材料から構成されているので、耐熱性、保温性に優れた断熱構造を備えたタンクを提供することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、タンク本体の表面に取り付けた複数の発泡部材によって、タンク本体の外表面の一部が覆われるとともに、これらの発泡部材の間隙が、吹き付け発泡層によって充填されているので、断熱性能に致命的影響を与えるボイドの実質的に存在しない断熱層を有する、断熱性能に優れた断熱構造を備えたタンクを提供することができる。
【0035】
しかも、発泡部材と吹き付け発泡層の表面が、略同一曲面になるように、吹き付け発泡層の余剰分を除去されているので、タンクの外側形状に合わせた平滑な曲率平面を有する断熱層表面が形成されていることになり、この断熱層表面に装着されるタンク外装部材との間隙が発生せず、断熱性能に優れるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
図1は、本発明の断熱構造を備えたタンクをタンクローリに適用した実施例を示す概略側面図、図2は、図1のA−A方向の断面図、図3は、図1のタンクを製造する工程を示す概略斜視図、図4は、図3の部分拡大図である。
【0037】
図1〜図3において、符号10は、全体で本発明の断熱構造を備えたタンクを有するタンクローリを示している。
図1に示したように、タンクローリ10は、トラック12から構成されており、このトラック12の荷台14上には、保冷タンク15が搭載されている。
【0038】
なお、図1の保冷タンク15の後部には、液の出入り口配管とバルブ、上部に安全弁等
の配管などがあるが、図面上では省略してある。
この保冷タンク15は、タンク本体16と、このタンク本体16の外表面18に付設された断熱材層20を備えている。
【0039】
この断熱材層20は、図1〜図4に示したように、このタンク本体16の外表面に取付けられている。そして、タンク本体16の外周方向表面に沿って複数個に分割されるとともに、タンク本体16の軸方向表面に沿って複数個に分割された発泡部材22から構成されている。
【0040】
また、これらの複数個に分割された発泡部材22の間隙24には、この間隙24を充填するように、吹き付け発泡によって形成された吹き付け発泡層26を備えている。
さらに、タンク本体16の外表面18には、保冷タンク15の外装部材28を取り付けるために、タンク本体の外表面の形状に沿った形状を有する枠部材30を備えている。
【0041】
この枠部材30は、タンク本体16の軸方向に一定間隔離間して配置された複数のリング形状のリング枠部材31と、これらのリング枠部材31同士を相互に連結するように、タンク本体16の外周方向に一定間隔離間して配置された軸方向枠部材34とを備えている。
【0042】
そして、これらの枠部材30の表面と、発泡部材22と吹き付け発泡層26の表面が、略同一曲面になるように形成されている。
これらの断熱材層20と枠部材30を覆うように、保冷タンク15の外装部材28が、枠部材30に取り付けられている。
【0043】
また、この外装部材28のタンク両端の鏡部分32と、タンク本体16の両端の鏡部分33との間の間隙にも、断熱材層36が形成されている。
なお、この断熱材層36の部分については、図示していないが、上記の断熱材層20と
同様にして、複数個に分割された発泡部材と吹き付け発泡層とから構成されている。
【0044】
このように構成される保冷タンク15を構築する方法について、以下に説明する。
先ず、図3に示したように、タンク本体16の外側に、図示しない取り付け部材によって、枠部材30を取り付ける。そして、枠部材30のリング枠部材31の表面に、図3の点線で示したように、予め、剥離テープ38を貼着しておく。
【0045】
そして、この枠部材30のリング枠部材31と、軸方向枠部材34との間に画成される空間40に、複数の発泡部材22を、タンク本体16の外周方向表面に沿って複数個配置するとともに、タンク本体16の軸方向表面に沿って複数個配置して、タンク本体外表面の一部を発泡部材22で覆うようにする。
【0046】
なお、図3では、発泡部材22を、図3で奥側の半分のみに、タンク本体16の外周方向表面に沿って配置した途中の段階を示している。
この場合、これらの発泡部材22の間には、間隙24が、すなわち、軸方向間隙24aと外周方向(円周方向)間隙24bが存在するように配置する。
【0047】
この状態で、図4に示したように、発泡部材22のこれらの間隙24(24a、24b)を充填するように、吹き付け発泡によって、発泡部材22と枠部材30の表面と面一もしくは全面を覆うように、吹き付け発泡層26を形成する。
【0048】
次に、枠部材30のリング枠部材31の表面に貼着した剥離テープ38を剥離することによって、剥離テープ38の上面に形成された吹き付け発泡層26を、剥離テープ38ごと剥離する。これにより、枠部材30のリング枠部材31の表面を露出させる。
【0049】
そして、この枠部材30のリング枠部材31の露出表面を基準にして、発泡部材22と吹き付け発泡層26の表面が、タンク本体16の外形に合わせて、略同一曲面になるように、吹き付け発泡層26の余剰分と発泡部材22の不整合部分を、例えば、切削装置を用いて除去することによって、断熱材層20を形成する。
【0050】
次に、通常の方法によって、断熱材層20の表面の防湿処理を行い、その後、これらの断熱材層20と枠部材30を覆うように、保冷タンク15の外装部材28を、図示しない取り付け部材によって、枠部材30、発泡部材22に取り付けることによって、保冷タンク15を構築することができる。
【0051】
このように保冷タンク15を構築することによって、タンク本体16の表面に取り付けた複数の発泡部材22によって、タンク本体16の外表面の一部が覆われるとともに、これらの発泡部材22の間隙24が、吹き付け発泡層26によって充填されているので、断熱性能に致命的影響を与えるボイドの実質的に存在しない断熱層を有する、断熱性能に優れた断熱構造を備えた保冷タンク15を提供することができる。
【0052】
しかも、発泡部材22と吹き付け発泡層26の表面が、略同一曲面になるように、吹き付け発泡層26の余剰分を除去されているので、タンク本体16の外側形状に合わせた平滑な曲率平面を有する断熱層表面が形成されていることになり、この断熱層表面に装着される外装部材28との間隙が発生せず、断熱性能に優れるものである。
【0053】
この場合、上記の発泡部材22は、例えば、高密度ウレタンフォーム、高密度ヌレートフォーム、高密度フェノールウレタンフォームから構成することが好ましく、これによって、機械的強度、耐荷重性、耐熱性、保温性に優れた断熱構造を備えたタンクを提供することができる。
【0054】
この発泡部材22は、耐荷重性を確保するために、その充填密度が、好ましくは、45kg/m3〜65kg/m3であるのが望ましい。
また、この発泡部材22は、その内側表面が、タンク本体の表面の曲率に略合致するような表面曲率を有しているのが、タンク本体16の表面と発泡部材22の内表面との間に空隙が存在しないので、断熱性能に優れるためには望ましい。
【0055】
さらに、発泡部材22の外側表面は、保冷タンク15の外装部材28の内側表面の曲面形状に合わせて、予め製作しておくのが、外装部材28の内側表面と発泡部材22の外側表面との間に間隙が存在しないので、保冷効果を考慮すれば望ましい。
【0056】
また、タンク本体16の表面に、発泡部材22を取り付ける場合、発泡部材22同士の間の間隙24は、その軸方向間隙24aが、吹き付け発泡層26の強度の確保と、後述する表面切削機器の大きさ、作業の容易さを考慮すれば、図4に示したように、軸方向間隙24aの間隙距離S1が、好ましくは、50mm以上で、タンク本体16の軸方向の長さの1/2以下で、より好ましくは、200mm〜3000mmとするのが望ましい。
【0057】
すなわち、この軸方向間隙24aの間隙距離S1が狭すぎる場合には、吹き付け発泡層26の吹き付け作業がしにくく、しかも、発泡部材22が、確実にタンク本体16と接触して、空間部分をなくし、耐熱性、熱絶縁性を確保するように取付けるために、多くの時間と手間を必要とすることとなるからである。
【0058】
また、図4に示したように、発泡部材22同士の外周方向間隙24bの間隙距離S2は、好ましくは、5mm〜300mm、より好ましくは、10mm〜150mm程度の間隙を形成するようにするのが望ましい。
【0059】
このように発泡部材22同士の間に間隙24を形成することによって、後述する吹き付け発泡層26の吹き付け発泡工程において、発泡部材22同士の間を、吹き付け発泡層26で確実に充填することができ、熱ブリッジの発生を未然に防止することができる。
【0060】
さらに、発泡部材22は、図4に示したように、その巾Wが、好ましくは、30mm〜500mmであるのが望ましい。
すなわち、発泡部材22の巾Wが狭すぎる場合には、発泡部材22の機械的強度が十分ではなく、破損などで、タンク本体16の表面への安定した取り付けがしにくくなるからである。
【0061】
一方、発泡部材22の巾Wが広すぎる場合には、タンク本体16の表面の曲率精度が高くないので、発泡部材22をタンク本体16に取り付けた際に、タンク本体16の表面と、発泡部材22の間に空間が発生する原因となり、保冷タンク15の断熱性能に重大な影響を及ぼすことにとなるからである。
【0062】
また、図4に示したように、発泡部材22の長さLは、好ましくは、タンク本体16の外周方向の円周長さの1/10〜1/2程度とするのが望ましい。
すなわち、発泡部材22の長さLが、短すぎる場合には、タンク本体16の表面への固定などの取付作業に時間がかかることになるからである。
【0063】
また、逆に、発泡部材22の長さLが、長すぎる場合には、発泡部材22の内側表面の曲率を、タンク本体16の表面の曲率と一致させることが困難となり、取付が難しくなり、しかも、タンク本体16の表面と、発泡部材22の間に空間が発生する原因となり、保冷タンク15の断熱性能に重大な影響を及ぼすことにとなるからである。
【0064】
さらに、このように発泡部材22同士の間に間隙24を形成するように、発泡部材22をタンク本体16の表面に、所定間隔で取り付けることにより、低温での使用時に発生する温度差などによって生じる熱ひずみなどの応力を吸収することができ、これにより良好な断熱性能を有する断熱構造を得ることができる。
【0065】
また、吹き付け発泡層26の吹き付け発泡で使用する吹き付け発泡材料としては、好ましくは、発泡部材22よりは低密度である高密度ウレタンフォーム、高密度ヌレートフォーム、高密度フェノールウレタンフォームから構成するのが、耐熱性、保温性に優れた断熱構造を備えたタンクを提供することができるためには望ましい。
【0066】
また、吹き付け発泡層26の吹き付け発泡では、吹き付け発泡によって形成された吹き付け発泡層26が、図示しないが、タンク本体16の発泡部材22の間隙24を充填するように吹き付け発泡形成された下地吹き付け発泡層と、この下地吹き付け発泡層の上面に吹き付け発泡形成された吹き付け上面発泡層とから構成するようにするのが望ましい。
【0067】
このように構成することによって、下地吹き付け発泡層によって、タンク本体16の表面と発泡部材22の間隙24にボイドの実質的に無い状態の断熱層が得られる。
しかも、この下地吹き付け発泡層の上面に、吹き付け上面発泡層を吹き付け形成するので、この下地吹き付け発泡層によって、タンク本体16の表面と断熱された状態で、吹き付け上面発泡層を形成することができ、タンク本体16の表面温度の影響を受けることなく、安定した断熱性能に優れた断熱層を得ることができる。
【0068】
例えば、初めにタンク本体16の表面に直接吹きつける下地吹き付けについては、吹き付けウレタン温度、20℃〜30℃、発泡ウレタン密度25kg/m3〜40kg/m3の低温吹きつけで実施すればよい。
【0069】
これにより、タンク本体16の表面温度の影響を受けることなく、ウレタンとタンク本体16の間に、安定した断熱層を得ることができる。
そして、下地吹付け発泡後は、通常の吹付けウレタン温度25℃〜35℃で、ウレタン吹きつけを実施すればよい。
【0070】
なお、タンク本体16の表面温度が、15℃以上の場合は、下地吹き付けを省略して、通常の吹付けウレタン温度25℃〜35℃でウレタン吹きつけを実施するようにすればよい。
【0071】
吹き付け発泡層26の吹き付け厚さは、好ましくは、必要とする断熱材層20の厚さ以上、必要とする断熱材層20の厚さの+100mm以下、より好ましくは、必要とする断熱材層20の厚さの+20mm増程度の範囲に設定するのが望ましい。
【0072】
すなわち、吹き付け発泡層26の吹き付け厚さが、所定量以下の場合には、保冷タンク15の断熱性能が低下することになるからである。逆に、吹き付け発泡層26の吹き付け厚さの厚さが、厚すぎる場合は、原料の無駄であり、しかも、吹き付け発泡層26の余剰部分を切削加工などで取り除く場合に、表面加工に時間を要するほか、廃棄物を増加させることとなるからである。
【0073】
なお、吹き付けの終了した吹き付け発泡層26の表面は、切削器具を用いてその表面をタンクの外装部材28の表面曲率に合わせて切削するが、この際、切削の基準は、上記の実施例では、枠部材30のリング枠部材31の表面を基準に切削したが、発泡部材22の表面を仮基準として切削するようにしてもよい。
【0074】
また、タンク本体16の表面に、発泡部材22を取り付ける方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ウレタン系接着剤などの接着剤を用いる方法、熱溶着する方法、バンド状の結束部材によって仮止めする方法など、発泡部材22の種類、寸法などに応じて適宜変更することが可能である。
【0075】
さらに、本発明のタンクは、真空断熱方式を必要とする極低温タンクよりも、大気圧における沸点が高温側である、沸点マイナス100℃以上、常用の温度がプラス100℃以下の、CO2、N2O、SO2、NH3、HCl、Cl2、HFC134a、プロパン等のL
PG、石油製品、高温内容液の保温タンクなどに適用可能である。
【実施例1】
【0076】
(実施例1)
図3に示したように、液化炭酸ガス(CO2)の移動式のタンクローリ10の保冷タン
ク15を構築するために、タンク本体16を準備した。
【0077】
すなわち、断熱材層20の厚さを考慮して、タンク本体16の表面に、外装部材28を取り付けるための枠部材30と、図示しない、外装部材28の取付治具とタンク支持部を取り付けた金属製のタンク本体16を、ウレタン吹付け工法が可能な状態に設置した。
【0078】
なお、このタンク本体16は、直径1.4m、長さ6mの円筒タンクで、その両端に鏡板が取り付けられている。
そして、タンク本体16の表面の曲率に略合致(同一)となるような曲率を有する内側表面を備えるとともに、外装部材28の内側表面の曲率に略合致(同一)となるような曲率を有する外側表面を備えた発泡部材22を製作した。
【0079】
この発泡部材22は、耐荷重性を有する高密度ウレタンフォームからなり、「エアライトフォームFC50(商品名)」(日清紡績株式会社製)を使用して、発泡ウレタン密度50kg/m3、長さ500mm、巾100mm、厚さ150mmになるように製作した

【0080】
そして、ウレタン系接着剤を用いて、発泡部材22をタンク本体16の表面に、図3および図4に示したように、軸方向間隙24aが500mmで、外周方向(円周方向)間隙24bが20mmとなるように、相互に一定間隔離間するように取り付けた。寸法の調整は中央部にて行った。
【0081】
その後、枠部材30のリング枠部材31の表面と発泡部材22の表面に、剥離テープを貼着することによって、ウレタン剥離用の処置を施した。
次に、現場吹付け発泡用の発泡ウレタン原料として、「エアライトフォームSF−300J(商品名)」(日清紡績株式会社製)と発泡助剤HFC134aを用いて、タンク本体16の鏡板の部分を含むタンク金属表面について、発泡温度25℃で、約75mmの厚さとなるように、下地吹き付け発泡を行なって、ボイドの発生を抑制し、金属表面とウレタンフォームの密着性が良く、かつ発泡部材22近傍においてもボイドの実質的にないウレタンフォーム断熱層を得た。
【0082】
その後、現場吹付け発泡用の発泡ウレタン原料として、「エアライトフォームSF−300J(商品名)」(日清紡績株式会社製)と発泡助剤HFC134aを用いて、タンク本体16の外表面全体が、約150〜170mmの厚さになるまで、30℃での吹き付けを行った。この際の充填密度は33kg/m3であった。
【0083】
次に、枠部材30のリング枠部材31の表面と発泡部材22の表面に貼着した剥離テープを剥離することによって、その上部の吹き付け発泡層26を剥離した。
その後、枠部材30のリング枠部材31の露出した表面を基準にして、ウレタン切削機「フォームプレーン(商品名)」(ガスマー社製)を用いて、発泡ウレタン表面と発泡部材22の不整合部分を保冷タンク15の表面曲率に合致するように、すなわち、外装部材28の内側表面の曲率に合致するように切削した。この結果、断熱材層20の厚みが、150mmになった。
【0084】
このようにして、保冷タンク15の表面と同じ曲率の発泡ウレタン表面を製作した後、通常の方法により、防湿加工などを行い、外装部材28を取り付けて、断熱構造を備えた液化炭酸ガス(CO2)保冷タンク15を完成した。
【0085】
なお、断熱材層20の表面と断面を検査した結果、断熱ウレタン層にボイドの発生しない、タンク曲率と同じ表面を有する発泡ウレタン断熱材層20が得られていることを確認した。
(比較例1)
タンクの製造において、実施例1と同じタンク本体16を準備した。そして、このタン
ク本体16の外側に、ウレタンの注入発泡を実施するために、ウレタン注入口を供えた備え、断熱層の厚みに相当するタンク表面の曲率に合わせた外部保護装置を作り、その内表面に発泡ウレタン剥離剤を処理した。
【0086】
但し、この場合は、タンク本体16の表面から外部保護装置を取り外すのを容易にするために、外部保護装置の内側の表面の曲率を、タンク本体16の曲率と同じ曲率とした。
そして、ウレタン注入口を介して、通常の方法によって、ウレタン注入発泡を行った。
【0087】
注入発泡終了後、外部保護装置を、断熱材付タンクから取り外して、発泡ウレタン表面を有する断熱材付タンクを得た。
このタンク表面とその断面を検査したところ、一部にボイドが認められ、また、剥離処理によって発生した表面の荒れが認められた。補修することなし使用することができないことが確認された。
【0088】
補修後、表面を研磨した上で、防湿処理などを施し、タンク外装部材を取り付けて、断熱構造を備えた液化炭酸ガス(CO2)保冷タンクを完成した。
上記実施例1による製作所要時間は、外部保護装置の製作、取り付け、取り外しを含む比較例1の製作所要時間と比較すると、約2/3であった。
【0089】
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、上記実施例では、本発明の断熱構造を備えたタンクをタンクローリに適用した実施例を示したが、例えば、プラントなどに用いられる固定式保冷タンク、携帯用の保冷タンク、さらには、保冷タンクだけではなく、一定の加熱温度を保持する保温タンクなどにも用いることも可能であるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】図1は、本発明の断熱構造を備えたタンクをタンクローリに適用した実施例を示す概略側面図である。
【図2】図2は、図1のA−A方向の断面図である。
【図3】図3は、図1のタンクを製造する工程を示す概略斜視図である。
【図4】図4は、図3の部分拡大図である。
【符号の説明】
【0091】
10 タンクローリ
12 トラック
14 荷台
15 保冷タンク
16 タンク本体
18 外表面
20 断熱材層
22 発泡部材
24 間隙
24a 軸方向間隙
24b 外周方向間隙
26 吹き付け発泡層
28 外装部材
30 枠部材
31 リング枠部材
32、33 鏡部分
34 軸方向枠部材
36 断熱材層
38 剥離テープ
40 空間


【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク本体の表面に取り付けた複数の発泡部材と、
前記発泡部材の間隙を充填するように、吹き付け発泡によって形成された吹き付け発泡層とを備え、
前記発泡部材と吹き付け発泡層の表面が、略同一曲面になるように、吹き付け発泡層の余剰分が除去されていることを特徴とする断熱構造を備えたタンク。
【請求項2】
前記発泡部材の表面に合わせて、吹き付け発泡層の余剰分が除去されていることを特徴とする請求項1に記載の断熱構造を備えたタンク。
【請求項3】
前記タンク本体に、タンクの外装部材を取り付けるための枠部材を備え、
前記吹き付け発泡層の余剰分が、前記枠部材の表面と、発泡部材と吹き付け発泡層の表面とが略同一曲面になるように、吹き付け発泡層の余剰分と発泡部材の不整合部分が除去されていることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の断熱構造を備えたタンク。
【請求項4】
前記枠部材の表面に予め貼着された剥離部材を剥離することによって、前記吹き付け発泡によって枠部材の表面に形成された吹き付け発泡層が除去されていることを特徴とする請求項3に記載の断熱構造を備えたタンク。
【請求項5】
前記発泡部材の内表面が、タンク本体の表面の曲率に略合致するような表面曲率を有していることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の断熱構造を備えたタンク。
【請求項6】
前記吹き付け発泡によって形成された吹き付け発泡層が、
前記タンク本体の前記発泡部材の間隙を充填するように吹き付け発泡形成された下地吹き付け発泡層と、
前記下地吹き付け発泡層の上面に吹き付け発泡形成された吹き付け上面発泡層と、
を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の断熱構造を備えたタンク。
【請求項7】
前記タンク本体の表面に取り付けた複数の発泡部材が、タンク本体の外周方向表面に沿って複数個に分割された発泡部材であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の断熱構造を備えたタンク。
【請求項8】
前記タンク本体の表面に取り付けた複数の発泡部材が、タンク本体の軸方向表面に沿って複数個に分割された発泡部材であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の断熱構造を備えたタンク。
【請求項9】
前記発泡部材が、高密度ウレタンフォーム、高密度ヌレートフォーム、高密度フェノールウレタンフォームから選択した1種以上の発泡材料から構成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の断熱構造を備えたタンク。
【請求項10】
前記吹き付け発泡層が、発泡部材よりは低密度である高密度ウレタンフォーム、高密度ヌレートフォーム、高密度フェノールウレタンフォームから選択した1種以上の発泡材料から構成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の断熱構造を備えたタンク。
【請求項11】
前記タンクが、移動式液化炭酸ガス貯蔵槽であることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の断熱構造を備えたタンク。
【請求項12】
タンク本体の表面に複数の発泡部材を取り付ける発泡部材取り付け工程と、
前記発泡部材の間隙を充填するように、吹き付け発泡によって、吹き付け発泡層を形成する吹き付け発泡工程と、
前記発泡部材と吹き付け発泡層の表面が、略同一曲面になるように、吹き付け発泡層の余剰分を除去する発泡層除去工程と、
を含むことを特徴とする断熱構造を備えたタンクの製造方法。
【請求項13】
前記発泡層除去工程において、前記発泡部材の表面に合わせて、吹き付け発泡層の余剰分を除去することを特徴とする請求項12に記載の断熱構造を備えたタンクの製造方法。
【請求項14】
前記タンク本体に、タンクの外装部材を取り付けるための枠部材を備え、
前記発泡層除去工程において、前記吹き付け発泡層の余剰分が、前記枠部材の表面と、発泡部材と吹き付け発泡層の表面とが略同一曲面になるように、吹き付け発泡層の余剰分と発泡部材の不整合部分を除去することを特徴とする請求項12から13のいずれかに記載の断熱構造を備えたタンクの製造方法。
【請求項15】
前記枠部材の表面に予め貼着された剥離部材を剥離することによって、前記吹き付け発泡によって枠部材の表面に形成された吹き付け発泡層を除去することを特徴とする請求項14に記載の断熱構造を備えたタンクの製造方法。
【請求項16】
前記発泡部材の内表面が、タンク本体の表面の曲率に略合致するような表面曲率を有していることを特徴とする請求項12から15のいずれかに記載の断熱構造を備えたタンクの製造方法。
【請求項17】
前記吹き付け発泡工程が、
前記タンク本体の前記発泡部材の間隙を充填するように、下地吹き付け発泡層を吹き付け形成する下地吹き付け発泡工程と、
前記下地吹き付け発泡層の上面に、吹き付け上面発泡層を吹き付け形成する上面吹き付け発泡工程と、
を含むことを特徴とする請求項12から16のいずれかに記載の断熱構造を備えたタンクの製造方法。
【請求項18】
前記タンク本体の表面に取り付けた複数の発泡部材が、タンク本体の外周方向表面に沿って複数個に分割された発泡部材であることを特徴とする請求項12から17のいずれかに記載の断熱構造を備えたタンクの製造方法。
【請求項19】
前記タンク本体の表面に取り付けた複数の発泡部材が、タンク本体の軸方向表面に沿って複数個に分割された発泡部材であることを特徴とする請求項12から18のいずれかに記載の断熱構造を備えたタンク。
【請求項20】
前記発泡部材が、高密度ウレタンフォーム、高密度ヌレートフォーム、高密度フェノールウレタンフォームから選択した1種以上の発泡材料から構成されていることを特徴とする請求項12から19のいずれかに記載の断熱構造を備えたタンクの製造方法。
【請求項21】
前記吹き付け発泡層が、発泡部材よりは低密度である高密度ウレタンフォーム、高密度ヌレートフォーム、高密度フェノールウレタンフォームから選択した1種以上の発泡材料から構成されていることを特徴とする請求項12から20のいずれかに記載の断熱構造を備えたタンクの製造方法。
【請求項22】
前記タンクが、移動式液化炭酸ガス貯蔵槽であることを特徴とする請求項12から21
のいずれかに記載の断熱構造を備えたタンクの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−30891(P2007−30891A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−212970(P2005−212970)
【出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【出願人】(598125109)東京高圧株式会社 (3)
【Fターム(参考)】