説明

新規な(メタ)アクリルモノマー及びその製造方法

【課題】各種コモノマーや有機溶媒との相溶性が良好であり、幅広いポリマーのモノマーとして使用し得る(メタ)アクリルモノマー及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】式(I):


(式中、Aは、アミノ基あるいはピペラジン基を表す。R1は水素原子又はメチル基、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキレン基、R5は、それぞれ独立に、炭素数1〜18の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数7〜18のアラルキル基、X1及びX2は、それぞれ独立に、酸素原子、メチレン基又は化学結合であり、m及びnは、m+n≧1を満たす0〜50の整数である)で表される(メタ)アクリルモノマー及びその製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子材料等として用いられる(メタ)アクリルモノマー及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
合成高分子は電気絶縁材料であり加工が容易である。そのため、帯電防止性が付与されれば様々な用途、例えば、静電気による障害を防止したいCD、DVD、ホログラムメモリー記録材料等の電子・電気機械の部品、防塵用部品等への用途展開が可能となる。
【0003】
そこで、合成高分子材料の制電性を向上させる方法として、例えば、特許文献1には、特定のポリエーテルポリエステルアミドとグラフト共重合体含有物に変性ビニル系重合体を混合した熱可塑性樹脂組成物が開示されている。
【0004】
また、制電性に優れているポリアルキレンオキシド部位を有する(メタ)アクリル系モノマーとして、(メタ)アクリルエステルモノマー等が利用されている。しかしながら、ポリアルキレンオキシド部位がエステル結合で結合されると、加水分解されやすく不安定である。そこで、耐加水分解性に優れるモノマーとしてアミド化合物が知られている。例えば、ポリアルキレンオキシド部位を有する(メタ)アクリルアミドモノマーとして知られるN-メトキシポリエチレングリコールアクリルアミドは耐加水分解性に優れるモノマーとして利用できる。
【特許文献1】特開昭62−241945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ポリアルキレンオキシド部位を有する(メタ)アクリルアミドモノマーは広い分野で利用されている一方で、ポリアルキレンオキシド部位を有するために、共重合を行う際のコモノマーや汎用有機溶媒との相溶性が悪い場合があり、合成可能な共重合条件が限定されてしまう問題やコモノマー原料の制限から合成可能なポリマーの物性や機能が著しく限定されてしまう欠点がある。
【0006】
本発明の課題は、各種コモノマーや有機溶媒との相溶性が良好であり、幅広いポリマーのモノマーとして使用し得る(メタ)アクリルモノマー及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
〔1〕 式(I):
【0008】
【化1】

【0009】
(式中、Aは、式(A1):
【0010】
【化2】

【0011】
又は式(A2):
【0012】
【化3】

【0013】
で表される基、R1は水素原子又はメチル基、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキレン基、R5及びR6は、それぞれ独立に、炭素数1〜18の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数7〜18のアラルキル基、X1及びX2は、それぞれ独立に、酸素原子、メチレン基又は化学結合であり、m及びnは、m+n≧1を満たす0〜50の整数である)
で表される(メタ)アクリルモノマー、
〔2〕 式(II):
【0014】
【化4】

【0015】
(式中、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキレン基、R5は、炭素数1〜18の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数7〜18のアラルキル基、X1及びX2は、それぞれ独立に、酸素原子、メチレン基又は化学結合であり、m及びnは、m+n≧1を満たす0〜50の整数である)で表される水酸基含有化合物と、式(III):
【0016】
【化5】

【0017】
(式中、R7は炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数7〜18のアラルキル基、Yはハロゲン原子である)
で表される有機スルホニルハライドとを反応させ、式(IV):
【0018】
【化6】

【0019】
(式中、R2、R3、R4、R5、R7、X1、X2、m及びnは、前記と同じ)
で表されるスルホネート化合物を得る工程A、
式(IV)で表されるスルホネート化合物と、式(V):
【0020】
【化7】

【0021】
(式中、Aは、式(A1):
【0022】
【化8】

【0023】
又は式(A2):
【0024】
【化9】

【0025】
で表される基、R6は、炭素数1〜18の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数7〜18のアラルキル基である)
で表されるアミン化合物とを反応させて、式(VI):
【0026】
【化10】

【0027】
(式中、A、R2、R3、R4、R5、X1、X2、m及びnは、前記と同じ)
で表されるアミン誘導体を得る工程B、及び
式(VI)で表されるアミン誘導体と、式(VII):
【0028】
【化11】

【0029】
(式中、Zはハロゲン原子、R1は水素原子又はメチル基である)
で表される(メタ)アクリル酸ハライド、又は式(VIII):
【0030】
【化12】

【0031】
(式中、R1は前記と同じ)
で表される(メタ)アクリル酸無水物とを反応させて、式(I)で表される(メタ)アクリルモノマーを得る工程Cを含む、式(I):
【0032】
【化13】

【0033】
(式中、A、R1、R2、R3、R4、R5、X1、X2、m及びnは、前記と同じ)
で表される(メタ)アクリルモノマーの製造方法、並びに
〔3〕 工程Cの後、さらに、得られた(メタ)アクリルモノマーを、展開溶媒としてエステル系溶媒を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製する工程Dを含む、請求項2記載の(メタ)アクリルモノマーの製造方法
に関する。
【発明の効果】
【0034】
本発明の(メタ)アクリルモノマーは、各種コモノマーや有機溶媒との相溶性が良好であり、幅広いポリマーのモノマーとして使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明の(メタ)アクリルモノマーは、式(I):
【0036】
【化14】

【0037】
(式中、Aは式(A1):
【0038】
【化15】

【0039】
又は式(A2):
【0040】
【化16】

【0041】
で表される基、R1は水素原子又はメチル基、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキレン基、R5及びR6は、それぞれ独立に、炭素数1〜18の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数7〜18のアラルキル基、X1及びX2は、それぞれ独立に、酸素原子、メチレン基又は化学結合を表し、m及びnは、m+n≧1を満たす0〜50の整数である)
で表される化合物であり、ポリアルキレンオキシド部位と窒素原子に疎水基が置換されたアミド部位を同一モノマー分子内に併せ持つ構造に大きな特徴を有する。
【0042】
式(I)において、R5又はR6で表されるアルキル基、アリール基及びアラルキル基は、それらの疎水性を損なわない置換基、例えば、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数3〜8の脂環式炭化水素基等で置換されていてもよい。
【0043】
本発明の(メタ)アクリルモノマーは、後述の工程A〜Cを含む方法により、合成することができる。
【0044】
工程Aは、式(II):
【0045】
【化17】

【0046】
(式中、R2、R3、R4、R5、X1、X2、m及びnは、前記と同じ)
で表される水酸基含有化合物と、式(III):
【0047】
【化18】

【0048】
(式中、R7は炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数7〜18のアラルキル基、Yはハロゲン原子である)
で表される有機スルホニルハライドとを反応させ、式(IV):
【0049】
【化19】

【0050】
(式中、R2、R3、R4、R5、R7、X1、X2、m及びnは、前記と同じ)
で表されるスルホネート化合物を得る工程である。
【0051】
式(II)で表される化合物の具体例としては、式(II)においてX1及びX2が酸素原子である場合のポリオキシアルキレングリコールモノエーテル化合物の例として、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノシクロヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、オクタエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコールモノ-(p-ブトキシフェニル)エーテル、1-ブトキシエトキシ-2-プロパノール、メトキシポリ(1,3-プロピレンオキシド)グリコール、メトキシポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、メトキシポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、メトキシポリ(エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロック又はランダム共重合体)及びメトキシ(エチレンオキシドとテトラヒドロフランのブロック又はランダム共重合体)等が挙げられる。また、式(II)においてX1及びX2がメチレン又は化学結合である場合のヒドロキシル化エーテル化合物の例として、2-エトキシエタノール、2-プロポキシエタノール、2-ブトキシエタノール等が挙げられる。
【0052】
式(II)においてX1及びX2が酸素原子である場合、式(II)で表されるポリオキシアルキレングリコールモノエーテル化合物は、アルキレンオキシ基数の異なる化合物の混合物であってもよく、その場合、使用するポリオキシアルキレングリコールモノエーテル化合物全体としての数平均分子量は100〜30,000が好ましい、
【0053】
式(II)においてX1及びX2がメチレン又は化学結合である場合、式(II)で表されるヒドロキシル化エーテル化合物は、アルキレン基数の異なる化合物の混合物であってもよく、その場合、使用するヒドロキシル化エーテル化合物全体としての数平均分子量は100〜5,000が好ましい、
【0054】
式(III)で表される有機スルホニルハライドの具体例としては、メタンスルホニルクロリド、エタンスルホニルクロリド、プロパンスルホニルクロリド、1-オクタンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド、p-トルエンスルホニルクロリド、4-t-ブチルベンゼンスルホニルクロリド、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニルクロリド、1-ナフタレンスルホニルクロリド等が挙げられ、これらの中では、反応効率の観点から、式(III)において、R7が炭素数1〜3のアルキル基、Yが塩素原子である化合物が好ましく、メタンスルホニルクロリドがより好ましい。本発明において、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
【0055】
式(III)で表される有機スルホニルハライドの量は、式(II)で表される水酸基含有化合物1モルに対して、1.00〜3.00モルが好ましく、1.01〜1.30モルがより好ましい。
【0056】
式(II)で表される水酸基含有化合物と式(III)で表される有機スルホニルハライドとの反応は、溶媒中、有機塩基触媒の存在下で行うことが好ましい。具体的には、例えば、式(II)で表される水酸基含有化合物、有機塩基触媒及び溶媒を混合した後、混合液の温度を適度な反応温度に調整した後、式(III)で表される有機スルホニルハライドを添加し、攪拌して行うことができる。
【0057】
有機塩基触媒としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、ピリジン、キノリン等が挙げられ、これらの中ではトリエチルアミンが好ましい。
【0058】
有機塩基触媒の量は、反応収率や反応速度の観点から式(II)で表される水酸基含有化合物1モルに対して、1.00〜5.00モルが好ましく、1.01〜1.50モルがより好ましい。
【0059】
溶媒としては、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル、アセトニトリル、ニトロベンゼン、ニトロメタン等の非プロトン性有機溶媒等が挙げられる。
【0060】
反応液中の溶媒の量は、作業効率及び反応収率の向上の観点から、1〜95重量%が好ましく、50〜95重量%がより好ましい。
【0061】
反応温度は、反応効率の観点から、0〜50℃が好ましく、5〜20℃がより好ましい。また、反応系内の圧力は、特に限定されず、常圧であってもよい。
【0062】
反応時間は特に限定されないが、式(II)で表される水酸基含有化合物と式(III)で表される有機スルホニルハライドとの反応により生成する、式(IV)で表されるスルホネート化合物の生成率が変化しなくなった時点まで行うことが好ましい。式(IV)で表されるスルホネート化合物の生成率は、液体クロマトグラフィー等により確認することができる。
【0063】
反応終了後、例えば、得られた反応溶液から、抽出、濃縮等の分離操作により、式(IV)で表されるスルホネート化合物を単離することができる。
【0064】
工程Bは、式(IV)で表されるスルホネート化合物と、式(V):
【0065】
【化20】

【0066】
(式中、Aは前記と同じ)
で表されるアミン化合物とを反応させて、式(VI):
【0067】
【化21】

【0068】
(式中、A、R2、R3、R4、R5、X1、X2、m及びnは、前記と同じ)
で表されるアミン誘導体を得る工程である。
【0069】
式(V)で表されるアミン化合物の具体例としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、sec-ブチルアミン、tert-ブチルアミン、ベンジルアミン、ピペラジン、メチルピペラジン,tert-ブチルピペラジン等が挙げられる。
【0070】
式(V)で表されるアミン化合物の量は、式(IV)で表される化合物1モルに対して、1.0〜5.0モルが好ましく、1.1〜3.0モルがより好ましい。
【0071】
式(IV)で表されるスルホネート化合物と式(V)で表されるアミン化合物との反応は、溶媒中で行うことが好ましい。具体的には、例えば、式(IV)で表されるスルホネート化合物及び式(V)で表されるアミン化合物を溶媒中で適宜攪拌して行うことができる。
【0072】
溶媒としては、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル、アセトニトリル、ニトロベンゼン、ニトロメタン等の非プロトン性有機溶媒等が挙げられる。
【0073】
反応液中の溶媒の量は、作業効率及び反応収率の向上の観点から、1〜95重量%が好ましく、50〜95重量%がより好ましい。
【0074】
反応温度は、反応効率の観点から、50〜100℃が好ましく、60〜90℃がより好ましい。また、反応系内の圧力は、特に限定されず、常圧であってもよい。
【0075】
反応時間は特に限定されないが、式(IV)で表されるスルホネート化合物と式(V)で表されるアミン化合物との反応により生成する、式(VI)で表されるアミン誘導体の生成率が変化しなくなった時点まで行うことが好ましい。式(VI)で表されるアミン誘導体の生成率は、NMR、液体クロマトグラフィー等により確認することができる。
【0076】
反応終了後、例えば、得られた反応溶液から、ろ過により固形分を除去し、ろ液を濃縮した後、適宜カラムクロマトグラフィー等により適宜精製することにより、式(VI)で表されるアミン誘導体を単離することができる。
【0077】
工程Cは、式(VI)で表されるアミン誘導体と、式(VII):
【0078】
【化22】

【0079】
(式中、Zはハロゲン原子であり、R1は前記と同じ)
で表される(メタ)アクリル酸ハライド、又は式(VIII):
【0080】
【化23】

【0081】
(式中、R1は前記と同じ)
で表される(メタ)アクリル酸無水物とを反応させて、式(I)で表される(メタ)アクリルモノマーを得る工程である。
【0082】
式(VII)で表される(メタ)アクリル酸ハライドの具体例としては、(メタ)アクリル酸クロリド、(メタ)アクリル酸ブロミド、(メタ)アクリル酸アイオダイド等が挙げられ、これらの中では、反応性やコスト面の観点から、(メタ)アクリル酸クロリドが好ましい。
【0083】
式(VII)で表される(メタ)アクリル酸ハライド又は式(VIII)で表される(メタ)アクリル酸無水物の量は、式(VI)で表される化合物1モルに対して、0.25〜4.0モルが好ましく、0.9〜1.2モルがより好ましい。
【0084】
式(VI)で表されるアミン誘導体と式(VII)で表される(メタ)アクリル酸ハライド又は式(VIII)で表される(メタ)アクリル酸無水物との反応は、溶媒中、無触媒又は有機塩基触媒の存在下で行うことが好ましい。具体的には、例えば、式(VI)で表されるアミン誘導体、有機塩基触媒及び溶媒を混合した後、混合液の温度を適度な反応温度に調整した後、式(VII)で表される(メタ)アクリル酸ハライド又は式(VIII)で表される(メタ)アクリル酸無水物を滴下しながら、攪拌して行うことができる。
【0085】
有機塩基触媒としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、キノリン等が挙げられ、これらの中ではトリエチルアミンが好ましい。
【0086】
有機塩基触媒の量は、反応収率、反応速度の観点から、式(VI)で表されるアミン誘導体1モルに対して、1.00〜5.00モルが好ましく、1.01〜1.50モルがより好ましい。
【0087】
溶媒としては、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル、アセトニトリル、ニトロベンゼン、ニトロメタン等の非プロトン性有機溶媒等が挙げられる。
【0088】
反応液中の溶媒の量は、作業効率及び反応収率の向上の観点から、1〜95重量%が好ましく、50〜95重量%がより好ましい。
【0089】
反応温度は、反応効率の観点から、0〜50℃が好ましく、5〜20℃がより好ましい。また、反応系内の圧力は、特に限定されず、常圧であってもよい。
【0090】
反応時間は特に限定されないが、式(VI)で表されるアミン誘導体と式(VII)で表される(メタ)アクリル酸ハライド又は式(VIII)で表される(メタ)アクリル酸無水物との反応により生成する、式(I)で表される(メタ)アクリルモノマーの生成率が変化しなくなった時点まで行うことが好ましい。式(I)で表される(メタ)アクリルモノマーの生成率は、液体クロマトグラフィー等により確認することができる。
【0091】
反応終了後、例えば、得られた反応溶液から、抽出、濃縮等の分離操作により、式(I)で表される(メタ)アクリルモノマーを単離することができる。
【0092】
本発明においては、工程Cの後、さらに、得られた(メタ)アクリルモノマーを、展開溶媒としてエステル系溶媒を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製する工程Dに供することが好ましい。エステル系溶媒を用いることにより、目的物を効率良く単離することができる。
【0093】
カラムクロマトグラフィーの展開溶媒は、例えば、炭化水素系溶媒を用いた後、該炭化水素系溶媒とエステル系溶媒との混合液を用い、さらにエステル系溶媒の単一溶媒を用いることが好ましい。
【0094】
ここで、炭化水素系溶媒としてはヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。またエステル系溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。炭化水素系溶媒とエステル系溶媒の混合液における両者の体積比は、目的物を単離して溶出しやすいものを考慮して適宜選択する。
【0095】
式(I)で表される本発明の(メタ)アクリルモノマーは、単独又は他のモノマーとの共重合により、電子材料として使用されるポリマー製造の原料として有用である。例えば、本発明の(メタ)アクリルモノマーを単独又は共重合することにより、ポリマーの相溶性、耐加水分解性、制電性等の物性を改善することができる。例えば、式(I)において、AがR6がベンジル基である式(A1)で表される基、R1が水素原子、R2、R3及びR4がエチレン基、R5がメチル基である(メタ)アクリルモノマーは、芳香族系有機溶媒に対する相溶性において、より優れた性能を示す。
【実施例】
【0096】
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
【0097】
実施例1
【0098】
【化24】

【0099】
〔工程A:化合物(IV-a)の合成〕
攪拌機、温度計、冷却管及び空気導入管を備えた500ミリリットル容の5口フラスコに、化合物(II-a)(ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(重合度(n)≒8)、商品名:ユニオックス、日油(株)製)1.0g(2.6ミリモル)、酢酸エチル2.5g及びトリエチルアミン0.34g(3.4ミリモル)を投入し、攪拌した後、得られた混合液の温度が15℃以下となるまで冷却した。化合物(III-a)(メタンスルホニルクロリド)0.33g(2.9ミリモル)を添加し、5〜15℃の範囲内で1時間攪拌した。混合液中に生成した化合物(IV-a)の生成率に変化がなくなった時点で反応を終了した。
【0100】
得られた反応液に、精製水5.0gと酢酸エチル10.0gを添加し、攪拌した後、静置して水層と有機層とに分離し、有機層を抽出した。さらに、分離した水層に酢酸エチル100gを添加する抽出分離を2回行った。計3回抽出分離して得られた有機層を混合した後、エバポレーターを用い、55℃、0.06MPa減圧条件下にて有機層を濃縮して酢酸エチルを除去することにより、化合物(IV-a)1.13g(純度:85.0%)を得た(収率:93.3%)。化合物(IV-a)の含量はLC及びNMRにより、純度はLCより、それぞれ分析した。本実施例で行ったLCの測定条件を下記に示す。
【0101】
<LC測定条件>
カラム:cosmosil packed column 5C8MS(ナカライテスク製:4.6mm×250mm×5μm)
溶出液:アセトニトリル/水(体積比)=50/50
添加剤:KH2PO424.5g、ラウリル硫酸ナトリウム8.65g及びリン酸(pH3.5に調整)
流速:0.3ml/min
検出:RI
注入量:20μリットル
【0102】
また、化合物(IV-a)の構造を、JEOL-JNM-AL300-FTNMRスペクトルメーター(日本電子(株)製)を用いた1H-NMR測定(300MHz,CDCl3)により同定した。
【0103】
〔工程B:化合物(VI-a)の合成〕
攪拌機、温度計及び冷却管を備えた500ミリリットル容の5口フラスコに、化合物(IV-a)5.5g(化合物(IV-a)5.0g(11ミリモル)含有)、化合物(V-a)(ベンジルアミン)3.0g(28ミリモル)及びトルエン53.0gを投入して、攪拌した。得られた混合液の温度が85〜90℃となるまで攪拌しながら加熱し、20時間反応を行った。反応液中に生成した目的の化合物(VI-a)の生成率は52.0%であった。
【0104】
得られた反応液にトルエン15gを加えた後、ろ過により固形分を分離除去した。エバポレーターを用い、55℃、0.06MPa減圧条件下にて、ろ液を濃縮してトルエンを除去することにより、化合物(VI-a)を含む粗生成物12.4gを得た。
【0105】
粗生成物を、アルミナを充填剤とするカラムクロマトグラフィーにより精製した。初期の展開溶媒としては酢酸エチルとヘキサンとの混合溶媒(酢酸エチル/ヘキサン(体積比)=50/50)を用い、最終的には酢酸エチル単独溶媒を展開して精製した。その結果、目的の化合物(VI-a)3.6g(純度:51.8%)を得た(収率:33.0%)。化合物(VI-a)の純度は、LCにより分析した。測定により得られたクロマトグラムを図1に示す。目的化合物である化合物(VI-a)(図1において、保持時間16.395のピークのもの)の生成が確認された。分析条件を下記に示す。
【0106】
また、化合物(VI-a)の構造を、JEOL-JNM-AL300-FTNMRスペクトルメーター(日本電子(株)製)を用いた1H-NMR測定(300MHz,CDCl3)により同定した。得られたNMRスペクトルを図2に示す。
【0107】
<ピークの帰属>
δ:ケミカルシフト
2.25ppm:アミノ基(1H)
2.76ppm:ポリエチレングリコールメチルエーテルのエチレングリコール基(2H)
3.30ppm:ポリエチレングリコールメチルエーテルのメチル基(3H)
3.55〜3.64ppm:ポリエチレングリコールメチルエーテルのエチレングリコール基(30H)
3.77ppm:ベンジル基(2H)
7.20〜7.33ppm:ベンジル基(5H)
【0108】
〔工程C:化合物(I-a)の合成〕
攪拌機、温度計、冷却管及び空気導入管を備えた500ミリリットル容の5口フラスコに、上記で得られた化合物(VI-a)33.0g(67.7ミリモル)、テトラヒドロフラン50.0g及びトリエチルアミン7.2g(71.3ミリモル)を投入した後、攪拌して、混合液の温度が20℃以下となるまで冷却した。混合液の温度が20℃を超えないように、化合物(VII-a)(アクリル酸クロリド)6.1g(67.8ミリモル)を徐々に滴下しながら攪拌した。混合液中に生成した目的の化合物(I-a)の生成率が99.0%以上となった時点で反応を終了した。
【0109】
得られた反応液に精製水50gと酢酸エチル100gを添加し、攪拌した後、静置して水層と有機層とに分離し、有機層を抽出した。さらに、分離した水層に酢酸エチル100gを添加する抽出分離を2回行った。計3回抽出分離して得られた有機層を混合した後、エバポレーターを用い、55℃、0.06MPa減圧条件下にて有機層を濃縮して酢酸エチルを除去することにより粗生成物25.0gを得た。
【0110】
〔工程D〕
粗生成物を、アルミナを充填剤とするカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒として酢酸エチルとヘキサンとの混合溶媒(酢酸エチル/ヘキサン(体積比)=80/20)を用い、目的の化合物(I-a)8.6g(純度:95.9%)を得た(収率:23.4%)。純度は、展開液1μLを用いてLCにより分析した。測定により得られたクロマトグラムを図3に示す。目的化合物である化合物(I-a)(図3において、保持時間16.014のピークのもの)の生成が確認された。分析条件は化合物(VI-a)の測定と同条件にて行った。
【0111】
また、化合物(I-a)の構造を、JEOL-JNM-AL300-FTNMRスペクトルメーター(日本電子(株)製)を用いた1H-NMR測定(300MHz,CDCl3)により同定した。得られたNMRスペクトルを図4に示す。
【0112】
<ピークの帰属>
δ:ケミカルシフト
3.37ppm:ポリエチレングリコールメチルエーテルのメチル基(3H)
3.48〜3.68ppm:ポリエチレングリコールメチルエーテルのエチレングリコール基(32H)
4.73ppm:ベンジル基(2H)
5.68ppm、6.36ppm、6.42ppm及び6.67ppm:アクリロイル基(4H)
7.16〜7.36ppm:ベンジル基(5H)
【0113】
実施例2
【0114】
【化25】

【0115】
〔工程A:化合物(IV-a)の合成〕
実施例1と同様にして、化合物(IV-a)を得た。
【0116】
〔工程B:化合物(VI-b)の合成〕
攪拌機、温度計及び冷却管を備えた500ミリリットル容の5口フラスコに、化合物(IV-a)27.8g(化合物(IV-a)23.6g(51ミリモル)含有)、化合物(V-b)(ピペラジン)12.3g(143ミリモル)及びテトラヒドロフラン69.1gを投入して、攪拌した。得られた混合液の温度が65〜70℃となるまで攪拌しながら加熱し、9時間反応を行った。反応液中に生成した目的の化合物(VI-b)の生成率は75%であった。
【0117】
得られた反応液から、ろ過により固形分を分離除去した。エバポレーターを用い、55℃、0.06MPa減圧条件下にて、テトラヒドロフランを除去してろ液を濃縮し、目的の化合物(VI-b)28.69g(純度:75.0%)を得た(収率:87.0%)。化合物(VI-b)の純度は、LCにより分析した。測定により得られたクロマトグラムを図5に示す。目的化合物である化合物(VI-b)(図5において、保持時間12.006のピークのもの)の生成が確認された。分析条件を下記に示す。
【0118】
また、化合物(VI-b)の構造を、JEOL-JNM-AL300-FTNMRスペクトルメーター(日本電子(株)製)を用いた1H-NMR測定(300MHz,CDCl3)により同定した。得られたNMRスペクトルを図6に示す。
【0119】
<ピークの帰属>
δ:ケミカルシフト
1.96ppm:環状アミンのプロトン(1H)
2.46ppm:環状アミン構造のメチレン基(4H)
2.57ppm:ポリエチレングリコールメチルエーテルのエチレングリコール基(2H)
2.83ppm:環状アミン構造のメチレン基(4H)
3.35ppm:ポリエチレングリコールメチルエーテルのメチル基(3H)
3.42〜3.86ppm:ポリエチレングリコールメチルエーテルのエチレングリコール基(30H)
【0120】
〔工程C:化合物(I-b)の合成〕
攪拌機、温度計、冷却管及び空気導入管を備えた500ミリリットル容の5口フラスコに、上記で得られた化合物(VI-b)20.1g(44.4ミリモル)、テトラヒドロフラン32.3g及びトリエチルアミン4.7g(46.5ミリモル)を投入した後、攪拌して、混合液の温度が20℃以下となるまで冷却した。混合液の温度が20℃を超えないように、化合物(VII-a)(アクリル酸クロリド)4.6g(51.1ミリモル)を徐々に滴下しながら攪拌した。1時間ごとに、LC測定を行い、混合液中に生成した目的の化合物(I-b)の生成率が変化しなくなった時点で反応を終了した。
【0121】
得られた反応液に精製水20gと酢酸エチル40gを添加し、攪拌した後、静置して水層と有機層とに分離し、有機層を抽出した。さらに、分離した水層に酢酸エチル40gを添加する抽出分離を2回行った。計3回抽出分離して得られた有機層を混合した後、酢酸エチルを、エバポレーターを用い、55℃、0.06MPa減圧条件下にて濃縮回収することにより粗生成物11.5gを得た。
【0122】
〔工程D〕
粗生成物を、アルミナを充填剤とするカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒として酢酸エチルとヘキサンとの混合溶媒(酢酸エチル/ヘキサン(体積比)=80/20)を用い、目的の化合物(I-b)8.6g(純度:97.4%)を得た(収率:28.9%)。純度は、展開液1μLを用いてLCにより分析した。測定により得られたクロマトグラムを図7に示す。目的化合物である化合物(I-b)(図7において、保持時間12.149のピークのもの)の生成が確認された。分析条件を下記に示す。
【0123】
また、化合物(I-b)の構造を、JEOL-JNM-AL300-FTNMRスペクトルメーター(日本電子(株)製)を用いた1H-NMR測定(300MHz,CDCl3)により同定した。得られたNMRスペクトルを図8に示す。
【0124】
<ピークの帰属>
δ:ケミカルシフト
2.52ppm:環状アミン構造のメチレン基(4H)
2.62ppm:ポリエチレングリコールメチルエーテルのエチレングリコール基(2H)
3.39ppm:ポリエチレングリコールメチルエーテルのメチル基(3H)
3.50〜3.77ppm:ポリエチレングリコールメチルエーテルのエチレングリコール基及び環状アミン構造のメチレン基(34H)
5.66ppm、6.24ppm及び6.54ppm:アクリロイル基(3H)
【0125】
実施例で得られたアクリルモノマーを用いて、耐加水分解性、静電性に優れる硬化ポリマーを作製することができる。
【0126】
製造例1〔化合物(I-a)を用いた硬化ポリマーの製造例〕
実施例1で得られた化合物(I-a)2.0g及び1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(商品名:IRGACURE184、チバ・スペシャルティー・ケミカル製)0.1gを混合して得られた液を20ml容の平皿に投入した後、200mJ/cm2の紫外光を照射して硬化させることにより硬化ポリマーを得た。
【0127】
製造例2〔化合物(I-b)を用いた硬化ポリマーの製造例〕
化合物(I-a)の代わりに実施例2で得られた化合物(I-b)を用いた以外は、製造例1と同様に実施して硬化ポリマーを得た。
【0128】
また、実施例で得られたアクリルモノマーを、単独で、またはその他のモノマーと共に重合させて電子材料等に好適に用いられるポリマーを合成することができる。
【0129】
製造例3〔化合物(I-a)のホモポリマーの製造例〕
攪拌機、温度計、コンデンサー及び窒素導入管を備えた300ミリリットル容のセパラブルフラスコに、常温下、化合物(I-a)20g、酢酸エチル40g及びメチルエチルケトン40gを仕込む。窒素気流下にて、液温が70〜75℃になるように加温した後、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル0.3gを投入した後、14時間反応させて、アクリルモノマー(I-a)のホモポリマーを得ることができる。
【0130】
製造例4〔化合物(I-a)とメタクリル酸メチルのコポリマーの製造例〕
攪拌機、温度計、コンデンサー及び窒素導入管を備えた300ミリリットル容のセパラブルフラスコに、常温下、化合物(I-a)15g、メタクリル酸メチル10g及びメチルエチルケトン75gを仕込む。窒素気流下にて、液温が70〜75℃になるように加温した後、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル0.4gを投入した後16時間反応させて、アクリルモノマー(I-a)とメタクリル酸メチルのコポリマーを得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0131】
本発明の(メタ)アクリルモノマーは、電子材料等として好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】実施例1において得られた化合物(VI-a)のLC測定により得られたクロマトグラムである。
【図2】実施例1において得られた化合物(VI-a)のNMRスペクトルである。
【図3】実施例1により化合物(I-a)のLC測定により得られたクロマトグラムである。
【図4】実施例1により化合物(I-a)のNMRスペクトルである。
【図5】実施例2において得られた化合物(VI-b)のLC測定により得られたクロマトグラムである。
【図6】実施例2において得られた化合物(VI-b)のNMRスペクトルである。
【図7】実施例2により化合物(I-b)のLC測定により得られたクロマトグラムである。
【図8】実施例2により化合物(I-b)のNMRスペクトルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、Aは、式(A1):
【化2】

又は式(A2):
【化3】

で表される基、R1は水素原子又はメチル基、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキレン基、R5及びR6は、それぞれ独立に、炭素数1〜18の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数7〜18のアラルキル基、X1及びX2は、それぞれ独立に、酸素原子、メチレン基又は化学結合であり、m及びnは、m+n≧1を満たす0〜50の整数である)
で表される(メタ)アクリルモノマー。
【請求項2】
式(II):
【化4】

(式中、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキレン基、R5は、炭素数1〜18の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数7〜18のアラルキル基、X1及びX2は、それぞれ独立に、酸素原子、メチレン基又は化学結合であり、m及びnは、m+n≧1を満たす0〜50の整数である)で表される水酸基含有化合物と、式(III):
【化5】

(式中、R7は炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数7〜18のアラルキル基、Yはハロゲン原子である)
で表される有機スルホニルハライドとを反応させ、式(IV):
【化6】

(式中、R2、R3、R4、R5、R7、X1、X2、m及びnは、前記と同じ)
で表されるスルホネート化合物を得る工程A、
式(IV)で表されるスルホネート化合物と、式(V):
【化7】

(式中、Aは、式(A1):
【化8】

又は式(A2):
【化9】

で表される基、R6は、炭素数1〜18の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数7〜18のアラルキル基である)
で表されるアミン化合物とを反応させて、式(VI):
【化10】

(式中、A、R2、R3、R4、R5、X1、X2、m及びnは、前記と同じ)
で表されるアミン誘導体を得る工程B、及び
式(VI)で表されるアミン誘導体と、式(VII):
【化11】

(式中、Zはハロゲン原子、R1は水素原子又はメチル基である)
で表される(メタ)アクリル酸ハライド、又は式(VIII):
【化12】

(式中、R1は前記と同じ)
で表される(メタ)アクリル酸無水物とを反応させて、式(I)で表される(メタ)アクリルモノマーを得る工程Cを含む、式(I):
【化13】

(式中、A、R1、R2、R3、R4、R5、X1、X2、m及びnは、前記と同じ)
で表される(メタ)アクリルモノマーの製造方法。
【請求項3】
工程Cの後、さらに、得られた(メタ)アクリルモノマーを、展開溶媒としてエステル系溶媒を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製する工程Dを含む、請求項2記載の(メタ)アクリルモノマーの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−263285(P2009−263285A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−116040(P2008−116040)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000205638)大阪有機化学工業株式会社 (101)
【Fターム(参考)】