説明

施療機

【課題】
施療機の操作部を被施療者に使い勝手の良い位置に常時配備させると共に視認性を向上させた施療機を提供する。
【解決手段】
座部11aと背当て部12aとを設けた施療機であり、施療機における被施療者の片側部において上下方向に長く形成する前後一対の支持部材51aの基端部511aを夫々回動可能且つ夫々の回動軸が互いに前後になるよう設けると共に、前後一対の支持部材51aの至端部512aを夫々回動可能且つ夫々の回動軸が互いに連結部材513aを介して前後になるよう設け、該連結部材513aの上方に操作部5aが位置するよう構成した。また、前記操作部5aが脱着自在となるための保持部材52aや上下左右又は前後の任意方向に位置変更するための可動ジョイント部材53a、さらに操作部5aの左右方向における位置を調整するための左右調整部材514aを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被施療者の施療部位に対する施療を操作部の指示に基づいて行わせる施療機に係り、詳しくは、施療機の操作部を被施療者に使い勝手の良い位置に常時配備させると共に視認性を向上させた施療機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、施療子による施療機構や空気の給排気により膨縮する膨縮袋等を施療機本体に設けて、身体施療部位に対する施療を行わせるようにした施療機が多数出回っており、該施療機には、それら施療子や膨縮袋等による施療動作や該施療機におけるその他の各種機能を操作するための操作部が具備されており、被施療者は該操作部により一局集中的に施療機の全動作や機能を操作して施療を受ける事ができるようにしている。
【0003】
ところで、最近では被施療者が操作し易いように施療機における被施療者の片側部、例えば肘掛け部近傍から支持部材を立設させ、該支持部材の上端に操作部を設けた構成や、さらに該支持部材の移動により操作部の位置を変更する事ができるようにしたものが存在している。
【0004】
例えば、図12と共に以下に説明する施療機がある。
該施療機は、光信号の受信部を肘掛け部4 に有した椅子型のマッサージ機(施療機)本体1と、光信号の送信部を有しマッサージ機本体1を遠隔操作するリモコン器(操作部)8とからなる構成のものであり、該マッサージ機本体1は、椅子型のもので、腰掛け部(座部)と背もたれ部(背当て部)3と肘掛け部4から構成される。背もたれ部3には、マッサージ機構(施療機構)が内蔵してある。このマッサージ機は、背もたれ部3を後方へ傾斜させてリクライニング(傾倒)状態にすることができる。
【0005】
このマッサージ機本体1は、リモコン器8を着脱自在に保持するリモコン器保持部(支持部材)16を有する。このリモコン器保持部16は、背もたれ部3が後方へ傾斜した、すなわちリクライニング状態のマッサージ機本体1の上方に位置するよう延設される。このようなリモコン器保持部16を設けることにより、マッサージ機本体1上に仰臥した姿勢でリモコン器8を操作するとき、どちらかの手で支えておく必要がなく、腕が疲れずに済む。
【特許文献1】特開平7−8528号公報(第6頁、図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、施療機における被施療者の片側部、例えば肘掛け部近傍から立設させた支持部材の上端に操作部を設けた従来の施療機は、背凭れ部を後方に傾倒させると共に操作部も支持部材の基端部を基点として後方に傾倒する事により、被施療者の使用しやすい位置になるまで移動させるのだが、この時、操作部の操作面の傾きは変化し、背凭れ部が最後方位置にある状態では、図12に示すように該操作面は下向きとなる。
【0007】
したがって、通常では天井に室内照明が設けられている室内で施療機を使用する場合、操作部の操作面の傾きが変化すると、該操作面に対する室内照明の照射率も変化するため、操作面に対する視認性も変化する事になり、操作面が下向きだと操作面が暗くて操作しづらいという問題があった。
【0008】
仮に、支持部材の上端において操作部が傾動可能にして傾きを変更できるように構成したとしても、支持部材による移動の度に、被施療者は操作部を掴んで操作面の傾きを設定しなければならないという煩わしさは残存し、解決を要する課題となっていた。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題点を解消する為に成されたものであり、支持部材の上方に設けた操作部を支持部材における移動を行う時でも、操作部の操作面における視認性を可及的に保つ事が可能な施療機を提供する事を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明の施療機は、被施療者の臀部または大腿部が当接する座部と身体背部が当接する背当て部と肘掛部を有し、該座部や背当て部に空気の給排気により膨縮する膨縮袋を適宜に配設すると共に、背当て部に左右一対の施療子を備えた昇降自在な施療機構を配設し、操作部で膨縮袋や施療機構の作動を指示するようにした施療機において、該施療機の一方の肘掛部に、上方に延びる一対の支持部材の各基端部を回動可能に並設すると共にこれらの各至端部を連結部材に回動可能に並設し、該連結部材の上部に操作部が位置するよう配備されるよう構成したものである。
【0011】
また、本発明の施療機は、前記操作部が嵌脱自在となるよう保持部材を設けたものである。
【0012】
更に、本発明の施療機は、前記操作部に上下左右又は前後の任意方向に位置変更できるよう可動ジョイント部材を設けたものである。
【0013】
また、本発明の施療機は、前記連結部材に、棒状の左右調整部材の基端を左右方向回動可能に連結し、該左右調整部材の至端に前記操作部を設けたものである。
【0014】
更にまた、本発明の施療機は、前記背当て部は該座部の後側に傾倒移動可能に連結しており、該背当て部の傾倒移動と前記支持部材の移動とを連動するよう構成したものである。
【発明の効果】
【0015】
よって本発明の施療機は、被施療者の臀部または大腿部が当接する座部と身体背部が当接する背当て部と肘掛部を有し、該座部や背当て部に空気の給排気により膨縮する膨縮袋を適宜に配設すると共に、背当て部に左右一対の施療子を備えた昇降自在な施療機構を配設し、操作部で膨縮袋や施療機構の作動を指示するようにした施療機において、該施療機の一方の肘掛部に、上方に延びる一対の支持部材の各基端部を回動可能に並設すると共にこれらの各至端部を連結部材に回動可能に並設し、該連結部材の上部に操作部が位置するよう配備されるよう構成したものであるため、前記操作部を支持部材によって移動させても、前記連結部材は常時略水平状態を保つので、操作部はほとんど角度が変化せず水平移動を行う事ができる。よって、操作部の操作面に対する室内照明の照射率が殆ど変化せず、操作部の操作面における視認性を可及的に保ちながら操作部を移動させられるので、操作部を移動させる度に、わざわざ操作面の傾きを設定し直さなければならないという煩わしさを解消する事ができる。
【0016】
また、本発明の施療機は、前記操作部が嵌脱自在となるよう保持部材を設けたものであるため、前記保持部材で保持した状態で前記操作部を操作したり、または保持部材から操作部を取り外して被施療者が手に持ちながら操作する事も可能となる。
【0017】
更に、本発明の施療機は、前記操作部に上下左右又は前後の任意方向に位置変更できるよう可動ジョイント部材を設けたものであるため、視認性が良好な状態となるよう操作部の操作面の傾きを調整する事ができる。
【0018】
また、本発明の施療機は、前記連結部材に、棒状の左右調整部材の基端を左右方向回動可能に連結し、該左右調整部材の至端に前記操作部を設けたものであるため、前記左右調整部材の基端を軸として被施療者の所望する操作部の左右方向における位置を調整する事ができる。
【0019】
更にまた、本発明の施療機は、前記背当て部は該座部の後側に傾倒移動可能に連結しており、該背当て部の傾倒移動と前記支持部材の移動とを連動するよう構成したものであるため、背当て部が傾倒移動しても、操作部は被施療者との最適な距離を常時保ちつつ視認性を維持する事ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明の施療機を、図面に示す一実施形態に基づきこれを詳細に説明する。図1は本発明の施療機の一実施形態を示す斜視説明図であり、図2及び図3は本発明の施療機の一実施形態を示す使用状態説明図であり、図4は本発明の施療機における背当て部の傾倒及び操作部の前後移動に関する一実施形態を示す右側面説明図であり、図5は本発明の施療機の背当て部及び側壁部における膨縮袋の膨縮に関する一実施形態を示す断面説明図であり、図6は本発明の施療機の一実施形態を示す右側面図であり、図7は本発明の施療機における操作部の前後移動が進退機構による構成の一実施形態を示す右側面図であり、図8は本発明の施療機における操作部の前後移動が連動部材による構成の一実施形態を示す右側面図であり、図9は本発明の施療機における操作部の可動ジョイント部材による前後傾動に関する一実施形態を示す部分右側面図であり、図10は本発明の施療機における操作部の可動ジョイント部材による左右傾動に関する一実施形態を示す部分平面図であり、図11は本発明の施療機における操作部の左右調整部材による左右調整に関する一実施形態を示す部分正面図であり、図12は従来技術を示す参考図である。
【0021】
すなわち、本発明の施療機は、図1及び図2の実施形態で示したように、少なくとも被施療者の臀部または大腿部が当接する座部11aと、身体背部が当接する背当て部12aとから椅子型に構成した施療機1aである。また、該背当て部12aは該座部11aの後側に傾倒移動可能に連結している。
【0022】
さらに前記施療機1aは、前記座部11aの前側に上下方向へ揺動可能に連結した足載せ部13aと、前記座部11aの両側に肘掛け部14aとを設けている。
【0023】
また、前記背当て部12aの左右両側には、前方に向かって突出した側壁部2aを夫々配設している。
【0024】
図1に示すように、前記背当て部12aには、その中央部に左右一対の施療子31aを備えた昇降自在の施療機構3aを設けている。該施療機構3aは、背当て部12aの内部左右に設けた左右一対のガイドレール32aに沿って背当て部12aの上端から下端にかけて昇降するようにしている。
【0025】
前記左右一対の施療子31aは、図示しないが、モータ等を駆動源とした機械式の施療機構であり、前記背当て部12aに凭れた被施療者の首部、背部、腰部、臀部等の背面全域を、たたき、揉み、ローリング、振動、指圧などの多様な形態で施療するようにしたものである。
【0026】
また、前記施療機1aの各所定の位置には、空気の給排気により膨縮を繰り返す事が可能な膨縮袋4aを夫々埋設している。該膨縮袋4aは、エアーコンプレッサー及び各膨縮袋4aに空気を分配するための分配器等からなる空気給排装置41aによる給排気により膨縮動作を行うようにしており、該空気給排装置41aはこれを配置できる空間部であればどの位置であっても良いが、図面では座部11aの下部空間に配備している例を示した。
【0027】
前記空気給排装置41aによる各前記膨縮袋4aの膨縮動作によって、被施療者の所定の施療部位を押圧、指圧等を実施する事ができ、また、これを対となるよう複数の膨縮袋4aを対設させる事により挟圧等の施療も行う事ができる。更に、制御装置等をこれに設けて膨縮袋4aを膨張状態に保つようにした場合は、被施療者の所定の部位を一定の時間保持する事も可能である。
【0028】
図1の場合、前記施療機1aは、前記背当て部12aの左右側上部、及び左右側下部に夫々膨縮袋4aを設けており、被施療者の背中及び腰部を押圧、または左右両側から挟圧するような施療を行うよう構成している。
【0029】
また、前記座部11aには、後部側に臀下部用や腿部用の膨縮袋4aを夫々埋設して、主に下方から上方に押圧する施療を行うようにしている。尚、臀下部用や腿部用の膨縮袋4aを夫々斜形状に埋設することで、斜め方向への押圧施療が行えるものである。
【0030】
前記足載せ部13aは、身体の脛部及び足先部を夫々嵌入させる左右一対の凹部を夫々形成したものであり、各凹部に膨縮袋4aを左右一対として対設するよう配設させて、凹部内部で人体の脛部及び足先部に対する挟圧施療を実施するようにしている。
【0031】
前記左右の肘掛け部14aの上部には、身体の手や前腕を嵌入保持して施療するための凹部を形成する腕保持部15aを設けており、図1の場合、該腕保持部15aの内部において、上下に各膨縮袋4aを夫々対設するよう配設し、凹部内部で身体の手や前腕に対する挟圧施療を実施するようにしている。
【0032】
前記左右側壁部2aは、座部11aに着座した被施療者の肩または上腕側方となる位置に配設しているが、該左右側壁部2aの内側面には、夫々左右方向に重合した膨縮袋4a・4aを並列状態に埋設している。これら重合した膨縮袋4a・4aはその基端部のみを側壁部2aの基端部に取り付けているため、図5に示すように膨張時には重合した膨縮袋4a・4aが扇状に広がって被施療者の身体側部を挟圧しつつ、身体前方まで覆うようになる。
【0033】
よって、前記左右側壁部2aの前記膨縮袋4aは、膨縮動作により身体側部を施療する事ができるだけでなく、一定の時間において膨張状態を保つようにした場合は、被施療者の身体が前記背当て部12aから離れないようにしっかりと保持する事ができ、図5に示すように被施療者の身体を固定したままの状態で前記施療機構3aの前記施療子31aによる背部からの施療を効果的に受ける事が可能となる。
【0034】
而して、上記したように構成された施療機1aは、図1に示すように操作部5aにより作動を操作指示されて稼働するようにしており、該操作部5aによって前記膨縮袋4aや前記施療機構3aの作動を指示することができる。また、該操作部5aにより、主電源の入切、前記空気給排装置41a及び各前記膨縮袋4aによる施療の種類や強度等の選択、その他、前記背当て部12aのリクライニングや前記足載せ部13aの上下動の調整等、施療機1aの機能に対するほとんどの操作を一局集中的に行うようにしている。
【0035】
また前記操作部5aには、操作面56a上に液晶画面等の表示部54aや、操作ボタンまたはダイヤル等の操作指示部55aを設けており、被施療者は表示部54aを見ながら操作指示部55aで前記のように施療機1aの所望する機能を選択指示する事ができるようにしている。尚、他にも図示しないが音声による操作指示が行えるようにしても良い。
【0036】
更に、前記操作部5aによる前記施療機1aの操作に伴う制御は、電子制御で行うものあり、また、予めプログラムされたデータに基づく動作や、被施療者が任意に入力したプログラムデータに基づいて動作するようにしてもよい。
【0037】
前記操作部5aは、図2に示すように前記施療機1aにおける被施療者の片側部(図面では右側)から立設する支持部材51aの上端に設けられている。
【0038】
すなわち、図1、図6に示すように前記肘掛け部14aに、上方に延びる一対の支持部材51aの各基端部511aを回動可能に並設すると共に、これらの各至端部512aを連結部材513aに回動可能に並設し、該連結部材513aの上部に操作部5aが位置するよう配備している。
【0039】
よって、図4に示すように、前記操作部5aを前後に移動させても、前記連結部材513aは常時略水平状態を保つ態様となるので、操作部5aもほとんど角度が変化せず水平移動を行う事ができるのである。
【0040】
また、前記操作部5aは、図9及び図10に示すように連結部材513aの上方において、あらゆる方向に傾動調整できるようにする事ができる。例えば、ボールジョイント等の可動ジョイント部材53aを設けて、一点を中心に上下左右又は前後のあらゆる任意方向に位置変更できるよう傾動可能に構成してもよい。
【0041】
また、前記連結部材513aの上部に、前記操作部5aを保持し得る保持部材52aを設け、該操作部5aを保持部材52aにおいて嵌脱自在になるよう構成している。該保持部材52aには、前記可動ジョイント部材53aを備えている。
【0042】
これにより、前記保持部材52aで保持した状態で前記操作部5aを操作したり、または保持部材52aから操作部5aを取り外して被施療者が手に持ちながら操作する事も可能となる。尚、操作部5aをコードレス仕様にすると、保持部材52aから操作部5aを嵌脱する際に、コードが邪魔にならず便利である。
【0043】
前記連結部材513aには、図1及び図6の実施形態に示すように、前記操作部5a左右方向における位置を被施療者が調整するための左右調整部材514aを取り付けている。
【0044】
前記左右調整部材514aは一実施形態として棒状の支持部材であり、図11に示すようにその基端が連結部材513aに左右方向回動可能に連結しており、至端に前記操作部5aが取り付けられている。
【0045】
前記左右調整部材514aに対する前記操作部5aの取付は、図面に示すように前記保持部材52aや前記可動ジョイント部材53aを介してなされるようにしてもよい。
【0046】
前記左右調整部材514aの回動可能な基端を軸として左右方向において前記施療機1aの中央へ傾動させ、次いで左右調整部材514aの回動可能な至端にある前記可動ジョイント部材53aにより、前記操作部5aを施療機1aの外側へ傾動させる事により、被施療者の所望する操作部5aの左右方向における位置を調整する事ができる。
【0047】
或いは、被施療者が前記操作部5aをしっかりと保持した状態で、前記施療機1aの中央へ引き込むようにすると、前記左右調整部材514aの基端及び前記可動ジョイント部材53aにおける傾動が共に行われ、被施療者の所望する操作部5aの左右方向における位置と共に操作部5aの傾きの調整を一度に行う事が可能となる。
【0048】
尚、前記左右調整部材514aの基端及び前記可動ジョイント部材53aにおける各調整移動に関し、他にも直線移動や回動移動ができるものであってもよいし、また、段階的な移動調整を可能にしたり、スムーズな無段階移動調整を可能にしたりする機構であってもよい。
【0049】
上記の構成により、被施療者の体形や操作上または視認上等の好みに合わせて自由に前記操作部5aの位置調整を行う事ができ、また、図3に示すように前記左右の側壁部2aに設けた膨縮袋4aにより被施療者の左右両側を施療または保持して上腕や肩を含む身体が固定された場合や、また図4のように前記背当て部12aを傾倒する場合などであっても、被施療者は前記操作部5aに楽に手が届いて、操作を何の支障もなく行うことができるのである。
【0050】
特に、前記支持部材51aだけを前後移動させると、前記操作部5aの傾きは変化せずそのままの状態で前後に水平移動するので、前記操作部5aの傾きが変化する事による前記表示部54aや前記操作指示部55aなどの視認性の悪化を招く事を可及的に抑える事ができる。
【0051】
前記操作部5aの前記支持部材51aにおける前後移動は手動で行えるが、その他にも図7に示すようなモータの回転により進退する進退棒を備えた進退機構57aによって行うよう構成する事も可能である。この場合、片方(図面では後方)の前記支持部材51aの前記基端部511aよりもさらに垂下形成される垂下部515aの下端部を前後に進退移動させられるよう、進退機構57aにある進退棒の先端と回動可能に連結して構成する事ができる。
【0052】
図8の実施形態は、前記支持部材51aの移動と前記背当て部12aの傾倒移動とを連動するよう構成したものである。すなわち、前記垂下部515aの下端において回動可能に棒状に形成された連動部材516aの前端を連結すると共に、背当て部12aの下端において回動可能に該連動部材516aの後端を連結している。
【0053】
よって、前記背当て部12aが前後に傾倒すると、前記操作部5aはそれに伴って前後に略傾きを一定に保った状態で水平移動を行う事になる。
【0054】
前記操作部5aに関して、該操作部5aの液晶画面等の前記表示部54aと、操作ボタンまたはダイヤル等の前記操作指示部55aとを分離し、操作指示部55aを被施療者の手元に近い適所に設けるかまたは手に持つことができるようにしてもよい。この構成の場合、操作表示部55aを被施療者の顔の近くに位置させて視認性を高めると共に、操作指示部55aは被施療者の手元でまたは手に持って操作する事ができるため、わざわざ被施療者が操作部5aまで手を伸ばす必要がなくなる。尚、この場合の操作指示部55aを十字キーとその中央に実行キーを配するよう構成すれば、被施療者が操作指示部を見なくても表示部54aだけを見て操作できるようになる。
【0055】
また、前記操作部5aの前記支持部材51aの前記基端部511aが、前記腕保持部15aや前記背当て部12a、または前記側壁部2aの側部に連結されていてもよい。
【0056】
前記施療機1aに関しては、これまで主に椅子型のものを示したが、これに限らず、例えば他に少なくとも被施療者の臀部または大腿部が当接する座部と身体背部が当接する背当て部を設けてなるマット型やベッド型にも上記の構成を適用する事ができ、そのような形態の場合は、施療機における被施療者の片側部、例えば背当て部または座部の側部に前記前後一対の支持部材51aの前記各基端部511aを夫々設ける事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の施療機の一実施形態を示す斜視説明図である。
【図2】本発明の施療機の一実施形態を示す使用状態説明図である。
【図3】本発明の施療機の一実施形態を示す使用状態説明図である。
【図4】本発明の施療機における背当て部の傾倒及び操作部の前後移動に関する一実施形態を示す右側面説明図である。
【図5】本発明の施療機の背当て部及び側壁部における膨縮袋の膨縮に関する一実施形態を示す断面説明図である。
【図6】本発明の施療機の一実施形態を示す右側面図である。
【図7】本発明の施療機における操作部の前後移動が進退機構による構成の一実施形態を示す右側面図である。
【図8】本発明の施療機における操作部の前後移動が連動部材による構成の一実施形態を示す右側面図である。
【図9】本発明の施療機における操作部の可動ジョイント部材による前後傾動に関する一実施形態を示す部分右側面図である。
【図10】本発明の施療機における操作部の可動ジョイント部材による左右傾動に関する一実施形態を示す部分平面図である。
【図11】本発明の施療機における操作部の左右調整部材による左右調整に関する一実施形態を示す部分正面図である。
【図12】従来技術を示す参考図である。
【符号の説明】
【0058】
1a 施療機
11a 座部
12a 背当て部
13a 足載せ部
14a 肘掛け部
15a 腕保持部
2a 側壁部
3a 施療機構
31a 施療子
32a ガイドレール
4a 膨縮袋
41a 空気給排装置
5a 操作部
51a 支持部材
511a 基端部
512a 至端部
513a 連結部材
514a 左右調整部材
515a 垂下部
516a 連動部材
52a 保持部材
53a 可動ジョイント部材
54a 表示部
55a 操作指示部
56a 操作面
57a 進退機構


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者の臀部または大腿部が当接する座部と身体背部が当接する背当て部と肘掛部を有し、該座部や背当て部に空気の給排気により膨縮する膨縮袋を適宜に配設すると共に、背当て部に左右一対の施療子を備えた昇降自在な施療機構を配設し、操作部で膨縮袋や施療機構の作動を指示するようにした施療機において、該施療機の一方の肘掛部に、上方に延びる一対の支持部材の各基端部を回動可能に並設すると共にこれらの各至端部を連結部材に回動可能に並設し、該連結部材の上部に操作部が位置するよう配備される事を特徴とする施療機。
【請求項2】
前記連結部材の上部に、操作部を保持し得る保持部材を設け、操作部を嵌脱自在にした事を特徴とする請求項1記載の施療機。
【請求項3】
前記連結部材の上部に、操作部を上下左右又は前後の任意方向に位置変更可能な可動ジョイント部材を設けた事を特徴とする請求項1及び請求項2記載の施療機。
【請求項4】
前記連結部材の上部に、左右方向回動可能な棒状の左右調整部材を連結し、該左右調整部材に操作部を配備させる事を特徴とする請求項1記載の施療機。
【請求項5】
前記背当て部は、前記座部の後側に傾倒移動可能に連結しており、該背当て部の傾倒移動に連動して前記支持部材が移動するよう構成した事を特徴とする請求項1記載の施療機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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