説明

新規の強力な抗APOBアンチセンス化合物

本発明は、細胞内のAPO-B100 mRNA を標的とするオリゴマー化合物(オリゴマー)に関するもので、これはAPO-B100の発現低下をもたらす。APO-B100 発現の低下は、内科的疾患、例えば、アポリポタンパク質B 活性に関連する疾患、例えば、非限定的な例として、HDL/LDL コレステロールアンバランスの様々な型;脂質異常症、例えば、家族性合併脂質異常症(FCHL)、後天的脂質異常症、高コレステロール血症、スタチン耐性高コレステロール血症;冠動脈疾患(CAD)、冠状動脈性疾患(CHD)、アテローム性動脈硬化症の処置に有益である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、細胞内のAPO-B100 mRNA を標的とするオリゴマー化合物(オリゴマー)に関するもので、これはAPO-B100の発現低下をもたらす。APO-B100 発現の低下は、アポリポタンパク質B 活性に関連する疾患などの内科的疾患の範囲、例えば、非限定的な例として、HDL/LDL コレステロールアンバランスの様々な型;脂質異常症、例えば、家族性合併脂質異常症(FCHL)、後天的脂質異常症、高コレステロール血症、スタチン耐性高コレステロール血症;冠動脈疾患(CAD)、冠状動脈性疾患(CHD)、アテローム性動脈硬化症に有益である。
【0002】
関連出願
以下の関連出願WO2007/031081およびWO2008/113830は、それらの全てを出典明示により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
(背景技術)
出典明示により本明細書に組み込まれるWO2007/031081およびWO2008/113830を参照されたい。
【0004】
アポリポタンパク質Bの機能を有効に拮抗でき、かつ血漿Lp(a)レベルを低下できる安全かつ非毒性である別の薬剤についての必要性が残っている。
【0005】
本発明は、効果的かつ安全にロックされた核酸(LNA)オリゴマー化合物、およびアポリポタンパク質B(ApoB-100)の発現を調節する(アポリポタンパク質Bの別のアイソフォーム(ApoB-48)の阻害も含む)方法におけるそれらの使用を提供する。
【0006】
(発明の要旨)
本発明は、10−50の、例えば合計が10−30の連続するヌクレオチド配列を含む10−30のヌクレオチド長のオリゴマーを提供するものであって、ここで該連続するヌクレオチド配列は、哺乳類APO-B100遺伝子またはmRNA、例えばヒト(genbank accession No: NM_000384またはgenbank accession No: NG_011793)またはその天然変異体の逆相補体に対応する領域に少なくとも80%(例えば、85%、90%、95%、98%、または99%)相同である。即ち、例えば該オリゴマーは、APOB-100 mRNAまたはAPOB-100遺伝子配列の一部の配列を有する一本鎖核酸分子とハイブリダイズする。
【0007】
本発明は、本発明に関する該オリゴマーおよび該オリゴマーに共有結合した少なくとも一つの非ヌクレオチドまたは非ポリヌクレオチド部分を含むコンジュゲートを提供する。
【0008】
本発明は、本発明の該オリゴマーまたは該コンジュゲート、および医薬上許容し得る希釈剤、担体、塩またはアジュバンドを含む医薬組成物を提供する。
【0009】
本発明は、アポリポタンパク質B活性と関連のある疾患など、例えば非限定的実施例として、HDL/LDLコレステロールアンバランスの様々な型;脂質異常症、例えば、家族性複合型高脂血症(FCHL)、後天的脂質異常症、高コレステロール血症、スタチン耐性高コレステロール血症;冠動脈疾患(CAD)、冠状動脈性疾患(CHD)、アテローム性動脈硬化症を処置するための、医薬物として使用するために、本発明の該オリゴマーまたは該コンジュゲートを提供する。
【0010】
本発明は、アポリポタンパク質B活性と関連のある疾患、例えば非限定的実施例として、HDL/LDLコレステロールアンバランスの様々な型;脂質異常症、例えば、家族性複合型高脂血症(FCHL)、後天的脂質異常症、高コレステロール血症、スタチン耐性高コレステロール血症;冠動脈疾患(CAD)、冠状動脈性疾患(CHD)、アテローム性動脈硬化症の処置のための医薬製造における本発明の該オリゴマーまたは該コンジュゲートの使用を提供する。
【0011】
本発明は、アポリポタンパク質B活性と関連のある疾患、例えば非限定的実施例として、HDL/LDLコレステロールアンバランスの様々な型;脂質異常症、例えば家族性複合型脂質異常症 (FCHL)、後天的脂質異常症、高コレステロール血症、スタチン耐性高コレステロール血症;冠動脈疾患(CAD)、冠状動脈性疾患(CHD)、アテローム性動脈硬化症を処置する方法を提供するものであり、該方法は、本発明の有効量のオリゴマー、コンジュゲートまたは医薬組成物を、アポリポタンパク質B活性と関連のある疾患、例えば、HDL/LDL コレステロールアンバランスの様々な型;脂質異常症、例えば、家族性複合型高脂血症(FCHL)、後天的脂質異常症、高コレステロール血症、スタチン耐性高コレステロール血症;冠動脈疾患(CAD)、冠状動脈性疾患(CHD)、アテローム性動脈硬化症に罹患している患者、または罹患している可能性のある患者に投与することを含む。
【0012】
本発明は、APO-B100を発現している細胞内のAPO-B100の阻害のための方法を提供するもので、該方法は、該細胞内のAPO-B100の阻害が有効となるように、本発明のオリゴマーまたはコンジュゲートを該細胞に投与することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】LNAオリゴヌクレオチドの配列番号26-50による処置後のHuH-7 細胞におけるapoB mRNA 発現。データをGAPDHに対して規準化し、平均+STD(n=2)としてモックコントロールに対し相対的に表す。Aは配列番号26-38を示し、Bは配列番号39−50を示す。
【図2】総血清コレステロールを、配列番号28、29、44または45(10 mg/kg)を4週間投与したC57BL/6Jマウスにおいて週に1回およびLNAオリゴヌクレオチドの最終投与48時間後の屠殺時に測定した。データを、平均±偏差(n=5)としてコントロール(生理食塩水投与)に対して相対的に示した。TC=総コレステロール。
【図3】異なる用量レベルでのapoBを標的とする3つの異なるオリゴヌクレオチド配列番号45の反復用量。この図は、A)投薬一週間後の血清中で測定した総コレステロールに対する効果および B)該試験終了時のALTレベルを示す。
【図4】異なる用量レベルでの配列番号29の単回投与後の様々な時点の、総血清コレステロールレベル(A)およびHDL/LDL比に対する効果(B)。
【図5】総血清コレステロールを、投薬後一週間に1回測定した[矢印は、A)一週間に1回の投薬、B)二週間に1回の投薬を示す]。マウスに70日間投薬し、屠殺前の最終投与後の1〜3週間回復させた。
【図6】77日目(処置終了時、最終投薬後7日目)および91日目(回復期間終了時)の肝臓におけるApoB mRNA 発現。
【図7】77日目、最終投薬後の一週間、および91日目、最終投薬後の三週間の屠殺時の血清中のALTレベル。
【0014】
(発明の詳細な説明)
オリゴマー
本発明は、ヒトAPO-B100 mRNAまたは遺伝子のAPO-B100核酸などの哺乳類APO-B100をコードする核酸分子ならびに哺乳類APO-B100をコードするかかる核酸分子の天然変異体の機能を調節する際に使用するための、オリゴマー化合物(本明細書においてはオリゴマーという)を用いる。本発明の内容における「オリゴマー」とは、2以上のヌクレオチドが共有結合により形成される分子(即ち、オリゴヌクレオチド)をいう。本明細書では、単一のヌクレオチド(ユニット)もまた、モノマーまたはユニットということもできる。該オリゴマーは、10−50、例えば10−30のヌクレオチド長の連続するヌクレオチド配列からなるか、またはそれを含む。
【0015】
様々な実施形態において、本発明の化合物は、RNA(ユニット)を含まない。本発明の化合物は、直線分子であるか、または直線分子として合成されるのが好ましい。該オリゴマーは、一本の鎖状分子であって、好ましくは、同一オリゴマー内の等価な(equivalent)領域と相補的である短い領域、例えば少なくとも3、4または5つの連続するヌクレオチドの短い領域(即ち、二本鎖部分)を含まない−これに関して、該オリゴマーは、(本質的に)二本鎖ではない。ある実施態様において、該オリゴマーは、本質的に二本鎖ではない、例えばsiRNAではない。様々な実施形態において、本発明の該オリゴマーは、連続するヌクレオチド領域から完全に構成され得る。即ち、該オリゴマーは、実質的に自己相補的ではない。
【0016】
標的
好適には本発明の該オリゴマーは、APO-B100遺伝子の発現を下方調節できる。これに関して、本発明の該オリゴマーは、一般的にはヒト細胞などの哺乳類において、例えば、肝臓細胞においてAPO-B100の阻害に作用し得る。ある実施態様において、本発明のオリゴマーは、該標的核酸に結合し、正常な発現レベルと比較して少なくとも10%または20%の、好ましくは正常な発現レベルと比較して少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%阻害の発現阻害をもたらす。ある実施態様において、かかる改変は、0.04〜25nM、例えば0.8〜20nMの濃度の本発明の化合物を用いた場合に見られる。同一または異なる実施態様において、発現の阻害は、100%未満、例えば、98%未満の阻害、95%未満の阻害、90%未満の阻害、80%未満の阻害、例えば、70%未満の阻害である。発現レベルの改変を、タンパク質レベルを測定することによって、例えば、SDS-PAGEに続いて該標的タンパク質に対して生じた好適な抗体を用いるウェスタンブロッティング方法によって決定してもよい。あるいは、発現レベルの改変を、mRNAレベルを測定すること、例えば、ノーザン・ブロットまたは定量的RT-PCRにより測定することにより決定してもよい。mRNA レベルを介して測定する場合、適切な用量、例えば、0.04−25nM、例えば0.8−20nM濃度を用いる場合の下方調節のレベルは、ある実施態様において、通常、本発明の化合物の非存在下における正常レベルの10-20%のレベルである。
【0017】
それ故に、本発明は、APO-B100 タンパク質および/または mRNAを発現する細胞において、APO-B100 タンパク質および/またはmRNAの発現を下方調節または阻害する方法を提供するもので、該方法は、該細胞におけるAPO-B100 タンパク質および/またはmRNAの発現を下方調節または阻害するために本発明の該オリゴマーまたはコンジュゲートを該細胞に投与することを含む。好適には、該細胞とは、ヒト細胞などの哺乳類細胞である。該投与は、いくつかの実施形態ではインビトロでおこり得る。該投与は、いくつかの実施形態においてインビボで起こり得る。
【0018】
本明細書で使用される用語「標的核酸」とは、哺乳類APO-B100 ポリペプチド、例えばヒトAPO-B100をコードするDNAまたはRNA、例えばヒトAPO-B100 mRNAをいう。APO-B100コード化核酸またはその天然変異体、およびそれらから得られるRNA核酸、好ましくはmRNA、例えばプレ-mRNA、しかし好ましくは成熟mRNA。ある実施態様において、例えば研究または診断に使用される場合に、「標的核酸」とは、上記DNAまたはRNA核酸標的から得られるcDNAまたは合成オリゴヌクレオチドであってもよい。本発明の該オリゴマーは、該標的核酸とハイブリダイズできることが好ましい。ヒトAPO-B100 mRNAは、cDNA 配列であり、該cDNA 配列中ではウラシルがチミジンにより置換されるが、それ自体は成熟mRNA標的配列に対応することが認識されるであろう。
【0019】
用語「その天然変異体」とは、規定された分類群、例えば、マウス、サル、好ましくはヒトなどの哺乳動物において天然に存在する核酸配列のAPO-B100ポリペプチドの変異体をいう。通常、ポリヌクレオチドの「天然変異体」を指す場合、該用語は、染色体転座または重複によるAPO-B100コード化ゲノムDNAのあらゆるアレル変異体および該RNA、例えばそれらから得られるmRNAを含み得る。「天然変異体」はまた、APO-B100 mRNAの選択的スプライシングから得られる変異体も包含し得る。特異的ポリペプチド配列をいう場合、例えば該用語はまた、それ故に、翻訳と同時または翻訳後の修飾(例えば、シグナルペプチド解裂、タンパク質分解性解裂、グリコシル化など)により処理され得るタンパク質の天然形態も包含する。
【0020】
配列
該オリゴマーは、ヒトAPO-B100 mRNA中に存在するヌクレオチド配列の逆相補体に対応する連続するヌクレオチド配列を含むか、またはそれらから構成される。即ち、該オリゴマーは、配列番号1-25 (表1) からなる群から選択される配列を含むか、またはそれらからなり得る、ここで該オリゴマー(またはその連続するヌクレオチド部分)はこの選択された配列に対して1、2、または3つのミスマッチを有してもよい。
【0021】
表1
【表1】

【0022】
該オリゴマーは、哺乳類APO-B100をコードする核酸(例えば、ヒトAPO-B100 mRNA)の等価な領域と全て相補的(完全に相補的)である連続するヌクレオチド配列を含むか、またはそれらから構成してもよい。即ち、該オリゴマーは、アンチセンスヌクレオチド配列を含むか、またはアンチセンスヌクレオチド配列からなり得る。
【0023】
しかしながら、いくつかの実施形態において、該オリゴマーは、該標的配列にハイブリダイズし、依然として十分に該標的に結合して所望の効果(即ち、標的の下方調節)を示す場合、1、2、3、または4つ(またはそれ以上)のミスマッチを容認し得る。ミスマッチは、例えば、該ヌクレオチド配列内に存在する、該オリゴマーヌクレオチド配列の長さの増加および/またはLNAなどのヌクレオチドアナログの長さの増加により相殺(compensate)することができる。
【0024】
ある実施態様において、該標的配列に、例えば、哺乳類APO-B100をコードする核酸の対応する領域にハイブリダイズする場合、該連続するヌクレオチド配列は、3以下、例えば、2以下のミスマッチを含む。
【0025】
ある実施態様において、該標的配列に、例えば、哺乳類APO-B100をコードする核酸の対応する領域にハイブリダイズする場合、該連続するヌクレオチド配列は、1以下のミスマッチを含む。
【0026】
本発明の該オリゴマーのヌクレオチド配列または連続するヌクレオチド配列は、配列番号1-25からなる群から選択される対応する配列と、好ましくは少なくとも80% 相同であり、例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96% 相同であり、例えば100% 相同(同一)である。
【0027】
本発明の該オリゴマーのヌクレオチド配列または連続するヌクレオチド配列は、ヒトAPO-B100 mRNA内に存在する対応する配列の逆の相補体と、好ましくは少なくとも80% 相同であり、例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92% 少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96% 相同であり、例えば100% 相同(同一)である。
【0028】
本発明の該オリゴマーのヌクレオチド配列または連続するヌクレオチド配列は、ヒトAPO-B100 mRNA内に存在する部分配列と、好ましくは少なくとも80% 相補的であり、例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%相補的、例えば100% 相補的(完全に相補的)である。
【0029】
ある実施態様において、該オリゴマー(またはその連続するヌクレオチド部分)は、該配列番号1-25、または少なくとも10の連続するそのヌクレオチドの部分配列からなる群から選択される配列の1つから選択されるか、または含んでおり、ここで該オリゴマー(または連続するそのヌクレオチド部分)は、必要に応じて、該配列と比較した場合に1、2つ、または3つのミスマッチを含んでもよい。
【0030】
しかし、いくつかの実施形態において、該オリゴマーのヌクレオチド配列は、該標的配列と相補的ではない追加の5'または3'ヌクレオチド、例えば、独立して1、2、3、4または5つの追加のヌクレオチド5'および/または3'を含んでもよいことが理解される。この点で、本発明のオリゴマーは、いくつかの実施形態において、追加のヌクレオチドにより5'および/または3'に挟まれる連続するヌクレオチド配列を含んでもよい。いくつかの実施形態において、この追加の5'または3'のヌクレオチドは、天然ヌクレオチド、例えばDNAまたはRNAである。いくつかの実施形態において、その追加の5'または3'のヌクレオチドは、本明細書ではギャップマーオリゴマーの文脈において言及したような領域Dを表し得る。
【0031】
ある実施態様において、本発明のオリゴマーは、配列番号3のヌクレオチド配列、またはその部分配列からなるかまたはそれを含む。
【0032】
ある実施態様において、本発明のオリゴマーは、配列番号4のヌクレオチド配列、またはその部分配列からなるかまたはそれを含む。
【0033】
ある実施態様において、本発明のオリゴマーは、配列番号19のヌクレオチド配列、またはその部分配列からなるかまたはそれを含む。
【0034】
ある実施態様において、本発明のオリゴマーは、配列番号20のヌクレオチド配列、またはその部分配列からなるかまたはそれを含む。
【0035】
本発明のオリゴマー(または連続するヌクレオチド配列)と、哺乳類APO-B100をコードする核酸またはその逆相補体(例えば、本明細書に開示したもの)との間の「相同性」を決定する場合、相同性の決定は、本発明の化合物の対応するヌクレオチド配列と哺乳類APO-B100をコードする核酸(または標的核酸)またはその逆相補体の対応する領域との単純なアラインメントにより行うことができ、この相同性を、整列する塩基数を計測し、本発明の化合物中の連続するヌクレオチドの全数により除算し、そして100を乗算することにより決定する。かかる比較において、ギャプが存在する場合、かかるギャップは、ギャップ内のヌクレオチドの数が本発明のヌクレオチド配列と標的核酸との間で異なる領域であるよりもむしろ単なるミスマッチであることが好ましい。
【0036】
用語「に対応している」および「に対応する」とは、オリゴマーのヌクレオチド配列または連続するヌクレオチド配列(第一配列)と、i)核酸標的(例えば、APO-B100 タンパク質をコードするmRNA、例えばヒトAPO-B100 mRNA)の逆の相補体の部分配列および/または ii)本明細書にて提供されるヌクレオチド配列、例えば配列番号3、4、19または20、またはその部分配列からなる群から選択されるさらなる配列の等価な連続するヌクレオチド配列との間の比較をいう。ヌクレオチドアナログは、その等価な、または対応するヌクレオチドと直接比較する。i)またはii)のさらなる配列に対応する第一配列は、第一配列(例えば、連続するヌクレオチド配列)の長さ全体にわたり、その配列と同一であるか、または本明細書に記載したとおり、ある実施態様においては、対応する配列と少なくとも80%、例えば少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96% 相同であり得る、例えば100% 相同(同一)であり得る。
【0037】
用語「対応するヌクレオチドアナログ」および「対応するヌクレオチド」は、該ヌクレオチドアナログにおけるヌクレオチドおよび該天然ヌクレオチドが同一であることを示すことが意図される。例えば、該ヌクレオチドの2-デオキシリボースユニットをアデニンと連結する場合、この「対応するヌクレオチドアナログ」とは、アデニンと連結したペントースユニット(2-デオキシリボースとは異なる)を含有する。
【0038】
長さ
該オリゴマーは、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30の連続するヌクレオチド長の全ての連続するヌクレオチド配列を含むか、またはそれらからなり得る。
【0039】
ある実施態様において、該オリゴマーは、10−22、例えば、12−18、例えば、13−17または12−16、例えば、13、14、15、16の連続するヌクレオチド長の全ての連続するヌクレオチド配列を含むか、またはそれらからなり得る。
【0040】
ある実施態様において、該オリゴマーは、10、11、12、13、または14の連続するヌクレオチド長の全ての連続するヌクレオチド配列を含む。
【0041】
ある実施態様において、本発明のオリゴマーは、22以下のヌクレオチド、例えば、20以下のヌクレオチド、例えば、18以下のヌクレオチド、例えば、15、16または以下のヌクレオチドからなる。ある実施態様において、本発明の該オリゴマーは、20以下のヌクレオチドを含む。
【0042】
ヌクレオチドアナログ
本明細書にて使用した用語「ヌクレオチド」は、糖部分、塩基部分および共有結合したリン酸基を含むグリコシドを指し、両方の天然ヌクレオチド、例えば、DNAまたはRNA、好ましくはDNA、改変された糖および/または塩基部分を含む非天然ヌクレオチドも範囲に含み、これは本明細書中で「ヌクレオチドアナログ」ともいう。
【0043】
非天然ヌクレオチドは、糖部分が改変されたヌクレオチド、例えば、二環式ヌクレオチドまたは2'改変ヌクレオチド、例えば2'置換ヌクレオチドを包含する。
【0044】
「ヌクレオチドアナログ」とは、糖および/または塩基部分における改変による天然のヌクレオチド、例えば、DNAまたはRNAヌクレオチドの変異体である。アナログとは、基本的に、オリゴヌクレオチドにおける天然のヌクレオチドに対して単純に「サイレント」または「等価」である、即ちオリゴヌクレオチドは、標的遺伝子発現を阻害するために作用する方法に対して機能的効果をもたない。しかし、かかる「等価」なアナログは、例えばそれらが製造に容易であるか、または安価であるか、または貯蔵または製造条件に対してより安定であるか、またはタグまたは標識を示す場合に有用であり得る。しかし、該アナログは、該オリゴマーが発現を阻害するように作用する方法に対して機能的効果を有するのが好ましい;例えば、標的に対する結合親和性の増加および/または細胞内ヌクレアーゼに対する耐性の増加および/または細胞への輸送容易性の増加を生み出すことにより機能的効果を有するのが好ましい。ヌクレオシドアナログの特定の例示は、例えば、Freier & Altmann;Nucl. Acid Res., 1997, 25, 4429-4443 および Uhlmann;Curr. Opinion in Drug Development, 2000, 3(2), 293-213、およびスキーム1に記述されている:
【化1】


スキーム1:
【0045】
即ち、該オリゴマーは、天然のヌクレオチド−好ましくは2'-デオキシヌクレオチド(本明細書では一般的に“DNA”として示す)を含むか、またはそれらからなり得るが、しかしまたリボヌクレオチド(本明細書では一般的に“RNA”として示す)、またはかかる天然のヌクレオチドと1種以上の非天然ヌクレオチド、即ちヌクレオチドアナログとの組合せの単純な配列を含むか、またはそれらからなってもよい。かかるヌクレオチドアナログは、該標的配列に対する該オリゴマーの親和性を好適に増強できる。
【0046】
好適かつ好ましいヌクレオチドアナログの例示は、PCT/DK2006/000512により提供されるか、または本明細書で示される。
【0047】
該オリゴマー中への親和性増強ヌクレオチドアナログ、例えばLNAまたは2'-置換糖の導入により、特異的に結合するオリゴマーのサイズを低下させることができ、また非特異的または異常な結合が起こる前に該オリゴマーのサイズに対する上限を低下させてもよい。
【0048】
ある実施態様において、該オリゴマーは、少なくとも2のヌクレオチドアナログを含む。ある実施態様において、該オリゴマーは、3-8のヌクレオチドアナログ、例えば、6または7のヌクレオチドアナログを含む。最も好ましい実施形態において、少なくとも一つの該ヌクレオチドアナログは、ロックされた核酸(LNA)であり;例えば、少なくとも3または少なくとも4、または少なくとも5、または少なくとも6、または少なくとも7、または8の該ヌクレオチドアナログはLNAであってもよい。ある実施態様において、全てのヌクレオチドアナログはLNAであってもよい。
【0049】
ヌクレオチドのみからなる好ましいヌクレオチド配列モチーフまたはヌクレオチド配列を指す場合に、それらの配列により規定される本発明の該オリゴマーは、該オリゴマー/標的二本鎖に関する二本鎖の安定性/Tm(即ち、増強ヌクレオチドアナログを増強する親和性)を上昇させる、LNAユニットまたは他のヌクレオチドアナログなどの該配列中に存在する1以上のヌクレオチドに代えて対応するヌクレオチドアナログを含んでもよいことが認識されるであろう。
【0050】
ある実施態様において、該オリゴマーのヌクレオチド配列および該標的配列の間の任意のミスマッチは、本明細書に示した領域Bおよび/または本明細書に示した領域Dなどの親和性増強ヌクレオチドアナログの外側の領域、ならびに/またはオリゴヌクレオチド内のDNAヌクレオチドなどの非改変部位、ならびに/または連続するヌクレオチド配列に対して5'または3'側にある領域内に見出されるのが好ましい。
【0051】
該ヌクレオチドのかかる修飾の例は、2'-置換基を提供するか、または結合親和性を増強し、かつヌクレアーゼ耐性の増強も提供し得る架橋 (ロックされた核酸) 構造を生み出すために糖部分を改変することを提供する。
【0052】
好ましいヌクレオチドアナログは、LNA、例えば、オキシ-LNA (例えば、β-D-オキシ-LNAおよびα-L-オキシ-LNA)、および/または アミノ-LNA (例えば、β-D-アミノ-LNA およびα-L-アミノ-LNA) および/または チオ-LNA (例えば、β-D-チオ-LNA および α-L-チオ-LNA) および/または ENA (例えば、β-D-ENA および α-L-ENA)である。最も好ましものは、β-D-オキシ-LNAである。
【0053】
ある実施態様において、本発明のオリゴマー(例えば、本明細書に記載した領域A および C)に存在するヌクレオチドアナログは、例えば:2'-O-アルキル-RNAユニット、2'-アミノ-DNAユニット、2'-フルオロ-DNAユニット、LNAユニット、アラビノ核酸 (ANA)ユニット、2'-フルオロ-ANAユニット、HNAユニット、INA (intercalating nucleic acid-Christensen, 2002. Nucl. Acids. Res. 2002 30:4918-4925、出典明示により本明細書に組み込む)ユニット および 2'MOEユニットから独立して選択される。ある実施態様において、本発明の該オリゴマーまたはその連続するヌクレオチド配列内に存在するヌクレオチドアナログの上記タイプの1つのみが存在する。
【0054】
ある実施態様において、該ヌクレオチドアナログは、2'-O-メトキシエチル-RNA (2'MOE)、2'-フルオロ-DNA モノマーまたはLNA ヌクレオチドアナログであり、従って本発明のオリゴヌクレオチドは、これらの3つの型のアナログから独立して選択されるヌクレオチドアナログを含み得るか、または3つの型から選択されるアナログの1つの型のみを含み得る。ある実施態様において、少なくとも一つの該ヌクレオチドアナログは、2'-MOE-RNA、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10の2'-MOE-RNA ヌクレオチドユニットである。ある実施態様において、少なくとも一つのヌクレオチドアナログは、2'-フルオロ DNA、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10の2'-フルオロ-DNA ヌクレオチドユニットである。
【0055】
ある実施態様において、本発明の該オリゴマーは、少なくとも一つのロックされた核酸 (LNA) ユニット、例えば、1、2、3、4、5、6、7、または8つのLNAユニット、例えば、3−7のまたは4−8のLNAユニット、または 3、4、5、6または7のLNAユニットを含む。ある実施態様において、全ての該ヌクレオチドアナログはLNAである。ある実施態様において、該オリゴマーは、両方のβ-D-オキシ-LNA、および1以上の以下のLNAユニット:β-Dまたはα-L 配置またはその組合せのいずれかにおいて、チオ-LNA、アミノ-LNA、オキシ-LNA、および/または ENA、を含んでもよい。本発明のある実施態様において、全てのLNA シトシンユニットは、5'メチル-シトシンである。本発明のある実施態様において、該オリゴマーは、LNA および DNAユニット両方を含んでもよい。好ましい組み合わせの全てのLNAおよびDNAユニットは、10-25、好ましくは10-20、さらに好ましくは12-16である。本発明のある実施態様において、該オリゴマーのヌクレオチド配列、例えば連続するヌクレオチド配列は、少なくとも一つのLNAを構成し、かつ残りのヌクレオチドユニットはDNAユニットである。ある実施態様において、該オリゴマーは、LNA ヌクレオチドアナログおよび天然ヌクレオチド(例えば、RNAまたはDNA、最も好ましくはDNAヌクレオチド)のみを含み、所望により、改変されたヌクレオチド間連結基(例えば、ホスホロチオエート)と共に含む。
【0056】
用語「核酸塩基」とは、ヌクレオチドの塩基部分をいい、天然ならびに非天然変異体の両方を含める。即ち、「核酸塩基」は、既知のプリンおよびピリミジン複素環だけでなく、複素環アナログおよびその互変異性体も含める。
【0057】
核酸塩基の例示には、アデニン、グアニン、シトシン、チミジン、ウラシル、キサンチン、ヒポキサンチン、5-メチルシトシン、イソシトシン、偽イソシトシン、5-ブロモウラシル、5-プロピニルウラシル、6-アミノプリン、2-アミノプリン、イノシン、ジアミノプリン、および 2-クロロ-6-アミノプリンを包含するが、これらに限定しない。
【0058】
ある実施態様において、該オリゴマー内に存在する少なくとも一つの核酸塩基は、5-メチルシトシン、イソシトシン、偽イソシトシン、5-ブロモウラシル、5-プロピニルウラシル、6-アミノプリン、2-アミノプリン、イノシン、ジアミノプリン、および 2-クロロ-6-アミノプリンからなる群から選択される改変核酸塩基である。
【0059】
LNA
用語「LNA」は、「ロックされた核酸」として知られる二環式ヌクレオチドアナログを示す。それは、LNA モノマーを示してもよいし、または「LNA オリゴヌクレオチド」の文脈で使用される場合には、LNAは1以上のかかる二環式ヌクレオチドアナログを含有するオリゴヌクレオチドをいう。LNAヌクレオチドは、リボース糖環のC2'からC4'の間のビラジカル「架橋」の存在、例えば下記のビラジカルR4*-R2*として示されるような存在を特徴とする。
【0060】
本発明のオリゴヌクレオチド化合物に使用されるLNAは、好ましくは一般式Iの構造を有する。
【化2】


式1
[式中、全ての不斉中心に対して、不斉基はRまたはS配向いずれかにある;
ここで、
X は -O-、-S-、-N(RN*)-、-C(R6R6*)- から選択され、例えばいくつかの実施形態では、-O-である;
B は、水素、所望により置換されていてもよいC1-4アルコキシ、所望により置換されていてもよいC1-4アルキル、所望により置換されていてもよいC1-4アシルオキシ、天然のアナログおよび核酸塩基アナログなどの核酸塩基、DNA 挿入剤、光化学的に活性な基、熱化学的に活性な基、キレート化基、レポーター基、およびリガンドから選択される;
Pは、近接モノマーとのヌクレオチド間の連結または5'末端基を表し、かかるヌクレオチド間連結または5'末端基は置換基R5または同等に適用できる置換基 R5*を所望により含む;
P*は、近接モノマーまたは3'末端基とのヌクレオチド間連結を表す;
R4* および R2* は、共に、-C(RaRb)-、-C(Ra)=C(Rb)、-C(Ra)=N、-O-、-Si(Ra)2-、-S-、-SO2-、-N(Ra)-、および>C=Zから選択される1-4の基/原子からなるビラジカルを表し、
ここで Z は、-O-、-S-、および -N(Ra)- から選択され、Ra および Rb は、水素、所望により置換されていてもよいC1-12-アルキル、所望により置換されていてもよいC2-12-アルケニル、所望により置換されていてもよいC2-12-アルキニル、ヒドロキシ、所望により置換されていてもよいC1-12-アルコキシ、C2-12-アルコキシアルキル、C2-12-アルケニルオキシ、カルボキシ、C1-12-アルコキシカルボニル、C1-12-アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ-カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ-カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノ-およびジ(C1-6-アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ-およびジ(C1-6-アルキル)-アミノ-カルボニル、アミノ-C1-6-アルキル-アミノカルボニル、モノ-およびジ(C1-6-アルキル)アミノ-C1-6-アルキル-アミノカルボニル、C1-6-アルキル-カルボニルアミノ、カルバミド、C1-6-アルカノイルオキシ、スルホノ、C1-6-アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1-6-アルキルチオ、ハロゲン、DNA 挿入剤、光化学的に活性な基、熱化学的に活性な基、キレート化基、レポーター基、およびリガンドから各々独立して選択される、ここで該アリールおよびヘテロアリールは所望により置換されてもよく、2つの双子(geminal)置換基 Ra および Rbは共に、所望により置換されたメチレン (=CH2)を表し得る、ここで全ての不斉中心について、不斉基は、RまたはS 配向のいずれかにある;および
各置換基 R1*、R2、R3、R5、R5*、R6 および R6*は、水素、所望により置換されていてもよいC1-12-アルキル、所望により置換されていてもよいC2-12-アルケニル、所望により置換されていてもよいC2-12-アルキニル、ヒドロキシ、C1-12-アルコキシ、C2-12-アルコキシアルキル、C2-12-アルケニルオキシ、カルボキシ、C1-12-アルコキシカルボニル、C1-12-アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ-カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ-カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノ-およびジ(C1-6-アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ-およびジ(C1-6-アルキル)-アミノ-カルボニル、アミノ-C1-6-アルキル-アミノカルボニル、モノ-およびジ(C1-6-アルキル)アミノ-C1-6-アルキル-アミノカルボニル、C1-6-アルキル-カルボニルアミノ、カルバミド、C1-6-アルカノイルオキシ、スルホノ、C1-6-アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1-6-アルキルチオ、ハロゲン、DNA 挿入剤、光化学的に活性な基、熱化学的に活性な基、キレート化基、レポーター基、および リガンドから独立して選択される、ここでアリールおよびヘテロアリールは、所望により置換されてもよく、およびここで2つの双子置換基は共に、オキソ、チオキソ、イミノ、または所望により置換されたメチレンを表し得る;ここでRNは、水素およびC1-4アルキルから選択され、ここで2つの近接置換基[双子(ジェミナル)ではない]は、二重結合をもたらす追加の結合を表し得る;およびRN*は、存在しかつビラジカルに関与しない場合に、水素およびC1-4アルキルから選択される;ならびに塩基性塩およびその酸付加塩。全ての不斉中心について、不斉基は、RまたはS 配向のいずれかで存在し得る。
【0061】
ある実施態様において、R4* および R2* は共に、C(RaRb)-C(RaRb)-、C(RaRb)-O-、C(RaRb)-NRa-、C(RaRb)-S-、および C(RaRb)-C(RaRb)-O-からなる群から選択される基からなるビラジカルを表す、ここで各Ra および Rbは所望により独立して選択されてもよい。ある実施態様において、Ra および Rb は、所望により独立して水素およびC1-6アルキル、例えばメチル、例えば水素からなる群から選択される。
【0062】
ある実施態様において、R1*、R2、R3、R5、R5*は、水素、ハロゲン、C1-6アルキル、置換されたC1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、置換されたC2-6 アルケニル、C2-6 アルキニルまたは置換されたC2-6 アルキニル、C1-6 アルコキシル、置換されたC1-6 アルコキシル、アシル、置換されたアシル、C1-6 アミノアルキルまたは置換されたC1-6 アミノアルキルからなる群から独立して選択される。全ての不斉中心について、不斉基は、RまたはS配向のいずれかで存在し得る。
【0063】
ある実施態様において、R1*、R2、R3、R5、R5*は水素である。
【0064】
ある実施態様において、R1*、R2、R3は、水素、ハロゲン、C1-6 アルキル、置換されたC1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、置換されたC2-6 アルケニル、C2-6 アルキニルまたは置換されたC2-6 アルキニル、C1-6 アルコキシル、置換されたC1-6 アルコキシル、アシル、置換されたアシル、C1-6 アミノアルキルまたは置換されたC1-6 アミノアルキルからなる群から独立して選択される。全ての不斉中心について、不斉基は、RまたはS 配向のいずれかで存在し得る。
【0065】
ある実施態様において、R1*、R2、R3 は水素である。
【0066】
ある実施態様において、R5 および R5* は、H、-CH3、-CH2-CH3、-CH2-O-CH3、および-CH=CH2からなる群から各々独立して選択される。好適には、いくつかの実施形態において、R5またはR5*いずれかは、水素であり、ここで別の基(R5またはR5*各々)は、C1-5 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、置換されたC1-6 アルキル、置換されたC2-6 アルケニル、置換されたC2-6 アルキニルまたは置換されたアシル (-C(=O)-) からなる群から選択される;ここで各置換された基は、ハロゲン、C1-6 アルキル、置換されたC1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、置換されたC2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、置換されたC2-6 アルキニル、OJ1、SJ1、NJ1J2、N3、COOJ1、CN、O-C(=O)NJ1J2、N(H)C(=NH)NR、R2またはN(H)C(=X)N(H)J2 から独立して選択される置換基により一または多置換される、ここで X は、OまたはSである;および各J1 および J2 は、独立して、H、C1-6 アルキル、置換されたC1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、置換されたC2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、置換されたC2-6 アルキニル、C1-6 アミノアルキル、置換されたC1-6 アミノアルキルまたは保護基である。ある実施態様において、R5またはR5*のいずれかは、置換されたC1-6 アルキルである。ある実施態様において、R5またはR5*のいずれかは、置換されたメチレンであり、ここで好ましい置換基は、F、NJ1J2、N3、CN、OJ1、SJ1、O-C(=O)NJ1J2、N(H)C(=NH)NJ、J2またはN(H)C(O)N(H)J2から独立して選択される1以上の基を包含する。ある実施態様において、各J1 および J2 は、独立して HまたはC1-6 アルキルである。ある実施態様において、R5またはR5*はメチル、エチルまたはメトキシメチルである。ある実施態様において、R5またはR5*いずれかがメチルである。別の実施態様において、R5またはR5*いずれかがエチレニルである。ある実施態様において、R5またはR5* いずれかは置換されたアシルである。ある実施態様において、R5またはR5*いずれかがC(=O)NJ1J2である。全ての不斉中心について、不斉基は、RまたはS 配向のいずれかで存在し得る。かかる5'改変二環式ヌクレオチドは、WO 2007/134181に開示されており、これは出典明示により本明細書に組み込まれる。
【0067】
ある実施態様において、Bは、核酸塩基アナログおよび天然核酸塩基を含む核酸塩基、例えば、プリンまたはピリミジン、または置換されたプリンまたは置換されたピリミジンであり、例えば本明細書に示した核酸塩基、例えば、アデニン、シトシン、チミン、アデニン、ウラシル、および/または改変または置換される核酸塩基、例えば、5-チアゾロ-ウラシル、2-チオ-ウラシル、5-プロピニル-ウラシル、2'チオ-チミン、5-メチルシトシン、5-チオゾロ-シトシン、5-プロピニル-シトシン、および2,6-ジアミノプリンからなる群から選択される核酸塩基である。
【0068】
ある実施態様において、R4* および R2* は共に、-C(RaRb)-O 、-C(RaRb)-C(RcRd)-O 、-C(RaRb)-C(RcRd)-C(ReRf)-O- 、-C(RaRb)-O-C(RcRd)-、-C(RaRb)-O-C(RcRd)-O-、-C(RaRb)-C(RcRd)-、-C(RaRb)-C(RcRd)-C(ReRf)-、-C(Ra)=C(Rb) C(RcRd)-、-C(RaRb)-N(Rc)-、-C(RaRb)-C(RcRd)- N(Re)-、-C(RaRb)-N(Rc)-O- 、および -C(RaRb)-S-、-C(RaRb)-C(RcRd)-S-から選択されるビラジカルを表し、ここで各々Ra、Rb、Rc、Rd、Re、および Rf は、水素、所望により置換されていてもよいC1-12-アルキル、所望により置換されていてもよいC2-12-アルケニル、所望により置換されていてもよいC2-12-アルキニル、ヒドロキシ、C1-12-アルコキシ、C2-12-アルコキシアルキル、C2-12-アルケニルオキシ、カルボキシ、C1-12-アルコキシカルボニル、C1-12-アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ-カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ-カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノ-およびジ(C1-6-アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ-およびジ(C1-6-アルキル)-アミノ-カルボニル、アミノ-C1-6-アルキル-アミノカルボニル、モノ-およびジ(C1-6-アルキル)アミノ-C1-6-アルキル-アミノカルボニル、C1-6-アルキル-カルボニルアミノ、カルバミド、C1-6-アルカノイルオキシ、スルホノ、C1-6-アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1-6-アルキルチオ、ハロゲン、DNA 挿入剤、光化学的に活性な基、熱化学的に活性な基、キレート化基、レポーター基、およびリガンドから独立して選択される、ここでアリールおよびヘテロアリールは、所望により置換されてもよく、2つの双子置換基Ra および Rbは共に、所望により置換されたメチレン(=CH2)を表し得る。全ての不斉中心について、不斉基はRまたはS配向のいずれかで存在し得る。
【0069】
別の実施態様において、R4* および R2* は共に、-CH2-O-、-CH2-S-、-CH2-NH-、-CH2-N(CH3)-、-CH2-CH2-O-、-CH2-CH(CH3)-、-CH2-CH2-S-、-CH2-CH2-NH-、-CH2-CH2-CH2-、-CH2-CH2-CH2-O-、-CH2-CH2-CH(CH3)-、-CH=CH-CH2-、-CH2-O-CH2-O-、-CH2-NH-O-、-CH2-N(CH3)-O-、-CH2-O-CH2-、-CH(CH3)-O-、および -CH(CH2-O-CH3)-O-、および/または、-CH2-CH2-、および -CH=CH-から選択されたビラジカル(二価の基)を表す。全ての不斉中心について、不斉基はRまたはS 配向のいずれかで存在し得る。
【0070】
いくつかの好ましい実施形態において、R4* および R2* は共に、ビラジカルの-O-CH(CH2OCH3)-(2'O-メトキシエチル二環式核酸-Seth et al., 2010, J. Org. Chem)-R-またはS-配向のいずれかを表す。
【0071】
いくつかの好ましい実施形態において、R4*およびR2*は共に、ビラジカルの-O-CH(CH2CH3)- (2'O-エチル二環式核酸- Seth at al. ,2010, J. Org. Chem)- R-または-S-配向のいずれかを表す。
【0072】
いくつかの実施形態において、R4* およびR2* は共に、R-またはS-配向のいずれかの、ビラジカルの-O-CH(CH3)-を表す。ある実施態様において、R4* および R2* は共に、ビラジカル C(RaRb)-N(Rc)-O- を表し、ここでRa および Rb は独立して、水素、ハロゲン、C1-6 アルキル、置換されたC1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、置換されたC2-6 アルケニル、C2-6 アルキニルまたは置換されたC2-6 アルキニル、C1-6 アルコキシル、置換されたC1-6 アルコキシル、アシル、置換されたアシル、C1-6 アミノアルキルまたは置換されたC1-6 アミノアルキルからなる群から選択される、例えば水素であり;ここで、Rc は、水素、ハロゲン、C1-6 アルキル、置換されたC1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、置換されたC2-6 アルケニル、C2-6 アルキニルまたは置換されたC2-6 アルキニル、C1-6 アルコキシル、置換されたC1-6 アルコキシル、アシル、置換されたアシル、C1-6 アミノアルキルまたは置換されたC1-6 アミノアルキルからなる群から選択される、例えば水素である。
【0073】
ある実施態様において、R4* およびR2* は共に、ビラジカル C(RaRb)-O-C(RcRd) -O- を表し、ここで Ra、Rb、Rc、および Rd は、水素、ハロゲン、C1-6 アルキル、置換されたC1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、置換されたC2-6 アルケニル、C2-6 アルキニルまたは置換されたC2-6 アルキニル、C1-6 アルコキシル、置換されたC1-6 アルコキシル、アシル、置換されたアシル、C1-6 アミノアルキルまたは置換されたC1-6 アミノアルキルからなる群から独立して選択される、例えば水素である。
【0074】
ある実施態様において、R4* および R2* は、ビラジカル-CH(Z)-O-を形成する、ここでZは、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、置換されたC1-6 アルキル、置換されたC2-6 アルケニル、置換されたC2-6 アルキニル、アシル、置換されたアシル、置換されたアミド、チオールまたは置換されたチオからなる群から選択される;および、ここで各置換された基の各々は、独立して、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシル、OJ1、NJ1J2、SJ1、N3、OC(=X)J1、OC(=X)NJ1J2、NJ3C(=X)NJ1J2 および CNから選択される所望により保護された置換基により一または多置換される、ここで 各J1、J2 および J3 は、独立して、HまたはC1-6 アルキルであり、および X はO、SまたはNJ1である。ある実施態様において、Z は、C1-6 アルキルまたは置換されたC1-6 アルキルである。ある実施態様において、Z はメチルである。ある実施態様において、Z は、置換されたC1-6 アルキルである。ある実施態様において、該置換基はC1-6 アルコキシである。ある実施態様において、Z はCH3OCH2-である。全ての不斉中心について、不斉基は、RまたはS 配向のいずれかにおいて存在し得る。かかる二環式ヌクレオチドは、US 7,399,845に開示され、出典明示により本明細書に組み込まれる。ある実施態様において、R1*、R2、R3、R5、R5* は水素である。いくつかの実施形態において、R1*、R2、R3*は水素であり、R5、R5*の片方または両方の基は、上記およびWO 2007/134181に示したとおり水素以外であり得る。
【0075】
ある実施態様において、R4* および R2*は共に、該架橋中に置換されたアミノ基を含むビラジカルを表す、例えばビラジカル -CH2-N(Rc)-からなるかまたはそれを含み、ここでRc は、C1-12 アルキルオキシである。ある実施態様において、R4* および R2* は共に、ビラジカルの-Cq3q4-NORを表し、ここで q3 および q4 は、水素、ハロゲン、C1-6 アルキル、置換されたC1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、置換されたC2-6 アルケニル、C2-6 アルキニルまたは置換されたC2-6 アルキニル、C1-6 アルコキシル、置換されたC1-6 アルコキシル、アシル、置換されたアシル、C1-6 アミノアルキルまたは置換されたC1-6 アミノアルキルからなる群から独立して選択される;ここで各置換された基は、ハロゲン、OJ1、SJ1、NJ1J2、COOJ1、CN、O-C(=O)NJ1J2、N(H)C(=NH)N J1J2またはN(H)C(=X=N(H)J2から独立して選択される置換基で一または多置換される、ここで X はOまたはSである;および各々 J1 および J2は、独立して、H、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-6 アミノアルキルまたは保護基である。全ての不斉中心について、不斉基は、RまたはS 配向のいずれかで存在し得る。かかる二環式ヌクレオチドはWO2008/150729に開示され、これは出典明示により本明細書に組み込まれる。ある実施態様において、R1*、R2、R3、R5、R5* は、独立して水素、ハロゲン、C1-6 アルキル、置換されたC1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、置換されたC2-6 アルケニル、C2-6 アルキニルまたは置換されたC2-6 アルキニル、C1-6 アルコキシル、置換されたC1-6 アルコキシル、アシル、置換されたアシル、C1-6 アミノアルキルまたは置換されたC1-6 アミノアルキルからなる群から選択される。ある実施態様において、R1*、R2、R3、R5、R5* は水素である。ある実施態様において、R1*、R2、R3 は、水素であり、R5、R5*の片方または両方は、上記およびWO 2007/134181に示したように水素以外である。ある実施態様において、R4* および R2* は共に、ビラジカル(二価の基) C(RaRb)-O-を表し、ここで Ra および Rb は、各々独立して ハロゲン、C1-C12アルキル、置換されたC1-C12アルキル、C2-C12アルケニル、置換されたC2-C12アルケニル、C2-C12アルキニル、置換されたC2-C12アルキニル、C1-C12アルコキシ、置換されたC1-C12アルコキシ、OJ1 SJ1、SOJ1、SO2J1、NJ1J2、N3、CN、C(=O)OJ1、C(=O)NJ1J2、C(=O)J1、O-C(=O)NJ1J2、N(H)C(=NH)NJ1J2、N(H)C(=O)NJ1J2またはN(H)C(=S)NJ1J2である;またはRa および Rb は共に=C(q3)(q4)である;q3 および q4 は、各々独立して、H、ハロゲン、C1-C12アルキルまたは置換されたC1-C12アルキルである;各置換された基は、ハロゲン、C1-C6アルキル、置換されたC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、置換されたC2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、置換されたC2-C6 アルキニル、OJ1、SJ1、NJ1J2、N3、CN、C(=O)OJ1、C(=O)NJ1J2、C(=O)J1、O-C(=O)NJ1J2、N(H)C(=O)NJ1J2またはN(H)C(=S)NJ1J2.から独立して選択される置換基で一または多置換される;ならびに、各々J1 および J2 は、独立して、H、C1-C6アルキル、置換されたC1-C6アルキル、C2-C6 アルケニル、置換されたC2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、置換されたC2-C6 アルキニル、C1-C6アミノアルキル、置換されたC1-C6アミノアルキルまたは保護基である。かかる化合物は、WO2009006478Aに開示され、出典明示によりその全てを本明細書に組み込む。
【0076】
ある実施態様において、R4* および R2* は、ビラジカル- Q -を形成する、ここで Q は、C(q1)(q2)C(q3)(q4)、C(q1)=C(q3)、C[=C(q1)(q2)]-C(q3)(q4)またはC(q1)(q2)-C[=C(q3)(q4)]である;q1、q2、q3、q4 は、各々独立してH、ハロゲン、C1-12 アルキル、置換されたC1-12 アルキル、C2-12 アルケニル、置換されたC1-12 アルコキシ、OJ1、SJ1、SOJ1、SO2J1、NJ1J2、N3、CN、C(=O)OJ1、C(=O)-NJ1J2、C(=O) J1、-C(=O)NJ1J2、N(H)C(=NH)NJ1J2、N(H)C(=O)NJ1J2またはN(H)C(=S)NJ1J2である;各々J1 および J2 は、独立して、H、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-6 アミノアルキルまたは保護基である;ならびに、所望により、QがC(q1)(q2)(q3)(q4)である場合、q3またはq4 の1つはCH3であり、その時はq3またはq4の少なくとも一方またはq1 および q2 の1つがH以外である。ある実施態様において、R1*、R2、R3、R5、R5* は水素である。全ての不斉中心について、不斉基は、RまたはS 配向のいずれかで見出され得る。かかる二環式ヌクレオチドはWO2008/154401に開示されており、これを出典明示によりその全てを本明細書に組み込む。ある実施態様において、R1*、R2、R3、R5、R5* は、独立して水素、ハロゲン、C1-6 アルキル、置換されたC1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、置換されたC2-6 アルケニル、C2-6 アルキニルまたは置換されたC2-6 アルキニル、C1-6 アルコキシル、置換されたC1-6 アルコキシル、アシル、置換されたアシル、C1-6 アミノアルキルまたは置換されたC1-6 アミノアルキルからなる群から選択される。ある実施態様において、R1*、R2、R3、R5、R5* は水素である。ある実施態様において、上記およびWO 2007/134181またはWO2009/067647に示したとおり、R1*、R2、R3 は、水素であり、R5、R5*の1つまたは両方は水素以外であってもよい(α-L-二環式核酸アナログ)。
【0077】
ある実施態様において、本発明のオリゴヌクレオチド化合物に使用されたLNAは、好ましくは一般式IIの構造を有する:
【化3】

式 II
式中、Yは、-O-、-CH2O-、-S-、-NH-、N(Re) および/または -CH2-からなる群から選択される;Z および Z* は、ヌクレオチド間結合、RH、末端基または保護基から独立して選択される;B は、天然または非天然のヌクレオチド塩基部分(核酸塩基)を構成し、RH は、水素 および C1-4アルキルから選択される;Ra、Rb Rc、Rd および Re は、所望により、水素、所望により置換されていてもよいC1-12-アルキル、所望により置換されていてもよいC2-12-アルケニル、所望により置換されていてもよいC2-12-アルキニル、ヒドロキシ、C1-12-アルコキシ、C2-12-アルコキシアルキル、C2-12-アルケニルオキシ、カルボキシ、C1-12-アルコキシカルボニル、C1-12-アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ-カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ-カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノ-およびジ(C1-6-アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ-およびジ(C1-6-アルキル)-アミノ-カルボニル、アミノ-C1-6-アルキル-アミノカルボニル、モノ-およびジ(C1-6-アルキル)アミノ-C1-6-アルキル-アミノカルボニル、C1-6-アルキル-カルボニルアミノ、カルバミド、C1-6-アルカノイルオキシ、スルホノ、C1-6-アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1-6-アルキルチオ、ハロゲン、DNA 挿入剤、光化学的に活性な基、熱化学的に活性な基、キレート化基、レポーター基、および リガンドからなる群から独立して選択される、ここでアリールおよびヘテロアリールは置換されていてもよく、2つの双子置換基 Ra および Rb が共に、所望により置換されていてもよいメチレン(=CH2)を表し得る;および RH は、水素およびC1-4アルキルから選択される。ある実施態様において、Ra、Rb Rc、Rd および Re は、所望により、水素およびC1-6アルキル、例えばメチルからなる群から独立して選択される。全ての不斉中心について、不斉基は、RまたはS 配向のいずれかで存在し得る(例えば、2つの例示的な立体化学異性体は、β-D および α-L 異性体を含む)、これらを下記に示す:
【化4】

【0078】
特定のLNAユニットの例を下記に示す:
【化5】

β-D-オキシ-LNA
【化6】

α-L-オキシ-LNA
【化7】

β-D-チオ-LNA
【化8】

β-D-ENA
【化9】

β-D-アミノ-LNA
【0079】
用語「チオ-LNA」は、ロックされたヌクレオチドを含んでおり、ここで上記一般式におけるYは、Sまたは-CH2-S-から選択される。チオ-LNAは、β-D およびα-L 配置の両方にて存在し得る。
【0080】
用語「アミノ-LNA」は、ロックされたヌクレオチドを含んでおり、ここで上記一般式におけるYは、-N(H)-、N(R)-、CH2-N(H)-、および -CH2-N(R)- から選択され、ここでR は、水素およびC1-4アルキルから選択される。アミノ-LNAは、β-D および α-L-配置の両方にて存在し得る。
【0081】
用語「オキシ-LNA」は、ロックされたヌクレオチドを含んでおり、ここで上記一般式におけるYは、-O-を示す。オキシ-LNAは、β-D および α-L-配置の両方にて存在し得る。
【0082】
用語「ENA」は、ロックされたヌクレオチドを含んでおり、ここで上記一般式におけるYは、-CH2-O-である(ここで、-CH2-O-の酸素原子は塩基Bに対して2'位に結合する)。Reは水素またはメチルである。
【0083】
ある実施形態において、LNAは、β-D-オキシ-LNA、α-L-オキシ-LNA、β-D-アミノ-LNA および β-D-チオ-LNA、特にβ-D-オキシ-LNAから選択される。
【0084】
RNAseの動員(recruitment)
オリゴマー化合物は、標的mRNAの非RNaseに媒介される分解を介して、例えば翻訳の立体障害または他の方法により機能し得るが、本発明の好ましいオリゴマーは、エンドリボヌクレアーゼ(RNase)、例えばRNase Hを動員することができると認識される。
【0085】
該オリゴマーまたは連続するヌクレオチド配列は、相補的標的RNAとの二本鎖中で形成される場合、RNaseを動員することができる、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16の連続するヌクレオチドを含む、少なくとも6の、例えば少なくとも7の連続するヌクレオチドユニット、例えば、少なくとも8または少なくとも9の連続するヌクレオチドユニット(残基)の領域を含む。RNAseを動員できる連続する配列は、本明細書に記載したギャップマーのの文脈において言及される領域Bであってもよい。ある実施態様において、領域BなどのRNAseを動員することができる連続する配列のサイズは、例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20のヌクレオチドユニットよりも大きいものであってよい。
【0086】
EP 1 222 309 は、RNase Hを動員する能力を決定するのに用いることができるRNaseH活性を決定するためのインビトロ方法を提供する。相補的RNA標的と共に提供された場合に、EP 1 222 309の実施例91-95に示される方法を用いて、オリゴヌクレオチド中の全てのヌクレオチド間のホスホロチオエート連結基を含み、2'置換を含まない等価なDNAのみのオリゴヌクレオチドの、少なくとも1%、例えば少なくとも5%、例えば少なくとも10%または20%未満のpmol/l/分間で測定される初期速度を有すれば、オリゴマーは、RNase Hを動員できると見なされる。
【0087】
ある実施態様において、相補的RNA標的およびRNase Hと共に提供される場合に、pmol/l/分で測定されるRNaseHの初期速度が、EP 1 222 309の実施例91-95により提供される方法を用いる、オリゴヌクレオチド中の全てのヌクレオチド間でホスホロチオエート連結基を含み、2'置換を含まない等価なDNAのみのオリゴヌクレオチドを用いて決定される初期速度の1%未満、例えば、5%未満、例えば、10%未満または20%未満である場合、オリゴマーは、本質的にRNase Hを動員できないと見なされる。
【0088】
別の実施態様において、相補的RNA標的およびRNase Hと共に提供される場合に、pmol/l/分で測定した該RNase Hの初期速度が、EP 1 222 309の実施例91-95により提供される方法を用いる、オリゴヌクレオチド中の全てのヌクレオチド間でホスホロチオエート連結基を含み、2'置換を含まない等価なDNAのみのオリゴヌクレオチドを用いて決定される初期速度の少なくとも20%、例えば、少なくとも40%、例えば、少なくとも60%、例えば、少なくとも80%であれば、オリゴマーは、RNase Hを動員できると見なされる。
【0089】
一般的には、相補的な標的RNAにより二本鎖で形成される場合、RNaseを動員することができる連続するヌクレオチドユニットを形成するオリゴマーの領域は、RNA標的とDNA/RNA様の二本鎖を形成するヌクレオチドユニットからなり、α-L 配置にあるDNAユニットおよびLNAユニットの両方を含み、特に好ましくはα-L-オキシLNAである。
【0090】
本発明のオリゴマーは、ヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログの両方を含むヌクレオチド配列を含んでもよく、ギャップマー、ヘッドマーまたはミックスマーの形態で存在してもよい。
【0091】
ヘッドマーは、5'末端の非RNase動員ヌクレオチドアナログの連続するストレッチ、続いて3'末端に向かってRNaseにより認識および切断され得るDNAまたは改変ヌクレオチドユニットの連続ストレッチ(例えば、少なくとも7つのかかるヌクレオチド)により規定され、テイルマーは、5'末端でRNaseにより認識および切断され得るDNAまたは改変ヌクレオチドの連続するストレッチ(例えば、少なくとも7つのかかるヌクレオチド)、次いで3'末端に向かう非RNase動員ヌクレオチドアナログの連続するストレッチにより規定される。ミクスマーと呼ばれる本発明の他のキメラは、RNaseおよび非RNase動員ヌクレオチドアナログにより認識および切断され得るDNAまたは改変ヌクレオチドの代替組成物から構成される。いくつかのヌクレオチドアナログは、RNase H結合および切断を媒介することもできる。α-L-LNAはRNase H活性をある程度まで動員するので、ギャップマー構築体のためにRNase Hにより認識および切断され得るDNAまたは改変ヌクレオチドのより小さいギャップが必要であるかもしれず、該ミクスマー構築体中により高いフレキシビリティー(flexibility)を導入することができる。
【0092】
ギャップマー設計
好ましくは、本発明のオリゴマーはギャップマーである。ギャップマーオリゴマーは、RNAseHなどのRNAseを動員できるヌクレオチドの連続するストレッチを含むオリゴマーであり、例えば、RNAseを動員することができるヌクレオチドの連続的伸長に対して5'および3'にある1〜6つのヌクレオチドアナログなどの、親和性増強ヌクレオチドアナログの領域により5'および3'の双方に挟まれる(これらの領域を、それぞれA領域およびC領域と呼ぶ)、本明細書ではB領域と呼ばれる少なくとも6もしくは7つのDNAヌクレオチドの領域である。
【0093】
ある実施態様において、RNAseを動員できる該ヌクレオチドは、DNAヌクレオチド、α-L-LNA ヌクレオチド、C4'アルキル化DNA(PCT/EP2009/050349を参照されたい、これは出典明示により本明細書に組み込まれる)、および UNA ヌクレオチド(Fluiterら, Mol. Biosyst., 2009, 10,1039 を参照されたい、これは出典明示により本明細書に組み込まれる)からなる群から選択される。ある実施態様において、領域B は、連続する長さの少なくとも6または7つのDNAヌクレオチドまたはDNAおよびα-L-LNAからなる群から選択されるヌクレオチドからなる。
【0094】
好ましくは、ギャップマーは、式(5'から3'に向かって)、A-B-C、または所望によりA-B-C-DまたはD-A-B-Cの(ポリ)ヌクレオチド配列を含む:配列中、領域A(5'領域)は、少なくとも一つのLNAユニットなどの少なくとも一つのヌクレオチドアナログ、例えばLNAユニットなどの1-6つのヌクレオチドアナログからなるか、またはそれを含み;領域Bは、DNAヌクレオチドなどのRNAseを動員できる少なくとも5つの連続するヌクレオチド(mRNA標的などの相補的RNA分子と二本鎖中で形成される場合)からなるか、またはそれを含み:領域C(3'領域)は、少なくとも一つのLNAユニットなどの少なくとも一つのヌクレオチドアナログ、例えば1-6つのヌクレオチドアナログ、例えばLNAユニットからなるかまたはそれを含む:ならびに、存在する場合に、領域Dは、DNAヌクレオチドなどの1、2または3つのヌクレオチドユニットからなるか、またはそれを含む。
【0095】
ある実施態様において、領域Aは、1、2、3、4、5または6つのヌクレオチドアナログ、例えばLNAユニット、例えば2-5つのヌクレオチドアナログ、例えば、2-5つのLNAユニット、例えば、3または4つのヌクレオチドアナログ、例えば、3または4つのLNAユニットからなる;および/または、領域Cは、1、2、3、4、5または6つのヌクレオチドアナログ、例えば、LNAユニット、例えば2-5つのヌクレオチドアナログ、例えば、2-5つのLNAユニット、例えば、3または4つのヌクレオチドアナログ、例えば、3または4つのLNAユニットからなる。
【0096】
ある実施態様において、領域Bは、RNAseを動員できる5、6、7、8、9、10、11または12つの連続するヌクレオチド、またはRNAseを動員できる6-10つ、または7-9つ、例えば、8つの連続するヌクレオチドからなるか、またはそれを含む。ある実施態様において、領域Bは、少なくとも一つのDNAヌクレオチドユニット、例えば、1-12つのDNAユニット、好ましくは4-12つのDNAユニット、より好ましくは6-10つのDNAユニット、例えば7-10つのDNAユニット、最も好ましくは8、9または10つのDNAユニットからなるか、またはそれを含む。
【0097】
ある実施態様において、領域Aは、LNAなどの3または4つのヌクレオチドアナログからなり、領域Bは、7、8、9または10つのDNAユニットからなり、そして領域Cは、LNAなどの3または4つのヌクレオチドアナログからなる。かかる設計は、(A-B-C)3-10-3、3-10-4、4-10-3、3-9-3、3-9-4、4-9-3、3-8-3、3-8-4、4-8-3、3-7-3、3-7-4、4-7-3を包含し、そしてDNA単位などの1または2のヌクレオチドユニットを有し得るD領域をさらに含んでもよい。
【0098】
さらなるギャップマー設計はWO2004/046160に開示されており、出典明示により本明細書に組み込まれる。
【0099】
出典明示により本明細書に組み込まれる米国特許仮出願第60/977409号は、「ショートマー(shortmer)」ギャップマーオリゴマーを示し、ある実施形態においては本発明のギャップマーオリゴマーであってもよい。
【0100】
ある実施態様において、該オリゴマーは、合計10、11、12、13、または14のヌクレオチドユニットの連続するヌクレオチド配列からなり、該連続するヌクレオチド配列は、式(5'-3'に向かって)A-B-C、または所望によりA-B-C-DもしくはD-A-B-Cである:式中、Aは、LNAユニットなどの1、2または3つのヌクレオチドアナログユニットからなる;Bは、相補的RNA分子(例えば、mRNA標的)により二本鎖を形成した場合に、RNAseを動員できる7、8または9つの連続するヌクレオチドユニットからなる;ならびに、Cは、LNAユニットなどの1、2または3つのヌクレオチドアナログユニットからなる。存在する場合、Dは1つのDNAユニットからなる。
【0101】
ある実施態様において、Aは1つのLNAユニットからなる。ある実施態様において、Aは2つのLNAユニットからなる。ある実施態様において、Aは3つのLNAユニットからなる。ある実施態様において、Cは1つのLNAユニットからなる。ある実施態様において、Cは2つのLNAユニットからなる。ある実施態様において、Cは3つのLNAユニットからなる。ある実施態様において、Bは7つのヌクレオチドユニットからなる。ある実施態様において、Bは、8つのヌクレオチドユニットからなる。ある実施態様において、Bは、9つのヌクレオチドユニットからなる。ある実施態様において、Bは、1-9つのDNAユニット、例えば、2、3、4、5、6、7または8つのDNAユニットからなる。ある実施態様において、Bは、DNAユニットからなる。ある実施態様において、Bは、α-L配置にある少なくとも一つのLNAユニット、例えばα-L-配置にある2、3、4、5、6、7、8または9つのLNAユニットからなる。ある実施態様において、Bは少なくとも一つのα-L-オキシLNAユニットからなるか、またはα-L-配置にある全てのLNAユニットがα-L-オキシLNAユニットである。ある実施態様において、A-B-C中に存在するヌクレオチドの数は(ヌクレオチドアナログユニット-領域B-ヌクレオチドアナログユニット):1-8-1、1-8-2、2-8-1、2-8-2、3-8-3、2-8-3、3-8-2、4-8-1、4-8-2、1-8-4、2-8-4、または;1-9-1、1-9-2、2-9-1、2-9-2、2-9-3、3-9-2、1-9-3、3-9-1、4-9-1、1-9-4、または;1-10-1、1-10-2、2-10-1、2-10-2、1-10-3、3-10-1からなる群から選択される。ある実施態様において、A-B-C中のヌクレオチドの数は、2-7-1、1-7-2、2-7-2、3-7-3、2-7-3、3-7-2、3-7-4、および 4-7-3からなる群から選択される。ある実施態様において、AおよびCは両方とも、2つのLNAユニットからなり、Bは8または9つのヌクレオチドユニット、好ましくはDNAユニットからなる。
【0102】
ヌクレオチド間の連結
用語「連結基」または「ヌクレオチド間結合」は、2つのヌクレオチド、2つのヌクレオチドアナログ、およびヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログ等を一緒に共有結合させることができる基を意味すると意図される。特定かつ好ましい例には、リン酸基およびホスホロチオエート基が含まれる。
【0103】
本発明の該オリゴマーのヌクレオチドまたはその連続するヌクレオチド配列は、連結基を介して一緒に連結される。好適には、各ヌクレオチドを、3'隣接ヌクレオチドに連結基を介して連結する。
【0104】
好適なヌクレオチド間連結としては、PCT/DK2006/000512に挙げられたもの、例えばPCT/DK2006/000512 (本明細書に組み込まれる)のp34の第一パラグラフに列挙されたヌクレオチド間連結が挙げられる。
【0105】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチド間連結を、その通常のホスホジエステルから、ヌクレアーゼの攻撃に対する耐性がより高いもの、例えばホスホロチオエートまたはボラノリン酸に改変することが好ましい−これらの2つは、RNase Hにより切断可能であり、アンチセンス阻害の経路が標的遺伝子の発現を低下させる。
【0106】
本明細書中で提供される好適な硫黄(S)を含むヌクレオチド間好ましい。ホスホロチオエートヌクレオチド間連結もまた、特にギャップマーのギャップ領域(B)にとって好ましい。また、ホスホロチオエート連結を、フランキング領域(AおよびC、ならびにAまたはCからDに連結するための、および必要に応じて領域D内の)のために使用することもできる。
【0107】
しかしながら、領域A、BおよびCは、特にヌクレオチドアナログの使用によりエンドヌクレアーゼ分解から領域AおよびC内のヌクレオチド間連結が保護される場合−例えば領域AおよびCがLNAヌクレオチドを含む場合には、ホスホジエステル連結などのホスホロチオエート以外のヌクレオチド間連結を含んでもよい。
【0108】
該オリゴマー中のヌクレオチド間連結は、標的化RNAのRNase H切断を可能にするようなホスホジエステル、ホスホロチオエートまたはボラノホスフェートであってよい。改善されたヌクレアーゼ耐性および製造容易性などの他の理由から、ホスホロチオエートが好ましい。
【0109】
本発明の該オリゴマーの態様において、該ヌクレオチドおよび/またはヌクレオチドアナログは、ホスホロチオエート基により互いに結合される。
【0110】
特に、ヌクレオチドアナログユニット(典型的には、Aおよび/もしくはC領域中)間の、またはそれに隣接する、さもなければホスホロチオエートオリゴマーへの、1もしくは2つの結合などの、ホスホジエステル結合の含有は、オリゴマーの生体利用能および/または生体分布を改変することができることが認識される(参照により本明細書に組み入れられるものとする、WO 2008/053314を参照されたい)。
【0111】
ある実施態様において、例えば、好適かつ特異的ではない、上記した実施形態は、全ての残っている連結基は、ホスホジエステルまたはホスホロチオエートであるか、またはその混合物である。
【0112】
ある実施態様において、全てのヌクレオチド間の連結基はホスホロチオエートである。
【0113】
本明細書で提供されるものなどの特定のギャップマーオリゴヌクレオチド配列を示す場合、様々な実施形態において、該連結がホスホロチオエート連結である場合に、本明細書で提供されるものなどの代替的な連結を使用することができる、例えば、特にLNA単位などのヌクレオチドアナログ間の連結のために、リン酸結合(ホスホジエステル)を用いることができることが理解されよう。同様に、本明細書で提供されるものなどの特定のギャップマーオリゴヌクレオチド配列を示す場合、C残基を5'メチル改変シトシンとして注釈する場合、様々な実施形態において、オリゴマー中に存在する1以上のCsは、いくつかの実施形態において、修飾されていないC残基であってもよい。
【0114】
オリゴマー化合物
本発明のオリゴマーは、例えば、配列番号:26-50からなる群から選択され得る。特に好ましい実施態様において、該本発明のオリゴマーは、配列番号 28、29、44および45からなる群から選択される。
【0115】
コンジュゲート
本明細書において、用語「コンジュゲート」は、本明細書に記載したとおり該オリゴマーの、1以上の非ヌクレオチドまたは非ポリヌクレオチド部分への共有結合(「コンジュゲーション」)によって形成した異種性分子を示すと意図される。非ヌクレオチドまたは非ポリヌクレオチド部分の例には、巨大分子剤、例えばタンパク質、脂肪酸鎖、糖残基、糖タンパク質、ポリマーまたはその組合せを包含する。一般的には、タンパク質は、標的タンパク質に対する抗体であってよい。通常のポリマーは、ポリエチレングリコールであってよい。
【0116】
それ故に、様々な実施形態においては、本発明のオリゴマーは、一般的にはヌクレオチドの連続する配列からなるポリヌクレオチド領域と、別の非ヌクレオチド領域の両方を含んでもよい。連続するヌクレオチド配列からなる本発明のオリゴマーに言及する場合に、該化合物は非ヌクレオチド成分、例えばコンジュゲート成分を含んでもよい。
【0117】
本発明の様々な実施形態において、該オリゴマー化合物を、例えば、オリゴマー化合物の細胞取り込みを増加させるのに用いることができるリガンド/コンジュゲートと連結する。WO2007/031091は、好適なリガンドおよびコンジュゲートを提供するものであり、出典明示により本明細書に組み込まれる。
【0118】
本発明はまた、本明細書に記載した本発明の化合物と、該化合物に共有結合した少なくとも一つの非ヌクレオチドまたは非ポリヌクレオチド部分とを含むコンジュゲートも提供する。従って、本発明の化合物が本明細書に開示される特定の核酸またはヌクレオチド配列からなる様々な実施形態においては、該化合物はまた、該化合物に共有結合した少なくとも一つの非ヌクレオチドまたは非ポリヌクレオチド部分(例えば、1以上のヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログを含まない)を含んでもよい。
【0119】
コンジュゲーション(コンジュゲート部分への)は、本発明のオリゴマーの活性、細胞分布または細胞取込みを増強することができる。かかる部分としては、抗体、ポリペプチド、脂質部分、例えばコレステロール部分、コール酸、チオエーテル、例えばヘキシル-s-トリチルチオール、チオコレステロール、脂肪族鎖、例えばドデカンジオールまたはウンデシル残基、リン脂質、例えばジ-ヘキサデシル-rac-グリセリンまたはトリエチルアンモニウム1,2-ジ-o-ヘキサデシル-rac-グリセロ-3-h-ホスホネート、ポリアミンまたはポリエチレングリコール鎖、アダマンタン酢酸、パルミチル部分、オクタデシルアミンまたはヘキシルアミノ-カルボニル-オキシコレステロール部分を包含し得るが、これらに限定するものではない。
【0120】
また、本発明のオリゴマーを、活性薬剤物質、例えば、アスピリン、イブプロフェン、サルファ剤、抗糖尿病薬、抗菌剤または抗生物質に連結させることもできる。
【0121】
ある実施形態において、コンジュゲートされた部分は、コレステロールなどのステロールである。
【0122】
様々な実施形態において、コンジュゲートされた部分は、正に帯電したポリマー、例えば1-50の長さの、例えば、2-20、例えば、3-10の長さのアミノ酸残基の陽性に荷電したペプチドおよび/またはポリエチレングリコール(PEG)もしくはポリプロピレングリコールのポリアルキレンオキシドを含むか、またはそれらからなる−本明細書に組み込まれるWO 2008/034123を参照されたい。好適には、ポリアルキレンオキシドなどの正に帯電を帯びたポリマーを、リンカー、例えばWO 2008/034123に記載された放出可能なリンカーを介して本発明の該オリゴマーに連結させることができる。
【0123】
例として以下のコンジュゲート部分を、本発明のコンジュゲートに使用できる:
【化10】

【0124】
活性化オリゴマー
本明細書で使用される用語「活性化オリゴマー」とは、1以上のコンジュゲートされた部分へのオリゴマーの共有結合を許容する少なくとも一つの官能基部分、即ち、それ自体核酸やモノマーでもない部分に共有結合(即ち、官能化)されて、本明細書に記載のコンジュゲートを形成する、本発明のオリゴマーを指す。通常、官能基部分は、コンジュゲートされた部分に結合することができる親水性基および末端基(例えば、アミノ、スルフィドリルまたはヒドロキシル基)であるスペーサーであり、例えばアデニン塩基の3'-ヒドロキシル基または環外のNH2基を介して、オリゴマーに共有結合することができる化学基を含むであろう。ある実施態様において、この末端基は保護されない、例えばNH2基である。別の実施態様において、該末端基は、例えば任意の好適な保護基により、例えば、Theodora W Greene および Peter G M Wuts、3rd edition (John Wiley & Sons, 1999)により“Protective Groups in Organic Synthesis"に記載したものにより保護される。好適なヒドロキシル保護基の例には、エステル、例えば酢酸エステル、アラルキル基、例えばベンジル、ジフェニルメチル、またはトリフェニルメチル、およびテトラヒドロピラニルが挙げられる。好適なアミノ保護基の例には、ベンジル、α-メチルベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、ベンジルオキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、およびアシル基、例えばトリクロロアセチルまたはトリフルオロアセチルが挙げられる。ある実施態様において、この官能基部分は、自己切断的である。別の実施態様において、該官能基部分は、生分解性である。例えば、米国特許番号第7,087,229号を参照されたい、これは本明細書に組み込まれる。
【0125】
ある実施態様において、本発明のオリゴマーを5'末端で官能化して、オリゴマーの5'末端へのコンジュゲートされた部分の共有結合を可能にする。別の実施態様において、本発明のオリゴマーを、3'末端で官能化することができる。さらに別の実施形態において、本発明のオリゴマーを、主鎖に沿って、または複素環塩基部分上で官能化することができる。また別の実施形態において、本発明のオリゴマーを、5'末端、3'末端、主鎖および塩基から独立に選択される1以上の位置にて官能化することができる。
【0126】
ある実施態様において、本発明の活性化オリゴマーを、共有的に結合した1以上のモノマーを合成中に官能化部分に組み込むことにより合成する。別の実施態様において、本発明の活性化オリゴマーを、官能化されていないモノマーにより合成して、該オリゴマーを合成の完了時に官能化する。ある実施態様において、該オリゴマーを、アミノアルキルリンカーを含むヒンダードエステルを用いて官能化する、ここで該アルキル部分は、式(CH2)wを示し、式中、wは1〜10の整数、好ましくは約6であり、該アルキルアミノ基のアルキル部分は直鎖または分岐鎖であってもよく、該官能基はエステル基(-O-C(O)-(CH2)wNH)を介してオリゴマーと連結している。
【0127】
別の実施態様において、該オリゴマーを、(CH2)w-スルフィドリル(SH)リンカーを含有するヒンダードエステルにより官能化する、式中、wは、1〜10の整数、好ましくは約6であり、該アルキルアミノ基のアルキル部分は直鎖または分岐鎖であってもよく、この官能基はエステル基(-O-C(O)-(CH2)wSH)を介してオリゴマーに結合されている。
【0128】
ある実施態様において、スルフィドリル活性化オリゴヌクレオチドを、ポリマー部分、例えばポリエチレングリコールまたはペプチドと共に(ジスルフィド結合の形成を介して)コンジュゲートする。
【0129】
上記のヒンダードエステルを含有する活性化オリゴマーを、当業者には既知の任意の方法により、特にPCT公開公報第WO 2008/034122号およびその公報の実施例に開示されている方法により合成できる。この公報を出典明示によりその全てを本明細書の一部とする。
【0130】
また別の実施形態において、本発明のオリゴマーを、実質的に米国特許第4,962,029号および第4,914,210号に記載された官能化試薬、即ち親水性スペーサー鎖を介して、保護された、もしくは保護されていないスルフィドリル、アミノもしくはヒドロキシル基を含む反対側の末端に結合された、一方の末端にホスホラミダイトを有する実質的に線状の試薬を用いて、スルフィドリル、アミノまたはヒドロキシル基をオリゴマー中に導入することにより官能化する。かかる試薬は主に、該オリゴマーのヒドロキシル基と反応する。ある実施態様において、かかる活性化オリゴマーは、該オリゴマーの5'-ヒドロキシル基に連結した官能化試薬を有する。別の実施態様においては、活性化オリゴマーは、3'-ヒドロキシル基に連結した官能化試薬を有する。また別の実施態様において、本発明の活性化オリゴマーは、オリゴマーの主鎖上のヒドロキシル基に連結した官能化試薬を有する。さらに別の実施形態において、本発明のオリゴマーを、米国特許第4,962,029号および第4,914,210号に記載のとおり1以上の官能化試薬を用いて官能化する。これらは、出典明示によりその全てを本明細書に組み込まれる。かかる官能化試薬の合成方法、およびそれらをモノマーまたはオリゴマーに組み込む方法は米国特許第4,962,029号および第4,914,210号に記載されている。
【0131】
ある実施態様において、固相結合オリゴマーの5'末端を、ジエニルホスホラミダイト誘導体により官能化した後に、例えば、ディールス・アルダー(Diels-Alder)付加環化反応により、アミノ酸またはペプチドを用いて脱保護されたオリゴマーをコンジュゲートさせる。
【0132】
様々な実施形態において、2'-カルバミン酸置換糖または2'-(O-ペンチル-N-フタルイミド)-デオキシリボース糖などの2'-糖改変を含むモノマーをオリゴマー中に組み込むことにより、該オリゴマーの糖へのコンジュゲートされた部分の共有結合が容易となる。別の実施態様において、1以上のモノマーの2'位置でアミノ含有リンカーを含むオリゴマーを、例えば5'-ジメトキシトリチル-2'-O-(e-フタルイミジルアミノペンチル)-2'-デオキシアデノシン-3'-- N,N-ジイソプロピル-シアノエトキシホスホラミダイトなどの試薬を用いて製造する(例えば、Manoharan,et al., Tetrahedron Letters, 1991, 34, 7171を参照されたい)。
【0133】
さらなる別の実施形態において、本発明のオリゴマーは、N6プリンアミノ基上で、グアニンの環外N2上で、またはシトシンのN4または5位置上などの核酸塩基上にアミン含有官能基部分を有してもよい。様々な実施形態において、かかる官能化を、オリゴマー合成中に既に官能化された市販試薬を用いることにより達成することができる。
【0134】
いくつかの官能基部分は市販されており、例えば、ヘテロ二官能基およびホモ二官能基連結部分はPierce Co. (Rockford, III.)から購入できる。他の市販購入し得る連結基は、5'-アミノ-改変剤C6および3'-アミノ-改変試薬であり、両方ともGlen Research Corporation (Sterling, Va.)から購入できる。5'-アミノ-改変剤C6もまた、アミノリンク(Aminolink)-2 として ABI (Applied Biosystems Inc., Foster City, Calif.)から購入でき、3'-アミノ-改変剤はClontech Laboratories Inc. (Palo Alto, Calif.)からも購入できる。
【0135】
組成物
本発明のオリゴマーを、医薬製剤および組成物に使用できる。好適には、かかる組成物は、医薬上許容し得る希釈剤、担体、塩またはアジュバンドを含む。PCT/DK2006/000512は、好適および好ましい医薬上許容し得る希釈剤、担体およびアジュバンドを提供している(これらを本明細書に組み込む)。好適な用量、製剤、投与経路、組成物、投薬形態、他の治療剤との組合せ、プロドラッグ製剤はPCT/DK2006/000512で提供される-これらもまた本明細書に組み込む。
【0136】
用途
本発明のオリゴマーを、研究試薬として、例えば、診断、治療および予防のための研究試薬として利用できる。
【0137】
研究においては、かかるオリゴマーを用いて、細胞内および実験動物中のAPO-B100 タンパク質の合成を特異的に阻害する(一般的には、mRNAを分解または阻害することによりタンパク質形成を防止する)ことにより、標的の機能分析または治療的介入のための標的としてその有用性の評価を容易にできる。
【0138】
診断において、該オリゴマーを使用して、ノーザンブロッティング、イン・サイチュ・ハイブリダイゼーションまたは類似技術により、細胞および組織中でのAPO-B100 発現を検出および定量することができる。
【0139】
治療のためには、APO-B100の発現を調節することにより治療できる疾患または障害を有すると疑われる動物またはヒトを、本発明のオリゴマー化合物を投与することにより処置できる。さらに、治療上または予防上有効な量の本発明の1以上の該オリゴマーまたは組成物を投与することにより、APO-B100の発現と関連のある、疾患または症状を有するか、またはその傾向を有すると疑われる、ヒトを含む哺乳動物を処置する方法も提供する。本発明のオリゴマー、コンジュゲートまたは医薬組成物は、通常有効量で投与される。
【0140】
また、本発明は、本明細書に示した障害の処置のための医薬品製造のための、または本明細書に示した障害の処置方法のための、本発明の化合物またはコンジュゲートの使用も提供する。
【0141】
また、本発明は本明細書に示した障害を治療する方法を提供するもので、該方法は、本明細書に記載した本発明の化合物および/または本発明のコンジュゲート、および/または本発明の医薬組成物をそれが必要な患者に投与することを含む。
【0142】
医薬適応
本発明のオリゴマーおよび他の組成物を、APO-B100の過剰発現またはAPO-B100の突然変異型の発現と関連のある症状の処置に使用できる。
【0143】
本発明は、本明細書に記載した疾患、障害または症状の処置のための医薬品の製造における本発明の化合物の使用をさらに提供する。
【0144】
概説すると、本発明の態様は、異常なレベルのAPO-B100と関連のある症状に罹患しているかまたは罹患の疑いのある哺乳動物を処置する方法に関し、1以上のLNAユニットを含むAPO-B100を標的とする治療上有効量のオリゴマーを哺乳動物に投与することを含む。本発明のオリゴマー、コンジュゲートまたは医薬組成物は、有効量を通常投与される。
【0145】
本明細書に示した疾患または障害は、ある実施態様において、APO-B100遺伝子中の変異と関連し得るか、またはその遺伝子のタンパク質産物はAPO-B100と関連があるかまたは相互作用する。それ故に、ある実施形態において、該標的mRNAは、該APO-B100配列の変異形態である。
【0146】
本発明の興味深い局面は、疾患、障害または症状を処置するための、本明細書に規定した医薬品の製造における本明細書に規定したオリゴマー(化合物)またはコンジュゲートの使用に関する。
【0147】
本発明の方法は、APO-B100の異常レベルにより引き起こされる疾患に対して処置または予防に用いられるのが好ましい。
【0148】
別途記載する、ある実施態様において、本発明は、さらにAPO-B100の異常レベルを処置するための方法に関し、該方法は、本発明のオリゴマー、または本発明のコンジュゲートまたは本発明の医薬組成物をそれが必要な患者に投与することを含む。
【0149】
本発明はまた、医薬品としての用途のための、本明細書に規定したオリゴマー、組成物またはコンジュゲートに関する。
【0150】
本発明は、APO-B100の異常レベルまたはAPO-B100の突然変異形態の発現(例えば、アレル変異体、例えば、本明細書に示した疾患の1つと関連のあるもの)の処置のための医薬品製造のための、本明細書に規定した化合物、組成物、またはコンジュゲートの使用に関する。
【0151】
さらに、本発明は、疾患または症状、例えば、本明細書に示した疾患または症状に罹患している患者を処置する方法に関する。
【0152】
処置が必要な患者とは、該疾患または障害に罹患しているかまたは罹患する可能性のある患者である。
【0153】
ある実施態様において、本明細書で使用される用語「処置」とは、存在している疾患(例えば、本明細書に記載の疾患または障害)の治療または疾患の防止(即ち、予防)の両方の処置をいう。それ故に、本明細書に示した処置は、いくつかの実施形態においては予防的であり得ると認識されるであろう。
【0154】
実施形態
本発明の以下の実施形態を、本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせて使用してもよい。
【0155】
1. 合計10-30のヌクレオチドの連続するヌクレオチド配列を含む10−30のヌクレオチド長のオリゴマー:ここで該連続するヌクレオチド配列が、哺乳類APO-B100遺伝子またはmRNA、例えばヒトAPO-B100 mRNAまたはその天然変異体の逆の相補体に対応する領域と少なくとも80%相同であり、該連続するヌクレオチド配列が、配列番号1-25のいずれかに対応する領域と少なくとも80%相同である。
【0156】
2. 連続するヌクレオチド配列が、ヒトAPO-B100 mRNAの対応する領域の逆の相補体とのミスマッチを含まないか、あるいは1または2のミスマッチを含む、実施態様1のオリゴマー。
【0157】
3. オリゴマーのヌクレオチド配列は連続するヌクレオチド配列からなる、実施形態1-2のいずれかに記載のオリゴマー。
【0158】
4. 連続するヌクレオチド配列は10-18のヌクレオチド長である、実施形態1-3のいずれかに記載のオリゴマー。
【0159】
5. 連続するヌクレオチド配列はヌクレオチドアナログを含む、実施形態1-4のいずれかに記載のオリゴマー。
【0160】
6. ヌクレオチドアナログが、糖改変型ヌクレオチドであり、例えばロックされた核酸(LNA)ユニット、2'-O-アルキル-RNAユニット、2'-OMe-RNAユニット、2'-アミノ-DNAユニット、および2'-フルオロ-DNAユニットからなる群から選択される糖改変型ヌクレオチドである、実施態様5のオリゴマー。
【0161】
7. ヌクレオチドアナログがLNAである、実施態様5のオリゴマー。
【0162】
8.ギャップマーである、実施態様5-7いずれか記載のオリゴマー。
【0163】
9. 配列番号:26-50記載のいずれか1つからなるか、またはそれを含む、実施態様1-9いずれか記載のオリゴマー。
10. 配列番号:28、29、44または45のいずれか1つからなるか、またはそれを含む、実施態様1-9いずれか記載のオリゴマー。
【0164】
11. APO-B100遺伝子またはmRNAを発現している細胞内でAPO-B100遺伝子またはmRNAの発現を阻害する、実施態様1-10いずれか記載のオリゴマー。
【0165】
12. 実施形態1-11のいずれか1つに記載のオリゴマーおよび該オリゴマーと共有結合した少なくとも一つの非ヌクレオチドまたは非ポリヌクレオチド部分を含む、コンジュゲート。
【0166】
13.実施形態1-11のいずれか1つのオリゴマー、または請求項12に記載のコンジュゲート、および医薬上許容し得る希釈剤、担体、塩またはアジュバンドを含む、医薬組成物。
【0167】
14. 医薬品として使用するための、例えば、アポリポタンパク質B活性と関連のある疾患、例えば、非限定的な例としてはHDL/LDL コレステロールアンバランスの様々な型;脂質異常症、例えば、家族性複合型高脂血症(FCHL)、後天的脂質異常症、高コレステロール血症、スタチン耐性高コレステロール血症;冠動脈疾患(CAD)、冠状動脈性疾患(CHD)、アテローム性動脈硬化症の処置に使用するための、実施形態1-11のいずれか1つのオリゴマーまたは実施態様12に記載のコンジュゲート。
【0168】
15.アポリポタンパク質B活性と関連のある疾患、例えば、非限定的な例として、HDL/LDL コレステロールアンバランスの様々な型;脂質異常症、例えば、家族性複合型高脂血症(FCHL)、後天的脂質異常症、高コレステロール血症、スタチン耐性高コレステロール血症;冠動脈疾患(CAD)、冠状動脈性疾患(CHD)、アテローム性動脈硬化症の処置のための医薬品製造のための医薬品の製造における、実施形態1-11のいずれか1つのオリゴマーまたは請求項12に規定したコンジュゲートの使用。
【0169】
16. アポリポタンパク質B活性と関連のある疾患、例えば、非限定的な例として、HDL/LDL コレステロールアンバランスの様々な型;脂質異常症、例えば、家族性複合型脂質異常症 (FCHL)、後天的脂質異常症、高コレステロール血症、スタチン耐性高コレステロール血症;冠動脈疾患(CAD)、冠状動脈性疾患(CHD)、アテローム性動脈硬化症を処置する方法であって、該方法が、有効量の実施形態1-11のいずれか1つのオリゴマーまたは実施態様12のコンジュゲート、または請求項13の医薬組成物を、アポリポタンパク質B活性と関連のある疾患、例えば、非限定的な例として、HDL/LDL コレステロールアンバランスの様々な型;脂質異常症、例えば、家族性複合型高脂血症(FCHL)、後天的脂質異常症、高コレステロール血症、スタチン耐性高コレステロール血症;冠動脈疾患(CAD)、冠状動脈性疾患(CHD)、アテローム性動脈硬化症に罹患しているかまたは罹患する可能性がある患者に投与することを含む。
【0170】
17. APO-B100を発現している細胞内のAPO-B100の阻害方法であって、該方法が、該細胞におけるAPO-B100を阻害できるように実施形態1-11のいずれかに記載のオリゴマーまたは実施態様12記載のコンジュゲートを該細胞に投与することを含む。
【0171】
18. 実施形態1-17のいずれかに記載の一実施態様において、配列番号26-50の化合物において1以上のオキシLNA ヌクレオチドアナログがオキシLNA以外のLNAで置換される。
【0172】
19. 一実施態様18において、LNAは、2'O-メトキシエチル二環式核酸、2'O-エチル二環式核酸、ENA、β-D-アミノ-LNAおよびβ-D-チオ-LNAから選択される。
【0173】
実施例
実施例1:モノマー合成
LNAモノマーの構成要素(building blocks)およびその誘導体を、標準方法、例えば公開された方法およびW02007/031081に引用された文献を用いて製造した。
【0174】
実施例2:オリゴヌクレオチド合成
オリゴヌクレオチドを、WO2007/031081における実施例2に記載の方法を用いて合成した。これらは本明細書に組み込まれる。
【0175】
表2.本発明のオリゴヌクレオチド化合物
【表2−1】

【表2−2】

【表2−3】

【0176】
配列番号26-51において、大文字は、ヌクレオチドアナログユニット(LNA)を示す、上付文字「o」は、オキシ-LNAを示し、「m」はメチル C-LNA を示し、下付文字「s」は、ホスホロチオエート結合を表す。「s」の非存在は、ホスホジエステル結合を示す。
【0177】
実施例3:アッセイ
apoB-100発現のアンチセンス改変を、当業者には既知の様々な方法にてアッセイできる。例えば、apoB-100mRNAレベルを、例えば、ノーザン・ブロット分析、競合的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、またはリアルタイムPCRにより定量できる。リアルタイム定量的PCRが、現在のところ好ましい。RNA分析を、全細胞のRNAまたはmRNAに対して行うことができる。RNA単離およびRNA分析の方法、例えばノーザン・ブロット分析は、当分野では常法であり、例えばCurrent Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons において教示されている。
【0178】
リアルタイム定量(PCR)を、BioRADから購入できる市販のiQ Multi-Color Real Time PCR 検出系を用いて便利に達成できる。リアルタイム定量PCRは、当業者には既知の技術であり、例えば Heid et al. Real Time quantitagtive PCR, Genome Research (1996), 6: 986-994に教示されている。
【0179】
実施例4:インビトロモデル:細胞培養
標的核酸発現に対するアンチセンス化合物の効果を、該標的核酸が測定可能なレベルで存在することを条件として様々な細胞型のいずれかにて試験できる。標的は、内生的に発現させることができるか、または該核酸をコードしている核酸の一過的または安定なトランスフェクションにより発現させることができる。
【0180】
標的核酸の発現レベルを、例えばノーザン・ブロット分析、定量的PCR、リボヌクレアーゼ保護アッセイを用いて日常的に決定できる。以下の細胞型を例示目的のために示すが、標的が選択された細胞型で発現される場合には、他の細胞型を日常的に使用してもよい。
【0181】
細胞を以下に記載した好適な培地中で培養し、95-98%の湿度および5%のCO2中37℃で維持した。細胞を週に2-3回日常的に継代した。
【0182】
BNCL-2:マウス肝臓細胞系BNCL-2を、ATCCから購入し、10%FBS+Glutamax I+非必須アミノ酸+ゲンタマイシンと共にDMEM (Sigma)中で培養した。
【0183】
Hepa1-6:マウス肝臓細胞系Hepa1-6を、ATCCから購入し、10%FBS+Glutamax I+非必須アミノ酸+ゲンタマイシンと共にDMEM (Sigma)中で培養した。
【0184】
HepG2:ヒト肝臓細胞系HepG2を、ATCCから購入し、10%FBS+Glutamax I+非必須アミノ酸+ゲンタマイシンと共にEagle MEM (Sigma) 中で培養した。
【0185】
HuH-7:ヒト肝臓細胞系HepG2を、ATCCから購入し、10%FBS+Glutamax I+非必須アミノ酸+ゲンタマイシンと共にEagle MEM (Sigma)中で培養した。
【0186】
実施例5:インビトロモデル:アンチセンスオリゴヌクレオチドによる処置
細胞培養およびトランスフェクション:Huh-7 および Hepa 1-6 細胞を、10% FBS、Glutamax I および ゲンタマイシンを添加した培養培地中で37℃(5% CO2)にて6ウェルプレート上に播種した。該細胞が60-70%のコンフルエンスとなった場合に、それらを、Lipofectamine 2000 (Huh-7 および Hepa 1-6の各々について5 μg/mL および 10 μg/ml)を用いて、オリゴヌクレオチド(0.04-25 nM)の異なる濃度を用いて二連にてトランスフェクトした。トランスフェクションを、基本的にはDean et al.(1994, JBC 269:16416-16424)により記載したとおりに行った。要するに、細胞を、OptiMEM中のリポフェクタミンに続いて、全容量のトランスフェクションミックス/ウェル(1.5 mL)にオリゴヌクレオチドを添加して7分間プレインキュベートした。4時間後に、このトランスフェクションミックスを回収した;細胞を洗浄し、適切な増殖培地中でおおよそ20時間(mRNA分析およびタンパク質分析) 37℃にて増殖させた。次いで、細胞をタンパク質およびRNA分析のために収集した。
【0187】
実施例6:インビトロモデル:RNAおよびcDNA合成の抽出
全RNAの単離
全RNAを、RNeasy mini kit (Qiagen)を用いて単離した。細胞を、PBSで洗浄し、1% メルカプタエタノールを添加した細胞溶融緩衝液(RTL, Qiagen)をウェルに直接添加した。数分後、サンプルを製造者の指示書に従って処理した。
【0188】
第一鎖の合成
第一鎖の合成を、OmniScript 逆転写酵素キットまたはM-MLV 逆転写酵素のいずれかを用いて(基本的には製造社(Ambion)による記述どおり)、製造者(Qiagen)の指示書に従って行った。OmniScript 逆転写酵素を用いた場合に、0.5 μgの全RNAの各サンプルを、12μlに調整し、ポリ (dT)12-18 (0.5 μg/μl) (Life Technologies) (0.2 μl)、2 μl dNTP mix (各々5 mM)、10x RT 緩衝液(2 μl)、RNAguardTM RNase 阻害剤(33ユニット/mL, Amersham)(0.5 μl)およびOmniScript 逆転写酵素(1 μl)と共に混合した後、続いて60分間37℃でインキュベーションを行い、5分間93℃で加熱する不活性化を行った。
【0189】
第一鎖の合成を、ランダムデカマーおよびM-MLV-逆転写酵素[基本的に製造社(Ambion)による記述どおり]を用いて行った場合に、0.25 μgの各サンプルの全RNAを、H2Oで10.8 μlに調整した。デカマー(2 μl)およびdNTP mix (各々2.5 mM)(2 μl)を添加した。サンプルを、3分間70℃で加熱して、氷水中で直ちに冷却し、2 μl 10x RT 緩衝液;1 μl M-MLV 逆転写酵素;0.25 μl RNAase 阻害剤を含有する混合物(3.25 μl)を加えた。cDNAを、60分間42℃で合成した後、次いで加熱する不活性化ステップを10分間95℃で行い、最終的に4℃に冷却した。
【0190】
実施例7:異なるLNAオリゴヌクレオチドのスクリーニング結果
apoB mRNA 発現を、化合物の配列番号26-50による処置後に、Huh-7 細胞内のリアルタイム定量PCRにより決定した。データを、GAPDHに対して規準化し、モックコントロールに対して規準化した(図1AおよびB)。
【0191】
実施例8: 血清中のコレステロールレベル
血漿中の総コレステロールレベルをABX Pentraからの比色分析アッセイコレステロールCPを用いて測定した。該コレステロールを、酵素分解および酸化後に測定した。水(21.5 μL)を、血清(3 μL)に添加した。試薬(250 μL)を15分以内に添加し、該コレステロール含量を540 nMの波長で測定した。各動物に対する測定値を、二連で行った。感受性および 直線性をコントロール化合物(ABX Pentra N control)の連続希釈を用いて試験した。該コレステロールレベルを、バックグラウンドを控除して決定し、生理食塩水処理マウスの血清中のコレステロールレベルに対し相対的に表す。
【0192】
インビボ試験
LNAオリゴヌクレオチドは、標準食(standard chow diet)にてC57BL/6Jメスマウスに投与した下記の本試験に含めた。
【0193】
実施例9:インビボの異なるLNA オリゴヌクレオチドのスクリーニング結果
この試験では、マウスに、2つの異なる用量レベル(配列番号28、29、44 および 45の10 mg/kg)にて、週に一回、4週間(合計5回の投与)、LNAオリゴヌクレオチドを皮下投与した。血清を、週に1回および屠殺時(最終投与後48時間)にサンプル採取して、総コレステロールに対する化合物の効果を試験した。
【0194】
4つのLNAオリゴヌクレオチドのいずれかの投与により、投与後第一週以内で総コレステロールの有意な低下をもたらした。2週間後に総コレステロールにおける定常状態を、投与後1週測定した時点で得た(総コレステロールの40-65%の低下)。しかし、投与後48時間の総コレステロールを測定することにより、屠殺30日に総コレステロール中の60-80%の低下を観察したような、総コレステロールにおけるさらなる低下が示され、投与後2-3日で総コレステロールに対する最大効果が示された(図2)。
【0195】
実施例10:インビボの異なるLNAオリゴヌクレオチドの反復投与の結果
この試験では、マウスに、週に1回、4週間(合計5回投与)、LNAオリゴヌクレオチドを皮下投与した。配列番号45を、4つの異なる用量レベル(0.02、0.4、2 および 10 mg/kg/週)で投与し、一方で配列番号29および51を10 mg/kg/週にて投薬した。血清を週に一回および屠殺時(最終投与48時間後)にサンプル採取し、総コレステロールに対するこの化合物の効果を試験した。
【0196】
10 mg/kg/週での3つのLNAオリゴヌクレオチドの任意の投与により、投与後の第一週以内に総コレステロールが有意に低下した。2および4週後に、各々投与後一週間測定した場合、58および70%の総コレステロールにおける低下を、3つの全ての化合物により得た(図3A)。次いで、血清中のALTレベルの分析により、10 mg/kg/週の用量レベルでの増加が示されたが、配列番号29および45については、正常範囲内であり、一方で配列番号51は血清ALTレベルにおいて5倍の増加をもたらした(図3B)。
【0197】
実施例11:配列番号29の単回投薬の作用持続時間
マウスを、0日目に配列番号29の異なる用量レベル(1、2.5、5 および 10 mg/kg)にて静脈内の投与を1回行い、血清コレステロールを、0、1、3、8、16、24および32日目に測定した。オリゴヌクレオチドの投与後1日目に既に、5および10 mg/kgにて総コレステロールに対して顕著な効果を得た。コレステロールに対する最大効果を3日目に測定した;1、2.5、5および10 mg/kg各々についての総血清コレステロールにおいて16%、36%、42%および70%の低下であった。24日後の総コレステロールレベルは、5および10 mg/kg用量レベルの群において、依然として13%および19%まで有意に低下した(図4A)。
【0198】
apoBに対する迅速な低下効果を、リポタンパク質プロファイルに対して示した。HDL/非HDL比は、オリゴヌクレオチドの投与後に非常に迅速に増加した。この比は、用量依存的に、投薬後既に24時間で、低い用量レベル(1および2.5 mg/kg)では140-170%および高い用量レベル(5 および 10 mg/kg)では325%増加した(図4B)。
【0199】
実施例12:配列番号29に関する週に1回または二週に1回の反復投与
マウスに、70日間、一週間に1回または一週間に2回、用量レベル1、2.5または5 mg/kgにて配列番号29を皮下投与した。処置期間の後、マウスを屠殺前の7または21日目に回復させた。血清を、最初の5週間の間は一週間に1回サンプル採取し、その後35日目から63日目は二週間に1回サンプルを採取して、再び63日目から91日目は一週間に1回サンプルを採取した。週に1回投薬した群では、14日目に(2回の投薬後)、総血清コレステロールは、2.5および5 mg/kgの用量レベルについて、おおよそ30-40%低下の持続レベルに到達し、一方で1 mg/kg 用量レベルは、処置期間中で総コレステロールにおいてわずか10%の低下の平均持続効果を示した(図5A)。投薬頻度を二週間に1回まで低下すると、総コレステロールにおける徐放性低下が、35日以降に2.5 および 5 mg/kg 用量レベルについて30% および 20% 得られた。1mg/kgの用量レベルは、総コレステロールにおけるいずれの低下も示さなかった(図5B)。
【0200】
回復期間中に、この効果は低下し、二週に1回投薬した群においては、コレステロールが、全用量レベルについて91日目にベースラインまで戻った。一週間に1回投薬した群において、2.5および5 mg/kg群は、回復期間の終了時点で血清総コレステロールでは13-17%の低下を示した。
【0201】
処置終了後1週間および3週間のマウスを屠殺し、肝臓を、qPCR 分析のためにサンプル採取し、肝臓のapoB mRNAの発現を決定した。週に1回および二週に1回の双方の投薬により、apoB mRNA発現の用量依存的な下方調節となった(図6)。5 mg/kgの週1回の投薬により、最大の効果、即ちapoB mRNAにおいて75%の低下を得たが、一方で二週に1回の投薬により63%の低下を得た。回復3週間後に、2.5および5mg/kg/週の群および5 mg/kg/二週に1回のみが、コントロールと比較して、肝臓のapoBレベルにおいて測定可能な低下を示した;各々25%、40%および33%。
【0202】
血清ALTレベルを77および91日に測定した。生理食塩水のコントロールと比較して、77日目または91日目いずれも有意な差違をALTにて観察しなかった (図7)。
【図1A】

【図1B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
合計10-30のヌクレオチドの連続するヌクレオチド配列を含む10−30のヌクレオチド長の一本鎖オリゴマーであって、該連続するヌクレオチド配列が、哺乳類APO-B100遺伝子またはmRNA、例えばヒトAPO-B100 mRNAまたはその天然変異体の逆の相補体に対応する領域と少なくとも80% 相同であり、該連続するヌクレオチド配列が、配列番号4、3、19または20あるいは配列番号1-25のいずれかに対応する領域と少なくとも80%相同である、一本鎖オリゴマー。
【請求項2】
該連続するヌクレオチド配列が、ヒトAPO-B100 mRNAの対応する領域の逆の相補体とのミスマッチを含まない、または1または2のミスマッチを含む、請求項1記載のオリゴマー。
【請求項3】
該オリゴマーのヌクレオチド配列が該連続するヌクレオチド配列からなる、請求項1-2のいずれか一項に記載のオリゴマー。
【請求項4】
該連続するヌクレオチド配列が10-18のヌクレオチド長である、請求項1-3のいずれか一項に記載のオリゴマー。
【請求項5】
該連続するヌクレオチド配列がヌクレオチドアナログを含む、請求項1-4のいずれか一項に記載のオリゴマー。
【請求項6】
該ヌクレオチドアナログが、糖改変型ヌクレオチドであり、例えばロックされた核酸(LNA)ユニット、2'-O-アルキル-RNAユニット、2'-OMe-RNAユニット、2'-アミノ-DNAユニット、および2'-フルオロ-DNAユニットからなる群から選択される糖改変型ヌクレオチドである、請求項5に記載のオリゴマー。
【請求項7】
該ヌクレオチドアナログがLNAである、請求項5に記載のオリゴマー。
【請求項8】
ギャップマーである、請求項5-7のいずれか一項に記載のオリゴマー。
【請求項9】
配列番号:26-50のいずれか1つからなるか、またはそれを含む、請求項1-8のいずれか一項に記載のオリゴマー。
【請求項10】
配列番号:28、29、44または45のいずれか1つからなるか、またはそれを含む、請求項1-9のいずれか一項に記載のオリゴマー。
【請求項11】
APO-B100遺伝子またはmRNAを発現している細胞内でAPO-B100の遺伝子またはmRNAの発現を阻害する、請求項1-10のいずれか一項に記載のオリゴマー。
【請求項12】
請求項1-11のいずれか一項に記載のオリゴマーおよび該オリゴマーに共有結合した少なくとも一つの非ヌクレオチドまたは非ポリヌクレオチド部分を含む、コンジュゲート。

【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−529279(P2012−529279A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514491(P2012−514491)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【国際出願番号】PCT/EP2010/058278
【国際公開番号】WO2010/142805
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(504013269)サンタリス ファーマ アー/エス (29)
【氏名又は名称原語表記】SANTARIS PHARMA A/S
【Fターム(参考)】