説明

施設園芸用温風暖房機

【課題】アップフロー型の施設園芸用温風暖房機において、送風ダクトの配置に伴う問題を解消することのできる、施設園芸用温風暖房機を提供する。
【解決手段】ケーシング2の上部に、ケーシング内外に連通する円筒形のフランジ付きベース13を固定し、同ベースに対し、横向きに温風吐出口12を形成する吐出口本体14を、フランジ上面を周方向にガイドされる複数のガイド輪15によって周方向に首振り可能に支持し、ケーシング2の上部に、吐出口本体14の胴部14bに巻回されたベルト手段18を駆動させる駆動モータ20を、吐出口本体の胴部から所定距離離れた位置に取り付け、吐出口本体の周方向に沿って2箇所に配置した時計回り用および反時計回り用のリミットスイッチの作動により、吐出口本体の首振り運動を反転制御する首振り制御手段を設け、吐出口本体の首振り運動に連動して上下にスイング動作するスイング翼30を吐出口12内に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーシング下部に設けられた空気吸込口から吸い込まれた空気を、火炉で発生させた燃焼ガスと熱交換し、生成した温風をケーシング上部の温風吐出口からハウス内に吐出する施設園芸用温風暖房機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の施設園芸に用いられる温風暖房機は、一般にダウンフロー型(温風を下吹かしにする)とアップフロー型(温風を上吹かしにする)に分類される。ダウンフロー型は、暖房機の下部吐出口から延びるビニール製の送風ダクトを地上部に配置し、送風ダクトの送風口から温風をハウス内に吹き上げ、主に果樹類などの立木で比較的背の高いもの(みかん、金柑など)の加温に用いる。特許文献1にダウンフロー型の構造例を示す。これに対し、アップフロー型は、暖房機の上部吐出口から延びるビニール製の送風ダクトをハウス上部に吊下げて配置し、送風ダクトの送風口から温風をハウス内に吹き降ろし、野菜類や花卉類などの比較的背の低いもの(苺や菊など)の加温に用いる。
【0003】
【特許文献1】特開平5−133610号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記アップフロー型は、(1)生産者の頭上位置に複数の送風ダクトが配置されるため、送風ダクトがハウス内作業の妨げとなる、(2)送風をしていない場合にダクトが垂れ下がり、管理作業の妨げとなる、(3)垂れ下がったダクトが薬剤散布やハウス内換気の妨げとなる、(4)ダクトの消耗が早い、(5)ハウス内の温度バランスが不均衡となりやすい(ハウス上部に温度溜りができる)等の問題があり、その改善が強く要望されていた。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、アップフロー型において、送風ダクトの配置に伴う諸問題を解消することのできる、施設園芸用温風暖房機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る請求項1の施設園芸用温風暖房機は、
ケーシングの内部に火炉および多数の煙管を配置し、ケーシングの下部に空気吸込口および上部に温風吐出部を設け、空気吸込口には送風機を装着し、ケーシングの内周面と火炉の周囲および多数の煙管の周囲に熱交換部を形成した施設園芸用温風暖房機において、
ケーシングの上部に、ケーシング内外に連通する円筒形のフランジ付きベースを固定し、フランジ付きベースに対し、ケーシング内外に連通して横向きに温風吐出口を形成する吐出口本体を、フランジ上面を周方向にガイドされる複数のガイド輪によって周方向に首振り可能に支持し、
ケーシングの上部に、吐出口本体の胴部に巻回されたベルトまたはチェーン手段を駆動させる駆動モータを、吐出口本体の胴部から所定距離離れた位置に取り付け、
吐出口本体の周方向に沿って2箇所に配置した時計回り用および反時計回り用のリミットスイッチの作動により、吐出口本体の首振り運動を反転制御する首振り制御手段を設け、
吐出口本体の首振り運動に連動して水平軸回りに上下にスイング動作するスイング翼を吐出口内に配置したことを特徴とする。
【0007】
請求項1記載の施設園芸用温風暖房機によれば、駆動モータ、ベルトまたはチェーン手段、リミットスイッチ等の手段によって吐出口本体を所定の範囲で首振り運動させることにより、水平方向への温風の吐出方向の向きが定期的に変化し、ハウス内のサイドから奥方までまんべんなく温風を送ることができ、ハウス内の温度バランスが均衡する。また、送風ダクトの廃止が可能となり、送風ダクトに伴う諸問題が解消される。さらに、アップフロー型の場合、ハウス内の上方に熱が溜まりやすく、上部と下部で温度差が生じるが、吐出口本体の首振り運動に連動して吐出口内のスイング翼を上下にスイング動作させることにより、ハウス内の上下の温度差も平均化し、これらの相乗効果によって、ハウス内の全体の温度バランスがより一層均衡する。
【0008】
駆動モータは、吐出口本体の胴部から所定距離離れた位置に取り付けたから、温風吐出時における吐出口本体の胴部からの駆動モータに対する熱影響が少なく、駆動モータの耐久性が向上する。
【0009】
本発明に係る請求項2記載の施設園芸用温風暖房機は、前記スイング翼のスイング動作を、フランジ付きベースのフランジ上面を往復ガイドされる一つのガイド輪により作動されるリンク機構によってなす構成としたことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の温風暖房機によれば、ガイド輪およびリンク機構の作用によって、駆動モータからの駆動力をそのまま利用して、スイング翼をスイング動作させることが可能である。
【0011】
本発明に係る請求項3の施設園芸用温風暖房機は、前記リンク機構を、前記一つのガイド輪に同軸的に取り付けた回転板と、同回転板の周縁に一方のロッドの連結端を、スイング翼の後端に他方のロッドの連結端を、それぞれ連結したユニバーサルジョイントとから構成したことを特徴とする。
【0012】
本発明に係る請求項3の施設園芸用温風暖房機によれば、ユニバーサルジョイント機構を用いて、吐出口本体の首振り運動を円滑にスイング翼のスイング動作に変換させることが可能である。
【0013】
本発明に係る請求項4の施設園芸用温風暖房機は、フランジ付きベースの外周面と吐出口本体の内周面との間に複数のガイド輪を配置した、ことを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の温風暖房機によれば、ベースの外周面と吐出口本体の内周面との間に複数のガイド輪を配置することで、吐出口本体の首振り運動がより一層スムーズとなる。
【0015】
本発明に係る請求項5の施設園芸用温風暖房機は、前記ガイド輪の一つを、吐出口本体の首振り中心軸の、前記駆動モータと180度反対側に配置したことを特徴とする。
【0016】
請求項5記載の温風暖房機によれば、前記ガイド輪の一つを、吐出口本体の首振り中心軸の、前記駆動モータと180度反対側に配置することで、吐出口本体の首振り運動がより一層スムーズとなる。
【0017】
本発明に係る請求項6の施設園芸用温風暖房機は、時計回り用および反時計回り用の各リミットスイッチを、停止用およびオーバーラン用に2個ずつ設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明に係る施設園芸用温風暖房機によると、吐出口本体の首振り運動と連動して上下にスイング動作するスイング翼によって、温風吐出口から吐出される温風の吐出方向を上下方向に繰り返し変更し、これによってハウス内の上下温度を全体にわたりまんべんなく平均化して、ハウス内の全体の温度バランスを均衡化させることができる効果を奏する。
【0019】
また、吐出口本体の首振り運動に際し、駆動モータにより駆動されるベルトまたはチェーン手段を吐出口本体の胴部に巻回させるようにしたから、吐出口本体を安定して円滑に首振り運動させることができ、また、駆動モータを吐出口本体の胴部から所定距離離れた位置に取り付けることにより、温風吐出時に吐出口本体の胴部の温度が上昇しても、駆動モータに与える熱影響がなく、駆動モータの耐久性を向上させることができる等の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明を実施するための最良の形態を図1ないし図7を参照して説明する。これらの図において、1は施設園芸用温風暖房機、2はケーシングを示している。
【0021】
施設園芸用温風暖房機1の基本構造を説明すると、図1および図2に示すように、ケーシング2は、横長の密閉形状をしており、その内部には、ケーシング2の内周面との間に空間Sを残して、前部に火炉3が、後部に火炉3に連通する多数の煙管4が収納配置されている。火炉3にはバーナー5が装備され、煙管4はケーシング2の後方に突出し、上向きに延びる煙突6に連通している。ケーシング2の下部で多数の煙管4の直下には空気吸込口7が開口して設けられ、ケーシング2の上部で火炉3の直上には温風吐出部8が設けられている。空気吸込口7には吸気ファン(送風機)9が装着されている。なお、バーナー5の近くには、バーナー5の燃焼制御を行う制御盤10が設けられている。
【0022】
上記構造の温風暖房機1によると、ケーシング2の下部の吸気ファン9を回して空気をケーシング2内に取り入れるとともに、バーナー5を着火させて火炉3内で火炎を発生させると、火炉3内の燃焼ガスは煙管4および煙突6を通って排気される一方、ケーシング2内に取り入れられた空気と煙管4および火炉3の周囲の熱交換部11(空間S)において熱交換され、生成された温風がケーシング2の上部の温風吐出部8の温風吐出口12からハウス内に吐出され、ハウス用暖房に供される。
【0023】
図3に示すように、ケーシング2の上部には、ケーシング2内外に連通し空気通路13aを形成する円筒形のフランジ付きベース13が固定されている。このフランジ付きベース13に対し、前記空気通路13aに連通する空気通路14aを形成し、横向きに温風吐出口12を形成する吐出口本体14が、上から外側に被せられるとともに、同吐出口本体14は、その内周面に取付け部材15aを介して周方向3箇所に等間隔で下向きに支持された計3つのガイド輪15が、フランジ付きベース13の上端のフランジ13bの上面に載置されることによって、同ベース13に対し支持されている。
【0024】
また、同吐出口本体14は、前記フランジ13bの上面を周方向にガイドされる前記3つの縦方向のガイド輪15と、ベース13の外周面13cに取付け部材16aを介して周方向3箇所に等間隔で外向き(横向き)に支持され、吐出口本体14の内周面14aを周方向にガイドされる計3つの横方向のガイド輪16とによって、ガタつくことなく、円滑に首振り可能とされている。
【0025】
ケーシング2の上部には、吐出口本体14の胴部14bのV字溝17に巻回されたVベルト(ベルト手段)18をプーリ19を介して駆動させる駆動モータ(駆動手段)20が、吐出口本体14の胴部14bから所定距離Lだけ離れた位置に取り付けられている。なお、Vベルト18の替わりにチェーンを用いることも可能である。
【0026】
ケーシング2の上部には、吐出口本体14の胴部14bの近傍に位置して、回動中の吐出口本体14を時計回りおよび反時計回りに反転させるためのリミットスイッチ21,22が所定の間隔をおいて配置されている。吐出口本体14の胴部14bには、リミットスイッチ21,22を作動させるための蹴り板23,24が取り付けられている。一方のリミットスイッチ21は、図4に示すように、反時計回りに回動中の吐出口本体14が基準位置Oから所定の角度(例えば45度)に達したときに押圧部21Aが蹴り板23により押圧されて作動し、吐出口本体14を停止させ、他方のリミットスイッチ22は、図5に示すように、時計回りに回動用の吐出口本体14が基準位置Oから所定の角度(例えば45度)に達したときに押圧部22Aが蹴り板24により押圧されて作動し、吐出口本体14を停止させるようになっている。
【0027】
駆動モータ20は、タイマー機構の制御によって正逆反転駆動される構成とされ、リミットスイッチ21,22の作動により、駆動が停止され、タイマーの設定時間経過後に、(反転方向に)駆動が再開され、吐出口本体14を反転方向に回動させるようになっている。これらの機能により、吐出口本体14は、図4に示すように基準位置Oから反時計回りに所定の角度の位置と、図5に示すように基準位置Oから時計回りに所定の角度の位置の範囲で、首振り運動が可能となっている。ここで、リミットスイッチ21,22、蹴り板23,24、タイマー機構は、吐出口本体14の首振り運動を反転制御する首振り制御手段を構成する。また、吐出口本体14の首振り角度は、蹴り板23,24の位置を変更することによって、適宜変更することが可能である。
【0028】
リミットスイッチ21,22の近傍には、図示しないが、安全装置として、オーバーラン用のリミットスイッチを配置し、また、吐出口本体14の胴部14bには、オーバーラン用のリミットスイッチをそれぞれ作動させるための蹴り板をオプションとして取り付けることが可能である。
【0029】
吐出口本体14の温風吐出口12には、吐出口本体14の首振り運動に連動して前端の水平軸29回りに上下にスイング動作するスイング翼30が配置されている。このスイング翼30のスイング動作は、ベース13のフランジ13bの上面を往復ガイドされる一つのガイド輪15’を駆動輪として、作動されるリンク機構31によってなされるようになっている。
【0030】
リンク機構31は、前記ガイド輪15’に連結軸32aにより同軸的に取り付けられた回転板32と、同回転板32の周縁部の一部に連結ピン33bを介して一方のロッド33の連結端33aが連結され、かつスイング翼30の後端aに他方のロッド34の連結端34aがスライド孔30b内を僅かにスライド可能に連結されたユニバーサルジョイント35とから構成されている。
【0031】
ユニバーサルジョイント35は、ガイド輪15’の往復動に伴う回転板32の回転運動をスイング翼30の上下スイング動作に変換すべく機能するもので、図6に示すように、ガイド輪15’の往復動に伴い、ユニバーサルジョイント35の連結端33aが回転板32の上死点にきたときにスイング翼30の後端が上向きとなり、ユニバーサルジョイント35の連結端33aが回転板32の下死点にきたときにスイング翼30の後端が下向きとなることによって、スイング翼30が上下にスイング動作するようになっている。
【0032】
温風吐出口12の内側には、図7に示すように、温風吐出口12から吐出される温風を整流化するための複数枚の整流縦格子36が等間隔に取り付けられている。各整流縦格子36との干渉を避けるために、スイング翼30の前端には、各整流縦格子36が上下方向に収容される複数のスリット30cが形成されている。
【0033】
次に、以上のように構成された施設園芸用温風暖房機1を用いたハウス内暖房について、以下に説明する。
【0034】
ハウス内に設置された施設園芸用温風暖房機1の吸気ファン9を作動させて、ハウス内空気をケーシング2内に取り入れると共に、バーナー5を着火させて火炉3内に発生させた高温の燃焼ガスと、熱交換部11において熱交換し、生成した温風を温風吐出部8の温風吐出口12からハウス内に吐出させる。ケーシング2内で生成された約50〜60℃程度の温風は、フランジ付きベース13の空気通路13aおよび吐出口本体14の空気通路14aを通り、各整流縦格子16により整流化された状態でハウス内に吐出される。
【0035】
温風暖房機1の運転と同期してタイマー制御される駆動モータ20により、V字ベルト18を駆動して、あわせてリミットスイッチ21、22の作動により、吐出口本体14を、図4および図5に示すように、所定の角度範囲(図示例では90度)で首振り運動させ、温風吐出口12から吐出される温風の水平方向の向きを変え、ハウス内のサイドから奥方へかけてまんべんなく温風を送るようにする。
【0036】
ゴム製のV字ベルト18により吐出口本体14を回動させるので、回動時の吐出口本体14の動きの挙動をV字ベルト18が吸収し、吐出口本体14をガタつかせることなく安定して首振り運動させることができる。また、駆動モータ20を吐出口本体14の外面から離れた位置に取り付けることができるから、駆動モータ20の熱劣化を防ぎ、耐久性を向上させることができる。なお、吐出口本体14の外面は温風吐出時に50〜60℃に上昇するから、直接駆動の場合は駆動モータ20を熱劣化させる心配がある。さらに、V字ベルト18の採用により駆動騒音が少なく交換等のメンテナンスも容易である。
【0037】
吐出口本体14の首振り運動に連動するリンク機構31によって、温風吐出口12内のスイング翼30を上下にスイング動作させるようにしたから、温風吐出口12からの温風の吐出方向が定期的に上向きと下向きを繰り返し、ハウス内の空気に上下方向の対流を形成して、ハウス内空気がまんべんなく攪拌される。アップフロー型の場合、吐出された温風がハウス内の上部に溜まりやすく、ゆえに上部が高温で下部が低温の温度分布になるが、スイング翼30の作用によって、ハウス内の上下温度差が平均化し、吐出口本体14の首振り運動によってハウス内の平面位置における温度差が平均化されることと合わせて、ハウス内温度が全体的にかつ立体的に平準化される。
【0038】
上記の温風暖房機1を使用することにより、暖房効率がアップし、その結果、重油使用量を減らすことができる。これにより、暖房費用の削減、ひいては施設野菜、花卉、果樹等の生産コストの削減を図ることができる。
【0039】
上記の温風暖房機1は、主にハウス内暖房に用いられるが、夏期においてハウス内が太陽に照射されて、ハウス内温度が上昇する場合には、ハウス内空気の攪拌用、通風用にも用いることができる。吐出口本体14の首振り運動およびスイング翼30の上下スイング運動によって、ハウス内空気の攪拌や通風を促進させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明に係る施設園芸用温風暖房機は、施設園芸用ハウス内に温風を供給してハウス内を暖房する温風暖房機の他、ハウス内空気の攪拌用、通風用としても幅広く用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る施設園芸用温風暖房機の外観を示す側面図、
【図2】図1に示す施設園芸用温風暖房機の断面図、
【図3】図1に示す施設園芸用温風暖房機の温風吐出部を示す要部断面図、
【図4】同温風吐出部の首振り運動を示す要部平面図、
【図5】同温風吐出部の首振り運動を示す要部平面図、
【図6】スイング翼を上下にスイング動作させるためのリンク機構の説明図、
【図7】温風吐出部の正面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 施設園芸用温風暖房機
2 ケーシング
3 火炉
4 煙管
5 バーナー
6 煙突
7 空気吸込口
8 温風吐出部
9 吸気ファン(送風機)
10 制御盤
11 熱交換部
12 温風吐出口
13 フランジ付きベース
13a,14a 空気通路
13b フランジ
14 吐出口本体
14a 吐出口本体の内周面
14b 吐出口本体の胴部
15,16 ガイド輪
15a,16a 取付け部材
17 V字溝
18 Vベルト(ベルト手段)
19 プーリ
20 駆動モータ
21,22 リミットスイッチ
21A,22A 押圧部
23,24 蹴り板
29 水平軸
30 スイング翼
30a スリット
31 リンク機構
32 回転板
33,34 ロッド
33a,34a 連結端
33b 連結ピン
35 ユニバーサルジョイント
36 整流縦格子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングの内部に火炉および多数の煙管が配置され、ケーシングの下部に空気吸込口および上部に温風吐出部が設けられ、空気吸込口には送風機が装着され、ケーシングの内周面と火炉の周囲および多数の煙管の周囲に熱交換部が形成された施設園芸用温風暖房機において、
ケーシングの上部に、ケーシング内外に連通する円筒形のフランジ付きベースが固定され、フランジ付きベースに対し、ケーシング内外に連通して横向きに温風吐出口を形成する吐出口本体が、フランジ上面を周方向にガイドされる複数のガイド輪によって水平方向に首振り可能に支持され、
ケーシングの上部に、吐出口本体の胴部に巻回されたベルトまたはチェーン手段を駆動させる駆動モータが、吐出口本体の胴部から所定距離離れた位置に取り付けられ、
吐出口本体の周方向に沿って2箇所に配置された時計回り用および反時計回り用のリミットスイッチの作動により、吐出口本体の首振り運動を反転制御する首振り制御手段が設けられ、
吐出口本体の首振り運動に連動して水平軸回りに上下にスイング動作するスイング翼が吐出口内に配置されている、ことを特徴とする施設園芸用温風暖房機。
【請求項2】
前記スイング翼のスイング動作は、フランジ付きベースのフランジ上面を往復ガイドされる一つのガイド輪により作動されるリンク機構によってなされる、ことを特徴とする請求項1記載の施設園芸用温風暖房機。
【請求項3】
前記リンク機構は、前記一つのガイド輪に同軸的に取り付けられた回転板と、同回転板の周縁に一方のロッドの連結端が、スイング翼の後端に他方のロッドの連結端が、それぞれ連結されたユニバーサルジョイントとから構成されている、ことを特徴とする請求項2記載の施設園芸用温風暖房機。
【請求項4】
フランジ付きベースの外周面と吐出口本体の内周面との間に複数のガイド輪が配置されている、ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の施設園芸用温風暖房機。
【請求項5】
前記ガイド輪の一つは、吐出口本体の首振り中心軸の、前記駆動手段と180度反対側に配置されている、ことを特徴とする請求項4記載の施設園芸用温風暖房機。
【請求項6】
時計回り用および反時計回り用の各リミットスイッチは、停止用およびオーバーラン用に2個ずつ設けられている、ことを特徴とする請求項1ないし請求項5記載の施設園芸用温風暖房機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−174820(P2009−174820A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−15750(P2008−15750)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【出願人】(000176051)三州産業株式会社 (34)
【Fターム(参考)】