説明

新規なスキンケア組成物

高疎水性物質と、アルカリールポリフルオロカーボン、特に置換フェニル−ポリフルオロアシルアミノプロパンアミドと、アルカノールと、実質的な均質性をもたらすに十分な量の精製油および油のトリグリセリド留分とを含むスキンケア組成物を提供する。多毛症に使用する場合、選択的に酸化防止剤および保湿剤を加える。シワに対する使用に関しては、追加のビタミン、酸化防止剤、および天然物質の抽出物の混合物が存在する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2005年9月1日出願の米国仮特許出願第60/713,882号の優先権を主張し、その仮特許出願の全てを参照して本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、政府の支援を受けてなされたものではない。
【0003】
配列表、コンピュータプログラム、またはコンパクトディスクへの言及は、無い。
【0004】
本発明の分野は、化粧品組成物、特には皮膚のホルモン失調にかかわるスキンケアに関する。
【背景技術】
【0005】
哺乳類の皮膚、並びにシワや毛髪の成長および喪失のような関連特性は、ホルモン、並びにホルモンのレベルおよび比率に対する個々の皮膚反応性に著しく影響され、そして皮膚およびその関連特性の治療に多大な関心があるので、緩和剤および治療剤として多数の治療の報告がされている。
【0006】
1.シワ取り
シワは、皮膚代謝に悪影響を与えるところの老化作用および/または有害物質への曝露および/または紫外線のような物理的因子の結果である皮膚のひ薄化および弾性の喪失に起因した皮膚のひだおよびシワである。シワは病状ではなく、そしてシワを治療するのに用いる物質が全身的に再吸収されず、且つ全身的に活性でない限りは、製剤は化粧品の分野に分類される。
【0007】
非外科的なシワ取りまたは除去用の発明に対しては多くの要求があるが、かかる要求に対応する系統的な研究はわずかしかない。種々の物質を含有する多量の顔用クリームが市販されており、その多くは有効性のレベルで効果がないか、或いは副作用を誘発する。従って、局所ビタミンC、トレチノインまたはイソトレチノインは、老化および光損傷により生じたシワを一時的に改善するが、かなりの刺激の発生率を有することが知られている。神経筋接合部を遮断する物質による美容目的での筋繊維の不全麻痺の誘発は、生理学的に許容できず、特有の毒性を有する。
【0008】
ヒト由来のエストロゲンの局所的および/または全身的な使用が、皮膚のコラーゲン含有量を増加して皮膚の厚みを増大し、並びに直接シワの深さを低減する皮膚のムコ多糖体の濃度を増加させるとして提示されている。しかしながら、皮膚の老化の兆候を低減するという唯一の目的のために哺乳類のエストロゲンを全身的に投与することは、医学的に防御可能でない。皮膚科医は、局所エストリオールおよび17−β−エストラジオールを研究し、そしてシワ深度の低減および増加した水和作用を発見したのみならず、程度にかかわらず全身吸収がプロラクチンの生成をもたらすことも発見した(シュミット(Schmidt)他、1996年、インターナショナル ジャーナル デルマトール(Int J Dermatol)、第35巻、第9号、p.669-74)。従って、皮膚再生用の局所哺乳類エストロゲンは、効果的であるが、化粧品としての資格を得ることができず、また化粧用クリームにおいて認可されない。フラボノイドとして種々の植物で見出されるある種の植物性エストロゲン、特にイソフラボンが、哺乳類エストロゲンより更に低い効果を有するとして示されている。しかしながら、局所使用において、これらは全身的に再吸収されない(バイエル&ケイル(Bayerl and Keil)、2002年、アクト デルマトール(Akt Dermatol)、第28巻、p.14−8)。
【0009】
化粧品には、酸化防止剤、酵素、植物性エストロゲン、皮膚軟化剤、保湿剤等のような異なる成分の多くの組み合わせがある。皮膚を保護し、シワの形成を低減する能力は、組成およびその成分に伴い変化する。
【0010】
従って、シワの発生を低減し、例えば紅斑、浮腫または刺激のような副作用が最小限または無く、皮膚に塗布した際に全身的に再吸収されず、且つ皮膚の色に変化を起こさず、例えば塗布した時に実質的に透明である安全で効果的な化粧品が必要とされている。
【0011】
2.女性の顔の発毛(突発性多毛症)に作用する組成物
女性の約8%が突発性多毛症(IH)、すなわち潜在する全身内分泌病変(systemic endocrine pathology)なしの過度の男性類似パターンの発毛を患っている。IHは、毛包アンドロゲン受容体のアンドロゲンに対するより高い感度、またはより高い皮膚のアンドロゲン濃度により特徴付けられる。IHは、特に黒い過度の顔の毛が目に見え、心理的苦悩をもたらすから、化粧品分野において高アンドロゲン症候群と見なされている。
【0012】
最新の治療法は、シェービング、脱毛、むだ毛処理、プラッキング、レーザー、超短パルス光および/または電気分解治療を含む機械的除去と組み合わせた局所的および/または全身的薬物療法である。IHが同時に起こったのときのみ、胃腸への副作用としばしば関連していることを知られているメトホルミン、主に抗糖尿病薬治療が必要とされる。
【0013】
アンドロゲン標的薬は、テストステロンのジヒドロテストステロンへの5−αレダクターゼ変換(フィナステライドによる)抑制またはアンドロゲン受容体の遮断のような男性ホルモン合成の抑制により女性のIHを改善する。フィナステライドおよび抗アンドロゲン物質は、男児胎児の女性化を引き起こすとして、出産可能年齢の女性において禁忌である。酢酸シプロテロン(CPA)、すなわち抗アンドロゲン特性を有する黄体ホルモン薬は、高血圧、血栓塞栓症、糖尿病、高コレステロール血症および子宮内膜癌の危険性をもたらす。局所使用のためのステロイド構造の抗アンドロゲン物質が、近年刊行された(ラブリー(Labrie)他、参照)。フルタミドまたはビカルタミドのようなアンドロゲン受容体の非ステロイド系遮断薬は、アンドロゲン結合を阻止する。男性アンドロゲン性脱毛症において局所的に試験した時に、非ステロイド系遮断薬は実質的に全身的に再吸収されると証明され、これらはIH治療に認可されなかった。抗アンドロゲン物質RU58841およびRU56187、すなわちN−置換アリールヒダントインまたはチオヒダントインが局所的に試験されたにもかかわらず、それらは強抗アンドロゲンの一般的な代謝産物へと全身的に変換された。局所エフロルニチンは、オルニチンデカルボキシラーゼ、ひいてはオルニチンのプトレッシンへの変換を抑制し、毛の発育の成長期を調整する。
【0014】
ピンセットでの引き抜きよる機械的脱毛、および脱毛薬は、濃く、粗い毛の成長を刺激し、次の治療をより困難にし、そして時々毛嚢炎および外傷を毛幹と皮膚とに誘発することにより、IHを潜在的に悪化させ得る。
【0015】
IHを病状と見なすことができるが、IHを治療するのに用いる物質が全身的に活性となるように体内に皮膚再吸収されない限りは、製剤は化粧品の分野に入る。全身的に吸収されず、毛の直径、色彩、および成長速度を低減し、そして皮膚の外観を変えない局所化粧品組成物は、不要の体毛を患う女性にとって有利になる。
【0016】
シワに関し、天然抽出物およびその留分の利用が、化粧品における広範な用途を見出されている:レスベラトロル、国際公開第04/026,222号、第01/30314号パンフレット、グリシン・ソヤ、米国特許出願第2004/0191350号、第2005/0048105号、第2005/0112153号、ブドウ種子油、国際公開第01/17495号パンフレット、ボスヴェリア・セラータ、米国特許出願第2005/01213559号および国際公開第00/0578393号パンフレット、並びにココス・ヌシフェラ、米国特許第6,551,656号。フルーリディルは、皮膚受容体に対する効果が望ましい様々な状態に有用な製剤中にすでに使用されている(参照して本明細書に特に組み込む米国特許第6,184,249号、ソーバック(Sovak)他、国際公開第01/58854号パンフレット;2002年、デルマトールサージ(Dermatol Surg)、第28巻、p.678−85;セリグソン(Seligson)他、2003年、ドラッグディベロップメントリサーチ(Drug Dev Res)、第59巻、p.292−306)。
【0017】
シワ治療に関する興味のある参考文献は、米国特許第5,889,054号、第6,139,829号、および第1,180,133号を含む。ホルモン補充の議論が、サートル(Sator)他、2004年、エキスパートデルマトール(Exp Dermatol)第13巻、付録4、p.36−40に見出される。
【0018】
IHに関し、グットハートH.(Goodheart H.)、“多毛症:発症および病因(Hirsutism: Pathogenesis and Causes)”女性の健康プリマケア(Women’s health Prim Care)、2000年、第3巻、p.329−37;アジズR.(Azziz R.)、“多毛症の評価および取り扱い(The evaluation and management of hirsutism,)”、オブステットジネコール(Obstet Gynecol)、2003年、第101巻、p.995−1007;シェネンベルガーD(Shenenberger D)、ウーテクトL.(Utecht L.)、“不要な顔の毛の除去(Removal of unwanted facial hair,)”、アメリカンファーマフィジシャン(Am Fαm Physician)、2002年、第66巻、p.1907−11;およびダウバーR.P.(Dawber R. P.)、“多毛症の取り扱いに関する手引き(Guidance for the management of hirsutism,)”近代医学調査および評価(Current Medical Research and Opinion)、2005年、第21巻、p.1227−1234(8)を参照されたい。また、D.コウスティーベルリン(D. Cousty-Berlin)他、“ラット中での新規な非ステロイド系抗アンドロゲン物質の予備薬物動態および代謝作用:一般的な代謝産物の形成に対するその全身活性の関係(Preliminary Pharmacokinetics and Metabolism of Novel Non-steroidal Antiandrogens in the Rat: Relation of their Systemic Activity to the Formation of a Common Metabolite,)”、ステロイドバイオケミカルモレキュールバイオロジー(Steroid Biochem Molec Biol)、1994年、第51巻、p.47−55、およびラブリー(Labrie)他、“局所抗アンドロゲンステロイド(Topical antiandrogenic steroids,)”、米国2004/0224935、2004年、11月11日も参照のこと。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0019】
ホルモン関連特性の治療のために皮膚に塗布用の化粧品は、アルカリールポリフルオロカーボン、特に置換フェニル、パーフルオロアシルアミノ−プロパンアミドを含む置換高疎水性物質を、賦形剤としての生理学的に許容可能な低級アルカノールと共に、上記特定の特性を治療するのに関連した可溶添加物、特に精製植物油およびその由来トリグリセリド留分と併せて使用する。多毛症の女性の顔の毛を低減または除去するためのフェイシャルケア化粧品およびその使用は、選択的に保湿剤を用いる。シワ取り用のフェイシャルケア化粧品およびその使用は、上記に加え、天然抽出物またはその留分と、選択的に従来の添加剤、特に酸化防止剤との混合物を用いる。
【発明の効果】
【0020】
製剤は、局所的に塗布され、迅速に皮膚に再吸収されてシワおよび/または多毛症の低減をもたらす、実質的に透明な刺激性のない液体である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
フェイシャルケア化粧品が提供される。それらの組成物は、有効量のアルカリールポリフルオロカーボン、特に置換フェニル、パーフルオロアシルアミノプロパンアミドからなる高疎水性物質を、補助的な利点および溶解度をもたらす他の成分、低級アルカノールおよび少なくとも一つの精製油、その留分と、任意に酸化防止剤と併せて含有する(有効量とは、治療効果をもたらすに十分な量を意味する)。賦形剤は、多量の少なくとも一種の精製植物油および油のトリグリセリド留分と、少量の2〜3個の炭素原子からなる生理学的に許容可能なアルカノールとを備える。精製油およびそのトリグリセリド留分は、顔用化粧品中に多量に、一般的には少なくとも約50重量%、より一般的には少なくとも約60重量%、そして最大で約95重量%存在する。精製油は、ブドウ種子、菜種、大豆油のような植物油でも良く、ココス・ヌシフェラ(C6−10のトリグリセリド)および/またはグリシン・ソヤ(大豆油、中鎖トリグリセリド)の油の留分の少なくとも一つでも良い。シワ取りに関して、組成物は、植物天然抽出物若しくはその留分の少なくとも一つ、通常はその組み合わせ、または合成の組成物同等物、少なくとも一つの酸化防止剤、ただし二つ以上の酸化防止剤の混合物、例えばビタミン類、および必要に応じて他の添加物を含む。顔の毛を減少するために、酸化防止剤は通常トコフェロールであり、そして保湿剤を任意に含む。
【0022】
製剤は、少なくとも実質的に均質である。これらは、刺激を生じない実質的に透明な液体として皮膚に容易に塗布される。該組成物は、繰り返して安全に使用できる。これら製剤は、全身的に再吸収されない。使用するアルカリールポリフルオロカーボン化合物は、置換フェニル、パーフルオロアシルアミノプロパンアミドであるのが好ましい。フェニル置換基の大部分は、4−ニトロ−3−トリフルオロメチルである。特に関心のある化合物は、4−ニトロ−3−トリフルオロメチルフェニル置換パーフルオロアシルアミノプロパンアミドであって、パーフルオロアシル基は2〜3個の炭素原子であり、そしてプロパンアミド基は2位の炭素原子においてヒドロキシルおよびメチルの少なくとも一つで置換されている。
【0023】
特に関心のある化合物は、上記参照した米国特許第6,184,249号および第6,472,415号にも記載されている。特に、これら化合物は、2−ヒドロキシル、2−メチルプロピオニルおよびポリフルオロアミド基を備える置換フェニルアラニンを含む。これらの化合物は、一般式:
【化1】

[式中のXは、ニトロ基(NO)、シアノ基(CN)、またはハロゲン元素、好ましくはF、ClおよびBr、より好ましくはフッ素および塩素、最も好ましくはフッ素であり;Vは、一般式CX(式中、Xはハロゲン元素、好ましくはF、ClおよびBr、より好ましくはフッ素および塩素である)であり、そしてVは、最も好ましくはCFであり;Zは、一般式(CFCF(式中、nは、0〜9、好ましくは0〜5、最も好ましくは0〜2である)である。]のものを含む。これらの化合物は、特にアンドロゲン受容体と結合し、またホルモン受容体、好ましくは皮膚中のホルモン受容体(例えば、アンドロゲン受容体)を遮断する活性を有し、細胞表面上のアンドロゲン受容体を減少し、そして局所的に塗布した際に低い全身再吸収であるが、局所的に活性である。
【0024】
かかる化合物は、一つ以上の立体異性中心を有しても、有さなくても良い。該化合物をラセミ化合物の混合物として使用することができ、またはその光学異性体に分離して光学異性体として使用しても良い。
【0025】
対象化合物は、特定の処理を特定の側基に基づき変更した従来の手法により製造することができる。適当な合成方法は、セリグソン(Seligson)他、ドラッグディベロップメントリサーチ(Drug Dev Res)、第59巻、p.292−306に記載されている。
【0026】
シワ取り用の対象組成物は、有効量の種々の生理学的に許容可能な天然抽出物またはその留分を用い、ここで該組成物は皮膚に対する有益な効果を有し、および/または実質的に均一な組成物の提供を果たすことができる。使用する抽出物は、日本タデ、フランキンセンス、アブラナ科オリフェラ(Brassica olifera)(カブ、菜種)およびグリシン・ソヤ留分のような植物油の非けん化性留分を植物性エストロゲンの供給物として含む。加えて、合成または天然のフリーラジカル捕捉剤、特に抗酸化ビタミン、ビタミンAおよびEを使用する。
【0027】
多毛症用の保湿剤は、少なくとも約18個の炭素原子で、最大で40個の炭素原子を有する高分子量の脂肪酸エステルを含む。種々の種類に分類される様々なタイプの保湿剤を使用できる。閉塞性成分(occlusive ingredient)は、ペトロラタム、鉱物油、パラフィン、スクアレン、植物性脂肪(ココアバター)、動物性脂肪(ラノリン)、ラノリン酸、ステアリン酸、ラノリンアルコール、セチルアルコール、リン脂質、シリコーン等を含む。保湿剤は、グリセリン、プロピレングリコール、尿素、乳酸ナトリウム、ソルビトール、ピロリドンカルボン酸等を含む。皮膚軟化剤は、オクチルドデカノール、ヘキシルドデカノール、オレイルアルコール、オレイン酸オレイル、オクチルステアレート、PEG−7、グリセロールココエート、ミリスチルミリステート、イソプロピルミリステート、ステアリルイソノナノエート、イソプロピルパルミテート、またはイソプロピルステアレートを含む。
【0028】
また、生理学的に許容可能な防腐防黴剤を組成物中に主として貯蔵目的で用いて、感受性成分、例えばBHT、BHA(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソールおよび2−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソールの異性体の混合物)、TBHQ(tert−ブチルヒドロキノン)、エトキシキン(6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン)、プロピルガラート(没食子酸、プロピルエステル)、トコフェロール、ローズマリー抽出物等の酸化を抑制することができる。
【0029】
程度を変更するために、これらの組成物の目的に関して実質的に同一の特性を有する他の物質が、使用された特定の組成物の代わりとなり得る。これらの成分は、皮膚の改善、特にシワまたは頭毛を除く全ての毛の減少をもたらすのに有効な量で使用される。
【0030】
下記表1は、スキンケア組成物における材料の区分と範囲を示す。
【0031】
【表1】

【0032】
下記表2は、多毛症低減組成物における材料の区分と範囲を示す。
【0033】
【表2】

【0034】
対象組成物は、多様な手順および添加の順序を用いて調製できる。シワ取り組成物に関しては、好都合なことに、第1混合物(A)を約50〜80℃の範囲、好ましくは60℃まで加熱した極性溶媒中で調製し、これに天然抽出成分、例えばレスベラトロルに続いてオリバナム抽出物を連続的に添加し、溶解するまで撹拌する。この混合物を完全に均質になるまで撹拌し、そして蓄えておく。穏やかに上昇する温度、通常は約35〜50℃の範囲で撹拌したココス・ヌシフェラ油のトリグリセリド留分(精製済)にフェニル−パーフルオロアシルアミノプロパンアミドを添加し、そして該混合物を均質になるのに十分な時間、通常20分間撹拌する。次に、この混合物に、植物油および酸化防止作用のある防腐防黴剤、続いてビタミンを添加する。混合物を均質と見なせるまで撹拌した後、予め調製した混合物(A)を撹拌しながら滴下し、室温以下で遮光容器中に貯蔵できる濃縮物を調製する。
【0035】
多毛症用の組成物に関しては、フェニル−パーフルオロアシルアミノプロパンアミドを極性溶媒に添加し、そして混合物を均質になるに十分な時間、通常約20分間撹拌する。次に、この混合物に、植物油およびそのトリグリセリド留分、必要に応じて酸化防止作用のある防腐防黴剤、続いて任意に酸化防止剤、例えばトコフェロールを添加する。もし保湿剤を望む場合、これを攪拌しながら緩徐に添加、例えば滴下して、室温以下で遮光容器中に貯蔵できる最終混合物を調製する。
【0036】
全ての成分より少ない成分を有する様々な前駆体組成物を調製し、次に残りの成分を添加することができる。
【0037】
他の製剤は除外して、対象製剤は通常、少なくとも実質的にヒドロキシ酸を含まず、またシワ組成物の場合には、他の化粧用組成物での用途で見出されたモノカルボン酸エステルも含まない。
【0038】
抽出物若しくはその留分、または既知の活性成分を使用できる。経済的理由で、天然供給源または合成から得られる実質的に純粋な形成物よりもむしろ天然抽出物を活性成分の供給源として使用することが通常好ましい。活性成分が既知の場合、抽出物の使用形態は少なくとも約50重量%の活性成分を有し、そして70重量%以上であっても良い。異なる供給源から得た同等物の組成物は、少なくとも約50%、通常は少なくとも約70%の天然抽出物またはその留分の主成分の個体または混合物を有する。
【0039】
フェニル−ポリフルオロアシルアミノプロパンアミドは、米国特許第6,184,249号に記載されている。使用し得る活性化合物は、皮膚のアンドロゲン受容体に作用するが、感知できるほど全身的に再吸収されない物質である。かかる化合物は、2−ヒドロキシ−2−メチル−N−[4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)プロパンアミド(フルーリディル)により例示される。
【0040】
日本タデの抽出物の場合、該抽出物は通常少なくとも約90%のtrans−レスベラトロル(CAS番号:[501-36-0]、3,4’、5−トリヒドロキシ−trans−スチルベン、グリコン(ピセイド類)として)を有する。少なくとも実質的に当量のレスベラトロルを供給する他の全てのレスベラトロル供給源を使用することができる。合成的に調製されたレスベラトロルも容認できる。
【0041】
フランキンセンス、ボスヴェリア・セラータの抽出物は、約60〜70%のトリテルペンを有するテルペノイド混合物であり、その大部分がボスウェル酸類であり、その少なくとも10〜30%(重量/重量)がβ−ボスウェル酸、5〜20%(重量/重量)がアセチル−β−ボスウェル酸、5〜20%(重量/重量)が11−ケト−β−ボスウェル酸、そして5〜20%(重量/重量)がアセチル−11−ケト−β−ボスウェル酸(CAS番号[8050-07-5])である。これら抽出物は、食品サプリメントや、多数の成功の事例報告と共に多種多様な適応症の文献で報告されている化粧品において、広範な用途を見出されている。
【0042】
植物性エストロゲンは、植物油、菜種(アブラナ属)および/またはソヤ(グリシン・ソヤ)から生成された留分として既に市販されている。対象製剤において、適当な植物油の不けん化留分(CAS番号[91770-67-1])が、植物性エストロゲンの供給源として使用され、そして実質的にエステルを含まない。
【0043】
ブドウ種子油(ヴィティス・ヴィニヘラ)または大豆油は、主として、主成分としてリノール酸およびオレイン酸(>80%)を有する飽和および不飽和脂肪酸の混合物である。これらの酸は、他の成分または合成的に調製した混合物とは独立して用いることができる。これらは、精製された状態で使用される。
【0044】
ココナッツ油(ココス・ヌシフェラ)は、主として中鎖トリグリセリドを提供し、この場合酸が主にC6−10の飽和脂肪酸、特にカプリル酸およびカプリン酸(CAS番号[73398-61-5])である。これは、精製された状態で使用される。
【0045】
化粧品製剤で従来見出されている様々な酸化防止剤を使用することができる。市販されている形態のビタミンAおよびEは、皮膚に有益な生理的影響をもたらすと知られているから好ましいが、他の酸化防止剤、例えばフェノール性ヒドロキシ官能基を有する化合物、アスコルビン酸およびその誘導体/エステル;ベータカロテン;カテキン;クルクミン;フェルラ酸誘導体(例えばエチルフェルレートまたはナトリウムフェルラート);没食子酸誘導体(例えばプロピルガレート)、リコピン;還元酸;ロスマリン酸;タンニン酸;テトラヒドロクルクミン;トコフェロール誘導体;尿酸;またはその混合物も使用することができる。他の適当な酸化防止剤は、グルタチオン、リポ酸、チオグリコール酸および他のスルフヒドリル化合物のような還元または非還元形態で一つ以上のチオール(−SH)官能基を有するものである。酸化防止剤は、亜硫酸水素塩、メタ重亜硫酸塩、亜硫酸塩、または他の無機塩および硫黄含有酸のような無機物でも良い。これら酸化防止剤は、ビタミンおよび酸化防止作用のある防腐防黴剤の部分的または完全な代替品で使用でき、そしてビタミンに関しては、仮にあったとしても通常部分的で、一般にはビタミンに適用される量の50%未満、通常ビタミンに適用される30%未満で存在し、一般には最大約2部、より通常は多くて約1部存在する一方、酸化防止作用のある防腐防黴剤に関しては、それらは完全な代替品として使用できる。
【0046】
2〜3個の炭素原子のアルカノール、例えばエタノール、プロピレングリコールおよびイソプロパノールを、特に後者は製剤に少なくとも実質的な均質性をもたらす量で使用する。
【0047】
また、防腐防黴剤が通常少量含まれ、通常約3種の異なる防腐防黴剤より多くない。上述した酸化防止剤は、防腐防黴剤として作用する場合がある。より慣習的に、BHT、BHA、TBHQ、エトキシキン、プロピルガレートおよびローズマリー抽出物を使用する。
【0048】
本発明の特に重要な態様は、実施例の項に記載したような好ましい製剤である。成分組み合わせは、美容上許容可能な媒体に全ての物質を溶解できるように配合する。いくつかの成分、特にボスヴェリア・セラータの抽出物並びに日本タデの抽出物は、慣習的な系に著しく不溶性である。上記組み合わせは、中鎖トリグリセリド類(カプリル/カプリン酸トリグリセリド)の対象混合物中で精製ブドウ種子油の留分および必要最低限量(10%未満)の消毒用アルコール(イソプロパノール)の添加で均質溶液を形成する。
【0049】
生成した混合物は、油状外観の粘性液体であり、それでも局所的な塗布後には短時間で皮膚上で目に見えなくなり、皮膚表面は油っぽくなく、そして全体的な効果が高い皮膚柔軟性および滑らかさである。
【0050】
上記列挙した成分に加え、特定の目的のために含める他の添加剤もある。これら添加剤およびアジュバントは、美容、薬学、または皮膚科学の分野において常用のもので、例えば親水性または脂溶性ゲル化剤、親水性または脂溶性活性剤、溶媒、香料、フィラー、殺菌剤、臭気吸収材、および染料または着色剤である。これら種々の添加剤およびアジュバントの量は、当該分野において常用のもので、例えば組成物の総重量の0.01%〜10%の範囲である。
【0051】
使用できる乳化剤は、グリセリルステアレート、ポリソルベート60、PEG−6/PEG−32/グリコールステアレート混合物等を含む。
【0052】
親水性ゲル化剤は、カルボキシビニルポリマー(カルボマー)、アクリレート/アルキルアクリレートコポリマーのようなアクリルコポリマー、ポリアクリルアミド、ヒドロキシプロピルセルロースのような多糖類、天然ゴムおよび粘土を含み、また脂溶性ゲル化剤の代表例は、ベントナイトのような改質粘土、ステアリン酸アルミニウムおよび疎水性シリカのような脂肪酸金属塩、またはエチルセルロースおよびポリエチレンである。
【0053】
適当な脂肪アルコールおよび酸は、10〜20個の炭素原子を有するそれらの化合物を含む。特に好ましいのは、例えばセチル、ミリスチル、パルミチンおよびステアリル酸およびアルコール等のような化合物である。ポリオール類のうち、皮膚軟化剤として作用し得るものは、直鎖および分鎖アルキルポリヒドロキシル化合物である。例えば、プロプレングリコール、ソルビトール、およびグリセリンが好ましい。また、ポリプロピレングリコールおよびポリエチレングリコールのような高分子ポリオールも有用である。ブチレンおよびプロピレングリコールも有用である。
【0054】
皮膚軟化剤として作用し得る炭化水素の例は、12〜30個の炭素原子の炭化水素鎖をどこかに有するものである。特定の例は、鉱物油、石油ゼリー、スクアレンおよびイソパラフィンを含む。
【0055】
本発明の化粧品組成物中の機能性成分の他の種類は、増粘剤である。増粘剤は通常、組成物の0.1〜20重量%、好ましくは約0.5重量%〜10重量%の量で存在する。増粘剤の例は、カルボポール(Carbopol)の商標で市販されている架橋ポリアクリレート材料である。キサンタン、カラギナン、ゼラチン、カラヤ、ペクチンおよびローカストビーンゴムのようなゴムを使用することができる。特定の状況下において、増粘作用はシリコーンまたは皮膚軟化剤として作用する材料により達成することができる。例えば、10センチストークスを超過したシリコーンゴムと、グリセロールステアレートのようなエステルとは、二官能性を有する。
【0056】
粉体を本発明の化粧品組成物に組み込むことができる。かかる粉体は、チョーク、タルク、カオリン、でんぷん、スメクタイト粘土、化学的に変性したケイ酸アルミニウム・マグネシウム、有機的に変性したモンモリロナイト粘土、水和ケイ酸アルミニウム、ヒュームドシリカ、アルミニウムスターチオクテニル琥珀酸エステル、およびその混合物を含む。
【0057】
他の微量付加的成分も化粧品組成物に組み込むことができる。かかる成分は、着色剤、乳白剤および香料とすることができる。かかる他の微量付加的成分の量は、組成物の0.001重量%から20重量%の範囲とすることができる。
【0058】
対象組成物は、入射光線に対して不透明とすることで光から保護され、且つ隙間に存在する酸素を最小化するように密閉された容器中に貯蔵される。組成物の化粧品性質の観点から、容器は魅力的にされ、様々な形状を有し、そして種々のサイズで提供される。対象組成物は、必要に応じて他の皮膚製剤と併せて供給しても良い。好ましい対象組成物は、皮膚に塗布した際に透明な液体であるとして特徴付けられる。これらは、脈管系において検出し得る程度まで全身的に吸収されない。それらは、標準検査において非常に低い急性刺激の可能性も有さないことが見出され、また、人間または他の哺乳類に対して安全である。それらは、様々な有機体に対する抗菌作用を有し、組成物中での微生物の成長を抑制する。それらは、主観および客観検査により効果的であると見出されており、保湿をもたらすとして使用者により表現され、そして評判を高めている。レーザープロフィロメトリーによる眼周囲/側頭部シワのマッピングおよび深度測定は、マイクロレリーフの深いシワの平均深度の減少、および被験者の大部分での複雑度の著しい減少により示される、皮膚のマイクロレリーフでの平滑作用を表す。
【0059】
0.1未満のp値を約50日以上もたらす被験者のグループに関し、レーザープロフィロメトリーにより測定されたシワの量は、被験者の少なくとも約60〜80、より一般的には少なくとも約70%減り、そしてシワの深さは、約8〜15%、そして最も一般的には少なくとも10%近く減る。
【0060】
実施例1の組成物を用いた臨床研究(実施例8および9の組成物は少なくとも効果的に作用すると予測されていたが)において、何れの他の治療もせずに、本明細書に記載された組成物を1日に1度患部に2mlマッサージして使用した10人の顔が毛深い女性のうち9人で、十分な菲薄化、退色、並びに顔および首の毛の成長の低減が記録された。
【0061】
以下に実施例を限定目的ではなく説明目的で示す。
【実施例】
【0062】
実施例1
新規なスキンケア化粧品製剤の代表的な組成100g
0.5g 日本タデの抽出物(最小95%trans−レスベラトロル);3,4’−トリヒドロキシ−trans−スチルベン、CAS番号:[501-36-0]
0.5g フランキンセンス(オリバナム)の抽出物−ボスヴェリア・セラータ(60〜70%トリテルペン)、CAS番号:[8050-07-5]
0.5g 植物油の抽出物、アブラナ科オリフェラ/グリシン・ソヤ(不けん化留分)、CAS番号:[91770-67-1]
3.0g ビタミンE(DL−α−トコフェロールアセテート);3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−2H−1−ベンゾピラン−6−オールアセテート、3.000IU、CAS番号:[7695-91-2]
1.2g ビタミンA(レチノールパルミテート);3,7−ジメチル−9−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)2,4,6,8−ノナテトラエン−1−オールパルミテート、2,000.000IU、CAS番号:[79-81-2]
2.0g フルーリディル、CAS番号:[260980-89-0]
0.1g BHT(ブチルヒドロキシトルエン),2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、CAS番号:[128-37-0]
5.0g 消毒用アルコール(イソプロパノール)、CAS番号:[67-63-0]
40.0g ブドウ種子の精製油、CAS番号:[8024-22-4]
47.2g 精製油(ココス・ヌシフェラ)カプリル/カプリン中鎖トリグリセリド
【0063】
実施例2
眼毒性:眼の線維芽細胞への影響
ニュートラルレッドを体外で添加したウサギの眼の線維芽細胞を、15、25、および50%濃度の製品に1分間曝した。細胞の生存を、光学密度により測定した。培地をネガティブコントロールとして扱う。50%未満のIC50が検出され、製品が、眼の粘膜に対して非常に低い毒性を有し、そして同じ分野の市販されている製品と同等であること示す。
【0064】
実施例3
抗菌性の評価
USPXXVに準じたテストは、製品に5種の菌株、つまり、黄色ブドウ球菌(S.aureus)、緑膿菌(P.aeruginosa)、エシュリキアコリ菌(E.coli)、カンジタアルビカンス菌(C.albicans)、およびアスペルギルスニガー菌(A.niger)を接種し、20℃で培養すると共に7、14、21、および28日目に計数することに基づく。製品の抗菌(“保存”)効果は、14日目に細菌数(濃度CFU/gで測定)が少なくとも対数で2(2 logs)減少し、そして続く14日で減少し続け、または開始時の数(カウント)と等しい状態のままでいる場合に、陽性とみなす。酵母菌/糸状菌に関しては、14日目および28日目でのカウントは、初期のカウントと比較して同一または低くなければならない。
【0065】
【表3】

【0066】
従って、製品は、効果的に細菌および真菌の繁殖不能性を維持するとして、USPXXV基準を満たす。
【0067】
実施例4
生体外での突然変異判定
試験は、遅滞染色体またはその断片を含有する小核の形成を誘起し得る細胞遺伝学的損傷を検出する基準である。このため、SKH−1マウスの3つのグループ(0.5、1.5、および4.5ml/kg、グループ毎に5匹の雄と5匹の雌)に、28日間にわたり1日に1度、製剤を局所的に投与する。最後の投与後36および48時間で抹消血を採取し、そして網状赤血球を、染色後の小核の存在または非存在に関して分析した。
【0068】
小核多染性赤血球の頻度の増加は検出されず、従って製品を非変異原性と判断する。
【0069】
実施例5
志願者での48時間のシングルパッチテスト
シワを対象とした組成物を、11人の成人志願者での一般試験として、48時間の半閉塞パッチ下での肩の部分の皮膚への単独使用の後に評価した。紅斑+浮腫の検出を目的とした観察を、基準:[M.I.I.<0.20は無刺激性(NI);0.20−M.I.I.<0.50は低刺激性(SI);0.50−M.I.I.<1は中刺激性(MI);M.I.I.≧1は刺激性(I)]に準じて化粧品を順位付けするための基準式によって急性刺激指数(M.I.I.)を算出するために用いた。
【0070】
製品は、無刺激性(NI)に分類された。
【0071】
実施例6
志願者での28日および56日後の安全性並びに有効性
24人の志願者の0、28、56日目において、
a.皮膚の安全性を、例えば紅斑、浮腫、およびじんましん等の刺激の兆候を検出することを目的とした皮膚科医による臨床試験により評価した。顕著な所見は報告されなかった。
b.最大または平均の深さ、複雑度、量、および等方性を決定するために、予め定めた皮膚領域およびそのシワにレーザープロフィロメトリーを実施した。シワの幾何学的パラメータおよび広範な皮膚領域のマイクロレリーフを評価するために、表面接触無しに動作する精密キャプター(captor)を用いた。
【0072】
データは、表面の複雑度(または%表示でのシワの視覚影響)、−シワの最大深度(mm)、−シワの量(mm)からなり、そしてp≦0.05の有意限界を有する二点t-検定で解析された。
【0073】
結果を下記表4にまとめた。
【0074】
【表4】

【0075】
結論として、製品は、28日および56日後にシワを低減する明確な傾向を示す。客観的所見は、志願者の主観的報告に沿っている。
【0076】
実施例7
100gのシワ取り組成物の調製
60℃のプロパン−2−オール5.0gに、タデの抽出物(90〜95%レスベラトロルグリコン)、CAS番号:[501-36-0]0.5gを添加し、溶解するまで撹拌し、次に、オリバナム抽出物0.5gを添加して溶解し、そして溶液を取り置く(溶液A)。
【0077】
40℃のココナッツ油の中鎖トリグリセリド留分47.2gに、フルーリディル(CAS番号:[260980-89-0])2.0gを添加し、20分間撹拌した。植物油抽出物(不けん化留分)0.5gとBHT0.1gとを添加し、続いてビタミンE3.0gとビタミンA1.2gとを添加する。混合物を均質になるまで撹拌し、次に撹拌下で溶液Aを滴下する。生成した溶液は、窒素雰囲気下密閉した遮光容器中に最大15℃で便利に保存できる貯蔵濃縮物として機能する。
【0078】
貯蔵濃縮物にブトウ種子油40gを添加することにより最終製剤を調製して100gの“ケア(CARE):顔用溶液”製品を製造する。
【0079】
シワ取り組成物の実施例は下記の通りである。
【0080】
実施例8
多毛症に適用可能な代表的な組成物100g
1.0g オレイン酸オレイル(オクタデカ−9−エン酸オクタデカ−9−エニルエステル)、CAS番号:[3687-45-4]
3.0g ビタミンE(DL−α−トコフェロールアセテート);3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−2H−1−ベンゾピラン−6−オールアセテート、3.000IU、CAS番号:[7695-91-2]
2.0g フルーリディル、CAS番号:[260980-89-0]
5.0g 消毒用アルコール(イソプロパノール)、CAS番号:[67-63-0]
41.5g 大豆油、CAS番号:[8001-22-7]
47.5g 精製油(ココス・ヌシフェラ)カプリル/カプリン中鎖トリグリセリド
フルーリディル以外の全ての品目は、FDA“認可された製剤の添加物データベース(Inactive Ingredients Database for Approved Drug Products)”に列挙されている(http://www.accessdata.fda.gov/scripts/cder/iig/index.cfm)。
【0081】
実施例9
多毛症に適用可能な代表的な化粧品油の組成物100g
2.0g フルーリディル、CAS番号:[260980-89-0]
6.0g 消毒用アルコール(イソプロパノール)、CAS番号:[67-63-0]
42.0g 大豆油、CAS番号:[8001-22-7]
50.0g 精製油(ココス・ヌシフェラ)カプリル/カプリン中鎖トリグリセリド
フルーリディル以外の全ての品目は、FDA“認可された製剤の添加物データベース”に列挙されている(http://www.accessdata.fda.gov/scripts/cder/iig/index.cfm)。
【0082】
実施例10
臨床の多毛症で試験した皮膚組成物
顔面多毛症の20〜68歳の女性が、チェコ共和国、オロモウツにあるパラツキー大学病院の皮膚科学科に入院した。0日目に、血清中総テストステロンおよび性ホルモン結合グロブリン(SHBG)のために患部の写真記録および血液サンプルを採取する。被験者に、毎日夕方に2mlの製品を患部(必要に応じて、上唇、あご)全体に薄層のように塗布するように指示した。90日目において、ホルモンパラメータに変化は無く、そして別々に画像を評価した二人の皮膚科医が、9人の被験者で、毛の成長、着色、および直径が大幅に低減したと結論付けた。局所的または全身的な副作用は無かった。
【0083】
対象組成物が改良されたスキンケアを提供することは、上記結果から明白である。組成物は、シワ、並びに老化、日光、および喫煙を含む毒性物質による損害を低減するように機能し、そして不要の顔の毛の成長を低減する。組成物は安全で、人間にとって許容できることが示されている成分を用いている。疎水性および親水性物質の混合物を使用しているにもかかわらず、容易に皮膚に塗布できて透明な層をもたらす、実質的に均一な混合物が得られる。対象組成物は、皮膚への刺激、または皮膚への損傷なしに繰返し使用できる。
【0084】
各個別の刊行物または特許出願が明確且つ個別に示されて参照により組み込まれるように、本明細書で引用した全ての刊行物および特許出願を、参照して本明細書に組み込む。
【0085】
上述の発明は、理解の明瞭化を目的として説明および例示のために少し詳しく記載されているが、添付した特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなく、本発明の示唆を考慮して一定の変更および改良を加えることを、当業者は容易に理解する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シワまたは多毛症の局所治療用の美容上許容できる成分からなるスキンケア組成物であって、
パーフルオロアシル基が2〜3個の炭素原子であり、且つプロパンアミド基が2位の炭素原子においてヒドロキシルおよびメチルの少なくとも一つで置換されているところの有効量の生理学的に許容された4−ニトロ−3−トリフルオロメチルフェニル置換パーフルオロアシルアミノプロパンアミドと、
多量の少なくとも一つの天然精製油、トリグリセリド油留分、および少なくとも実質的に均質な混合物をもたらすのに十分な2〜3個の炭素原子のアルカノールを含む賦形剤と、
有効量の少なくとも一つの生理学的に許容された酸化防止剤とを備え、
該組成物が多毛症の治療用の場合、更に選択的に保湿剤を含み、
前記組成物がシワ治療用の場合、更に少なくとも一つの天然植物抽出物またはその留分を含むことを特徴とするスキンケア組成物。
【請求項2】
前記組成物がシワの治療用であり、
日本タデ、フランキンセンス、アブラナ科オリフェラおよび/またはグリシン・ソヤの不けん化留分からなる群より選択された少なくとも3つの抽出物、その留分、または合成した同等物の混合物を含む請求項1に記載のスキンケア組成物。
【請求項3】
ブドウ種子およびココス・ヌシフェラの精製油が存在する請求項2に記載のスキンケア組成物。
【請求項4】
前記酸化防止剤がビタミンである請求項2に記載のスキンケア組成物。
【請求項5】
前記アルカノールがイソプロパノールである請求項2に記載のスキンケア組成物。
【請求項6】
前記組成物が多毛症の治療用であり、
グリシン・ソヤおよびココス・ヌシフェラの精製油を含む請求項1に記載のスキンケア組成物。
【請求項7】
0.5〜5重量部の2−ヒドロキシ−2−メチル−N−[4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)プロパンアミドと、
合計で0.5〜5重量部の日本タデ、フランキンセンス、並びにアブラナ科オリフェラおよび/またはグリシン・ソヤの不けん化留分からなる群より選択した天然抽出物と、
50〜95重量部のブドウ種子および/またはココス・ヌシフェラの精製油と、
2〜10重量部の酸化防止剤と、
2.5〜10重量部の実質的に均質な混合物をもたらすに十分な量の2〜3個の炭素原子のアルカノールとを備える美容上許容できる成分の化粧品皮膚組成物。
【請求項8】
前記酸化防止剤がビタミンAおよびEである請求項7に記載の化粧品皮膚組成物。
【請求項9】
前記アルカノールがイソプロパノールである請求項7に記載の化粧品皮膚組成物。
【請求項10】
日本タデおよびフランキンセンス、並びにアブラナ科オリフェラおよびグリシン・ソヤの少なくとも一つの不けん化留分が存在する請求項7に記載の化粧品皮膚組成物。
【請求項11】
1〜4重量部の2−ヒドロキシ−2−メチル−N−[4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)プロパンアミドと、
合計で0.75〜3重量部の日本タデ、フランキンセンス、並びにアブラナ科オリフェラおよびグリシン・ソヤの少なくとも一つの不けん化留分からなる群より選択した天然抽出物と、
30〜50重量部の精製ブドウ種子油と、
0.5〜2重量部の酸化防止剤と、
3〜7.5重量部の実質的に均質な混合物をもたらすに十分な量の2〜3個の炭素原子のアルカノールとを備える美容上許容できる成分からなる化粧品皮膚組成物。
【請求項12】
0.5重量部の2−ヒドロキシ−2−メチル−N−[4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)プロパンアミドと、
0.5重量部の日本タデの抽出物と、
0.5重量部のフランキンセンスの抽出物と、
0.5重量部のアブラナ科オリフェラおよび/またはグリシン・ソヤの不けん化留分と、
40重量部のブドウ種子の精製油と、
約47重量部のココス・ヌシフェラの精製油留分(中鎖トリグリセリド)と、
1.3重量部のビタミンAと、
3重量部のビタミンEと、
5重量部のイソプロパノールとを備える化粧品皮膚組成物。
【請求項13】
0.5〜5重量部の2−ヒドロキシ−2−メチル−N−[4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)プロパンアミドと、
少なくとも80重量部のグリシン・ソヤおよび/またはココス・ヌシフェラの精製油と、
2〜10重量部の酸化防止剤と、
2.5〜10重量部の実質的に均質な混合物をもたらすに十分な量の2〜3個の炭素原子のアルカノールとを備える美容上許容できる成分からなる化粧品皮膚組成物。
【請求項14】
前記精製油が85〜95重量部で存在し、前記酸化防止剤がトコフェロールで、且つ2〜6重量部で存在し、保湿剤が有効量で存在する請求項13に記載の化粧品皮膚組成物。
【請求項15】
請求項1に記載のスキンケア組成物を皮膚へ塗布することを備えるスキンケア方法。
【請求項16】
請求項12に記載の化粧品皮膚組成物を皮膚へ塗布することを備えるスキンケア方法。
【請求項17】
請求項13に記載の化粧品皮膚組成物を皮膚へ塗布することを備えるスキンケア方法。

【公表番号】特表2009−507016(P2009−507016A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529134(P2008−529134)
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【国際出願番号】PCT/US2006/033291
【国際公開番号】WO2007/030341
【国際公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(508063990)バイオフィジカ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】