説明

新規なカルバゾール誘導体とその利用

【課題】新規なカルバゾール誘導体とそれを用いてなる有機エレクトロルミネッセンス素子提供する。
【解決手段】 本発明によれば、分子中に少なくとも2つのカルバゾール構造を有し、常温以上の温度で、それ自体で、安定なアモルファス膜を形成することができ、しかも、高いガラス転移温度を有し、有機電子機能材料として好適に用いることができる新規なカルバゾール誘導体が提供される。代表例として、例えば、
【化1】


を挙げることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なカルバゾール誘導体とその利用に関し、詳しくは、常温以上の温度で
安定なアモルファス膜を形成し、しかも、高いガラス転移温度を有し、従って、耐熱性に
すぐれており、更に、加熱によっても、結晶化の起こり難い新規なカルバゾール誘導体に
関する。更に、本発明は、そのようなカルバゾール誘導体の有機電子機能材料としての利用、好ましくは、そのようなカルバゾール誘導体からなる正孔注入及び/又は輸送剤と、これらを含む正孔注入及び/又は輸送層を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光を照射することによって導電性や電荷生成等を生じる所謂光・電子機能を有す
る有機電子機能材料のうち、殆どの低分子量有機化合物は、それ自体では、薄膜形成能をもたないので、薄膜を形成するためには、バインダー樹脂に分散させて(即ち、希釈した状態で)、基材上に塗布し、薄膜化することが必要である。従って、従来、低分子量有機化合物からなる有機電子材料は、マトリックスであるバインダー樹脂の影響を受けると共に、希釈されているので、その本来の特性を十分に発揮することができない。更に、従来の低分子量有機化合物からなる有機電子機能材料は、バインダーの助けを借りて、常温で比較的安定な膜を形成させることができても、ガラス転移温度が低いので、耐熱性に劣り、実用的なデバイスに用いることが困難である。そこで、近年、常温以上の温度で安定なアモルファス膜を形成することができるアモルファス電子材料の開発が進められている。
【0003】
他方、種々の電子デバイスのなかでも、特に、有機エレクトロルミネッセンス素子は、
低電圧駆動、高効率、高輝度を有し、また、自己発光型デバイスであることから、薄型化
できるので、近年、バックライトや照明装置のほか、ディスプレイ装置として、その実用
化が進められている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0004】
この有機エレクトロルミネッセンス素子は、代表的には、透明基板、例えば、ガラス基板上にITO膜(酸化インジウム−酸化スズ膜)のような透明電極からなる陽極が積層されており、この陽極上に正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び金属電極からなる陰極がこの順序にて積層されてなるものであり、上記陽極と陰極は外部の電源に接続されている。場合によっては、正孔注入層と正孔輸送層が単層に形成されることもあり、また、発光層と陰極との間に電子輸送層が積層されることもある。このほかにも、種々の有機エレクトロルミネッセンス素子の層構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
このような有機エレクトロルミネッセンス素子においては、上記正孔注入層は、陽極に密着していて、この陽極から正孔を正孔輸送層を経て発光層に輸送し、注入すると共に、電子をブロックし、他方、電子輸送層は、陰極に密着していて、この陰極から電子を発光層に輸送し、注入し、そこで、発光層において、陰極から注入された電子と陽極から発光層に注入された正孔とが再結合するときに発光が生じ、これが透明電極(陽極)と透明基板を通して外部に放射される。このように、電極間に発光層を挟んで、正孔注入層と(正孔輸送層と)電子輸送層を積層することによって、有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光効率が向上することが知られている。
【0006】
従来の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、正孔注入層、正孔輸送層又は正孔注入輸送層に用いられる有機電子材料、即ち、正孔注入及び/又は輸送剤としては、4,4’−ビス(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル(TPD)や(例えば、特許文献2参照)、また、4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ))ビフェニル(α−NPD)等の芳香族第3級アミン類が知られているが(例えば、特許文献3参照)、しかし、これらの芳香族第3級アミン類は、耐熱性と電気的安定性が尚も、不十分であるという問題がある。また、高いガラス転移温度を有する芳香族第3級アミン類も開発されているが、そのような芳香族第3級アミン類は分子量が高いので、真空蒸着に際して高い温度を必要とし、従って、自体の劣化や分解が促進される問題がある。
【0007】
他方、芳香族第3級アミン類のなかでも、これまで、分子中にカルバゾール骨格を有す
るもの、例えば、4,4−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(CBP)やポリビニルカルバゾール等も提案されているが、これらは、イオン化ポテンシャルが比較的大きく、正孔注入性や正孔輸送性はよくない。
【0008】
最近では、カルバゾールの3位と6位にそれぞれジアリールアミノ基を結合させてなる骨格を有するカルバゾール誘導体、即ち、例えば、3,6−ジ(ジフェニルアミノ)−9−アルキルカルバゾールや3,6−ジ(ジフェニルアミノ)−9−フェニルカルバゾールが正孔輸送剤として提案されている(非特許文献1、2及び特許文献4参照)。しかし、これらも、依然として、ガラス転移温度が低く、耐熱性ある実用的な正孔輸送剤として用いることは困難である。
【0009】
また、これまでに知られている上述したようなカルバゾール誘導体は、有機エレクトロルミネッセンス素子において、真空蒸着によって形成された薄膜が熱及び電気的に十分に安定でないので、素子の駆動時の発熱によって、上記薄膜の結晶化が促進され、膜質が変化し、かくして、素子の発光効率の低下、ダークスポットと呼ばれる非発光部の発生と増加、定電流駆動時の電圧の上昇等を招き、遂には、素子の破壊に至るという問題がある。
【特許文献1】特開平06−001972号公報
【特許文献2】特開平07−090256号公報
【特許文献3】特開平05−234681号公報
【特許文献4】特開2005−154421号公報
【非特許文献1】Synthetic Metals, 122 (2001), 311-314
【非特許文献1】Synthetic Metals, 128 (2002), 127-131
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、従来のアモルファス電子材料としての有機材料、特に、正孔注入及び/又は輸送剤における上述したような問題を解決して、常温以上の温度で、それ自体で、即ち、バインダー樹脂の助けなしに、安定なアモルファス膜を形成することができ、しかも、高いガラス転移温度、即ち、すぐれた耐熱性を有し、有機電子機能材料として好適に用いることができる新規なカルバゾール誘導体を提供することを目的とする。
【0011】
特に、本発明は、正孔注入及び/又は輸送剤として用いることによって、高輝度、高効率、耐久性ある有機エレクトロルミネッセンス素子を与える新規なカルバゾール誘導体を提供することを目的とする。
【0012】
更に、本発明は、そのようなカルバゾール誘導体からなる正孔注入及び/又は輸送剤とそのような正孔注入及び/又は輸送剤からなる正孔注入及び/又は輸送層を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、一般式(I)
【0014】
【化1】

【0015】
(式中、R1 は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数5〜7のシクロアルキル基又は炭素原子数6〜25のアリール基を示し、R2 及びR3 はそれぞれ独立に炭素原子数6〜25のアリール基又は一般式(II)、(III)又は(IV)
【0016】
【化2】

【0017】
(式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数6〜25のアリール基、ジフェニルアミノ基又はカルバゾリル基を示し、R及びRはそれぞれ独立に炭素原子数6〜25のアリール基、9−フェニル−3−カルバゾリル基、4−(9−カルバゾリル)フェニレン基又は4−ジフェニルアミノフェニル基を示し、R及びRはそれぞれ独立に炭素原子数6〜25のアリール基又は式(V)、(VI)又は(VII)
【0018】
【化3】

【0019】
で表される第2の芳香族基のいずれかを示す。)
で表される第1の芳香族基のいずれかを示す。)
で表され、分子中に少なくとも2つのカルバゾール構造を有するカルバゾール誘導体が提供される。
【0020】
更に、本発明によれば、カルバゾール誘導体からなる有機電子機能材料が提供され、また、好ましい態様として、そのような有機電子機能材料を含む有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
【0021】
特に、好ましい態様として、本発明によれば、上記カルバゾール誘導体からなる正孔注入及び/又は輸送剤と、そのような正孔注入及び/又は輸送剤を含む正孔注入及び/又は輸送層を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、前記一般式(I)で表される新規なカルバゾール誘導体が提供される。このようなカルバゾール誘導体は、常温以上の温度において安定なアモルファス膜を形成すると共に、従来、知られている芳香族第3級アミン類やカルバゾール誘導体に比べて、高いガラス転移温度を有し、耐熱性にすぐれており、従って、高いアモルファス性と耐熱性とを有する正孔注入及び/又は輸送剤として、有機エレクトロルミネッセンス素子に好適に用いることができる。このように、本発明によるカルバゾール誘導体を正孔注入又は輸送剤として用いることによって、従来に比べて、低い電圧で駆動することができ、高い輝度を有し、しかも、耐久性にすぐれる有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明による新規なカルバゾール誘導体は、一般式(I)
【0024】
【化4】

【0025】
(式中、R1 は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数5〜7のシクロアルキル基又は炭素原子数6〜25のアリール基を示し、R2 及びR3 はそれぞれ独立に炭素原子数6〜25のアリール基又は一般式(II)、(III)又は(IV)
【0026】
【化5】

【0027】
(式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数6〜25のアリール基、ジフェニルアミノ基又は9−カルバゾリル基を示し、R及びRはそれぞれ独立に炭素原子数6〜25のアリール基、9−フェニル−3−カルバゾリル基、4−(9−カルバゾリル)フェニレン基又は4−ジフェニルアミノフェニル基を示し、R及びRはそれぞれ独立に炭素原子数6〜25のアリール基又は式 (V)、(VI)又は(VII)
【0028】
【化6】

【0029】
で表される第2の芳香族基のいずれかを示す。)
で表される第1の芳香族基のいずれかを示す。)
で表され、分子中に少なくとも2つのカルバゾール構造を有する。
【0030】
本発明によれば、上記一般式(I)で表されるカルバゾール誘導体において、炭素原子数1〜4のアルキル基はいずれも、好ましくは、メチル基又はエチル基であり、炭素原子数5〜7のシクロアルキル基はいずれも、好ましくは、シクロヘキシル基であり、炭素原子数6〜25のアリール基はいずれも、好ましくは、フェニル基、ナフチル基、アントリル基又はフェナントリル基であり、より好ましくは、フェニル基又はナフチル基であり、最も好ましくは、フェニ基である。
【0031】
従って、上記一般式(I)で表されるカルバゾール誘導体において、R1 は、好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基又はフェニル基であり、最も好ましくは、水素原子又はメチルである。
【0032】
上記一般式(I)で表されるカルバゾール誘導体において、R2 及びR3 は、好ましくは、それぞれ独立にフェニル基であるか、又は前記一般式(II)、(III)又は(IV)で表される第1の芳香族基において、R及びRがそれぞれ独立に水素原子、フェニル基、ジフェニルアミノ基又は9−カルバゾリル基であり、R及びRがそれぞれ独立にフェニル基、9−フェニル−3−カルバゾリル基、4−(9−カルバゾリル)フェニレン基又は4−ジフェニルアミノフェニル基であり、R及びRがそれぞれ独立にフェニル基又は前記式(V)、(VI) 又は(VII)で表される第2の芳香族基のいずれかである。
【0033】
特に、本発明によれば、上記R及びRは、好ましくは、それぞれ独立に水素原子、フェニル基、ジフェニルアミノ基又は9−カルバゾリル基であり、上記R及びRは、好ましくは、それぞれ独立にフェニル基、9−フェニル−3−カルバゾリル基、4−(9−カルバゾリル)フェニレン基又は4−ジフェニルアミノフェニル基である。
【0034】
また、上記R及びRは、好ましくは、それぞれ独立にフェニル基又は前記式 (V)、(VI)又は(VII)で表される第2の芳香族基のいずれかである。
【0035】
更に、本発明による新規なカルバゾール誘導体は、分子中に少なくとも2つのカルバゾール構造を有する。
【0036】
従って、本発明による好ましいカルバゾール誘導体として、次式(A)〜(M)で表されるものを例示することができる。
【0037】
【化7】

【0038】
【化8】

【0039】
【化9】

【0040】
【化10】

【0041】
【化11】

【0042】
【化12】

【0043】
【化13】

【0044】
【化14】

【0045】
【化15】

【0046】
【化16】

【0047】
【化17】

【0048】
【化18】

【0049】
【化19】

【0050】
【化20】

【0051】
本発明によるカルバゾール誘導体はいずれも、非常に高いガラス転移温度と分解温度を有しており、従って、常温以上の温度で、それ自体で、即ち、バインダー樹脂の助けなしに、安定なアモルファス膜を形成することができ、しかも、すぐれた耐熱性を有し、従って、例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子において、これを正孔注入剤として用いてなる正孔注入層を陽極と正孔輸送層との間に設けることによって、又はこれを正孔輸送剤として用いてなる正孔輸送層を正孔注入層と発光層との間に設けることによって、又はこれを正孔注入輸送剤として用いてなる正孔注入輸送層を陽極と発光層との間に設けることによって、耐久性と効率にすぐれる高輝度の有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。しかし、本発明によるカルバゾール誘導体は、バインダー樹脂を用いて、薄膜からなる正孔注入及び/又は輸送層としてもよいことは勿論である。
【0052】
このように、本発明によるカルバゾール誘導体は、有機エレクトロルミネッセンス素子における正孔注入層を形成するための正孔注入剤として用いることができ、従って、同じ機能を有する正孔輸送層を形成するための正孔輸送剤としても用いることができる。また、有機エレクトロルミネッセンス素子において、正孔注入層と正孔輸送層を単層に形成するときは、正孔注入輸送剤として用いることもできる。即ち、本発明によるカルバゾール誘導体は、正孔注入及び/又は輸送剤として用いることができ、また、このような正孔注入及び/又は輸送剤はそれぞれ、有機エレクトロルミネッセンス素子における正孔注入及び/又は輸送層を形成するために用いることができる。また、本発明によるカルバゾール誘導体は、発光層におけるホスト剤としても用いることができる。
【0053】
本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の好ましい一例を図1に示すように、例えば、ガラスのような透明基板1上にITOからなる透明な陽極2が密着して積層、支持されており、この陽極上に正孔注入層3aと正孔輸送層3bと発光層4と金属又はその化合物からなる陰極5がこの順序で積層されてなるものである。上記陽極と陰極は外部の電源6に接続されている。従って、このような有機エレクトロルミネッセンス素子においては、陽極から正孔注入層と正孔輸送層を経て発光層に正孔が容易に注入されるので、低電圧で素子を駆動することができる。発光層には上記陰極から電子が注入され、そこで、この発光層において、上記陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔とが再結合して発光を生じ、この発光層における発光が上記透明電極(陽極)と透明基板を通して外部に放射される。
【0054】
更に、本発明においては、場合によっては、前述したように、発光層と陰極との間に電子輸送層が積層されてもよく、また、余分な正孔が陰極側に抜け出るのを防止するために、ブロッキング層を設けてもよい。このように、本発明において、有機エレクトロルミネッセンス素子の積層構造は、特に、限定されるものではない。
【0055】
本発明によるカルバゾール誘導体は、それ自体でアモルファス膜を形成することができるので、例えば、真空蒸着装置を用いて、前記透明電極上に蒸着して、正孔注入層を形成することができる。その膜厚は、通常、10〜200nmの範囲であり、好ましくは、20〜80nmの範囲である。また、適宜に形成した正孔注入層上に蒸着して、正孔輸送層を形成することができ、この場合も、その膜厚は、通常、10〜200nmの範囲であり、好ましくは、20〜80nmの範囲である。勿論、透明電極上に本発明によるカルバゾール誘導体からなる単層の正孔注入及び/又は輸送層を形成することができる。
【0056】
しかし、本発明によれば、このカルバゾール誘導体を、必要に応じて適宜のバインダー樹脂と共に、適宜の有機溶媒に溶解させ、これを適宜の手段、例えば、スピンコート法によって、陽極上にコーティングし、乾燥して、正孔注入及び/又は輸送層を形成することもできる。この場合においても、その膜厚は上述したと同じである。
【0057】
このようにして本発明によるカルバゾール誘導体から形成した正孔注入層の上に、常法に従って、例えば、α−NPD等の正孔輸送剤からなる正孔輸送層を積層し、更に、この上に発光層と陰極を積層すれば、有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。同様に、適宜に形成した正孔注入層上に本発明によるカルバゾール誘導体から正孔輸送層を積層し、更に、この上に発光層と陰極を積層すれば、有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。
【0058】
本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子においては、本発明によるカルバゾール誘導体にて上記正孔注入及び/又は輸送層を形成した場合は、その他の部材、例えば、透明基板、本発明による正孔注入及び/又は輸送層と組合わせる通常の正孔注入及び/又は輸送層、陽極、発光層、電子輸送層及び電極は、従来より知られているものが適宜に用いられる。陽極としては、酸化インジウム−酸化スズ(ITO)からなる透明電極が好ましく用いられ、陰極には、アルミニウム、マグネシウム、インジウム、銀等の単体金属やこれらの合金、例えば、Al−Mg合金、Ag−Mg合金、フッ化リチウム等が用いられ、透明基板としては、通常、ガラス基板が用いられる。
【0059】
例えば、通常の正孔輸送剤としては、従来より知られている低分子量有機化合物、例えば、前述したようなα−NPD(4、4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル)やTPD(4、4’−ビス(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニルが用いられ、また、通常の正孔注入剤としては、銅フタロシアニン等が用いられる。その膜厚は、通常、10〜200nmの範囲である。
【0060】
有機発光層には、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq3 )が用いられ、その膜厚は、通常、10〜200nmの範囲である。また、有機エレクトロルミネッセンス素子が電子輸送層を含むときは、その膜厚は、通常、10〜200nmの範囲である。
【0061】
本発明によるカルバゾール誘導体は、その用途において何ら限定されるものではなく、上述した有機エレクトロルミネッセンス素子における正孔注入剤、正孔輸送剤、発光層におけるホスト剤のほか、例えば、太陽電池における有機半導体、電子写真装置における電荷輸送材料等にも好適に用いることができる。
【実施例】
【0062】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0063】
実施例I(カルバゾール誘導体の合成とその物性)
【0064】
実施例1
ビス(4−(N−フェニル−N−(9−フェニル−3−カルバゾリル)アミノ)フェニル)−p−メチルフェニルアミン(A)を次のスキームに従って合成した。
【0065】
【化21】

【0066】
【化22】

【0067】
ヨウ化ベンゼン37.0g、カルバゾール25.0g、炭酸カリウム50.5g及び銅粉15gをメシチレン中に投入し、窒素雰囲気下、3時間還流下に反応させた。反応終了後、得られた反応混合物をトルエンにて抽出し、トルエン/ヘキサン(容量比1/1)混合溶媒を用いて目的物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分取した。得られた固体をヘキサンから再結晶させて、9−フェニルカルバゾール31.5gを得た。
【0068】
この9−フェニルカルバゾールを酢酸300mLに溶解させ、これにヨウ化カリウム7gとヨウ素酸カリウム18gを加え、得られた溶液を80℃で2時間反応させた。反応終了後、得られた反応混合物中の未反応のヨウ素をチオ硫酸ナトリウム水溶液で還元した後、濃縮し、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。得られた粘稠な液体をヘキサンから再結晶して、3−ヨード−9−フェニルカルバゾール(1)20.5gを白色固体として得た。
【0069】
3−ヨード−9−フェニルカルバゾール20gとアニリン10gを炭酸カリウム35gと銅粉10gの存在下にメシチレン溶媒中、165℃で5時間反応させた。反応終了後、得られた反応生成物をトルエンに溶解させ、得られた溶液を濾過して、無機物を除いた後、トルエン/ヘキサン混合溶媒を溶出液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して目的物を分離した。得られた固体をヘキサンから再結晶して、フェニル−9−フェニル−3−カルバゾリルアミン(2)12.3gを白色固体として得た。
【0070】
ジフェニルアミン50g、4−ヨードトルエン64.3g、炭酸カリウム100g及び銅粉20gをメシチレン中に投入し、攪拌下に7時間還流させた。得られた反応混合物にトルエンを加え、目的物を溶解させた。得られた溶液を濃縮し、シリカゲルカラムを用いて濾過した後、トルエン/ヘキサン混合溶媒から結晶させて、ジフェニル−p−トリルアミンを得た。
【0071】
このジフェニル−p−トリルアミンを酢酸溶媒、ヨウ化カリウム35gとヨウ素酸カリウム150gの存在下にヨウ素化した。トルエンを溶出液として用いて、得られた反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離し、トルエン/ヘキサンから再結晶して、ビス(4−ヨードフェニル)−p−トリルアミン(3)120gを淡黄色針状結晶として得た。
【0072】
ナトリウムt−ブトキシド5.1g、酢酸パラジウム0.01g及びトリt−ブチルホスフィン0.4gのキシレン溶液にビス(4−ヨードフェニル)−p−トリルアミン8gとフェニル−9−フェニル−3−カルバゾリルアミン12gを加え、窒素雰囲気下、120℃で6時間反応させた。反応終了後、得られた反応混合物を室温まで冷却し、水50mLを加え、攪拌した。この混合物にトルエン/水混合物を加え、有機層を分離し、濃縮した。得られた粘稠な液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して、目的物を分離し、これをトルエン/エタノールから再結晶させ、昇華精製して、ビス(4−(N−フェニル−N−(9−フェニル−3−カルバゾリル)アミノ)フェニル)−p−メチルフェニルアミン(A)10.5gを淡黄色固体として得た。
【0073】
質量分析による分子量(M+(m/e))と元素分析値を第1表に示し、イオン化ポテンシャル測定値、示差走査熱量分析測定(DSC)によるガラス転移温度、熱重量測定/示差熱測定(TG/DTA)による分解温度及びサイクリックボルタンメトリー(CV)による酸化電位(vs Ag/Ag+)を第1表に示す。DSCチャートを図2に、TG/DTAチャートを図3に、CVチャートを図4に、赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図5に示す。
【0074】
実施例2
ビス(4−(N−フェニル−N−(4−(9−カルバゾリル)フェニル)アミノ)フェニル)−p−メチルフェニルアミン(B)を次のスキームに従って、合成した。
【0075】
【化23】

【0076】
1,4−ジヨードベンゼン100g、カルバゾール50g、炭酸カリウム80g及び銅粉20gをメシチレン中に投入し、還流下、8時間反応させた。得られた反応混合物からトルエンにて目的物を抽出し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して精製した。トルエンから再結晶して、9−(4−ヨードフェニル)カルバゾール(4)87.2gを得た。
【0077】
実施例1において、3−ヨード−9−フェニルカルバゾールに代えて、9−(4−ヨードフェニル)カルバゾールを用いて、これを実施例1におけると同様にして、アニリンと反応させることによって、フェニル−4−(9−カルバゾリル)フェニルアミン(5)を得、これを実施例1におけると同様にして、9−(4−ヨードフェニル)カルバゾール(4)と反応させることによって、ビス(4−(N−フェニル−N−(4−(9−カルバゾリル)フェニル)アミノ)フェニル)−p−メチルフェニルアミン(B)を得た。
【0078】
質量分析による分子量(M+(m/e))と元素分析値を第1表に示し、イオン化ポテンシャル測定値、示差走査熱量分析測定(DSC)によるガラス転移温度、熱重量測定/示差熱測定(TG/DTA)による分解温度及びサイクリックボルタンメトリー(CV)による酸化電位(vs Ag/Ag+)を第2表に示す。DSCチャートを図6に、TG/DTAチャートを図7に、CVチャートを図8に、赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図9に示す。
【0079】
実施例3
次のスキームに従って、ビス(6−(3−(9’−カルバゾリル)−9−フェニル)カルバゾリル)フェニルアミン(C)を合成した。
【0080】
【化24】

【0081】
実施例3において、ジフェニルアミンをカルバゾールに代えて、これを3,6−ジヨード−9-フェニルカルバゾールと反応させることによって、3−(9−カルバゾリル)−6−ヨード−9−フェニルカルバゾール(8)を得た。これを実施例3におけると同様にして、アニリンと反応させることによって、ビス(6−(3−(9’−カルバゾリル)−9−フェニル)カルバゾリル)フェニルアミン(C)を得た。
【0082】
質量分析による分子量(M+(m/e))と元素分析値を第1表に示し、イオン化ポテンシャル測定値、示差走査熱量分析測定(DSC)によるガラス転移温度、熱重量測定/示差熱測定(TG/DTA)による分解温度及びサイクリックボルタンメトリー(CV)による酸化電位(vs Ag/Ag+)を第2表に示す。DSCチャートを図10に、TG/DTAチャートを図11に、CVチャートを図12に、赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図13に示す。
【0083】
実施例4
ビス(6−(3−ジフェニルアミノ)−9−フェニルカルバゾリル)フェニルアミン(D)を次のスキームに従って合成した。
【0084】
【化25】

【0085】
9−フェニルカルバゾール30.0gを酢酸50mLに80℃で溶解させた。これにヨウ化カリウム81.5gとオルト過ヨウ素酸カリウム二水和物53.5gを数回に分けて加えた。全量を加えた後、1時間攪拌下に反応させた。反応終了後、得られた反応混合物を室温まで冷却した。この反応混合物を酢酸エチル/10%チオ硫酸ナトリウム水溶液で抽出し、得られた有機相を濃縮して、粘稠な液体を得た。これをトルエン/ヘキサン混合溶媒を用いてアルミナカラムクロマトグラフィーにて精製して、3,6−ジヨード−9−フェニルカルバゾール(6)32.7gを得た。
【0086】
炭酸カリウム40gと銅粉10gの存在下、メシチレン溶媒中にて、3,6−ジョード−9−フェニルカルバゾール30gをジフェニルアミン10gと反応させた。得られた反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離して、3−(6−ヨード−9−フェニル)カルバゾリル)ジフェニルアミン(7)13gを得た。
【0087】
3−(6−ヨード−9−フェニル)カルバゾリル)ジフェニルアミン7.2g、アニリン1.5g、炭酸カリウム5g及び銅粉5gをメシチレン中に投入し、窒素雰囲気下、12時間還流させた。得られた反応混合物をエタノール中に滴下して、黄色固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、トルエン/ヘキサンを溶出液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して目的物を分離し、トルエン/エタノール混合溶媒から再結晶した。得られた淡黄色固体を昇華精製して、ビス(6−(3−ジフェニルアミノ)−9−フェニル)カルバゾリル)フェニルアミン(D)2.5gを得た。
【0088】
質量分析による分子量(M+(m/e))と元素分析値を第1表に示し、イオン化ポテンシャル測定値、示差走査熱量分析測定(DSC)によるガラス転移温度、熱重量測定/示差熱測定(TG/DTA)による分解温度及びサイクリックボルタンメトリー(CV)による酸化電位(vs Ag/Ag+)を第2表に示す。DSCチャートを図14に、TG/DTAチャートを図15に、CVチャートを図16に、赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図17に示す。
【0089】
実施例5
3−ジフェニルアミノ−6−(9’−(3’,6’−ビス(ジフェニルアミノ)カルバゾリル)−9−フェニルアミン(E)を次のスキームに従って合成した。
【0090】
【化26】

【0091】
【化27】

【0092】
酢酸パラジウム0.006g、トリt−ブチルホスフィン0.02g及びナトリウムt−ブトキシド3.5gの存在下にキシレン中にて3−ヨード−9−フェニルカルバゾール10gとカルバゾール5gを反応させた。得られた反応混合物を水/トルエンで抽出し、得られた有機層をエタノール中に滴下して、3−(9−カルバゾリル)-9-フェニルカルバゾールを白色固体として得た。
【0093】
この3−(9−カルバゾリル)-9-フェニルカルバゾールをヨウ化カリウム3.6gとヨウ素酸カリウム5.5gでヨウ素化して、3−ヨード−6−(9−(3’,6’−ジヨードカルバゾリル)−9−フェニルカルバゾール(9)10.2gを得た。
【0094】
この3−ヨード−6−(9−(3’,6’−ジヨードカルバゾリル)−9−フェニルカルバゾール(9)5g、ジフェニルアミン3.8g、銅3g、炭酸カリウム13gをメシチレン中に投入し、170℃で15時間反応させた。得られた反応混合物をトルエンで抽出し、エタノール中に滴下して、黄色の固体を得た。この黄色の固体をトルエン/ヘキサン混合溶媒を溶出液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して目的物を分離した。得られた固体を再結晶、昇華精製して、3−ジフェニルアミノ−6−(9’−(3’,6’−ビス(ジフェニルアミノ)カルバゾリル)−9−フェニルアミン(E)2.1gを淡黄色固体として得た。
【0095】
質量分析による分子量(M+(m/e))と元素分析値を第1表に示し、イオン化ポテンシャル測定値、示差走査熱量分析測定(DSC)によるガラス転移温度、熱重量測定/示差熱測定(TG/DTA)による分解温度及びサイクリックボルタンメトリー(CV)による酸化電位(vs Ag/Ag+)を第2表に示す。DSCチャートを図18に、TG/DTAチャートを図19に、CVチャートを図120に、赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図21に示す。
【0096】
実施例6
ビス(3−(9−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾリル)フェニルアミン(F)を次にスキームに従って合成した。
【0097】
【化28】

【0098】
カルバゾール15g、ヨウ化カリウム9.5g及びヨウ素酸カリウム6.3gを酢酸に溶解させ、50℃で2時間反応させた。得られた反応混合物にチオ硫酸ナトリウム水溶液を加えてヨウ素を還元して、黄色の有機層を濃縮し、再結晶して、3−ヨードカルバゾール17.7gを得た。
【0099】
3−ヨードカルバゾール15g、アニリン2.1g、炭酸カリウム35.3g、銅粉7gをメシチレン中に投入し、6時間にわたって加熱攪拌した。反応終了後、得られた反応混合物をトルエンに溶解させ、得られた溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離した。トルエンから再結晶して、ジ−3−カルバゾリルフェニルアミン(10)11.2gを淡黄色固体として得た。
【0100】
酢酸パラジウム0.005g、t−ブチルホスフィン0.02g及びナトリウムt−ブトキシド3.1gの存在下にジ−3−カルバゾリルフェニルアミン10gと4−ブロモトリフェニルアミン18.3gをキシレン中で3時間加熱攪拌した。反応終了後、得られた反応混合物をトルエン/水で洗浄し、得られた有機層をエタノール中に滴下して、黄色の固体を得た。この固体を濾取し、再結晶、昇華精製して、ビス(3−(9−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾリル)フェニルアミン(F)1.7gを得た。
【0101】
質量分析による分子量(M+(m/e))と元素分析値を第1表に示し、イオン化ポテンシャル測定値、示差走査熱量分析測定(DSC)によるガラス転移温度、熱重量測定/示差熱測定(TG/DTA)による分解温度及びサイクリックボルタンメトリー(CV)による酸化電位(vs Ag/Ag+)を第2表に示す。
【0102】
実施例7
実施例6において、4−ブロモトリフェニルアミンに代えて、3−ヨード−9−フェニルカルバゾールを用い、これを実施例6におけると同様にして、ジ−3−カルバゾリルフェニルアミンと反応させることによって、ビス(3−(9−(3'−(9'−フェニルカルバゾリル)))カルバゾリル)フェニルアミン(G)を得た。
【0103】
質量分析による分子量(M+(m/e))は906.11、イオン化ポテンシャルは5.14eV、示差走査熱量分析測定(DSC)によるガラス転移温度は180.1℃であった。
【0104】
実施例8
実施例6において、4−ブロモトリフェニルアミンに代えて、9−(4−ヨードフェニルカルバゾールを用い、これを実施例6におけると同様にして、ジ−3−カルバゾリルフェニルアミンと反応させることによって、ビス(3−(9−(4−(9'−カルバゾリル)フェニル))カルバゾリル)フェニルアミン(H)を得た。
【0105】
質量分析による分子量(M+(m/e))は906.11、イオン化ポテンシャルは5.40eV、示差走査熱量分析測定(DSC)によるガラス転移温度は178.2℃であった。
【0106】
実施例9
N,N,N’−トリス(9−フェニル−3−カルバゾリル)−N’−フェニル)−1,4−ジアミノベンゼン(I)を次のスキームに従って合成した。
【0107】
【化29】

【0108】
3−ヨード−9−フェニルカルバゾール15.6g、N−フェニル−1,4−ジアミノベンゼン4.9g、炭酸カリウム22.4g及び銅粉10gをメシチレン中に投入し、還流下に18時間反応させた。得られた反応混合物をエタノール中に滴下して、橙色固体を得た。これをシリカゲルに吸着させ、カラムに充填し、トルエン/ヘキサン混合溶媒にて溶出させて、目的物を含む画分を得た。この画分を濃縮し、トルエン/ヘキサンから再結晶させ、これを昇華精製して、N,N,N’−トリス(9−フェニル−3−カルバゾリル)−N’−フェニル)−1,4−ジアミノベンゼン(I)2.3gを得た。
【0109】
質量分析による分子量(M+(m/e))と元素分析値を第1表に示し、イオン化ポテンシャル測定値、示差走査熱量分析測定(DSC)によるガラス転移温度、熱重量測定/示差熱測定(TG/DTA)による分解温度及びサイクリックボルタンメトリー(CV)による酸化電位(vs Ag/Ag+)を第2表に示す。DSCチャートを図22に、TG/DTAチャートを図23に、CVチャートを図24に、赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図25に示す。
【0110】
実施例10
N−フェニル−N'−(4−(9'−カルバゾリル)フェニル)−N,N'−ビス(9”−フェニル−3”−カルバゾリル)−1,4−ジアミノベンゼン(J)を次のスキームに従って合成した。
【0111】
【化30】

【0112】
9−(4−ヨードフェニル)カルバゾール5g、N−フェニル−1,4−ジアミノベンゼン4.9g、炭酸カリウム9.3g及び銅粉5gをメシチレン中に投入し、還流下に5時間反応させた。得られた溶液をシリカゲルクロマトグラフィーに付して分離し、再結晶して、N−フェニル−N’−(4−(9−カルバゾリル)フェニル)−1,4−ジアミノベン(11)を淡黄色固体として得た。
【0113】
これを3−ヨード−9−フェニルカルバゾール5.9gと反応させて、N−フェニル−N,N’−ビス(3−(9−フェニルカルバゾリル)フェニル)−N’−(4−(9’−カルバゾリル)フェニル−1,4−ジアミノベン(J)1.9gを得た。
【0114】
質量分析による分子量(M+(m/e))と元素分析値を第1表に示し、イオン化ポテンシャル測定値、示差走査熱量分析測定(DSC)によるガラス転移温度、熱重量測定/示差熱測定(TG/DTA)による分解温度及びサイクリックボルタンメトリー(CV)による酸化電位(vs Ag/Ag+)を第2表に示す。DSCチャートを図26に、TG/DTAチャートを図27に、CVチャートを図28に、赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図29に示す。
【0115】
実施例11
N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−(9−フェニルカルバゾリル)フェニル)−1,4−ジアミノベン(K)を次のスキームに従って合成した。
【0116】
【化31】

【0117】
p−クロロフェニルホウ酸5gと3−ヨード−9−フェニルカルバゾール7.9gの鈴木カップリング反応をテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.05g、炭酸カリウム8.8gの存在下にテトラヒドロフラン/水混合溶媒中で行った。反応終了後、得られた反応混合物からトルエンで有機物を抽出し、溶媒キシレンから2回再結晶を行って、3−(4−クロロフェニル)−9−フェニルカルバゾール(12)を得た。
【0118】
酢酸パラジウム0.005g、トリt−ブチルホスフィン0.018g及びナトリウムt−ブトキシド1.9gの存在下にキシレン中にて上記3−(4−クロロフェニル)−9−フェニルカルバゾール6.3gとN,N’−ジフェニル−4,4−ジアミノベンゼン2.1gを反応させた。反応終了後、得られた反応混合物をトルエン/エタノール/水で析出して、目的物を得、これを洗浄した後、昇華精製して、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−(9−フェニルカルバゾリル)フェニル)−1,4−ジアミノベンゼン(K)3.1gを白色固体として得た。
【0119】
質量分析による分子量(M+(m/e))と元素分析値を第1表に示し、イオン化ポテンシャル測定値、示差走査熱量分析測定(DSC)によるガラス転移温度、熱重量測定/示差熱測定(TG/DTA)による分解温度及びサイクリックボルタンメトリー(CV)による酸化電位(vs Ag/Ag+)を第2表に示す。DSCチャートを図30に、TG/DTAチャートを図31に、CVチャートを図32に、赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図33に示す。
【0120】
実施例12
3−(9−フェニルカルバゾリル)−3’−(6’−ジフェニルアミノ−9’−フェニル)カルバゾリルフェニルアミン(L)を次に示すスキームに従って合成した。
【0121】
【化32】

【0122】
銅粉3gと炭酸カリウム10.5gの存在下、メシチレン溶媒中にて3−ヨード−9−フェニルカルバゾール5.5gとアニリン0.7gを160℃で3時間反応させた。得られた反応混合物にトルエンを加え、加熱攪拌しながら、反応生成物を溶解させ、得られた溶液を濾過して、固形分を除いた。得られた溶液を濃縮し、得られた濃縮物を酢酸に溶解させ、これにヨウ化カリウム0.4gとヨウ素酸カリウム0.5gを加え、ヨウ素化反応を行った。得られた反応混合物をチオ硫酸ナトリウム水溶液にて中和し、アルミナカラムにて分離精製して、3−(9−フェニルカルバゾリル)−3’−(6’−ヨード−9’−フェニル)カルバゾリルフェニルアミン(13)2.1gを淡黄色固体として得た。
【0123】
酢酸パラジウム0.008g、トリt−ブチルホスフィン0.028g、ナトリウムt−ブトキシド0.55gの存在下にキシレン溶媒中にて上記3−(9−フェニルカルバゾリル)−3’−(6’−ヨード−9’−フェニル)カルバゾリルフェニルアミン(13)2.0gとジフェニルアミン0.9gを120℃で6時間反応させた。得られた反応混合物を水/トルエンで抽出し、得られた有機層を濃縮した。濃縮した溶液をエタノール中に滴下して、析出した黄色の固体を濾取し、これをトルエンに溶解させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して分離、精製し、更に、昇華精製して、3−(9−フェニル−3−カルバゾリル)−3’−(6’−ジフェニルアミノ)−(9’−フェニルカルバゾリル)フェニルアミン(L)0.9gを淡黄色固体として得た。
【0124】
質量分析による分子量(M+(m/e))は742.93、イオン化ポテンシャルは5.21eV,示差走査熱量分析測定(DSC)によるガラス転移温度は124.9℃であった。
【0125】
実施例13
3−(9−フェニルカルバゾリル)−3’−(6’−(9”−カルバゾリル)−9’−フェニル)カルバゾリル)フェニルアミン(M)を次に示すスキームに従って合成した。
【0126】
【化33】

【0127】
実施例12で得た3−(9−フェニルカルバゾリル)−3’−(6’−ヨード−9’−フェニル)カルバゾリルフェニルアミン(13)2.0gとカルバゾール1.0gを酢酸パラジウム0.008g、トリt−ブチルホスフィン0.028g、ナトリウムt−ブトキシド0.55gの存在下にキシレン溶媒中にで120℃で6時間反応させた。得られた反応混合物を水/トルエンで抽出し、得られた有機層を濃縮した。濃縮した溶液をエタノール中に滴下して、析出した黄色の固体を濾取し、これをトルエンに溶解させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して分離、精製し、更に、昇華精製して、3−(9−フェニルカルバゾリル)−3’−(6’−(9”−カルバゾリル)−9’−フェニル)カルバゾリル)フェニルアミン(M)1.2gを淡黄色固体として得た。
【0128】
質量分析による分子量(M+(m/e))と元素分析値を第1表に示し、イオン化ポテンシャル測定値、示差走査熱量分析測定(DSC)によるガラス転移温度、熱重量測定/示差熱測定(TG/DTA)による分解温度及びサイクリックボルタンメトリー(CV)による酸化電位(vs Ag/Ag+)を第2表に示す。DSCチャートを図34に、CVチャートを図35に、赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図36に示す。
【0129】
実施例14
3−カルバゾリル−3’−(6’−(9”−カルバゾリル)−9’−フェニルカルバゾリル)−p−メチルフェニルアミン(N)を以下に示すスキームに従って合成した。
【0130】
【化34】

【0131】
【化35】

【0132】
実施例13において、アニリンをp−トルイジンに代えて、これを3−ヨード−9−フェニルカルバゾールと実施例12におけると同様に反応させ、得られた反応生成物を同様にヨウ素化して、3−(9−フェニル−3−カルバゾリル)−3’−(6’−ヨード−9’−フェニルカルバゾリル)−4−メチルフェニルアミン(14)を得、これを同様にして、カルバゾールと反応させることによって、3−カルバゾリル−3’−(6’−(9”−カルバゾリル)−9’−フェニルカルバゾリル)−p−メチルフェニルアミン(N)を得た。
【0133】
質量分析による分子量(M+(m/e))と元素分析値を第1表に示し、イオン化ポテンシャル測定値、示差走査熱量分析測定(DSC)によるガラス転移温度、熱重量測定/示差熱測定(TG/DTA)による分解温度及びサイクリックボルタンメトリー(CV)による酸化電位(vs Ag/Ag+)を第2表に示す。DSCチャートを図37に、CVチャートを図38に、赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図39に示す。
【0134】
【表1】

【0135】
【表2】

【0136】
実施例II(有機エレクトロルミネッセンス素子の物性)
【0137】
実施例1
片面にITOコーティングした板ガラス(山容真空(株)製)をアセトンを用いる超音波洗浄とメタノールを用いる蒸気洗浄を施した後、低圧水銀灯を用いて、紫外線を10分間照射した。この後、直ちに、上記ITOコーティング上にそれぞれ真空蒸着装置を用いて、本発明によるカルバゾール誘導体(A)を蒸着して、厚み50nmの正孔注入層を形成した後、その上にα−NPDを蒸着して、厚み10nmの正孔輸送層を形成した。次いで、この正孔輸送層の上にトリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq3) からなる厚み75nmの発光層を形成し、更に、その上に厚み0.5nmのフッ化リチウム層と厚み100nmのアルミニウム層を順次に蒸着積層して、陰極を形成し、かくして、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
【0138】
この有機エレクトロルミネッセンス素子について、電流密度25mA/cm2 のときの電流効率とエネルギー効率、初期輝度1000cd/m2 にて駆動したときに輝度が1/2になるまでの駆動時間で示す輝度半減寿命及び最高輝度を調べた。 結果を第1表に示す。
【0139】
実施例2〜9
実施例1において、カルバゾール誘導体(A)に代えて、それぞれ第1表に示すカルバゾール誘導体を用いた以外は、同様にして、有機エレクトロルミネッセンス素子を得、実施例1と同様にして、その特性を調べた。結果を第1表に示す。
【0140】
実施例10〜13
実施例1において、カルバゾール誘導体(A)に代えて、それぞれ第1表に示す化合物を用いて、厚み50nmの正孔注入層を形成し、α−NPDに代えて、それぞれ第1表に示す化合物を用いて、厚み10nmの正孔輸送層を形成した以外は、同様にして、有機エレクトロルミネッセンス素子を得、実施例1と同様にして、その特性を調べた。結果を第1表に示す。
【0141】
比較例1
実施例1において、カルバゾール誘導体(A)に代えて、CuPCを用いて、厚み50nmの正孔注入層を形成した以外は、同様にして、有機エレクトロルミネッセンス素子を得、実施例1と同様にして、その特性を調べた。結果を第3表に示す。
【0142】
【表3】

【0143】
第3表に示す結果から明らかなように、本発明によるカルバゾール誘導体を有機エレクトロルミネッセンス素子に用いることによって、従来の有機エレクトロルミネッセンス素子に比べて、輝度半減寿命が著しく改善されており、また、殆どの場合において、効率も向上している。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である
【図2】本発明によるビス(4−(N−フェニル−N−(9−フェニル−3−カルバゾリル)アミノ)フェニル)−p−メチルフェニルアミン(A)のDSCチャートである。
【図3】本発明によるビス(4−(N−フェニル−N−(9−フェニル−3−カルバゾリル)アミノ)フェニル)−p−メチルフェニルアミン(A)のTG/DTAチャートである。
【図4】本発明によるビス(4−(N−フェニル−N−(9−フェニル−3−カルバゾリル)アミノ)フェニル)−p−メチルフェニルアミン(A)のCVチャートである。
【図5】本発明によるビス(4−(N−フェニル−N−(9−フェニル−3−カルバゾリル)アミノ)フェニル)−p−メチルフェニルアミン(A)の赤外線吸収スペクトルである。
【図6】本発明によるビス(4−(N−フェニル−N−(4−(9−カルバゾリル)フェニル)アミノ)フェニル)−p−メチルフェニルアミン(B)のDSCチャートである。
【図7】本発明によるビス(4−(N−フェニル−N−(4−(9−カルバゾリル)フェニル)アミノ)フェニル)−p−メチルフェニルアミン(B)のTG/DTAチャートである。
【図8】本発明によるビス(4−(N−フェニル−N−(4−(9−カルバゾリル)フェニル)アミノ)フェニル)−p−メチルフェニルアミン(B)のCVチャートである。
【図9】本発明によるビス(4−(N−フェニル−N−(4−(9−カルバゾリル)フェニル)アミノ)フェニル)−p−メチルフェニルアミン(B)の赤外線吸収スペクトルである。
【図10】本発明による、ビス(6−(3−(9’−カルバゾリル)−9−フェニル)カルバゾリル)フェニルアミン(C)のDSCチャートである。
【図11】本発明による、ビス(6−(3−(9’−カルバゾリル)−9−フェニル)カルバゾリル)フェニルアミン(C)のTG/DTAチャートである。
【図12】本発明による、ビス(6−(3−(9’−カルバゾリル)−9−フェニル)カルバゾリル)フェニルアミン(C)のCVチャートである。
【図13】本発明による、ビス(6−(3−(9’−カルバゾリル)−9−フェニル)カルバゾリル)フェニルアミン(C)の赤外線吸収スペクトルである。
【図14】本発明によるビス(6−(3−ジフェニルアミノ)−9−フェニルカルバゾリル)フェニルアミン(D)のDSCチャートである。
【図15】本発明によるビス(6−(3−ジフェニルアミノ)−9−フェニルカルバゾリル)フェニルアミン(D)のTG/DTAチャートである。
【図16】本発明によるビス(6−(3−ジフェニルアミノ)−9−フェニルカルバゾリル)フェニルアミン(D)のCVチャートである。
【図17】本発明によるビス(6−(3−ジフェニルアミノ)−9−フェニルカルバゾリル)フェニルアミン(D)の赤外線吸収スペクトルである。
【図18】本発明による3−ジフェニルアミノ−6−(9’−(3’,6’−ビス(ジフェニルアミノ)カルバゾリル)−9−フェニルアミン(E)のDSCチャートである。
【図19】本発明による3−ジフェニルアミノ−6−(9’−(3’,6’−ビス(ジフェニルアミノ)カルバゾリル)−9−フェニルアミン(E)のTG/DTAチャートである。
【図20】本発明による3−ジフェニルアミノ−6−(9’−(3’,6’−ビス(ジフェニルアミノ)カルバゾリル)−9−フェニルアミン(E)のCVチャートである。
【図21】本発明による3−ジフェニルアミノ−6−(9’−(3’,6’−ビス(ジフェニルアミノ)カルバゾリル)−9−フェニルアミン(E)の赤外線吸収スペクトルである。
【図22】本発明によるN,N,N’−トリス(9−フェニル−3−カルバゾリル)−N’−フェニル)−1,4−ジアミノベンゼン(I)のDSCチャートである。
【図23】本発明によるN,N,N’−トリス(9−フェニル−3−カルバゾリル)−N’−フェニル)−1,4−ジアミノベンゼン(I)のTG/DTAチャートである。
【図24】本発明によるN,N,N’−トリス(9−フェニル−3−カルバゾリル)−N’−フェニル)−1,4−ジアミノベンゼン(I)のCVチャートである。
【図25】本発明によるN,N,N’−トリス(9−フェニル−3−カルバゾリル)−N’−フェニル)−1,4−ジアミノベンゼン(I)の赤外線吸収スペクトルである。
【図26】本発明によるN−フェニル−N'−(4−(9'−カルバゾリル)フェニル)−N,N'−ビス(9”−フェニル−3”−カルバゾリル)−1,4−ジアミノベンゼン(J)のDSCチャートである。
【図27】本発明によるN−フェニル−N'−(4−(9'−カルバゾリル)フェニル)−N,N'−ビス(9”−フェニル−3”−カルバゾリル)−1,4−ジアミノベンゼン(J)のTG/DTAチャートである。
【図28】本発明によるN−フェニル−N'−(4−(9'−カルバゾリル)フェニル)−N,N'−ビス(9”−フェニル−3”−カルバゾリル)−1,4−ジアミノベンゼン(J)のCVチャートである。
【図29】本発明によるN−フェニル−N'−(4−(9'−カルバゾリル)フェニル)−N,N'−ビス(9”−フェニル−3”−カルバゾリル)−1,4−ジアミノベンゼン(J)の赤外線吸収スペクトルである。
【図30】本発明によるN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−(9−フェニルカルバゾリル)フェニル)−1,4−ジアミノベン(K)のDSCチャートである。
【図31】本発明によるN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−(9−フェニルカルバゾリル)フェニル)−1,4−ジアミノベン(K)のTG/DTAチャートである。
【図32】本発明によるN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−(9−フェニルカルバゾリル)フェニル)−1,4−ジアミノベン(K)のCVチャートである。
【図33】本発明によるN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−(9−フェニルカルバゾリル)フェニル)−1,4−ジアミノベン(K)の赤外線吸収スペクトルである。
【図34】本発明による6’−(N−カルバゾリル)−ビス(9−フェニル−3−カルバゾリル)フェニルアミン(M)のDSCチャートである。
【図35】本発明による3−(9−フェニルカルバゾリル)−3’−(6’−(9”−カルバゾリル)−9’−フェニル)カルバゾリル)フェニルアミン(M)のCVチャートである。
【図36】本発明による3−(9−フェニルカルバゾリル)−3’−(6’−(9”−カルバゾリル)−9’−フェニル)カルバゾリル)フェニルアミン(M)の赤外線吸収スペクトルである。
【図37】本発明による3−カルバゾリル−3’−(6’−(9”−カルバゾリル)−9’−フェニルカルバゾリル)−p−メチルフェニルアミン(N)のDSCチャートである。
【図38】本発明による3−カルバゾリル−3’−(6’−(9”−カルバゾリル)−9’−フェニルカルバゾリル)−p−メチルフェニルアミン(N)のCVチャートである。
【図39】本発明による3−カルバゾリル−3’−(6’−(9”−カルバゾリル)−9’−フェニルカルバゾリル)−p−メチルフェニルアミン(N)の赤外線吸収スペクトルである。
【符号の説明】
【0145】
1…透明基板
2…陽極
3a…正孔注入層
3b…正孔輸送層
4…発光層
5…陰極
6…電源


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

(式中、R1 は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数5〜7のシクロアルキル基又は炭素原子数6〜25のアリール基を示し、R2 及びR3 はそれぞれ独立に炭素原子数6〜25のアリール基又は一般式(II)、(III)又は(IV)
【化2】

(式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数6〜25のアリール基、ジフェニルアミノ基又はカルバゾリル基を示し、R及びRはそれぞれ独立に炭素原子数6〜25のアリール基、9−フェニル−3−カルバゾリル基、4−(9−カルバゾリル)フェニレン基又は4−ジフェニルアミノフェニル基を示し、R及びRはそれぞれ独立に炭素原子数6〜25のアリール基又は式 (V)、(VI)又は(VII)
【化3】

で表される第2の芳香族基のいずれかを示す。)
で表される第1の芳香族基のいずれかを示す。)
で表され、分子中に少なくとも2つのカルバゾール構造を有するカルバゾール誘導体。
【請求項2】
請求項1に記載のカルバゾール誘導体からなる有機電子機能材料。
【請求項3】
請求項2に記載の有機電子機能材料を含む有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項4】
請求項2に記載の有機電子機能材料を正孔注入及び/又は正孔輸送剤として有する有機エレクトロルミネッセンス素子。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2008−127290(P2008−127290A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−310825(P2006−310825)
【出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(000005061)バンドー化学株式会社 (429)
【Fターム(参考)】