説明

新規なトリアゾロ(4,5−D)ピリミジン化合物の製造のための中間体

【課題】式(I)の新規なトリアゾロ[4,5−d]ピリミジン化合物の製造のための新規中間体化合物を提供する。


【解決手段】原料としてシクロペンテニルイミドジカーボネート誘導体を使いジエステル体としこれを塩酸で処理したのちジメトキシプロパンと加熱還流することによってジオキソール体とし、これにジイソプロプルアミンと4−ジクロロ−5−ニトロ−2−(プロピルチオ)ピリミジンとを反応させさらに亜硝酸の金属塩でジアゾ化することによって目的の中間体化合物を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なトリアゾロ[4,5−d]ピリミジン化合物、医薬としてのそれらの使用、それらを含有する組成物、およびそれらの製造方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
血小板の付着および凝集は、動脈血栓症の開始事象である。内皮下表面への血小板の付着プロセスは損傷血管壁の修復には重要な役割を果たすであろうが、これにより開始する血小板凝集は生体血管床の急激な血栓性閉塞を発生させる可能性があり、その結果、高い罹患率で心筋梗塞および不安定狭心症などの事象を生じる。これらの状態を予防または軽減するために用いられる介入処置、たとえば血栓崩壊法および血管形成術の効果も、血小板仲介による閉塞または再閉塞によって弱められる。
【0003】
多数の収束経路が血小板凝集を引き起こす。初期刺激が何であっても、最終的な共通事象は、フィブリノーゲンが膜結合部位である糖タンパク質IIb/IIIa(GPIIb/IIIa)に結合することによる、血小板の架橋である。GPIIb/IIIaに対する抗体またはアンタゴニストの抗血小板効力が高いのは、それらがこの最終的な共通事象を妨害することにより説明される。しかしこの効力は、この薬剤群について観察される出血の問題をも説明できる。トロンビンは他の経路とはほとんど無関係に血小板凝集を引き起こすことができるが、他の機序で血小板を予め活性化しなければ実質量のトロンビンは存在しないと思われる。ヒルジンなどのトロンビン阻害薬は有効性の高い抗血栓薬であるが、これらは抗血小板薬および抗凝固薬のいずれとしても機能するので、この場合も過度の出血を引き起こす可能性がある(The TIMI 9a Investigators(1994),Circulation 90,pp.1624−1630;The Global Use of Strategies to Open Occluded Coronary Arteries(GUSTO)IIa Investigators(1994),Circulation 90,pp.1631−1637;Neuhaus K.L.et al.(1994),Circulation 90,pp.1638−1642)。
【0004】
アデノシン5’−二リン酸(ADP)が血栓症の重要な仲介物質として作用することが見出された。ADPの重要な役割は、他の物質、たとえばアドレナリンおよび5−ヒドロキシトリプタミン(5HT、セロトニン)がADPの存在下でのみ凝集を生じるという事実により支持される。アスピリンの抗血栓形成効力に限界があるのは、それがADP供給源の1つ、すなわち血小板付着に伴ってトロンボキサン依存性様式で放出されるADPを遮断するにすぎないという事実を反映すると思われる(たとえばAntiplatelet Trialists’Collaboration(1994),Br.Med.J.308,pp.81−106、およびAntiplatelet Trialists’Collaboration(1994),Br.Med.J.308,pp.159−168参照)。アスピリンは、他のADP供給源、たとえば損傷細胞、または血液乱流条件下で放出されるADPにより生じる凝集には効果がない。
【発明の開示】
【0005】
ADP誘発性の血小板凝集は、血小板膜にあるP27受容体サブタイプにより仲介される。P27受容体(P2YADPまたはP2TACとしても知られる)は、主に血小板凝集/活性化の仲介に関与し、まだクローン化されていないGタンパク質結合受容体である。この受容体の薬理学的特性は、たとえば参考文献Humphries et al.,Br.J.Pharmacology(1994)113,1057−1063、およびFagura Br.J.Pharmacology(1998)124,157−164に記載されている。最近、この受容体におけるアンタゴニストが他の抗血栓薬より著しい改善をもたらすことが示された(J.Med.Chem.(1999)42,213参照)。したがって、抗血栓薬としてのP27(P2YADPまたはP2TAC)アンタゴニストをさらに見出すことが求められている。
【0006】
WO9905143には、P27(P2YADPまたはP2TAC)アンタゴニスト活性をもつ一連のトリアゾロ[4,5−d]ピリミジン化合物が総称的に開示されている。今回、WO9905143の範囲には含まれるが具体的に開示されていない特定の化合物が、高い効力と共に、予想外に高い代謝安定性および生物学的利用能を示し、したがってヒトにおいて長期的な凝集阻害のための推定療法用量において利点を示すことを見出した。
【0007】
したがって、第1態様において本発明は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物またはそのような塩の溶媒和物を提供する:
【0008】
【化4】

【0009】
式中:
1は、1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよいC3-5アルキルであり;
2は、1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいフェニル基であり;
3およびR4は、両方ともヒドロキシであり;
Rは、XOHであり、ここでXはCH2、OCH2CH2または結合であり;
ただし:
XがCH2または結合である場合、R1はプロピルではなく;
XがCH2であり、かつR1がCH2CH2CF3、ブチルまたはペンチルである場合、R2のフェニル基はフッ素で置換されていなければならず;
XがOCH2CH2であり、かつR1がプロピルである場合、R2のフェニル基はフッ素で置換されていなければならない。
【0010】
アルキル基は、単独であっても、他の基の一部であっても、直鎖および完全飽和である。
適切には、R1は1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいC3-5アルキルである。好ましくは、R1は末端炭素において3個のフッ素原子で置換されていてもよいC3-5アルキルである。より好ましくは、R1は3,3,3−トリフルオロプロピル、ブチルまたはプロピルである。
【0011】
適切には、R2はフェニル、または1個以上のフッ素原子で置換されたフェニルである。好ましくは、R2はフェニル、4−フルオロフェニルまたは3,4−ジフルオロフェニルである。
【0012】
適切には、RはXOHであり、ここでXはCH2、OCH2CH2または結合である。好ましくは、RはCH2OHまたはOCH2CH2OHである。
特に好ましい化合物には、下記のものが含まれる:
[1R−[1α,2α,3β(1R*,2S*),5β]]−3−[7−[[2−(4−フルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−5−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)チオ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−5−(ヒドロキシメチル)シクロペンタン−1,2−ジオール;
[1R−[1α,2α,3β(1R*,2S*),5β]]−3−[7−[[2−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−5−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)チオ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−5−(ヒドロキシメチル)シクロペンタン−1,2−ジオール;
[1S−[1α,2α,3β(1S*,2R*),5β]]−3−[7−[[2−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−5−[(プロピルチオ)−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−5−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロペンタン−1,2−ジオール;
[1R−[1α,2α,3β(1R*,2S*),5β]]−3−[5−(ブチルチオ)−7−[[2−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−5−(ヒドロキシメチル)シクロペンタン−1,2−ジオール;
[1S−[1α,2β,3β,4α(1S*,2R*)]]−4−[5−(ブチルチオ)−7−[[2−(4−フルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]シクロペンタン−1,2,3−トリオール;
[1S−(1α,2α,3β(1S*,2R*),5β)]−3−[7−[[2−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−5−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)チオ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−5−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロペンタン−1,2−ジオール;
[1S−[1α,2α,3β,5β(1S*,2R*)]]−3−(2−ヒドロキシエトキシ)−5−[7−(2−フェニルシクロプロピル)アミノ]−5−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)チオ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]シクロペンタン−1,2−ジオール;
[1S−[1α,2β,3β,4α(1S*,2R*)]]−4−[5−(ブチルチオ)−7−[[2−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]シクロペンタン−1,2,3−トリオール;
[1S−[1α,2α,3β(1S*,2R*),5β]]−3−[5−(ブチルチオ)−7−[(2−フェニルシクロプロピル)アミノ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−5−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロペンタン−1,2−ジオール;
およびその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物またはそのような塩の溶媒和物。
【0013】
本発明によればさらに、下記を含む、式(I)の化合物の製造方法が提供される:
(a)式(II)の化合物:
【0014】
【化5】

【0015】
[式中、R、R1、R3およびR4は式(I)に定めたもの、またはその保護された誘導体であり、あるいはR3とR4は一緒に5員環中の結合を形成し、あるいはRはCH2CH2OR’であり、ここでR’はC1-6アルキルまたはベンジルであり、Lは脱離基、たとえばハロゲンまたはSRである]を、式(III)の化合物:
【0016】
【化6】

【0017】
[式中、R2は式(I)に定めたもの、またはその保護された誘導体である]と反応させる;
あるいは、Xが結合である場合、
(b)式(IV)の化合物:
【0018】
【化7】

【0019】
[式中、R1は式(I)に定めたものであり、R8はHまたはCH2CH2OP3(P3はHまたは保護基である)であるか、あるいはR8はCH2COOR’(R’はC1-6アルキルまたはベンジルである)であり、ZはNH2または
【0020】
【化8】

【0021】
(式中、R2は式(I)に定めたものである)である]
をヒドロキシル化する;
そして(a)および(b)の両方について、所望により、次いで任意の順序で
1以上の官能基を他の官能基に変換し;
保護基があれば、それを除去し;
医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物またはそのような塩の溶媒和物を形成する。
【0022】
式(II)の化合物と式(III)のアミンを、塩基、たとえば第三級有機アミンの存在下に、不活性溶媒、たとえばジクロロメタン中、周囲温度または高められた温度で反応させることができる。他の適切な塩基には、無機塩基、たとえば炭酸カリウムが含まれる。
【0023】
ヒドロキシ基R3およびR4は基OP1およびOP2として保護することができ、ここでP1およびP2は保護基である。式(II)の化合物において適切な保護基の例は、C1-6アルキル(好ましくはメチル)、ベンジル、(C1-6アルキル)3Si(好ましくはt−ブチルジメチルシリル)、およびC(O)C1-6アルキル基、たとえばアセチルである。好ましくは2つの基P1およびP2は、それらが結合している原子と一緒にアルキリデン環、たとえばメチリデン環またはイソプロピリデン環を形成する。あるいは、基P1とP2はアルコキシメチリデン環、たとえばエトキシメチリデンを形成することができる。
【0024】
保護基は既知の反応条件を用いて付加および除去することができる。保護基の使用は’Protective Groups in Organic Chemistry’,J W F McOmie,Plenum Press(1973)、および’Protective Groups in Organic Synthesis’,第2版,T W Greene & P G M Wutz,Wiley−Interscience(1991)に十分に記載されている。
【0025】
エステル保護基は、塩基性加水分解により、たとえば金属水酸化物、好ましくはアルカリ金属水酸化物、たとえば水酸化ナトリウムもしくは水酸化リチウム、または第四級水酸化アンモニウムを、溶媒、たとえば水性エタノールまたは水性テトラヒドロフラン中、10〜100℃の温度、好ましくは室温付近の温度で用いて除去するか;あるいは酸性加水分解により、鉱酸、たとえばHClまたは強い有機酸、たとえばトリクロロ酢酸を、溶媒、たとえば水性1,4−ジオキサン中で用いて除去することができる。トリアルキルシリル保護基は、たとえばフルオリドイオン源(たとえばフッ化テトラ−n−ブチルアンモニウムまたはフッ化水素)の使用により除去できる。P1およびP2の一方または両方がC1-6アルキルである場合、脱保護は三臭化ホウ素を用いて達成できる。ベンジル基は、遷移金属触媒、たとえばカーボン上パラジウムを、水素雰囲気下に圧力1〜5バールにおいて、溶媒、たとえば酢酸中で用いる水素添加分解により除去できる。
【0026】
式(II)の化合物は、式(V)の化合物:
【0027】
【化9】

【0028】
[式中、R1は式(I)に定めたものであり、Rは式(I)に定めたもの、またはその保護された誘導体、またはOCH2CO2R’であり、ここでR’はC1-6アルキルまたはベンジルであり、Lは前記に定めたものであり、R3およびR4は式(I)に定めたもの、またはその保護された誘導体であり、あるいはR3とR4は一緒に5員環中の結合を形成する]を、亜硝酸の金属塩、たとえば亜硝酸のアルカリ金属塩、特に亜硝酸ナトリウムにより、希水性酸、たとえば2M HCl中で、または亜硝酸C1-6アルキルにより不活性溶媒中、約−20〜約100℃の温度で、ジアゾ化することによって製造できる。好ましい条件は、アセトニトリル中、約80℃での亜硝酸イソアミルである。
【0029】
式(V)においてRがCH2OHであり、R3およびR4がヒドロキシルまたはその保護された誘導体であり、Lが前記に定めたものである化合物は、式(VI)の化合物の還元により製造できる:
【0030】
【化10】

【0031】
式中、R1、L、P1およびP2は前記に定めたものである。
ニトロ基の還元は、たとえば遷移金属触媒による室温付近の温度での水素化、たとえばカーボン上パラジウムを、水素雰囲気下に、好ましくは圧力1〜5気圧で、溶媒、たとえばエタノール中で用いることにより、あるいは鉄を酸性溶媒、たとえば酢酸中、約100℃の温度で用いることにより実施できる。
【0032】
ラクタムの還元は、複合金属水素化物を用いて、たとえば水素化アルミニウムリチウムを、溶媒、たとえばエーテル中で用いるか、あるいは好ましくは、水素化ホウ素ナトリウムを、適切な溶媒、たとえばメタノール中で用いて実施できる。
【0033】
式(VI)の化合物:
【0034】
【化11】

【0035】
(式中、LおよびR1は前記に定めたものであり、L1は脱離基、たとえばハロゲン原子であり、その際LとL1は好ましくは同一である)と式(VIII)の化合物:
【0036】
【化12】

【0037】
(式中、P1およびP2は前記に定めたものである)を、塩基、たとえばC1-6アルキル−MまたはMH(これらにおいてMは金属イオン、たとえばn−ブチルリチウムである)の存在下に、不活性溶媒、たとえばテトラヒドロフラン中、約−10〜約100℃の温度で反応させることにより製造できる。好ましくは、水素化ナトリウムをテトラヒドロフラン中、室温で用いる。
【0038】
1以上の官能基を標準化学的方法で他の官能基に変換できる。Xが結合である化合物を、塩基で処理し、次いでLY[ここでLは脱離基であり、Yは(CH22OHまたはその保護された形であり、またはYはCH2COOR’であり、ここでR’はC1-6アルキルまたはベンジルである]で処理することにより、XがO(CH22である化合物に変換できる。RがCH2CH2OR’である化合物は、たとえばDIBAL−H(登録商標)を用いる還元により、RがO(CH22OHである化合物に変換できる。基SR1は、たとえばoxone(商標)またはmCBPAを用いて硫黄を酸化し、次いで化合物R1'−SM(ここでR1'は異なるR1基であり、Mは金属、たとえばナトリウムである)で処理することにより、相互変換できる。あるいは、硫黄酸化の生成物をMSHここでMは金属、たとえばナトリウムである)で処理し、次いで塩基およびR1'X(ここでR1'は異なるR1基であり、Xは脱離基である)で処理することができる。適切な塩基には、N,N−ジイソプロピルエチルアミンが含まれる。
【0039】
式(II)において、R、R1、R3およびR4が式(I)に定めたもの、またはその保護された誘導体であり、あるいはR3とR4が一緒に5員環中の結合を形成し、あるいはRがOCH2CO2R’であり、ここでR’はC1-6アルキルまたはベンジルであり、Lが脱離基、たとえばハロゲンである化合物は、ハロゲン化剤の存在下にジアゾ化剤で、好ましくは亜硝酸イソアミルおよび四臭化炭素で処理することにより、R、R1、R3およびR4が前記に定めたものであり、LがNH2である式(II)の化合物に変換できる。
【0040】
式(II)において、R、R1、R3およびR4が前記に定めたものであり、LがNH2である化合物は、R、R1、R3およびR4が前記に定めたものであり、Lが脱離基、たとえばハロゲンである式(II)の化合物を、溶媒、たとえばメタノール中、アンモニアで処理することにより製造できる。
【0041】
式(V)の化合物は、式(XI)の化合物:
【0042】
【化13】

【0043】
(式中、R、R3およびR4は式(I)に定めたもの、またはその保護された誘導体であり、あるいはRはOCH2CO2R’であり、ここでR’はC1-6アルキルまたはベンジルであり、あるいはR3とR4が一緒に5員環中の結合を形成している)を前記式(VII)の化合物で処理し、次いでニトロ基を還元することによっても製造できる。この反応は、不活性溶媒、たとえばジクロロメタンまたは1,4−ジオキサン中、非求核塩基、たとえばN,N−ジイソプロピルアミンの存在下に、約−20〜約150℃の温度、好ましくは周囲温度で実施される。
【0044】
式(II)において、Rが式(I)に定めたものであり、R3とR4が一緒に5員環中の結合を形成し、LがSR1、またはその保護された誘導体である化合物は、式(XII)の化合物:
【0045】
【化14】

【0046】
(式中、R1基は式(I)に定めたものである)を式(XIII)の化合物:
【0047】
【化15】

【0048】
(式中、R7はHまたはその保護された誘導体である)と反応させることにより製造できる。この反応は適切な遷移金属錯体、好ましくはテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)の存在下で実施できる。
【0049】
式(XII)の化合物は、式(XIV)の化合物:
【0050】
【化16】

【0051】
から、化合物R1X(式中、R1は式(I)に定めたものであり、Xは脱離基、たとえばハロである)と反応させ、次いで環化することにより製造できる。
式(XI)においてRがOHまたはその保護された形であり、R3およびR4が式(I)に定めたもの、またはその保護された誘導体である化合物は、R7がHまたは保護基である式(XIII)の化合物から、パラジウム触媒を用いたイミドジカルバミン酸ビスエステルによる処理、次いで二重結合のヒドロキシル化、および所望により窒素の脱保護によって製造できる。好ましくは、イミドジカルボン酸ビス−(1,1−ジメチルエチル)エステルおよびテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、次いで四酸化オスミウムを用い、そして塩酸を用いたメタノール中で脱保護する。
【0052】
式(XI)においてRがOCH2CO2R’であり、ここでR’はC1-6アルキルであり、R3とR4が一緒に5員環中の結合を形成している化合物は、R7がHまたは保護基である式(XIII)の化合物から、パラジウム触媒の存在下にアジドで処理し、次いでアジドを還元し、このアルコールを前記に従ってアルキル化することにより製造できる。
【0053】
式(XI)においてRがOCH2CH2OHであり、R3およびR4が式(I)に定めたものまたはその保護された誘導体である化合物は、RがOHであり、R3およびR4が式(I)に定めたものまたはその保護された誘導体である式(XI)の化合物から、窒素を保護し、このアルコールを2−ハロ酢酸エステルでアルキル化し、次いでエステルを還元し、窒素を脱保護することにより製造できる。窒素をクロロギ酸ベンジルによりカルボベンジルオキシ誘導体として保護し、次いでこのアルコールをブロモ酢酸エチルおよびカリウムt−ブトキシドでアルキル化し、エステルをテトラヒドロフラン中、水素化ホウ素リチウムで還元し、そして窒素をカーボン上パラジウムの存在下での水素化により脱保護することが好ましい。さらに、アルコールR3およびR4をイソプロピリデン環として保護する場合が好ましい。
【0054】
式(III)のアミンは、下記に記載された方法で製造できる:H Nishiyama et al.,Bull.Chem.Soc.,Jpn.,1995,68,1247;P.Newman,Optical Resolution Procedures for Chemical Compounds,Vol.1,Amines and Related Compounds;Optical Resolution and Information Centre:マンハッタンカレッジ,ニューヨーク州リバーデール,1978,p.120;J.Vallgarda et al.,J.Chem.Soc.Perkin 1,1994,461;またはWO9905143。
【0055】
すべての新規中間体が本発明の他の態様をなす。
式(I)の化合物の塩類は、遊離酸もしくはその塩、または遊離塩基もしくはその塩、または誘導体を、1当量以上の適切な塩基(たとえばC1-6アルキルで置換されていてもよい水酸化アンモニウム、またはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物)または酸(たとえばハロゲン化水素酸(特にHCl)、硫酸、シュウ酸またはリン酸)と反応させることにより製造できる。この反応は、その塩が不溶性である溶媒もしくは媒質、またはその塩が可溶性である溶媒、たとえば水、エタノール、テトラヒドロフランまたはジエチルエーテル中で実施でき、これらは真空中または凍結乾燥により除去できる。この反応は、複分解法(metathetical process)であってもよく、あるいはイオン交換樹脂上で実施できる。無毒性の生理学的に許容できる塩類が好ましいが、生成物の単離または精製に際しては他の塩類も有用である。
【0056】
本発明化合物はP27(P2YADPまたはP2TAC)受容体アンタゴニストとして作用する。したがってこれらの化合物は併用療法を含めた療法に有用である。特にそれらは、血小板の活性化、凝集および脱顆粒の阻害薬、血小板凝集離解の促進薬、抗血栓薬として、あるいは下記に際して用いるために処方される。下記の治療または予防:不安定狭心症;アテローム性硬化症の原発性動脈血栓性合併症、たとえば血栓性もしくは塞栓性の卒中、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患、心筋梗塞(血栓崩壊を伴うものまたは伴わないもの);アテローム性硬化症の処置、たとえば血管形成術(冠動脈血管形成術(PTCA)、動脈内膜切除術、ステント設置、冠動脈その他の血管移植術を含む)による動脈合併症;外科的もしくは機械的損傷、たとえば事故によるかもしくは外科的な外傷、再構築術に伴う組織サルベージ(皮膚および組織フラップを含む)の血栓性合併症;散在性血栓性/血小板消耗成分を伴う状態、たとえば播種性血管内凝固、血栓性血小板減少性紫斑病、溶血尿毒症症候群;敗血症の血栓性合併症、成人呼吸窮迫症候群、抗リン脂質症候群、ヘパリン誘発性血小板減少症および子癇前症/子癇;または静脈血栓症、たとえば深静脈血栓症、静脈閉塞性疾患;血液学的状態、たとえば骨髄増殖性疾患(血小板血症、鎌状赤血球病を含む);あるいは下記の予防:インビボで機械的に、たとえば心肺バイパスおよび体外膜型酸素化により誘発される血小板活性化(微小血栓塞栓症の予防);インビトロで機械的に誘発される血小板活性化、たとえば血液製剤(たとえば濃縮血小板)の保存に際して、またはシャント閉塞、たとえば腎臓透析およびプラズマフェレシスに際しての使用;血管損傷/炎症、たとえば血管炎、動脈炎、腎炎、炎症性腸疾患および臓器移植拒絶の続発性血栓症;片頭痛、レイノー現象などの症状;血小板が血管壁の炎症性原疾患プロセスに関与している可能性のある症状、たとえばアテローム斑の形成/悪化、狭窄/再狭窄;ならびに免疫疾患プロセスにおける血小板および血小板由来因子の関与が示唆される他の炎症症状、たとえば喘息。他の適応症には、CNS障害の治療、ならびに腫瘍の増殖および拡散の予防が含まれる。
【0057】
本発明によれば、さらに前記障害の治療または予防に使用するための医薬の製造における有効成分としての本発明化合物の使用が提供される。特に、本発明化合物は心筋梗塞、血栓性卒中、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患、ならびに安定および不安定狭心症、殊に不安定狭心症の治療に有用である。本発明はまた、前記障害の治療または予防方法であって、そのような障害を伴うか、または発症しやすい者に、療法有効量の本発明化合物を投与する方法を提供する。
【0058】
本発明化合物は局所的に、たとえば肺および/または気道に、液剤、懸濁液剤、HFAエアゾル剤および乾燥粉末製剤の形で投与でき;あるいは全身的に、たとえば錠剤、丸剤、カプセル剤、シロップ剤、散剤もしくは顆粒剤の形での経口投与により、または無菌非経口液剤もしくは懸濁液剤の形での非経口投与により、皮下投与により、または坐剤の形での直腸投与により、または経皮的に投与できる。
【0059】
本発明化合物は、それ自体で、または本発明化合物を医薬的に許容できる希釈剤、佐剤および/またはキャリヤーと組み合わせて含む医薬組成物として投与できる。特に好ましいのは、不都合な反応、たとえばアレルギー反応を引き起こす可能性のある材料を含有しない組成物である。
【0060】
本発明化合物の乾燥粉末製剤および加圧HFAエアゾル剤を、経口または経鼻吸入により投与できる。吸入用としては、化合物を微細に分割することが望ましい。本発明化合物は、乾燥粉末吸入器により投与することもできる。吸入器は1回量または多数回量の吸入器であってよく、呼吸作動式(breath actuated)乾燥粉末吸入器であってもよい。
【0061】
1方法は、微細に分割した化合物をキャリヤー物質、たとえば単糖類、二糖類または多糖類、糖アルコールまたは他のポリオールと混合するものである。適切なキャリヤーには糖類およびデンプンが含まれる。あるいは、微細に分割した化合物を他の物質でコーティングしてもよい。それぞれ目的投与量の有効化合物を含有する粉末混合物を、硬ゼラチンカプセルに分注することもできる。
【0062】
他の方法は、微細に分割した粉末を、吸入操作中に破壊される球体に加工するものである。この球状粉末を多数回量の吸入器、たとえばTurbuhaler(登録商標)として知られるものの薬物溜めに充填してもよく、この場合、分配ユニットが目的投与量を計量し、次いでこれが患者に吸入される。このシステムを用いて、キャリヤー物質を含有する、または含有しない有効化合物が患者に送達される。
【0063】
本発明化合物を含む医薬組成物は、経口投与用の錠剤、丸剤、カプセル剤、シロップ剤、散剤もしくは顆粒剤;非経口投与用の無菌非経口もしくは皮下液剤、懸濁液剤;または直腸投与用の坐剤が好都合である。
【0064】
経口投与用としては、有効化合物を佐剤またはキャリヤー、たとえば乳糖、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、デンプン、たとえばバレイショデンプン、コーンスターチまたはアミロペクチン、セルロース誘導体、結合剤、たとえばゼラチンまたはポリビニルピロリドン、および滑沢剤、たとえばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール、ろう、パラフィンなどと混合し、次いで圧縮して錠剤にすることができる。コーティング錠が必要である場合、上記により調製したコアを濃縮糖溶液でコーティングすることができる。この溶液はたとえばアラビアゴム、ゼラチン、タルク、二酸化チタンなどを含有してもよい。あるいは、易揮発性有機溶剤または水性溶剤に溶解した適切なポリマーで錠剤をコーティングすることができる。
【0065】
軟ゼラチンカプセル剤の製造のために、本発明化合物をたとえば植物油またはポリエチレングリコールと混合することができる。硬ゼラチンカプセル剤には、前記の錠剤用賦形剤、たとえば乳糖、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、デンプン、セルロース誘導体またはゼラチンを用いて、本発明化合物の顆粒を収容することができる。薬物の液体または半固体製剤を硬ゼラチンカプセルに充填してもよい。
【0066】
経口投与用の液体製剤は、シロップ剤または懸濁液剤、たとえば本発明化合物を含有し、残りが糖、ならびにエタノール、水、グリセロールおよびプロピレングリコールの混合物である液剤の形であってもよい。所望により、そのような液体製剤は着色剤、着香剤、サッカリン、および増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース、または当業者に既知の他の賦形剤を含有してもよい。
【0067】
実施例
本発明を以下の実施例により説明するが、これらは限定ではない。
実施例中、NMRスペクトルはVarian Unity Inova 300または400分光計により測定され、MSスペクトルは下記により測定された:EIスペクトルはVG 70−250SまたはFinnigan Mat Incos−XL分光計により得られ、FABスペクトルはVG70−250SEQ分光計、ESIおよびAPCIスペクトルはFinnigan Mat SSQ7000またはMicromass Platform分光計により得られた。調製用HPLC分離は一般に、BDSC−18逆相シリカを充填したNovapak(登録商標)、Bondapak(登録商標)またはHypersil(登録商標)カラムを用いて実施された。フラッシュクロマトグラフィー(実施例中に(SiO2)として示す)は、Fisher Matrixシリカ(35〜70μm)を用いて行われた。プロトンNMRスペクトルに回転異性体の存在を示した例については、主要な回転異性体の化学シフトのみを引用する。
【0068】
実施例1
[1R−[1α,2α,3β(1R*,2S*),5β]]−3−[7−[[2−(4−フルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−5−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)チオ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−5−(ヒドロキシメチル)シクロペンタン−1,2−ジオール
a)[3aS−[1(E),3aα,6α,7aβ]]−1−[3−(4−フルオロフェニル)−1−オキソ−2−プロペニル]−ヘキサヒドロ−8,8−ジメチル−3H−3a,6−メタノ−2,1−ベンゾイソチアゾール−2,2−ジオキシド
3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペン酸(3.0g)および塩化チオニル(5.0ml)の混合物を70℃で1時間撹拌し、次いで反応混合物を減圧濃縮した。残留物をジクロロメタンと2回共沸させ、次いでトルエン(10ml)に溶解した。トルエン(40ml)中における水素化ナトリウム(油中の60%分散液;0.99g)の懸濁液に、トルエン(40ml)中における[3aS−(3aα,6α,7aβ)]−ヘキサヒドロ−8,8−ジメチル−3H−3a,6−メタノ−2,1−ベンゾイソチアゾール−2,2−ジオキシド(3.89g)の溶液を添加し、混合物を30分間撹拌した。次いでこの反応混合物に前記溶液を添加し、得られた懸濁液を16時間撹拌した。水(200ml)を添加し、有機相を採集し、水相をジクロロメタン(100ml,3回)中へ抽出した。有機相を合わせて乾燥および濃縮した。再結晶(エタノール)によりサブタイトルの化合物を無色針状晶として得た(5.92g)。
【0069】
MS(APCI)364(M+H+,100%).
b)[3aS−[1(1S*,2S*),3aα,6α,7aβ]]−1−[[2−(4−フルオロフェニル)シクロプロピル]カルボニル]−ヘキサヒドロ−8,8−ジメチル−3H−3a,6−メタノ−2,1−ベンゾイソチアゾール−2,2−ジオキシド
エーテル(150ml)中におけるジアゾメタン(2.9g)(Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry,第5版,Longman Scientific and Technical,p.432の記載に従って製造)の溶液を、ジクロロメタン(350ml)中における工程a)の生成物(5.90g)および酢酸パラジウム(II)(18mg)の溶液に0℃で添加し、反応混合物を0℃で5時間撹拌した。酢酸(5ml)を添加し、次いで反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(200ml)で洗浄し、有機相をシリカプラグで濾過した。真空濃縮後、残留物を再結晶して(エタノール)、サブタイトルの化合物を無色針状晶として得た(3.81g)。
【0070】
MS(APCI)378(M+H+,100%).
c)(1R−trans)−2−(4−フルオロフェニル)シクロプロパンカルボン酸
テトラヒドロフラン(100ml)/水(3ml)中における工程b)の生成物(3.74g)および水酸化リチウム1水和物(4.11g)の懸濁液を、50℃で24時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮し、残留物を水(100ml)に溶解し、2N HClで酸性化し、ジクロロメタン(75ml,3回)中へ抽出した。有機相を合わせて乾燥および濃縮した。精製(SiO2,溶離剤としてイソヘキサン:ジエチルエーテル 2:1)によりサブタイトルの化合物を無色固体として得た(1.78g)。
【0071】
MS(APCI)179(M+H+,100%).
d)(1R−trans)−2−(4−フルオロフェニル)シクロプロパンアミン,[R−(R*,R*)]−2,3−ジヒドロキシブタンジオエート(1:1)
アセトン/水(10:1,23ml)中における工程c)の生成物(1.78g)およびトリエチルアミン(2.7ml)の溶液に、0℃でクロロギ酸エチル(2.0ml)を5分間かけて添加した。この溶液を0℃に30分間保持した後、水(6ml)中のナトリウムアジド(1.52g)を添加した。さらに1時間後、水(350ml)を添加し、反応混合物をトルエン(100ml,3回)で抽出した。有機抽出液を合わせて乾燥させ、次いでブラストスクリーン(blast screen)下で2時間還流した。溶液を冷却した後、6N HCl(50ml)を添加し、混合物を3時間還流した。水(150ml)を添加し、水相を2N NaOH(水溶液)で塩基性にし、次いでジクロロメタン(100ml,3回)中へ抽出した。有機相を乾燥および濃縮した。このアミンをエタノール(5ml)に溶解し、エタノール(20ml)中におけるL−酒石酸(1.48g)の溶液を添加した。20分後、固体を採集して、サブタイトルの化合物を無色針状晶として得た(1.12g)。
【0072】
【化17】

【0073】
e)[3aR−[3aα,4α,6α(1R*,2S*),6aα]]−6−[7−[[2−(4−フルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−5−(プロピルチオ)−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−メタノール
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.29g)を、ジクロロメタン(25ml)中における[3aR−(3aα,4α,6α,6aα)]−6−[7−クロロ−5−(プロピルチオ)−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−メタノール(WO9703084の記載に従って製造)(1.0g)および工程dの生成物)(0.75g)の溶液に添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次いで水で洗浄し、乾燥および蒸発させた。残留物を精製して(SiO2,溶離剤として酢酸エチル:イソヘキサン 1:1)、サブタイトルの化合物を得た(1.25g)。
【0074】
MS(APCI)515(M+H+,100%).
f)[3aR−[3aα,4α,6α(1R*,2S*),6aα]]−6−[7−[[2−(4−フルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−5−(プロピルスルホニル)−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−メタノール
3−クロロペルオキシ安息香酸(70%,1.8g)を、エタノール(25ml)中における工程e)の生成物(1.25g)の懸濁液に添加し、得られた溶液を室温で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物を酢酸エチル(500ml)に装入し、10%メタ亜硫酸水素ナトリウム水溶液(100ml,2回)および10%炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml,2回)で洗浄し、次いで乾燥および濃縮して、サブタイトルの化合物を得た(1.4g)。
【0075】
MS(APCI)547(M+H+,100%).
g)[3aR−[3aα,4α,6α(1R*,2S*),6aα]]−6−[7−[[2−(4−フルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−5−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)チオ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−メタノール
硫化水素ナトリウム水和物(1.4g)を、ジメチルスルホキシド(20ml)中における工程f)の生成物(1.4g)の溶液に添加し、溶液を室温で1.5時間撹拌した。ブライン(150ml)を添加し、混合物を酢酸で酸性化し、次いで酢酸エチル(100ml,3回)で抽出した。有機相を乾燥させ、濃縮し、残留物をトルエン(100ml,3回)と共沸させた。残留物をN,N−ジメチルホルムアミド(20ml)に溶解し、次いでN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.33g)および3,3,3−トリフルオロプロピルブロミド(0.48g)を添加した。50℃で30分間撹拌した後、反応混合物を酢酸エチル(100ml)で希釈し、次いでブライン水溶液(100ml,3回)で洗浄し、乾燥および濃縮し、次いで残留物を精製して(SiO2,溶離剤としてイソヘキサン:酢酸エチル 1:1)、サブタイトルの化合物を得た(1.4g)。
【0076】
MS(APCI)569(M+H+,100%).
h)[1R−[1α,2α,3β(1R*,2S*),5β]]−3−[7−[[2−(4−フルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−5−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)チオ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−5−(ヒドロキシメチル)シクロペンタン−1,2−ジオール
トリフルオロ酢酸(10ml)および水(2ml)中における工程g)の生成物(1.4g)の溶液を、室温で1時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(400ml)で希釈し、炭酸水素ナトリウム溶液(400ml)で洗浄し、乾燥および蒸発させた。残留物を精製して(SiO2,溶離剤としてメタノール:クロロホルム 3:47)、タイトルの化合物を得た(0.44g)。
【0077】
【化18】

【0078】
実施例2
[1R−[1α,2α,3β(1R*,2S*),5β]]−3−[7−[[2−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−5−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)チオ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−5−(ヒドロキシメチル)シクロペンタン−1,2−ジオール
a)[3aS−[1(E),3aα,6α,7aβ]]−1−[3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−オキソ−2−プロペニル]−ヘキサヒドロ−8,8−ジメチル−3H−3a,6−メタノ−2,1−ベンゾイソチアゾール−2,2−ジオキシド
実施例1、工程a)の方法に従い、3−(3,4−ジフルオロフェニル)−2−プロペン酸を用いて、サブタイトルの化合物を製造した。
【0079】
MS(APCI)382(M+H+,100%).
b)[3aS−[1(1S*,2S*),3aα,6α,7aβ]]−1−[[2−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロピル]カルボニル]−ヘキサヒドロ−8,8−ジメチル−3H−3a,6−メタノ−2,1−ベンゾイソチアゾール−2,2−ジオキシド
実施例1、工程b)の方法に従い、工程a)の生成物を用いて、サブタイトルの化合物を製造した。
【0080】
MS(APCI)396(M+H+,100%).
c)(1R−trans)−2−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロパンカルボン酸
実施例1、工程c)の方法に従い、工程b)の生成物を用いて、サブタイトルの化合物を製造した。
【0081】
【化19】

【0082】
d)(1R−trans)−2−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロパンアミン,[R−(R*,R*)]−2,3−ジヒドロキシブタンジオエート(1:1)
実施例1、工程d)の方法に従い、工程c)の生成物を用いて、サブタイトルの化合物を製造した。
【0083】
MS(APCI)170(M+H+,100%).
e)[3aR−[3aα,4α,6α(1R*,2S*),6aα]]−6−[7−[[2−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−5−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)チオ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−メタノール
亜硝酸イソアミル(5.1ml)を、アセトニトリル(1000ml)中における[3aR−[3aα,4α,6α,6aα]]−6−[[5−アミノ−6−クロロ−2−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)チオ]−4−ピリミジニル]−アミノ]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−メタノール(WO9703084の記載に従って製造)(8.1g)の溶液に添加し、溶液を70℃に1時間加熱した。冷却した反応混合物を濃縮および精製して(SiO2,溶離剤としてジクロロメタン:酢酸エチル 4:1)、中間体を得た。これを実施例1、工程e)の方法で、工程d)の生成物を用いてサブタイトルの化合物に変換した。
【0084】
MS(APCI)587(M+H+,100%).
f)[1R−[1α,2α,3β(1R*,2S*),5β]]−3−[7−[[2−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−5−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)チオ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−5−(ヒドロキシメチル)シクロペンタン−1,2−ジオール
実施例1、工程h)の方法に従い、工程e)の生成物を用いて製造した。
【0085】
【化20】

【0086】
実施例3
[1S−[1α,2α,3β(1S*,2R*),5β]]−3−[7−[2−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−5−(プロピルチオ)−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−5−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロペンタン−1,2−ジオール
a)(1R−cis)−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテニルイミドジカーボネート
テトラヒドロフラン(30ml)中におけるエーテル洗浄水素化ナトリウム(油中60%分散液;0.31g)の懸濁液に、イミドジカルボン酸ビス(1,1−ジメチルエチル)エステル(1.84g)を添加した。この混合物を40℃で1時間撹拌した。次いでこの混合物に、周囲温度で(1S−cis)−4−アセトキシ−2−シクロペンテン−1−オール(0.5g)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.18g)を添加した。反応混合物を24時間撹拌し、次いで精製して(SiO2,溶離剤として酢酸エチル:ヘキサン 1:9)、サブタイトルの化合物を無色固体として得た(0.90g)。
【0087】
【化21】

【0088】
b)[1R−(1α,2β,3β,4α)]−2,3,4−トリヒドロキシ−シクロペンテニルイミドジカルボン酸ビス(1,1−ジメチルエチル)エステル
テトラヒドロフラン(500ml)/水(50ml)中における工程a)の生成物(17.1g)の溶液に、N−メチルモルホリン−N−オキシド(9.4g)、次いで四酸化オスミウム(10ml,t−ブタノール中の2.5%溶液)を添加した。この混合物を室温で4日間撹拌し、次いで亜硫酸水素ナトリウム(6.0g)で処理した。この懸濁液をセライトで濾過し、生成物を精製して(SiO2,溶離剤として酢酸エチル:ヘキサン 1:1)、サブタイトルの化合物を得た(19.1g)。
【0089】
【化22】

【0090】
c)[3aR−(3aα,4α,6α,6aα)]−6−アミノ−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−オール塩酸塩
6M HCl(100ml)/メタノール(500ml)中における工程b)の生成物(17.4g)を18時間撹拌した。この混合物を蒸発させ、次いでトルエン(200ml,4回)と共沸させて、無色粉末(8.7g)を得た。この固体を、2,2−ジメトキシプロパン(25ml)および濃HCl(0.2ml)を含有するアセトン(250ml)に懸濁し、次いで2時間、加熱還流した。混合物を冷却および蒸発させ、トルエン(200ml,3回)と共沸させた。残留物を20%酢酸水溶液に溶解し、2時間撹拌した。混合物を蒸発させ、トルエン(200ml,4回)と共沸させて、サブタイトルの化合物を得た(10.1g)。
【0091】
MS(APCI)174(M+H+,100%).
d)[3aR−(3aα,4α,6α,6aα)]−6−[[6−クロロ−5−ニトロ−2−(プロピルチオ)ピリミジン−4−イル]アミノ]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−オール
テトラヒドロフラン(600ml)中における工程c)の生成物(10.0g)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(35ml)の溶液を、1時間撹拌した。この混合物を濾過し、溶液を1時間かけて、テトラヒドロフラン(1000ml)中における4,6−ジクロロ−5−ニトロ−2−(プロピルチオ)ピリミジン(WO9703084の記載に従って製造)(25.6g)の溶液に添加し、さらに2時間撹拌した。真空中で溶媒の体積を減らし、酢酸エチル(1000ml)を添加した。混合物を水で洗浄し、有機層を乾燥、蒸発および精製して(SiO2,溶離剤としてイソヘキサン−酢酸エチル)、サブタイトルの化合物を得た(14.2g)。
【0092】
MS(APCI)405(M+H+,100%).
e)[3aR−(3aα,4α,6α,6aα)]−6−[[5−アミノ−6−クロロ−2−(プロピルチオ)ピリミジン−4−イル]アミノ]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−オール
鉄粉(3.0g)を、酢酸(100ml)中における工程d)の生成物(2.7g)の撹拌溶液に添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、半分の体積に濃縮し、酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を乾燥および濃縮して、サブタイトルの化合物を得た(2.0g)。
【0093】
MS(APCI)375(M+H+,100%).
f)[3aR−(3aα,4α,6α,6aα)]−6−[7−クロロ−5−(プロピルチオ)−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−オール
亜硝酸イソアミル(1.1ml)を、アセトニトリル(100ml)中における工程e)の生成物(2.0g)の溶液に添加し、溶液を70℃に1時間加熱した。冷却した反応混合物を濃縮および精製して(SiO2,溶離剤として酢酸エチル:イソヘキサン 1:3)、サブタイトルの化合物を得た(1.9g)。
【0094】
MS(APCI)386(M+H+,100%).
g)[3aR−(3aα,4α,6α,6aα)]−6−[7−アミノ−5−(プロピルチオ)−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−オール
0.88アンモニア(5ml)を含有するテトラヒドロフラン(200ml)中の工程f)の生成物(13.2g)を2時間撹拌し、次いで濃縮乾固し、残留物を水と酢酸エチルの間で分配した。有機相を乾燥させ、次いで濃縮して、サブタイトルの化合物を得た(12.5g)。
【0095】
MS(APCI)367(M+H+,100%).
h)[3aR−(3aα,4α,6α,6aα)]−[[6−[7−アミノ−5−(プロピルチオ)−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−オール]オキシ]酢酸,メチルエステル
テトラヒドロフラン(25ml)中における工程g)の生成物(0.50g)の溶液に、0℃でブチルリチウム(ヘキサン中2.5Nのもの0.62ml)を添加した。20分後、懸濁液をテトラヒドロフラン(10ml)中におけるトリフルオロメタンスルホニルオキシ酢酸メチルエステル(0.34g)(Biton,Tetrahedron,1995,51,10513の方法に従って製造)の溶液で処理した。得られた溶液を室温にまで高め、次いで濃縮および精製して(SiO2,溶離剤として酢酸エチル:ヘキサン 4:6)、サブタイトルの化合物を得た(0.25g)。
【0096】
MS(APCI)439(M+H+,100%).
i)[3aR−(3aα,4α,6α,6aα)]−[[6−[7−ブロモ−5−(プロピルチオ)−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−オール]オキシ]酢酸,メチルエステル
ブロモホルム(30ml)中の工程h)の生成物(1.1g)および亜硝酸イソアミル(2.4ml)を、80℃に30分間加熱した。冷却した反応混合物を精製して(SiO2,溶離剤として酢酸エチル:イソヘキサン 1:4)、サブタイトルの化合物を得た(0.44g)。
【0097】
MS(APCI)502/4(M+H+),504(100%).
j)[3aR−[3aα,4α,6α(1R*,2S*),6aα])]−[[6−[7−[[2−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−5−(プロピルチオ)−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−イル]オキシ]酢酸,メチルエステル
ジクロロメタン(25ml)中の工程i)の生成物(0.80g)および実施例2,工程d)の生成物(0.61g)の混合物に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.85ml)を添加した。得られた溶液を室温で16時間撹拌し、次いで真空濃縮した。精製(SiO2,溶離剤としてイソヘキサン:酢酸エチル 3:1)により、サブタイトルの化合物を無色泡状物として得た(0.77g)。
【0098】
MS(APCI)591(M+H+,100%).
k)[3aR−[3aα,4α,6α(1R*,2S*),6aα]]−2−[6−[[7−[2−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ−5−(プロピルチオ)−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−イル]オキシ]エタノール
DIBAL−H(登録商標)(ヘキサン中1.0M溶液,5.15ml)を、テトラヒドロフラン(1ml)中における工程j)の生成物(0.76g)の氷冷溶液に添加し、溶液をこの温度で2時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮し、残留物を酢酸エチル(75ml)に溶解した。酒石酸カリウムナトリウム飽和水溶液(75ml)を添加し、混合物を16時間、激しく撹拌した。有機相を採集し、水相を酢酸エチル(50ml,2回)で再抽出した。有機相を合わせて乾燥および濃縮し、残留物を精製して(SiO2,溶離剤としてイソヘキサン:酢酸エチル 1:1)、サブタイトルの化合物を得た(0.63g)。
【0099】
MS(APCI)563(M+H+,100%).
l)[1S−[1α,2α,3β(1S*,2R*),5β]]−3−[7−(2−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−5−(プロピルチオ)−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−5−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロペンタン−1,2−ジオール
実施例1、工程h)の方法に従い、工程k)の生成物を用いて製造した。
【0100】
【化23】

【0101】
実施例4
[1R−[1α,2α,3β(1R*,2S*),5β]]−3−[5−(ブチルチオ)−7−[[2−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−5−(ヒドロキシメチル)シクロペンタン−1,2−ジオール
a)[3aR−(3aα,4α,6α,6aα)]−6−[7−アミノ−5−(プロピルチオ)−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−メタノール
実施例3、工程g)の方法に従い、[3aR−(3aα,4α,6α,6aα)]−6−[7−クロロ−5−(プロピルチオ)−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−メタノール(WO9703084の記載に従って製造)を用いて製造した。粗生成物を精製して(SiO2,溶離剤としてメタノール:ジクロロメタン 1:19)、サブタイトルの化合物を得た。
【0102】
MS(APCI)381(M+H+,100%).
b)[3aR−(3aα,4α,6α,6aα)]−6−[7−アミノ−5−(プロピルスルホニル)−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−メタノール
実施例1、工程f)の方法に従い、工程a)の生成物を用いて製造した。
【0103】
MS(APCI)413(M+H+,100%).
c)[3aR−(3aα,4α,6α,6aα)]−6−[7−アミノ−5−(ブチルチオ)−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−メタノール
DMF(25ml)中の1−ブタンチオール(2.38ml)を、DMF(50ml)中における水素化ナトリウム(60%;1.09g)の懸濁液に添加した。1時間後、DMF(65ml)中における工程b)の生成物(3.66g)の溶液を滴加し、得られた混合物を一夜撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(1000ml)に徐々に添加し、次いで酢酸エチル(200ml,3回)中へ抽出した。有機相を乾燥(MgSO4)および真空濃縮し、残留物を精製して(SiO2,溶離剤としてメタノール:ジクロロメタン 1:19)、サブタイトルの化合物を得た(3.32g)。
【0104】
MS(APCI)395(M+H+,100%).
d)[3aR−(3aα,4α,6α,6aα)]−6−[7−アミノ−5−(ブチルチオ)−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−メタノール,アセテート
ジクロロメタン(50ml)中における工程c)の生成物(3.3g)の溶液に、ピリジン(2.7ml)、4−ジメチルアミノピリジン(0.4g)および無水酢酸(2.0ml)を添加した。混合物を室温で一夜撹拌し、真空濃縮および精製して(SiO2,溶離剤としてジエチルエーテル:イソヘキサン 3:2)、サブタイトルの化合物を得た(2.7g)。
【0105】
MS(APCI)437(M+H+,100%).
e)[3aR−(3aα,4α,6α,6aα)]−6−[7−ブロモ−5−(ブチルチオ)−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−メタノール,アセテート
実施例3、工程i)の方法に従い、工程d)の生成物を用いて製造した。
【0106】
MS(APCI)500/502(M+H+),500(100%).
f)[3aR−[3aα,4α,6α(1R*,2S*),6aα]]−6−[5−(ブチルチオ)−7−[[2−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−メタノール,アセテート
実施例3、工程j)の方法に従い、実施例2、工程d)の生成物、および工程e)の生成物を用いて製造した。
【0107】
MS(APCI)589(M+H+,100%).
g)[1R−[1α,2α,3β(1R*,2S*),5β]]−3−[5−(ブチルチオ)−7−[[2−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−5−(ヒドロキシメチル)シクロペンタン−1,2−ジオール
80%酢酸水溶液(30ml)中の工程f)の生成物(0.64g)を、80℃に1時間加熱した。冷却した混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注入し、酢酸エチル中へ抽出した。有機相を乾燥および真空濃縮してガムを得た。これをメタノール(50ml)/10%炭酸カリウム水溶液(3ml)に溶解した。この溶液を30分間撹拌し、酢酸で中和し、真空濃縮した。精製(SiO2,溶離剤としてメタノール:ジクロロメタン 1:19)により固体が得られ、これを再結晶して(アセトニトリル)、タイトルの化合物を得た(0.25g)。
【0108】
MS(APCI)507(M+H+,100%).
【0109】
【化24】

【0110】
実施例5
[1S−[1α,2β,3β,4α(1S*,2R*)]]−4−[5−(ブチルチオ)−7−[[2−(4−フルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]シクロペンタン−1,2,3−トリオール
a)[3aR−[3aα,4α,6α,6aα(1S*,2R*)]]−6−[7−[[(4−フルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−5−(プロピルチオ)−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−オール
実施例1、工程e)の方法に従い、実施例1、工程d)の生成物、および実施例3、工程f)の生成物を用いて製造した。
【0111】
MS(APCI)501(M+H+,100%).
b)[3aR−[3aα,4α,6α,6aα(1S*,2R*)]]−6−[[7−[(4−フルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−5−(プロピルスルホニル)−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−オール
実施例1、工程f)の方法に従い、工程a)の生成物を用いて製造した。
【0112】
MS(APCI)532(M+H+,100%).
c)[3aR−[3aα,4α,6α,6aα(1S*,2R*)]]−6−[7−[[(4−フルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−5−(ブチルチオ)−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−オール
実施例4、工程c)の方法に従い、工程b)の生成物を用いて製造した。
【0113】
MS(APCI)515(M+H+,100%).
[1S−[1α,2β,3β,4α(1S*,2R*)]]−4−[5−(ブチルチオ)−7−[[2−(4−フルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]シクロペンタン−1,2,3−トリオール
実施例1、工程h)の方法に従い、工程c)の生成物を用いて製造した。
【0114】
【化25】

【0115】
実施例6
[1S−[1α,2α,3β(1S*,2R*),5β]]−3−[7−[[2−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−5−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)チオ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−5−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロペンタン−1,2−ジオール
a)[1S−(1α,2α,3β(1S*,2R*),5β)]−3−[7−[[2−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−5−(プロピルスルホニル)−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−5−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロペンタン−1,2−ジオール
実施例1、工程f)の方法に従い、実施例3、工程l)の生成物を用いて、サブタイトルの化合物を製造した。
【0116】
MS(APCI)555(M+H+,100%).
b)[1S−[1α,2α,3β(1S*,2R*),5β]]−3−[7−[[2−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−5−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)チオ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−5−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロペンタン−1,2−ジオール
実施例1、工程g)の方法に従い、工程a)の生成物を用いて、タイトルの化合物を製造した。
【0117】
【化26】

【0118】
実施例7
[1S−[1α,2α,3β,5β(1S*,2R*)]]−3−(2−ヒドロキシエトキシ)−5−[7−[2−フェニルシクロプロピル)アミノ]−5−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)チオ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]シクロペンタン−1,2−ジオール
a)(1S−cis)−2−[[4−[[6−クロロ−5−ニトロ−2−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)チオ]−4−ピリミジニル]アミノ]−2−シクロペンテン−1−イル]オキシ]酢酸,エチルエステル
脱ガス水(25ml)中におけるナトリウムアジド(4.70g)の溶液を、テトラヒドロフラン(60ml)中における(1R,4S)−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−イルアセテート(9.99g)の溶液に添加し、10分間撹拌した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(365mg)を添加し、10分間撹拌した。水層を分離し、酢酸エチルで2回抽出した。有機相を乾燥(MgSO4)、濃縮し、短いカラムで精製して(SiO2,溶離剤として酢酸エチル:イソヘキサン 1:2)、黄色の油を得た。これをテトラヒドロフラン(25ml)に溶解し、テトラヒドロフラン(60ml)中における水素化ナトリウム(油中60%分散液;2.94g)の懸濁液に−78℃で添加した。テトラヒドロフラン(5ml)中におけるブロモ酢酸エチル(8.2ml)の溶液を添加し、混合物を20℃に高め、30分間撹拌した。塩化アンモニウム水溶液を添加し、混合物をエーテルで抽出した。有機相を乾燥(MgSO4)、濃縮および精製して(SiO2,溶離剤としてエーテル:イソヘキサン 1:5)、無色の油を得た。テトラヒドロフラン(90ml)中におけるこの油およびトリフェニルホスフィン(17.89g)の溶液を10分間撹拌した。水(15ml)を添加し、溶液を18時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残留物をトルエンと共沸させ、次いで精製して(SiO2,溶離剤として酢酸エチル、次いで酢酸エチル−メタノール−アンモニア(90:9:1))、淡黄色の油を得た(7.14g)。
【0119】
テトラヒドロフラン(50ml)中におけるこの化合物の溶液を25分間かけて、乾燥テトラヒドロフラン(100ml)中における4,6−ジクロロ−5−ニトロ−2−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)チオ]ピリミジン(WO9703084の記載に従って製造)(24.8g)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(77.5ml)の溶液に添加し、次いで30分間撹拌した。水を添加し、混合物をエーテル(3回)で抽出した。有機相を乾燥(MgSO4)、濃縮および精製して(SiO2,溶離剤として酢酸エチル:イソヘキサン 1:4)、サブタイトルの化合物を製造した(7.39g)。
【0120】
MS(APCI)367/9(M−(EtO2CCH2O)+),367(100%).
b)(1S−cis)−2−[[4−[7−クロロ−5−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)チオ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−2−シクロペンテン−1−イル]オキシ]酢酸,エチルエステル
実施例3、工程e)およびf)の方法に従い、工程a)の生成物を用いて製造した。
【0121】
MS(APCI)348/50(M−(EtO2CCH2O)+),348(100%).
c)[1S−(cis)]−2−[[4−[7−アミノ−5−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)チオ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−2−シクロペンテン−1−イル]オキシ]酢酸,エチルエステル
実施例3、工程g)の方法に従い、工程b)の生成物を用いて製造した。
【0122】
MS(APCI)433(M+H+,100%).
d)[1S−(cis)]−2−[[4−[7−アミノ−5−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)チオ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−2−シクロペンテン−1−イル]オキシ]−1−エタノール
実施例3、工程k)の方法に従い、工程c)の生成物を用いて製造した。
【0123】
MS(APCI)391(M+H+,100%).
e)[3aR−(3aα,4α,6α,6aα)]−2−[6−[7−アミノ−5−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)チオ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−イルオキシ]エタノール
アセトン(5ml)および水(1ml)中における工程d)の生成物(454mg)、四酸化オスミウム(t−ブタノール中の0.1M溶液0.17ml)、N−メチルモルホリンN−オキシド(210mg)およびピリジン(0.09ml)の溶液を、70℃に5時間加熱した。水(1ml)中の亜硫酸水素ナトリウム(330mg)を添加し、溶媒を真空中で除去し、残留物をトルエンと共沸させた。これとp−トルエンスルホン酸(50mg)の、アセトン(5ml)および2,2−ジメトキシプロパン(2ml)中における溶液を、3時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥(MgSO4)、濃縮および精製して(SiO2,溶離剤としてイソヘキサン:アセトン 5:2)、サブタイトルの化合物を白色固体として得た(367mg)。
【0124】
MS(APCI)465(M+H+,100%).
f)[3aR−(3aα,4α,6α,6aα)]−2−[6−[7−ブロモ−5−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)チオ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−イルオキシ]エタノール
実施例3、工程i)の方法に従い、工程e)の生成物を用いて製造した。
【0125】
MS(APCI)528/30(M+H+),528(100%).
g)[3aR−[3aα,4α,6α(1R*,2S*),6aα]−2−[6−(7−フェニルシクロプロピル)アミノ−[5−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)チオ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−1,3−ジオキソール−4−イルオキシ]エタノール
実施例3、工程j)の方法に従い、工程f)の生成物および(1R−trans)−2−フェニル−シクロプロパンアミン,[R−(R*,R*)]−2,3−ジヒドロキシブタンジオエート(1:1)(Mitscher et al.,J.Med.Chem.,1986,29,2044の記載に従って製造)を用いて製造した。
【0126】
MS(APCI)581(M+H+,100%).
h)[1S−[1α,2α,3β,5β(1S*,2R*)]]−3−(2−ヒドロキシエトキシ)−5−[7−(2−フェニルシクロプロピル)アミノ]−5−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)チオ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]シクロペンタン−1,2−ジオール
実施例1、工程h)の方法に従い、工程g)の生成物を用いて製造した。
【0127】
【化27】

【0128】
実施例8
[1S−[1α,2β,3β,4α(1S*,2R*)]]−4−[5−(ブチルチオ)−7−[[2−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]シクロペンタン−1,2,3−トリオール
a)[3aR−[3aα,4α,6α(1R*,2S*),6aα]]−6−[[7−[(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−5−(プロピルチオ)−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−オール
実施例1、工程e)の方法に従い、実施例3、工程f)の生成物および実施例2、工程d)の生成物を用いて、サブタイトルの化合物を製造した。
【0129】
MS(APCI)519(M+H+,100%).
b)[3aR−[3aα,4α,6α(1R*,2S*),6aα]]−6−[[7−[(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−5−(プロピルスルホニル)−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−オール
実施例1、工程f)の方法に従い、工程a)の生成物を用いて、サブタイトルの化合物を製造した。
【0130】
MS(APCI)551(M+H+,100%).
c)[3aR−[3aα,4α,6α(1R*,2S*),6aα]]−6−[5−(ブチルチオ)−7−[[2−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−オール
実施例4、工程c)の方法に従い、工程b)の生成物を用いて、サブタイトルの化合物を製造した。
【0131】
MS(APCI)533(M+H+,100%).
d)[1S−[1α,2β,3β,4α(1S*,2R*)]]−4−[5−(ブチルチオ)−7−[[2−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロピル]アミノ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]シクロペンタン−1,2,3−トリオール
実施例1、工程h)の方法に従い、工程c)の生成物を用いてタイトルの化合物を製造した。
【0132】
【化28】

【0133】
実施例9
[1S−[1α,2α,3β(1S*,2R*),5β]]−3−[5−(ブチルチオ)−7−[(2−フェニルシクロプロピル)アミノ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−5−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロペンタン−1,2−ジオール
a)[3aS−(3aα,4α,6α,6aα)]−[テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−イル]カルバミン酸,フェニルメチルエステル
炭酸カリウム(39.3g)を、4−メチル−2−ペンタノン(500ml)中における[3aR−(3aα,4α,6α,6aα)]−6−アミノ−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−オール塩酸塩(WO9905142の記載に従って製造)(27.1g)の懸濁液に添加した。次いで水(150ml)を添加し、続いてクロロギ酸ベンジル(23.1g)を滴加した。反応混合物を室温で4時間撹拌した後、有機相を分離した。水相を4−メチル−2−ペンタノン(50ml,2回)で抽出した。有機相を合わせて濃縮し、残留物を精製して(SiO2,溶離剤としてジクロロメタン:メタノール 95:5から90:10まで)、サブタイトルの化合物を得た(39.23g)。
【0134】
【化29】

【0135】
b)[3aS−(3aα,4α,6α,6aα)]−[2,2−ジメチル−6−(2−ヒドロキシエトキシ)−テトラヒドロ−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−イル]カルバミン酸,フェニルメチルエステル
テトラヒドロフラン(20ml)中のカリウムt−ブトキシド(3.6g)を5分間かけて、テトラヒドロフラン(200ml)中における工程a)の生成物(39.23g)の溶液に添加した。15分後、テトラヒドロフラン(10ml)中のブロモ酢酸エチル(3.7ml)を滴加した。混合物を0℃で10分間撹拌し、次いでブロモ酢酸エチル(3.7ml,4回)を追加した。反応混合物を0℃でさらに2時間撹拌した。次いで得られた懸濁液に水素化ホウ素リチウム(2.79g)を少量ずつ添加し、反応混合物を<5℃で16時間撹拌した。この冷混合物に氷酢酸(23g)を滴加した。30分間撹拌した後、水(100ml)を滴加し、得られた混合物を30分間撹拌した。次いで相を分離し、水相を酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせて飽和炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄し、乾燥および濃縮した。残留物を精製して(SiO2,溶離剤として酢酸エチル:ヘキサン 25:75から50:50まで)、サブタイトルの化合物を得た(38.6g)。
【0136】
MS(APCI)218(M+H+,100%).
c)[3aR−(3aα,4α,6α,6aα)]−2−[[6−アミノ−2,2−ジメチル−テトラヒドロ−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−イル]オキシ]エタノール
エタノール中におけるカーボン上5%パラジウム(4g)のスラリーを、エタノール(250ml)中における工程b)の生成物(39.96g)の溶液に添加し、混合物を1.2バールで20時間水素化した。触媒を濾別し、濾液を濃縮して、サブタイトルの化合物を得た(23.65g)。
【0137】
MS(APCI)160(M+H+,100%).
d)2−(ブチルチオ)−4,6−ジクロロピリミジン−5−アミン
実施例3、工程e)の方法に従い、2−(ブチルチオ)−4,6−ジクロロ−5−ニトロ−ピリミジン(DE2223644の記載に従って製造)を用いてサブタイトルの化合物を製造した。
【0138】
【化30】

【0139】
e)[3aR−(3aα,4α,6α,6aα)]−2−[[6−[[5−アミノ−2−(ブチルチオ)−6−クロロ−ピリミジン−4−イル]アミノ]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−イル]オキシ]エタノール
実施例3、工程d)の方法に従い、工程c)およびd)の生成物を用いて、サブタイトルの化合物を製造した。
【0140】
MS(APCI)433(M+H+,100%).
f)[3aR−[3aα,4α,6α(1R*,2S*),6aα]]−2−[6−[[5−(ブチルチオ)−7−クロロ−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−イル]オキシ]エタノール
実施例3、工程f)の方法に従い、工程e)の生成物を用いて、サブタイトルの化合物を製造した。
【0141】
【化31】

【0142】
g)[3aR−[3aα,4α,6α(1R*,2S*),6aα]]−2−[6−[[5−(ブチルチオ)−7−[2−フェニルシクロプロピル]アミノ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−イル]オキシ]エタノール
実施例3、工程j)の方法に従い、工程f)の生成物を用いて、サブタイトルの化合物を製造した。
【0143】
MS(APCI)541(M+H+,100%).
h)[1S−[1α,2α,3β(1S*,2R*),5β]]−3−[5−(ブチルチオ)−7−[(2−フェニルシクロプロピル)アミノ]−3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−5−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロペンタン−1,2−ジオール
実施例1、工程h)の方法に従い、工程g)の生成物を用いて、タイトルの化合物を製造した。
【0144】
【化32】

【0145】
薬理学的データ
洗浄したヒト血小板における本発明化合物のP27(P2YADPまたはP2TAC)受容体アゴニスト/アンタゴニスト活性をアッセイするための調製を下記により行った:
ヒト静脈血(100ml)を、それぞれ抗凝固剤として3.2%クエン酸三ナトリウム(4ml)を入れた3本の試験管に等分した。試験管を240Gで15分間遠心分離すると血小板に富む血漿(plate−rich plasma,PRP)が得られ、これに300ng/mlのプロスタサイクリンを添加して、洗浄操作中の血小板を安定化した。125Gで10分間の遠心分離、次いでさらに640Gで15分間の遠心分離により、赤血球を含まないPRPを得た。上清を廃棄し、改変した無カルシウムタイロード液(10ml)(CFT)[組成:NaCl 137mM,NaHCO3 11.9mM,NaH2PO4 0.4mM,KCl 2.7mM,MgCl2 1.1mM,デキストロース5.6mM]に血小板ペレットを再懸濁し、95%O2/5%CO2を通気し、37℃に保持した。さらに300ng/mlのPGI2を添加した後、プールした懸濁液をもう一度640Gで15分間遠心分離した。上清を廃棄し、血小板をまず10mlのCFTに再懸濁し、CFTを追加して最終血小板数2×105/mlに調整した。この最終懸濁液を60mlの注射器内に空気を排除して3℃で保存した。PGI2阻害から正常な機能を回復させるために、最終再懸濁後2時間以前には血小板を凝集試験に使用しなかった。
【0146】
すべての試験において、3mlアリコートの血小板懸濁液をCaCl2溶液(50mM溶液60μl、最終濃度1mM)入り試験管に添加した。ヒトフィブリノーゲン(Sigma,F4883)および8−スルホフェニルテオフィリン(8−SPT,化合物のP1−アゴニスト活性を遮断するために使用)を添加して、最終濃度をそれぞれ0.2mg/ml(塩類溶液中における凝固性タンパク質10mg/mlの溶液60μl)および300nM(6%グルコース中15mM溶液10μl)にした。適宜、体積150μlの血小板または緩衝液を96ウェルプレートの各ウェルに添加した。すべての測定を各ドナーからの血小板の三重試験法で行った。
【0147】
アゴニスト/アンタゴニスト力価を下記により評価した:
プレートリーダーが660nmで示す吸光度の変化を用いて、96ウェルプレートでの凝集反応を測定した。プレートリーダーとしては、Bio−Tec Ceres 900CまたはDynatech MRXを用いた。
【0148】
プレートの各ウェルの吸光度を660nmで読み取り、ベースライン図を作成した。塩類溶液または適宜な被験化合物溶液を各ウェルに10μlの体積で添加して、最終濃度0、0.01、0.1、1、10または100mMにした。次いでプレートを設定10のオービタルシェーカー上で5分間振とうし、吸光度を660nmで読み取った。この時点での凝集は、被験化合物のアゴニスト活性を指示するものであった。次いで塩類溶液またはADP(30mM;450mMのもの10μl)を各ウェルに添加し、プレートをさらに5分間振とうした後、再び吸光度を660nmで読み取った。
【0149】
アンタゴニスト力価は、IC50が得られた対照ADP反応阻害率%として推定された。例示した化合物は5.0より大きいpIC50をもつ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化合物:
(1S−cis)−2−[[4−[[6−クロロ−5−ニトロ−2−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)チオ]−4−ピリミジニル]アミノ]−2−シクロペンテン−1−イル]オキシ]−酢酸,エチルエステル;
[3aS−(3aα,4α,6α,6aα)]−[テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−イル]カルバミン酸,フェニルメチルエステル;
[3aS−(3aα,4α,6α,6aα)]−[2,2−ジメチル−6−(2−ヒドロキシエトキシ)−テトラヒドロ−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−イル]カルバミン酸,フェニルメチルエステル;
[3aR−(3aα,4α,6α,6aα)]−2−[[6−アミノ−2,2−ジメチル−テトラヒドロ−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−イル]オキシ]エタノール;
2−(ブチルチオ)−4,6−ジクロロピリミジン−5−アミン;
[3aR−(3aα,4α,6α,6aα)]−2−[[6−[[5−アミノ−2−(ブチルチオ)−6−クロロ−ピリミジン−4−イル]アミノ]テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−イル]オキシ]エタノール;
[3aR−(3aα,4α,6α,6aα)]−6−[[6−クロロ−5−ニトロ−2−(プロピルチオ)ピリミジン−4−イル]アミノ]−テトラヒドロ−2,2−ジメチル−4H−シクロペンタ−1,3−ジオキソール−4−オール。
【請求項2】
式(III)の化合物:
【化1】

式中、R2は請求項1に定めたもの、またはその保護された誘導体である。
【請求項3】
式(V)の化合物:
【化2】

式中、R1は請求項1に定めたものであり、Rは請求項1に定めたもの、またはその保護された誘導体、またはOCH2CO2R’であり、ここでR’はC1-6アルキルまたはベンジルであり、Lは前記に定めたものであり、R3およびR4は請求項1に定めたもの、またはその保護された誘導体であり、あるいはR3とR4は一緒に5員環中の結合を形成する。

【公開番号】特開2007−84551(P2007−84551A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−283455(P2006−283455)
【出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【分割の表示】特願2000−586728(P2000−586728)の分割
【原出願日】平成11年12月2日(1999.12.2)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】