説明

施工パネル

本発明は、特に乾式工法で使用するための、施工パネルに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に乾式工法で使用するための、施工ボードに関する。
【0002】
特に、そのような施工ボードは、いわゆるセメント施工ボードの形でも知られている。セメント施工ボードは、セメントをベースとする接合材を用いて製作される。
【背景技術】
【0003】
そのような施工ボードの断熱特性を高め、重量を減少するために、特に膨張粘土、膨張頁岩、膨張ガラス、または軽石の形の、多孔性バルク材料を接合材混合物に加えることが知られている。
【0004】
一つには、これらの構成成分の密度が比較的高く、通常350から700kg/m3の範囲であることが、欠点である。このため、施工ボードの密度または重量の縮小可能性が制限される。また、上述の多孔性バルク材料を使用して製作される施工ボードの、断熱特性を改善する必要がある。
【0005】
しかし、上述のバルク材料の使用の欠点はまた特に、上述のバルク材料の入手可能性が国際的なものに限られており、そのためほとんどの場合、バルク材料をまず、高いロジスティック費用を費やして施工ボード製造場所に輸送しなければならないことである。
【0006】
上述の多孔性バルク材料の優れた代替材料は、膨張パーライトである。というのもこの材料は、極めて低い密度(わずか約70kg/m3の乾燥バルク密度(バルク重量))を有し、したがって、膨張パーライトを使用して製作される施工ボードの断熱特性を、大幅に改善することができるからである。ただし、パーライトの特に有利な点は、パーライトが約10から15の膨張係数を示すことであり、これは、未加工パーライトから膨張パーライトへと膨張するときに、パーライトが上述の計数で膨張することを意味する。未加工パーライトは、空間が小さいため、少ないロジスティックコストで使用場所へと輸送し、そこでのみ膨張させることができる。
【0007】
したがって実際、施工ボードにおける応用例に、膨張パーライトを使用するための試みがなされてこなかったのではない。現在まで、パーライトのそのような応用例は特に、膨張パーライトの吸収能力が高く、その結果、膨張パーライトが湿潤接合材混合物の水分またはその他の湿潤成分を吸収するため、失敗してきた。これらの施工ボードの残留湿分は、50%を大幅に上回ることが多かった。これは、特に乾燥中に、重大な問題を生じた(十分な乾燥は全く実現不可能であることが多く、それ以外にも、妥当な時間内に所望の残留湿分まで乾燥することは、かなりの経費を伴う乾燥機器を使用する場合のみ実現可能であった。)
【特許文献1】欧州特許第0829459号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の問題を生じない、膨張パーライトを使用して製作される施工ボードを提供するという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、
・硬化した無機接合材のマトリックス、
・膨張パーライトの粒子が、接合材マトリックス内に埋没させられること、
・膨張パーライトの粒子に疎水化剤が塗布されること、という上記特徴を示す施工ボードによって解決される。
【0010】
この施工ボードの好ましい利点によれば、前記ボードはさらに、
・不活性充填材材料が、接合材マトリックス内に埋没させられること、
・不活性充填材材料が、疎水化された膨張パーライトの乾燥バルク密度よりも高い乾燥バルク密度を有すること、という上記特徴を示す。
【0011】
本発明の中心的な構想は、疎水化剤を、膨張パーライト上に直接塗布することである。それによって、膨張パーライトの粒子内への、水、特に接合材混合物の混合水、または他の液体の進入が、効果的に防止される。
【0012】
接合材混合物から接合材混合物の吸収性構成成分内への湿分の進入を低減するための、接合材混合物の一括した疎水化が、たとえば特許文献1などの従来技術から知られている。しかし、一括した疎水化では、膨張パーライト内への、湿分、特に接合材混合物の混合水の進入を、十分な程度まで防止することができない。
【0013】
ボードのさらなる乾燥を伴わない、この応用例による施工ボードの残留湿分は、たとえば、施工ボードの総重量に対して、10質量%と20質量%の間とすることができる。
【0014】
膨張パーライトを使用して製作された施工ボードを用いた試みから、施工ボードの乾燥バルク密度が、施工ボードが多くの実際の応用例にとって「過度に軽量」となる程度まで、膨張パーライトによって部分的に低減されるという問題が知られている。
【0015】
そのような過度に軽量な施工ボードはもはや、要求される物理的強度を示さない。また、これらの過度に軽量な施工ボードは、建物の外部上で風によって引き剥がされやすい。
【0016】
さらに、対応する施工ボードでは、接合材の硬化中に、かなりの収縮、およびそれから生じる施工ボード内の収縮割れが、部分的に生じることが見出された。
【0017】
上述の問題を解決するための、本発明のさらなる中心的な構想は、膨張パーライト粒子の構成成分の他に、不活性充填材材料の形の構成成分を、接合材混合物内に提供することである。
【0018】
一つには、疎水化された膨張パーライトの乾燥バルク密度よりも高い乾燥バルク密度を有するこの不活性充填材材料によって、施工ボードの平均密度または(単位面積当たりの)重量を、個別に調整または増加することができる。たとえば、比較的高い割合の膨張パーライトが使用される場合(それによって施工ボードの密度が大幅に低減され、その断熱特性が改善される)、同時に、比較的高い割合の不活性充填材材料を使用することができ、それによって、施工ボードの密度を所望の値に上昇させることができる。同様に、施工ボードの所望の密度または所望の(単位面積当たりの)重量に応じて、かつ、施工ボードの所望の断熱特性、およびその結果生じる施工ボード内の膨張パーライトのそれぞれの割合に応じて、施工ボード内の不活性充填材材料の量を変え、調整することができる。
【0019】
しかしもう一つには、特に接合材の硬化中の過剰な収縮もまた、充填材材料によって防ぐことができる。これは特に、充填材材料が、その不活性特性を有するため収縮しないことに起因する可能性がある。本発明によれば、不活性充填材材料内の0.1μm未満の孔の割合が、(不活性充填材材料の孔の全体積に対して)3%未満である場合、不活性充填材材料は、特に収縮耐性を有することが見出された。
【0020】
本発明によれば、不活性充填材材料の添加量を増大することによって、この応用例による施工ボードの強度を高めることができることが、さらに見出された。これは明らかに、不活性充填材材料を使用するときに、接合材混合物の収縮特性が大幅に改善されることに起因する可能性がある。したがって、膨張パーライトの割合の増大とともに、施工ボードの強度が低下する場合、強度を再び高めるために、さらなる不活性充填材材料を添加することができる。
【0021】
この応用例による施工ボードは、原則として、任意の無機接合材ベースで製作することができる。好ましくは、セメントの形、特に、たとえばCEM I 32.5 R、CEM I 42.5 R、またはCEM I 52.5 Rなどポルトランドセメントの形の、接合材を使用することができる。
【0022】
硬化した接合材は、マトリックスを形成し、その中に、この応用例による施工ボードを製作する接合材混合物の、1つまたは複数の添加構成成分が埋没させられる。
【0023】
添加構成成分のうちの1つは、膨張パーライトの粒子である。膨張パーライトの粒子は、たとえば、0mmより大きく6mmまでの範囲の粒子サイズを有することができる。特に好ましくは、膨張パーライトは、0.1mmから3mmまでの範囲の粒子サイズを有する。膨張パーライトの粒子はまた、たとえば、0.1mmから6mm、0.5mmから6mm、1mmから6mm、0.5mmから3mm、または1mmから3mmの範囲の粒子サイズを有することができる。
【0024】
好ましくは、膨張パーライトの最も大きい粒子は、施工ボードの厚さの3分の1未満の粒子サイズを有する。
【0025】
本発明による予備的な疎水化に使用される、 (疎水化剤が塗布されていない) 膨張パーライトの乾燥バルク密度(バルク重量)は、たとえば40kg/m3から100kg/m3、したがって、たとえば60kg/m3から80kg/m3の範囲とすることができる。疎水化されたパーライトの乾燥バルク密度は、たとえば50kg/m3から150kg/m3、したがって、たとえばまた70kg/m3から100kg/m3の範囲とすることができる。
【0026】
本発明によれば、疎水化剤が、膨張パーライトの粒子に塗布される。たとえば、ワックス、好ましくはたとえばシリコーン油の形のシリコーン、またはオイレン酸ナトリウムの形の、疎水化剤を膨張パーライトの粒子に塗布することができる。疎水化剤は、好ましくは液体の形、たとえば液体オイレン酸ナトリウムの形またはポリジメチルシロキサンの水性乳剤の形など、たとえば水性乳剤の形で塗布することができる。
【0027】
対応するすでに予備的に疎水化された膨張パーライトの粒子は、続いて、接合材混合物内に導入される。
【0028】
本発明による予備的に疎水化されたパーライトの粒子は、特に、それらが疎水化された「外皮」とともに接合材マトリックス内に存在し、同時に、接合材混合物の成分、特に液体成分が、粒子の内側に入らないことを特徴とすることができる。
【0029】
膨張パーライトの粒子の代わりに、膨張バーミキュライトまたは発泡ガラスの粒子を、重複してまたは代替的に、同等のやり方で使用することができる。本明細書における膨張パーライトに関する説明は、膨張バーミキュライトおよび発泡ガラスの粒子にも、同様に当てはまる。
【0030】
これに加えて、接合材混合物がまた、一括して疎水化されることを意図することができる。したがって、接合材混合物は、たとえばワックス、シリコーンなどによって、またはオイレン酸ナトリウムによって、疎水化することができる。接合材混合物の一括した疎水化によって、硬化した接合材混合物およびそれとともに施工ボードが、湿分の進入から効果的に保護される。
【0031】
添加構成成分として、この応用例による施工ボードを製作する接合材混合物は、不活性充填材材料を含有する。原則的に、疎水化された膨張パーライトの乾燥バルク密度よりも乾燥バルク密度が高い、任意の不活性充填材材料を使用することができる。好ましくは、粉末石の形、特に好ましくは粉末石灰石の形の、不活性充填材材料を使用することができる。一般に、好ましくは粉末の形または微粒子の形で使用される1つまたは複数の以下の不活性充填材材料、すなわち、粉末石灰石、砂、硬砂岩、玄武岩、白雲石、火山岩、スレート(粘板岩)またはこの応用例による施工ボード製品からの再利用材料を、使用することができる。
【0032】
本発明によれば、「不活性」充填材材料は、接合材または接合材混合物の硬化特徴に悪影響を与えないこと、またさらにはそれらを改善することが意図される。すなわち、上記のような不活性充填材材料は、接合材混合物の収縮特性を改善する。
【0033】
「不活性」材料によって意味されるものは、接合材の当業者に十分に知られており、そのため、さらなる定義はここでは割愛することができる。特に、知られているように、充填材材料が、いかなる水硬特性または潜在的な水硬特性も有さず、または充填材材料が、接合材混合物内でいかなる有意な化学反応も示さないことが、本明細書によって表されている。
【0034】
不活性充填材材料の乾燥バルク密度(バルク重量)は、たとえば150kg/m3から1500kg/m3の範囲、したがって、たとえばまた300kg/m3から1000kg/m3または350kg/m3から800kg/m3の範囲とすることができる。
【0035】
接合材、疎水化された膨張パーライト、および任意選択の不活性充填材材料に加えて、この応用例による接合材混合物またはそれから製作される施工ボードはまた、1つまたは複数の添加構成要素を含むことができる。接合材混合物はたとえば、さらなる割合の珪酸質または潜在的に水硬性の材料、たとえばフライアッシュなどを、含むことができる。
【0036】
好ましい実施形態によれば、施工ボードは、少なくとも一方、好ましくは両方の主表面(施工ボードの2つの大きい表面)上に被覆層を有する。そのような被覆層は、たとえば、硬化した無機接合材、好ましくは接合材スリップで構成することができる。好ましくは、特に繊維マットの形の補強材を、接合材中に埋没させることができる。
【0037】
これらの被覆層は、上記のように設計される施工ボードの「コア」の外側を被覆する。被覆層の接合材は、好ましくは、施工ボードの「コア」と同じ接合材、したがって好ましくはポルトランドセメントで構成される。
【0038】
繊維マットは、好ましくは、アルカリエッチングから保護されるガラス繊維(被覆)、または耐アルカリ性ガラス繊維で製作される。繊維マットは、特にまた、縁部を強化するために、施工ボードの境界または縁部区域内のみに提供される。
【0039】
施工ボードの外側は特に、被覆層によって、有利に設計されることができる。たとえば、施工ボードは、接合材スリップで製作される被覆層によって、外観が魅力的で平滑な表面を備えることができる。
【0040】
被覆層の接合材は、たとえばワックス、シリコーンによって、またはオイレン酸ナトリウムによって、一括して疎水化することができる。被覆層の一括した疎水化によって、施工ボードが、湿分の進入から特に効果的に保護される。
【0041】
この応用例による施工ボードの構成成分は、たとえば(施工ボードの全質量に対して)
・10質量%から40質量%の範囲、したがって、たとえばまた15質量%から35質量%の範囲、または20質量%から30質量%の範囲の接合材、
・3質量%から30質量%の範囲、したがって、たとえばまた5質量%から20質量%の範囲、または5質量%から15質量%の範囲の疎水化された膨張パーライト、
・0質量%から20質量%の範囲、したがって、たとえばまた5質量%から20%質量%の範囲、または10質量%から15質量%の範囲の任意選択の水分(残留湿分) 、
・0質量%から70質量%の範囲、したがって、たとえばまた20質量%から60%質量%の範囲、または30質量%から60質量%の範囲の任意選択の添加構成成分の、質量百分率の範囲とすることができる。
【0042】
不活性充填材材料をさらに使用して製作された、この応用例による施工ボードの場合、構成成分は、たとえば(施工ボードの全質量に対して)
・10質量%から40質量%の範囲、したがって、たとえばまた15質量%から35%質量%の範囲、または20質量%から30質量%の範囲の接合材、
・3質量%から30質量%の範囲、したがって、たとえばまた5質量%から20質量%の範囲、または5質量%から15質量%の範囲の疎水化された膨張パーライト、
・10質量%から70質量%の範囲、したがって、たとえばまた20質量%から60%質量%の範囲、または30質量%から60質量%の範囲、または40質量%から60質量%の範囲の不活性充填材材料、
・0質量%から20質量%の範囲、したがって、たとえばまた5質量%から20%質量%の範囲、または10質量%から15質量%の範囲の任意選択の水分(残留湿分) 、
・0質量%から20質量%の範囲、したがって、たとえばまた2質量%から15%質量%の範囲の任意選択の添加構成成分の、質量百分率の範囲とすることができる。
【0043】
一般的な施工ボードは、現在までに、約1,000kg/m3から1,200kg/m3の範囲の密度で製作可能であったが、この応用例による施工ボードは、たとえば300kg/m3から1,200kg/m3で製造可能である。施工ボードは、好ましくは、350kg/m3から1,000kg/m3、したがって、たとえばまた400kg/m3から900kg/m3、または500kg/m3から800kg/m3の範囲の密度を有する。
【0044】
この応用例における上記およびその他の密度および重量の指定は、製品の乾燥バルク密度に基づく指定である。
【0045】
施工ボードでは、単位面積当たりの重量もまた、重要な役割を果たす。10mmから15mmの範囲、したがって、たとえば12.5mmの厚さを有する、この応用例による施工ボードの厚さでは、たとえば、4kg/m2から15kg/m2の範囲、したがって、たとえばまた5kg/m2から13kg/m2、5kg/m2から12kg/m2、または6kg/m2から10kg/m2の範囲の単位面積当たりの重量を有する、この応用例による施工ボードを製造することができる。
【0046】
この応用例による施工ボードの例示的な構成成分は、以下の通りである。
・ポルトランドセメント:24.1質量%。
・疎水化された膨張パーライト(シリコーン油の形の疎水化剤、パーライトの粒子サイズ0.1mm〜3mm):9.8質量%。
・粉末石灰石:49.5質量%。
・残留湿分:16.6質量%。
【0047】
この応用例による施工ボードに塗布される被覆層の例示的な構成成分は、たとえば以下の通りである。
・ポルトランドセメント:20.0質量%。
・粉末石灰石:60.0質量%。
・ガラス繊維マット:7.7質量%。
・残留湿分:12.3質量%。
【0048】
2つの主表面それぞれの上に被覆層を備える、この応用例による施工ボードの例示的な構成成分は、たとえば以下の通りである。
・ポルトランドセメント:23.3質量%。
・疎水化された膨張パーライト(シリコーン油の形の疎水化剤、パーライトの粒子サイズ0.1mm〜3mm):10.0質量%。
・粉末石灰石:52.4質量%。
・ガラス繊維マット:1.3質量%。
・残留湿分:13質量%。
【0049】
本発明による施工ボードは、たとえば、10mmから15mmの範囲の厚さ、たとえば12.5mmの厚さを有することができる。
【0050】
被覆層はそれぞれ、たとえば0.5mmから3mmの範囲の厚さ、したがって、たとえばまた1mmの厚さを有することができる。したがって、12.5mmの厚さを有するボードは、たとえば、10.5mmの厚さを有する「コア」を有することができ、「コア」は、その2つの主表面それぞれの上に、1mmの厚さを有する被覆層を有する。
【0051】
本発明による施工ボードは、乾式工法において、たとえば壁または床のボードとして、特に、たとえばまたプラスタベースのボードとしての使用に、特に適している。
【0052】
この応用例による施工ボードの上述の特徴はすべて、個別にまたは組み合わせて、互いに任意で組み合わせることができる。
【0053】
この応用例による施工ボードの一実施形態を、以下の図の説明によってより詳細に説明する。それは極めて概略化されて示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
図1に、コア3を用いて構築された施工ボード1を通る断面図が示されており、1つの主表面9(ここでは上面)および第2の主表面11(ここでは底面)上に、被覆層5(頂部)および被覆層7(底部)が塗布されている。
【0055】
施工ボード1のコア3は、ポルトランドセメント、シリコーン油を用いて疎水化された膨張パーライト、および粉末石灰石で構成された、接合材混合物で製作される。さらに、施工ボード1のコア3は、オイレン酸ナトリウムによって一括して疎水化される。
【0056】
施工ボード1のコア3内で、硬化したポルトランドセメントは、マトリックス13を形成し、その中に、疎水化された膨張パーライト15の粒子および不活性充填材材料としての粉末石灰石17が、埋没させられる。
【0057】
施工ボード1のコア3は、10.5mmの厚さを有する。
【0058】
図1に示すように、疎水化された膨張パーライト15の粒子はそれぞれ、パーライト15の粒子内への液体の進入を防止する、疎水化剤の外皮16を有する。
【0059】
その2つの主表面9および11に沿って、施工ボード1は、コア3を外側で完全に被覆する、各被覆層5、7を有する。
【0060】
各被覆層5、7は、厚さが1mmであり、各ガラス繊維マット19、21を埋没させたポルトランドセメントで製作される。被覆層5、7は、シリコーン油乳剤で一括して疎水化される。
【0061】
この実施形態では、被覆層5、7とコア3との間の「境界」23、25が、わかりやすくするためにはっきりとした分割線として示される。ただし実際の実装形態では、被覆層はまた、コア内に「滑らかに」移行することができるため、はっきりとした分割線は必ずしも認識できない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】応用例による施工ボードを通る断面からの切抜きを示す側断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 施工ボード
3 コア
5 被覆層
7 被覆層
9 主表面
11 第2の主表面
13 マトリックス
15 膨張パーライト
16 外皮
17 粉末石灰石
19 繊維マット
21 繊維マット
23 境界
25 境界

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポルトランドセメントの形の硬化した無機接合材のマトリックス(13)と、
前記接合材マトリックス(13)内に、膨張パーライト(15)の粒子が埋没させられていることと、
前記膨張パーライト(15)の前記粒子に、疎水化剤(16)が塗布されていることと、
前記接合材マトリックス(13)内に、不活性充填材材料(17)が埋没させられていることと、
前記不活性充填材材料(17)が、前記疎水化された膨張パーライト(15)の乾燥バルク密度よりも高い乾燥バルク密度を有すること、を有する、特に乾式工法で使用するための施工ボード。
【請求項2】
前記膨張パーライト(15)の粒子が、0mmより大きく6mmまでの範囲の粒子サイズを有する、請求項1に記載の施工ボード。
【請求項3】
前記膨張パーライト(15)の粒子が、0.1mmから3mmまでの範囲の粒子サイズを有する、請求項1に記載の施工ボード。
【請求項4】
シリコーンの形、特にシリコーン油の形の疎水化剤(16)が、前記膨張パーライト(15)の粒子に塗布されている、請求項1に記載の施工ボード。
【請求項5】
粉末石の形、特に粉末石灰石の形の不活性充填材材料(17)を有する、請求項1に記載の施工ボード。
【請求項6】
施工ボードの構成成分が、
10質量%から40質量%の範囲の前記接合材、
3質量%から30質量%の範囲の前記疎水化された膨張パーライト(15)、
0質量%から20質量%の範囲の水分(残留湿分)、
0質量%から70質量%の範囲の添加構成成分の、質量百分率の範囲にある、請求項1に記載の施工ボード。
【請求項7】
施工ボードの構成成分が、
10質量%から40質量%の範囲の前記接合材、
3質量%から30質量%の範囲の前記疎水化された膨張パーライト(15)、
10質量%から70質量%の範囲の前記不活性充填材材料(17)、
0質量%から20質量%の範囲の水分(残留湿分)、
0質量%から20質量%の範囲の添加構成成分の、質量百分率の範囲にある、請求項1に記載の施工ボード。
【請求項8】
50kg/m3から150kg/m3の範囲の、前記疎水化された膨張パーライト(15)の乾燥バルク密度、および150kg/m3から1500kg/m3の範囲の、前記不活性充填材材料(17)の乾燥バルク密度を有する、請求項1に記載の施工ボード。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2009−526147(P2009−526147A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553627(P2008−553627)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【国際出願番号】PCT/EP2006/010459
【国際公開番号】WO2007/090445
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(508241901)クナーフ・パーライト・ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】