説明

新規粉末化結晶質吸入薬

本発明は、吸入粉末を調製するための製造方法、および前記方法を用いて製造される安定な結晶質吸入粉末に関する。また、本発明は、呼吸管疾患を治療するため、特にCOPD(慢性閉塞性肺疾患)および喘息を治療するための薬剤を調製するための前記吸入粉末の使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一つ以上の活性物質が佐剤の結晶質マトリックスに埋め込まれている、吸入により投与するための安定な薬剤組成物に関する。本発明は、具体的には、一つ以上の活性物質が結晶質マンニトールマトリックス埋め込まれている、噴霧乾燥された、結晶質の、そして貯蔵安定性である粉末に関する。さらに、本発明は、呼吸器疾患を治療するため、特にCOPD(慢性閉塞性肺疾患)および喘息を治療するためのそれらの製造方法、および前記薬剤を製造するためのそれらの使用に関する。
【0002】
本発明の背景
吸入用粉末の形態では、例えば適切なカプセル(インハレット(inhalettes)に充填された吸入可能粉末が、粉末吸入器を用いて肺に送達される。投与される粉末の量が予め計量される(例えばブリスター)他の系も公知であり、複数回用量粉末系も公知である。または、例えば、噴射剤ガスとしての、HFA134a、HFA227、またはそれらの混合物中に懸濁している、適切な粉末化吸入可能エアロゾル剤の吸入により、薬剤を投与することができる。
【0003】
粉末吸入中、純粋な活性物質の微粒子は、吸入プロセスにより、気道を通って肺の表面、例えば肺胞内に投与される。これらの粒子は表面に沈着し、能動的および受動的輸送プロセスによる溶解プロセス後にのみ身体に吸収される。
【0004】
活性物質が、担体として適切な溶媒系中の微粒化懸濁物として、または乾燥粉末の形態で、固形粒子の形態のいずれかで存在する吸入系は、文献において公知である。
通常、例えば、吸入用カプセルの形態の粉末吸入剤は、DE-A-179 22 07に記載されているように、一般的な教示に基づいて調製される。
この種の多物質系の重大な要因は、粉末混合物中に薬剤が均一に分布することである。
【0005】
粉末吸入剤に関する別の重要な局面は、活性物質の吸入投与中に、特定の空気力学的サイズの粒子のみが標的器官である肺に達することである。これらの肺結合粒子(吸入性フラクション)の平均粒径は、典型的に0.1〜10μm、好ましくは6μm未満の数ミクロンの範囲である。この種の粒子は、通常、微粉化(エアージェットミリング)によって生成される。しばしば、この機械的な工程は、結晶質特性の観点でこの種の粒子の組成を複雑にする。
【0006】
10μm未満の領域の粒子は、噴霧乾燥により調製できることが文献から知られている。吸入目的(粉末吸入)の純活性物質の噴霧乾燥も、先行技術に記載されている(例えば、EP 0 072 046 A1;国際公開公報第2000 000176 A1号; US 6019968; A. Chawla, K.M.G. Taylor, J.M. Newton, M.C.R. Johnson, Int. J. Pharm, 108 (3), (1994), 233-240)。
特に、肺治療の分野で、噴霧乾燥は、様々な病気の治療のためにペプチド/タンパク質含有粉末を調製する好適な方法である[US 5,626,874; US 5,972,388]。
【0007】
製剤系が、当業者に公知であり、そこには、吸入用途のための、活性物質および生理学的に許容しうる賦形剤の同時噴霧微粉化物(micronisates)[国際公開公報第9952506号]が開示されている。また、生理学的に許容しうる担体物質中にSLPIタンパク質の同時噴霧微粉化物を含有している粉末調製物[国際公開公報第9917800号];担体物質と同時噴霧乾燥されたインターフェロン[国際公開公報第9531479号]、ならびに活性物質およびセルロース誘導体からなる同時噴霧微粉化物[国際公開公報第9325198号]も公知である。
【0008】
ペプチドおよびタンパク質を安定化するための同時噴霧微粉化物用の佐剤としての、マンニトールの特定の用途が国際公開公報第05/020953号に記載されている。粒子が埋め込まれた形態で、非晶質マトリックス中に複合タンパク質が存在することを特徴とする製剤が開示されており、それは、優れた長期安定性および吸入性によって識別される。
【0009】
したがって、従来の吸入用噴霧乾燥製剤、およびそれらを生成する方法は、主に噴霧乾燥によって得られる非晶質またはガラス質状態を、長期安定性のために安定化し、そして維持するという概念に基づく。本発明の意味における長期安定性の特性は、ストレス貯蔵によってシミュレーションすることができる。「40℃、75%の相対湿度で、1週間開封状態で貯蔵」という条件下での貯蔵を、吸入用製剤が長期間安定であると分類されるかどうかについての評価おいて、到達すべき特徴として使用することができる。例えば国際公開公報第05/020953号に開示されるような乾燥後プロセスは、これらの噴霧乾燥製剤の非晶質状態を安定化させるために水含量を低下させる機能を有するが、それは無秩序な結晶化が伴う場合がある。
【0010】
本発明の目的は、少なくとも1つの薬学的活性物質が、佐剤の結晶質マトリックスに埋め込まれている、吸入用途のための結晶質粒子を提供することである。
【0011】
本発明のさらなる目的は、噴霧乾燥された吸入性埋め込み粒子に有用な結晶質状態の安定化活性を作製することである。
【0012】
本発明の基本的な目的は、優れた長期安定性および吸入性を特徴とする噴霧乾燥粉末を提供することである。2つの基準間のバランスをとることが重要である。
【0013】
本発明のさらなる目的は、本発明に係る吸入可能粉末剤を調製するための製造方法を提供することである。
【0014】
本発明のさらなる目的は、乾燥粉末、噴射剤ガス含有定量エアロゾル、または噴射剤ガス不含吸入性溶液の形態である、吸入用途のための医薬製剤を提供することである。
【0015】
発明の概要
驚くべきことに、先行技術から公知のプロセスは、一つ以上の医薬活性物質、および結晶質形態であるマトリックス形成剤を含有する吸入可能粉末の調製に適切ではないことが見出された。前記粉末は、高い安定性を特徴とする。
【0016】
本発明の範囲内では、安定な吸入可能粉末という用語は、その特性がかなり長期間にわたって変化しない吸入可能粉末を指す。吸入可能粉末は、粉末混合物中の個々の成分の化学的安定性と、前記成分の物理的又は物理化学的安定性の両方が存在するとき、特性が変化しない。これは、また粉末混合物の成分が、それらの多形性および形態的特性の点で変化しないことを想定する。吸入可能粉末にとって、物理的安定性は非常に重要である。
【0017】
好ましい態様では、粉末は、空気動力学的平均粒径(空気動力学的中央粒径=MMAD)が≦10μm、好ましくは0.5〜7.5μm、より好ましくは1〜5μmである、微粉化された吸入性粒子から主になる。マトリックス形成剤は、糖、多価アルコール、ポリマー、またはこれらの組み合わせであってもよい。多価アルコールが好ましく、マンニトールが顕著な役割を有する。
【0018】
本発明に係る粉末は、大きな吸入性フラクションを有することを特徴とする。微粒子用量は、Pharm. Eur. 2.9.18 (European Pharmacopoeia, 6th edition 2008, Apparatus D - Andersen Cascade Impactor)またはUSP30-NF25 <601>に基づいて決定することができる、吸入性活性物質粒子(<5μm)の量を表す。
【0019】
本発明の範囲内では、吸入性粒子は、「送達後の<5μmの体積比率」として決定される。これは、レーザー回折によって測定される、5μm未満の粒子を含む吸入可能粉末の比率([%]で示される)を意味する。エアロゾルミストは、吸入器(Handihaler)からサンプルを放出することによってサンプルを崩壊させることにより生成される。
【0020】
本発明に係る粉末は、本明細書に記載される本発明に係る粉末を含有する、主に吸入により投与するための医薬製品の製剤である。この状況では、本発明は、また、噴射剤含有定量エアロゾル、または噴射剤不含吸入性溶液として本発明に係る粉末を含有する医薬組成物を包含する。
【0021】
本発明は、さらに、結晶質噴霧乾燥粒子の製剤を製造するための、噴霧乾燥、およびさらなる統合された第2の乾燥ゾーンからなるプロセスを提供する。この第2の乾燥ゾーンを使用すると、第一に溶媒が除去され、次にマトリックス形成剤が噴霧塔内で結晶化される。噴霧乾燥機の回収容器中で沈殿する前でさえ、第2の乾燥工程は、結晶化された粒子を完全に乾燥させる。
【0022】
噴霧乾燥プロセスの温度は、乾燥気体1では、135℃未満(流入温度)、好ましくは105℃未満である。第2の乾燥工程では、周囲空気が吸引され、プロセス(乾燥気体2)に供給されるが、温度は、300℃〜400℃であり、乾燥気体1と乾燥気体2との比は、20:1〜3:1である。生じる出口温度は、およそ50℃〜70℃の範囲である。
【0023】
本発明は、貯蔵および加工中の流動性、分散性、および安定性などの特性の点で改善された特性を有する、噴霧乾燥された結晶質粉末を提供する。本発明は、流速が変化しても活性物質の送達が高く一定であることを特徴とする。したがって、結晶化度が不十分であることは、粉末の物理的および化学的安定性に悪影響を及ぼすので、特にマンニトールを含有する噴霧乾燥粉末を用いると、本発明は、既に開発されている製剤で生じた問題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】二次乾燥ゾーンを備える改変Buechi B-191噴霧乾燥器を示す。
【図2】本発明に係る製造方法の技術設定を示す。
【0025】
発明の詳細な説明
肺(または鼻孔)吸入用の吸入可能粉末の本発明に係る製造方法を使用して、活性物質(またはその生理学的に許容しうる塩)が、物理的に安定な形態の固体として佐剤の結晶質固体マトリックスに組み込まれる。
【0026】
佐剤を適切に選択することによって、本発明に係る方法を使用して、佐剤がマトリックス形成剤として作用し、それによって噴霧乾燥された粒子の物理的安定性を改善するように、活性物質を固体マトリックスに組み込むことができる。驚くべきことに、本発明に係る方法によって調製された結晶質マトリックス粒子が、前述の問題を解決することが見出された。
【0027】
マトリックス形成剤は、原則として、糖、多価アルコール、ポリマー、アミノ酸、ジ―、トリ−、オリゴ−、ポリペプチド、タンパク質または塩であってもよい。言及されうる特に適切な糖の例は、ラフィノースおよびガラクトースである。言及されうる特に好適な糖アルコールの例は、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ガラクチトール、アラビニトール、アドニトール、ラクチトール、ソルビトール(グルシトール)、ピラノシルソルビトール、イノシトール、ミオイノシトールおよびメソエリトリトールであり、そのうちマンニトール、キシリトール、マルチトールおよびソルビトールが好ましい。言及されうる特に好適なアミノ酸の例は、ロイシン、リシンおよびグリシン、好ましくはロイシンである。好ましくは、本発明によれば、糖、および40℃未満のTg値を有するそれに対応するアルコールは、マトリックス形成剤として有利であることが証明された。マンニトールは、この中で果たすべき顕著な役割を有している。粉末のTgは、DSC(DSC=示差走査熱量測定)によって実験的に決定することができる(Breen et al., 2001, Pharm. Res., 18(9), 1345-1353)。温度の関数として熱容量の増加が記録される。
【0028】
固体は、その最も小さな部分が規則的に配置されている場合、結晶質であると言われる。この反対が、非晶質である。結晶化度を決定する方法は、DSC、密度測定、X線回折、IR分光法またはNMRである。結晶質とは、本発明の目的のために、粉末化製剤が、少なくとも90%、好ましくは少なくとも92.5%、特に少なくとも95%の結晶化度を有することを意味する。また、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、および少なくとも99%の結晶化度が特に好ましい。本発明の意味における結晶化度は、「方法」と題された項で提供される情報に従って決定することができる。
【0029】
本発明に係る製造方法によって調製される吸入可能粉末は、医薬活性物質を含有する。独立した態様では、本発明に係る製造方法を用いて調製される吸入可能粉末は、2つまたは3つの医薬活性物質の組み合わせを含有する。「医薬活性物質」とは、活性物質が生物、器官または細胞と接触させられた場合、前記生物、器官、および/または細胞に対して薬理学的効果、一般的には有益な効果を有する物質、薬剤、組成物またはそれらの組み合わせを意味する。患者に投与されたとき、前記効果は、局所的であっても全身性であってもよい。
【0030】
以下に列挙される化学化合物(活性物質)は、本発明に係る吸入可能粉末の医薬関連成分として単独でまたは組み合わせて使用することができる。
【0031】
以下に言及される化合物では、Wは、薬理学的活性物質であり、(例えば)ベータ模倣剤(betamimetics)、抗コリン作用剤、コルチコステロイド、PDE4−阻害剤、LTD4−アンタゴニスト、EGFR−阻害剤、ドーパミンアゴニスト、H1−抗ヒスタミン剤、PAF−アンタゴニスト、およびPI3−キナーゼ阻害剤から選択される。さらに、Wのうち2つまたは3つを組み合わせて、本発明に係る装置で使用してもよい。
【0032】
例えば、以下のWの組み合わせが可能である:
− Wは、抗コリン作用剤、コルチコステロイド、PDE4−阻害剤、EGFR−阻害剤またはLTD4−アンタゴニストと組み合わせられた、ベータ模倣剤を示す、
− Wは、ベータ模倣剤、コルチコステロイド、PDE4−阻害剤、EGFR−阻害剤またはLTD4−アンタゴニストと組み合わせられた、抗コリン作用剤を示す、
− Wは、PDE4−阻害剤、EGFR−阻害剤またはLTD4−アンタゴニストと組み合わせられた、コルチコステロイドを示す、
− Wは、EGFR−阻害剤またはLTD4−アンタゴニストと組み合わせられた、PDE4−阻害剤を示す、
− Wは、LTD4−アンタゴニストと組み合わせられた、EGFR−阻害剤を示す。
【0033】
ベータ模倣剤として用いられる化合物は、好ましくは、以下から選択される化合物:アルブテロール、アルホルモテロール、バンブテロール、ビトルテロール、ブロキサテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、イソエタリン、イソプレナリン、レボサルブタモール、マブテロール、メルアドリン、メタプロテレノール、オルシプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、サルメファモール、サルメテロール、ソテレノール、スルホンテロール(sulphonterol)、テルブタリン、チアラミド、ツロブテロール(tolubuterol)、ジンテロール、CHF−1035、HOKU−81、KUL−1248、および
− 3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−ベンジル−スルホンアミド
− 5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン
− 4−ヒドロキシ−7−[2−{[2−{[3−(2−フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル}エチル]−アミノ}エチル]−2(3H)−ベンゾチアゾロン
− 1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1−ベンゾイミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール
− 1−[3−(4−メトキシベンジル−アミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−[4−(1−ベンゾイミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール
− 1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾオキサジン−8−イル]−2−[3−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール
− 1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾオキサジン−8−イル]−2−[3−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール
− 1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾオキサジン−8−イル]−2−[3−(4−n−ブチルオキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール
− 1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾオキサジン−8−イル]−2−{4−[3−(4−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾール−3−イル]−2−メチル−2−ブチルアミノ}エタノール
− 5−ヒドロキシ−8−(1−ヒドロキシ−2−イソプロピルアミノブチル)−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3−(4H)−オン
− 1−(4−アミノ−3−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル)−2−tert−ブチルアミノ)エタノール
− 6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−メトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
− 6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(エチル 4−フェノキシ−アセタート)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
− 6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−フェノキシ−酢酸)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
− 8−{2−[1,1−ジメチル−2−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
− 6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
− 6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−イソプロピル−フェニル)−1,1ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
− 8−{2−[2−(4−エチル−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
− 8−{2−[2−(4−エトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
− 4−(4−{2−[2−ヒドロキシ−2−(6−ヒドロキシ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−8−イル)−エチルアミノ]−2−メチル−プロピル}−フェノキシ)−酪酸
− 8−{2−[2−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
− 1−(4−エトキシ−カルボニルアミノ−3−シアノ−5−フルオロフェニル)−2−(tert−ブチルアミノ)エタノール
− 2−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−ベンズアルデヒド
− N−[2−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−フェニル]−ホルムアミド
− 8−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(6−メトキシ−ビフェニル−3−イルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−1H−キノリン−2−オン
− 8−ヒドロキシ−5−[1−ヒドロキシ−2−(6−フェネチルアミノ−ヘキシルアミノ)−エチル]−1H−キノリン−2−オン
− 5−[2−(2−{4−[4−(2−アミノ−2−メチル−プロポキシ)−フェニルアミノ]−フェニル}−エチルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン
− [3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−5−メチル−フェニル]−ウレア
− 4−(2−{6−[2−(2,6−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エトキシ]−ヘキシルアミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−ヒドロキシメチル−フェノール
− 3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−ベンジルスルホンアミド
− 3−(3−{7−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘプチルオキシ}−プロピル)−ベンジルスルホンアミド
− 4−(2−{6−[4−(3−シクロペンタンスルホニル−フェニル)−ブトキシ]−ヘキシルアミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−ヒドロキシメチル−フェノール
− N−アダマンタン−2−イル−2−(3−{2−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−プロピル}−フェニル)−アセトアミド
場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態、および場合によりそれらの薬理学的に許容しうる酸付加塩、溶媒和物または水和物の形態である。本発明によれば、ベータ模倣剤の酸付加塩は、好ましくは、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、およびp−トルエンスルホン酸塩から選択される。
【0034】
使用される抗コリン作用剤は、チオトロピウム塩、好ましくは臭化物、オキシトロピウム塩、好ましくは臭化物、フルトロピウム塩、好ましくは臭化物、イプラトロピウム塩、好ましくは臭化物、グリコピロニウム塩、好ましくは臭化物、トロスピウム塩、好ましくは塩化物、トルテロジンから選択される化合物である。前述の塩では、カチオンが、薬理学的有効成分である。アニオンとして、前述の塩は、好ましくは、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、硝酸、マレイン酸、酢酸、クエン酸、フマル酸、酒石酸、シュウ酸、コハク酸、安息香酸、またはp−トルエンスルホン酸を含有してもよいが、一方対イオンとしては、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸、メタンスルホン酸、またはp−トルエンスルホン酸が好ましい。すべての塩のうち、塩化物、臭化物、ヨウ化物およびメタンスルホン酸塩が特に好ましい。
【0035】
他の好ましい抗コリン作用剤は、式AC−1
【0036】
【化1】


[式中、Xは、単一の負電荷を有するアニオン、好ましくは、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、硝酸、マレイン酸、酢酸、クエン酸、フマル酸、酒石酸、シュウ酸、コハク酸、安息香酸およびp−トルエンスルホン酸から選択されるアニオン、好ましくは、単一の負電荷を有するアニオン、特に好ましくは、フッ化物、塩化物、臭化物、メタンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸から選択されるアニオン、特に好ましくは臭化物である]の塩、場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体または水和物から選択される。式AC−1−エン
【0037】
【化2】


[式中、Xは、前述の意味を有してもよい]の鏡像異性体を含有する薬学的組み合わせが、特に重要である。他の好ましい抗コリン作用剤は、式AC−2
【0038】
【化3】


[式中、Rはメチルまたはエチルのいずれかを示し、式中Xは、前述の意味を有してもよい]の塩から選択される。別の態様では、式AC−2の化合物は、また、遊離塩基AC−2−塩基
【0039】
【化4】


の形態で存在してもよい。
【0040】
他の特定の化合物は以下のとおりである:
− トロペノール 2,2−ジフェニルプロピオナートメトブロミド
− スコピン 2,2−ジフェニルプロピオナートメトブロミド
− スコピン 2−フルオロ−2,2−ジフェニルアセタートメトブロミド
− トロペノール 2−フルオロ−2,2−ジフェニルアセタートメトブロミド
− トロペノール 3,3’,4,4’−テトラフルオロベンジラートメトブロミド
− スコピン 3,3’,4,4’−テトラフルオロベンジラートメトブロミド
− トロペノール 4,4’−ジフルオロベンジラートメトブロミド
− スコピン 4,4’−ジフルオロベンジラートメトブロミド
− トロペノール 3,3’−ジフルオロベンジラートメトブロミド
− スコピン 3,3’−ジフルオロベンジラートメトブロミド
− トロペノール 9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシラートメトブロミド
− トロペノール 9−フルオロ−フルオレン−9−カルボキシラートメトブロミド
− スコピン 9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシラートメトブロミド
− スコピン 9−フルオロ−フルオレン−9−カルボキシラートメトブロミド
− トロペノール 9−メチル−フルオレン−9−カルボキシラートメトブロミド
− スコピン 9−メチル−フルオレン−9−カルボキシラートメトブロミド
− シクロプロピルトロピン ベンジラートメトブロミド;
− シクロプロピルトロピン 2,2−ジフェニルプロピオナートメトブロミド
− シクロプロピルトロピン 9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシラートメトブロミド
− シクロプロピルトロピン 9−メチル−フルオレン−9−カルボキシラートメトブロミド
− シクロプロピルトロピン 9−メチル−キサンテン−9−カルボキシラートメトブロミド
− シクロプロピルトロピン 9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシラートメトブロミド
− シクロプロピルトロピン メチル 4,4’−ジフルオロベンジラートメトブロミド
− トロペノール 9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシラートメトブロミド
− スコピン 9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシラートメトブロミド
− トロペノール 9−メチル−キサンテン−9−カルボキシラートメトブロミド
− スコピン 9−メチル−キサンテン−9−カルボキシラートメトブロミド
− トロペノール 9−エチル−キサンテン−9−カルボキシラートメトブロミド
− トロペノール 9−ジフルオロメチル−キサンテン−9−カルボキシラートメトブロミド
− スコピン 9−ヒドロキシメチル−キサンテン−9−カルボキシラートメトブロミド
【0041】
メトブロマイドの代わりに式中、メト−X塩を用いる(式中、Xは、Xについで前述した意味を有してもよい)上記化合物も、本発明の範囲内の塩として使用することができる。
【0042】
コルチコステロイドとして、ベクロメタゾン、ベータメタゾン、ブデソニド、ブチキソコルト、シクレソニド、デフラザコート、デキサメタゾン、エチプレドノール、フルニソリド、フルチカゾン、ロテプレドノール、モメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ロフレポニド 、トリアムシノロン、RPR−106541、NS−126、ST−26、および
− (S)−フルオロメチル(6,9−ジフルオロ−17−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオナート)
− (S)−(2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3S−イル)6,9−ジフルオロ−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−17−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオナート
− シアノメチル6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−(2,2,3,3−テトラメチルシクロプロピルカルボニル)オキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボキシラート
場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体、またはジアステレオマーの形態、および場合によりそれらの塩および誘導体、それらの溶媒和物および/または水和物の形態から選択される化合物を使用することが好ましい。ステロイドに対する任意の参照は、存在する可能性のあるそれらの任意の塩または誘導体、水和物または溶媒和物に対する参照を含む。可能性のあるステロイドの塩および誘導体の例は、例えば、ナトリウムまたはカリウム塩などのアルカリ金属塩、スルホ安息香酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、ジクロロ酢酸塩、プロピオン酸塩、二水素リン酸塩、パルミチン酸塩、ピバル酸塩、またはフロ酸塩であってもよい。
【0043】
使用してもよいPDE4−阻害剤は、好ましくは、以下から選択される化合物:エンプロフィリン、テオフィリン、ロフルミラスト、アリフロ(シロミラスト)、トフィミラスト、プマフェントリン(pumafentrin)、リリミラスト、アロフィリン(arofyllin)、アチゾラム、D−4418、Bay−198004、BY343、CP−325.366、D−4396(Sch−351591)、AWD−12−281(GW−842470)、NCS−613、CDP−840、D−4418、PD−168787、T−440、T−2585、V−11294A、Cl−1018、CDC−801、CDC−3052、D−22888、YM−58997、Z−15370、および
− N−(3,5−ジクロロ−1−オキソ−ピリジン−4−イル)−4−ジフルオロメトキシ−3−シクロプロピルメトキシベンズアミド
− (−)p−[(4aR,10bS)−9−エトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−8−メトキシ−2−メチルベンゾ[s][1,6]ナフチリジン−6−イル]−N,N−ジイソプロピルベンズアミド
− (R)−(+)−1−(4−ブロモベンジル)−4−[(3−シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−2−ピロリドン
− 3−(シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−1−(4−N’−[N−2−シアノ−S−メチル−イソチオウレイド]ベンジル)−2−ピロリドン
− cis[4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸]
− 2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オン
− cis[4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オール]
− (R)−(+)−エチル[4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)ピロリジン−2−イリデン]アセタート
− (S)−(−)−エチル[4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)ピロリジン−2−イリデン]アセタート
− 9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(2−チエニル)−9H−ピラゾロ[3,4-c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン
− 9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(tert−ブチル)−9H−ピラゾロ[3,4-c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン
場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体、またはジアステレオマーの形態、および場合によりそれらの薬学的に許容しうる酸付加塩の形態、それらの溶媒和物および/または水和物の形態である。本発明によれば、PDE4−阻害剤の酸付加塩は、好ましくは、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、およびp−トルエンスルホン酸塩から選択される。
【0044】
使用されるLTD4−アンタゴニストは、好ましくは、以下から選択される化合物:モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカスト、MCC−847(ZD−3523)、MN−001、MEN−91507(LM−1507)、VUF−5078、VUF−K−8707、L−733321、および
− 1−(((R)−(3−(2−(6,7−ジフルオロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)チオ)メチルシクロプロパン−酢酸、
− 1−(((1(R)−3(3−(2−(2,3−ジクロロチエノ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−(E)−エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸
− [2−[[2−(4−tert−ブチル−2−チアゾリル)−5−ベンゾフラニル]オキシメチル]フェニル]酢酸
場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体、またはジアステレオマーの形態、および場合によりそれらの薬学的に許容しうる酸付加塩、溶媒和物または水和物の形態である。本発明によれば、これらの酸付加塩は、好ましくは、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、およびp−トルエンスルホン酸塩から選択される。場合によりLTD4−アンタゴニストを形成することができる塩又は誘導体とは、例えば、例えば、ナトリウムまたはカリウム塩などのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、スルホ安息香酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、二水素リン酸塩、パルミチン酸塩、ピバル酸塩、またはフロ酸塩を意味する。
【0045】
使用することができるEGFR−阻害剤は、好ましくは、以下から選択される化合物:セツキシマブ、トラスツズマブ、ABX−EGF、Mab ICR−62、および
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジエチルアミノ)−1-オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1-オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン
− 4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−(モルホリン−4−イル)−1-オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2-オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2-オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ]−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−2−メトキシメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン
− 4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ビス−(2−メトキシ−エチル)−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン
− 4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−エチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン
− 4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン
− 4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(テトラヒドロピラン−4−イル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N−シクロプロピル−N−メチル−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(R)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン
− 4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6,7−ビス−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−7−[3−(モルホリン−4−イル)−プロピルオキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン
− 4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
− 3−シアノ−4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−エトキシ−キノリン
− 4−{[3−クロロ−4−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−フェニル]アミノ}−6−(5−{[(2−メタンスルホニル−エチル)アミノ]メチル}−フラン−2−イル)キナゾリン
− 4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N,N−ビス−(2−メトキシ−エチル)−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−[(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン
− 4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{[4−(5,5−ジメチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−7−[(R)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−6−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{2−[4−(2−オキソ−モルホリン−4−イル)−ピペリジン−1−イル]−エトキシ}−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(tert−ブチルオキシカルボニル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(trans−4−アミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(trans−4−メタンスルホニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−3−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(メトキシメチル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−アセチルアミノ−エチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−エトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−7−ヒドロキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{trans−4−[(ジメチルアミノ)スルホニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{trans−4−[(モルホリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{trans−4−[(モルホリン−4−イル)スルホニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−アセチルアミノ−エトキシ)−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−メタンスルホニルアミノ−エトキシ)−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−アミノカルボニルメチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(cis−4−{N−[(テトラヒドロピラン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(cis−4−{N−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(cis−4−{N−[(モルホリン−4−イル)スルホニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(trans−4−エタンスルホニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−エトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(cis−4−アセチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−[1−(tert−ブチルオキシカルボニル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(cis−4−{N−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(cis−4−{N−[(4−メチル−ピペラジン−1−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{cis−4−[(モルホリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[2−(2−オキソピロリジン−1−イル)エチル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン
− 4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−アセチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−イソプロピルオキシカルボニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(cis−4−メチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{cis−4−[N−(2−メトキシ−アセチル)−N−メチル−アミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(cis−2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メチル−モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(S,S)−(2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(N−メチル−N−2−メトキシエチル−アミノ)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−エチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メトキシエチル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(3−メトキシプロピル−アミノ)−カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[cis−4−(N−メタンスルホニル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[cis−4−(N−アセチル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(trans−4−メチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[trans−4−(N−メタンスルホニル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(trans−4−ジメチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(trans−4−{N−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
− 4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−シアノ−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン
場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態、および場合によりそれらの薬理学的に許容しうる酸付加塩、溶媒和物または水和物の形態である。本発明によれば、これらの酸付加塩は、好ましくは、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、およびp−トルエンスルホン酸塩から選択される。
【0046】
使用されるドーパミンアゴニストは、好ましくは、ブロモクリプチン、カベルゴリン、アルファ−ジエルゴクリプチン、リスリド、ペルゴリド、プラミペキソール、ロキシインドール(roxindole)、ロピニロール、タリペキソール、テルグリドおよびバイオザン(viozan)から選択される化合物、場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、および場合によりそれらの薬理学的に許容しうる酸付加塩、溶媒和物または水和物である。本発明によれば、これらの酸付加塩は、好ましくは、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ヒドロメタンスルホン酸塩、ヒドロ硝酸塩、ヒドロマレイン酸塩、ヒドロ酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、およびp−トルエンスルホン酸塩から選択される。
【0047】
使用することができるH1−抗ヒスタミン剤は、好ましくは、エピナスチン、セチリジン、アゼラスチン、フェキソフェナジン、レボカバスチン、ロラタジン、ミゾラスチン、ケトチフェン、エメダスチン、ジメチンデン、クレマスチン、バミピン、デクスクロルフェニラミン、フェニラミン、ドキシルアミン、クロルフェノキサミン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、プロメタジン、エバスチン、デスロラタジンおよびメクロジンから選択される化合物、場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態、および場合により、それらの薬理学的に許容しうる酸付加塩、溶媒和物または水和物の形態である。本発明によれば、これらの酸付加塩は、好ましくは、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、およびp−トルエンスルホン酸塩から選択される。
【0048】
使用される薬学的に有効な物質、物質の製剤または混合物は、EP 1 003 478に開示されているように、例えば吸入性巨大分子も含む、任意の吸入性化合物であってもよい。好ましくは、吸入によって投与される、呼吸器疾患を治療するための物質、物質の製剤または混合物が使用される。
【0049】
さらに、化合物は、麦角アルカロイド誘導体、トリプタン、CGRP−阻害剤、ホスホジエステラーゼ−V阻害剤の群に由来してもよく、場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体またはジアステレオマーの形態、場合によりそれらの薬理学的に許容しうる酸付加塩、溶媒和物および/または水和物の形態であってもよい。
【0050】
麦角アルカロイド誘導体の例は、ジヒドロエルゴタミンおよびエルゴタミンである。
【0051】
一般に、本発明に係る粉末中の対応するマトリックス形成剤の比率は、粉末の乾燥質量の20%(w/w)超、特に好ましくは30%(w/w)超である。本発明の別の好ましい態様では、対応するマトリックス形成剤の比率、例えば、多価アルコールまたはマンニトールフラクションは、粉末の乾燥質量の20%(w/w)超、好ましくは30〜80%(w/w)、特に好ましくは30〜70%(w/w)である。したがって、これらの態様に対応して、対応するマトリックス形成剤の比率は、粉末の乾燥質量のおよそ21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98または99%(w/w)である。対応する態様は、具体的には、多価アルコール、特にマンニトールがマトリックス形成剤として使用される粉末に適用される。
【0052】
別の好ましい態様では、本発明に係る粉末は、活性物質:マトリックス形成剤の比が、1:999〜1:1、特に好ましくは1:99〜1:2(単位:w/w)であるような濃度のマトリックス形成剤を含有する。これらのデータによれば、活性物質という用語は、活性物質の組み合わせも同様に示すと理解されものとする。
【0053】
本発明の粉末が、好ましくはベータ模倣剤とおよびステロイドと組み合わせられた抗コリン作用剤を含有している場合、活性物質の比率、または活性物質の合計の比率は、通常、粉末の全重量の0.1〜50%(w/w)、好ましくは0.2〜40%(w/w)、また好ましくは0.2〜30%(w/w)、および0.2〜20%(w/w)である。
【0054】
本発明に係る別の好ましい形態では、吸入可能粉末は、EGFRアンタゴニストから選択される薬学的活性物質を含有する。
この活性物質群の活性物質を含む本発明に係る吸入可能粉末は、粉末の全重量の、10〜80%(w/w)、好ましくは20〜80%(w/w)、特に好ましくは30〜80%(w/w)であってもよい活性物質含量を有する。
【0055】
また、マンニトールがマトリックス形成剤として排他的に使用される態様が好ましい。
【0056】
本発明は、本発明に係る吸入可能粉末剤を生成するための対応する製造方法を含む。このような粉末は、粉末化吸入剤(複数回用量系、あらかじめ計量される複数回用量系および単回用量系)として直接用いてもよく、またさらなる(例えば、粗粒子状)佐剤と混合される成分として用いてもよい。
【0057】
本発明の範囲内で、驚くべきことに、マトリックス形成剤として、糖、アミノ酸、または多価アルコール、好ましくはマンニトールおよびロイシン、特に好ましくはマンニトールを含有する噴霧乾燥された粉末の効率的な二次乾燥が、特に20℃超の温度で、特に貯蔵安定性であり、そして高い分散性を特徴とすることが見出され、この二次乾燥は、第2の乾燥気体を供給することにより噴霧チャンバで実行される。したがって、第2の乾燥気体の供給によって、第2の乾燥工程が実行され、これは粒子沈着が生じる前でさえ噴霧乾燥プロセス内で行われる。第2の乾燥工程のエネルギー入力は、好ましくは、出口温度が、40℃〜100℃の範囲であるように選択されるべきである。
【0058】
本発明に係る製造方法は以下の工程:
(a) 1重量%〜20重量%、好ましくは2重量%〜10重量%、特に好ましくは3重量%〜8重量%の固体含有量を有する溶液を調製するために、一つ以上の活性物質およびマトリックス形成剤を、水、有機溶媒または有機水性溶媒の混合物に溶解させる工程、
(b)
(i)50%〜100%の示性値Q(5.8)、および
(ii)1μm〜20μm、好ましくは1μm〜8μm、特に好ましくは1μm〜3μmの範囲の平均液滴直径X50
を有する液滴直径の噴霧ミストを得るために、従来の方法で得られた前記溶液を噴霧する工程、
(c) 以下のパラメータ:
(i)乾燥気体(1)の入口温度は、80℃〜200℃、好ましくは80℃〜150℃、より好ましくは90℃〜160℃、より好ましくは90℃〜140℃、より好ましくは100℃〜150℃、特に好ましくは100℃〜130℃であり、
(ii) 温度が、200℃〜400℃である第2の乾燥気体(2)を使用して、噴霧チャンバ内でエアロゾルを乾燥させ、
(iii) 乾燥気体(1):乾燥気体(2)の体積流量の比は、20:1〜3:1であり、
(iv) 乾燥気体係数V1は、100K〜2000Kであり、そして乾燥係数V2は、250K〜4000Kであり、
(v) 乾燥気体の出口温度は、40℃〜90℃である、
を適用しながら、得られる噴霧ミストを乾燥気体を用いて乾燥させる工程、および
(d) 従来の方法で乾燥気体の流れから固体の乾燥した粒子を分離する工程
を含む。
【0059】
活性物質、または活性物質および一つ以上の賦形剤の組み合わせと、好ましくは多価アルコール、特に好ましくはマンニトールとを、水、有機溶媒、又は有機−水性溶媒混合物に溶解させることが適切であると証明されている。本発明に従って使用される溶媒は、水とは別に、40℃〜130℃の沸点を有する有機溶媒、好ましくはアルコールである。薬学的に許容しうるか、または医薬製剤から十分に(恐らく許可当局によって義務づけられる基準に)除去することができる有機溶媒を用いることが好ましい。エタノール、メタノール、プロパノール、ジクロロメタン、水またはこれらの溶媒の混合物が、本発明に従って使用されることが特に好ましい。
【0060】
噴霧溶液の固形分濃度は、方法を経済的にする機能を有する。しかし、液滴径と固体濃度との特定の比により、粒径を含む粒子の表面特性を最適化することができるという事実の結果として、活性物質の濃度に制限が設けられる。通常、1重量%〜20重量%、好ましくは2重量%〜10重量%、最も好ましくは3重量%〜8重量%の濃度が望ましい。方法について選択されるべき液滴径は、1μm〜20μm、好ましくは1μm〜8μm、そして特に好ましくは1μm〜3μmの範囲であるパラメータX50、および30%〜100%、好ましくは60%〜100%である示性値Q(5.8)により特徴付けることができる。液滴径のパラメータX50は、平均の、体積に関連する液滴径を表す。示性値Q(5.8)は、液滴の粒径を示し、液滴の体積分布に基づいて5.8μm未満である。液滴径は、レーザー回折(フラウンホーファー回折)によって本発明の範囲内で決定された。これに関するより詳細な情報は、本発明の実験の記載に見出すことができる。
【0061】
これは対応する市販のノズル、例えば2重の物質ノズルを使用して、噴霧乾燥の範囲内で技術的に実用的な事物に変換され、これは、適用される霧状化圧力、および得られる霧状化気体の質量流、並びに噴霧速度(「噴霧溶液」の体積流量)の関数としてこれらの特徴を有する。乾燥方法に適切な液滴を作成するために実際の噴霧プロセスで遵守されなければならない特別な条件に加えて、粒子の特性が、乾燥パラメータの選択により確実に/意図的に影響を受ける場合があることは明らかである。
【0062】
本発明に係る方法は、少なくとも2つの乾燥気体流を導入することによって、噴霧ミストを乾燥工程に供することを特徴とする。乾燥気体流(1)が、噴霧ミストが生成されるすぐ近くで噴霧チャンバへ導入される場合、有利であることが証明されている。対照的に、第2の乾燥気体の導入は、エアロゾルの補助的な二次乾燥として、噴霧チャンバ内部の流れとは反対方向に乾燥気体(2)が流入することにより粒子の沈着前でさえも起こる。また、この二次乾燥工程は、粒子が好ましくは噴霧チャンバ内でエアロゾル形態で存在するように、噴霧乾燥した粒子の二次乾燥が実行されることを特徴とする。乾燥気体の体積流において分散した状態で存在する乾燥した粒子からなる、このような方法によって得られたエアロゾルは、噴霧チャンバから除去される(図1を参照されたい:符番4で示される噴霧チャンバからの出口)。乾燥した固形粒子は、従来の方法によって乾燥気体流から分離される。それらは、例えばサイクロンを使用して分離することができる。
【0063】
乾燥工程に影響を与える示性値は、乾燥気体(1)および乾燥気体(2)の入口温度および質量流、ならびに噴霧液(Ml)の質量流、ならびに乾燥気体の出口温度である。それぞれの乾燥気体(T1、T2)間の温度差(ΔT1、ΔT2)、および出口温度(Ta)と組み合わせられた、それぞれの乾燥気体(Mg1、Mg2)の質量流と噴霧液(Ml)の質量流との比は、重要な役割を果たす。
【0064】
乾燥気体(1)の入口温度T1−乾燥気体(1)は図1では1と表される―は、乾燥機体が噴霧シリンダー(測定点については、図1の符番7を参照されたい)へ導入されるときの乾燥気体の温度である。乾燥気体の質量流Mgは、単位時間当りの質量として決定される気体の量を表し、Mg1が乾燥気体(1)の質量流を、Mg2が乾燥気体(2)の質量流を示す。乾燥気体の出口温度(Ta)は、測定点6(符番6、図1)で、図1に従って決定することができる。乾燥気体(2)の入口温度T2−乾燥気体(2)は図1では2と表される−は、乾燥気体が噴霧シリンダー(符番5、図1を参照されたい)へ導入される前に測定することができる乾燥気体(2)の温度を表す。噴霧液(Ml)(符番3、図1を参照されたい)の質量流とは、単位時間当りの噴霧溶液の量(質量として決定される)を意味する。各場合における温度差ΔT1およびΔT2は、図1に従って特徴づけられる本発明の方法の測定点間の温度差を表す。
【0065】
本発明によれば、本発明に係る吸入可能粉末を調製するためのプロセスは、乾燥係数V1および乾燥係数V2により特徴付けることができる。パラメータV1およびV2は、数学的な等式である式1および式2に従って得ることができる。
【0066】
【数1】

【0067】
本発明に係る吸入可能粉末の製造方法は、乾燥気体(1)の入口温度が、80℃〜150℃、好ましくは90℃〜140℃、特に好ましくは100℃〜130℃であり、乾燥気体(2)の入口温度が、200℃〜400℃であることを特徴とする。さらに、乾燥係数V1(式1を参照されたい)が、100K〜2000K、好ましくは200K〜1500K、特に好ましくは400K〜1000Kの値を有し、乾燥係数V2(式2を参照されたい)が、250K〜4000K、好ましくは500K〜3000K、特に好ましくは1000K〜2000Kの値を有するように、噴霧ミストの乾燥が実行される。
【0068】
好ましくは、乾燥の方法工程は、質量流Mg1:質量流Mg2の比が、20:1〜3:1であることを特徴とする。
【0069】
製造方法は、また、噴霧チャンバからの出口で測定された乾燥気体の出口温度が、40℃〜90℃、好ましくは40℃〜90℃の温度であることを特徴とする。
【0070】
図1に示される製造設備は、一例としてある態様を構成し、これを用いて本発明に係る方法を実行することができる。図面(図1)は、二次乾燥ゾーンを備える改変Buechi B-191噴霧乾燥器を示す。
【0071】
図1によれば、噴霧溶液(3)は、例えば標準的な市販の2重の物質ノズルを使用して、噴霧チャンバで霧状にされる。乾燥気体(1)は、加熱され、噴霧ミストと並流的に(co-currently)噴霧チャンバへ導入される。符番(7)は、噴霧気体(1)の入口温度の測定点を示す。乾燥気体(2)は加熱され、向流として噴霧シリンダーへ導入される。符番(5)は、乾燥気体(2)の入口温度の測定点を示す。符番(6)は、乾燥気体の出口温度の測定点を示し、一方(4)は、乾燥したエアロゾル/乾燥気体のための出口を示す。
【0072】
したがって、本発明に係る方法により、吸入可能粉末であって、結晶質マトリックス形成剤、好ましくはマンニトールを含有する粒子の調製が可能になる。本発明に係る粒子は、活性物質を含んでもよく、前記活性物質は、結晶質佐剤成分に組み入れられ、その結果、前記活性物質は、この佐剤の「足場(scaffolding)」によって物理的に、そして化学的に安定化する。1つの特定の態様では、驚くべきことに、物理的に安定な微粒子を調製することができ、これにより活性物質の比率を高めることができることが見出されている。したがって調製される粉末は、例えば、レーザー回折によって測定された粒径、1μm〜10μm、好ましくは1μm〜6μmの範囲の平均粒径x50を特徴とする。本明細書で使用される意味における平均粒径とは、乾燥分散法によってレーザ回折計を用いて測定される、体積分布の50%の値を意味する。
【0073】
本発明によれば、投薬容器中で吸入可能粉末があらかじめ計量されることを特徴とする医薬製剤も含まれる。投薬容器は、好ましくは、少なくとも吸入可能粉末に接触する表面について、合成プラスチックから選択される材料を含む材料から作製してもよい。
【0074】
本発明に係る吸入可能粉末剤を含有する充填カプセルは、好ましいあらかじめ計量される医薬製剤の例として言及され得る。これらのカプセルは、本発明に係る吸入可能粉末を空のカプセルに充填するための当技術分野において公知の方法を使用して充填される。材料が、合成プラスチックから選択される、最も好ましくはポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレンおよびポリエチレンテレフタラートから選択されるカプセルを使用することが特に好ましい。特に好ましい合成プラスチック材料は、ポリエチレン、ポリカーボネート、またはポリエチレンテレフタレートである。本発明に係る特に好ましいカプセル材料のうちの1つとして、ポリエチレンが使用される場合、900〜1000kg/m3、好ましくは940〜980kg/m3、より好ましくは約960〜970kg/m3の密度を有するポリエチレン(高密度ポリエチレン)を使用することが好ましい。本発明に係る合成プラスチックは、当技術分野において公知の製造法を使用して、様々な方法で加工することができる。本発明によれば、プラスチックの射出成形が好ましい。離型剤を使用しない射出成形が特に好ましい。この生成方法は、詳細に明らかにされており、特に再現可能であることを特徴とする。
【0075】
製品と接触するように、本発明に係る医薬製剤が充填される粉末リザーバは、本発明に係るカプセルと同様に重要である。少なくとも医薬製剤と接触する材料が、合成プラスチックから選択される材料であるように、本発明に係る粉末リザーバが構成されることを、これから理解すべきである。別の局面では、本発明は、本発明に係る前述の吸入可能粉末を含有する、前述のカプセルに関する。これらのカプセルは、約1〜25mg、好ましくは2〜25mg、特に好ましくは3〜20mgの吸入可能粉末を含有してもよい。
【0076】
これらの態様によれば、前記カプセルは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23または25mgの吸入可能粉末を含有してもよい。
【0077】
さらに、本発明は、一つ以上の前記カプセルからなり、乾燥粉末吸入器と組み合わせて本発明に係る吸入可能粉末を含有することを特徴とする吸入キットに関する。
【0078】
本発明は、さらに、国際公開公報第2004047796号の中で開示された吸入器(図1を参照されたい)を使用することを特徴とする、呼吸器疾患を治療する、特にCOPDおよび/または喘息を治療する薬剤を調製するための本発明に係る吸入可能粉末の使用に関する。
【0079】
実施例
実施例1(追加の乾燥気体(2)を用いる乾燥):
埋め込み粒子を生成するための噴霧乾燥による吸入可能粉末の調製。それによって得られる粒子は、結晶質マンニトールマトリックス中に活性物質(グルココルチコイド、抗コリン作用剤およびベータアゴニスト)の組み合わせを含有する。
【0080】
方法:
溶媒(HO:EtOH 1:0.9m/m)をエルレンマイヤーフラスコに入れる。埋め込み物質(マンニトール)を、激しく撹拌しながら(磁気撹拌機)、そして超音波浴中で、加熱しながら、バッチ式で添加する。溶液が透明になると直ちに、活性物質を添加する。前記活性物質が完全に溶解した後、直ちに噴霧乾燥を行う。溶液の組成を以下の表1に示す。
【0081】
【表1】

【0082】
本明細書においてベータアゴニストCLは、欧州特許出願公開第418 716 A1号から公知であるように、物質2H−1,4−ベンゾキサジン−3(4H)−オン,6−ヒドロキシ−8−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−[[2−(4−メトキシフェニル)−1,1−ジメチルエチル]アミノ]エチル]−,一塩酸塩を示し、チオトロピウムBRは、物質臭化チオトロピウムを示す。
【0083】
2重の物質ノズル(Buechi、0.5mm 物品番号4363)と組み合わせられたBUCEHI Mini-噴霧乾燥機(B-191)を用いて噴霧乾燥を行う。アスピレータの除去により噴霧乾燥器を改変した。過剰圧力範囲の装置を通過する流れが存在するように、乾燥気体(約90℃で約17m3/h)として、プロセスガス入口を通してNを供給する(乾燥気体(1)に相当する)。第2の乾燥工程では、周囲空気を吸引し、プロセス(約400℃で約3m3/h)に供給する(乾燥気体(2)に相当する)。サイクロンとアスピレータとの間の出口フィルタは除去されており、出口気体は直接管を通して送られる。元のフロート式流量計を取り外し、外部測定装置(Kobold DSM212)を使用して、ノズルの気体処理量の質量流を決定する。18l/分(およそ2barの過剰圧)の気体処理量でノズルを操作する。溶媒処理量は、およそ16g/分である。生じる出口温度は、およそ58℃の範囲である。使用されるプロセスパラメータを表2に示す。
【0084】
【表2】

【0085】
実施例1に従って得られた粉末の組成を表3に示す。
【0086】
【表3】

【0087】
得られる粒子/吸入可能粉末の特徴:
実施例2に従って得られた吸入可能粉末の特徴的な特性を表4に示す。調製直後に、幾何平均粒径(レーザー回折:Sympatec Dry Dispersion)を測定した。
さらに、吸入可能粒子を「送達後の<5μmの体積比率」として決定した。これは、レーザー回折によって測定される、5μm未満の粒子を含む粉末の量(体積パーセント(%)で示される)を意味する。エアロゾルミストは、吸入器(Handihaler)から放出されることによるサンプルの断片化によって生成される―より詳細については、方法の項を参照されたい。
【0088】
実施例1に係る吸入可能粉末の「送達後の<5μmの体積比率」は、安定であることが明らかである。貯蔵(1週間、開封状態、40℃/75%相対湿度)後の「送達後の<5μmの体積比率」の低下は無視できる程度である。貯蔵(1週間、開封状態、40℃/75%相対湿度)後の5パーセント点未満、好ましくは4パーセント点未満、より具体的には3パーセント点未満、最も特に好ましくは2パーセント点未満、最も非常に好ましくは1パーセント点未満の低下は、無視できる程度であるとみなされる。パーセント点という用語は、100%(体積パーセント)に基づいた百分率を意味する。
【0089】
【表4】

【0090】
測定の方法
I) 平均粒径x50を決定するためのレーザー回折(Sympatec Dry Dispersion)による粒径の測定:
測定設備および設定:
製造業者の指示に従って設備を操作した。
測定設備:レーザー回折分光計(HELOS)、Sympatec(フラウンホーファー回折によって決定された粒径)
分散ユニット:吸引漏斗を備えたRODOS乾燥分散機、Sympatec
サンプル量:200mg±150mg
製品供給:Vibri振動チャネル、Messrs. Sympatec
振動チャネルの振動数:100%まで上昇
サンプル供給期間:15〜25秒(200mgの場合)
焦点距離:100mm(測定範囲:0.9〜175μm)
測定時間/待ち時間:約15秒(200mgの場合)
サイクル時間:20ms
開始/停止:チャネル28で1%
分散気体:圧縮空気
圧力:3bar
減圧:最大
評価方法:HRLD
【0091】
試料調製/製品供給:
約200mgの試験物質を1枚のカード上で計量する。
別のカードを使用して、大きな塊を全て解体する。次に、振動チャネルの正面半分に粉末を細かくまき散らす(先端から約1cmで開始)。
【0092】
測定開始後、サンプルができるだけ連続的に供給されるように、振動チャネルの振動数を変化させる。しかし、適切な分散を達成することができないほど、製品量が多くてはならない。
【0093】
II) 吸入器(HandiHaler)から送達される量としての「送達後の<5μmの体積比率」の測定:
HandiHaler(登録商標)吸入器を測定に使用する。EP 1100474に開示されているようなサイズ3のプラスチックカプセル(ポリエチレン)に分析する吸入可能粉末を充填する。吸入カプセルに20mgを充填する。
【0094】
方法:
(「送達後の<5μmの体積比率」を測定するための送達は、図2に示されるような技術的設定を使用して実行される。)
カプセルチャンバの入口開口部へのステムを介して圧縮空気(8)によりHandiHaler(登録商標)を操作する。使用される流量は、39l/分および60l/分(4kPaのHandiHaler(登録商標)における圧力降下に相当するので、好ましくは39l/分)である。時間制御双方向電磁弁(9)を用いて、圧縮空気を10秒間吸入器(12)に供給する。貫流調節弁(10)を使用して、流量を調節し、Kobold DMS-614C3FD23L質量流流量計(11)を使用して、流量をモニタする。
【0095】
Sympatec GmbH, Clausthal-Zellerfeldにより製造されたHELOSレーザ回折計(13)を用いて、吸入器からの粉末出口の2±0.5cm後方の距離で粒径を測定することにより、粒径分布をエアロゾルミストにおいて直接測定する。計量ゾーンの直後に、電気掃除機(14)を用いて粒子を吸い上げる。
【0096】
測定条件:
レーザー回折法の焦点幅は、f=100mm(測定範囲:0.9〜175μm)である。球形モデル(波形率=1)を想定して、高解像度モード(Fraunhofer HRLD、ソフトウェアバージョンWINDOX 4.1.2.0)で評価を実施する。
【0097】
評価:
ターゲット値「送達後の<5μmの体積比率」は、5μm未満である粒子の体積比率(パーセントで示される)に一致する。
【0098】
III) 結晶化度の測定
測定設備および設定:
測定設備:温度変調DSC(TMDSC) Q1000 TA Instruments
試験るつぼ:標準的なるつぼ、穿孔
サンプル量:10mg±2mg
変調:±0.54℃、期間40秒
加熱速度:5℃/分
温度範囲:−40℃〜200℃
評価:
ソフトウェア:TA Instruments Universal 2000 (Version 4.2)
RevCP−シグナル:Smooth = 4;工程分析Tg
1.Tg[℃]:RevCpシグナルからのCp工程の中間点
2.ΔCp[J/(g・℃)]:RevCpシグナルからのガラス転移における熱容量の増加
【0099】
RevCpシグナルからの「Analyze/Glass Transition…」関数を介して、TA Instruments製ソフトウェア(Universal 2000,バージョン4.2)を用いてガラス段階を決定する。例えば、McPhillipsら[McPhillips, H.; Craig, D.Q.M.; Royall, P.G.; Hill, L.: Characterisation of the glass transition of HPMC using modulated temperature differential scanning calorimetry; International Journal of Pharmaceutics (1999) No. 180, 83-90]によって記載されているように、ガラス段階前後にカットオフ点をベースラインに適用する。
【0100】
サンプルが非晶質フラクションを含有する場合、サンプルのガラス転移においてCp増加(ΔCp(P))が観察される場合がある。この種のサンプルについては、式3に従って、サンプルのガラス転移におけるCp増加の変量(ΔCp(P))、全ての非晶質マトリックス形成剤のCp増加(ΔCp(M,a))、およびサンプル中に存在するマトリックス形成剤の比率(A(M))から結晶化度を決定することができる。
【0101】
【数2】


式中、
ΔCp(P)[J/(g・℃)]は、サンプルのガラス転移におけるCp増加を示す。
ΔCp(M,a)[J/(g・℃)]は、全ての非晶質マトリックス形成剤のガラス転移におけるCp増加を示す。
(M)[%]は、サンプル中のマトリックス形成剤の質量比率を示す。
【0102】
結晶化度を決定するための非晶質参照物質:
式3に従ってΔCp(M,a)を測定するために、マトリックス形成剤は、参照物質として非晶質形態であることが必要である。例えば、物質の融解および急速冷却(クエンチング)により、非晶質参照物質を調製する。これを行うために、10±2mgのマトリックス形成剤をDSCるつぼへ計量し、TMDSC装置内で融点を約10〜30℃上回る温度に加熱する。この温度でるつぼを取り出し、急速冷凍された液体窒素へ直ちに沈める。一旦調製すると、全ての非晶質マトリックス形成剤のサンプルをTMDSC装置のオーブン内に入れ、測定することにより、Cp増加ΔCp(M,a)を決定する。測定は、予測ガラス転移温度よりも少なくとも20℃低い温度で開始する。測定は、「Analyze/Glass Transition…」関数を介して、上記設備パラメータに従って実行する(TA Instruments Software; Universal 2000, Version 4.2)。
【0103】
IV) レーザー回折による液滴径の決定
測定法:液滴径を決定するために、液滴径分布に関して、レーザ測定ゾーンにおいてノズルの噴霧コーン(噴霧)を直接分析する。中央値X50とは、その下に液滴の50%が存在する液滴径を意味する。示性値Q(5.8)は、5.8μm未満の大きさである液滴の百分率の割合について記載する。溶液としてHOを使用する。示性値は、平均液滴直径X50と呼ばれる。
測定装置:レーザー回折分光計(HELOS), Messrs. Sympatec
ソフトウェア:WINDOX バージョン4
分散ユニット:RODOS/分散圧力3bar
焦点の幅:100mm[測定範囲:0.9.....175μm]
評価モード:Mie(V4)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
糖、多価アルコール、ポリマー、アミノ酸、タンパク質、ジ−、トリ−、オリゴ−、およびポリペプチドから選択される結晶質マトリックス形成剤;及び一つ以上の医薬活性物質を含有する吸入可能粉末の製造方法において、
前記マトリックス形成剤および前記医薬活性物質を含む噴霧溶液を噴霧乾燥することを特徴とし、以下の工程:
(a) 1重量%〜20重量%、好ましくは2重量%〜10重量%、特に好ましくは3重量%〜8重量%の溶解固体含有量を含む溶液を調製するために、一つ以上の活性物質およびマトリックス形成剤を、水、有機溶媒または有機−水性溶媒の混合物に溶解させる工程、
(b)
(i) 50%〜100%の示性値Q(5.8)、および
(ii) 1μm〜20μm、好ましくは1μm〜8μm、特に好ましくは1μm〜3μmの範囲の平均液滴直径X50
を有する液滴直径の噴霧ミストを得るために、従来の方法で得られた前記溶液を噴霧する工程、
(c) 以下のパラメータ:
(i) 乾燥気体(1)の入口温度は、80℃〜200℃、好ましくは90℃〜160℃、特に好ましくは100℃〜150℃であり、そして
(ii) 温度が、200℃〜400℃である第2の乾燥気体(2)を使用して、噴霧チャンバ内でエアロゾルを二次乾燥に供し、
(iii) 乾燥気体(1):乾燥気体(2)の体積流量の比は、20:1〜3:1であり、
(iv) 乾燥気体係数V1は、100K〜2000Kであり、そして乾燥係数V2は、250K〜4000Kであり、
(v)乾燥気体の出口温度は、40℃〜90℃である、
を適用しながら、得られる噴霧ミストを乾燥気体を使用して乾燥させる工程、および
(d) 従来の方法で乾燥気体の流れから固体の乾燥した粒子を分離する工程
を含む方法。
【請求項2】
マトリックス形成剤が、多価アルコールから選択されることを特徴とする、結晶質マトリックス形成剤を含有する吸入可能粉末を調製するための請求項1記載の方法。
【請求項3】
マトリックス形成剤が、マンニトールであることを特徴とする、結晶質マトリックス形成剤を含有する吸入可能粉末を調製するための請求項2記載の方法。
【請求項4】
活性物質が、好ましくは、抗コリン作用剤、ベータ模倣剤、ステロイド、ホスホジエステラーゼ−IV−阻害剤、LTD4−アンタゴニスト、EGFR−キナーゼ阻害剤、ドーパミンアゴニスト、H1−抗ヒスタミン剤、PAF−アンタゴニスト、P13−キナーゼ阻害剤、P38MAP−キナーゼ阻害剤、抗アレルギー性物質、およびホスホジエステラーゼ−V−阻害剤から選択されることを特徴とする、請求項1〜3の1項記載の方法。
【請求項5】
乾燥気体(2)の温度が、300℃〜380℃であることを特徴とする、請求項1〜4の1項記載の方法。
【請求項6】
乾燥気体(1):乾燥気体(2)の体積流量の比が、18:1〜10:1(質量比)であることを特徴とする、請求項1〜5の1項記載の方法。
【請求項7】
マトリックス形成剤としてマンニトールを、活性物質としてEGFR−阻害剤を含有し、活性物質:マトリックス形成剤の比が、1:1〜3:1(質量比)であることを特徴とする、請求項1〜6の1項記載の方法により得ることができる噴霧乾燥粉末。
【請求項8】
マトリックス形成剤としてマンニトールを、活性物質として抗コリン作用剤、ベータ模倣剤、およびステロイドの組み合わせを含有し、活性物質の合計:マトリックス形成剤の比が、1:1〜3:1(質量比)であることを特徴とする、請求項1〜6の1項記載の方法により得ることができる噴霧乾燥粉末。
【請求項9】
粉末含有カプセルから吸入可能粉末を投与するために使用することができる吸入装置、および請求項7〜8項記載の噴霧乾燥粉末とを含む吸入キット。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−509922(P2012−509922A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−537951(P2011−537951)
【出願日】平成21年11月23日(2009.11.23)
【国際出願番号】PCT/EP2009/065621
【国際公開番号】WO2010/060875
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】