説明

施療子駆動ユニット及び椅子型マッサージ機

【課題】軽量化が図れ、コスト的にも有利なマッサージ機を提供する。
【解決手段】被施療者の身体に当接する施療子を駆動するためのマッサージ機用の施療子駆動ユニットであって、前記施療子を先端に取付けた施療子支持アームと、この施療子支持アームの中途部に連結した揉み用駆動軸と、この揉み用駆動軸に連動連結した揉み用駆動モータと、前記施療子支持アームの基端部に連動アームを介して連結した叩き用駆動軸と、この叩き用駆動軸に連動連結した叩き用駆動モータと、を備え、前記連動アームは、前記叩き用駆動軸を遊嵌するリング部と、このリング部と接続されたアーム部とを有し、当該アーム部における前記リング部との接続部に弾力性を付与したものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ機に関し、詳しくは、施療子駆動ユニット及びこの施療子駆動ユニットを備える椅子型マッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被施療者が着座する座部と、この座部の後部に配設された背もたれ部と、この背もたれ部内に昇降可能に配設されたマッサージユニットとを備えたマッサージ機が知られている。
【0003】
そして、前記マッサージユニットには、被施療者の身体に当接する施療子となる揉み玉を駆動するための施療子駆動ユニットと、マッサージユニット自体を椅子の背もたれに沿って昇降させるための昇降ユニットとが配設されている。そして、施療子駆動ユニットには、揉み玉を上下方向に揺動させることによって叩き作動を行わせるための叩き機構と、揉み玉を偏心回動させることによって揉み作動を行わせるための揉み機構とが設けられている(たとえば、特許文献1を参照。)。
【0004】
上記従来のマッサージユニットにおける施療子駆動ユニットの構造及びその動作について、図17を参照して具体的に説明する。図17に示すように、従来の施療子駆動ユニットは、揉み玉100を先端に取付けた施療子支持アーム200と、この施療子支持アーム200の中途部に連結した揉み用駆動軸300と、前記施療子支持アーム200の基端部にロッド状の連動アーム400を介して連結した叩き用駆動軸500とを備えている。
【0005】
そして、揉み用駆動軸300に揉み用駆動モータ(不図示)を連動連結するとともに、前記叩き用駆動軸500には叩き用駆動モータ(不図示)を連動連結して、これら全体を所定のケーシングに組み付け構成している。なお、マッサージユニットは、図示しないが、前後揺動自在に構成されており、前側に揺動したときの揉み玉100の進出量によってマッサージ強度を変更することが可能となっている。図中、符号600は、マッサージユニットの前後進退量を検出するためのエンコーダを示している。
【0006】
叩き用駆動軸500は、連動アーム400を介して施療子支持アーム200と連動連結している。すなわち、叩き用駆動軸500の端部には叩き用偏心部510が設けられており、この叩き用偏心部510に連結部材520を介して連結アーム400の一端を連結するとともに、この連結アーム400の他端と施療子支持アーム200の基端部とをボールジョイントを介して連結している。したがって、叩き用駆動軸500が回転すると、叩き用偏心部510の回転によってロッド状の連動アーム400が上下往復動する。そのため、施療子支持アーム200は揉み用駆動軸300を揺動中心として上下揺動し、この上下揺動動作が揉み玉による叩きマッサージ動作となる。
【0007】
他方、揉み用駆動軸300と施療子支持アーム200の中途部とは、回転中心を前後方向及び上下方向に偏心させた揉み用偏心回動体310を介して連結しており、揉み用駆動軸300が回転すると、図示するように、揉み用偏心回動体310の回転によって、施療子支持アーム200は上下左右方向への往復動が合成された偏心旋回運動を行う(矢印Zを参照)。この偏心旋回動作が揉み玉による揉みマッサージ動作となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−24402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記構成の施療子駆動ユニットでは、揉みマッサージ動作を行うときには施療子支持アームが三次元的な複雑な動きを伴う。そのため、一端が前記叩き用駆動軸に連結した前記連動アームの他端と前記施療子支持アームの基端部とをボールジョイントを介して連結するとともに、連結アーム400の一端と叩き用偏心部510とは、所定の強度を有する連結部材520を介して連結している。また、連動アームについては、横方向への力も加わる3次元的な動きに十分耐えられるように、精密加工が施された剛性の高い金属材料を用いていた。
【0010】
しかし、マッサージ機を広く普及させていく上で、構造上の要となるマッサージユニットについての軽量化及びコストダウンが望まれているが、そのような中で、中途部を揉み用軸と連結した施療子支持アームの基端部と叩き用駆動軸とを連結する前記連動アームについても、その材料コスト、加工コストの低減及び重量軽減が課題となっている。
【0011】
本発明は上記課題を解決することのできる施療子駆動ユニット及びこの施療子駆動ユニットを備えるマッサージ機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)本発明では、被施療者の身体に当接する施療子を駆動するためのマッサージ機用の施療子駆動ユニットであって、前記施療子を先端に取付けた施療子支持アームと、この施療子支持アームの中途部に連結した揉み用駆動軸と、この揉み用駆動軸に連動連結した揉み用駆動モータと、前記施療子支持アームの基端部に連動アームを介して連結した叩き用駆動軸と、この叩き用駆動軸に連動連結した叩き用駆動モータと、を備え、前記連動アームは、前記叩き用駆動軸を遊嵌するリング部と、このリング部と接続されたアーム部とを有し、当該アーム部における前記リング部との接続部に弾力性を付与したものとした。
【0013】
(2)また、本発明は、上記(1)に記載の施療子駆動ユニットにおいて、前記連動アームのアーム部を板状に形成して前記接続部に弾力性を付与したことを特徴とする。
【0014】
(3)また、本発明は、上記(1)又は(2)に記載の施療子駆動ユニットにおいて、前記連動アームのリング部及びアーム部を一体成形により板状に形成し、前記アーム部の前記接続部を除いた位置に補強部を設けたことを特徴とする。
【0015】
(4)また、本発明は、上記(3)に記載の施療子駆動ユニットにおいて、前記補強部は、板状に形成された前記アーム部の側端を折曲して形成したフランジ又は/及びアーム部の表面に突設したリブからなることを特徴とする。
【0016】
(5)また、本発明は、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の施療子駆動ユニットにおいて、前記連動アームが直立状態となるときに、前記接続部の内側面に当接する保護片を備えることを特徴とする。
【0017】
(6)また、本発明は、上記(5)に記載の施療子駆動ユニットにおいて、前記保護片は、前記連動アームのリング部を包み込む保護カバー部に連接されていることを特徴とする。
【0018】
(7)また、本発明は、上記(1)〜(6)に記載の施療子駆動ユニットにおいて、前記揉み用駆動モータ及び前記叩き用駆動モータは、ブラシレスモータであることを特徴とする。
【0019】
(8)また、本発明は、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の施療子駆動ユニットにおいて、前記叩き用駆動軸にエンコーダを設けたことを特徴とする。
【0020】
(9)また、本発明は、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の施療子駆動ユニットにおいて、前記連動アームのアーム部の下端部と前記施療子支持アームの基端部とを、ボールジョイントを介して連結したことを特徴とする。
【0021】
(10)また、本発明では、被施療者が着座する座部と、この座部の後部に配設された背もたれ部と、この背もたれ部内に昇降可能に配設されたマッサージユニットと、を備え、前記マッサージユニットに、上記(1)〜(9)のいずれかに記載の施療子駆動ユニットを配設した椅子型マッサージ機とした。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、施療子支持アームの基端部と叩き用駆動軸とを連結する連動アームを、叩き用駆動軸に遊嵌されるリング部と、このリング部と接続されたアーム部とを有し、当該アーム部における前記リング部との接続部に弾力性を付与した構成としたため、きわめて簡単な構成で使用に耐えうる連動アームを形成でき、加工コストの低減が図れるとともに、重量軽減を図ることができる。したがって、施療子駆動ユニット、マッサージユニットについて、ひいてはマッサージ機についての軽量化及びコストダウンに寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態に係るマッサージ機の説明図である。
【図2】同マッサージ機のブロック図である。
【図3A】同マッサージ機が備えるマッサージユニットの前面左上からの斜視図である。
【図3B】同後面右上からの斜視図である。
【図3C】同後面右下からの斜視図である。
【図4】同正面図である。
【図5】同背面図である。
【図6】同平面図である。
【図7】同底面図である。
【図8A】同左側面図である。
【図8B】同右側面図である。
【図9】一部省略した施療子駆動ユニットの正面図である。
【図10】同平面図である。
【図11】同底面図である。
【図12】ユニットケーシングを除いた施療子駆動ユニットの説明図である。
【図13】施療子駆動ユニットの揉み機構及び叩き機構の説明図である。
【図14】同背面視による説明図である。
【図15】同施療子駆動ユニットの連動アームの説明図である。
【図16】同連動アームの背面視による背面図である。
【図17】従来の施療子の構造を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本実施形態に係るマッサージ機の概要について、図1及び図2を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、マッサージ機における上下前後左右とは、被施療者が座部1に着座した状態で、被施療者からみた方向で規定されるものとする。また、左右一対の構成要素については、共通する符号にL及びRを付して左右の区別を行うようにしているが、左右の構成要素を一纏めとして表す場合は共通する符号のみを付す場合がある。
【0025】
図1に示すように、本実施形態に係るマッサージ機は椅子式として構成されており、被施療者が着座可能な座部1と、この座部1の後部にリクライニング自在に連結され、被施療者の上半身を保持する背もたれ部2と、座部1の前部に上下揺動自在に連結され、被施療者の脚及び足を保持する脚載部3とを備えている。
【0026】
座部1の左右には、それぞれ肘掛部11が配設され、座部1の下面には、マッサージ機全体を床面上で保持する脚座10が設けられている。なお、この脚座10の後端には、マッサージ機を移動する際に用いられる転動輪10aが設けられている。
【0027】
背もたれ部2の左右には、被施療者の体側部を施療する体側施療部21L,21Rが設けられている。
【0028】
また、背もたれ部2の内部には、同背もたれ部2に沿って昇降可能となるように、マッサージユニット4が配設されている。このマッサージユニット4には、本実施形態の要部をなす施療子駆動ユニット5が設けられており、この施療子駆動ユニット5により、多彩なマッサージを行うことができるようにしている。なお、施療子駆動ユニット5を含むマッサージユニット4の構成については後に詳述する。
【0029】
また、本マッサージ機は、図2に示すように、演算処理装置であるCPUや、記憶装置としてのROM、RAMなどのメモリを備えた制御部6を備えるとともに、この制御部6とリモコン用インターフェースを介してワイヤレス接続され、当該マッサージ機への電源投入から電源オフ、さらには背もたれ部2のリクライニング操作を含むマッサージ機全体の動作指示を行うことのできるリモートコントローラ(以下「リモコン」とする)Rを備えている。なお、図示しないが、制御部6は座部1の内部に配設されている制御ユニット内に設けられている。また、リモコンRには、液晶表示パネルなどからなる表示部R1と、複数のボタン群からなる操作部R2が設けられている。
【0030】
さらに、本マッサージ機は、マッサージユニット4に配設された複数の駆動モータM1〜M4と、各モータM1〜M4の駆動によるマッサージユニット4の各機構の駆動量を検出するエンコーダE1〜E4と、背もたれ部2のリクライニング角度を検出する角度センサSとを備えている。なお、本実施形態では、エンコーダE1〜E4として、複数の透孔が所定間隔をあけて列状に形成された板体と、発光素子及び受光素子を備える光ユニットDとで対で構成され、光の透過及び遮断により発生するパルスをカウントするパルスセンサを用いている。
【0031】
また、本マッサージ機は、エアの給排気を行うエアポンプPを備えており、このエアポンプPを、座部1、背もたれ部2、前記脚載部3の表面の内側部に配設した複数のエアバッグ(不図示)に接続して、エアバッグの膨縮によって被施療者の身体の各部を優しくエアマッサージすることができるようになっている。
【0032】
さらに、本マッサージ機は、ヒータHを備ており、施療個所を適宜温めながらマッサージすることも可能となっている。
【0033】
これら駆動モータM1〜M4、エンコーダE1〜E4、角度センサS、エアポンプP及びヒータHは、インターフェースを介してCPUに接続している。
【0034】
制御部6のROMには、各種マッサージプログラムが記憶されており、CPUは、リモコンRからの指示信号に応じて各プログラムを読み出し、各プログラムに従ってマッサージユニット4やエアポンプPを駆動することにより、複数種のマッサージ態様からなる多種多様なマッサージを行うことができる。
【0035】
以下、本実施形態の要部となる施療子駆動ユニット5を含むマッサージユニット4について図3A〜図16を参照しながら具体的に説明する。
【0036】
図3A〜図8Bに示すように、マッサージユニット4は、略矩形形状に形成されたユニット枠41の略中央部に、被施療者の身体に対して背もたれ部2の表面部を介して当接してマッサージを行う左右一対の揉み玉50L,50Rを具備する施療子駆動ユニット5が、前方向に向けて進退移動可能に配設されている。なお、ユニット枠41は、背もたれ部2の左右幅方向に略平行な所定広さのモータ取付面が形成された左右一対の左右側板41L,41Rと、これら左右側板41L,41Rの上端部間及び下端部間を連結するとともに、中央部を後方に向けて屈曲させた連結板41a,41bとを有する構成となっている。
【0037】
かかるユニット枠41内に、背もたれ部2の表側(被施療者と接する側)に向けて進退移動可能となるように施療子駆動ユニット5が配設されている。この施療子駆動ユニット5は、左右の揉み玉50L,50Rからなる施療子を上下方向に揺動させることによって叩き作動を行わせる叩き機構と、左右の揉み玉50L,50Rをそれぞれ偏心回動させることによって揉み作動を行わせる揉み機構とを配設したユニットケーシング55を備えている。
【0038】
このユニットケーシング55の前面には開口部55aが形成されており、この開口部55aから施療子支持アーム54の先端に取付けられた揉み玉50が突出した状態で配設されている。
【0039】
ところで、ユニット枠41の左側板41Lの裏側下部には、マッサージユニット4自身を昇降させるための昇降用駆動モータM1が取付けられている。この昇降用駆動モータM1のモータ軸と、ユニット枠41の左右側板41L,41Rの下部間に延在させた昇降軸43とを、駆動ウォームなどを設けたギヤボックス44を介して連動連結している。符号45L,45Rは、ユニット枠41の外側方に突出させた昇降軸43の左右端部に取付けたピニオンギヤを示し、これらピニオンギヤ45L,45Rを、背もたれ部2に取付けた左右のラック22L,22Rに噛合している(図1参照)。また、昇降軸43の左端部近傍には、図3C及び図5に示すように、昇降用駆動モータM1によって昇降軸43が回転駆動された回動量を検出するための第1のエンコーダE1を配設している(図2参照)。なお、本実施形態では、第1のエンコーダE1は減速機構Gを介して回動するように構成されている。
【0040】
また、マッサージユニット4は、ユニット枠41の左右側板41L,41Rのやや上側部に左右一対のガイド軸46L,46Rを回動自在に取付け、各ガイド軸46L,46Rの端部をユニット枠41の外側方に突出させ、かかる突出させた部分にガイドローラー47L,47Rをそれぞれ回動自在に取付けており、かかるガイドローラー47L,47Rを背もたれ部2に取付けた断面コ字状のガイドレール23L,23Rの内部に転動自在に挿入している。
【0041】
また、ピニオンギヤ45L,45R及びガイドローラー47L,47Rに対向するように、受けローラ25L,25R、27L,27Rを設けている。そして、これら受けローラ25L,25Rとピニオンギヤ45L,45Rの内側周面部、及び、受けローラ27L,27Rとガイドローラー47L,47Rとでガイドレール23L,23Rの底面を挟持するようにして、安定した状態でマッサージユニット4を昇降自在としている。
【0042】
しかも、背もたれ部2に取付けた左右のラック22L,22Rと、これに噛合するピニオンギヤ45L,45R、さらにはガイドレール23L,23R上を転動するガイドローラー47L,47Rについては、金属、あるいは硬質の樹脂製とする一方、受けローラ25L,25R、27L,27Rについては、例えばNBR製などの変形可能な軟質のゴム製としている。かかる構成により、図1及び図8に示すように、ガイドレール23L,23Rが曲線であっても、受けローラ25L,25R、27L,27Rが変形することでスムーズな追従が出来る。また、ガイドローラー47L,47Rが変形しないため、ラック22L,22Rとピニオンギヤ45L,45Rとの位置関係にも影響することがなく、マッサージユニット4を昇降に支障をきたす虞をなくしている。
【0043】
施療子駆動ユニット5が組み付けられたユニットケーシング55は、昇降軸43の中央部に揺動自在に取付けられており、昇降軸43を揺動支点として前後方向に向けて揺動可能となっている。すなわち、前後方向への揺動により、揉み玉50は、施療子駆動ユニット5ごと前後方向へ進退することになる。
【0044】
ユニットケーシング55を前後方向に揺動させることにより進退移動させる進退移動機構は、ユニット枠41の右側板41Rの裏側上部に施療子駆動ユニット5を進退移動させるための進退用駆動モータM2を取付け、この進退用駆動モータM2のモータ軸と、ユニット枠41の左右側板41L,41Rの内側上部間に左右幅方向に向けて回転自在に延在させた進退軸48とを、駆動ウォームなどを設けたギヤボックス49を介して連動連結している。
【0045】
そして、進退軸48の中途部に左右一対のピニオンギヤ52L,52Rを取付ける一方、これらピニオンギヤ52L,52Rを施療子駆動ユニット5の上部左右側にそれぞれ設けた左右一対の円弧状のラック51L,51Rと噛合させている。なお、図3C及び図5に示すように、ラック51Lの外側位置において、当該ラック51Lと平行するように前後位置検出用の第2のエンコーダE2を取り付けている(図2参照)。この第2のエンコーダE2によるパルスカウント値を施療子駆動ユニット5の前後位置としている。なお、この前後位置は、揉み玉50の被施療者への押圧力の強弱を示すことにもなる。なお、符号53は進退軸48を回動自在に支持する軸受を示す。
【0046】
また、ユニット枠41に前後進退自在に取付けられたユニットケーシング55の後部左下側位置に、左右の揉み玉50L,50Rを叩き動作させるための叩き用駆動モータM3を配設している。叩き用駆動モータM3としては、ブラシレスモータを用いており、そのモータ軸56が左方に向いた状態で取付けられている。一方、ユニットケーシング55の前部上側位置には、左右幅方向に向けて延在するように叩き用駆動軸70を回動自在に取付けている(図4及び図9〜図16参照)。そして、図5に示すように、モータ軸56の先端部に取付けた叩き用駆動プーリー57と、叩き用駆動軸70の左側部に取付けた叩き用従動プーリー73とを、ユニットケーシング55の左側外部にて伝動ベルト72で連動連結している。なお、叩き用駆動プーリー57の径よりも叩き用従動プーリー73の径の方を大きくしており、伝動ベルト72によって減速しながら叩き用駆動モータM3の動力を伝達するようにして、減速時に発生する騒音を可及的に少なくするようにしている。
【0047】
また、図9〜図11に示すように、叩き用駆動軸70の中央部に叩き用偏心回動体71L,71Rを設けている。叩き用偏心回動体71L,71Rは、左側の叩き用偏心回動体71Lの軸線と、右側の叩き用偏心回動体71Rの軸線とが、互いに叩き用駆動軸70の軸線から上下に偏心した状態に形成され、左右のもみ玉50L.50Rが前後に互い違いの叩き位置となるようにしている。
【0048】
そして、この叩き用偏心回動体71L,71Rに、連動アーム9,9を介して施療子支持アーム54L,54Rをそれぞれ対応するように連動連結している。
【0049】
このように、ブラシレスモータからなる叩き用駆動モータM3と、叩き用偏心回動体71L,71Rを備える叩き用駆動軸70と、先端に揉み玉50が取付けられた施療子支持アーム54L,54Rとにより、叩き機構が構成されることになる。なお、本実施形態に係る叩き機構は、図9及び図10に示すように、施療子支持アーム54を叩き方向へ付勢しつつ支持するスプリング77を備えている。
【0050】
また、ユニットケーシング55の後部右下側位置に揉み玉50L,50Rを揉み動作させるための揉み用駆動モータM4を配設している。揉み用駆動モータM4としては、叩き用駆動モータM3と同じように、これもブラシレスモータを用いており、そのモータ軸が前方に向いた状態で取付けられている。また、ユニットケーシング55には、叩き用駆動軸70よりもやや前方位置に、左右幅方向に向けて延在するように揉み用駆動軸80を回動自在に取付けている(図6及び図9参照)。そして、モータ軸58に図示しないギヤボックスを介して揉み用駆動軸80と連動連結している。
【0051】
揉み用駆動軸80の中央部には、揉み用偏心回動体81が形成されている(図14参照)。揉み用偏心回動体81は、図9〜図11に示すように、左右端面82L,82Rがそれぞれ逆方向のテーパ面を形成する中央回動体82と、この中央回動体82の左右にそれぞれ連接された左右側偏心軸部83L,83Rとを備えている。
【0052】
そして、左側偏心軸部83Lを左側の施療子支持アーム54の略中央に形成した連結孔内に軸受を介して嵌装し、右側偏心軸部83Rを右側の施療子支持アーム54の略中央に形成した連結孔内に軸受を介して嵌装している。
【0053】
このように、ブラシレスモータからなる揉み用駆動モータM4と、揉み用偏心回動体81を備える揉み用駆動軸80と、先端に揉み玉50L,50Rが取付けられた施療子支持アーム54L,54Rとにより、揉み機構が構成されることになる。
【0054】
また、施療子支持アーム54は、ユニットケーシング55に配設したときに揉み玉50を取付けた先端部が外側に拡開した状態となるように、施療子支持アーム54L,54Rは、それぞれ基端側から一端外方へ屈曲するとともに前方へさらに屈曲した屈曲部54bを有するアーム本体54aと、このアーム本体54aの屈曲部54bよりも後半部内側に形成された軸受ケース部54cとから構成されている。
【0055】
そして、軸受ケース部54cの後端部に、球面座部54dを設け、この球面座部54dと、後に詳述する連動アーム9の先端部に形成された球状部93とによりボールジョイント78が形成されている。すなわち、叩き機構と揉み機構とは自在継手を介して連動連結しており、この自在継手としての機能を、連動アーム9の球状部93と施療子支持アーム54の球面座部54dとにより構成されたボールジョイント78が果たしている。
【0056】
このように、連動アーム9のアーム部92の先端部と前記施療子支持アーム54の基端部とを、ボールジョイント78を介して連結したので、叩き用駆動軸70の回転力を施療子支持アーム54に確実に伝達することができるとともに、揉み用駆動軸80の回転により施療子支持アーム54に横方向への動きが生じ、連動アーム9に捩じれの方向に力が加わった場合でもボールジョイント78を介することで連動アーム9に大きな負担をかけることがない。
【0057】
上述してきたように、本実施形態に係るマッサージユニット4は、揉み玉50を先端に取付けた施療子支持アーム54と、この施療子支持アーム54の中途部に連結した揉み用駆動軸80と、この揉み用駆動軸80に連動連結した揉み用駆動モータM4と、施療子支持アーム54の基端部に連動アーム9を介して連結した叩き用駆動軸70と、この叩き用駆動軸70に連動連結した叩き用駆動モータM3とを備えた構成となっている。
【0058】
かかる構成により、叩き用偏心回動体71と連動アーム9と施療子支持アーム54とによって、叩き用駆動軸70と揉み玉50とを連動連結するための叩き用リンク機構が構成され、揉み用偏心回動体81と施療子支持アーム54とによって、揉み用駆動軸80と揉み玉50とを連動連結するための揉み用リンク機構が構成されることになる。
【0059】
上述してきた構成において、本実施形態の特徴となるのは、上記連動アーム9の構成にある。すなわち、連動アーム9は、叩き用駆動軸70に遊嵌されるリング部91と、このリング部91と接続されたアーム部92とを有し、当該アーム部92におけるリング部91との接続部92aに弾力性を付与している。
【0060】
図13〜図16に示すように、連動アーム9のリング部91及びアーム部92は、一体成形により板状に形成されている。そして、連動アーム9は、リング部91及びアーム部92が連続する板状のアーム本体90のリング部91を略リング状に形成した保護カバー部94で包み込むとともに、アーム部92には表面にリブ95aを形成した補強部95を設けている。
【0061】
本実施形態に係る連動アーム9は、アーム本体90を鋼板により形成する一方、保護カバー部94及び補強部95は合成樹脂により形成している。そして、図15に示すように、板状のリング部91を保護カバー部94により包被して補強しながら板状のリング部91を補強し、軸受96を介して叩き用駆動軸70を嵌装している。なお、図15中、符号97はリング部91と保護カバー部94とを連結するボルトを示し、封号98は叩き用駆動軸70の先端に取付けられる抜け止め用スナップリングである。
【0062】
また、保護カバー部94は、アーム部92におけるリング部91との接続部92aの内側面を覆うように突設された保護片94aを具備している。
【0063】
補強部95は、表面に縦方向へ延在するリブ95aを形成して強度を高めた板状に形成されており、アーム本体90のアーム部92の中途から先端までを包被するとともに、先端部には前述した球状部93が形成されている。
【0064】
このように、本実施形態に係る連動アーム9では、鋼板製のリング部91を樹脂製の保護カバー部94で包被するとともに、鋼板製のアーム部92を、樹脂製の補強部95で包被し、図16に示すように、リング部91の左右幅方向の厚みを従来よりも著しく薄くしているにも拘わらず、必要十分な強度が得られるようになっている。
【0065】
また、保護カバー部94に設けた保護片94aは、連動アーム9が直立状態となるときに接続部92aの内側面に当接するようにしているため、アーム本体90の基端部には、鋼板のアーム部92が露出する部分が形成されることになり、この部分が、板バネのような弾力性を有する接続部92aとなる。この接続部92aの弾力により、連動アーム9に加わる3次元的な力のうち、横方向への力は弾力による撓みで逃がすようにすることが可能となっている。
【0066】
すなわち、図14においては、左右の揉み玉50L,50Rの間隔が最も広く、揉み用偏心回動体81を有する揉み用駆動軸80の回転によって、施療子支持アーム54が3次元的に動作したときに、ボールジョイント78は今の位置よりも外側へ移動する。かかる動きにより、揉みマッサージの動作をする場合、連動アーム9には横方向への捻じれを伴う力が加わることになる。従来では、このような横方向への力に対して、より剛性を高める対策をしてきたが、本実施形態では、逆に、アーム部92におけるリング部91との接続部92aを撓ませて横方向への力を逃がすようにしている。
【0067】
さらに詳述すれば、図9〜図14に示すように、揉み玉50L,50Rの間隔が最も広がった状態においては、ボールジョイント78の位置としては、これ以上内側へは移動することのない位置にあり、連動アーム9は撓むことなく直線状となっている(図16参照)。しかし、揉み用駆動軸80の回転によって、揉み玉50L,50Rの間隔が狭まる方向へ施療子支持アーム54が駆動すると、ボールジョイント78の位置は外側(図16においては左側)に移動するため、連動アーム9には外側に撓む方向に力が加わる。このとき、叩き用偏心回動体71L,71Rの偏心状態によっては、連動アーム9の接続部92aの根元部分に、内側(図16においては右側)に凸となるように湾曲させようとする力が加わる場合がある。しかし、保護カバー部94には接続部92aの内側面を覆うように保護片94aが突設されているため、連動アーム9の接続部92aは当該保護片94aに当接し、それ以上に内側へ湾曲することを防止することができる。このように、連動アーム9には複雑な3次元方向の力が加わる場合があるが、板バネのように機能する接続部92aと保護片94aによる簡単な構成でありながら、連動アーム9への負荷に対応することができ、特に、接続部92aの根元部分が、内側に大きく湾曲することがないようにしているため、その部分の座屈防止を図ることができる。
【0068】
なお、接続部52aの長さとしては、長ければ撓みやすいものの変形する虞があり、また、短すぎるとスムーズな撓みに支障をきたし、さらには応力が集中して破損してしまう虞がある。そこで、本実施形態では、接続部92aの長さを13mmに設定している。これは、アーム部92の長さは55mm、保護片94aの長さが10mmの場合であり、これらの寸法から、接続部92aの長さは実験的に10〜15mmが妥当であることが分かったからである。
【0069】
このように、連動アーム9の構成がシンプルかつ軽量小型化され、特に、図12に示すように、叩き用駆動軸70を嵌装するリング部91を極めて薄くすることが可能となったため、叩き用駆動軸70に第4のエンコーダE4を取り付けることが可能となっている。
【0070】
すなわち、本実施形態に係る施療子駆動ユニット5においては、図12に示すように、揉み用駆動軸80の左側端部に、揉み用駆動モータM4(図3B、図3C及び図5参照)によって揉み用駆動軸80が回転駆動された回動量を検出するための第3のエンコーダE3を配設している(図2参照)。そして、この第3のエンコーダE3により、左右の揉み玉50L,50Rの左右幅方向の位置、すなわち、左右の揉み玉50L,50Rの間隔を検出可能としている。なお、左右の揉み玉50L,50Rの間隔については、マッサージを実行する場合は「狭」、「中」、「広」の3段階の設定で行えるようにしている。
【0071】
さらに、本実施形態では、叩き用駆動軸70についても、その回動量を検出するために第4のエンコーダE4を設けている。そして、この第4のエンコーダE4により、左右の揉み玉50L,50Rがどの位置にあるのかが検出できるようになっている。ここでは、左の揉み玉50Lが前方にある場合、右の揉み玉50Rが前方にある場合、左右の揉み玉50L,50Rが揃った位置にある場合の3個所の位置を検出可能としている。
【0072】
また、叩き用駆動軸70を駆動する叩き用駆動モータM3はブラシレスモータを用いていており、ホール素子を利用したパルスカウントによって、より正確に左右の揉み玉50L,50Rの位置を検出することが可能となっている。
【0073】
こうして、第4のエンコーダE4を叩き用駆動軸70に設け、叩き用駆動軸70の回動量を検出するとともに、叩き用駆動モータM3においてパルスカウントすることにより、揉み玉50の位置を正確に把握することが可能となっている。したがって、左右の揉み玉50L,50Rの位置を、例えば、一定量ずらした状態で保持して叩き動作を行うと、左右でアンバランスな叩きマッサージが実現できる。また、一方の揉み玉50が最前方に位置し他方が後方に位置するときに叩きマッサージを行えば、所望する片側の叩きマッサージが可能となる。さらに、この片側の叩きマッサージを交互に行えば、左右の肩を交互に叩く叩きマッサージが実現する。また、一方の揉み玉50が最前方に位置し他方が後方に位置するときに揉みマッサージを行えば、被施療部と反対側は揉み玉50が邪魔にならないためにこの方向へ首を傾け、首の片側の被施療部のみを十分に揉みほぐすことが可能となる。
【0074】
また、本実施形態に係るマッサージ機では、揉み玉50を被施療者の背中に当接させて揉み玉50への負荷電流を検出しながらマッサージユニット4を昇降させて体形を検出する体形検出機能を行うことができるようにしているが、上述したように、左右の揉み玉50L,50Rのいずれか一方のみによる体形検出が可能となる。例えば、上昇時には左の揉み玉50L(あるいは右の揉み玉50R)による体形検出、下降時には右の揉み玉50R(あるいは左の揉み玉50L)による体形検出を行うことで、背骨を中心として左右別々のより正確な体形検出を行うことができる。
【0075】
本実施形態に係るマッサージ機は、上述してきた構成となっており、被施療者がリモコンRを操作すると、制御部6は、その操作による動作指示信号に応じて、エンコーダE1〜E4によってマッサージユニット4の上下方向への移動量、施療子駆動ユニット5の進退量、左右の揉み玉50L,50Rの間隔、左右の揉み玉50L,50Rの位置を検知しながら各駆動モータM1〜M4を駆動させ、様々なマッサージ動作を実行することができる。
【0076】
ところで、上述してきた実施形態に係る連動アーム9では、アーム部92に設けた補強部95を合成樹脂製として、これにリブ95a形成したものとして説明したが、板状に形成された前記アーム部92の側端を折曲して形成したフランジ又は/及びアーム部92の表面に突設したリブなどによって補強部を構成することもできる。この場合、アーム部92の簡単な板金加工のみで強度アップが図れるため、加工コストなどを、より削減することが可能となる。
【0077】
上述してきた実施形態より、以下の施療子駆動ユニット5及びマッサージ機が実現する。
【0078】
被施療者の身体に当接する揉み玉50(施療子)を駆動するためのマッサージ機用の施療子駆動ユニット5であって、揉み玉50(施療子)を先端に取付けた施療子支持アーム54と、この施療子支持アーム54の中途部に連結した揉み用駆動軸80と、この揉み用駆動軸80に連動連結した揉み用駆動モータM4と、施療子支持アーム54の基端部に連動アーム9を介して連結した叩き用駆動軸70と、この叩き用駆動軸70に連動連結した叩き用駆動モータM3とを備え、前記連動アーム9は、叩き用駆動軸70を遊嵌するリング部91と、このリング部91と接続されたアーム部92とを有し、当該アーム部92におけるリング部91との接続部92aに弾力性を付与した施療子駆動ユニット5。
【0079】
かかる構成によれば、きわめて簡単な構成で、横方向への力も加わる3次元的な動きを伴う使用に耐えうる連動アーム9を形成でき、加工コストなどの低減が図れるとともに、重量軽減を図ることができる。したがって、施療子駆動ユニット5やマッサージユニット4について、ひいてはマッサージ機についての軽量化及びコストダウンに寄与することができる。
【0080】
上記構成において、前記連動アーム9のアーム部92を板状に形成して接続部92aに弾力性を付与した施療子駆動ユニット5。
【0081】
かかる構成によれば、例えば、アーム部92を鋼板により形成した簡単な構成で、接続部92aに弾力性を付与することができる。
【0082】
上記構成において、前記連動アーム9のリング部91及びアーム部92を一体成形により板状に形成し、アーム部92の前記接続部92aを除いた位置に補強部95を設けた施療子駆動ユニット5。
【0083】
かかる構成によれば、例えば、アーム部92やリング部91を、例えば鋼板により一体成形するとともに、補強部95を合成樹脂製とすることができ、必要十分な強度を確保しつつ、材料コスト及び加工コストの低減をより確実に図ることができるとともに、重量軽減を図ることができる。
【0084】
上記構成において、前記補強部95は、板状に形成された前記アーム部92の側端を折曲して形成したフランジ又は/及びアーム部92の表面に突設したリブからなる施療子駆動ユニット5。
【0085】
かかる構成とすれば、補強部95を合成樹脂製とはせずに、アーム部92の簡単な加工で強度アップが図れるため、加工コストなどをより削減でき、さらなるコストダウンを図ることが可能となる。
【0086】
上記構成において、前記連動アーム9が直立状態となるときに、前記接続部92aの内側面に当接する保護片94aを備える施療子駆動ユニット5。
【0087】
かかる構成によれば、連動アーム9の接続部92aが、内側へ撓むことを防止することができ、接続部92aの座屈を未然に防止することができる。
【0088】
上記構成において、前記保護片94aは、前記連動アーム9のリング部91を包み込む保護カバー部94に連接されている施療子駆動ユニット5。
【0089】
かかる構成によれば、リング部91の厚みを薄くしても必要な強度を保持することができるとともに、保護片94aによってアーム部92の接続部92aを補強しているため、連動アーム9に複雑な3次元方向の力が加わっても使用に耐えることができる。
【0090】
上記構成において、前記揉み用駆動モータM4及び前記叩き用駆動モータM3は、ブラシレスモータである施療子駆動ユニット5。
【0091】
かかる構成によれば、例えば、モータにおいてホール素子によるパルスカウントを行うことにより、揉み玉50の位置を正確に把握することが可能となるため、従来にない多彩なマッサージを創出することが可能となる。
【0092】
上記構成において、前記叩き用駆動軸70に第4のエンコーダE4を設けた施療子駆動ユニット5。
【0093】
かかる構成により、叩き用駆動軸70の回動量を直接検出することができ、揉み玉50の位置を把握することが可能となる。特に、上記ブラシレスモータとの協働によって、揉み玉50の位置をより正確に把握することが可能となる。
【0094】
上記構成において、前記連動アーム9のアーム部92の先端部と前記施療子支持アーム54の基端部とを、ボールジョイント78を介して連結した施療子駆動ユニット5。
【0095】
かかる構成により、叩き用駆動軸70の回転力を施療子支持アーム54に確実に伝達することができるとともに、揉み用駆動軸80の回転により施療子支持アーム54に横方向への動きが生じ、連動アーム9に捩じれの方向に力が加わった場合でもボールジョイント78を介することで連動アーム9に負担をかけることがない。
【0096】
被施療者が着座する座部1と、この座部1の後部に配設された背もたれ部2と、この背もたれ部2内に昇降可能に配設されたマッサージユニット4とを備え、マッサージユニット4に、上記した施療子駆動ユニット5を配設した椅子型マッサージ機。
【0097】
品質を落とすことなく、コスト的に有利なマッサージ機を提供することが可能となる。特に、ブラシレスモータを採用すれば、コスト的に有利のみならず、より多彩なマッサージが可能となる。
【0098】
以上、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の概要の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0099】
M3 叩き用駆動モータ
M4 揉み用駆動モータ
1 座部
2 背もたれ部
4 マッサージユニット
5 施療子駆動ユニット
6 制御部
9 連動アーム
50 揉み玉(施療子)
54 施療子支持アーム
70 叩き用駆動軸
78 ボールジョイント
80 揉み用駆動軸
91 リング部
92 アーム部
92a 接続部
94 保護カバー部
95 補強部
E4 第4のエンコーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者の身体に当接する施療子を駆動するためのマッサージ機用の施療子駆動ユニットであって、
前記施療子を先端に取付けた施療子支持アームと、
この施療子支持アームの中途部に連結した揉み用駆動軸と、
この揉み用駆動軸に連動連結した揉み用駆動モータと、
前記施療子支持アームの基端部に連動アームを介して連結した叩き用駆動軸と、
この叩き用駆動軸に連動連結した叩き用駆動モータと、
を備え、
前記連動アームは、
前記叩き用駆動軸を遊嵌するリング部と、このリング部と接続されたアーム部とを有し、当該アーム部における前記リング部との接続部に弾力性を付与したことを特徴とする施療子駆動ユニット。
【請求項2】
前記連動アームのアーム部を板状に形成して前記接続部に弾力性を付与したことを特徴とする請求項1に記載の施療子駆動ユニット。
【請求項3】
前記連動アームのリング部及びアーム部を一体成形により板状に形成し、前記アーム部の前記接続部を除いた位置に補強部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の施療子駆動ユニット。
【請求項4】
前記補強部は、板状に形成された前記アーム部の側端を折曲して形成したフランジ又は/及びアーム部の表面に突設したリブからなることを特徴とする請求項3に記載の施療子駆動ユニット。
【請求項5】
前記連動アームが直立状態となるときに、前記接続部の内側面に当接する保護片を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の施療子駆動ユニット。
【請求項6】
前記保護片は、前記連動アームのリング部を包み込む保護カバー部に連接されていることを特徴とする請求項5に記載の施療子駆動ユニット。
【請求項7】
前記揉み用駆動モータ及び前記叩き用駆動モータは、ブラシレスモータであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の施療子駆動ユニット。
【請求項8】
前記叩き用駆動軸にエンコーダを設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の施療子駆動ユニット。
【請求項9】
前記連動アームのアーム部の先端部と前記施療子支持アームの基端部とを、ボールジョイントを介して連結したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の施療子駆動ユニット。
【請求項10】
被施療者が着座する座部と、
この座部の後部に配設された背もたれ部と、
この背もたれ部内に昇降可能に配設されたマッサージユニットと、
を備え、
前記マッサージユニットに、前記請求項1〜9のいずれかに記載の施療子駆動ユニットを配設したことを特徴とする椅子型マッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−228467(P2012−228467A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99940(P2011−99940)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000005810)日立マクセル株式会社 (2,366)
【Fターム(参考)】