説明

既設埋設管破砕用カッターヘッド

【課題】非金属製の管状本体を接続する部分に金属製カラーが外嵌されている既設埋設管を効率よく破砕できるとともに、その構造が簡単なカッターヘッドを提供する。
【解決手段】ローラーカッタ12は、非金属製の管状本体の後端部分に切れ込んで順次破砕するとともに、金属製カラー9の後端部分9aに切れ込んで亀裂を形成する。押圧変形部材13の前端部分13aは、亀裂が生じて円周方向に互いに分断されている後端部分9aの各部分をそれぞれ推進方向前方に変形させる。ローラーカッタ12による亀裂形成作用と押圧変形部材13による押圧変形作用とを反復させることにより金属製カラー9の後端部分9aをも順次破砕することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中に埋設されて老朽化した既設埋設管を破砕するカッターヘッドに関し、より詳しくは、非金属製の管状本体ばかりでなく、これらの管状本体の接続部分に外嵌されている金属製カラーも効率よく破砕できるように改良されたカッターヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
上下水道等を含む各種用途に供される地中埋設管は、経年変化によって老朽化が進むため、適切な時期に新しい埋設管に改築する必要がある。
この場合、既設埋設管が埋設されている個所の地盤を地表面から開削してこの既設埋設管を掘り出した後に新たな管(更新管)を吊り込んで埋設し直す方法、あるいは図4に示したように地表面に掘設した立坑から水平方向に掘進し、既設埋設管を順次撤去しつつ更新管に交換する方法が用いられる。
【0003】
図4に示した従来の既設埋設管改築方法においては、既設埋設管1を更新管2に交換するべく地表面Gに発進坑3を掘設するとともに、この発進坑3の底部に推進機4を設置する。
そして、推進機4の駆動モータおよび減速機5によってスクリュコンベア6およびその先端に設けられているカッターヘッド7を一体に回転駆動し、カッターヘッド7の前面に突設されている掘削ビット8により既設埋設管1を破砕しつつその周囲の地盤を掘削する。
また、破砕した既設埋設管1の破片および掘削した周囲の地盤の土砂は、スクリュコンベア6およびケーシング9によって搬送し、発進坑3側に取り出してから地表面G側に除去する。
これと同時に、推進機4によってスクリュコンベア6,カッターヘッド7および更新管2を前方に一体に推進し、既設埋設管1を更新管2に順次交換する。
【0004】
このとき、掘削ビット8としては、一般的に、図5に示したような大小のローラービット8a,8bが用いられる。
【0005】
一方、既設埋設管1がコンクリートおよび補強用の鉄筋から成る場合には、下記特許文献1に記載されている「既設埋設管破砕用カッターヘッド」のように、柱状掘削ビットと平型カッタビットを組み合わせて用いる。
【0006】
あるいは、下記特許文献2に記載されている「コンクリート管破砕用カッターヘッド」のように、ローラーカッタ、ディスクカッタおよびカッタビットを組み合わせて用いる。
【0007】
他方、コンクリート製の既設埋設管の接続部分に鋼製カラーが外嵌されている場合には、下記特許文献3に記載されている「推進機用カッターヘッド」のように、コンクリート材料の破砕に適した第1のカッタービットを第1の面板に突設するとともに、鋼製カラーを破砕可能な第2のカッタービットを第2の面板に突設し、第1および第2の面板を回転させながら交互に前方に突出させて既設埋設管を破砕する。
【0008】
【特許文献1】特開2006−291565号公報
【特許文献2】特開平10−88974号公報
【特許文献3】特開平10−88974号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている「既設埋設管破砕用カッターヘッド」における柱状掘削ビットと平型カッタビットの組み合わせでは、鋼製カラーを効率よく破砕することができない。
【0010】
また、上記特許文献2に記載されている「コンクリート管破砕用カッターヘッド」は、ローラーカッタ,ディスクカッタおよびカッタビットを多数用いるものであり、その構造が複雑である。
【0011】
さらに、上記特許文献3に記載されている「推進機用カッターヘッド」は、第1および第2のカッタービットを使い分けるものであり、その構造が複雑である。
【0012】
そこで本発明の目的は、管状本体を接続する部分に金属製カラーが外嵌されている既設埋設管を効率よく破砕することができる、その構造が簡単な既設埋設管改築用カッターヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するための請求項1に記載した手段は、
非金属製の管状本体を接続する部分に金属製のカラーが外嵌されている既設埋設管を破砕するためのカッターヘッドであって、
推進方向に延びる軸線の回りに推進機によって回転駆動される本体部分と、
前記軸線に対し半径方向外側に延びる回転軸の回りに回転するように前記本体部分の前側に支持された、その断面形状が歯車状のローラーカッタと、
前記ローラーカッタと隣接するように前記本体部分の前側に支持された、前記軸線に対し半径方向外側に延びる前端部分を有した押圧変形部材と、
を備え、
前記ローラーカッタは、前記本体部分が前記推進機によって回転駆動されつつ前方に推進されると、前記管状本体の後端部分にその複数の歯先が順次切れ込んで前記管状本体を破砕するともに、前記カラーの後端部分にその歯先が順次切れ込んで前方に延びる亀裂を生じさせるように構成され、
前記押圧変形部材は、前記カラーの後端部分のうち前記亀裂が生じている部分をそれぞれ押圧して半径方向外側に変形させるように構成されている、ことを特徴とする。
【0014】
すなわち、請求項1に記載した既設埋設管破砕用カッターヘッドは、ローラーカッタと押圧変形部材を用いて非金属製の管状本体(例えば、コンクリート管)および金属製カラー(例えば、鋼製カラー)を破砕するものであり、その構造が極めて簡単である。
【0015】
また、カッターヘッドの本体部分が推進機によって前方に推進されつつ回転駆動されると、ローラーカッタは、非金属製の管状本体の後端部分に当接しつつその回転軸の回りに回転し、その外周に設けられている複数の歯先が管状本体の後端部分に順次切れ込んでこの管状本体の後端部分を順次破砕する。
【0016】
さらに、ローラーカッタの複数の歯先が金属製カラーの後端部分に順次切れ込むと、金属製カラーの後端部分には、前方に延びる多数の亀裂が円周方向に等しい間隔を開けて順次形成される。
また、押圧変形部材の前端部分は、推進機の推進力によって金属製カラーの後端部分を前方に押圧し、亀裂が生じて円周方向に互いに分断されている後端部分の各部分をそれぞれ推進方向前方に変形させる。
これにより、この押圧変形部材の後に続くローラーカッタにおける複数の歯先は、金属製カラーの後端部分に更に切れ込んで更なる亀裂を順次形成するので、金属製カラーの後端部分を更に破砕することができる。
【0017】
このように、請求項1に記載した既設埋設管破砕用カッターヘッドは、ローラーカッタによる亀裂形成作用と、押圧変形部材による押圧変形作用とを繰り返すことにより金属製カラーの後端部分を順次破砕する。
したがって、ローラーカッタと押圧変形部材との組み合わせにより、非金属製の管状本体ばかりでなく、金属製カラーをも効率よく破砕することができる。
【0018】
また、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した既設埋設管破砕用カッターヘッドにおいて、前記ローラーカッタは、前記カッターヘッドを推進方向側方から見たときに、その推進方向の最も前側に位置する歯先が、前記軸線に対して半径方向に垂直に延びるように前記本体部分に支持されていることを特徴とする。
【0019】
すなわち、請求項2に記載した既設埋設管破砕用カッターヘッドにおいては、ローラーカッタのうち推進方向の最も前側に位置する歯先が、推進方向に対して垂直な状態で金属製カラーの後端部分に当接する。
これにより、ローラーカッタは、推進機の推進力によって金属製カラーを半径方向外側あるいは内側に押動することがないから、金属製カラーの後端部分に前方に延びる亀裂を効率よく形成することができる。
【0020】
また、請求項3に記載した発明は、請求項2に記載した既設埋設管破砕用カッターヘッドにおいて、
前記押圧変形部材は、前記カッターヘッドを推進方向側方から見たときに、前記ローラーカッタのうち推進方向の最も前側に位置する歯先と歯底の間にその前端部分が位置するように、前記ローラーカッタに対し前後方向に位置決めされていることを特徴とする。
【0021】
すなわち、請求項3に記載した既設埋設管破砕用カッターヘッドにおいては、ローラーカッタの歯先が金属製カラーの後端部分に切れ込むことにより、金属製カラーの後端部分がローラーカッタの歯底に当接しそうになっても、このローラーカッタの後に続く押圧変形部材の前端部分が金属製カラーの後端部分に当接して摺動することにより、金属製カラーの後端部分がローラーカッタの歯底に当接することはない。
これにより、推進機の推進力がローラーカッタの歯先に集中することとなり、鋼製カラーの後端部分に確実に亀裂を生じさせることができる。
【0022】
また、請求項4に記載した発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載した既設埋設管破砕用カッターヘッドにおいて、前記押圧変形部材の前端部分は、前記カッターヘッドを推進方向側方から見たときに、その半径方向外側の部分ほど推進方向後側に位置するように前後方向に傾斜して延びていることを特徴とする。
【0023】
すなわち、請求項4に記載した既設埋設管破砕用カッターヘッドにおいては、推進機がこのカッターヘッドを前方に推進する推進力の一部が、押圧変形部材の傾斜している前端部分を介して、金属製カラーの後端部分を半径方向外側に押し広げるために使用される。
したがって、請求項4に記載した既設埋設管破砕用カッターヘッドによれば、ローラーカッタと押圧変形部材との組み合わせにより、金属製カラーを効率よく破砕することができる。
【0024】
また、請求項5に記載した発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載した既設埋設管破砕用カッターヘッドにおいて、前記押圧変形部材は、前記推進方向の前側から見たときに、前記軸線に対して半径方向外側に延びる板状の部材であることを特徴とする。
なお「板状の部材」には、半径方向や推進方向にその厚みが変化する形状や、補強用のリブをその側面に有する形状等が含まれる。
【0025】
すなわち、請求項5に記載した既設埋設管破砕用カッターヘッドにおいては、推進方向の前側からこのカッターヘッドを見ると、ローラーカッタと押圧変形部材との間に隙間が生じている。
これにより、ローラーカッタが非金属製の管状本体および金属製のカラーを破砕することによって生じた破片を、この隙間を介して容易に後方に取り出すことができる。
【0026】
また、請求項6に記載した発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載した既設埋設管破砕用カッターヘッドにおいて、前記推進機は、前記ローラーカッタが前記管状本体を破砕するときの推進力を、前記ローラーカッタが前記カラーに亀裂を生じさせるときの推進力より低下させるように制御されることを特徴とする。
【0027】
すなわち、請求項6に記載した既設埋設管破砕用カッターヘッドにおいては、ローラーカッタの歯先が非金属製の管状本体に切れ込むときに、この管状本体が過剰に破砕されることを防止し、この管状本体に含まれている鉄筋を効率よく破砕することができる。
【発明の効果】
【0028】
すなわち、本発明によれば、管状本体の接続部分に金属製カラーが外嵌されている既設埋設管を効率よく破砕できる、その構造が簡単な既設埋設管改築用カッターヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】一実施形態のカッターヘッドを示す(a)正面図および(b)側面図。
【図2】図1に示したカッターヘッドの拡大側面図。
【図3】図1に示したカッターヘッドの作用を模式的に示す図。
【図4】既設埋設管改築工法を説明する図。
【図5】従来のカッターヘッドを示す(a)正面図および(b)側面図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図1〜図3を参照し、一実施形態の既設埋設管破砕用カッターヘッドの構造およびその作用について詳細に説明する。
【0031】
図1に示したカッターヘッド10は、図5に示した従来のカッターヘッド7と同様に、図4に示した既設埋設管改築装置におけるスクリュコンベア6の前端に取り付けられ、推進機4の駆動モータおよび減速機5によって回転駆動されつつ、既設埋設管改築装置の油圧シリンダによって推進方向前方に推進される。
【0032】
このカッターヘッド10は、推進方向に延びる軸線Cの回りに回転駆動される環状の本体部分11と、軸線Cに対し半径方向外側に延びる回転軸Rの回りに回転するように本体部分11の前側に支持されたローラーカッタ12と、このローラーカッタ12と円周方向に隣接するように本体部分11の前側に支持された押圧変形部材13と、既設埋設管1の周囲の地盤を掘削するカッタービット14とを備えている。
【0033】
ローラーカッタ12は、図3に模式的に示したようにその断面形状が歯車状であり、その尖っている歯先12aが、既設埋設管1のコンクリート部分(非金属製の管状本体)の後端部分、および既設埋設管1の接続部分に外嵌されている鋼製カラー(金属製カラー)9の後端部分に、それぞれ切れ込むようになっている。
また、このローラーカッタ12は、図2に拡大して示したように、その推進方向の最も前側に位置する歯先12aが軸線Cに対して半径方向に垂直に延びるように、回転軸Rによって本体部分11に支持されている。
【0034】
押圧変形部材13は、種々の形状も考え得るが、本実施形態においては、図1(a)に示したように推進方向前側から見たときに、軸線Cを含む平面内で半径方向外側に延びる板状の部材であり、円周方向に隣接する両側のローラーカッタ12,12との間には、既設埋設管1の破砕片を後方に取り込むための開口15が貫設されている。
【0035】
また、この押圧変形部材13の前端部分13aは、図2に拡大して示したように、このカッターヘッド10を推進方向側方から見たときに、その半径方向内側の部分13bに対し、その半径方向外側の部分13cの方が推進方向の後側に位置するように、前後方向に傾斜して延びている。
【0036】
さらに、この押圧変形部材13の前端部分13aは、図3に模式的に示したように、このカッターヘッド10を推進方向側方から見たときに、ローラーカッタ12のうち推進方向の最も前側に位置する歯先12aと歯底12bとの間に位置するように、ローラーカッタ12に対し前後方向に位置決めされている。
具体的に説明すると、押圧変形部材13の前端部分13aのうち半径方向内側の部分13bは、ローラーカッタ12のうち推進方向の最も前側に位置する歯先12aに対して寸法L1だけ推進方向の後側に位置している。
また、前端部分13aのうち半径方向外側の部分13cは、半径方向内側の部分13bに対し寸法L2だけ推進方向の後側に位置している。
しかしながら、ローラーカッタ12の歯先12aと歯底12bとの間の距離Dに対し、寸法L1,L2は、D>L1+L2なる関係となっている。
【0037】
次に、図3を参照し、本実施形態のカッターヘッド10の作用について説明する。
【0038】
本実施形態のカッターヘッド10の本体部分11が推進機4によって前方に推進されつつ回転駆動されると、ローラーカッタ12は、既設埋設管1のコンクリート部分の後端部分に当接しつつその回転軸Rの回りに回転し、その外周に設けられている複数の歯先12aがコンクリート部分の後端部分に順次切れ込んでこれを順次破砕する。
【0039】
また、ローラーカッタ12の複数の歯先12aが鋼製カラー9の後端部分9aに順次切れ込むと、鋼製カラー9の後端部分には、三角形状の凹部9bと、この凹部9bの先端から推進方向前側に延びる亀裂9cとが、円周方向に等間隔に順次形成される。
【0040】
このとき、ローラーカッタ12のうち推進方向の最も前側に位置する歯先12aは、推進方向にのびる軸線Cに対して垂直な状態で鋼製カラー9の後端部分9aに当接する。
これにより、ローラーカッタ12の歯先12aは、推進機4の推進力によって鋼製カラー9を半径方向外側にあるいは内側に押動することがないから、鋼製カラー9の後端部分9aに凹部9bおよび亀裂9cを効率よく形成することができる。
【0041】
また、押圧変形部材13の前端部分13aは、このカッターヘッド10を推進方向側方から見たときに、ローラーカッタ12のうち推進方向の最も前側に位置する歯先12aと歯底12bの間に位置するように、推進方向に位置決めされている。
これにより、ローラーカッタ12の歯先12aが鋼製カラー9の後端部分9aに切れ込んでも、鋼製カラーの後端部分9aがローラーカッタ12の歯底12bに当接することはないから、推進機4の推進力がローラーカッタ12の歯先12aに集中することとなり、鋼製カラー9の後端部分9aに確実に亀裂9cを形成することができる。
【0042】
また、押圧変形部材13の前端部分13aは、このカッターヘッド10を推進方向側方から見たときに、その半径方向外側の部分ほど推進方向後側に位置するように前後方向に傾斜して延びている。
これにより、推進機4がこのカッターヘッド10を前方に推進する推進力の一部が、押圧変形部材13の傾斜している前端部分13aを介して、鋼製カラー9の後端部分9aを半径方向外側に押し広げるために用いられる。
【0043】
したがって、押圧変形部材13の前端部分13aは、鋼製カラー9の後端部分9aのうち多数の亀裂9cによって円周方向に分断された各部分を半径方向外側に拡径させて、半径方向外側に立設するフランジ9dを形成する。
すると、この押圧変形部材13に続いて鋼製カラー9の後端部分9aに切れ込むローラーカッタ12は、このフランジ9dに切れ込んで更なる凹部9bおよび9cを形成する。
そして、このローラーカッタ12の後に続く押圧変形部材13は、亀裂9cが生じたフランジ9dをさらに半径方向外側に拡径しつつ推進方向前側に変形させる。
【0044】
すなわち、本実施形態のカッターヘッド10は、ローラーカッタ12による亀裂形成作用と、押圧変形部材13による押圧変形作用とを繰り返すことにより鋼製カラー9の後端部分9aを順次破砕する。
したがって、ローラーカッタ12と押圧変形部材13との組み合わせという簡単な鋼製により、既設埋設管1のコンクリート部分ばかりでなく、鋼製カラー9をも効率よく破砕することができることとなる。
【0045】
さらに、推進機4は、ローラーカッタ12が既設埋設管1のコンクリート部分を破砕するときの推進力が、ローラーカッタ12が鋼製カラー9に亀裂を生じさせるときの推進力より小さくなるように制御される。
これにより、ローラーカッタ12の歯先12aが既設埋設管1のコンクリート部分に切れ込むときに、このコンクリート部分が過剰に破砕されることを防止し、鉄筋をコンクリート部分によって保持できるようにするから、ローラーカッタ12の歯先12aによって鉄筋を効率よく破砕することができる。
【0046】
以上、本発明の既設埋設管破砕用カッターヘッドの一実施形態について詳しく説明したが、本発明は上述した実施形態によって限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態においては、押圧変形部材13は、図1(a)に示したように推進方向前側から見たときに、軸線Cを含む平面内で半径方向外側に延びる板状の部材となっている。
しかしながら、押圧変形部材13は、鋼製カラー9の後端部分9aのうち亀裂が生じている部分をそれぞれ押圧して、推進方向前方にあるいは半径方向外側に変形させる機能を有するのであれば、その強度や剛性を向上させるために他の様々な形状とすることができる。
【符号の説明】
【0047】
1 既設埋設管
2 更新管
3 発進坑
4 推進機
6 スクリュコンベア
7 カッターヘッド
8 カッタ
9 ケーシング
10 カッターヘッド
11 本体部分
12 ローラーカッタ
12a 歯先
12b 歯底
13 押圧変形部材
13a 前端部分
14 カッタービット
15 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非金属製の管状本体を接続する部分に金属製のカラーが外嵌されている既設埋設管を破砕するためのカッターヘッドであって、
推進方向に延びる軸線の回りに推進機によって回転駆動される本体部分と、
前記軸線に対し半径方向外側に延びる回転軸の回りに回転するように前記本体部分の前側に支持された、その断面形状が歯車状のローラーカッタと、
前記ローラーカッタと隣接するように前記本体部分の前側に支持された、前記軸線に対し半径方向外側に延びる前端部分を有した押圧変形部材と、
を備え、
前記ローラーカッタは、前記本体部分が前記推進機によって回転駆動されつつ前方に推進されると、前記管状本体の後端部分にその複数の歯先が順次切れ込んで前記管状本体を破砕するともに、前記カラーの後端部分にその歯先が順次切れ込んで前方に延びる亀裂を生じさせるように構成され、
前記押圧変形部材は、前記カラーの後端部分のうち前記亀裂が生じている部分をそれぞれ押圧して推進方向前方に変形させるように構成されている、
ことを特徴とする既設埋設管破砕用カッターヘッド。
【請求項2】
前記ローラーカッタは、前記カッターヘッドを推進方向側方から見たときに、その推進方向の最も前側に位置する歯先が、前記軸線に対して半径方向に垂直に延びるように前記本体部分に支持されていることを特徴とする請求項1に記載した既設埋設管破砕用カッターヘッド。
【請求項3】
前記押圧変形部材は、前記カッターヘッドを推進方向側方から見たときに、前記ローラーカッタのうち推進方向の最も前側に位置する歯先と歯底の間にその前端部分が位置するように、前記ローラーカッタに対し前後方向に位置決めされていることを特徴とする請求項2に記載した既設埋設管破砕用カッターヘッド。
【請求項4】
前記押圧変形部材の前端部分は、前記カッターヘッドを推進方向側方から見たときに、その半径方向外側の部分ほど推進方向後側に位置するように前後方向に傾斜して延びていることを特徴とする請求項1乃至3のいずかれか一項に記載した既設埋設管破砕用カッターヘッド。
【請求項5】
前記押圧変形部材は、前記推進方向の前側から見たときに、前記軸線に対して半径方向外側に延びる板状の部材であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載した既設埋設管破砕用カッターヘッド。
【請求項6】
前記推進機は、前記ローラーカッタが前記管状本体を破砕するときの推進力を、前記ローラーカッタが前記カラーに亀裂を生じさせるときの推進力より低下させるように制御されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載した既設埋設管破砕用カッターヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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