説明

新規なケリドニン誘導体、その生成法、および医薬品を生成するためのその使用

本発明は、新規なケリドニン誘導体、その生成法、細胞増殖、細胞分化、および/または細胞分裂に関係付けられる疾患、特に腫瘍を予防し、治療し、進行をモニタリングし、後処置をするための前記化合物の使用;ならびに本発明のケリドニン誘導体を含むキットに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なケリドニン誘導体およびその生成法に関し、本発明はまた、細胞増殖、細胞分化、および/または細胞分裂に関連付けられる疾患、特に腫瘍の予防、治療、追跡、およびアフタケアにおける前記化合物の使用、ならびに前記ケリドニン誘導体を含むキットにも関する。
【背景技術】
【0002】
マリアアザミ、セイヨウヤドリギ、ブラッククミン、ハンゴンソウ、カブラギキョウだけでなく、クサノオウ(Chelidonium majus)など、いくつかの薬草に含まれる物質を様々な型の疾患に使用できることは良く知られている。すなわち、クサノオウは、イボに有効であり、様々な胆汁過多疾患に使用することができる。クサノオウには、約30種のアルカロイドが総含有量約0.1〜1重量%で含まれ、特に、ケレレリトリン(chelelerythrine)、サングインリン(sanguinhrine)、ベルベリン、ケリドニンが含まれる。ケリドニンには、鎮痙効果および鎮痛効果があることが知られている。さらに、新鮮植物の黄色乳汁は、そのケリドニン含有量に応じて、細胞分裂を阻害し得ることが知られている。しかし、細胞分裂に対する影響は、多くの細胞培養、例えば、腫瘍細胞および非腫瘍細胞で認められることもある。この理由のため、腫瘍細胞に対しては特定の効果を有するが、非変性細胞、すなわち非腫瘍細胞に対してはほんのわずかに作用し、または全く作用しないケリドニン誘導体を提供する試みがなされてきた。すなわち、Jalilianら(2001)は、抗腫瘍活性物質として利用することが可能な合成ケリドニン誘導体について記載している。その誘導体とは、微小管構造との相互作用を究明可能にする方式で標識したフルオロベンゾアートである。Grynkiewiczら(2001)は、中枢神経系に作用する様々なケリドニン誘導体について記載している。開示された誘導体は、ケリドニン親物質についてはそれまで開示されていなかった抗セロトニン作動性効果を示す。
【0003】
別のケリドニン誘導体は、オクライン(okraine)であり、クサノオウアルカロイドの三量体化合物として、これは癌治療においてチオリン酸トリアジド(thiophosphoric triazide)と共に使用される。実証されているように、オクラインの抗腫瘍効力は、細胞培養および動物実験で認められている。さらに、いくつかの開示から、オクラインは、ヒトで前立腺癌、直腸結腸癌、および乳癌の場合に治療効果があることが判明している。しかし、現在まで、様々な群のオクラインに含まれるどの活性物質が、上記抗腫瘍効果を担っているのかは判定できないでいた。現在のところ、使用された薬剤のどれもEU加盟国では公的認可を受けていない。
【0004】
こうした物質の構造に関する疑問や組成に関する疑問に加え、使用されている物質の大部分について効力が証明されていない(Hopf,2002)。
【特許文献1】EP0682528
【特許文献2】DE19851282
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、その構造を明白に決定し、抗腫瘍効力の成因を証明できる別のケリドニン誘導体を提供することであった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は、酢酸ケリドニン(chelidonine acetate)、トリフルオロ酢酸ケリドニニル(chelidoninyl trifluoroacetate)、炭酸ケリドニニルトリクロロメチル(chelidoninyl trichloromethyl carbonate)、コハク酸ケリドニニルメチル(chelidoninyl methyl succinate)、シュウ酸ケリドニニルエチル(chelidoninyl ethyl oxalate)、N‐(3‐トリフルオロメチルフェニル)ケリドニニルウレタン(N-(3-trifluoromethylphenyl)chelidoninylurethane)、フェニルアラニンケリドニニルエステル(phenylalanine chelidoninyl ester)、プロリンケリドニニルエステル(proline chelidoninyl ester)、および/またはアラニンケリドニニルエステル(alanine chelidoninyl ester)を含む群から選択される抗腫瘍効果を有する新規なケリドニン誘導体を提供することによって先の問題を解決する。
【0007】
驚くべきことに、合成したケリドニン誘導体が抗腫瘍効力を有することを実証することができた。
【0008】
本発明はまた、本発明によるケリドニン誘導体を含む医薬品であって、任意で、医薬上許容される担体、アジュバント、および/または賦形剤を共に含む医薬品に関する。
【0009】
「ケリドニン誘導体」、「本発明による化合物」、および「医薬品」の語は、同義語として使用され、すなわち、本発明による化合物またはケリドニン誘導体について記載する場合、それらは、こうした構造を含む医薬品にも関連する。本発明によるケリドニン誘導体、化合物、または医薬品は、治療量で生物体と接触させることができる。
【0010】
本明細書で使用する表現「治療量」は、疾患症状または応答性病的生理的状態の症状を予防し、または改善する量をさす。本発明の具体的実施形態では、投与量は腫瘍が増殖するのを阻害するのに十分であり、前記量によって本質的にレシピエントで腫瘍の拡大、腫瘍血管新生、腫瘍浸潤、および/または腫瘍転移は防止または阻害される。従って、本発明は、本発明の化合物を含む医薬品または薬物であって、任意で医薬アジュバントを共に含む医薬品または薬物に関する。
【0011】
健常者で予防の場合に、または患者で治療の場合に使用する本発明の化合物の量は、従来の医療習慣に従って製剤化され、用量は、治療しようとする疾患、個々の患者ごとの状態、投与部位、投与手順、および主治医には周知の他の要因を考慮して確立される。同様に、投与する本発明の化合物の用量は、腫瘍の特徴、本発明の化合物の血漿中生体内半減期、および製剤中の本発明の化合物の濃度、さらに投与経路、投薬部位および投薬量、各個体(ヒトおよび動物)の臨床耐性、患者の病理学的情動などに依存し、それは内科医や他の当業者には周知である。一般に、一個体および一投与当たり約0.1〜1000mgの投薬量が好ましく、特に好ましくは投薬量10〜500mgであり、200〜400mgがさらにいっそう好ましく、特に300mgである。一連の連続投与中様々な投薬量を使用することも可能である。
【0012】
本発明の化合物、例えば、本発明のカプセル化化合物や担体結合化合物の治療投与経路として、例えば(筋肉内、皮下、血管内)注射が想定されるが、エアロゾル形での供給、カテーテルまたは外科用チューブによる供給も適用可能である。他の好ましい経路には、経口投与用に懸濁液、錠剤、カプセルなど、凍結乾燥化合物またはエアロゾル化化合物の液体製剤および吸入に市販の噴霧器、ならびに直腸投与または膣投与用に座薬が含まれる。選択したパラメータ、例えば、投薬量、治療計画、アジュバントの選択などの適合性は、患者、すなわち、ヒトまたは動物から一定分量の血清を採取し、施用の流れの中で試験することによって決定できるというもので液体製剤はあってよい。代わりに、または同時に、T細胞または免疫系の他の細胞の量を従来の方式で定量して、患者の免疫体質を全体的に調査することができる。さらに、所望の効果を得るために患者の臨床状態を観察することもできる。特に、腫瘍の増殖および転移を判定することができる。腫瘍は、他の疾患、例えば、感染にも関連することがあるので、後者の感染を追加で同時にモニタリングすることもできる。
【0013】
一般に、本発明の水性製剤および乾燥化合物は、治療に先立ち安定化効果を得るために、賦形剤、例えば、溶媒と混合することができる。本発明による化合物の水溶液は、本発明の化合物を含む懸濁液または溶液であってよい。
【0014】
本発明の化合物は、防腐剤と共に溶液に組み込むことができる。懸濁液または溶液に適当な防腐剤の例には、フェノール、ベンジルアルコール、m‐クレゾール、メチルパラベン、プロピルパラベン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムが含まれる。一般に、本発明による化合物の製剤は、安定形の生成に悪影響を及ぼさない量であり、かつ有効で安全な医薬投与に適当な量で複数の成分を含むことができる。例えば、当業者には周知の他の医薬上受容可能な賦形剤が、本発明による化合物または製剤の一部を形成してよい。例えば、これらには、塩類、様々な充填剤、追加の緩衝剤、キレート剤、抗酸化物、共溶媒などが含まれる。
【0015】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の化合物は、リポソーム、シオソーム、および/またはニオゾームに関連する。
【0016】
例えば、本発明による化合物がリポソーム中に封入され、またはリポソーム表面に固定されるようにこれを実現することができる。リポソームの人工膜または天然膜は、免疫刺激作用を有することがあり、特に、成分がリポソーム表面に結合し、リポソーム内に封入し、または単にリポソームと一緒に混合した場合にその恐れがあることは当業者には周知である。そのようなリポソーム製剤は、非経口経路で施用することができる。周知の方法、例えば、スプレーを使用し、そのような製剤を経鼻で鼻腔粘膜に施用することができる。好ましい方式では、スプレーを使用する治療は、肺癌または耳鼻咽喉領域の腫瘍の治療に適している。特に、経鼻投与では、本発明の化合物は、それによって粘膜に浸透し、または吸収されるような状態で粘膜に施用しなければならない。この理由のため、この小胞は粘液と生体適合性があり、ある程度の親水性がなければならない。例えば、そのような構造はEP0682528から当業者に知られており、その教示をこれにより本発明の開示に援用する。リポソーム組成物は、以下から選択される一種または複数の追加の医薬用担体を含んでよい:ポリオキシエチレンアルコールエーテル、胆汁酸塩およびその誘導体、フシジン酸およびその誘導体、オレイン酸、レシチン、リゾレシチン、Tween(登録商標)21〜85などの表面活性物質および吸収促進剤;グリコフロール、ポリエチレングリコール200〜7500、ポリビニルピロリドン、プロピレングリコールまたはポリアクリル酸、ゼラチン、セルロースおよび誘導体などの吸水性ポリマー;アプロチニンなどの酵素分解阻害物質;アルコール、例えば、エタノール、グリセロール、ベンジルアルコールなど、または酢酸エチルなどの有機溶媒;植物油、大豆油、ピーナッツ油、ココナッツ油、コーン油、オリーブ油、ヒマワリ油、「ミグリオール(miglyol)類」などの疎水性薬剤またはそれらの混合物;硝酸、リン酸、酢酸、クエン酸塩類などのpH調節剤;防腐剤およびグリセロール、塩化ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、安息香酸などの浸透圧調節剤;リポソームおよび/またはレシチンなどの乳濁液製剤;マイクロカプセル化製剤;ブタンなどの噴霧剤。
【0017】
本発明の別の実施形態では、本発明による化合物は、任意で、互いに会合し、または担体に結合し、リポソーム中に封入されていることが好ましく、そのようなリポソーム中への封じ込めは、本発明の意味においては、必ずしも本発明の化合物がリポソーム内に存在することを暗示するわけではない。本発明が意味する封じ込めはまた、本発明の化合物がリポソーム膜に結合すること、例えば、化合物が外膜に固定されるような方式で結合することを暗示してもよい。リポソーム中またはリポソーム上の本発明の化合物というそのような表現は、後者が免疫刺激作用を有するようなリポソームを当業者が選択した場合に有利である。リポソームの免疫刺激作用を改変する様々な方式は、DE19851282から当業者に知られている。脂質は、エステルやアミドなどの通常脂質、または複合脂質、例えば、セレブロシドやガングリオシド、スフィンゴ脂質やリン脂質などの糖脂質であってよい。
【0018】
本発明の意味では、本発明の化合物を含む薬物の成分であってよい担体は、その免疫原性挙動の結果として抗体応答を刺激する蛋白質だけでなく、QS‐21、GPI‐0100または他のサポニンなどの当業者には周知の医薬アジュバント;モンタニド、ポリリジン、ポリアルギニン化合物などの水油乳濁液;他にも例えばリン酸緩衝食塩水、水、様々な種類の洗剤、滅菌溶液などであってもよい。
【0019】
本発明が意味する医薬品は、医学分野におけるあらゆる薬剤であり、この医薬品は、生物体の全体的状態または特定の領域の状態の病原性を少なくとも一時的にも達成できるように、腫瘍を含む患者を予防し、診断し、治療し、追跡し、またはアフタケアをするのに使用することができる。従って、例えば、本発明が意味する医薬品はワクチンまたは治療剤であってよい。本発明の化合物に加えて、本発明が意味する医薬品に、例えば、その受容可能な塩または成分を含めてよい。例えば、それらには、リン酸などの無機酸の塩類または有機酸の塩類が含まれ得る。
【0020】
さらに、塩類は、カルボキシル基不含であってよく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、水酸化鉄などの無機塩基類、またはイソプロピルアミン、トリメチルアミン、2‐エチルアミノエタノール、ヒスチジンなど、有機塩基類に由来してもよい。液体担体の例には、それ以上の物質もしくは活性成分を含まない滅菌水溶液、例えば水、あるいは生理学的pHのリン酸ナトリウムなどの緩衝液もしくは生理食塩水などを含む滅菌水溶液、またはリン酸緩衝塩化ナトリウム溶液など、両方を含む滅菌水溶液がある。他の液体担体は、緩衝塩、例えば、塩化ナトリウムおよび塩化カリウム、デキストロース、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどを一種類を超えて含んでよい。医薬品の液体組成物は、追加して液相を含み得るが水は除外される。そのような追加の液相の例は、グリセロール、植物油、有機エステルまたは水油乳濁液である。典型的には、医薬組成物または医薬品は、全医薬組成物に対して本発明による化合物を少なくとも0.1重量%の含有量で含む。本発明による医薬品を投与するためのそれぞれの用量または投薬量範囲は、中和化抗体を形成するという所望の予防効果または治療効果を実現するのに十分多くまたは広い。この意味において、用量は、望ましくない副作用が優勢になるように選択してはならない。一般に、用量は、患者の年齢、体質、性別によって異なり、当然、疾患の重症度に応じて異なる。個々の用量は、原疾患に関して、かつ別の合併症の出現に関して調節することができる。周知の手段および方法を使用し、正確な用量は、例えば、投薬量の相関的要素として、または施用体制や医薬用担体などの相関的要素として腫瘍増殖を定量することにより当業者が決定することができる。患者に応じて、個々に用量を選択することができる。例えば、患者がちょうど忍容できる医薬品の用量は、血漿中の、または局所的に特定の器官でのその用量範囲が0.1〜10,000μMであってよく、1〜100μMが好ましい。あるいは、患者の体重に比較して用量を計算することができる。この場合、医薬品の典型的な用量は、例えば、体重1kgにつき0.1μg〜100μgの範囲で調整されるはずであり、1〜50μg/kgが好ましい。さらに、しかし、患者全体ではなく、特定の器官を基準として用量を決定することも可能である。例えば、これは、手術によってそれぞれの患者の特定の器官の近傍に組み込んだ、例えば、生体高分子中に本発明による医薬品を設置する場合であろう。望ましい方式でペプチドまたは組換え蛋白質を放出できる生体高分子が数種、当業者には知られている。例えば、そのようなゲルは、ゲル組成物1ml当たり、本発明のアミノ酸配列、例えば、ペプチドや組換え蛋白質、または医薬品を1〜1000μg含んでよく、5〜500μg/mlが好ましく、10〜100mg/mlがより好ましい。この場合、治療剤は、固体、ゲル様、または液体組成物として投与される。
【0021】
本発明の別の好ましい実施形態では、担体は、充填剤、希釈剤、結合剤、湿気付与剤、崩壊剤、溶解遅延剤、吸収促進剤、湿潤剤、吸着剤、および/または滑沢剤の群から選択される。
【0022】
充填剤および希釈剤は、澱粉、乳糖、甘蔗糖、ブドウ糖、マンニトール、シリカが好ましく、結合剤はカルボキシメチルセルロース、アルギナート、ゼラチン、ポリビニルピロリドンが好ましく、湿気付与剤はグリセロールが好ましく、崩壊剤は寒天、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムが好ましく、溶解遅延剤はパラフィンが好ましく、吸収促進剤は第四級アンモニウム化合物が好ましく、湿潤剤はセチルアルコール、モノステアリン酸グリセロールが好ましく、吸着剤はカオリン、ベントナイトが好ましく、滑沢剤はタルク、カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコールが好ましく、もしくは上記物質の混合物に関する。
【0023】
本発明の別の好ましい実施形態では、本発明の化合物は、ゲル、プードレジ、粉剤、錠剤、徐放錠、プレミックス、乳濁液、煎じ製剤、滴剤、濃縮物、顆粒、シロップ、ペレット、大量瞬時投与剤、カプセル、エアロゾル、スプレー、および/または吸入薬、および/または吸入薬として調製され、ならびに/あるいはこの形態で施用される。錠剤、コート錠、カプセル、丸剤、および顆粒に、任意での不透明化剤を含め、従来のコーティングおよび外被を設けることができ、かつ腸管の特定の部分でのみ、または好ましくは腸管の特定の部分で活性物質が放出されるように構成し、任意で、最終ポリマー物質およびワックスをそれらの包埋物質として使用できる遅延方式で構成することもできる。
【0024】
例えば、本発明の薬物は、カプセル、錠剤、水性懸濁液および水性溶液を含め、但しそれだけには限らないが、経口で許容されるどんな剤形でも経口投与に使用することができる。経口施用の錠剤の場合には、使用する担体は乳糖およびコーンスターチを含むことが多い。典型的には、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤を添加する。カプセル形での経口投与に有用な希釈剤には、乳糖および乾燥コーンスターチが含まれる。水性懸濁液の経口投与では、活性物質を乳化剤および懸濁化剤と併用する。また、特定の甘味料および/または香味料および/または着色剤を適宜加えることができる。
【0025】
活性物質、すなわち、本発明の化合物は、任意で、上記の担体物質の一種または複数と共にマイクロカプセル形であってもよい。
【0026】
活性物質に加えて、座薬には、従来の水溶性または水不溶性担体物質、例えば、ポリエチレングリコール、脂肪、例えば、カカオ脂肪や高級エステル(例えば、C14アルコールとC16脂肪酸)、またはそのような物質の混合物を含めてよい。
【0027】
活性物質に加えて、軟膏、ペースト、クリーム、およびゲルには、従来の担体物質、例えば、動物性脂肪、植物性脂肪、ワックス、パラフィン、澱粉、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、シリカ、タルク、酸化亜鉛、またはこれらの物質の混合物を含めてよい。
【0028】
活性物質に加えて、粉剤およびスプレーには、乳糖、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ポリアミド粉またはこれらの物質の混合物など、従来の担体を含めてよい。さらに、スプレーには、クロロフルオロヒドロ炭素などの従来の噴霧剤を含めてよい。
【0029】
活性物質に加えて、溶液および乳濁液には、溶媒、溶解剤、および乳化剤などの従来の担体、例えば、水、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3‐ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油類、特に、綿実油、ピーナッツ油、コーン油、オリーブ油、ひまし油およびゴマ油、グリセロール、グリセロールホルマール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタン脂肪エステル、あるいはこれらの物質の混合物を含めてよい。非経口施用には、溶液および乳濁液を滅菌血液等張形で含めてもよい。
【0030】
活性物質に加えて、懸濁液には、希釈液、例えば、水、エチルアルコール、プロピレングリコールなどの従来の担体、懸濁化剤、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天、トラガカント、あるいはこれらの物質の混合物を含めてよい。
【0031】
薬物は、凍結乾燥の滅菌注入可能製剤の形で、例えば、滅菌注入可能な水性または油性懸濁液とすることができる。そのような懸濁液は、適当な分散剤または湿潤剤(Tween80など)および懸濁化剤を使用し、当技術分野で知られている方法によって製剤化することもできる。滅菌注入可能製剤は、無毒非経口の許容される希釈剤または溶媒、例えば、1,3‐ブタンジオール溶液での滅菌注入可能溶液または懸濁液とすることもできる。使用可能な許容される賦形剤および溶媒には、マンニトール、水、リンゲル液、および塩化ナトリウムの等張溶液が含まれる。さらに、滅菌非揮発油が、溶媒または懸濁媒体として従来使用されている。合成モノまたはジグリセリドを含むどんな中程度の非揮発油も、この目的で使用することができる。オレイン酸やそのグリセリド誘導体などの脂肪酸を注射剤の生成に使用することができ、例えば、オリーブ油やひまし油など、天然の医薬上許容される油類、特にそのポリオキシエチル化形を使用できる。そのような油剤または懸濁液は、希釈剤または分散剤として長鎖アルコールもしくは同様のアルコールを含んでよい。
【0032】
上記製剤形には、着色料、防腐剤、および匂いおよび味質改善添加物、例えば、ペパーミント油およびユーカリ油、および甘味料、例えば、サッカリンを含めてもよい。本発明による化合物は、上記の医薬製剤中に全混合物の約0.1〜99.5重量%の濃度で存在することが好ましく、約0.5〜95重量%がより好ましい。
【0033】
本発明の化合物に加えて、上記の医薬調製物に別の医薬活性物質を含めてもよい。上記の医薬調製物の生成は、周知の方法による通常の方式で、例えば、活性物質と担体物質の混合によって進行する。
【0034】
上記の調製物は、ヒトおよび動物において経口で、経直腸的に、非経口(静脈内、筋肉内、皮下経路)で、大槽内に、膣内に、腹腔内に、局所的に(粉剤、軟膏、滴剤)施用され、中空領域および体腔の炎症の治療に使用することができる。経口治療には、注射溶液、溶液および懸濁液、ゲル、煎じ製剤、乳濁液、軟膏または滴剤が適当な調製物として可能である。局所治療には、眼科用製剤および皮膚用製剤、銀塩および他の塩類、点耳薬、眼軟膏、粉剤または溶液を使用することができる。動物には、餌または飲料水を適当な製剤に含めることによって摂取を行うことができる。さらに、ゲル、プードレジ、粉剤、錠剤、徐放錠、プレミックス、濃縮物、顆粒、ペレット、大量瞬時投与剤、カプセル、エアロゾル、スプレーおよび吸入薬をヒトおよび動物で使用することができる。さらに、本発明の化合物は、プラスチック(局所治療用プラスチック鎖)、コラーゲン、骨セメントなどの他の担体物質に組み込むことができる。
【0035】
本発明の別の好ましい実施形態では、本発明による化合物は、製剤中に0.1〜99.5重量%の濃度で組み込まれ、0.5〜95重量%が好ましく、20〜80重量%がより好ましい。すなわち、本発明の化合物は、上記医薬製剤、例えば、錠剤、丸剤、顆粒などに、好ましくは全混合物の0.1〜99.5重量%の濃度で存在する。活性物質の量、すなわち、単一剤形を生成するために担体物質と混合される本発明による化合物の量は、治療しようとする主体、治療しようとする腫瘍、および特定の投与型に応じて当業者が変更することができる。ひとたび、主体または患者の状態が改善したならば、調製物中の活性化合物の割合は維持量を得るために修正することができる。続いて、症状に応じて投与量もしくは投与頻度、またはその両方を改善した状態が保持される程度に減少させることができる。ひとたび、症状が所望のレベルに緩和されたならば、治療は中止すべきである。しかし、どんな疾患症状も再発する場合は、長期基準での断続的な治療が患者に必要となることもある。従って、医薬調製物の全混合物中の化合物の割合、すなわちそれらの濃度、およびその組成もしくは組合せは変更可能であり、当業者が修正し適合させることができる。
【0036】
本発明の化合物は、生物体、好ましくはヒトまたは動物に様々な経路で接触させ得ることは、当業者は承知しているであろう。さらに、当業者は、特に医薬品は様々な投薬量で施用できることにも承知しているであろう。施用は、腫瘍が可能な限り効果的に攻撃されるように、または予防的投与によってそのような疾患の発症を予防するように行うべきである。濃度および施用の型は、当業者が定型の試験を使用し決定することができる。本発明の化合物の好ましい施用は、粉剤、錠剤、液体混合物、滴剤、カプセルなどの形での経口施用、座薬、溶液などの形での直腸施用、注射、注入液および溶液、蒸気吸入およびエアロゾル、粉剤およびパッドの形での非経口施用、ならびに軟膏、パッド、包帯剤、洗浄液などの形での局所投与である。本発明による化合物との接触は、予防的または治療的方式で行われるのが好ましい。予防的投与では、少なくとも、腫瘍がさらに伝播するのを大幅に低減し、または腫瘍がほぼ完全に排除されるように特定の腫瘍の発生を予防する。治療的接触では、患者の顕性瘍疾患は既に存在している。そして既に体内に存在している腫瘍の伝播を破壊し、または阻害すべきである。この目的のために好ましい他の施用形は、例えば、皮下、舌下、静脈内、筋肉内、腹腔内、および/または局所施用形である。
【0037】
本発明の化合物使用時の上記濃度に加え、好ましい実施形態における化合物は24時間当たり全量で0.05〜500mg/kg体重で使用することができ、5〜100mg/kg体重が好ましい。有利には、これは、疾患症状または応答性病的生理的状態の症状を予防しまたは改善するために使用される治療量である。投与量は、腫瘍増殖を阻害するのに十分なものである。
【0038】
用量が、レシピエントの年齢、健康状態、および体重、疾患の程度、必要とされる同時治療の型、治療頻度、所望する効果の型、および副作用に依存するのは明らかである。所望の結果を得るために、単一用量または複数回用量として、一日量0.05〜500mg/kg体重を施用することができる。投薬量レベル/日が、腫瘍疾患の予防および治療に施用可能であり、この腫瘍疾患は感染症、例えば、肝炎、特にB型肝炎感染症など、腫瘍を誘発し、または共誘発する感染症を含む。特に、典型的には、医薬品は、1日当たり約1〜7回投与で使用され、あるいは別法でまたは追加して連続注入として使用される。そのような投与を慢性治療または急性治療として施用することができる。もちろん、単一剤形を生成するために担体物質と混合される活性物質の量は、治療しようとする主体および特定の投与型に応じて変わり得る。好ましい方式では、一日量は2〜5回の施用で分配され、各施用において活性物質の含有量0.05〜500mg/kg体重を含む錠剤1、2錠が投与される。もちろん、より高い含有量の活性物質、例えば、5000mg/kgの濃度までの活性物質を選択することも可能である。錠剤は、徐放錠であってもよく、その場合1日当たりの施用回数を1〜3回に減少させる。徐放錠の活性物質含有量は3〜3000mgであってよい。上記のように、活性物質を注射によって投与する場合、主体を本発明の化合物に1日当たり1〜8回接触させることが好ましく、または連続注入の使用によって投与するとき、その場合は1日当たり1〜4000mgの量が好ましい。この1日当たりの好ましい全量は、ヒト用および動物用医薬で有利なことが判明した。上記の投薬量から逸脱することも必要になるかもしれず、それは、治療しようとする主体の性質および体重、疾患の型および重症度、薬物の製剤型および施用型、ならびに投与が行われる時間長または間隔に依存する。従って、上記量未満で生物体に接触させることが好ましい場合もあれば、上記の活性物質の量を超えなければならない場合もある。当業者は、いずれの場合にも必要とされる最適投薬量および活性物質の施用型を容易に決定することができる。
【0039】
本発明の別の特に好ましい実施形態では、本発明の化合物は1〜80mg/kg体重の単一投与で、特に3〜30mg/kg体重の単一投与で使用される。1日当たりの合計量と同様の方法で、一施用当たりの単一用量の量は当業者が変更することができる。同様に、本発明に従って使用される化合物は、上記の単一濃度の動物用医薬で、および餌と一緒にした製剤、餌製剤または飲料水で使用することができる。単一用量は、一施用で投与する活性物質量を含むことが好ましく、その活性物質量は通常一日量の1/1、同1/2、同1/3、または同1/4に相当する。従って、単位用量は、1、2、3もしくは4個以上の単一用量を含み、または0.5、0.3、もしくは0.25個の単一用量を含むのが好ましいであろう。好ましい方式では、本発明による化合物の一日量は、2〜10回施用で分配され、2〜7回施用が好ましく、3〜5回施用がより好ましい。もちろん、本発明による薬剤の連続注入も可能である。
【0040】
本発明の特に好ましい実施形態では、1〜10個の錠剤またはカプセル、好ましくは4〜8個のカプセルまたは錠剤、より好ましくは6個のカプセルまたは錠剤を本発明の化合物の各経口施用で投与する。本発明による錠剤には、当業者には周知のコーティングおよび外被を設けることができ、あるいは被投与主体の好ましい特定の領域のみに活性物質を放出するような方式で構成することができる。
【0041】
本発明の別の好ましい実施形態では、本発明による化合物は、少なくとも一種の他の周知の医薬品と共に使用することができる。すなわち、本発明の化合物は、周知の薬物に関連して予防的に、または治療的に組み合わせて使用することができる。そのような組合せは、所望の予防効果または治療効果の達成を目指して、例えば一体型医薬製剤として一緒に、あるいは別々に、例えば同時にまたは異なる時間に投与する錠剤、注射または他の薬物を組み合わせる形で投与することができる。こうした周知の薬剤は、本発明による化合物の効果を亢進する薬剤であってもよい。
【0042】
もちろん、本発明の化合物、特に医薬品は、領域的な治療として、単独で、または治療、例えば併用療法で他の薬剤と共に使用することも可能であり、これは例えば肝腫瘍の場合に好ましいであろう。
【0043】
酸化剤または付加体形成剤によってグルタチオン濃度を低下させることが、特に腫瘍疾患では有利であり得ることは当業者にはよく知られている。この目的のために、化学療法剤として白金錯体の濃度を、または本発明による化合物の濃度を上昇させることが好ましいこともある。
【0044】
典型的には、本発明の化合物は、互いに関して、および/または他の治療剤もしくは効果促進剤(輸送阻害薬、代謝阻害剤、腎排泄またはグルクロン酸抱合阻害薬など、例えば、プロベネシド、アセトアミノフェン、アスピリン、ロラザパン、シメチジン、ラニチジン、コリフィブラート(colifibrate)、インドメタシン、ケトプロフェン、ナプロキセンなど)に関して最適比率があり、その場合活性物質は最適比率で存在する。最適比率は、本発明の化合物:他の治療剤の割合として定義され、その際、全体的な治療効果は個々の治療剤の効果の合計を超える。一般に、最適比率は、薬剤が10:1〜1:10、20:1〜1:20、100:1〜1:100および500:1〜1:500の割合で存在する場合に示される。ある場合には、極めて少量の治療剤でも、一種または複数の他の薬剤の効果を増大させるのに十分である。さらに、本発明の化合物の組合せての使用は、耐性を発生する危険性を減少させ、かつ/または治療効力を増大させるために特に有益である。もちろん、本発明の化合物は、他の周知の抗腫瘍剤と組み合わせて使用することができる。そのような薬剤は、当業者によく知られている。従って、本発明の化合物は、従来の薬剤全て、とりわけ、特に腫瘍薬物に関連して使用可能な他の薬物と共に、単一薬物として、または組合せ薬物で投与することができる。これらは、単独でまたはこれらを組み合わせて投与することができる。
【0045】
好ましい方式では、本発明の化合物は、前記他の周知の医薬品と共に約0.005〜1の割合で投与する。本発明の化合物は、特にウイルス阻害剤と共に投与するのが好ましく、前記既知の薬剤の0.05〜約0.5部、約1部までの割合で投与する。医薬組成物は、物質中に防腐剤、緩衝物質、溶液のモル浸透圧濃度を調整する薬剤など、他の物質と共に存在し、または水溶液として存在してよい。
【0046】
好ましい方式では、医薬品は、腫瘍形成後にワクチンとして、または予防ワクチン接種として使用する。有利には、ワクチン接種は、施用後、腫瘍の伝播または形成に対する保護が生物体中に生じるように実施する。もちろん、腫瘍の出現直前または直後にワクチン接種を行うことも、あるいは複数回の施用による治療として行うことも可能である。腫瘍の治療は、事実上、転移形成後のいかなる時点であっても有利であると考えられ、その結果、本発明が意味するワクチン接種が、腫瘍形成後、本発明の医薬品を数週、数ヶ月、数年または数十年施用することになる可能性があることも当業者は承知している。
【0047】
本発明は、キットおよび医薬でのその使用にも関する。好ましい方式では、本発明の化合物またはそれを含むキットは、併用療法で、特に腫瘍の治療に使用される。特に好ましい方式では、前記併用療法は、化学療法、細胞分裂阻害剤による治療、および/または放射線療法を含む。本発明の特に好ましい実施形態では、併用療法はアジュバント、つまり生物学的に特異的な治療形式であり、特に好ましい方式では前記治療形式は免疫療法である。さらに、特に好ましい方式では、併用療法は、遺伝子治療および/または本発明による化合物を使用する治療を含む。様々な併用療法、特に腫瘍を治療するための併用療法が当業者によく知られている。例えば、細胞分裂阻害剤による治療、または例えば特定の腫瘍領域への照射を併用療法の範囲内で想定することができ、この治療は本発明の化合物を抗癌剤として使用する遺伝子治療と組み合わせられる。従って、細胞分裂阻害剤および/または照射に対する腫瘍細胞の感受性を増大するために、本発明による化合物を使用することが特に好ましいこともある。さらに、本発明による化合物の好ましい使用は、活力、細胞増殖速度の阻害ならびに/あるいはアポトーシスおよび細胞周期の抑止の誘発である。
【0048】
好ましい実施形態では、治療または予防しようとする癌疾患または腫瘍は、耳鼻咽喉領域の癌疾患もしくは腫瘍疾患;肺、縦隔、胆管、泌尿生殖器系、婦人科系、乳房、内分泌系の癌疾患もしくは腫瘍疾患;皮膚、骨および柔組織の肉腫;中皮腫、黒色腫、中枢神経系新生物、乳児期癌疾患もしくは腫瘍疾患、リンパ腫、白血病、腫瘍随伴性症候群、原発不明腫瘍を伴う転移(CUP症候群)、腹膜癌腫症、免疫抑制関連悪性腫瘍、および/または腫瘍転移の群から選択される。
【0049】
より詳細には、腫瘍には以下の癌型が含まれてよい:乳腺癌、前立腺癌、および大腸腺癌;気管支で出発した全ての型の肺癌;骨髄癌、黒色腫、肝細胞腫、神経芽細胞腫;乳頭腫;アプドーマ、分離腫、鰓腫;悪性カルチノイド症候群;カルチノイド心疾患、癌腫(例えば、ウォーカー癌腫、基底細胞癌、扁平上皮癌腫、ブラウン‐ピアース癌腫、乳管癌、エールリッヒ腫瘍、上皮内癌、癌‐2癌腫(cancer−2 carcinoma)、メルケル細胞癌、粘膜癌、非小細胞気管支癌、燕麦細胞癌、乳頭癌、硬癌、細気管支肺胞上皮癌、気管支癌、扁平上皮癌および移行上皮癌);組織球性機能障害;白血病(例えば、B細胞白血病、混合細胞白血病、ナルセル型白血病、T細胞白血病、慢性T細胞白血病、HTLV‐II随伴性白血病、急性リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、肥満細胞白血病、および骨髄性白血病に関連する白血病);悪性組織球増殖症、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、孤立性形質細胞腫;細網内皮症、軟骨芽細胞腫;軟骨腫、軟骨肉腫;線維腫;線維肉腫;巨細胞腫;組織球腫;脂肪腫;脂肪肉腫;ロイコ腫(leukosarcoma);中皮腫;粘液腫;粘液肉腫;骨腫;骨肉腫;ユーイング肉腫;滑膜腫;腺線維腫;腺リンパ腫;癌肉腫、脊索腫、頭蓋咽頭腫、未分化胚細胞腫、過誤腫;間葉腫;中腎腫、筋肉腫、エナメル上皮腫、セメント質腫;歯牙腫;奇形腫;胸腺腫、絨毛膜芽細胞腫(chorioblastoma);腺癌、腺腫;胆管腫;胆脂腫;円柱腫;嚢胞腺癌、嚢腺腫;顆粒膜細胞腫;雌雄芽細胞腫(gynadroblastoma);汗腺腫;膵島細胞腫;ライディヒ細胞腫;乳頭腫;セルトリ細胞腫、卵胞膜細胞腫、平滑筋腫;平滑筋肉腫;筋芽細胞筋腫;筋腫;筋肉腫;横紋筋腫;横紋筋肉腫;上衣細胞腫;神経節性神経腫、膠腫;髄芽細胞腫、髄膜腫;神経鞘腫;神経芽細胞腫;神経上皮腫、神経線維腫、神経腫、傍神経節腫、非クロム親和性傍神経節腫、被角血管腫、好酸球増多を伴う血管リンパ系過形成(angiolymphoid hyperplasia with eosinophilia);硬化性血管腫;血管腫症;グロムス血管腫;血管内皮腫;血管腫;血管外皮細胞腫、血管肉腫;リンパ管腫、リンパ管筋腫、リンパ管肉腫;松果体腫;嚢胞肉腫葉状肉腫;血管肉腫;リンパ管肉腫;粘液肉腫、卵巣癌;肉腫(例えば、ユーイング肉腫、実験的に、カポジ肉腫および肥満細胞肉腫);新生物(例えば、骨新生物、乳房新生物、消化器系新生物、結腸直腸新生物、肝新生物、膵新生物、脳下垂体新生物、精巣新生物、眼窩新生物、頭部および頚部の新生物、中枢神経系新生物;聴覚器官、骨盤、気道および泌尿生殖器官新生物);神経繊維腫症および頚部扁平細胞異形成。
【0050】
別の好ましい実施形態では、治療または予防しようとする癌疾患または腫瘍は、以下の群から選択される:鼻内、副鼻腔、上咽頭、唇、口腔、中咽頭、喉頭、下咽頭、耳、唾液腺の腫瘍および傍神経節腫を含む耳鼻咽喉領域腫瘍;非小細胞気管支癌、小細胞気管支癌、縦隔腫瘍を含む肺腫瘍;食道、胃、膵臓、肝臓、胆のうおよび胆道の腫瘍を含む胆管腫瘍;小腸癌、大腸癌、および直腸癌および肛門癌;腎臓、輸尿管、膀胱、前立腺、尿道、陰茎および精巣の腫瘍を含む泌尿生殖器系腫瘍;頸部、膣、産卵口の腫瘍、子宮癌、悪性栄養膜疾患、卵巣癌、卵管腫瘍(Tuba Faloppii)を含む婦人科腫瘍;腹腔腫瘍、乳癌;甲状腺、副甲状腺、副腎皮質の腫瘍;内分泌膵臓腫瘍、カルチノイド腫瘍およびカルチノイド症候群、多発性内分泌異常増殖を含む内分泌器官腫瘍;骨肉腫および柔組織肉腫、中皮腫、皮膚腫瘍;皮膚黒色腫および眼内黒色腫を含む黒色腫;中枢神経系腫瘍;網膜芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、神経繊維腫症、神経芽細胞腫、ユーイング肉腫腫瘍ファミリー、横紋筋肉腫を含む乳児期腫瘍;非ホジキンリンパ腫、皮膚性T細胞リンパ腫、中枢神経系原発性リンパ腫、ホジキン病を含むリンパ腫;急性白血病、慢性骨髄性白血病およびリンパ性白血病を含む白血病;形質細胞新生物、骨髄異形成症候群、腫瘍随伴性症候群、原発不明腫瘍を伴う転移(CUP症候群)、腹膜癌腫症;カポジ肉腫、AIDS随伴リンパ腫、中枢神経系AIDS随伴リンパ腫、AIDS随伴ホジキン病、AIDS随伴肛門生殖器腫瘍などのAIDS関連悪性腫瘍、移植関連悪性腫瘍を含む免疫抑制関連悪性腫瘍;脳転移、肺転移、肝転移、骨転移、胸水および心臓周囲転移、および悪性腹水を含む転移性腫瘍。
【0051】
別の好ましい実施形態では、治療または予防しようとする癌疾患または腫瘍は、以下を含む群から選択される:乳癌;大腸癌、胃癌、膵臓癌、大腸癌、小腸癌を含む胃腸腫瘍、卵巣癌、子宮頚癌、肺癌、前立腺癌、腎細胞癌および/または肝転移。
【0052】
限定する意図は持たないで、本発明をさらに以下の実施例に関して詳細に説明する。
【実施例1】
【0053】
酢酸ケリドニンの調製
【0054】
1gのケリドニンを10mlの乾燥ピリジンに溶解し、2mlの無水酢酸を加える。室温で(24時間)静置した後、混合物を100mlの氷水に注ぎ、沈殿した未加工生成物をエーテルで抽出し、エーテル相を繰り返し水洗する。続いて、溶媒を減圧除去し、残った未加工生成物をエタノールから再結晶化させる。
収量:0.9g(理論量の約85%)。
【実施例2】
【0055】
ケリドニンエステルの調製
【0056】
一般プロトコル
300mgのケリドニンを30mlの乾燥クロロホルムに溶解し、1.2倍モル量のそれぞれの酸塩化物を加える。
3mlのピリジンを添加した後、反応混合物を室温で終夜静置する。
残渣物/精製:
さらに100mlのクロロホルムを追加した後、有機相を4、5回水洗する。ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、残った未加工生成物は1、2度、エタノールから再結晶化させる(再結晶化:〜-20℃)。
2.1.トリフルオロ酢酸ケリドニニル(A101)の調製
バッチ:300mgのケリドニン、380mgのトリフルオロ無水酢酸
収量:300mg(理論量の81%)、m.p.=140〜42℃
2.2.炭酸ケリドニニルトリクロロメチル(A102)の調製



CCl‐O‐C‐O‐chel

バッチ:300mgのケリドニン、270mgのクロロギ酸トリクロロメチル
収量:200mg(理論量の48.1%)、m.p.=154〜57℃
2.3.コハク酸ケリドニニルメチルエステル(A103)の調製

CH‐O‐C‐CH‐CH‐C‐O‐chel
‖ ‖
O O

バッチ:300mgのケリドニン、300mgのコハク酸メチルエステル塩化物
収量:200mg(理論量の52.9)、m.p.=84〜85℃
【実施例3】
【0057】
シュウ酸ケリドニニルエチルの調製
【0058】
3.1.炭酸塩化物と炭酸無水物の反応の一般プロトコル
ケリドニン一水和物と、その二倍モル量の対応するカルボン酸塩化物またはカルボン酸無水物(10%過剰)を三角フラスコに秤量する。
約10mlのピリジンを添加する。
反応バッチを振盪し、3日間室温で静置する。
混合物を分液漏斗に入れ、約20mlのエーテルを加え、次いで5、6回水洗する。
溶媒を蒸発させる。
精製。
反応:
ケリドニン一水和物(Fluka Ch:425201/1)とシュウ酸エステル塩化物(Lancaster)の反応:
【化1】

ケリドニン一水和物:m.w.=371.39g/mol
シュウ酸エステル塩化物:m.w.=136.53g/mol
シュウ酸ケリドニニルエチル:m.w.=453.42g/mol
2423NO
収量:25.9%(80.4mg)
初期重量:0.3106gのケリドニン一水和物、および0.2805gのシュウ酸エステル塩化物。
フラッシュクロマトグラフィー(1%トリエチルアミンを含むヘプタン‐エーテル混合物8:2v/v)。
【0059】
シュウ酸ケリドニニルエチル(S2)の反応および調製は、IRスペクトルおよび質量スペクトルに示される(図1および図2)。
【実施例4】
【0060】
N‐(3‐トリフルオロメチルフェニル)‐ケリドニニルウレタンの調製
【0061】
4.1.イソシアナートとイソチオシアナートの反応の一般プロトコル
ケリドニン一水和物、およびその二倍モル量の対応するイソシアナートもしくはイソチオシアナート(10%過剰)を一ツ口フラスコに秤量する。
約40mlのアセトニトリルを加える。
反応バッチを4時間還流下で煮沸する。
溶媒を蒸発させる。
精製。
反応:
ケリドニン一水和物(Fluka Ch:425201/1)と3‐トリフルオロメチルフェニルイソシアン酸塩(Riedel-de Haen AG)の反応
【化2】

ケリドニン一水和物:m.w.=371.39g/mol
トリフルオロメチルフェニルイソシアン酸塩:m.w.=187.11g/mol
N‐(3‐トリフルオロメチルフェニル)ケリドニニルウレタン:m.w.=540.47g/mol、C2823
収量:34.8%(104.4mg)
初期重量:0.3001gのケリドニン一水和物、および0.3502gのN‐(3‐トリフルオロメチルフェニル)ケリドニニルウレタン。
カラムクロマトグラフィー(5%CHClを含むヘプタン‐酢酸エチル混合物8:3v/v)。
トルエンで再結晶化。
【0062】
N‐(3‐トリフルオロメチルフェニル)ケリドニニルウレタン(S5)の調製をIRスペクトルおよび質量スペクトルに関して示す(図3および図4)。
【実施例5】
【0063】
フェニルアラニンケリドニニルエステルの調製
【0064】
5.1.FMOC保護化アミノ酸との反応の一般プロトコル
ケリドニン一水和物、等モル量のFMOC保護化アミノ酸、および二倍モル量のジシクロヘキシルカルボジイミド(10%過剰)を一ツ口フラスコに秤量する。
約50mlの酢酸エチルを加える。
反応バッチを3日間室温で撹拌する。
酢酸エチルを蒸発させる。
ジシクロヘキシル尿素の除去:四塩化炭素を添加、加熱、高温中にろ過(残留物はジシクロヘキシル尿素である)。
四塩化炭素を蒸発させる。
保護基の除去:約4mlのモルホリンを添加し30分間静置する。
モルホリンを蒸発させる。
精製。
反応:
ケリドニン一水和物(Fluka Ch:425201/1)とN‐(9‐フルオレニルメチルオキシカルボニル)‐L‐フェニルアラニン(アルドリッチ)の反応
【化3】

ケリドニン一水和物:m.w.=371.39g/mol
N‐(9‐フルオレニルメチルオキシカルボニル)‐L‐フェニルアラニン:m.w.=387.44g/mol
ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC):m.w.=206.33g/mol
フェニルアラニンケリドニニルエステル:m.w.=500.52g/mol、
2928
収量:41.1%(113.9mg)
初期重量:0.277gのケリドニン一水和物、0.2902gのN‐(9‐フルオレニルメチルオキシカルボニル)‐L‐フェニルアラニン、および0.3662gのジシクロヘキシルカルボジイミド
フラッシュクロマトグラフィー(1%トリエチルアミンを含むヘプタン‐酢酸エチル混合物7:3v/v)
【0065】
フェニルアラニンケリドニニルエステル(S9)の調製をIRスペクトルおよび質量スペクトルに関して示す(図5および図6)。
【実施例6】
【0066】
プロリンケリドニニルエステルの調製
【0067】
6.1.FMOC保護化アミノ酸との反応の一般プロトコルを参照
反応:
ケリドニン一水和物(Fluka Ch:425201/1)とN‐(9‐フルオレニルメチルオキシカルボニル)‐L‐プロリン(アルドリッチ)の反応
【化4】

ケリドニン一水和物:m.w.=371.39g/mol
N‐(9‐フルオレニルメチルオキシカルボニル)‐L‐プロリン:m.w.=337.38g/mol
ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC):m.w.=206.33g/mol
プロリンケリドニニルエステル:m.w.=450.47g/mol、C2526
収量:36.3(101.3mg)
初期重量:0.2789gのケリドニン一水和物、0.2790gのN‐(9‐フルオレニルメチルオキシカルボニル)‐L‐プロリン、および0,3705gのジシクロヘキシルカルボジイミド
フラッシュクロマトグラフィー(1%トリエチルアミンを含むヘプタン‐酢酸エチル混合物7:3v/v)
【0068】
プロリンケリドニニルエステル(S10)の調製をIRスペクトルおよび質量スペクトルに関して示す(図7および図8)。
【実施例7】
【0069】
アラニンケリドニニルエステルの調製
【0070】
7.1.FMOC保護化アミノ酸との反応の一般プロトコルを参照
反応:
ケリドニン一水和物(Fluka Ch:425201/1)とN‐(9‐フルオレニルメチルオキシカルボニル)‐L‐アラニン(アルドリッチ)の反応
【化5】

ケリドニン一水和物:m.w.=371.39g/mol
N‐(9‐フルオレニルメチルオキシカルボニル)‐L‐アラニン:m.w.=311.32g/mol
ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC):m.w.=206.33g/mol
アラニンケリドニニルエステル:m.w.=424.43g/mol、C2324
収量:33.5%(101.0mg)
初期重量:0.3015gのケリドニン一水和物、0.2660gのN‐(9‐フルオレニルメチルオキシカルボニル)‐L‐アラニン、および0.3698gのジシクロヘキシルカルボジイミド
フラッシュクロマトグラフィー(1%トリエチルアミンを含むヘプタン‐酢酸エチル混合物7:3v/v)
【0071】
アラニンケリドニニルエステル(S11)の調製をIRスペクトルおよび質量スペクトルに関して示す(図9および図10)。
【0072】
MTT細胞傷害試験では以下の結果が得られた。値はng/mlでのIC50値である。見てのとおり、炭酸ケリドニニルトリクロロメチルは天然ケリドニンに類似する活性を有し、トリフルオロ酢酸ケリドニンおよびコハク酸ケリドニニルメチルは、天然ケリドニンと比較して、それぞれ、5倍の活性(4〜10倍の範囲)および約30倍の活性(50〜150倍の範囲)を有する。
【表1】

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
酢酸ケリドニン、トリフルオロ酢酸ケリドニニル、炭酸ケリドニニルトリクロロメチル、コハク酸ケリドニニルメチル、シュウ酸ケリドニニルエチル、N‐(3‐トリフルオロメチルフェニル)ケリドニニルウレタン、フェニルアラニンケリドニニルエステル、プロリンケリドニニルエステル、および/またはアラニンケリドニニルエステルを含む群から選択される抗腫瘍効果を有する新規なケリドニン誘導体。
【請求項2】
抗腫瘍効果が、細胞増殖、細胞分化、および/または細胞分裂の調節であることを特徴とする、請求項1に記載のケリドニン誘導体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の少なくとも一種のケリドニン誘導体を含む医薬品、および/または請求項3〜5のいずれかに記載の医薬品であって、任意で、許容される医薬用担体、アジュバント、および/または賦形剤を共に含む医薬品。
【請求項4】
前記担体が、充填剤、希釈剤、結合剤、湿気付与剤、崩壊剤、溶解遅延剤、吸収促進剤、湿潤剤、吸着剤、および/または滑沢剤を含む群から選択されることを特徴とする、前記請求項に記載の医薬品。
【請求項5】
前記担体が、リポソーム、シオソーム、および/またはニオゾームであることを特徴とする、請求項3または4のいずれかに記載の医薬品。
【請求項6】
細胞増殖、細胞分化、および/または細胞分裂に関連付けられる疾患の予防、治療、追跡、およびアフタケアでの、請求項1または2に記載のケリドニン誘導体および/または請求項3〜5のいずれかに記載の医薬品の使用。
【請求項7】
疾患が、腫瘍疾患であることを特徴とする、前記請求項に記載の使用。
【請求項8】
腫瘍疾患が、新生物腫瘍、炎症性腫瘍、ならびに/あるいは膿瘍、浸出液、および浮腫の群から選択されることを特徴とする、前記請求項に記載の使用。
【請求項9】
腫瘍が、固形腫瘍または白血病であることを特徴とする、前記請求項に記載の使用。
【請求項10】
固形腫瘍が、泌尿生殖器官および/または消化管の腫瘍であることを特徴とする、前記請求項に記載の使用。
【請求項11】
腫瘍が、大腸癌、胃癌、膵臓癌、小腸癌、卵巣癌、子宮頚癌、肺癌、前立腺癌、乳癌、腎細胞癌、脳腫瘍、頭部咽頭部腫瘍、肝臓癌、および/または先の腫瘍の転移であることを特徴とする、請求項6に記載の使用。
【請求項12】
固形腫瘍が、乳房癌、気管支癌、結腸直腸癌、および/または前立腺癌、ならびに/あるいは先の腫瘍の転移であることを特徴とする、請求項6に記載の使用。
【請求項13】
泌尿生殖器官の腫瘍が、膀胱癌および/またはそのような腫瘍の転移であることを特徴とする請求項6に記載の使用。
【請求項14】
前記追跡が、抗腫瘍治療効力のモニタリングであることを特徴とする、請求項6〜13のいずれかに記載の使用。
【請求項15】
請求項1または2に記載の少なくとも一種のケリドニン誘導体、および/または請求項3〜5のいずれかに記載の医薬品が、転移、浸潤、および/または血管形成の予防、防止、診断、減弱、治療、追跡、および/またはアフタケアで使用されることを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の使用。
【請求項16】
前記追跡が、抗腫瘍治療効力のモニタリングであることを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の使用。
【請求項17】
請求項1または2に記載の少なくとも一種のケリドニン誘導体、および/または請求項3〜5のいずれかに記載の医薬品が、併用療法で使用されることを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の使用。
【請求項18】
前記併用療法が、化学療法、細胞分裂阻害剤による治療、および/または放射線療法を含むことを特徴とする、前記請求項に記載の使用。
【請求項19】
前記併用療法が、アジュバントを含む、生物学的に特定の形の療法であることを特徴とする、前記請求項に記載の使用。
【請求項20】
前記治療形が免疫療法であることを特徴とする、前記請求項に記載の使用。
【請求項21】
細胞分裂阻害剤および/または照射に対する腫瘍細胞の感受性を増大させるための前記請求項のいずれかに記載の使用。
【請求項22】
生存、細胞増殖速度を阻害し、アポトーシスおよび/または細胞周期抑止を誘発するための前記請求項のいずれかに記載の使用。
【請求項23】
請求項1または2に記載の少なくとも一種のケリドニン誘導体、および/または請求項3〜5のいずれかに記載の医薬品が、ゲル、プードレジ、粉剤、錠剤、徐放錠、プレミックス、乳濁液、煎じ製剤、滴剤、濃縮物、顆粒、シロップ、ペレット、大量瞬時投与剤、カプセル、エアロゾル、スプレー、および/または吸入薬、および/または吸入薬として調製され、かつこの形態で施用されることを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の使用。
【請求項24】
請求項1または2に記載の少なくとも一種のケリドニン誘導体、および/または請求項3〜5のいずれかに記載の医薬品が、調製物中に0.1〜99.5重量%の濃度で存在し、好ましくは0.5〜95.0重量%、より好ましくは20.0〜80.0重量%存在することを特徴とする、前記請求項に記載の使用。
【請求項25】
前記調製物が、経口で、皮下に、静脈内に、筋肉内、腹腔内に、および/または局所的に使用されることを特徴とする、前記請求項に記載の使用。
【請求項26】
請求項1または2に記載の少なくとも一種のケリドニン誘導体、および/または請求項3〜5のいずれかに記載の医薬品が、24時間あたり体重1kgにつき全量で0.05〜500mg、好ましくは5〜100mg使用されることを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の使用。
【請求項27】
酢酸ケリドニンが、ケリドニンと、ピリジンおよび無水酢酸とを反応させることによって得られることを特徴とする、請求項1または2に記載のケリドニン誘導体の調製方法。
【請求項28】
ケリドニン、ピリジン、および無水酢酸混合物を室温で少なくとも12時間インキュベートし、続いてこの混合物を氷水に注ぎ、その結果未加工生成物が沈殿し、該未加工生成物をエーテルで抽出することを特徴とする、前記請求項に記載の方法。
【請求項29】
ケリドニンを、クロロホルムおよびそれぞれの酸塩化物と反応させ、ケリドニン、クロロホルム、およびそれぞれの酸塩化物の混合物にピリジンを加え、かつ得られた混合物を室温で少なくとも4時間インキュベートすることによって、トリフルオロ酢酸ケリドニニル、炭酸ケリドニニルトリクロロメチル、および/またはコハク酸ケリドニニルメチルが得られることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
シュウ酸ケリドイニルエチルが、一リン酸ケリドニンをシュウ酸エステル塩化物と反応させることによって得られることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
N‐(3‐トリフルオロメチルフェニル)ケリドニニルウレタンが、ケリドニン一水和物と3‐トリフルオロメチルフェニルイソシアン酸塩を反応させることによって得られることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
フェニルアラニンケリドニニルエステルが、ケリドニン一水和物とN‐(9‐フルオレニルメチルオキシカルボニル)‐L‐フェニルアラニンを反応させることによって得られることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
プロリンケリドニニルエステルが、ケリドニン一水和物とN‐(9‐フルオレニルメチルオキシカルボニル)‐L‐プロリンを反応させることによって得られることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
アラニンケリドニニルエステルが、ケリドニン一水和物とN‐(9‐フルオレニルメチルオキシカルボニル)‐L‐アラニンを反応させることによって得られることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
請求項1または2に記載の少なくとも一種のケリドニン誘導体、および/または請求項3〜5のいずれかに記載の医薬品を生物体、好ましくはヒトまたは動物と接触させることを特徴とする、腫瘍疾患の治療方法。
【請求項36】
前記接触が、経口で、注射により、局所的に、経膣で、経直腸で、および/または経鼻で実施されることを特徴とする、前記請求項に記載の方法。
【請求項37】
請求項1または2に記載の少なくとも一種のケリドニン誘導体、および/または請求項3〜5のいずれかに記載の医薬品が、医薬上許容される担体と共に使用されることを特徴とする、腫瘍疾患治療用医薬品の生成方法。
【請求項38】
請求項1または2に記載の少なくとも一種のケリドニン誘導体、および/または請求項3〜5のいずれかに記載の医薬品を、任意でキット内容物を組み合わせるための情報と共に含むキット。
【請求項39】
腫瘍疾患の予防または治療における前記請求項に記載のキットの使用。

【公表番号】特表2008−515765(P2008−515765A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−510416(P2005−510416)
【出願日】平成15年11月5日(2003.11.5)
【国際出願番号】PCT/DE2003/003702
【国際公開番号】WO2005/044820
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(506126255)
【Fターム(参考)】