説明

方法、コンピュータ・プログラム、システム(センサを使用して表面上に配置された物体を識別するシステムおよび方法)

【課題】表面上に配置された物体を識別する方法、システム、およびコンピュータ・プログラムを提供すること。
【解決手段】物体が表面上に配置されているという表示が受信される。物体に関連する複数の物理的特徴が識別される。複数の物理的特徴を使用して、データ構造が探索され、複数の物理的特徴に合致する物理的特徴を有する単一の物体の存在が判定される。合致に応答して、単一の物体が、関連するプレゼンテーションを有するかどうかに関して判定が行われる。関連するプレゼンテーションの存在に応答して、関連するプレゼンテーションがユーザに提示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、一般には改良型のデータ処理システムおよび方法に関する。より詳細には、本願は、センサを使用して、表面上に配置された物体を識別することを対象とする。
【背景技術】
【0002】
現在、表面上に配置された物体を識別することのできる製品が存在する。例えば、食料雑貨店のチェックアウト・システム内の秤は、重量変化を求めることにより、製品が表面上に配置されたことを検出することができる。しかし、ユーザがバーコードをスキャンし、または識別コードを入力することによって物体を識別しない限り、秤は、物体を識別するための手段を有さない。同様に、商品が識別されると、チェックアウト・システムは、合計重量を計算する際に、物体の重量と、ユーザによってスキャンされた他の物体の重量を使用して、ユーザが物体に対する支払いをすることなく店から物体を取り除いていないことを保証する。
【0003】
1つの周知の識別システムはMicrosoft CorporationのSurface(TM)であり、これは、個人または小グループが慣れていると感じる方式で対話することが容易となる表形式のディスプレイである。Surface(TM)は、1人または複数のユーザがディスプレイと対話することを可能にするマルチタッチ対話システムである。Surface(TM)は、タッチやジェスチャなどの数十の移動を同時に認識することができ、一度に複数の識別を実施することもできる。Surface(TM)は、バーコードに類似の識別タグを有する表形式のディスプレイ上に配置された物体を認識することによって複数の識別を行うことができる。Surface(TM)が識別タグを使用して商品を識別するとき、表形式のディスプレイは物体に関連する固有のビデオを提示する。別の周知の識別システムはSavant Systems(TM)のRosie Coffee Tableであり、これは、Apple(R)コンピュータを使用して物体の類似の識別を実施する。
【0004】
Surface(TM)などの周知の識別システムは表面上に配置された物体を識別することができるが、こうした周知の識別システムは、識別タグまたはバーコードを使用することによって物体を識別することを必要とする。しかし、典型的な現実世界のシナリオでは、識別システムの表面上に配置される、ユーザによって使用されるすべての物体が、システムがそれと対話する識別タグを有するわけではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表面上に配置された物体を識別する方法、システム、およびコンピュータ・プログラムを提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例示的実施形態は、物体に関連する特徴を識別するセンサを使用することにより、表面上に配置される、識別タグを有さない物体を識別する機構を提供する。重量、面積、温度、幾何学的形状、特徴マーキングなどの特徴を識別することにより、物体を直接的または間接的に識別することができる。物体が識別されると、音声、ビデオ、音声とビデオの組合せ、テキスト、グラフィカル・イメージ、またはピクチャ、あるいはそれらの組合せなど、情報をユーザに対して表示することができる。さらに、物体の特徴の変化に基づいて、他のユーザに変化を通知することができ、それによってそうした他のユーザはアクションを実行することができる。例えば、レストランの顧客が例示的実施形態の表面上に空のグラスを配置した場合、グラスが空であるという通知を待機スタッフ要員に送ることができ、それによって待機スタッフは、顧客に伴う問題に対処することができる。
【0007】
例示的実施形態は、表面上に配置された物体の識別を実現する。例示的実施形態は、物体が表面上に配置されているという表示を受け取る。例示的実施形態は、物体に関連する複数の物理的特徴を識別する。複数の物理的特徴を使用して、例示的実施形態は、データ構造を探索して、複数の物理的特徴に合致する物理的特徴を有する単一の物体の存在を判定する。合致に応答して、例示的実施形態は、単一の物体が、関連するプレゼンテーションを有するかどうかを判定する。関連するプレゼンテーションの存在に応答して、例示的実施形態は、関連するプレゼンテーションをユーザに提示する。
【0008】
別の例示的実施形態では、コンピュータ可読プログラムを有するコンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体を含むコンピュータ・プログラムが提供される。コンピュータ可読プログラムは、コンピューティング装置上で実行されたとき、方法例示的実施形態に関して上記で略述した動作のうちの様々な動作および組合せをコンピューティング装置に実行させる。
【0009】
さらに別の例示的実施形態では、システム/機器が提供される。システム/機器は、1つまたは複数のプロセッサに結合された1つまたは複数のプロセッサおよびメモリを備えることができる。メモリは命令を含むことができ、命令は、1つまたは複数のプロセッサで実行されたとき、方法例示的実施形態に関して上記で略述した動作のうちの様々な動作および組合せを1つまたは複数のプロセッサに実行させる。
【0010】
本発明の上記およびその他の特徴および利点を以下の本発明の例示的実施形態の詳細な説明で説明し、または本発明の上記およびその他の特徴および利点が、以下の本発明の例示的実施形態の詳細な説明に鑑みて当業者には明らかとなるであろう。
本発明、ならびに本発明の好ましい使用の形態および別の目的および利点が、添付の図面と共に読むときに以下の例示的実施形態の詳細な説明を参照することによって最良に理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
例示的実施形態は、物体に関連する特徴を識別するセンサを使用することにより、特性表面上に配置される、識別タグを有さない物体を識別する機構を提供する。したがって、例示的実施形態の機構は、スタンド・アロン・データ処理装置または分散データ処理環境内の実装、およびサーバ、クライアント装置などのデータ処理装置内での実装、あるいはデータ処理装置に関連する実装に特に適している。例示的実施形態の機構をスタンド・アロン装置または分散データ処理環境内で実装することができるが、以下の説明は、例示のために分散データ処理環境を対象とする。例示的実施形態の機構の説明のための状況を提供するために、例示的実施形態の機構をその中に実装することができ、またはそれと共に実装することのできる分散データ処理システム、または環境、およびデータ処理装置の例として、以下で図1〜2を与える。図1〜2は例に過ぎず、本発明の態様または実施形態を実装することのできる環境に関する何らかの制限を主張または示唆することを意図するものではないことを理解されたい。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、図示される環境に対して多くの修正を行うことができる。
【0012】
ここで図を参照すると、図1は、例示的実施形態の態様を実装することのできる例示的分散データ処理システムの絵画表現を示す。分散データ処理システム100は、例示的実施形態の諸態様を実装することのできるコンピュータのネットワークを含むことができる。分散データ処理システム100は、分散データ処理システム100内で互いに接続される様々な装置およびコンピュータ間の通信リンクを提供するのに使用される媒体である、少なくとも1つのネットワーク102を含む。ネットワーク102は、ワイヤ通信リンク、ワイヤレス通信リンク、光ファイバ・ケーブルなどの接続を含むことができる。
【0013】
図示される例では、サーバ104とサーバ106が、記憶装置108と共にネットワーク102に接続される。さらに、クライアント110、112、および114もネットワーク102に接続される。こうしたクライアント110、112、および114は、例えばパーソナル・コンピュータ、ネットワーク・コンピュータなどでよい。図示される例では、サーバ104は、ブート・ファイル、オペレーティング・システム・イメージ、アプリケーションなどのデータをクライアント110、112、および114に提供する。図示される例では、クライアント110、112、および114は、サーバ104に対するクライアントである。分散データ処理システム100は、追加のサーバ、クライアント、および図示されていない他の装置を含むことができる。
【0014】
図示される例では、分散データ処理システム100は、伝送制御プロトコル/インターネット・プロトコル(TCP/IP)プロトコル群を使用して互いに通信するネットワークおよびゲートウェイの世界的な集合を表すネットワーク102を有するインターネットである。インターネットの中心部は、データおよびメッセージをルーティングする数千の民間、政府、教育、およびその他のコンピュータ・システムからなるメジャー・ノードまたはホスト・コンピュータ間の高速データ通信回線のバックボーンである。もちろん、例えばイントラネット、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、または広域ネットワーク(WAN)などのいくつかの異なるタイプのネットワークを含むように分散データ処理システム100を実装することもできる。上述のように、図1は一例として意図されるものであり、本発明の様々な実施形態に関するアーキテクチャ上の制限として意図されるものではなく、したがって、図1に示される特定の要素を、本発明の例示的実施形態を実装することのできる環境に関して限定的なものとみなすべきではない。
【0015】
次に図2を参照すると、例示的実施形態の諸態様を実装することのできる例示的データ処理システムのブロック図が示されている。データ処理システム200は、本発明の例示的実施形態に関するプロセスを実装するコンピュータ使用可能コードまたは命令を配置することのできる、図1のホスト110などのコンピュータの一例である。
【0016】
図示される例では、データ処理システム200は、ノース・ブリッジおよびメモリ・コントローラ・ハブ(NB/MCH)202と、サウス・ブリッジおよび入出力(I/O)コントローラ・ハブ(SB/ICH)204とを含むハブ・アーキテクチャを利用する。処理装置206、メイン・メモリ208、およびグラフィックス・プロセッサ210がNB/MCH202に接続される。グラフィックス・プロセッサ210は、accelerated graphics port (AGP)を介してNB/MCH202に接続することができる。
【0017】
図示される例では、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)アダプタ212がSB/ICH204に接続される。オーディオ・アダプタ216、キーボードおよびマウス・アダプタ220、モデム222、読取り専用メモリ(ROM)224、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)226、CD−ROMドライブ230、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポートおよび他の通信ポート232、およびPCI/PCIe装置234が、バス238およびバス240を介してSB/ICH204に接続される。PCI/PCIe装置は、例えばイーサネット(R)・アダプタ、アドイン・カード、ノートブック・コンピュータ用のPCカードを含むことができる。PCIはカード・バス・コントローラを使用するが、PCIeはカード・バス・コントローラを使用しない。ROM224は、例えばフラッシュ・バイナリ入出力システム(BIOS)でよい。
【0018】
HDD226およびCD−ROMドライブ230は、バス240を介してSB/ICH204に接続される。HDD226およびCD−ROMドライブ230は、例えばintegrated drive electronics (IDE)インターフェースまたはserial advancedtechnology attachment (SATA)インターフェースを使用することができる。スーパーI/O(SIO)装置236をSB/ICH204に接続することができる。
【0019】
オペレーティング・システムが処理装置206上で動作する。オペレーティング・システムは、図2のデータ処理システム200内の様々な構成要素を調整し、その制御を実現する。クライアントとしては、オペレーティング・システムは、Microsoft(R) Windows(R) XP(MicrosoftおよびWindows(R)は米国または他の国々あるいはその両方におけるMicrosoft Corporationの商標である)などの市販のオペレーティング・システムでよい。Java(R)(TM)プログラミング・システムなどのオブジェクト指向プログラミング・システムがオペレーティング・システムと共に動作することができ、データ処理システム200上で実行中のJava(R)(TM)プログラムまたはアプリケーションからオペレーティング・システムへの呼出しを実現する(Java(R)はSun Microsystems, Inc.の米国または他の国々あるいはその両方における商標である)。
【0020】
サーバとしては、データ処理システム200は、例えば、AdvancedInteractive Executive (AIX(R))オペレーティング・システムまたはLINUX(R)オペレーティング・システムを実行するIBM(R)eServer(TM)System p(R)コンピュータ・システムでよい(eServer、System p、およびAIXはインターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーションの米国または他の国々あるいはその両方における商標であり、LINUXはLinusTorvaldsの米国または他の国々あるいはその両方における商標である)。データ処理システム200は、処理装置206内に複数のプロセッサを含む対称型マルチプロセッサ(SMP)システムでよい。あるいは、単一のプロセッサ・システムを利用することもできる。
【0021】
オペレーティング・システム、オブジェクト指向プログラミング・システムに対する命令、およびアプリケーションまたはプログラムは、HDD226などの記憶装置上に配置され、処理装置206による実行のためにメイン・メモリ208にロードすることができる。本発明の例示的実施形態に関するプロセスは、コンピュータ使用可能プログラム・コードを使用して処理装置206で実行することができ、コンピュータ使用可能プログラム・コードは、例えばメイン・メモリ208、ROM224などのメモリ、または例えば1つまたは複数の周辺装置226および230内に配置することができる。
【0022】
図2に示されるバス238やバス240などのバス・システムは、1つまたは複数のバスから構成することができる。もちろん、ファブリックまたはアーキテクチャに取り付けられた様々な構成要素または装置間のデータの転送を実現する任意のタイプの通信ファブリックまたはアーキテクチャを使用してバス・システムを実装することができる。図2のモデム222またはネットワーク・アダプタ212などの通信ユニットは、データを送信および受信するのに使用される1つまたは複数の装置を含むことができる。メモリは例えば、メイン・メモリ208、ROM224、または図2のNB/MCH202に見られるようなキャッシュでよい。
【0023】
図1〜2のハードウェアは実装に応じて変化する可能性があることを当業者は理解されよう。フラッシュ・メモリ、同等の不揮発性メモリ、光ディスク・ドライブなどの他の内部ハードウェアまたは周辺装置を、図1〜2に示されるハードウェアの代わりに、またはそれに加えて使用することができる。さらに、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、例示的実施形態のプロセスを前述のSMPシステム以外のマルチプロセッサ・データ処理システムに適用することができる。
【0024】
好ましい実施形態が、Microsoft CorporationのSurface(TM)などの表面として実装され、またはその表面に関連して実装される。Surface(TM)は、本質的には、クリア・アクリル・フレーム内の30インチ・タッチスクリーンで覆われたブラック・テーブル・ベース内に収容されたWindows(R) Vista(R)PCである。近くの物体を感知することのできる5つのカメラが画面の下に取り付けられる。ユーザは、画面にわたってユーザの指先およびペイント・ブラシなどの物体をタッチおよびドラッグすることによってマシンと対話することができる。指の動きを認識することに加えて、Surface(TM)は、特別なバーコード・ラベルでタグ付けされた現実世界アイテムも識別することができる。例えば、食事をする人が特別なバーコードでタグ付けされたワイン・グラスを置いたとき、Surface(TM)は、食されている食事に合わせた追加のワインを自動的に提供することができる。
【0025】
Surface(TM)インターフェースにおいて重要な4つの主要な構成要素は、直接対話、マルチタッチ・コンタクト、マルチユーザ体験、および特別なバーコードを介する物体認識である。装置は、Microsoft Zune(TM)、携帯電話、デジタル・カメラなどのWi−Fi動作可能装置が表面上に配置されたときにデジタル媒体をドラッグ・アンド・ドロップすることも可能にする。Surface(TM)技術は、非デジタル物体を入力装置として使用することを可能にする。一実施例では、ソフトウェアでデジタル・ペインティングを作成するのに通常のペイント・ブラシが使用された。視覚のためのカメラを使用することにより、Surface(TM)が、使用されるツールのキャパシタンス、電気的抵抗、温度などの従来型タッチスクリーン装置またはタッチパッド装置の必要な限定的特性に依拠しないことが可能となる。
【0026】
Surface(TM)「ビジョン」は、表面に向けられた近赤外線850ナノメートル波長LED光源によって生成される。物体がテーブルトップに接触したとき、光が、正味の解像度1280×960を有する複数の赤外線カメラに対して反射し、赤外線カメラがテーブルトップに接触するアイテムを感知し、それに反応することが可能となる。Surface(TM)は表面上に配置された物体を識別することができるが、Surface(TM)は、識別タグまたはバーコードを使用することによって物体を識別することを必要とする。しかし、典型的な現実世界シナリオでは、識別システムの表面上に配置される、ユーザによって使用されるすべての物体が、システムがそれと共に動作する識別タグを有するわけではない。
【0027】
しかし、データ処理システム200は、クライアント・コンピューティング装置、サーバ・コンピューティング装置、タブレット・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、電話または他の通信装置などのいくつかの異なるデータ処理システムのいずれの形態も取ることができることを当業者は理解されよう。ある例示的実施例では、データ処理システム200は、例えばオペレーティング・システム・ファイルまたはユーザ生成データあるいはその両方を格納する不揮発性メモリを提供するためのフラッシュ・メモリと共に構成されるポータブル・コンピューティング装置でよい。本質的に、データ処理システム200は、アーキテクチャ上の制限なしに、任意の周知のデータ処理システムまたは後に開発されるデータ処理システムでよい。
【0028】
例示的実施形態は、物体に関連する特徴を識別するセンサを使用することにより、表面上に配置された、識別タグを有さない物体を識別する機構を提供する。重量、面積、温度、幾何学的形状、特徴マーキングなどの特徴を識別することにより、物体を直接的または間接的に識別することができる。物体が認識されると、音声、ビデオ、音声とビデオの組合せ、テキスト、グラフィカル・イメージ、またはピクチャ、あるいはそれらの組合せなど、情報をユーザに対して表示することができる。さらに、物体の特徴の変化に基づいて、他のユーザに変化を通知することができ、それによってそうした他のユーザはアクションを実行することができる。
【0029】
図3は、例示的実施形態による物体認識システムの例示的機能ブロック図を示す。物体認識システム300は、図2の処理装置206などの処理装置で実行することのできる物体識別アプリケーション302、表面310、およびストレージ308を含む。物体識別アプリケーション302、表面310、およびストレージ308をクライアント装置上に配置することができ、または物体識別アプリケーション302は、図1のサーバ104などのサーバ内に常駐することができ、図1のネットワーク102などのネットワークを介して、図1のクライアント110などのクライアント装置に関連する表面310と、ストレージ308とに通信することができる。物体識別アプリケーション302は、特徴モジュール304および物体識別モジュール306を含むことができる。表面310は、様々なセンサが表面310の下に配置されるような、構造の一部であるクリア表面、表面310の上に様々なセンサを備える固体表面、または表面310上に配置された物体に関連する、以下で特徴と呼ぶ物理的特徴をセンサが求めることのできる任意の構造でよい。表面310は、Microsoft CorporationのSurface(TM)などの表面でよいが、表面上に配置された物体に関連する特徴を識別することのできる任意のタイプの表面を使用して物体識別アプリケーションを実装できることを例示的実施形態は理解している。
【0030】
この実施例では、物体が表面310上に配置されると、重量センサ312、イメージ・センサ314、温度センサ316などのセンサは、物体に関連する特徴を求めることができる。この実施例は重量センサ312、イメージ・センサ314、および温度センサ316を示すが、表面310上に配置された物体の特徴を求めるのに他のセンサを使用することができる。さらに、重量センサ312、イメージ・センサ314、および温度センサ316を単一のセンサとして示すが、重量、イメージ、および温度のそれぞれについて複数のセンサを実装することができ、それによって複数の測定値またはイメージを使用して表面310に対して課され、または加えられた変化を検出する際の精度を向上させることができることを例示的実施形態は理解している。
【0031】
重量センサ312は圧電センサ、ひずみゲージ・センサ、圧力センサなどでよく、表面310に対して課された現重量を検出することができる。例示的実施形態は圧電センサ、ひずみゲージ・センサ、および圧力センサを例として述べるが、物体の実際の重量または表面310上の特定の場所の重量の変化を検出するのに他のセンサも使用できることを当業者は理解されよう。重量センサ312で検出された重量値を受け取る重量受信モジュール318は、物体が表面310上に配置される直前の表面310に対して課された重量と、物体が表面310上に配置された直後の表面310に対して課された重量の変化、例えばWeightcurrent−Weightprior=ΔWeightを求めることができる。同様に、物体が表面310から取り除かれた場合、重量センサ312は、表面310に対して課された重量の変化を検出することができ、重量受信モジュール318は、別の物体が表面310上に配置されることを予想して、現重量値をリセットすることができる。
【0032】
重量センサ312は、表面310のすべてに対する重量変化を感知する1つのセンサでよく、または重量センサ312は、例えば表面310をいくつかの区間に分割する圧力感応オーバーレイを使用して、表面310の個々の区間に対する重量変化をそれぞれが感知する複数のセンサでよい。さらに、表面310が表面310に対して加えられたユーザの手、ひじなどを有することがある場合には、ユーザの手、ひじなどが概して配置されるエリア内で重量センサ312で検出される重量値は、物体識別アプリケーション302で使用されないことがある。将来の重量計算のための開始重量値を求めるために、表面310の初期化時に表面310の初期重量を重量受信モジュール318で較正することもできる。重量値が求められると、直接接続あるいは1つまたは複数のデータ・ネットワークを介して重量値が物体識別モジュール306に送られる。
【0033】
物体が表面310上に配置されたことに応答して、温度センサ316は、表面310の現在温度を検出することができる。温度センサ316で検出された温度を受け取る温度受信モジュール320は、物体が表面310上に配置される直前の物体によって表面310に対して加えられる温度と、物体が表面310上に配置された直後の表面310に対して加えられる温度の変化、例えばTempcurrent−Tempprior=ΔTempを求めることができる。同様に、物体が表面310から取り除かれた場合、温度センサ316は、表面310に対して課された重量の変化を検出することができ、温度受信モジュール320は、別の物体が表面310上に配置されることを予想して、現在温度をリセットすることができる。
【0034】
表面310に加えられる温度の変化を計算する際に、温度受信モジュール320は、正または負の温度変化を計算することができる。例えば、グラス1杯のアイス・ティーなどの40°F(4.4°C)の冷たい物体が周囲温度72°F(22.2°C)の表面310上に配置された場合、温度センサ316は温度低下を検出することができ、温度受信モジュール320は、40°F(4.4°C)−72°F(22.2°C)=−32°F(−17.8°C)の温度低下を計算することになる。同様に、カップ1杯のホット・コーヒーなどの140°F(60°C)の熱い物体が周囲温度72°F(22.2°C)の表面310上に配置された場合、温度センサ316は、温度上昇を検出することができ、温度受信モジュール320は、140°F(60°C)−72°F(22.2°C)=68°F(37.8°C)の温度上昇を計算することになる。温度変化値が求められると、直接接続あるいは1つまたは複数のデータ・ネットワークを介して温度変化値が物体識別モジュール306に送られる。
【0035】
温度センサ316は、表面310上に配置される物体の温度特徴を感知することのできる任意のタイプのセンサでよい。1つの例示的なタイプの温度センサは、温度スケールまたは温度表示あるいはその両方を提供する赤外放射(IR)または赤外線熱撮像カメラでよい。赤外放射(IR)は、可視光より長いが電波(750nmから1nm)より短い波長である。IRカメラは、温度特徴を放射する物体によって放射された電磁放射を取り込む。しかし、この例示的実施形態は赤外放射(IR)または赤外線温度撮像カメラについて述べるが、温度変化を検出するのに他のセンサも使用できることを当業者は理解されよう。したがって、温度受信モジュール320は、物体によって放射された電磁放射に基づいて温度センサ316で取り込まれた温度特徴を受け取ることになる。
【0036】
イメージ・センサ314は、表面310に対して加えられた変化を記録するカメラ、カメラのグループ、または他の像検出装置でよい。例えば、表面310がクリア表面である場合、イメージ・センサ314をクリア表面下に配置することができる。物体が表面310上に配置されるとき、イメージ・センサ314は、物体が表面310上に配置される直前のイメージと、物体が表面310上に配置された直後のイメージの変化を検出することができる。イメージが変化した場合、イメージ・センサ314は、イメージを物体と共に記録し、イメージをイメージ受信モジュール322に送る。イメージ受信モジュール322がイメージを受信すると、イメージが、直接接続あるいは1つまたは複数のデータ・ネットワークを介して、面積計算器324、光学式文字認識(OCR)モジュール326、および物体識別モジュール306に送られる。
【0037】
面積計算器324はまず、物体の幾何学的形状を求めることができ、それによって、物体に関連する面積を計算することができる。物体の幾何学的形状を計算する際に、面積計算器324は、物体の外部境界を識別し、次いで、正確な面積を計算するために物体の形状を複数の幾何学的形状に分割することができる。例えば、鉛筆が表面310上に配置された場合、面積計算器324は、正確な面積を計算するために、物体の形状を鉛筆の縦方向についての矩形と、鉛筆の先端についての三角形とに分割することができる。面積計算器324が物体に関連する幾何学的形状を求めると、面積計算器324は、イメージ受信モジュール322から受け取ったイメージ内に記録された物体に関連する面積を計算することができる。面積計算器324は、イメージ・センサ314によって記録されたイメージのサイズに関連する所定の距離を使用して、表面310上に配置された物体に関連する面積を求めることができる。例えば、グラスが表面310上に配置される場合、面積計算器324は、グラスの底部の直径を求めることができる。直径を使用して、面積計算器324は、A=π(d/2)を使用してグラスの底部の面積を求めることができる。次いで、面積計算器324は、直接接続あるいは1つまたは複数のデータ・ネットワークを介して、計算した面積値および幾何学的形状を物体識別モジュール306に送ることができる。物体の面積を検出することに加えて、またはその代わりに、物体の幅、半径、長さなどの寸法を識別して物体識別モジュール306に送ることもできることを例示的実施形態は理解している。
【0038】
OCRモジュール326は、イメージ受信モジュール322から受信したイメージを解析し、イメージ内の物体の光学式文字認識を実施して、物体を識別する際の助けとなる何らかの特徴マーキングを得ることができる。例えば、ポリスチレン・カップが表面310上に配置される場合、OCRモジュール326は、製造業者マーキング、モデル番号マーキング、およびリサイクル可能標識を識別することができる。次いで、OCRモジュール326は、直接接続あるいは1つまたは複数のデータ・ネットワークを介して、識別した情報を物体識別モジュール306に送る。
【0039】
したがって、物体識別モジュール306は、表面310上に配置された物体に関連する1つまたは複数の特徴を受け取る。物体識別モジュール306は、物体に関して、重量値、温度変化値、面積値、幾何学的形状、識別情報、イメージなどを受け取ることができる。物体識別モジュール306は、物体に関する特徴のすべてまたは一部を使用して、ストレージ308上の物体特徴データ構造328に格納された物体に関する類似の特徴に基づいて物体を識別する。物体識別モジュール306は、重量受信モジュール318、温度受信モジュール320、イメージ受信モジュール322、面積計算器324、またはOCRモジュール326、あるいはそれらの組合せから受け取った特徴情報を、物体特徴データ構造328に格納された物体に関する特徴情報と比較し、物体特徴データ構造328は、認識可能な物体およびその関連する特徴のファイル、データベースなどでよい。
【0040】
表面310上に配置された物体に関する特徴を、物体特徴データ構造328に格納された物体に関する特徴と比較する際に、物体識別モジュール306は、受信される各特徴を物体特徴データ構造328内の物体特徴と次々に突き合わせ、各特徴に対する合致に基づいて、識別したアイテムの数を限定する。例えば、物体が表面310上に配置される場合、物体識別モジュール306は、8オンス(0.23kg)、温度変化値−6°F(−3.3°C)、円形の幾何学的形状、面積3.925平方インチ(25.32cm)などの特徴と、製造業者、モジュール番号、リサイクル・シンボルなどの特徴マーキングとを受け取ることができる。次いで、物体識別モジュール306は、物体特徴データ構造328を探索して、円形の幾何学的形状を有するすべてのアイテムを識別する。こうしたアイテムが識別されると、物体識別モジュール306は、識別したアイテムを重量、次いで温度変化値、次いで面積、次いで特徴マーキングで限定することができ、その度ごとに、識別したアイテムの数を限定し、願わくば1つのアイテムのみが合致する。重量、温度変化、および面積で識別されるアイテムを、ある所定の公差以内にすることができる。この実施例は、物体識別モジュール306が特定の順序で識別することを示すが、物体特徴データ構造328を任意の順序で探索できることを例示的実施形態は理解している。
【0041】
比較した特徴において厳密な合致があった場合、または特徴がある所定の公差以内で満たされた場合物体識別モジュール306は、ユーザに提示することのできる識別した物体に関連するストレージ308上のプレゼンテーション・ファイル330内の関連するプレゼンテーションがあるかどうかを判定する。プレゼンテーション・ファイル330内の関連するプレゼンテーションは、音声プレゼンテーション、ビデオ・プレゼンテーション、音声プレゼンテーションとビデオ・プレゼンテーションの組合せ、テキスト、グラフィカル・イメージ、またはピクチャ、あるいはそれらの組合せでよい。例えば、OCRモジュール326が、表面310上に配置される図書に関連する国際標準図書番号(ISBN)バーコードなどの特徴マーキングを識別した場合、物体識別モジュール306は、識別したISBNバーコードを物体特徴データ構造328内に位置するバーコードと突き合わせることができる。物体識別モジュール306は、プレゼンテーション・ファイル330内のビデオ・プレゼンテーションを識別することができ、ビデオ・プレゼンテーションを音声/ビデオ装置332に出力することができる。音声/ビデオ装置332によって提示される、識別されたプレゼンテーションは、「この書籍は3か月間ベスト・セラー・リストにとどまりました」をユーザに示すことができる。しかし、識別された物体に関連する、それから選ぶための関連するプレゼンテーションのリストを用いて、音声/ビデオ装置332を介してユーザに促すこともできる。
【0042】
別の実施形態では、物体識別モジュール306が物体の特徴を物体特徴データ構造328内の物体と厳密に合致させることができなかった場合、物体識別モジュール306は、類似の特徴を有する物体が以前に識別されたかどうかを判定することができる。例えば、以前に識別された、液体が満たされたグラスが表面310から取り除かれ、ある量の液体がグラスから取り除かれ、グラスが表面310に戻る場合、物体識別モジュール306によって特徴の厳密な合致を行うことはできない。しかし、物体識別モジュール306は、グラスの重量が同じではなくても、他の特徴が合致しており、重量が以前に識別された重量と類似しているがある値だけ軽いことを判定することができる。次いで、物体識別モジュール306は、物体をグラスと識別し、音声/ビデオ装置332に出力することのできる、プレゼンテーション・ファイル330内のグラスに関連するビデオ・プレゼンテーションを識別することができる。物体に関連するプレゼンテーションがプレゼンテーション・ファイル330内に存在する場合、物体識別モジュール306は、音声/ビデオ装置332を使用してプレゼンテーションをユーザに提示することができる。
【0043】
物体識別モジュール306が音声/ビデオ装置332を使用してプレゼンテーションをユーザに提示することに加えて、物体識別モジュール306は、以前に識別した物体に関連する特徴の変化に基づいて警報を生成することもできる。例示的一実施形態では、表面310をレストランのテーブルに結合することができる。そのような実施形態では、グラスをレストランの顧客に関連付けることができる。グラスが表面310上に以前に配置されたのと同じ物体であるが、グラスの重量が変化していると判定する際に、それによってグラスが、グラスに補充する必要があることを示す重量であると判定される場合、物体識別モジュール306は、顧客のグラスが、グラスに補充する必要があることを示す重量であるという表示を、レストランの待機スタッフに信号を送ることができる。この表示を、待機スタッフに対して、直接接続あるいは1つまたは複数のデータ・ネットワークを介して、待機スタッフが容易に認識することのできる出力装置336に送ることができる。この実施例はグラスを対象とするが、皿、ボウルなどのレストランに関連する他の容器への拡張を例示的実施形態は理解している。
【0044】
別の実施形態では、物体識別モジュール306が物体に関して受け取った特徴を物体特徴データ構造328内の物体に関する特徴と合致させることができない場合、または物体識別モジュール306が物体に関して受け取った特徴を、物体特徴データ構造328内の複数の物体に対する特徴と合致させる場合、物体識別モジュール306は、物体を識別するようにユーザに促すことができる。例えば、リモート・コントロールが表面310上に配置される場合、リモート・コントロールの特徴は、矩形の物体、物体の面積が12平方インチ(77.42cm)であること、重量3オンス(85g)、「MADE IN COUNTRY」識別子を示すことができる。そのような特徴は、リモート・コントロールだけでなくペンの箱とも関連付けることができる。
【0045】
したがって、物体識別モジュール306は、音声/ビデオ装置332を使用して、可能な物体のリストでユーザに促すことができる。ユーザは、ユーザ入力インターフェース334を使用して、物体を識別するためにリストから選択することができる。しかし、音声/ビデオ装置332を使用してユーザに提示されたリスト上に物体がない場合、ユーザは、ユーザ入力インターフェース334を使用して物体の識別を与えることができる。ユーザは、例えば表面310上に表示されるキーボードを介して、入力を与えることができる。ユーザが物体を識別すると、物体識別モジュール306は、後で使用するために、物体の識別を特徴と共に物体特徴データ構造328に格納することができる。物体の識別を使用して、物体識別モジュール306は、類似の特徴を有する別の物体が物体特徴データ構造328と共に存在するかどうかを判定することができる。類似の物体が存在する場合、物体識別モジュール306は、新しい物体をマークして、他の物体が使用するのと同一の、プレゼンテーション・ファイル330内のプレゼンテーションを使用することができる。この物体のマーキングを使用して、物体識別モジュール306は、物体に関連するビデオ・プレゼンテーションが、音声/ビデオ装置332に出力することのできるプレゼンテーション・ファイル330内に存在するかどうかを判定することができる。物体に関連するプレゼンテーションがプレゼンテーション・ファイル330内に存在する場合、物体識別モジュール306は、音声/ビデオ装置332を使用してプレゼンテーションをユーザに提示することができる。
【0046】
ユーザが物体を識別しない場合、物体識別モジュール306は、物体に関連する特徴を識別「unknown」と共に物体特徴データ構造328に格納することができる。同一または類似の特徴を有する物体に後で遭遇した場合、物体識別モジュール306は、音声/ビデオ装置332を使用してユーザに促し、最後にこの物体に遭遇したときに識別なし(no indentification)が与えられたことを示すことができる。この時点で、ユーザは、物体を識別することがあり、または物体を識別することに再び失敗することがある。ユーザが物体を識別することに再び失敗した場合、物体識別モジュール306は、物体に遭遇する次の所定の時間量の間、物体識別アプリケーション302が再初期化されるまで、ある所定の時間枠などまで、次回に物体に遭遇したことをユーザに促すことをやめる。
【0047】
別の実施形態では、物体のグループを同時に表面310上に配置することができ、物体識別モジュール306は、物体特徴データ構造328内のカテゴリ・フィールドを使用して、ある物体を、物体のグループ内の別の物体の識別に基づいて識別することができる。例えば、イヤリング、ネックレス、およびブレスレットが表面310上に配置される場合、物体識別モジュール306は、イヤリングおよびネックレスを識別することができ、物体識別モジュール306は、ブレスレットを容易には識別することができない。しかし、イヤリングおよびネックレスの識別に基づいて、物体識別モジュール306は、グループ・カテゴリを「宝飾品」と識別することができ、識別を、宝飾品のカテゴリを有する円形の物体に狭めることができる。次いで、物体識別モジュール306は、まだ識別されていない物体に関連する特徴を使用する。例えば、物体識別モジュール306は、重量1オンス(28g)、温度変化なし、円形の幾何学的形状、面積1.77平方インチ(11.4cm)、特徴マーキングなしなどの未確認物体に関連する特徴を受け取ることができる。次いで、物体識別モジュール306は、物体特徴データ構造328内の宝飾品のカテゴリを有する物体のみを探索し、円形の幾何学的形状を有するすべてのアイテムを識別することができる。こうしたアイテムが識別されると、物体識別モジュール306は、識別したアイテムを重量、次いで面積で限定することができ、その度ごとに、識別したアイテムの数を限定し、願わくば物体識別モジュール306はブレスレットを識別する。
【0048】
したがって、例示的実施形態は、物体に関連する特徴を識別するセンサを使用することにより、表面上に配置される、識別タグを有さない物体を識別する機構を提供する。識別される特徴は、重量値、温度変化値、面積値、幾何学的形状、識別情報、イメージなどを含むことができる。特徴を使用して、物体を識別することができ、識別した物体に関連するプレゼンテーションをユーザに提示することができる。
【0049】
図4は、例示的実施形態による物体識別アプリケーションを使用して識別することのできるいくつかの例示的物体を示す。物体402〜408のそれぞれが図3の表面310などの表面上に配置されるとき、図3の物体識別アプリケーション302などの物体識別アプリケーションは、物体402〜408のそれぞれに関連する特徴を識別することができる。物体402について、例えば、重量受信モジュールは重量値18オンス(0.51kg)を計算することができ、温度受信モジュールは温度変化値0度を求めることができる。さらに、面積計算器は、例えば、矩形の幾何学的形状と面積5×7=35平方インチ(225cm)を求めることができる。最終的に、光学式文字認識(OCR)モジュールは、バーコード410、出版社412、および追加のテキスト414を識別することができる。こうした特徴を使用して、物体識別アプリケーションは、上述の物体特徴データ構造内の物体の連続的限定を使用して、物体を書籍と識別することができる。
【0050】
物体404について、例えば、重量受信モジュールは重量値32オンス(0.91kg)を計算することができ、温度受信モジュールは温度変化値−6°F(−3.3°C)を求めることができる。さらに、面積計算器は、例えば、円形の幾何学的形状と、面積(2.5/2)×3.14=3.925平方インチ(25.32cm)を求めることができる。最終的に、OCRモジュールは、製造業者416、リサイクル・イメージ418、およびモデル番号420を識別することができる。こうした特徴を使用して、物体識別アプリケーションは、上述の物体特徴データ構造内の物体の連続的限定を使用して、物体を冷たい液体の入ったポリスチレン・カップと識別することができる。
【0051】
物体406について、例えば、重量受信モジュールは重量値0.5オンス(14g)を計算することができ、温度受信モジュールは温度変化値0°度を求めることができる。さらに、面積計算器は、例えば、円形の幾何学的形状と、面積(4.75/2)×3.14=5.456平方インチ(35.20cm)を求めることができる。最終的に、光学式文字認識(OCR)モジュールは、文字を識別することに失敗する可能性があるが、撮像受信モジュールは反射性の性質を求めることができる。こうした特徴を使用して、物体識別アプリケーションは、上述の物体特徴データ構造内の物体の連続的限定を使用して、物体をコンパクト・ディスク(CD)またはデジタル・ビデオ・ディスク(DVD)と識別することができる。
【0052】
物体408について、例えば、重量受信モジュールは重量値1オンス(28g)を計算することができ、温度受信モジュールは温度変化値0°度を求めることができる。さらに、面積計算器は、例えば、矩形および三角形の幾何学的形状と、面積(5/0.5)+(1/2×(0.25×0.5))+(1/2×(0.25×0.5))=2.625平方インチ(16.94cm)を求めることができる。光学式文字認識(OCR)モジュールは、文字を識別することに失敗する可能性がある。こうした特徴を使用して、物体識別アプリケーションは、上述の物体特徴データ構造内の物体の連続的限定を使用して、物体をペンまたは鉛筆と識別することができる。
【0053】
前述のように、物体406および408などの物体について、物体識別アプリケーションは物体406および408のそれぞれについて複数の物体を識別している可能性があるので、物体識別アプリケーションは、物体を正確に識別するようにユーザに促すことができる。すなわち、物体406について、物体識別アプリケーションは、CD、DVD、および「その他」からなるリストから選択するようにユーザに促すことができる。ユーザが「その他」を選択した場合、物体識別アプリケーションは、物体の名前を入力するようにユーザに促すことができる。
【0054】
したがって、例示的実施形態は、物体に関連する、重量値、温度変化値、面積値、幾何学的形状、識別情報、イメージなどの特徴を識別するセンサを使用して、表面上に配置される物体を識別する機構を提供する。
【0055】
図5は、本発明による例示的オペレーションを略述する流れ図である。流れ図の各ブロックおよび流れ図のブロックの組合せをコンピュータ・プログラム命令で実装できることを理解されよう。こうしたコンピュータ・プログラム命令をプロセッサまたは他のプログラム可能データ処理機器に提供してマシンを生成することができ、それによって、プロセッサまたは他のプログラム可能データ処理機器上で実行される命令が、流れ図のブロックで指定される機能を実装する手段を生成する。こうしたコンピュータ・プログラム命令を、プロセッサまたは他のプログラム可能データ処理機器に特定の方式で機能するように指示することのできるコンピュータ可読メモリまたは記憶媒体に格納することもでき、それによって、コンピュータ可読メモリまたは記憶媒体に格納された命令が、流れ図のブロックで指定される機能を実装する命令手段を含む製品を生成する。
【0056】
したがって、流れ図のブロックは、指定の機能を実施する手段の組合せ、指定の機能を実施するステップの組合せ、および指定の機能を実施するプログラム命令手段をサポートする。流れ図の各ブロック、および流れ図のブロックの組合せを、指定の機能またはステップを実行する専用ハードウェア・ベースのコンピュータ・システム、あるいは専用ハードウェアとコンピュータ命令の組合せで実装できることも理解されよう。
【0057】
さらに、例示的実施形態内で実施されるオペレーションを実演するために流れ図が与えられる。流れ図は、特定のオペレーションに関する制限、またはより具体的には、オペレーションの順番に関する制限を記述または示唆するものではない。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、特定の実装に適合するように流れ図のオペレーションを修正することができる。
【0058】
図5は、例示的実施形態による物体識別アプリケーションの例示的初期オペレーションを示す。オペレーションが開始したとき、物体識別アプリケーションが初期化され、初期化は、表面に関連するセンサのすべてを初期化することを含む(ステップ502)。この時点では、表面に関連するセンサのすべては即時測定を行い、それが、物体が物体識別アプリケーションに関連する表面上に配置されたときに計算を行う際に使用される。表面に関連するセンサを使用して、物体識別アプリケーションは、物体が表面上に配置されているかどうかを判定することができる(ステップ504)。
【0059】
ステップ504で物体が表面上に配置されていない場合、オペレーションはステップ504に戻る。ステップ504で物体が表面上に配置されている場合、物体識別アプリケーションは、物体に関連する特徴を受け取る(ステップ506)。特徴は、重量値、温度変化値、面積値、幾何学的形状、特徴マーキング、イメージなどのうちの1つまたは複数でよい。物体識別モジュールは、物体がバーコードなどの識別タグを有するかどうかを判定する(ステップ508)。ステップ508で物体が識別タグを有する場合、物体識別モジュールは、データ構造内に、識別した物体に関連するプレゼンテーションがあるかどうかを判定する(ステップ510)。ステップ510で物体に関連するプレゼンテーションがデータ構造内に存在する場合、物体識別モジュールは、音声/ビデオ・プレゼンテーション装置を介してユーザへのプレゼンテーションを開始し(ステップ512)、その後でオペレーションはステップ504に戻る。関連するプレゼンテーションは、音声、ビデオ、音声とビデオの組合せ、テキスト、グラフィカル・イメージ、またはピクチャ、あるいはそれらの組合せでよい。ステップ510で物体に関連するプレゼンテーションがデータ構造内に存在しない場合、オペレーションはステップ504に戻る。
【0060】
ステップ508で物体が識別タグを有さない場合、物体識別モジュールは、受け取った特徴のすべてまたは一部を使用して、物体特徴データ構造に格納された物体に関する類似の特徴に基づいて物体を識別する(ステップ514)。物体識別モジュールは、受け取った特徴を有する物体が以前に識別されているかどうかを判定する(ステップ516)。物体識別モジュールは、物体を識別するために、重量受信モジュール、温度受信モジュール、イメージ受信モジュール、面積計算器、またはOCRモジュール、あるいはそれらの組合せから受け取った特徴情報を使用して、物体特徴データ構造内の物体に関連する特徴を探索する。
【0061】
ステップ516で物体識別モジュールが受け取った特徴に厳密に合致する物体を識別した場合、または特徴がある所定の公差以内で満たされる場合、オペレーションはステップ510に進む。ステップ516で物体識別モジュールが比較される特徴において厳密に合致する物体を識別することに失敗する場合、または特徴がある所定の公差以内で満たされない場合、物体識別モジュールは、類似の特徴を有する少なくとも1つの物体が以前に識別されているかどうかを判定する(ステップ518)。ステップ518で物体識別モジュールが少なくとも1つの物体を識別することができる場合、物体識別モジュールは、ユーザが物体を識別することができるように、識別された物体のリストを用いてユーザに促す(ステップ520)。ステップ518で物体識別モジュールが少なくとも1つの物体を識別することができない場合、物体識別モジュールは、物体を識別するようにユーザに促す(ステップ522)。
【0062】
ステップ520または522から、物体識別モジュールは、ユーザが物体を識別したかどうかを判定する(ステップ524)。ステップ524でユーザが物体を識別した場合、物体識別モジュールは、物体識別を含むパラメータを物体の特徴と共に物体特徴データ構造に格納し(ステップ526)、その後でオペレーションはステップ510に進む。ステップ524でユーザが物体を識別することに失敗した場合、物体識別モジュールは、ユーザに対するプロンプトがキャンセルされているかどうかを判定する(ステップ528)。ステップ528でプロンプトがキャンセルされていない場合、オペレーションはステップ524に戻る。ステップ528でプロンプトがキャンセルされている場合、オペレーションはステップ504に戻る。
【0063】
したがって、例示的実施形態は、物体に関連する特徴を識別するセンサを使用することにより、表面上に配置される、識別タグを有さない物体を識別する機構を提供する。重量、面積、温度、幾何学的形状、特徴マーキングなどの特徴を識別することにより、物体を直接的または間接的に識別することができる。物体が識別されると、音声、ビデオ、音声とビデオの組合せ、テキスト、グラフィカル・イメージ、またはピクチャ、あるいはそれらの組合せなど、情報をユーザに対して表示することができる。さらに、物体の特徴の変化に基づいて、他のユーザに変化を通知することができ、それによってそうした他のユーザはアクションを実行することができる。
【0064】
例示的実施形態は、専用ハードウェア実施形態、一般処理ハードウェアを有するコンピュータ・システム上で実行されるソフトウェア実施形態、または専用ハードウェアと、一般処理ハードウェアを有するコンピュータ・システム上で実行されるソフトウェア要素とを共に含む実施形態の形態を取ることができることを理解されたい。例示的一実施形態では、例示的実施形態の機構が、ソフトウェア製品として実装され、ソフトウェア製品は、限定はしないがファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含むことができる。
【0065】
さらに、例示的実施形態は、コンピュータまたは任意の命令実行システムによって使用するための、またはコンピュータまたは任意の命令実行システムと共に使用するためのプログラム・コードを提供するコンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体からアクセス可能なコンピュータ・プログラムの形態を取ることができる。この説明では、コンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体は、命令実行システム、機器、または装置によって使用され、またはそれと共に使用されるプログラムを含むことができ、格納することができ、通信することができ、伝播することができ、または移送することのできる任意の機器でよい。
【0066】
媒体は、電子的、磁気的、光学的、電磁的、または半導体のシステム、機器、または装置でよい。コンピュータ可読媒体の例は、半導体または固体メモリ、磁気テープ、取外し可能コンピュータ・ディスケット、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、硬質磁気ディスク、および光ディスクを含む。光ディスクの現在の例は、コンパクト・ディスク−読取り専用メモリ(CD−ROM)、コンパクト・ディスク−読取り/書込み(CD−R/W)、およびDVDを含む。
【0067】
コンピュータ・プログラムのプログラム・コードは、クライアントまたはサーバ・データ処理システム内のコンピュータ可読記憶媒体に格納される命令を含む。クライアント・データ処理システム実施形態では、サーバ・データ処理システム、クライアント・データ処理システム、ピアツーピア通信方法を使用する複数のクライアント・データ処理システムなどの1つまたは複数のリモート・データ処理システムからネットワークを介して命令をダウンロードされていることがある。サーバ・データ処理システム実施形態では、リモート・データ処理システムと共にコンピュータ可読記憶媒体で使用するために、ネットワークを介してリモート・データ処理システム、例えばクライアント・データ処理システムにダウンロードするように命令を構成することができ、または実際に命令をダウンロードすることができる。
【0068】
プログラム・コードを格納または実行し、あるいはその両方を行うのに適したデータ処理システムは、システム・バスを介してメモリ要素に直接的または間接的に結合された少なくとも1つのプロセッサを含む。メモリ要素は、プログラム・コードの実際の実行中に使用されるローカル・メモリと、バルク・ストレージと、実行中にバルク・ストレージからコードを取り出さなければならない回数を削減するために少なくとも一部のプログラム・コードの一時記憶を実現するキャッシュ・メモリとを含むことができる。
【0069】
入出力装置すなわちI/O装置(限定はしないが、キーボード、ディスプレイ、ポインティング・デバイスなどを含む)を、直接的に、または介入I/Oコントローラを介してシステムに結合することができる。ネットワーク・アダプタをシステムに結合し、介入プライベートネットワークまたは公衆ネットワークを介してデータ処理システムを他のデータ処理システムまたはリモート・プリンタまたは記憶装置に結合することを可能にすることもできる。モデム、ケーブル・モデム、およびイーサネット(R)・カードは、現在入手可能なタイプのネットワーク・アダプタのほんの一部である。
【0070】
本発明の説明を例示および説明のために提示したが、本発明の説明は網羅的なものではなく、開示の形態の発明に限定されないものとする。多数の修正形態および変形形態が当業者には明らかであろう。本発明の原理、実際的な応用例を最も良く説明するため、および企図される特定の使用法に適する様々な修正を伴う様々な実施形態に関して当業者が本発明を理解することが可能となるように実施形態を選び、説明した。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】例示的実施形態の諸態様を実装することのできる例示的分散データ処理システムの例示的表現である。
【図2】例示的実施形態の諸態様を実装することのできる例示的データ処理システムのブロック図である。
【図3】例示的実施形態による物体認識システムの例示的機能ブロック図である。
【図4】例示的実施形態による物体識別アプリケーションを使用して識別することのできるいくつかの例示的物体を示す図である。
【図5】例示的実施形態による物体識別アプリケーションの例示的初期オペレーションを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面上に配置された物体を識別する方法であって、
物体が前記表面上に配置されているという表示を受け取るステップと、
前記物体に関連する複数の物理的特徴を識別するステップと、
前記複数の物理的特徴を使用して、データ構造を探索し、前記複数の物理的特徴に合致する物理的特徴を有する単一の物体の存在を判定するステップと、
合致に応答して、前記単一の物体が、関連するプレゼンテーションを有するかどうかを判定するステップと、
前記関連するプレゼンテーションの存在に応答して、前記関連するプレゼンテーションをユーザに提示するステップと
を含む方法。
【請求項2】
コンピュータ可読プログラムを有するコンピュータ使用可能媒体を含むコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータ可読プログラムが、データ処理システムで実行されたときに、前記データ処理システムに、
物体が前記表面上に配置されているという表示を受け取り、
前記物体に関連する複数の物理的特徴を識別し、
前記複数の物理的特徴を使用して、データ構造を探索し、前記複数の物理的特徴に合致する物理的特徴を有する単一の物体の存在を判定し、
合致に応答して、前記単一の物体が、関連するプレゼンテーションを有するかどうかを判定し、
前記関連するプレゼンテーションの存在に応答して、前記関連するプレゼンテーションをユーザに提示する
ことをさせるコンピュータ・プログラム。
【請求項3】
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリであって、命令を含み、前記命令が、前記プロセッサで実行されたときに、前記プロセッサに、
物体が前記表面上に配置されているという表示を受け取り、
前記物体に関連する複数の物理的特徴を識別し、
前記複数の物理的特徴を使用して、データ構造を探索し、前記複数の物理的特徴に合致する物理的特徴を有する単一の物体の存在を判定し、
合致に応答して、前記単一の物体が、関連するプレゼンテーションを有するかどうかを判定し、
前記関連するプレゼンテーションの存在に応答して、前記関連するプレゼンテーションをユーザに提示する
ことをさせるメモリと
を備えるシステム。
【請求項4】
前記命令がさらに、前記プロセッサに、
前記単一の物体を識別することに失敗したことに応答して、前記データ構造を探索して、前記複数の物理的特徴の公差以内にある物理的特徴を有する1つまたは複数の物体の存在を判定し、
前記1つまたは複数の物体を識別したことに応答して、前記1つまたは複数の物体のリストから前記物体を識別するように前記ユーザに促し、
前記ユーザが前記物体を識別したことに応答して、前記物体が、関連するプレゼンテーションを有するかどうかを判定し、
前記関連するプレゼンテーションの存在に応答して、前記関連するプレゼンテーションをユーザに提示する
ことをさせる請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記命令がさらに、前記プロセッサに、
前記1つまたは複数の物体を識別することに失敗したことに応答して、前記物体を識別するように前記ユーザに促し、
前記ユーザが前記物体を識別したことに応答して、前記物体が、関連するプレゼンテーションを有するかどうかを判定し、
前記関連するプレゼンテーションの存在に応答して、前記関連するプレゼンテーションをユーザに提示する
ことをさせる請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記命令がさらに、前記プロセッサに、
前記物体の識別および前記複数の物理的特徴を前記データ構造に格納させる請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記命令がさらに、前記プロセッサに、
前記複数の物理的特徴を使用して、前記データ構造を探索し、別の物体に関連する物理的特徴に基づいて前記単一の物体の存在を判定し、
前記別の物体に関連する物理的特徴に基づく前記単一の物体の物理的特徴の合致に応答して、前記単一の物体が、関連するプレゼンテーションを有するかどうかを判定し、
前記関連するプレゼンテーションの存在に応答して、前記関連するプレゼンテーションをユーザに提示する
ことをさせる請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
前記命令がさらに、前記プロセッサに、
前記単一の物体の識別および前記複数の物理的特徴を伴う表示を別のユーザに送らせる請求項3に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数の物理的特徴が、重量、温度、面積、幾何学的形状、または特徴マーキングのうちの少なくとも1つを含む請求項3に記載のシステム。
【請求項10】
前記複数の物理的特徴が、重量、温度、面積、幾何学的形状、および特徴マーキングの組のうちの少なくとも2つを含む請求項3に記載のシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−169951(P2009−169951A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−1295(P2009−1295)
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】