説明

新規な4−(ジオキサジン−3−イル)スルファモイルピラゾール化合物の製造方法およびその中間体

【課題】4−(ジオキサジン−3−イル)スルファモイルピラゾール化合物の新規な製造方法およびその中間体の提供。
【解決手段】


式中、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素、アルキル基等で表される4−(ジオキサジン−3−イル)スルファモイルピラゾール化合物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4−(ジオキサジン−3−イル)スルファモイルピラゾール化合物の製造方法およびその中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
4−(ジオキサジン−3−イル)スルファモイルピラゾール化合物の製造方法としては、ヒドロキサム酸化合物と1,2−ジハロエタン化合物を反応させてジオキサジン環を構築する反応は一般的に知られているが、この方法ではジオキサジン5位または6位にアルキルを置換する場合には、その置換位置のコントロールが難しい。例えば、ピラゾール−4−(メトキシカルボニル)−5−スルホンアミド化合物とヒドロキシルアミンを反応させた後、ジブロモエタンと反応させることにより4−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジニル)ピラゾール−5−スルホンアミド化合物を得た例では、ジオキサジン5位または6位にアルキル基が置換した例はない(特許文献1)。
【0003】
5位または6位に置換基が存在する5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン化合物の製造例としては、N−(アリロキシ)アセトアミドとフェニルセレニルスルフェートの反応により3−メチル−5−フェニルセレノメチル−5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジンを得た例(非特許文献1)、N−〔2−ヒドロキシ−3−(ピペリジン−1−イル)−プロポキシ〕−3−ピリジン−カルボキシイミドイル−クロリドをナトリウムメトキシドと反応させることにより3−(3−ピリジル)−5−(ピペリジン−1−イルメチル)−5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジンを得た例(特許文献2)、N−(2,3-エポキシプロポキシ)フタルイミドを塩基性条件下で反応させることにより5−ヒドロキシメチル−3−(2−メトキシカルボニルフェニル)−5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジンを得た例(非特許文献2)などが挙げられる。しかし、これらの方法を本発明の主題であるスルファモイルピラゾール化合物に適用した場合、工程数が多段階になってしまい、特に工業化においては製造コストの増大につながる。
【0004】
また、ベンゾヒドロキシム酸メチルと2−ブロモプロピオン酸エチルとを反応させ引き続きメチルマグネシウムヨージドを反応させることで3−フェニル−5,5,6−トリメチル−1,4,2−ジオキサジンを得た例(非特許文献3)、ベンゾヒドロキサム酸と1,2−ジブロモプロパンとの反応で3−フェニル−5−メチル−5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジンと3−フェニル−6−メチル−5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジンの混合物を得た例(非特許文献4)などがあるが、いずれも置換反応による製造方法である。
【0005】
一方、ヒドロキサム酸ヒドロキシエチルエステル化合物を環化させてジオキサジン環を構築した例などが報告されている(特許文献3および4)。しかし、ハロアルキルオキシアミン化合物を用いた例は報告されていない。
【0006】
以上のように、本発明の主題のひとつであるジオキサジン5位または6位に少なくともひとつのアルキル基が置換した4−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)スルファモイルピラゾール化合物の、ハロアルキルオキシアミン化合物を用いた製造方法は知られていない。
【特許文献1】特開平7−118269号公報
【特許文献2】ハンガリー特許第216830号公報
【特許文献3】特開2005−336175号公報
【特許文献4】特開2007−246476号公報
【非特許文献1】ジャーナル・オブ・ザ・ケミカルソサイエティー,ケミカル・コミュニケーションズ(J.Chem.Soc.,Chem.Commun.),237(1995).
【非特許文献2】ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.),47,517(1982).
【非特許文献3】シンセティック・コミュニケーション(Synth.Commun.),22,14,1985(1992).
【非特許文献4】日本化学会誌,6,1041(1975).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
農医薬中間体として有用な4−(ジオキサジン−3−イル)スルファモイルピラゾール化合物の新規な製造方法およびその中間体を見出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らはこのような状況に鑑み、鋭意検討した結果、ハロアルキルオキシアミン化合物とピラゾールカルボン酸誘導体からO−ハロアルキルヒドロキサム酸アミド化合物を製造した後に、環化反応によって4−(ジオキサジン−3−イル)ピラゾール化合物を製造する方法を見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、
〔1〕 式(1)
【0009】
【化1】

【0010】
(式中、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素、C〜Cアルキル基、フェニル基またはベンジル基を表し、Xは塩素、臭素またはヨウ素を表し、ただし、R、R、RおよびRのうち、少なくともひとつはC〜Cアルキル基を表す。)で表されるハロアルキルオキシフタルイミド化合物から式(2)
【0011】
【化2】

【0012】
(式中、R、R、R、RおよびXは前記と同様の意味を表す。)で表されるハロアルキルオキシアミンを製造する方法。
〔2〕 式(3)
【0013】
【化3】

【0014】
(式中、R、R、R、RおよびXは前記と同様の意味を表し、RはC〜Cアルキル基、フェニル基、ベンジル基およびナフチル基を表し、Rは水素原子およびRを表し、またRとRは結合して3〜8員環を形成していてもよい。)で表されるハロアルキルオキシイミン化合物から、式(2)で表されるハロアルキルオキシアミンを製造する方法。
〔3〕
式(4)
【0015】
【化4】

【0016】
(式中、Rは水素原子、C〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルコキシ基またはハロゲン原子を表し、RはC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜CアルコキシC〜Cアルキル基、フェニル基またはピリジル基を表し、Qは水素原子を表すか、式(5)
【0017】
【化5】

【0018】
(式中、RはC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、または置換フェニル基を表す。)
または式(6)
【0019】
【化6】

【0020】
(式中、YおよびYはそれぞれ独立してC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルコキシ基、C〜Cハロアルコキシ基、ハロゲン原子またはジ(C〜Cアルキル)アミノ基を表し、Zは窒素原子またはメチン基を表す。)で表される置換基を表す。)で表されるスルファモイルピラゾールカルボン酸化合物と前記式(2)で表されるハロアルキルオキシアミン化合物を反応させることによる、式(7)
【0021】
【化7】

【0022】
(式中、R、R、R、R、R、RおよびQは前記と同様の意味を表す。)で表されるO−ハロアルキル−5−スルファモイル−4−ピラゾールヒドロキサム酸エステル化合物の製造方法。
〔4〕
式(8)
【0023】
【化8】

【0024】
(式中、R、RおよびQは前記と同じ意味を表し、R10はC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、または置換フェニル基を表す。)で表されるスルファモイルピラゾールカルボン酸エステルと、前記式(2)で表されるハロアルキルオキシアミン化合物を反応させることによる、前記式(7)で表されるスルファモイルピラゾールヒドロキサム酸エステル化合物の製造方法。
〔5〕
式(9)
【0025】
【化9】

【0026】
(式中、R、R、R10およびQは前記と同じ意味を表し、XはC(O)、C(O)OまたはSOを表す。)で表されるスルファモイルピラゾールカルボン酸混合酸無水物と、前記式(2)で表されるハロアルキルオキシアミン化合物を反応させることによる、前記式(7)で表されるスルファモイルピラゾールヒドロキサム酸エステル化合物の製造方法。
〔6〕
式(10)
【0027】
【化10】

【0028】
(式中、R、RおよびQは前記と同じ意味を表す。)で表されるスルファモイルピラゾールカルボン酸クロリドと、前記式(2)で表されるハロアルキルオキシアミン化合物を反応させることによる、前記式(7)で表されるスルファモイルピラゾールヒドロキサム酸エステル化合物の製造方法。
〔7〕
式(11)
【0029】
【化11】

【0030】
(式中、R、RおよびQは前記と同じ意味を表す。)で表されるピラゾロイソチアゾリン化合物と、前記式(2)で表されるハロアルキルオキシアミン化合物を反応させることによる、前記式(7)で表されるスルファモイルピラゾールヒドロキサム酸エステル化合物の製造方法。
〔8〕
前記式(7)で表されるスルファモイルピラゾールヒドロキサム酸アミド化合物を環化反応させることによる、式(12)
【0031】
【化12】

【0032】
(式中、R、R、R、R、R、RおよびQは前記と同様の意味を表す。)で表される4−(ジオキサジン−3−イル)スルファモイルピラゾール化合物の製造方法。
〔9〕
Qが式(5)であり、Rがメチル基またはフェニル基である〔3〕ないし〔8〕のいずれかに記載の製造方法。
〔10〕
Qが式(6)であり、YおよびYがメトキシ基であり、Zがメチン基である〔3〕ないし〔8〕のいずれかに記載の製造方法。
〔11〕
式(13)
【0033】
【化13】

【0034】
(式中、R、R、RおよびRは前記と同様の意味を表す。)で表されるヒドロキシアルキルオキシフタルイミド化合物にハロゲン化剤を反応させることによる式(1)で表されるハロアルキルオキシフタルイミド化合物の製造方法。
〔12〕
式(14)
【0035】
【化14】

【0036】
(式中、R、R、R、R、RおよびRは前記と同様の意味を表す。)で表されるヒドロキシアルキルオキシイミン化合物にハロゲン化剤を反応させることによる式(3)で表されるハロアルキルオキシイミン化合物の製造方法。
〔13〕
Xが塩素または臭素であり、Rがメチル基であり、R、RおよびRが水素原子である〔1〕ないし〔12〕のいずれかに記載の製造法。
〔14〕
前記式(2)で表されるハロアルキルオキシアミン化合物。
〔15〕
前記式(1)で表されるハロアルキルオキシフタルイミド化合物。
〔16〕
前記式(3)で表されるハロアルキルオキシイミン化合物。
〔17〕
前記式(7)で表されるO−ハロアルキル−5−スルファモイル−4−ピラゾールヒドロキサム酸エステル化合物。
〔18〕
Xが塩素または臭素であり、Rがメチル基であり、R、RおよびRが水素原子である〔14〕記載の化合物。
〔19〕
Xが塩素または臭素であり、Rがメチル基であり、R、RおよびRが水素原子である〔15〕記載の化合物。
〔20〕
Xが塩素または臭素であり、Rがメチル基であり、R、RおよびRが水素原子である〔16〕記載の化合物。
〔21〕
Xが塩素原子または臭素原子であり、Rがメチル基であり、R、RおよびRが水素原子であり、Rが塩素原子であり、Rがメチル基であり、Qが式(5)であり、Rがメチル基またはフェニル基である〔17〕記載の化合物。
〔22〕
Xが塩素原子または臭素原子であり、Rがメチル基であり、R、RおよびRが水素原子であり、Rが塩素原子であり、Rがメチル基であり、Qが式(6)であり、YおよびYがメトキシ基であり、Zがメチン基である〔17〕記載の化合物。
〔23〕
Xが塩素原子または臭素原子であり、Rがメチル基であり、R、RおよびRが水素原子であり、Rが塩素原子であり、Rがメチル基であり、Qが水素原子であり、YおよびYがメトキシ基であり、Zがメチン基である請求項17記載の化合物。
に関する。
【発明の効果】
【0037】
本発明の製造方法により、農医薬の製造中間体として重要な4−(ジオキサジン−3−イル)スルファモイルピラゾール化合物およびその中間体を容易に製造することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
本発明における、化合物中の置換基R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、X、X、Y、YおよびZの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔置換基R、R、RおよびRの具体例〕
水素原子、メチル、エチル、ノルマルプロピル、イソプロピル、フェニル、ベンジル
〔置換基Rの具体例〕
メチル、エチル、ノルマルプロピル、イソプロピル、ノルマルブチル、イソブチル、セカンダリーブチル、ターシャリーブチル、フェニル、ナフチル、ベンジル
〔置換基Rの具体例〕
水素原子、メチル、エチル、ノルマルプロピル、イソプロピル、ノルマルブチル、イソブチル、セカンダリーブチル、ターシャリーブチル、フェニル、ナフチル、ベンジル
〔置換基Rの具体例〕
水素原子、メチル、エチル、ノルマルプロピル、イソプロピル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−フルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、1,1,1−トリフルオロエチル、1−フルオロノルマルプロピル、1,1,1−トリフルオロノルマルプロピル、1−クロロエチル、メトキシ、エトキシ、ノルマルプロポキシ、イソプロポキシ、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子
〔置換基Rの具体例〕
メチル、エチル、ノルマルプロピル、イソプロピル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−フルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、1,1,1−トリフルオロエチル、1−フルオロノルマルプロピル、1,1−ジフルオロノルマルプロピル、1,1,1−トリフルオロノルマルプロピル、1−クロロエチル、1−ブロモエチル、メトキシメチル、エトキシメチル、ノルマルプロピルオキシメチル、イソプロピルオキシメチル、1−メトキシエチル、1−ノルマルプロピルオキシエチル、1−イソプロポキシエチル、1−メトキシノルマルプロピル、1−エトキシノルマルプロピル、1−メトキシ−2−メチルエチル、2−メトキシノルマルプロピル、フェニル、2−ピリジル
〔置換基Rの具体例〕
メチル、エチル、ノルマルプロピル、イソプロピル、ノルマルブチル、イソブチル、セカンダリーブチル、ターシャリーブチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−フルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、1,1,1−トリフルオロエチル、1−フルオロプロピル、1,1−ジフルオロプロピル、1,1,1−トリフルオロノルマルプロピル、フェニル、o−トルイル、m−トルイル、p−トルイル、o−エチルフェニル、m−エチルフェニル、p−エチルフェニル、o−フルオロフェニル、m−フルオロフェニル、p−フルオロフェニル、o−クロロフェニル、m−クロロフェニル、p−クロロフェニル
〔置換基R10の具体例〕
メチル、エチル、ノルマルプロピル、イソプロピル、ノルマルブチル、セカンダリーブチル、イソブチル、ターシャリーブチル、1−フルオロエチル、1,1,1−トリフルオロエチル、1−フルオロノルマルプロピル、1,1−ジフルオロノルマルプロピル、1,1,1−トリフルオロノルマルプロピル、1−クロロエチル、1,1−ジクロロエチル、1,1,1−トリクロロエチル、1−クロロノルマルプロピル、1,1−ジクロロノルマルプロピル、1,1,1−トリクロロプロピル、フェニル、p−メチルフェニル、p−クロロフェニル
〔置換基Xの具体例〕
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子
〔置換基Xの具体例〕
カルボニル、カルボニルオキシ、スルホニル
〔置換基YおよびYの具体例〕
メチル、エチル、ノルマルプロピル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、ノルマルプロポキシ、イソプロポキシ、フルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、1−フルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、1,1,1−トリフルオロエチル、パーフルオロエチル、1−フルオロノルマルプロピル、1,1−ジフルオロノルマルプロピル、1,1,1−トリフルオロノルマルプロピル、1−クロロエチル、1−ブロモエチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、1−フルオロエトキシ、1,1−ジフルオロエトキシ、1,1,1−トリフルオロエトキシ、パーフルオロエトキシ、1−フルオロノルマルプロポキシ、1,1−ジフルオロノルマルプロポキシ、1,1,1−トリフルオロノルマルプロポキシ、1−クロロエトキシ、1−ブロモエトキシ、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジノルマルプロピルアミノ
〔置換基Zの具体例〕
窒素原子、メチン
本発明では光学異性体が存在する場合もあり、その光学異性体はすべて本発明化合物に含まれる。
【0039】
式(1)で表されるハロアルキルオキシフタルイミド化合物から、式(2)で表されるハロアルキルオキシアミン化合物を製造する方法は、反応式1によって示される。
【0040】
〔反応式1〕
【0041】
【化15】

【0042】
本反応において使用する試剤及び反応条件を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0043】
本反応において、水またはアルコールは(1)に対して通常1倍モルないし溶媒量使用される。本反応で使用するアルコールとしては例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール等の1級アルコール類、2−プロパノール、2−ブタノール等の2級アルコール類、2−メチル−2−プロパノール等の3級アルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのグリコール類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等のアルコキシアルコール類があげられる。
【0044】
本反応で使用する塩基としては例えば、ピリジン、トリエチルアミン、トリn−ブチルアミン、ジ(イソプロピル)エチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンおよび1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等の有機塩基類、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウムおよび水酸化テトラブチルアンモニウム等の水酸化四級アンモニウム塩類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、および炭酸水素ナトリウム等の無機塩基類があげられる。塩基は(1)に対して通常0.05ないし100倍モル、好ましくは0.05ないし10倍モル使用される。酸としては、塩酸、硫酸およびリン酸等の無機酸類、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸等の有機酸類、三弗化ホウ素、三塩化アルミニウム、四塩化スズ、二塩化マグネシウム、三塩化鉄および四塩化チタン等の金属塩化物類、トリイソプロポキシアルミニウム、ジエトキシマグネシウムおよびテトライソプロポキシチタン等の金属アルコキシド類、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)スズ、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)銅およびトリス(トリフルオロメタンスルホニル)スカンジウム等の金属トリフレート類が挙げられる。酸は(1)に対して通常0ないし10倍モル、好ましくは0ないし2倍モル使用される。
【0045】
本反応は水またはアルコール以外の溶媒がなくとも進行するが、必要に応じて溶媒を使用できる。溶媒は反応に不活性なものであれば特に制限はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼンおよびトルエン等の炭化水素類、四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンおよびクロロベンゼン等のハロゲン系炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジグライム、ジオキサンおよびテトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等のケトン類、アセトニトリルおよびプロピオニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドン等のアミド類、N,N’−ジメチルイミダゾリノン等のウレア類、並びにこれらの混合溶媒があげられる。
【0046】
反応温度は通常−90ないし200℃、好ましくは0ないし100℃である。
【0047】
反応時間は通常0.05ないし100時間、好ましくは0.5ないし10時間である。
【0048】
式(3)で表されるハロアルキルオキシイミン化合物から、式(2)で表されるハロアルキルオキシアミン化合物を製造する方法は、反応式2によっても示される。
〔反応式2〕
【0049】
【化16】

【0050】
本反応において使用する試剤及び反応条件を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0051】
本反応において、水は(3)に対して通常1倍モルないし溶媒量使用される。
【0052】
本反応で使用する塩基としては例えば、ピリジン、トリエチルアミン、トリn−ブチルアミン、ジ(イソプロピル)エチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンおよび1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等の有機塩基類、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウムおよび水酸化テトラブチルアンモニウム等の水酸化四級アンモニウム塩類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、および炭酸水素ナトリウム等の無機塩基類があげられる。塩基は(3)に対して通常0.05ないし100倍モル、好ましくは0.05ないし10倍モル使用される。酸としては、塩酸、硫酸およびリン酸等の無機酸類、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸等の有機酸類、三弗化ホウ素、三塩化アルミニウム、四塩化スズ、二塩化マグネシウム、三塩化鉄および四塩化チタン等の金属塩化物類、トリイソプロポキシアルミニウム、ジエトキシマグネシウムおよびテトライソプロポキシチタン等の金属アルコキシド類、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)スズ、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)銅およびトリス(トリフルオロメタンスルホニル)スカンジウム等の金属トリフレート類が挙げられる。酸は(3)に対して通常0ないし10倍モル、好ましくは0ないし2倍モル使用される。
【0053】
本反応は水以外の溶媒がなくとも進行するが、必要に応じて溶媒を使用できる。溶媒は反応に不活性なものであれば特に制限はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベン ゼンおよびトルエン等の炭化水素類、四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンおよびクロロベンゼン等のハロゲン系炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジグライム、ジオキサンおよびテトラヒドロフラン等のエーテル類、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのグリコール類、アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等のケトン類、アセトニトリルおよびプロピオニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドン等のアミド類、N,N’−ジメチルイミダゾリノン等のウレア類、並びにこれらの混合溶媒があげられる。
【0054】
反応温度は通常−90ないし200℃、好ましくは0ないし100℃である。
【0055】
反応時間は通常0.05ないし100時間、好ましくは0.5ないし10時間である。
【0056】
式(7)で表されるN−ハロアルキルオキシ−5−スルファモイル−4−ピラゾールヒドロキサム酸エステル化合物から、式(12)で表される4−(ジオキサジン−3−イル)スルファモイルピラゾール化合物を製造する方法は、反応式3によって示される。
〔反応式3〕
【0057】
【化17】

【0058】
本反応において使用する試剤及び反応条件を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0059】
本反応で使用する塩基としては例えば、ピリジン、トリエチルアミン、トリn−ブチルアミン、ジ(イソプロピル)エチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンおよび1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等の有機塩基類、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウムおよび水酸化テトラブチルアンモニウム等の水酸化四級アンモニウム塩類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、および炭酸水素ナトリウム等の無機塩基類があげられる。塩基は(7)に対して通常0.05ないし100倍モル、好ましくは0.05ないし10倍モル使用される。
【0060】
本反応では必要に応じて相間移動触媒を使用できる。相間移動触媒としては例えば、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、沃化テトラエチルアンモニウムおよび硫酸水素トリブチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩類、15−クラウン−5および18−クラウン−6等のクラウンエーテル類、臭化トリブチルオクチルホスホニウムまたは臭化トリブチルドデシルホスホニウム等の四級ホスホニウム塩類が挙げられる。相間移動触媒は(7)に対して通常0ないし10倍モル、好ましくは0ないし1.1倍モル使用される。
【0061】
その他の添加物質としては、塩化リチウム、臭化リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化ナトリウムおよびヨウ化カリウム等のハロゲン化金属類が挙げられる。その他の添加物質は(7)に対して通常0ないし10倍モル、好ましくは0ないし2倍モル使用される。
【0062】
本反応に使用する溶媒は反応に不活性なものであれば特に制限はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼンおよびトルエン等の炭化水素類、四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンおよびクロロベンゼン等のハロゲン系炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジグライム、ジオキサンおよびテトラヒドロフラン等のエーテル類、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのグリコール類、アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等のケトン類、アセトニトリルおよびプロピオニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドン等のアミド類、N,N’−ジメチルイミダゾリノン等のウレア類、並びにこれらの混合溶媒があげられる。
【0063】
反応温度は通常−90ないし200℃、好ましくは0ないし100℃である。
【0064】
反応時間は通常0.05ないし100時間、好ましくは0.5ないし10時間である。
【0065】
式(4)で表されるスルファモイルピラゾールカルボン酸化合物と式(2)で表されるハロアルキルオキシアミン化合物を反応させることにより、式(7)で表されるN−ハロアルキルオキシ−5−スルファモイル−4−ピラゾールカルボン酸アミド化合物を製造する方法は反応式4によって示される。
〔反応式4〕
【0066】
【化18】

【0067】
本反応において使用する試剤及び反応条件を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0068】
本反応において(2)は酸複合体でもよく、(4)に対して通常0.5ないし10倍モル、好ましくは0.9ないし1.1倍モル使用される。
【0069】
本反応は希釈剤の存在下または非存在下、塩基存在下または非存在下、および縮合剤の存在下または非存在下で進行する。塩基としては例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジ(イソプロピル)エチルアミンおよびトリn−ブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンおよび1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等の有機塩基類、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウムおよび水酸化テトラブチルアンモニウム等の水酸化四級アンモニウム塩類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび水素化ナトリウム等の無機塩基類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドおよびカリウムt−ブトキシド等の金属アルコキシド類があげられる。塩基は(4)に対して通常0ないし10倍モル、好ましくは0ないし2倍モル使用される。
【0070】
本反応では縮合剤を用いることもできる。縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等のカルボジイミド類、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド等のピリジニウム塩、アザジカルボン酸ジエチル/トリフェニルホスフィン等のアゾジカルボンエステル類とホスフィン類の組み合わせおよび1,1’−カルボニルジイミダゾール等が挙げられる。縮合剤は(4)に対して通常0ないし10倍モル、好ましくは0ないし1.1倍モル使用される。
【0071】
本反応は無溶媒でも進行するが、必要に応じて溶媒を使用できる。溶媒は反応に不活性なものであれば特に制限はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼンおよびトルエン等の炭化水素類、四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンおよびクロロベンゼン等のハロゲン系炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジグライム、ジオキサンおよびテトラヒドロフラン等のエーテル類、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのグリコール類、アセトニトリルおよびプロピオニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドン等のアミド類、N,N’−ジメチルイミダゾリノン等のウレア類および水、並びにこれらの混合溶媒があげられる。
【0072】
本反応では必要に応じて相間移動触媒を使用できる。相間移動触媒としては例えば、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウムおよび硫酸水素トリブチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩類、15−クラウン−5および18−クラウン−6等のクラウンエーテル類、臭化トリブチルオクチルホスホニウムまたは臭化トリブチルドデシルホスホニウム等の四級ホスホニウム塩類が挙げられる。相間移動触媒は(4)に対して通常0ないし10倍モル、好ましくは0ないし1.1倍モル使用される。
【0073】
反応温度は通常−90ないし200℃、好ましくは0ないし100℃である。
【0074】
反応時間は通常0.05ないし100時間、好ましくは0.5ないし10時間である。
【0075】
式(8)で表されるスルファモイルピラゾールカルボン酸エステル、式(9)で表されるスルファモイルピラゾールカルボン酸混合酸無水物、式(10)で表されるスルファモイルピラゾールカルボン酸クロリドまたは式(11)で表されるピラゾロイソチアゾリン化合物と式(2)で表されるハロアルキルオキシアミン化合物を反応させることにより、式(7)で表されるN−ハロアルキルオキシ−5−スルファモイル−4−ピラゾールカルボン酸アミド化合物を製造する方法は反応式5によって示される。
〔反応式5〕
【0076】
【化19】

【0077】
本反応において使用する試剤および反応条件は以下の通りであるがこれらに限定されるものではない。
【0078】
本反応において、(2)は酸複合体でもよく(8)、(9)、(10)または(11)に対して通常0.5ないし10倍モル、好ましくは0.9ないし1.1倍モル使用される。
【0079】
本反応は希釈剤の存在下または非存在下、塩基存在下または非存在下で進行する。塩基としては例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジ(イソプロピル)エチルアミンおよびトリn−ブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンおよび1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等の有機塩基類、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウムおよび水酸化テトラブチルアンモニウム等の水酸化四級アンモニウム塩類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび水素化ナトリウム等の無機塩基類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドおよびカリウムt−ブトキシド等の金属アルコキシド類があげられる。また、それらの2種類以上の混合使用もできる。塩基は(8)、(9)、(10)または(11)に対して通常0ないし10倍モル、好ましくは0ないし2倍モル使用される。
【0080】
本反応は無溶媒でも進行するが、必要に応じて溶媒を使用できる。溶媒は反応に不活性なものであれば特に制限はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼンおよびトルエン等の炭化水素類、四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンおよびクロロベンゼン等のハロゲン系炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジグライム、ジオキサンおよびテトラヒドロフラン等のエーテル類、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのグリコール類、アセトニトリルおよびプロピオニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドン等のアミド類、N,N’−ジメチルイミダゾリノン等のウレア類、水、並びにこれらの混合溶媒があげられる。
【0081】
本反応では必要に応じて相間移動触媒を使用できる。相間移動触媒としては例えば、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウムおよび硫酸水素トリブチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩類、15−クラウン−5および18−クラウン−6等のクラウンエーテル類、臭化トリブチルオクチルホスホニウムまたは臭化トリブチルドデシルホスホニウム等の四級ホスホニウム塩類が挙げられる。相間移動触媒は(8)、(9)、(10)または(11)に対して通常0ないし10倍モル、好ましくは0ないし1.1倍モル使用される。
【0082】
反応温度は通常−90ないし200℃、好ましくは−50ないし180℃である。
【0083】
反応時間は通常0.05ないし100時間、好ましくは0.5ないし10時間である。
【0084】
式(13)で表されるヒドロキシアルキルオキシフタルイミド化合物から、式(1)で表されるハロアルキルオキシフタルイミド化合物を製造する方法は、反応式(6)によって示される。
〔反応式6〕
【0085】
【化20】

【0086】
本反応において使用する試剤および反応条件は以下の通りであるがこれらに限定されるものではない。
【0087】
ハロゲン化剤としては、三塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン等のリン試薬、塩化チオニル、塩化スルフリル、臭化チオニル、オキザリルクロリド等の酸クロリド化合物、塩素、臭素等のハロゲン、シアヌル酸クロリド、ジクロロイソシアヌル酸などのトリアジン誘導体、N−クロロコハク酸イミド、N−ブロモコハク酸イミド、N−クロロフタルイミド等のジカルボン酸イミド誘導体、クロラミンT等のスルホンアミド化合物等が挙げられる。ハロゲン化剤は(13)に対して通常0.9倍モルないし溶媒量、好ましくは0.9ないし2倍モル使用される。
【0088】
本反応は無溶媒でも進行するが、必要に応じて溶媒を使用できる。溶媒は反応に不活性なものであれば特に制限はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼンおよびトルエン等の炭化水素類、四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンおよびクロロベンゼン等のハロゲン系炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジグライム、ジオキサンおよびテトラヒドロフラン等のエーテル類、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのグリコール類、アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等のケトン類、アセトニトリルおよびプロピオニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドン等のアミド類、N,N’−ジメチルイミダゾリノン等のウレア類、水、並びにこれらの混合溶媒があげられる。
【0089】
本反応では必要に応じて相間移動触媒を使用できる。相間移動触媒としては例えば、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウムおよび硫酸水素トリブチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩類、15−クラウン−5および18−クラウン−6等のクラウンエーテル類、臭化トリブチルオクチルホスホニウムまたは臭化トリブチルドデシルホスホニウム等の四級ホスホニウム塩類が挙げられる。相間移動触媒は(13)に対して通常0ないし10倍モル、好ましくは0ないし1.1倍モル使用される。
【0090】
反応温度は通常−90ないし200℃、好ましくは−50ないし180℃である。
【0091】
反応時間は通常0.05ないし100時間、好ましくは0.5ないし10時間である。
【0092】
式(14)で表されるヒドロキシアルキルオキシイミン化合物から、式(3)で表されるハロアルキルオキシイミン化合物の製造方法は、反応式7によって示される。
【0093】
〔反応式7〕
【0094】
【化21】

【0095】
本反応において使用する試剤および反応条件は以下の通りであるがこれらに限定されるものではない。
【0096】
ハロゲン化剤としては、三塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン等のリン試薬、塩化チオニル、塩化スルフリル、臭化チオニル、オキザリルクロリド等の酸クロリド化合物、塩素、臭素等のハロゲン、シアヌル酸クロリド、ジクロロイソシアヌル酸などのトリアジン誘導体、N−クロロコハク酸イミド、N−ブロモコハク酸イミド、N−クロロフタルイミド等のジカルボン酸イミド誘導体、クロラミンT等のスルホンアミド化合物等が挙げられる。ハロゲン化剤は(14)に対して通常0.9倍モルないし溶媒量、好ましくは0.9ないし2倍モル使用される。
【0097】
本反応は無溶媒でも進行するが、必要に応じて溶媒を使用できる。溶媒は反応に不活性なものであれば特に制限はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼンおよびトルエン等の炭化水素類、四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンおよびクロロベンゼン等のハロゲン系炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジグライム、ジオキサンおよびテトラヒドロフラン等のエーテル類、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのグリコール類、アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等のケトン類、アセトニトリルおよびプロピオニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドン等のアミド類、N,N’−ジメチルイミダゾリノン等のウレア類および水、並びにこれらの混合溶媒があげられる。
【0098】
反応温度は通常−90ないし200℃、好ましくは0ないし100℃である。
【0099】
反応時間は通常0.05ないし200時間、好ましくは0.5ないし100時間である。
【実施例】
【0100】
以下、本発明を実施例を挙げて具体的に述べるが、本発明はこれによって限定されるものではない。
〔実施例1〕 N−(2−クロロプロピルオキシ)−フタルイミドの製造
N−(2−ヒドロキシプロピルオキシ)−フタルイミド 25g(113mmol)を1,2−ジクロロエタン 100mlに懸濁した溶液を−5℃に冷却し、トリn−ブチルアミン 52.37g(282.6mmol)を15℃を越えないように滴下した。この溶液に塩化スルフリル 22.9g(169.5mmol)を0℃を越えないように4時間かけて滴下した後、−4〜−3℃で4時間攪拌した。反応終了後、反応液を水100mlで4回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、表題化合物 19.55g(得率 72.2%、純度98.3%)を白色結晶として得た。H−NMR(CDCl):δ 1.70(d,3H)、4.18−4.27(m,1H)、4.27−4.38(m,2H)、7.74−7.79(m,2H)、7.82−7.88(m,2H)
〔実施例2〕 2−クロロプロピルオキシアミン塩酸塩の製造
実施例1で製造したN−(2−クロロプロピルオキシ)−フタルイミド 15.05g(62.8mmol)を6N 塩酸水溶液に懸濁し、40〜50℃で20時間加熱した。析出物をろ過後、ろ液を40℃以下で濃縮、乾燥して表題化合物 9.19g(収率 定量的、純度88.7%)を白色固体として得た。H−NMR(CDCl):δ 1.71(d,3H)、4.11−4.17(m,2H)、4.25−4.29(m,1H)、4.86(br,3H)
〔実施例3〕 メチル 3−クロロ−1−メチル−4−(5−メチル−5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)−1H−ピラゾール−5−イルスルファモイルカーバメートの製造(その1)
実施例2で製造した2−クロロプロピルオキシアミン塩酸塩 7.4g(46.1mmol)をEDC 73mlに懸濁し、5℃以下に冷却した。この反応液にトリブチルアミン 8.62g(46.5mmol)を2℃を超えないよう40分かけて加えた後、炭酸ナトリウム4.90g(46.1mol)を加え、続いてメチル 4−クロロ−6−メチル−3−オキソ−3,6−ジヒドロ−2H−ピラゾロ〔4,3−d〕イソチアゾール−2−カルボキシレート 1,1−ジオキシド 9.22g(32.9mol)を120分かけて加えた。反応液を5℃以下で2時間攪拌し、更に室温で一晩攪拌した。高速液体クロマトグラフィー〔分析条件;カラム:Inertsil ODS−SP,4.6×150mm,3μm、溶離液:アセトニトリル/水/ギ酸=1330/1670/3(v/v)、カラム温度:40℃、流速:0.75mL/min、観測波長:254nm〕で分析したところ、メチル 3−クロロ−4−(2−クロロプロピルオキシカルバモイル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イルスルファモイルカーバメート〔H−NMR(CDCl):δ 1.58(d,2H)、3.78(s,3H)、4.20(s,3H)、4.09−4.16(m,2H)、4.27−4.33(m,1H)、9.56(bs,1H)〕がUV相対比(254nm)で89%生成していることがわかった。得られた反応液に6mol/L塩酸 50mLを加え、分液操作により有機層を洗浄した。この有機層に水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを14以上にし、水層に逆抽出した。得られた水溶液を60℃で2時間、室温で一晩、さらに60℃で3時間攪拌した。高速液体クロマトグラフィー〔分析条件は同上〕で反応の終了を確認した後、反応液にEDC120mLを加え、分液操作により洗浄した。得られた水層に1mol/L塩酸 90mLを加えpHを1以下にし、EDC120mLで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで洗浄後、溶媒を留去して表題化合物 11.12g(得率 95.7%、純度 74.6%)を白色固体として得た。
〔実施例4〕 N−(2−ブロモプロピルオキシ)−フタルイミドの製造
N−(2−ヒドロキシプロピルオキシ)−フタルイミド 30g(135.6mmol)をジクロロメタン 300mlに懸濁し、0℃に冷却した。この溶液にトリフェニルホスフィン 53.4g(203.4mmol)を加えた後、N−ブロモスクシンイミド 34.17g(203.4mmol)を反応液が12℃を越えないように1時間30分かけて少しずつ加えた。この反応液を−1〜0℃で7時間攪拌し、続けて室温で1晩攪拌した。反応液に水 200mlを加えて分液し、更に水層をジクロロメタン 100mlで2回抽出した。有機層を合わせて水 200mlで2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、表題化合物 33.23g(得率 86.3%、純度 98.9%)を白色固体として得た。H−NMR(CDCl):δ 1.91(d,3H)、4.22−4.38(m,2H)、4.44(dd,1H)、7.74−7.80(m,2H)、7.81−7.87(m,2H)
〔実施例5〕 2−ブロモプロピルオキシアミン塩酸塩の製造
実施例4で製造したN−(2−ブロモプロピルオキシ)−フタルイミド 20.5g(72.2mmol)を濃塩酸 60mlに懸濁し、58〜60℃で9時間攪拌した。室温に冷却後、析出物をろ過し、ろ液を40℃以下で濃縮、乾燥して表題化合物 9.65g(得率70.2%、純度87.9%)を白色固体として得た。H−NMR(CDCl):δ 1.71(d,3H)、4.20(d,2H)、4.31(dt,1H)、4.86(br,3H)
〔実施例6〕 メチル 3−クロロ−4−(2−ブロモプロピルオキシカルバモイル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イルスルファモイルカーバメートの製造
実施例5で製造した2−ブロモプロピルオキシアミン塩酸塩 9.0g(47.3mmol)をEDC70mlに懸濁し、炭酸ナトリウム 5.0g(47.3mmol)を加えた後、5℃以下に冷却した。この反応液にトリエチルアミン 4.78g(47.3mmol)を2℃を越えないように15分かけて加えた後、メチル 4−クロロ−6−メチル−3−オキソ−3,6−ジヒドロ−2H−ピラゾロ〔4,3−d〕イソチアゾールー2−カルボキシレート 1,1−ジオキシド 11.0g(39.3mmol)を30分かけて加えた。反応液を−1〜0℃で1時間攪拌し、更に室温で1晩攪拌した。反応液に希塩酸を加えてpHを1以下にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去して表題化合物 18.0g(得率 87.9%、純度85.9%)を白色固体として得た。H−NMR(CDCl):δ 1.77(d,3H)、3.77(s,3H)、4.08−4.25(m,5H)、4.30−4.36(m,1H)、9.61(bs,1H)
〔実施例7〕 メチル 3−クロロ−1−メチル−4−(5−メチル−5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)−1H−ピラゾール−5−イルスルファモイルカーバメートの製造(その2)
実施例6で製造したメチル 3−クロロ−4−(2−ブロモプロピルオキシカルバモイル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イルスルファモイルカーバメート 0.5g(1.15mmol)をEDC 5gに懸濁し、炭酸カリウム 0.44g(3.18mmol)およびトリn−ブチルアミン 0.24g(1.3mmol)を加えた。反応液を50℃で7時間攪拌し、更に80℃で6時間攪拌した後、反応液を高速液体クロマトグラフィー〔分析条件;カラム:Inertsil ODS−SP,4.6×150mm,5μm、溶離液:アセトニトリル/水/ギ酸=1330/1670/3(v/v)、カラム温度:40℃、流速:0.75mL/min、観測波長:254nm〕で分析したところ、表題の化合物がUV相対比(254nm)で68%生成していることがわかった。
【0101】
〔実施例8〕 メチル 3−クロロ−1−メチル−4−(5−メチル−5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)−1H−ピラゾール−5−イルスルファモイルカーバメートの製造(その3)
実施例6で製造したメチル 3−クロロ−4−(2−ブロモプロポキシカルバモイル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イルスルファモイルカーバメート 0.5g(1.15mmol)をEDC 5gに懸濁し、炭酸カリウム 0.44g(3.18mmol)およびジメチルホルムアミド 1gを加えた。反応液を50℃で7時間攪拌し、更に80℃で6時間攪拌した、反応液を高速液体クロマトグラフィー〔分析条件;カラム:Inertsil ODS−SP,4.6×150mm,5μm、溶離液:アセトニトリル/水/ギ酸=1330/1670/3(v/v)、カラム温度:40℃、流速:0.75mL/min、観測波長:254nm〕で分析したところ、表題の化合物がUV相対比(254nm)で80%生成していることがわかった。
【0102】
〔実施例9〕
メチル 3−クロロ−4−(2−ブロモプロピルオキシカルバモイル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イルスルホンアミドの製造
メチル 3−クロロ−4−(2−ブロモプロポキシカルバモイル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イルスルファモイルカーバメート 10.0g(23.06mmol)をアセトニトリル 50mlに溶解し、これに6N塩酸水溶液 10mlを加え、50℃で8時間加熱した。溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:3)で精製し、表題の化合物8.06gを得た。H−NMR(CDCl):δ 1.76(d,3H)、4.10−4.21(m,5H)、4.24−4.34(m,1H)、6.43(br,2H)、9.41(br,1H)
〔実施例10〕メチル 3−クロロ−1−メチル−4−(5−メチル−5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)−1H−ピラゾール−5−イルスルホンアミドの製造
実施例9で製造したメチル 3−クロロ−4−(2−ブロモプロピルオキシカルバモイル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イルスルホンアミド 0.5g(1.51mmol)を1,2−ジクロロエタン 5gに懸濁し、炭酸カリウム 0.52g(3.76mmol)を加えた。反応液を50℃で6時間加熱し、高速液体クロマトグラフィー〔分析条件;カラム:Inertsil ODS−SP,4.6×150mm,5μm、溶離液:アセトニトリル/水/ギ酸=1330/1670/3(v/v)、カラム温度:40℃、流速:0.75mL/min、観測波長:254nm〕で分析したところ、表題の化合物がUV相対比(254nm)で82.3%生成していることがわかった。
【0103】
〔実施例11〕メチル 3−クロロ−4−(2−クロロプロピルオキシカルバモイル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イルスルホンアミドの製造
メチル 3−クロロ−4−(2−クロロプロポキシカルバモイル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イルスルファモイルカーバメート 10.0g(25.7mmol)をアセトニトリル 50mlに溶解し、6N 塩酸水溶液 1mlを加えて45〜50℃で1時間攪拌した。反応液にさらに6N 塩酸水溶液 9mlを加え55℃で12時間攪拌した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:3)で精製し、表題化合物 8.05gを得た。H−NMR(CDCl):δ 1.57(d,3H)、4.14(s,3H)、4.08−4.19(m,2H)、4.22−4.29(m,1H)、6.41(br,2H)、9.38(br,1H)。
【0104】
〔参考例1〕N−((4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル)−3−クロロ−1−メチル−4−(5−メチル−5H,6H−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)ピラゾール−5−スルホンアミドの合成
アセトニトリル 8mlにメチル 3−クロロ−4−(2−クロロプロピルオキシカルバモイル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イルスルホンアミド 0.64g(2.2mmol)及びN−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバミン酸フェニル 0.59g(2.1mmol)を溶解し、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン 0.33g(2.2mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。水 8mlを加えた後、ジエチルエーテルで抽出した。得られた水層に12%塩酸水溶液を加えてpH1に調整し、ジエチルエーテルで再度抽出した。得られたジエチルエーテル溶液を水および塩化ナトリウム飽和水溶液で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒留去した。得られた残渣をノルマルヘキサンで洗浄、乾燥して表題化合物 0.40gを得た。融点 177−179℃、H−NMR(CDCl):δ 1.38(d,3H)、3.69−3.72(m,1H)、3.96(s,6H)、4.13−4.18(m,1H)、4.30(s,3H)、4.49−4.63(m,1H)、5.77(s,1H),7.67(brs,1H),12.91(brs,1H)。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は農医薬製造中間体として有用な4−(ジオキサジン−3−イル)スルファモイルピラゾール化合物を製造する方法として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)
【化1】


(式中、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素、C〜Cアルキル基、フェニル基またはベンジル基を表し、Xは塩素、臭素またはヨウ素を表し、ただし、R、R、RおよびRのうち、少なくともひとつはC〜Cアルキル基を表す。)で表されるハロアルキルオキシフタルイミド化合物から式(2)
【化2】


(式中、R、R、R、RおよびXは前記と同様の意味を表す。)で表されるハロアルキルオキシアミンを製造する方法。
【請求項2】
式(3)
【化3】


(式中、R、R、R、RおよびXは前記と同様の意味を表し、RはC〜Cアルキル基、フェニル基、ベンジル基およびナフチル基を表し、Rは水素原子およびRを表し、またRとRは結合して3〜8員環を形成していてもよい。)で表されるハロアルキルオキシイミン化合物から、式(2)で表されるハロアルキルオキシアミンを製造する方法。
【請求項3】
式(4)
【化4】


(式中、Rは水素原子、C〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルコキシ基またはハロゲン原子を表し、RはC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜CアルコキシC〜Cアルキル基、フェニル基またはピリジル基を表し、Qは水素原子を表すか、式(5)
【化5】


(式中、RはC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、または置換フェニル基を表す。)
または式(6)
【化6】


(式中、YおよびYはそれぞれ独立してC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルコキシ基、C〜Cハロアルコキシ基、ハロゲン原子またはジ(C〜Cアルキル)アミノ基を表し、Zは窒素原子またはメチン基を表す。)で表される置換基を表す。)で表されるスルファモイルピラゾールカルボン酸化合物と前記式(2)で表されるハロアルキルオキシアミン化合物を反応させることによる、式(7)
【化7】


(式中、R、R、R、R、R、RおよびQは前記と同様の意味を表す。)で表されるO−ハロアルキル−5−スルファモイル−4−ピラゾールヒドロキサム酸エステル化合物の製造方法。
【請求項4】
式(8)
【化8】


(式中、R、RおよびQは前記と同じ意味を表し、R10はC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、または置換フェニル基を表す。)で表されるスルファモイルピラゾールカルボン酸エステルと、前記式(2)で表されるハロアルキルオキシアミン化合物を反応させることによる、前記式(7)で表されるスルファモイルピラゾールヒドロキサム酸エステル化合物の製造方法。
【請求項5】
式(9)
【化9】


(式中、R、R、R10およびQは前記と同じ意味を表し、XはC(O)、C(O)OまたはSOを表す。)で表されるスルファモイルピラゾールカルボン酸混合酸無水物と、前記式(2)で表されるハロアルキルオキシアミン化合物を反応させることによる、前記式(7)で表されるスルファモイルピラゾールヒドロキサム酸エステル化合物の製造方法。
【請求項6】
式(10)
【化10】


(式中、R、RおよびQは前記と同じ意味を表す。)で表されるスルファモイルピラゾールカルボン酸クロリドと、前記式(2)で表されるハロアルキルオキシアミン化合物を反応させることによる、前記式(7)で表されるスルファモイルピラゾールヒドロキサム酸エステル化合物の製造方法。
【請求項7】
式(11)
【化11】


(式中、R、RおよびQは前記と同じ意味を表す。)で表されるピラゾロイソチアゾリン化合物と、前記式(2)で表されるハロアルキルオキシアミン化合物を反応させることによる、前記式(7)で表されるスルファモイルピラゾールヒドロキサム酸エステル化合物の製造方法。
【請求項8】
前記式(7)で表されるスルファモイルピラゾールヒドロキサム酸エステル化合物を環化反応させることによる、式(12)
【化12】


(式中、R、R、R、R、R、RおよびQは前記と同様の意味を表す。)で表される4−(ジオキサジン−3−イル)スルファモイルピラゾール化合物の製造方法。
【請求項9】
Qが式(5)であり、Rがメチル基またはフェニル基である請求項3ないし8のいずれかに記載の製造方法。
【請求項10】
Qが式(6)であり、YおよびYがメトキシ基であり、Zがメチン基である請求項3ないし8のいずれかに記載の製造方法。
【請求項11】
式(13)
【化13】


(式中、R、R、RおよびRは前記と同様の意味を表す。)で表されるヒドロキシアルキルオキシフタルイミド化合物にハロゲン化剤を反応させることによる式(1)で表されるハロアルキルオキシフタルイミド化合物の製造方法。
【請求項12】
式(14)
【化14】


(式中、R、R、R、R、RおよびRは前記と同様の意味を表す。)で表されるヒドロキシアルキルオキシイミン化合物にハロゲン化剤を反応させることによる式(3)で表されるハロアルキルオキシイミン化合物の製造方法。
【請求項13】
Xが塩素または臭素であり、Rがメチル基であり、R、RおよびRが水素原子である請求項1ないし12のいずれかに記載の製造法。
【請求項14】
前記式(2)で表されるハロアルキルオキシアミン化合物。
【請求項15】
前記式(1)で表されるハロアルキルオキシフタルイミド化合物。
【請求項16】
前記式(3)で表されるハロアルキルオキシイミン化合物。
【請求項17】
前記式(7)で表されるO−ハロアルキル−5−スルファモイル−4−ピラゾールヒドロキサム酸エステル化合物。
【請求項18】
Xが塩素または臭素であり、Rがメチル基であり、R、RおよびRが水素原子である請求項14記載の化合物。
【請求項19】
Xが塩素または臭素であり、Rがメチル基であり、R、RおよびRが水素原子である請求項15記載の化合物。
【請求項20】
Xが塩素または臭素であり、Rがメチル基であり、R、RおよびRが水素原子である請求項16記載の化合物。
【請求項21】
Xが塩素原子または臭素原子であり、Rがメチル基であり、R、RおよびRが水素原子であり、Rが塩素原子であり、Rがメチル基であり、Qが式(5)であり、Rがメチル基またはフェニル基である請求項17記載の化合物。
【請求項22】
Xが塩素原子または臭素原子であり、Rがメチル基であり、R、RおよびRが水素原子であり、Rが塩素原子であり、Rがメチル基であり、Qが式(6)であり、YおよびYがメトキシ基であり、Zがメチン基である請求項17記載の化合物。
【請求項23】
Xが塩素原子または臭素原子であり、Rがメチル基であり、R、RおよびRが水素原子であり、Rが塩素原子であり、Rがメチル基であり、Qが水素原子であり、YおよびYがメトキシ基であり、Zがメチン基である請求項17記載の化合物。

【公開番号】特開2009−137890(P2009−137890A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−316270(P2007−316270)
【出願日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(000003986)日産化学工業株式会社 (510)
【Fターム(参考)】