説明

新出情報検出方法、新出情報検出装置及び新出情報検出プログラム

【課題】ウェブコンテンツ等の閲覧中に表示領域外に新たな情報が出現した場合に新出情報の検出を支援する。
【解決手段】ウェブコンテンツを取得して表示したときに、新出情報が表示領域外に存在するか否か判定し、新出情報が表示領域内に存在しない場合、つまり、新出情報が表示されていない場合、新出情報が表示領域外に存在することを示すアラート画像を表示領域以内に表示するようにウェブコンテンツのソースを書き換えて出力する。これにより、ユーザは、表示領域に関わらず、新出情報が出現したことを知ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GUIにおける情報提示技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、HTML5やAjaxなどの技術により、ページ遷移せずにページの一部が変化するような、動的なウェブコンテンツが楽しめるようになった。しかしながら、ウェブコンテンツの部分的な変化がウェブブラウザ等の表示領域外で起こった場合に、ユーザがその変化を認知できないという問題がある。特に、スマートホンなどの表示画面が小さい端末でウェブコンテンツを閲覧する場合、一覧性が失われ、ウェブコンテンツの部分的な変化を見落とす確率が高くなると考えられる。部分的な変化を見落とすと、特に高齢ユーザや初心者ユーザなどはその先の正しい操作に進めなくなる可能性がある。よって、変化箇所の検出を支援する仕組みが必要となる。
【0003】
情報検出支援における従来技術には、例えば、キーワード検索の検索クエリをハイライト表示する技術がある(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“キーワード検索とハイライトの基本”、[online]、2011年5月26日、グーグル、[平成23年8月1日検索]、インターネット〈 URL:http://www.google.com/support/toolbar/bin/answer.py?answer=9273&hl=ja〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、画面の表示領域外に表示された新出情報の検出を支援する仕組みはまだない。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、ウェブコンテンツ等の閲覧中に表示領域外に新たな情報が出現した場合に新出情報の検出を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明に係る新出情報検出方法は、受信手段による、コンテンツを受信するステップと、表示手段による、受信したコンテンツの一部を表示領域内に表示するステップと、解析手段による、前記表示領域外で前記コンテンツが部分的に変化したか否かを判定するステップと、通知手段による、前記表示領域外で前記コンテンツが部分的に変化した場合、表示領域外でコンテンツか部分的に変化したことを示すアラートを出力するステップと、を有することを特徴とする。
【0008】
上記新出情報検出方法において、前記アラートを出力するステップは、前記表示領域に対する前記コンテンツが部分的に変化した方向を示すアラートを出力することを特徴とする。
【0009】
上記新出情報検出方法において、前記アラートを出力するステップは、前記表示領域内に前記コンテンツの部分的に変化した部分が含まれるように前記表示領域を変更することを特徴とする。
【0010】
上記新出情報検出方法において、前記アラートを出力するステップは、前記コンテンツが部分的に変化してから所定の時間経過した後、前記アラートを出力することを特徴とする。
【0011】
第2の本発明に係る新出情報検出装置は、コンテンツを受信する受信手段と、受信したコンテンツの一部を表示領域内に表示する表示手段と、前記表示領域外で前記コンテンツが部分的に変化したか否かを判定する解析手段と、前記表示領域外で前記コンテンツが部分的に変化した場合、表示領域外でコンテンツか部分的に変化したことを示すアラートを出力する通知手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
第3の本発明に係る新出情報検出プログラムは、上記新出情報検出方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ウェブコンテンツ等の閲覧中に表示領域外に新たな情報が出現した場合に新出情報の検出を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施の形態における新出情報検出装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】第1の実施の形態における新出情報検出装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】ウェブコンテンツ、表示領域、および新出領域を示す図である。
【図4】新出情報の出現方向を求める条件を示す図である。
【図5】表示領域内に新出情報の出現方向を表示された例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態における新出情報検出装置の構成を示す機能ブロック図である。新出情報検出装置1は、通信ネットワーク100を介してコンテンツサーバ2からウェブコンテンツを受信して表示するとともに、ウェブコンテンツの表示領域外が部分的に変化している場合にその旨をユーザに通知するものである。図1に示す新出情報検出装置1は、通信部11、表示部12、情報入力部13、情報解析部14、制御部15、およびデータベース16を備える。新出情報検出装置1が備える各部は、演算処理装置、記憶装置等を備えたコンピュータにより構成して、各部の処理がプログラムによって実行されるものとしてもよい。このプログラムは新出情報検出装置1が備える記憶装置に記憶されており、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。以下、各部について説明する。
【0016】
通信部11は、インターネットなどの通信ネットワーク100を介してコンテンツサーバ2からウェブコンテンツの記載情報(以下「ソース」と称する)を取得して表示部12に出力する。
【0017】
表示部12は、通信部11からソースを受け取りウェブコンテンツを表示するとともに、ソースを情報解析部14に出力する。また、アラート画面を制御部15から受け取り表示する。
【0018】
情報入力部13は、ウェブコンテンツ上のハイパーリンクのクリックや画面のスクロール、拡大縮小などのユーザ操作を表示部12へ出力する。
【0019】
情報解析部14は、表示部12からソースを受け取り、ウェブコンテンツの変化が部分的であるか否かを判定し、ウェブコンテンツの変化が部分的な場合は、ウェブコンテンツ中で変化したオブジェクトやテキスト(以下「新出情報」と称する)を特定し、新出情報が表示部12により表示されている領域(以下「表示領域」と称する)内に存在するか否か判定する。ウェブコンテンツの変化が部分的であるか否かは、前回表示していたウェブコンテンツと新たに表示するウェブコンテンツとを比較し、変化部分の面積が所定の割合より小さいときにウェブコンテンツの変化が部分的であると判定する。新出情報が表示領域内に存在するか否かの判定処理の詳細は後述する。
【0020】
制御部15は、情報解析部14から判定結果とソースを受け取り、判定結果が「新出情報が表示領域外にある」ことを示す場合、新出情報が表示領域外に存在する事を示すアラート画像を表示領域以内に表示するようにソースを書き換えて表示部12に出力する。表示部12にアラート画像を表示させる代わりに、音声等により新出情報が表示領域外に存在する事を知らせてもよい。
【0021】
データベース16は、新出情報が出た事を示すアラート画像を保持する。
【0022】
次に、第1の実施の形態における新出情報検出装置の処理の流れについて説明する。
【0023】
図2は、第1の実施の形態における新出情報検出装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【0024】
まず、通信部11がウェブコンテンツのソースをコンテンツサーバ2から取得し(ステップS11)、表示部12がそのソースに従ってウェブコンテンツを表示する(ステップS12)。
【0025】
続いて、情報解析部14が表示するウェブコンテンツの変化が部分的であるか否か判定する(ステップS13)。ウェブコンテンツの変化が部分的でない場合は処理を終了する。
【0026】
ウェブコンテンツの変化が部分的であった場合、情報解析部14がウェブコンテンツ中で変化した場所、つまり新出情報を特定し(ステップS14)、新出情報と表示領域の位置座標を特定する(ステップS15)。そして、新出情報が表示領域内に存在するか否か判定する(ステップS16)。新出情報が表示領域内に存在する場合は処理を終了する。
【0027】
新出情報が表示領域内に存在しない場合、制御部15が「新出情報が表示領域外に存在する」ことを示すアラート画像をデータベース16から読み出し、表示部12に表示させる(ステップS17)。
【0028】
ここで、新出情報が表示領域内に存在するか否かの判定処理について説明する。図3は、ウェブコンテンツ200、表示領域201、および新出領域202を示す図である。表示領域201は、表示部12が表示したウェブコンテンツ200の一部である。新出領域202は、前回表示したウェブコンテンツ200から変化した部分である新出情報を囲う領域である。
【0029】
まず、表示領域201の位置座標として、表示領域201の左上端を原点(0,0)、右下端を座標(X,Y)とする。そして、新出領域202として、新出情報のオブジェクト等を全て含み、各辺が表示領域201の各辺に平行な長方形を想定し、新出領域202の位置座標として、長方形の左上端を座標(Xa,Ya)、右下端を座標(Xb,Yb)とする。
【0030】
以上のように特定した表示領域201、新出領域202の位置座標を用い、次式が成り立つか否かを判定することで新出情報が表示領域内に存在するか否かと判定する。
【0031】
0≦Xa≦Xb≦X,かつ 0≦Ya≦Yb≦Y
上記の式が成り立つ場合は、新出情報は表示領域内に存在すると判定し、上記の式が成り立たない場合は、新出情報は表示領域内に存在しないと判定する。
【0032】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ウェブコンテンツを取得して表示したときに、新出情報が表示領域外に存在するか否か判定し、新出情報が表示領域内に存在しない場合、つまり、新出情報が表示されていない場合、新出情報が表示領域外に存在することを示すアラート画像を表示領域以内に表示するようにウェブコンテンツのソースを書き換えて出力することにより、ユーザは、表示領域に関わらず、新出情報が出現したことを知ることができる。更に、ウェブコンテンツの提供者の観点からすると、ユーザに伝えたい情報を確実に伝えることができる。
【0033】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、表示領域外に新出情報が存在することを示すアラート情報を表示させるだけであったが、第2の実施の形態では、画面のどの方向に新出情報が存在するかを示す。これにより、ユーザは画面をどの方向にスクロールさせればよいか判断できる。第2の実施の形態における新出情報検出装置の構成は第1の実施の形態と同様であるので、ここでの説明は省略し、第1の実施の形態と異なる点について説明する。
【0034】
第2の実施の形態では、新出情報が表示領域内に存在しないと判定した場合、表示領域の位置座標と新出情報の位置座標の大小関係を計算し、新出情報が表示領域のどの方向(上、下、左、右、左上、右上、左下、右下)にあるかを特定する。具体的には、図3に示したように、表示領域の左上端を原点(0,0)、右下端を座標(X,Y)、新出領域の左上端を座標(Xa,Ya)、右下端を座標(Xb,Yb)とし、表示領域の座標値と新出領域の座標値の大小を比較して、図4に示す条件のいずれを満たすか判定することで新出情報の出現方向を求める。求めた出現方向は制御部15に出力される。
【0035】
制御部15は情報解析部14からの入力を受けて、新出情報の出現方向を示す矢印画像をデータベース16から読み出し、矢印画像が表示領域内に表示されるようにソースを書きかえて表示部12に出力する。図5に出現方向を表示させた例を示す。同図に示す例では、符号203で示した部分に出現方向を示す矢印画像を表示させた。この出現方向を示す情報は、矢印等の画像でも、テキスト情報でもよいし、「右です」などと音声などでもよい。また、出現方向に表示領域を振動させて示してもよい。また、矢印画像をクリックすることで、新出情報が表示領域内に表示させるようにしてもよい。
【0036】
以上説明したように、本実施の形態によれば、新出情報の出現方向を判定し、出現方向を示す画像等をウェブコンテンツのソースを書きかえて表示することにより、ユーザは新出情報の出現方向を容易に把握することができる。
【0037】
[第3の実施の形態]
第1、第2の実施の形態では、表示領域外に新出情報が存在すること、新出情報の出現方向は示すが、新出情報を見るためには、ユーザが表示領域を移動させる必要があった。第3の実施の形態では、新出情報が表示領域外に存在する場合、新出情報が表示領域内に表示されるまで表示領域をズームアウトする。第3の実施の形態における新出情報検出装置の構成は第1、第2の実施の形態と同様であるので、ここでの説明は省略し、第1、第2の実施の形態と異なる点について説明する。
【0038】
第3の実施の形態では、新出情報が表示領域内に存在しないと判定した場合、制御部15が、次式が成り立つまで表示領域をズームアウトする。
【0039】
0≦Xa≦Xb≦X,かつ 0≦Ya≦Yb≦Y
ズームアウト処理により、表示領域の左上端の原点(0,0)、右下端の座標(X,Y)が変化し、上記の式が成り立つと新出情報が表示領域内に表示される。なお、ズームアウトの中心は表示領域の中心としてもよいし、新出情報の出現方向に応じて設定してもよい。
【0040】
また、新出情報を分かりやすくするために、新出情報をハイライト表示してもよい。例えば、新出情報が画像の場合、<img>タグの前後に<ins id=“(ID名)”>というタグを挿入する。そして、付与したID名を持ったinsタグを探索し、JavaScriptで、その配下の要素の背景色を変えたり、別の画像を挿入する。その結果、対象の要素が一定のルールに従って強調される。なお、CSSを制御して背景色や枠線の追加をしてもよい。これら処理に必要な画像やCSSのデータはデータベース16に格納されている。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態によれば、新出情報が表示領域内に表示されるように表示領域をズームアウトすることにより、ユーザは自ら表示領域を移動させることなく新出情報を確認することができる。
【0042】
[第4の実施の形態]
第1、第2、第3の実施の形態では、新出情報が表示領域外に存在する場合、常にアラート等を出力する仕組みであった。それゆえ、ユーザが煩わしさを感じることもある。そこで、第4の実施の形態では、新出情報が表示領域外に出現してから一定の時間以上、ユーザからの操作がない場合、ユーザがページ変化に気付いていない、またはウェブコンテンツのどこに新出情報が出現したのかを判断しがたい状況にあるとして新出情報が出現したことを示すアラートを出力する。第4の実施の形態における新出情報検出装置の構成は第1、第2、第3の実施の形態と同様であるので、ここでの説明は省略し、第1、第2、第3の実施の形態と異なる点について説明する。
【0043】
第4の実施の形態では、制御部15が情報解析部14からソースと新出情報の出現方向を受け取ると、新出情報の出現方向を示す矢印の画像が表示領域内に表示されるようにソースを書き換えておき、新出情報が表示領域外に出現してからユーザがクリックやスクロール、拡大縮小などの操作を行うまでの時間を測定する。ユーザが操作をするまでの時間が所定の時間を超えると、改変ソースを表示部12に出力する。そして、表示部12により、改変ソースに基づいて新出情報が表示領域外に存在することを示す画像を含むウェブコンテンツが表示される。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態によれば、新出情報が表示領域外に出現した後、ユーザが一定時間以上操作しない場合に新出情報が出現したことを示すアラートを出力することにより、アラートによる煩わしさを抑制することができる。
【符号の説明】
【0045】
1…新出情報検出装置
11…通信部
12…表示部
13…情報入力部
14…情報解析部
15…制御部
16…データベース
2…コンテンツサーバ
100…通信ネットワーク
200…ウェブコンテンツ
201…表示領域
202…新出領域
203…符号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信手段による、コンテンツを受信するステップと、
表示手段による、受信したコンテンツの一部を表示領域内に表示するステップと、
解析手段による、前記表示領域外で前記コンテンツが部分的に変化したか否かを判定するステップと、
通知手段による、前記表示領域外で前記コンテンツが部分的に変化した場合、表示領域外でコンテンツか部分的に変化したことを示すアラートを出力するステップと、
を有することを特徴とする新出情報検出方法。
【請求項2】
前記アラートを出力するステップは、前記表示領域に対する前記コンテンツが部分的に変化した方向を示すアラートを出力することを特徴とする請求項1記載の新出情報検出方法。
【請求項3】
前記アラートを出力するステップは、前記表示領域内に前記コンテンツの部分的に変化した部分が含まれるように前記表示領域を変更することを特徴とする請求項1又は2記載の新出情報検出方法。
【請求項4】
前記アラートを出力するステップは、前記コンテンツが部分的に変化してから所定の時間経過した後、前記アラートを出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の新出情報検出方法。
【請求項5】
コンテンツを受信する受信手段と、
受信したコンテンツの一部を表示領域内に表示する表示手段と、
前記表示領域外で前記コンテンツが部分的に変化したか否かを判定する解析手段と、
前記表示領域外で前記コンテンツが部分的に変化した場合、表示領域外でコンテンツか部分的に変化したことを示すアラートを出力する通知手段と、
を有することを特徴とする新出情報検出装置。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれかに記載の新出情報検出方法をコンピュータに実行させることを特徴とする新出情報検出プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−45215(P2013−45215A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181382(P2011−181382)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】